【実施例】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本実施例に係る貨幣処理装置及び表示制御方法の実施例を説明する。なお、本実施例では、本発明を釣銭機に適用した場合を示すこととする。
【0023】
<本実施例に係る釣銭機の特徴について>
まず、本実施例に係る釣銭機200の特徴について説明する。
図1は、本実施例に係る釣銭機200の特徴を説明するための説明図である。
図1(a)に示すように、この釣銭機200には、ICタグリーダ201と、表示操作部204とが設けられている。
【0024】
管理者は、管理者用の権限情報を記憶するICタグを所持しており、このICタグをICタグリーダ201に翳すと、表示操作部204の表示内容は、後述する初期画面G1から管理者用画面G3に移行する。この管理者用画面G3には、「回収」ボタン、「釣銭機」ボタン、「補充/両替」ボタンという管理者のみが操作できる管理者用ボタンが表示され、表示操作部204から管理者としての操作を行うことが可能となる。
【0025】
例えば、管理者が、釣銭機200内の在高(あふれ金を含む)を確認したい場合には、「釣銭機」ボタンを押下操作することで、後述する釣銭機画面G4を表示操作部204に表示させ、この釣銭機画面G4上で「在高確認」ボタンを押下操作することで、在高表示画面G5を表示操作部204に表示させることが可能となる。
【0026】
管理者は、この在高表示画面G5を用いて、紙幣収納部から紙幣収納部に移行された「あふれ金」を含む在高を確認することができる。具体的には、この在高表示画面G5にある「あふれ金」ボタンを押下操作すると、
図1(b)に示すあふれ金の金種明細(金種別の枚数)が確認できる画面に移行する。同図に示すように、このあふれ金の金種明細を確認できる画面は、通常の在高確認画面G5と類似した画面構成となる。管理者は、このあふれ金の金種明細を確認することにより、翌営業日の準備金として不足する金種の枚数を算定することが可能となる。つまり、このあふれ金の一部は翌営業日の準備金として利用され(釣銭収納庫に補充され)、あふれ金の残りは売上金として回収される。なお、あふれ金が紙幣である場合は、紙幣収納部から収納カセット300に移行され、あふれ金が硬貨である場合は、硬貨収納部から図示されていない硬貨補助収納部に回収される。かかる硬貨補助収納部は、あふれ硬貨を収納する用途に使用されるが、設定によっては硬貨収納部がフル状態になったならば運用を停止することとして、硬貨補助収納部にあふれ硬貨を入れないようにすることもできる。
【0027】
また、管理者が、引き続き紙幣の回収等を行う場合には、この在高表示画面G5上で「戻る」ボタンを押下操作して、釣銭機画面G4を表示操作部204に表示させ、この釣銭機画面G4上で「戻る」ボタンを押下操作することにより、表示操作部204に管理者用画面G3を表示させ、この管理者用画面G3上で紙幣の回収等の操作を行うことができる。
【0028】
しかしながら、表示操作部204に在高表示画面G5を表示させた状態で管理者が釣銭機200から離れると、管理者権限を持たない第三者が不正に上記の操作を行って管理者用画面G3上で紙幣の回収等の操作を行うことが可能になるという問題がある。
【0029】
このため、表示操作部204に在高表示画面G5を表示してから一定時間(例えば、3分)の無操作状態が経過すると、表示操作部204の表示内容を初期画面G1に移行させることも考えられる。ところが、初期画面G1に移行させると、管理者は、再度ICタグをICタグリーダ201に翳す操作からやり直さねばならず、操作性の低下を招くという問題が生ずる。
【0030】
そこで、本実施例では、表示操作部204に在高表示画面G5を表示してから一定時間(例えば、3分)の無操作状態が経過すると、表示操作部204の表示内容を在高表示画面G6に移行させることとしている。この在高表示画面G6は、在高表示画面G5と同じ貨幣の在高情報を含むが、「戻る」ボタンが含まれておらず、管理者用画面G3に移行することができない。また、この在高表示画面G6は、「終了」ボタンが含まれており、この「終了」ボタンが押下操作されると、表示操作部204の表示内容は初期画面G1に移行する。
【0031】
このように、この釣銭機200では、表示操作部204に対して在高表示画面G5を表示した状態で、所定時間の無操作状態が経過すると、該在高表示画面G5に含まれる貨幣の在高情報を残しつつ、該貨幣処理に関する操作を受付可能な管理者用画面G3への移行を禁止するよう制御している。このように構成することにより、第三者による不正を防止しつつ操作性の低下を効率良く抑制することが可能となる。
