(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2では、連結ブラケットの真上から連結ブラケット及びアッパレールに向けてレーザー光線を照射することで、主に連結ブラケットの一部が溶けてアッパレールに接合されているため、例えば連結ブラケットとアッパレールが接触している部分に直接レーザー光線を照射した場合と比較して溶接強度が低下する虞があった。
また、一般に連結ブラケットは、アッパレールよりも板厚が大きいため、連結ブラケットの真上からレーザー溶接すると溶接強度が低下してしまう虞や、レーザーの照射強度を上げる必要が生じて熱の影響を受け易くなる虞があった。
そのため、レーザー溶接による接合強度を一層向上させて、溶接作業を容易にすることが可能な技術が求められていた。
【0006】
また、上記車両用シートの中には、シート本体を昇降可能に支持するハイトリンク装置やリクライニング装置をさらに備えたものがあり、これら装置の構成部品との配置関係を考慮してレーザー溶接作業を含む組み付け作業を行う必要があった。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、構成部品同士の溶接による接合強度を向上させ、溶接作業を容易にすることが可能なレール装置付きの車両用シートを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、ハイトリンク装置等の構成部品との配置関係を考慮して、溶接作業を含む組み付け作業をすることが可能なレール装置付きの車両用シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題は、本発明の車両用シートによれば、着座部となるシートクッションと、車体フロア上に取り付けられ、所定方向に延びるロアレールと、該ロアレールに沿って摺動可能に取り付けられ、前記シートクッションを支持するアッパレールと、該アッパレールと前記シートクッションを連結するために前記アッパレール上に取り付けられる連結ブラケットと、を備え、該連結ブラケットは、
前記アッパレールの上面に当接する底壁部と、該底壁部から連続して上方に延出し、前記シートクッション側が取り付けられる側壁部と、前記底壁部と前記側壁部を連結し、前記底壁部から前記側壁部に向かって上方に延びる補強壁部と、を有し、
前記底壁部及び
前記アッパレールの上面が当接した部分の外周部分が溶接されることで、
前記底壁部及び
前記アッパレールの上面の少なくとも一方に溶接痕が形成され、該溶接痕は、前記外周部分に沿わせて延びて
おり、前記側壁部の上端に形成された上端フランジと対向しながら、かつ、前記補強壁部と対向しながらシート前後方向に延びていること、により解決される。
【0009】
上記のように、アッパレールの被当接部と、連結ブラケットの当接部が当接した部分の外周部分が溶接されているため、従来例と比較して、アッパレールと連結ブラケットが当接している部分を直接的に溶接することができるため、溶接による接合強度を向上させることができる。
また、溶接によって形成された溶接痕が、互いに当接した部分の外周部分に沿って延びているため、溶接強度を一層向上できる。
【0010】
このとき、
前記補強壁部は、前記底壁部から前記側壁部に向かって上方傾斜しており、前記補強壁部の傾斜面は、シート前後方向に延びており、かつ、前記底壁部と前記側壁部が連結されている部分からシート後方に向かうに従って幅広となるように延びていると良い。
また、前記上端フランジと前記補強壁部は、シート前後方向において少なくとも一部が重なるように配置されていると良い。
また、前記補強壁部は、前記底壁部から前記側壁部に向かって上方傾斜しており、
前記補強壁部には、上方に向かって突出し、前記底壁部に連続した部分から前記側壁部に連続した部分まで延びている補強凸部が形成されていると良い。
また、前記補強壁部は、前記底壁部から前記側壁部に向かって上方傾斜しており、前記補強壁部には、上方に向かって突出し、前記底壁部に連続した部分から前記側壁部に連続した部分まで延びている補強凸部が形成されていると良い。
また、前記シートクッションと前記連結ブラケットをそれぞれ連結し、該連結ブラケットに対して回動可能となるように取り付けられる第1リンク及び第2リンクを備え、前記第1リンクは、前記第2リンクよりもシート前方に配置され、かつ、前記第2リンクとシート幅方向において異なる位置に配置されていると良い。
