特許第6706043号(P6706043)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6706043
(24)【登録日】2020年5月19日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】レーダ制御装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/282 20060101AFI20200525BHJP
   G01S 7/03 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   G01S7/282 200
   G01S7/03 248
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-191836(P2015-191836)
(22)【出願日】2015年9月29日
(65)【公開番号】特開2017-67552(P2017-67552A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2018年9月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】柏柳 太郎
【審査官】 山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−070781(JP,U)
【文献】 特開昭62−169071(JP,A)
【文献】 特開平11−084006(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0009380(US,A1)
【文献】 特開平09−257907(JP,A)
【文献】 特開2015−052550(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00−17/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダパルスを送信するレーダ送信部と、前記レーダ送信部を方位角方向に回転させるレーダ回転部と、を備えるレーダ装置を制御するレーダ制御装置であって、
前記レーダ送信部と前記レーダ回転部が同期するように、かつ、方位角方向の各セクタにおける前記レーダ送信部の送信パルス数が等しくなるように、方位角方向の各セクタにおける前記レーダ送信部のパルス繰り返し周期を除く送信停止時間を調整することを特徴とするレーダ制御装置。
【請求項2】
n(nは、任意の自然数である。)周目の各セクタにおける前記レーダ送信部の送信開始時刻での方位角方向の検出結果に基づいて、(n+2)周目の最初のセクタにおける前記レーダ送信部の送信開始時刻での方位角方向が前記レーダ送信部の方位角方向の原点位置に一致するように、(n+1)周目の各セクタにおける前記レーダ送信部の前記送信停止時間を調整することを特徴とする、請求項1に記載のレーダ制御装置。
【請求項3】
各セクタにおける前記レーダ送信部の方位角方向の変化量についての検出結果と理想的値のずれがなくなるように、各セクタにおける前記レーダ送信部の前記送信停止時間を調整することを特徴とする、請求項1に記載のレーダ制御装置。
【請求項4】
方位角方向の各セクタにおける前記レーダ送信部の方位角方向の回転速度のばらつきに拘わらず、方位角方向の各セクタにおける前記レーダ送信部の送信パルス数が等しくかつ可能な範囲で多くなるように、方位角方向の各セクタにおける前記レーダ送信部の前記送信停止時間を調整することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のレーダ制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダパルスを送信するレーダ送信部と、レーダ送信部を方位角方向に回転させるレーダ回転部と、を備えるレーダ装置を制御するレーダ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
気象レーダ装置は、方位角方向を複数の等しい中心角のセクタに分割し、各々のセクタにおいて、レーダパルスを送信し、エコーパルスを受信し、コヒーレント性の仮定下で信号処理を実行し、雨量や風速等を測定する(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−164383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術のレーダ装置のセクタ概念を図1に示す。従来技術のレーダ制御装置の制御概念を図2に示す。レーダ装置1は、方位角方向をm個の等しい中心角(360/m度)のセクタS1、・・・、Smに分割し、レーダパルスを等しいパルス間隔tで送信する。