【0032】
次に、
図1に示した釣銭機200及びこの釣銭機200と通信可能に接続されるPOSレジスタ290の構成について説明する。この釣銭機200の前面上部には、ICタグリーダ201と、表示操作部204とが設けられている。その詳細な説明は後述するが、ICタグリーダ201は、ICタグのメモリに記憶された権限情報を含むデータを読み取るデバイスである。このICタグは、レジを操作する店員、アルバイト及び管理者の操作者がそれぞれ所持する。このICタグリーダ201がICタグのメモリに記憶された権限情報を含むデータを読み取ることで、操作者に応じて操作できる内容が変わる。表示操作部204は、初期画面等の各種画面を表示するとともに、入力操作を受け付ける入出力デバイスである。操作者が管理者としての権限情報を有さない場合には、
図7に示す初期画面G1からレジ担当者用G2に移行し、操作者が管理者としての権限情報を有する場合には、
図7に示す初期画面G1から管理者用画面G3に移行する。
【0033】
<釣銭機200の構成>
まず、本実施例に係る釣銭機200の構成について
図2〜
図6を用いて説明する。
図2等に示すように、この釣銭機200は、硬貨処理ユニット250と、紙幣処理ユニット210と、包装硬貨収納ユニット280とを有する。硬貨処理ユニット250及び包装硬貨収納ユニット280は、上下に並ぶよう配置される。また、紙幣処理ユニット210は、硬貨処理ユニット250や包装硬貨収納ユニット280の隣に並ぶよう配置される。紙幣処理ユニット210及び硬貨処理ユニット250の上方には、POSレジスタ290が載置される。
【0034】
紙幣処理ユニット210は、紙幣の入出金処理を行い、硬貨処理ユニット250は、硬貨の入出金処理を行う。また、包装硬貨収納ユニット280は、各金種の包装硬貨を取り出し可能に収納する。POSレジスタ290は、釣銭機200の管理を行う管理装置として用いられる。
【0035】
<紙幣処理ユニット210の構成>
図2及び
図3に示すように、紙幣処理ユニット210は、略直方体形状の筐体212と、この筐体212の前面側に設けられた紙幣受入部220と、筐体212の前面側において紙幣受入部220の下方に設けられた紙幣払出部222と、筐体212の内部で紙幣を1枚ずつ搬送する搬送部230と、筐体212の内部で紙幣を収納するとともに収納された紙幣を繰出可能な複数の紙幣収納部234、236、238とを有する。なお、
図3において、筐体212の右側の側面が紙幣処理ユニット210の手前側の面となっており、
図3における左向きの方向が紙幣処理ユニット210の奥行き方向となっている。
【0036】
図3に示すように、搬送部230は、筐体212の中央位置に配置された周回搬送部230a及び複数の接続搬送部230bから構成される。また、紙幣受入部220、紙幣払出部222、出金リジェクト部224、収納カセット300を着脱自在に装着可能なカセット装着部226及び3つの紙幣収納部234、236、238が、それぞれ周回搬送部230aを取り囲むよう配置される。
【0037】
また、
図3に示すように、複数の接続搬送部230bの各々により、紙幣受入部220、紙幣払出部222、出金リジェクト部224、カセット装着部226及び3つの紙幣収納部234、236、238の各々と、周回搬送部230aとの間が接続される。また、周回搬送部230aには識別部232が設けられており、この識別部232は、周回搬送部230aにより搬送される紙幣の金種、真偽、正損、表裏、搬送状態等の識別を行う。
【0038】
周回搬送部230aは、
図3における時計回りの方向及び反時計回りの方向の両方向に紙幣を1枚ずつ搬送する。また、搬送部230において、周回搬送部230aと各接続搬送部230bとの間で紙幣の搬送経路を切り換える経路切換部(図示せず)が、周回搬送部230aに沿って配置される。
【0039】
図2及び
図3に示すように、筐体212の前面には、紙幣受入部220の紙幣受入口220aと、紙幣払出部222の紙幣取出口222aとがそれぞれ設けられる。また、カセット装着部226の前面から収納カセット300を装着することができる。収納カセット300を装着すると、電磁ロックにより固定される。また、収納カセット300の取り出し操作が行われると、電磁ロックが解除され、ポップアップ形式で装置前面に少しだけ飛び出す。操作者は、飛び出たカセットを掴んで抜取ることにより、カセット装着部226からの収納カセット300の取り出しが可能となる。
【0040】