また、前記側壁部は、シート前後方向において前記第1リンク側から前記第2リンク側へ向かうに従って上方に突出するように延びており、前記上端フランジは、シート前後方向において前記第1リンクが取り付けられた部分から、前記側壁部が上方に突出している部分まで延びていると良い。
また、前記補強壁部は、シート前後方向に延びており、前記底壁部と、前記側壁部において前記第2リンクが取り付けられる部分とを連結していると良い。
【0011】
一般に、ハイトリンク装置を備えた車両用シートにおいては、ハイト操作レバーがシート本体からシート幅方向の外側に極力張り出すことがないように設計する必要があって、例えば、ハイト操作レバーに対向する位置にある第2リンク(駆動リンク)を第1リンクに対して内側にオフセットさせる技術が知られている。
そして、リンク同士をオフセットすることで通常よりも連結ブラケットの接合強度が求められるところ、上記構成であれば、連結ブラケットの接合強度を十分に確保することが可能となる。
また上記構成により、、ハイトリンク装置の配置関係を考慮して第1リンクに対して第2リンクを内側にオフセットした場合にも、補強壁部を設けることで第2リンク周辺の剛性を高めることができる。
また、上記のように第2リンクをオフセットした場合、アッパレールと連結ブラケットが当接した外周部分をシート幅方向の内側からレーザー溶接しようとすると、連結ブラケットにおいて第2リンク側に張り出した部分が邪魔をして適切に外周部分を狙ってレーザー照射することが困難になる。しかしながら、本発明の上記構成であれば、補強壁部が底壁部から前記側壁部に向かって上方に延びているため、レーザー照射する上で邪魔になる位置を避けることができる。
詳しく言うと、一般にレーザーが対象部分に照射されると、一部が反射レーザーとなってはね返ってくるため、反射レーザーが通過する領域には構成部品の配置を避けておく必要があるところ、本連結ブラケットの構成であれば、好適にレーザー溶接の作業ができる。
また、上記のように、補強壁部は底壁部から側壁部に向かって上方傾斜しているために、例えばレーザーの反射角度を考慮することで、一層好適にレーザー溶接の作業ができる。
また、補強凸部が形成されているため、第2リンク周辺の剛性を一層高められる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、従来例と比較して、アッパレールと連結ブラケットが当接している部分を直接的に溶接することができるため、溶接による接合強度を向上させることができる。また、溶接痕が、互いに当接した部分の外周部分に沿って延びているため、溶接強度を一層向上できる
。
また本発明によれば、連結ブラケットの接合強度を一層向上でき、特にシート幅方向に加わる応力を効率的に受容できる。
また本発明によれば、一般にリンク同士をオフセットすることで通常よりも連結ブラケットの接合強度が求められるところ、連結ブラケットの接合強度を十分に確保できる。
また本発明によれば、ハイトリンク装置の配置関係を考慮して第1リンクに対して第2リンクをオフセットした場合にも、第2リンク周辺の剛性を高められる。また、上記のように第2リンクをオフセットした場合にも、好適にレーザー溶接の作業ができる。
また本発明によれば、例えばレーザーの反射角度を考慮した上で、一層好適にレーザー溶接の作業ができる。また、第2リンク周辺の剛性を一層高められる。
【0019】
請求項4の発明によれば、上記切り欠きによって、溶接可能な外周部分を延長することができるため、溶接強度が向上し、溶接位置の自由度が高くなる。
請求項5の発明によれば、底壁部の外周部分において側壁部の位置を避けた上で、レーザー溶接作業がし易くなる位置に切り欠きが形成される。
請求項6の発明によれば、一般にリンク同士をオフセットすることで通常よりも連結ブラケットの接合強度が求められるところ、連結ブラケットの接合強度を十分に確保できる。
【0020】
請求項7の発明によれば、切り欠きに向かって溶接する作業が容易になる。
請求項8の発明によれば、ハイトリンク装置の配置関係を考慮して第1リンクに対して第2リンクをオフセットした場合にも、第2リンク周辺の剛性を高められる。また、上記のように第2リンクをオフセットした場合にも、好適にレーザー溶接の作業ができる。
請求項9の発明によれば、例えばレーザーの反射角度を考慮した上で、一層好適にレーザー溶接の作業ができる。また、第2リンク周辺の剛性を一層高められる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係る車両用シートについて、
図1〜