【0005】
各セクタS1、・・・、Smにおける送信パルス数は、等しくなることが望ましい。送信パルス数が多いセクタでは、測定精度が高くなるが、送信パルス数が少ないセクタでは、測定精度が低くなり、各セクタS1、・・・、Smにおける送信パルス数がばらつけば、各セクタS1、・・・、Smにおける測定精度がばらつき、全体的な信頼性が低くなる。
【0006】
実際は、送信系と回転系は、クロック同期しておらず、送信系の回転速度は、1周のうちでムラがあり、送信系の回転位置の検出分解能は、一定の限界がある。
【0007】
よって、図1に示したように、中心角(360/m度)に基づいてセクタを分割すれば、各セクタS1、・・・、Smにおける送信パルス数がばらついてしまう。例えば、各セクタS1、・・・、Smにおける送信パルス数は、Pパルスで均一になることが望ましいところ、セクタS1における送信パルス数は、(P+ΔP)パルスとなってしまい、セクタSmにおける送信パルス数は、(P+ΔP)パルスとなってしまう。
【0008】
そして、図2に示したように、セクタ時間(t=Pt)に基づいてセクタを分割すれば、送信系の周回毎に、各セクタS1、・・・、Smにおける中心角範囲が変化してしまう。例えば、送信系が周回するたびに、全セクタS1、・・・、Smにおける中心角範囲は、0度で始まり360度で終わることが望ましいところ、送信系のある周回では、全セクタS1、・・・、Smにおける中心角範囲は、0度より進んだ角度で始まり360度より遅れた角度で終わってしまい、送信系の次の周回では、全セクタS1、・・・、Smにおける中心角範囲は、0度より遅れた角度で始まり360度より遅れた角度で終わってしまう。
【0009】
そこで、前記課題を解決するために、本発明は、送信系と回転系がクロック同期しておらず、送信系の回転速度に1周のうちでムラがあり、送信系の回転位置の検出分解能に一定の限界があるとしても、各セクタにおける送信パルス数が等しくなるようにすること、及び、送信系と回転系が擬似的に同期するようにすること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
送信系と回転系が擬似的に同期するようにするために、各セクタにおけるセクタ時間を調整可能とするようにした。各セクタにおける送信パルス数が等しくなるようにするために、送信系の回転速度のばらつき及び送信パルス数の1未満の端数分を吸収するための、各セクタにおける送信停止時間を調整可能とするようにした。
【0011】
具体的には、本発明は、レーダパルスを送信するレーダ送信部と、前記レーダ送信部を方位角方向に回転させるレーダ回転部と、を備えるレーダ装置を制御するレーダ制御装置であって、前記レーダ送信部と前記レーダ回転部が同期するように、かつ、方位角方向の各セクタにおける前記レーダ送信部の送信パルス数が等しくなるように、方位角方向の各セクタにおける前記レーダ送信部の送信停止時間を調整することを特徴とするレーダ制御装置である。
【0012】
この構成によれば、回転系をハードウェア的に改良するのではなく、送信系をソフトウェア的に改良することにより、各セクタにおける送信パルス数が等しくなるようにすること、及び、送信系と回転系が擬似的に同期するようにすること、を容易に実現することができる。ひいては、測定結果の全体的な信頼性を高くすることができる。
【0013】
また、本発明は、n(nは、任意の自然数である。)周目の各セクタにおける前記レーダ送信部の送信開始時刻での方位角方向の検出結果に基づいて、(n+2)周目の最初のセクタにおける前記レーダ送信部の送信開始時刻での方位角方向が前記レーダ送信部の方位角方向の原点位置に一致するように、(n+1)周目の各セクタにおける前記レーダ送信部の送信停止時間を調整することを特徴とするレーダ制御装置である。
【0014】
この構成によれば、回転系をハードウェア的に改良するのではなく、送信系をソフトウェア的に改良することにより、送信系と回転系が擬似的に同期するようにするための、具体的でソフトウェア的な手段を提供することができる。
【0015】
また、本発明は、各セクタにおける前記レーダ送信部の方位角方向の変化量についての検出結果と理想的値のずれがなくなるように、各セクタにおける前記レーダ送信部の送信停止時間を調整することを特徴とするレーダ制御装置である。
【0016】