紙幣受入部220には紙幣繰出機構221が設けられており、紙幣受入口220aに対する紙幣の投入が検知されると、紙幣繰出機構221が駆動され、紙幣が接続搬送部230bを介して周回搬送部230a側へ1枚ずつ繰り出される。
【0041】
紙幣払出部222は、各紙幣収納部234、236、238から周回搬送部230aに繰り出された紙幣を紙幣取出口222aにより筐体212の外部へ放出する。
【0042】
出金リジェクト部224は、出金処理時において各紙幣収納部234、236、238から繰り出された紙幣のうち、重送や斜行等の搬送異常により識別部232で識別できない紙幣を出金リジェクト紙幣として収納する。また、紙幣受入部220から筐体212の内部に取り込まれた紙幣のうち、入金処理時において汚損等により識別部232で識別できない紙幣は、入金リジェクト紙幣として紙幣払出部222に返却される。
【0043】
各紙幣収納部234、236、238は、識別部232の識別結果に基づいて紙幣を金種別に収納する。これらの紙幣収納部234、236、238には、紙幣処理ユニット210に入金された売上金としての紙幣や釣銭として出金されるべき紙幣が収納される。例えば、紙幣収納部234には千円札が収納され、紙幣収納部236には五千円札が収納され、紙幣収納部238には一万円札が収納される。また、各紙幣収納部234、236、238にはそれぞれ紙幣繰出機構235、237、239が設けられており、これらの紙幣収納部234、236、238に収納されている紙幣は、各紙幣繰出機構235、237、239により接続搬送部230bを介して周回搬送部230a側へ1枚ずつ繰り出される。
【0044】
<収納カセット300>
収納カセット300は、売上金を回収する場合に各紙幣収納部234、236、238の紙幣を収納する。つまり、操作者による回収指示により、紙幣処理ユニット210内の売上金が集約される。また、各紙幣収納部234、236、238に収納できなかったあふれ紙幣を収納したり、自動精査時の保留場所としての役割も果たす。
【0045】
<硬貨処理ユニット250の構成>
次に、硬貨処理ユニット250の構成について説明する。
図2及び
図4に示すように、硬貨処理ユニット250は、略直方体形状の筐体251と、筐体251の前面側に設けられた硬貨受入部252と、筐体251の前面側において硬貨受入部252の下方に設けられた硬貨払出部266と、筐体251の内部で硬貨を収納するとともに、収納された硬貨を繰出可能な複数の収納繰出部260とを有する。
【0046】
硬貨受入部252は、硬貨投入口を介して受け入れた硬貨を1層1列状態で1枚ずつ筐体251内に取り込む。具体的には、硬貨受入部252には繰出ベルト等からなる硬貨繰出機構253(
図6参照)が設けられており、硬貨受入部252に受け入れられた硬貨を検知すると、この硬貨繰出機構253が駆動され、当該硬貨繰出機構253によって硬貨が筐体251の内部に1枚ずつ繰り出される。また、
図4に示すように、硬貨受入部252には、当該硬貨受入部252により筐体251の内部に繰り出された硬貨を搬送する入金搬送部254が接続されている。
【0047】
図4に示すように、入金搬送部254の途中には、硬貨の金種、真偽、正損、表裏、搬送状態等の識別を行う識別部256と、分岐部258とが設けられている。分岐部258は、識別部256による硬貨の識別結果に基づいて、硬貨払出部266から払い出されるべきリジェクト硬貨等を入金搬送部254から分岐させて出金搬送部262へ案内する。
【0048】
一方、筐体251内に収納されるべき正常硬貨等は、入金搬送部254により各収納繰出部260へ搬送される。収納繰出部260は、硬貨を金種別に収納するとともに、収納された硬貨を繰出可能となるよう構成される。例えば、日本国で流通している硬貨の6つの金種(500円硬貨、100円硬貨、50円硬貨、10円硬貨、5円硬貨及び1円硬貨)に対応して6つの収納繰出部260が設けられており、入金搬送部254の上流側(すなわち、
図4における下側)から低額順に各収納繰出部260に硬貨が金種毎に収納される。また、収納繰出部260には、当該収納繰出部260に収納された硬貨を1枚ずつ出金搬送部262に繰り出す硬貨繰出機構(図示せず)が設けられる。
【0049】
出金搬送部262は、収納繰出部260から繰り出された硬貨を硬貨払出部266へ搬送する。また、出金搬送部262は、分岐部258により入金搬送部254から分岐されたリジェクト硬貨等を硬貨払出部266へ搬送する。
【0050】