図6を参照しながら説明する。
本実施形態は、シート本体を前後移動可能に支持するレール装置を備えた車両用シートであって、クッションフレームとアッパレールとを連結するための連結ブラケットを備え、連結ブラケット及びアッパレールが上下に当接した部分の外周部分がシート幅方向の両側からレーザー溶接されることで溶接痕が形成され、溶接痕は、外周部分のうち、シート幅方向の外側面に沿って延びている第1溶接部と、シート幅方向の内側面に沿って延びている第2溶接部と、を備えていることを特徴とする車両用シートの発明に関するものである。
なお、車両用シートのシートバックに対して乗員が着座する側がシート前方側となる。
【0023】
本実施形態の車両用シートSは、
図1に示すように、シートクッション1と、シートバック2とを備えているシート本体と、
図2に示すように、シートクッション1に対してシートバック2を回動可能に連結するリクライニング装置20と、車体フロアに対してシート本体を昇降可能に連結するハイトリンク装置30と、車体フロアに取り付けられ、シート本体を前後移動可能に支持するレール装置40と、から主に構成されている。
【0024】
シートクッション1は、
図1に示すように、乗員を下方から支持する着座部であって、骨格となる
図2に示すクッションフレーム10にクッションパッド1aを載置して表皮材1bで被覆されて構成されている。
シートバック2は、乗員の背中を後方から支持する背もたれ部であって、骨格となるバックフレームにクッションパッド2aを載置して表皮材2bで被覆されて構成されている。
【0025】
クッションフレーム10は、
図2に示すように、シートクッション1の骨格となる略矩形状の枠状体からなり、左右側方に配置されるサイドフレーム11と、各サイドフレーム11の前方部分を連結するプレート状のパンフレーム12と、各サイドフレーム11の後方部分を連結するパイプ状の後方連結フレーム13と、パンフレーム12及び後方連結フレーム13に掛け止めされ、蛇状に延びている3つの弾性バネ14と、から主に構成されている。
サイドフレーム11は、シート前後方向に延出し、縦断面略I字形状からなる板金部材であって、その後方部分にはリクライニング装置20が取り付けられ、その下方部分にはハイトリンク装置30を介してレール装置40が取り付けられている。
【0026】
リクライニング装置20は、
図2に示すように、シートバック2の回転動作をロックするロック状態と、ロック解除状態との間で切り替え可能であって、シートバック2を起立姿勢でロックした状態から、不図示のリクラ操作レバーが操作されることでロック状態を解除し、シートバック2の起立姿勢を調整することが可能な装置である。
詳しく言うと、リクライニング装置20は、シートクッション1の後方部分に取り付けられ、回転中心となるバック回転軸21と、シートバック2をバック回転軸21を中心として前方側に回転させるように付勢する渦巻きバネ22と、から主に構成されている。
バック回転軸21は、シート幅方向においてシートクッション1側とシートバック2側に軸支され、渦巻きバネ22は、その一端部がシートクッション1側に係止され、他端部がシートバック2側に係止されている。
【0027】
ハイトリンク装置30は、
図2、
図3に示すように、クッションフレーム10とレール装置40の間に取り付けられ、シート前方側に配置される左右の第1リンク31と、シート後方側に配置される左右の第2リンク32とを備えており、第2リンク32が駆動リンクとなってシート本体の高さを調整可能な装置である。
なお、第2リンク32のうち、クッションフレーム10(サイドフレーム11)側の連結部分において、その外周部分の一部には、歯車として不図示のセクターギア部が形成されており、後述のブレーキユニット34の左右内側に設けられた不図示のピニオンギアと噛み合わされている。
【0028】
また、ハイトリンク装置30は、サイドフレーム11のシート幅方向の側面に軸支され、外側に突出するブレーキ回転軸33と、ブレーキ回転軸33を介して回動可能に取り付けられ、シート本体の昇降動作を規制するブレーキユニット34と、ブレーキ回転軸33及びブレーキユニット34を介して回動可能に取り付けられ、シート本体を昇降動作させるハイト操作レバー35と、を備えている。
ハイト操作レバー35が操作されると、ブレーキ回転軸33と一体的にピニオンギアが回転し、ピニオンギアとセクターギア部との噛み合い位置が変化する。さらに、セクターギア部が形成された左側の第2リンク32が回転し、左側の第2リンク32に従動して、右側の第2リンク32、左右の第1リンク31も回転する。これによって、シート本体が昇降し、シート高さが調整されることになる。