この構成によれば、回転系をハードウェア的に改良するのではなく、送信系をソフトウェア的に改良することにより、送信系と回転系が擬似的に同期するようにするための、一般的でソフトウェア的な手段を提供することができる。
【0017】
また、本発明は、方位角方向の各セクタにおける前記レーダ送信部の方位角方向の回転速度のばらつきに拘わらず、方位角方向の各セクタにおける前記レーダ送信部の送信パルス数が等しくかつ可能な範囲で多くなるように、方位角方向の各セクタにおける前記レーダ送信部の送信停止時間を調整することを特徴とするレーダ制御装置である。
【0018】
この構成によれば、回転系をハードウェア的に改良するのではなく、送信系をソフトウェア的に改良することにより、各セクタにおける送信パルス数が等しくなるようにするための、具体的でソフトウェア的な手段を提供することができる。
【発明の効果】
【0019】
このように、本発明は、送信系と回転系がクロック同期しておらず、送信系の回転速度に1周のうちでムラがあり、送信系の回転位置の検出分解能に一定の限界があるとしても、各セクタにおける送信パルス数が等しくなるようにすること、及び、送信系と回転系が擬似的に同期するようにすること、ができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】従来技術のレーダ装置のセクタ概念を示す図である。
図2】従来技術のレーダ制御装置の制御概念を示す図である。
図3】本発明のレーダ装置のセクタ概念を示す図である。
図4】本発明のレーダ制御装置の制御概念を示す図である。
図5】本発明のレーダ装置及びレーダ制御装置を示す図である。
図6】本発明のレーダ制御装置の制御方法を示すフローチャートである。
図7】本発明のレーダ制御装置の制御方法を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は以下の実施形態に制限されるものではない。
【0022】
本発明のレーダ装置のセクタ概念を図3に示す。本発明のレーダ制御装置の制御概念を図4に示す。レーダ装置1は、方位角方向をm個の等しい中心角(360/m度)のセクタS1、・・・、Smに分割し、レーダパルスを等しいパルス間隔tで送信する。
【0023】
各セクタS1、・・・、Smにおける送信パルス数は、等しくなることが望ましい。送信パルス数が多いセクタでは、測定精度が高くなるが、送信パルス数が少ないセクタでは、測定精度が低くなり、各セクタS1、・・・、Smにおける送信パルス数がばらつけば、各セクタS1、・・・、Smにおける測定精度がばらつき、全体的な信頼性が低くなる。
【0024】
実際は、送信系と回転系は、クロック同期しておらず、送信系の回転速度は、1周のうちでムラがあり、送信系の回転位置の検出分解能は、一定の限界がある。
【0025】
そこで、本発明のレーダ装置及びレーダ制御装置を図5に示す。レーダ制御装置2は、レーダパルスを送信するレーダ送信部11と、レーダ送信部11を方位角方向に回転させるレーダ回転部12と、を備えるレーダ装置1を制御する。
【0026】
そして、レーダ制御装置2は、レーダ送信部11とレーダ回転部12が擬似的に同期するように、かつ、各セクタS1、・・・、Smにおける回転速度のばらつきに拘わらず、各セクタS1、・・・、Smにおける送信パルス数P’が等しくなるように、各セクタS1、・・・、Smにおける送信停止時間tを調整する。
【0027】
つまり、レーダ制御装置2は、レーダ送信部11とレーダ回転部12が擬似的に同期するために、各セクタS1、・・・、Smにおけるセクタ時間を、図4の上側に示したt’=P’t(tは未調整であり初期値として0としている。)から図4の下側に示したt’=P’t+tへと調整可能とする。そして、レーダ制御装置2は、各セクタS1、・・・、Smにおける送信パルス数P’が等しくなるために、回転速度のばらつき及び送信パルス数の1未満の端数分を吸収するための、各セクタS1、・・・、Smにおける送信停止時間tを調整可能とする。ここで、レーダ制御装置2は、(a)定常状態の各セクタS1、・・・、Smにおける送信停止時間tが0以上になることと、(b)図6及び図7を用いて後述する各周目の補正量が各周目の最大限度の補正量を超えないことと、を考慮して、定常状態の各セクタS1、・・・、Smにおける送信パルス数P’を決定する。
【0028】
よって、図3に示したように、中心角(360/m度)に基づいてセクタを分割しても、各セクタS1、・・・、Smにおける送信パルス数がばらつかない。つまり、各セクタS1、・・・、Smにおける送信パルス数は、P’パルスで均一になる。その結果、各セクタS1、・・・、Smにおける測定精度がばらつかず、測定結果の全体的な(全方位角方向0度から360度までにわたる。)信頼性を高くすることができる。