また、入金搬送部254の途中には、あふれ硬貨分岐部が設けられている。あふれ硬貨分岐部は、識別部256による硬貨の識別結果が正常硬貨であった場合でも、対応する硬貨収納部260がフルの状態である場合に硬貨を硬貨補助収納部264に搬送する。このように、硬貨補助収納部264は、あふれ硬貨を収納する用途に使用することも可能であるが、設定によっては硬貨収納部260がフル状態の場合に運用を停止し、硬貨補助収納部264にあふれ硬貨を入れないようにすることもできる。また、この硬貨補助収納部264は、自動精査処理でも使用される。
【0051】
<包装硬貨収納ユニット280の構成>
次に、包装硬貨収納ユニット280の構成について具体的に説明する。
図2及び
図5に示すように、包装硬貨収納ユニット280は、手前側の側面が開口している略直方体形状の筐体281と、筐体281内に収容可能となっているとともに当該筐体281から手前側に引き出し可能な収納ドロア282とを有する。収納ドロア282には、各金種の包装硬貨が例えば2列で収納される(
図5において、収納ドロア282に収納された各金種の包装硬貨を斜線で示している)。
【0052】
ここで、収納ドロア282には、包装硬貨を1本ずつ収納する収納部(ポケット)が複数個形成されており、各収納部に収納される包装硬貨の金種毎の収納本数及び位置が予め設定される。具体的には、
図5において参照符号Aで示す領域には8本の100円の包装硬貨が収納可能であり、参照符号Bで示す領域には1本の500円の包装硬貨が収納可能であり、参照符号Cで示す領域には1本の50円の包装硬貨が収納可能である。
【0053】
また、
図5において参照符号Dで示す領域には6本の10円の包装硬貨が収納可能であり、参照符号Eで示す領域には4本の1円の包装硬貨が収納可能であり、参照符号Fで示す領域には1本の5円の包装硬貨が収納可能である。
【0054】
また、
図6に示すように、包装硬貨収納ユニット280の筐体281の内部には、収納ドロア282が筐体281に完全に収容されたときに当該収納ドロア282を筐体281内にロックするためのロック機構286が設けられる。ここで、ロック機構286が収納ドロア282を筐体281の内部にロックしたならば、この収納ドロア282を筐体281から手前側に引き出すことができず、これにより収納ドロア282から包装硬貨を取り出すことができなくなる。
【0055】
また、包装硬貨収納ユニット280の筐体281における前面開口の近傍には、収納ドロア282が筐体281から手前側に引き出されたり筐体281の内部に戻されたりする際に、当該収納ドロア282に収納された包装硬貨の金種毎の本数を検知する検知部284が設けられる。具体的には、
図5等に示すように、検知部284は左右一対の光センサ284a及び筐体281からの収納ドロア282の引き出し量を検知するロータリエンコーダ284bを有する。
【0056】
ここで、各光センサ284aは、発光素子及び受光素子を有しており、発光素子から発せられた光は、包装硬貨収納ユニット280の幅方向(
図5における左右方向)に延びる光軸を通って受光素子に送られる。そして、収納ドロア282が筐体281の内部に完全に収容された状態である場合や、当該収納ドロア282が筐体281から完全に引き出された状態である場合には、各光センサ284aにおいて発光素子から発せられた光は受光素子により受光される。
【0057】
一方、収納ドロア282が筐体281から手前側に引き出される場合や、筐体281の内部に戻される場合には、発光素子から発せられた光が収納ドロア282内に収納された包装硬貨により遮られるため、受光素子に光が届かなくなり、その結果として包装硬貨の孔の有無や直径の大きさが検知される。
【0058】
このように、収納ドロア282において、収納される包装硬貨の金種毎の収納本数及び位置が予め設定されているため、光センサ284aにより検知された包装硬貨の孔の有無や直径の大きさ、並びにロータリエンコーダ284bにより検知された筐体281からの収納ドロア282の引き出し量に基づいて、収納ドロア282に収納された包装硬貨の金種毎の本数及び各包装硬貨が収納ドロア282内の所定の位置に正しく収納されているか否か等が検知される。
【0059】
なお、本実施例による包装硬貨収納ユニット280は、上記の構成に限定されるものではない。他の構成の包装硬貨収納ユニット280において、収納ドロア282に収納された包装硬貨の金種毎の本数を検知する検知部284として、収納ドロア282の収納部に収納される包装硬貨の有無及び金種(材質)を検出するセンサを全ての収納部に配置する方式のものを用いることもできる。
【0060】
<POSレジスタの構成>
次に、POSレジスタ290の構成について具体的に説明する。
図2及び