【0029】
レール装置40は、
図2、
図3に示すように、車体フロアに固定され、シート前後方向に延びる左右のロアレール41と、ロアレール41に沿って摺動可能に支持される左右のアッパレール42と、アッパレール42を摺動不能にロックする不図示のロック部材と、ロック部材のロック状態を解除するレール操作レバー43と、から主に構成されている。
ロアレール41は、長尺な中空体からなり、シート幅方向に間隔を空けて左右に配置されており、シート前後方向に沿って断面略凸形状の収容空間が形成されている。
アッパレール42は、ロアレール41の収容空間内に挿入された状態でロアレール41に沿ってスライド移動する長尺体からなり、
図3に示すように、その上方部分が連結ブラケット50を介してクッションフレーム10側に連結されている。
【0030】
連結ブラケット50は、
図3、
図4に示すように、シート前後方向に延出する縦断面略L字形状の板金部材からなり、上下方向においてアッパレール42と、クッションフレーム10側にあるリンク31,32とを連結するための部材である。
連結ブラケット50は、アッパレール42の上面に当接する底壁部51と、底壁部51の左右方向の内側端部から連続して上方に延出し、リンク31,32が回動可能に取り付けられている側壁部52と、底壁部51の前端部から連続して上方に延出し、側壁部52の前端部にも連結されている前壁部53と、から主に構成されている。
なお、底壁部51が、特許請求の範囲においてアッパレール42の上面(被当接部)に当接する当接部に相当する。
【0031】
底壁部51は、アッパレール42に沿って延びており、そのシート幅方向の外側面には、所定の間隔を空けて設けられ、シート幅方向の内側に向かって切り欠かれている切り欠き51aが複数形成されている。
切り欠き51aは、略矩形状に切り欠かれた部分であって、シート幅方向においてアッパレール42の中央部には到達しない範囲でシート幅方向の内側に延びている。また、シート前後方向において第1リンク31と第2リンク32の間に配置されている。
底壁部51は、その底面とアッパレール42上面が当接した部分の外周部分がレーザー溶接されることで、アッパレール42上に接合されている。
詳しく言うと、当該外周部分がシート幅方向の外側及び内側からレーザー溶接されることで、底壁部51及びアッパレール42上面の両方に溶接痕60が形成されている。
【0032】
側壁部52は、底壁部51に沿って前後方向に延びており、第1リンク31が取り付けられる部分から第2リンク32が取り付けられる部分に向かうに従って、底壁部51からシート幅方向に遠ざかる向きに屈曲して形成されている。
また、側壁部52のうち、第1リンク31と第2リンク32の間には、シート前後方向に延びる上端フランジ52aと、レール装置40又はその周辺にある公知なデバイス用のハーネスを通すためのハーネス通過穴52bとが形成されている。
上端フランジ52a、ハーネス通過穴52bは、シート前後方向において切り欠き51aに対向する位置に形成されている。
【0033】
底壁部51と、側壁部52において第2リンク32が取り付けられる部分とを連結した部分には、底壁部51から側壁部52に向かって上方に延びる補強壁部54が形成されている。
補強壁部54は、底壁部51から側壁部52に向かって上方傾斜しており、具体的には、底壁部に対して約15〜45度の角度、好ましくは約30度の角度で上方傾斜している。
また補強壁部54には、上方に盛り上がった補強凸部54aが形成されている。補強凸部54aは、補強壁部54において底壁部51に連結された部分から側壁部52に連結された部分まで延びており、シート前後方向に所定の間隔を空けて複数形成されている。
【0034】
溶接痕60は、
図3〜
図6に示すように、底壁部51とアッパレール42上面が当接した部分の外周部分の一部がレーザー溶接されることで形成されている。
溶接痕60は、当該外周部分のうち、シート幅方向の外側面に沿って延びている第1溶接部61と、シート幅方向の内側面に沿って延びている第2溶接部62と、を備えている。
第1溶接部61は、底壁部51の外周部分のうち、切り欠き51aを含む外側面に沿って延びており、詳しく言うと、切り欠き51aの位置で不連続となるように延びている。
第2溶接部62は、底壁部51の外周部分のうち、内側面に沿って連続して延びている。
【0035】