【0029】
そして、図4に示したように、セクタ時間t’=P’t+tに基づいてセクタを分割しても、レーダ送信部11の周回毎に、各セクタS1、・・・、Smにおける中心角範囲が変化しない。つまり、レーダ送信部11が周回するたびに、全セクタS1、・・・、Smにおける中心角範囲は、0度で始まり360度で終わる。その結果、各セクタS1、・・・、Smにおける測定結果が重複することなく、測定結果の全体的な(全方位角方向0度から360度までにわたる。)信頼性を高くすることができる。
【0030】
さらに、レーダ制御装置2は、レーダ回転部12をハードウェア的に改良するのではなく、レーダ送信部11をソフトウェア的に改良することにより、各セクタS1、・・・、Smにおける送信パルス数P’が等しくなるようにすること、及び、レーダ送信部11とレーダ回転部12が擬似的に同期するようにすること、を容易に実現することができる。
【0031】
本発明のレーダ制御装置の制御方法を示すフローチャートを図6に示す。本発明のレーダ制御装置の制御方法を示すグラフ図を図7に示す。レーダ送信部11の1周目からレーダ送信部11の3周目までにわたり、各セクタS1、・・・、Smにおける送信パルス数P’が等しくなるようにすること、及び、レーダ送信部11とレーダ回転部12が擬似的に同期するようにすること、をソフトウェア的に実現することを以下に見て行く。
【0032】
レーダ送信部11の1周目において、レーダ送信部11は、図4の上側に示したルール(送信停止時間tは未調整で初期値0。)に従って、レーダパルスを送信する。レーダ送信部11は、各セクタ開始のトリガ信号を、レーダ回転部12に出力する。レーダ回転部12は、各セクタ開始時の方位角信号を、レーダ制御装置2に出力する。
【0033】
レーダ制御装置2は、1周目の各セクタS1、・・・、Smにおける送信開始時刻での方位角方向を取得する(フローF1)。レーダ制御装置2は、1周目の1周分のデータを取得したとき(フローF2においてYES)、最小二乗法による直線近似等により、1セクタ分の方位角方向の変化量θ(1)を算出する(フローF3)。理想と異なり、実際には、セクタS1は、0度より進んだ角度で始まり、セクタSmは、360度より遅れた角度で終わり、1セクタ分の方位角方向の変化量θ(1)は、360/m度より小さい。
【0034】
レーダ制御装置2は、3周目のセクタS1における送信開始時刻での方位角方向に関する、推定値と理想値のずれθ(3)を算出する(フローF4)。ここで、推定値は、3周目のセクタS1における送信開始時刻に向けて、フローF3での最小二乗法による近似直線等を外挿することにより、算出することができる。理想値は、勿論、0度である。そして、推定値から理想値まで、正方向にずれθ(3)だけ補正する必要がある。
【0035】
レーダ制御装置2は、1周目の各セクタS1、・・・、Smにおけるセクタ時間t’(1)に対する、2周目の各セクタS1、・・・、Smにおける補正量Δt’(2)を、Δt’(2)=t’(1)*(θ(3)/mθ(1))を用いて算出する(フローF5)。つまり、レーダ制御装置2は、3周目の最初のセクタS1における送信開始時刻での方位角方向が、方位角方向の原点位置(即ち、0度。)に一致するようにする。
【0036】
レーダ制御装置2は、2周目の各セクタS1、・・・、Smにおける送信停止時間t(2)を、t(2)=t’(1)+Δt’(2)−P’tを用いて算出する(フローF6)。ここで、レーダ制御装置2は、(a)定常状態の各セクタS1、・・・、Smにおける送信停止時間tが0以上になることと、(b)1セクタ分の方位角方向の変化量θ(n)に対して各周目の補正量が各周目の最大限度の補正量を超えないことと、を考慮して、定常状態の各セクタS1、・・・、Smにおける送信パルス数P’を決定する。
【0037】
レーダ制御装置2は、2周目の各セクタS1、・・・、Smにおける送信停止時間t(2)を、レーダ送信部11に通知する(フローF7)。レーダ送信部11は、2周目の各セクタS1、・・・、Smにおけるセクタ時間t’(2)を、t’(2)=P’t+t(2)を用いて算出する(フローF8)。以上により、レーダ送信部11の1周目が終了する。
【0038】
レーダ送信部11の2周目においても、レーダ送信部11の1周目とほぼ同様に、フローF1〜F8が実行される。ただし、レーダ送信部11は、レーダ送信部11の1周目のフローF7で決まったルール(送信停止時間t(2)は調整済。)に従って、レーダパルスを送信する。そして、フローF3において、理想と異なり、実際には、セクタS1は、0度より遅れた角度で始まり、セクタSmは、360度の近傍の角度で終わり、1セクタ分の方位角方向の変化量θ(2)は、360/m度より大きい。そして、フローF4において、推定値から理想値まで、負方向にずれθ(4)だけ補正する必要がある。
【0039】
レーダ送信部11の3周目においても、レーダ送信部11の1周目とほぼ同様に、フローF1〜F8が実行される。ただし、レーダ送信部11は、レーダ送信部11の2周目のフローF7で決まったルール(送信停止時間t(3)は調整済。)に従って、レーダパルスを送信する。そして、フローF3において、理想と同様に、実際にも、セクタS1は、0度の近傍の角度で始まり、セクタSmは、360度の近傍の角度で終わり、1セクタ分の方位角方向の変化量θ(3)は、360/m度に等しい。そして、フローF4において、推定値から理想値まで、ずれθ(5)の補正をする必要がない。
【0040】
レーダ装置1の経時変化(レーダ送信部11のクロックの変動及びレーダ回転部12の回転速度の変動)に対処するために、レーダ送信部11の3周目以降においても、レーダ送信部11の1周目とほぼ同様に、フローF1〜F8が実行されることが望ましい。
【0041】
なお、図7に示した本発明のレーダ制御装置2の制御方法は、一つの具体例である。
【0042】
図7に示した具体例では、送信停止時間tの初期値を0としており、1周目の1セクタ分の方位角方向の変化量θ(1)は、360/m度より小さく、2周目の1セクタ分の方位角方向の変化量θ(2)は、360/m度より大きい。図7に対する変形例として、送信停止時間tの初期値を正の大きめの値としてもよく、1周目の1セクタ分の方位角方向の変化量θ(1)は、360/m度より大きくてもよく、2周目の1セクタ分の方位角方向の変化量θ(2)は、360/m度より小さくてもよい。
【0043】
図7に示した具体例では、n周目の1セクタ分の方位角方向の変化量θ(n)が360/m度から大きくずれておらず、n周目の1セクタ分の方位角方向の変化量θ(n)に対して、(n+1)周目の補正量が(n+1)周目の最大限度の補正量を超えないため、(n+1)周目の補正のみにより理想からのずれを補正する。図7に対する変形例として、n周目の1セクタ分の方位角方向の変化量θ(n)が360/m度から大きくずれていれば、n周目の1セクタ分の方位角方向の変化量θ(n)に対して、(n+1)周目の補正量が(n+1)周目の最大限度の補正量を超えるため、(n+1)周目の補正のみならず(n+2)周目の補正と合わせて理想からのずれを補正してもよい。
【0044】
図7に対する一般化として、各セクタにおけるレーダ送信部11の方位角方向の変化量θについての検出結果と理想的値のずれがなくなるように、各セクタにおけるレーダ送信部11の送信停止時間tを調整してもよい。以下では、具体例を3種類挙げる。
【0045】
第1の具体例では、図7と同様に、2回目の一周単位の開始時点までに、2回目の一周単位の各セクタにおけるレーダ送信部11の送信停止時間t(2)を調整し、3回目の一周単位の開始時点までに、3回目の一周単位の各セクタにおけるレーダ送信部11の送信停止時間t(3)を調整し、これにより、一周単位におけるレーダ送信部11の方位角方向の変化量mθについての検出結果と理想的値のずれをなくす。
【0046】
第2の具体例では、図7を変形し、2回目の半周単位の開始時点までに、2回目の半周単位の各セクタにおけるレーダ送信部11の送信停止時間t(2)を調整し、3回目の半周単位の開始時点までに、3回目の半周単位の各セクタにおけるレーダ送信部11の送信停止時間t(3)を調整し、これにより、半周単位におけるレーダ送信部11の方位角方向の変化量mθ/2についての検出結果と理想的値のずれをなくす。
【0047】
第3の具体例では、第1、2の具体例を一般化する。つまり、制御単位を、一周単位や半周単位のみならず、任意単位にまで拡張する。そして、送信停止時間の調整所要時間を、一周単位の走査所要時間の2倍や半周単位の走査所要時間の2倍のみならず、任意単位の走査所要時間の任意倍にまで拡張する。これにより、任意単位におけるレーダ送信部11の方位角方向の変化量についての検出結果と理想的値のずれをなくす。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明のレーダ制御装置は、雨量や風速等を測定する気象レーダ等に適用可能である。
【符号の説明】
【0049】
S1、Sm:セクタ
1:レーダ装置
2:レーダ制御装置
11:レーダ送信部
12:レーダ回転部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7