上記構成において、第1溶接部61、第2溶接部62は、それぞれシート幅方向の外側、内側からレーザー溶接することで形成されている。
そのため、比較的スペースが確保し易い位置から溶接作業することができる。
【0036】
また上記構成において、
図3、
図4に示すように、第2リンク32が第1リンク31よりもシート幅方向の内側に位置を変えて配置(オフセット配置)されている。
一般に、ハイトリンク装置30付きのシートにおいては、ハイト操作レバー35がシート本体からシート幅方向の外側に極力張り出すことがないように、ハイト操作レバー35にブレーキユニット34を介して連結される第2リンク32(駆動リンク)をシート幅方向の内側にオフセット配置させるものである。
このようにリンク同士をオフセット配置することで通常よりも連結ブラケット50の接合強度が求められるところ、上記のようにレーザー溶接を採用した本構成であれば、連結ブラケット50の接合強度を十分に確保することができる。
【0037】
また上記構成において、連結ブラケット50には、第2リンク32のオフセット配置に対応して、傾斜形状からなる補強壁部54が面取り部分として形成されている。
一般にシート幅方向の内側からレーザー溶接しようとすると、連結ブラケット50において第2リンク32側に張り出した部分が邪魔をして適切にレーザー照射することが困難になる。しかしながら、本発明の構成であれば、補強壁部54によってレーザー照射する上で邪魔になる部分を避けることができる。
具体的には、レーザーが対象部分に照射されると、一部が反射レーザーとなってはね返ってくるため、反射レーザーが通過する領域には構成部品の配置を避けておく必要があるところ、本連結ブラケット50の構成であれば、好適にレーザー溶接の作業ができる。
【0038】
<その他の実施形態>
上記実施形態において、
図3に示すように、車両用シートSは、ハイトリンク装置30を備えた構成となっているが、必ずしも必要ではなく、クッションフレーム10(サイドフレーム11)と連結ブラケット50が直接連結されていても良い。
また、連結ブラケット50の代わりに、連結部がサイドフレーム11の下端部分に一体的に設けられ、当該連結部とアッパレール42とが連結された構成になっていても良い。
【0039】
上記実施形態において、連結ブラケット50は、レーザー溶接されることでアッパレール上に取り付けられているが、特にレーザー溶接に限定されることなく、アーク溶接やスポット溶接等の各種溶接方法が採用されていても良い。
【0040】
上記実施形態において、
図3に示すように、連結ブラケット50は、アッパレール42に当接した部分の外周部分がシート幅方向の両側からレーザー溶接されることで、アッパレール42上に接合されているが、レーザー溶接の向きや箇所について特に限定されることなく変更可能である。
例えば、当該外周部分がシート幅方向の外側のみからレーザー溶接されても良いし、シート前方側のみからレーザー溶接されても良い。
当該外周部分がシート幅方向の外側のみからレーザー溶接されている場合には、溶接痕60は、第1溶接部61のみ形成されることになる。
このとき、第1溶接部61の溶接箇所も任意であって、例えば切り欠き51aが形成されていない場合には、第1溶接部61は、当該外周部分の外側面に沿って連続して延びていても良いし、間隔を空けながら不連続で延びていても良い。また例えば切り欠き51aが形成されている場合でも、第1溶接部61は、切り欠き51a全周を含む外側面に沿って連続して延びていても良い。
【0041】
上記実施形態において、
図3に示すように、連結ブラケット50とアッパレール42が当接した部分の外周部分がレーザー溶接されることで、連結ブラケット50及びアッパレール42の両方に溶接痕60が形成されているが、必ずしも両方に溶接痕60が形成されていなくても良い。
一般に、連結ブラケット50はアッパレール42よりも板厚が大きいため、互いに当接した部分においてやや連結ブラケット50側に寄せた位置にレーザー溶接することで、アッパレール42が熱の影響を受け難くすることができる。このとき、溶接痕60が連結ブラケット50に大きく形成されることになる。
【0042】
上記実施形態では、具体例として自動車に用いられる車両用シートについて説明したが、これに限定されることなく、電車、バス等の車両用シートのほか、飛行機、船等の乗物用シートとしても利用することができる。
【0043】
本実施形態では、主として本発明に係る車両用シートに関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。