図6に示すように、POSレジスタ290は、POS制御部291と、POS制御部291にそれぞれ接続されたモニタ等の表示部293及び操作キー等の操作部294とを有する。
【0061】
操作部294は、操作者による操作が可能となっており、POS制御部291に対して様々な指令を与えることができる。また、表示部293は、紙幣処理ユニット210や硬貨処理ユニット250における紙幣や硬貨の処理状況や、紙幣処理ユニット210や硬貨処理ユニット250に収納された紙幣や硬貨の在高等の情報を表示する。また、POSレジスタ290には、顧客が視認可能な追加の表示部293aが設けられており、様々な情報を表示部293に表示させる代わりに、あるいは表示部293における表示に加えて、追加の表示部293aにおいて表示が行われるように構成することもできる。
【0062】
また、POSレジスタ290には、印字部297が設けられる(
図6参照、
図2では図示せず)。また、印字部297は、例えばプリンタから構成され、売上レシートや集計レシートに加えて、紙幣処理ユニット210や硬貨処理ユニット250に収納されている紙幣や硬貨の在高等の情報をレシートに印字する。
【0063】
<釣銭機200の制御系の構成>
次に、このような釣銭機200の制御系の構成について
図6を用いて説明する。
図6に示すように、硬貨処理ユニット250は、上位制御部202及び硬貨制御部250aを有しており、これらの上位制御部202及び硬貨制御部250aは互いに接続される。
【0064】
また、紙幣処理ユニット210は紙幣制御部210aを有し、この紙幣制御部210aは硬貨処理ユニット250の上位制御部202に接続される。また、包装硬貨収納ユニット280は包装硬貨制御部280aを有し、この包装硬貨制御部280aは硬貨処理ユニット250の上位制御部202に接続される。また、POSレジスタ290に設けられたPOS制御部291も硬貨処理ユニット250の上位制御部202に接続される。また、図示省略したが、POSレジスタ290のPOS制御部291は店舗サーバ等の上位端末と通信可能に接続される。
【0065】
図6に示すように、硬貨処理ユニット250の上位制御部202には、紙幣処理ユニット210、包装硬貨収納ユニット280及びPOSレジスタ290の各々と通信を行うための通信部203、表示操作部204、ICタグリーダ201、出金情報管理部206、記憶部208及び判定部209がそれぞれ接続される。なお、この上位制御部202が、請求項1の表示制御部及び制御部に対応する。
【0066】
上位制御部202は、通信部203を介して、紙幣処理ユニット210の紙幣制御部210a、包装硬貨収納ユニット280の包装硬貨制御部280a及びPOSレジスタ290のPOS制御部291に対して信号の送受信を行う。
【0067】
また、この上位制御部202は、表示操作部204の表示制御等も行っており、記憶部208に記憶された各種の画面データを操作内容に応じて表示操作部204に表示する。例えば、ICタグリーダ201にて管理者としての権限情報が読み取られた場合には、管理者に表示すべき画面を表示操作部204に表示する。また、上位制御部202は、表示操作部204上で各種のボタン操作が行われたならば、このボタン操作に対応する画面を表示操作部204に表示制御する。
【0068】
表示操作部204は、タッチパネル等の入出力デバイスからなり、硬貨処理ユニット250の筐体251の上面に設けられる。この表示操作部204には、操作者が操作するための操作画面、紙幣処理ユニット210、硬貨処理ユニット250及び包装硬貨収納ユニット280の各々に収納された貨幣の在高に係る情報が表示される。かかる表示操作部204において、操作者は、操作画面における操作ボタンに指を触れることによって、上位制御部202に様々な指令を入力する。なお、この表示操作部204自体はタッチパネル等として周知な技術であり、マトリクス・スイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式等の各種技術を用いることができる。
【0069】
記憶部208は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスからなり、紙幣処理ユニット210、硬貨処理ユニット250及び包装硬貨収納ユニット280の各々に収納されている貨幣の在高に係る情報や、釣銭機200における貨幣の処理履歴等の様々な情報を記憶する。
【0070】
また、この記憶部208には、初期画面G1、レジ担当者用画面G2、管理者用画面G3、釣銭機画面G4、在高表示画面G5、在高表示画面G6等の各種の画面データを記憶する。これらの画面データは、上位制御部202により読み出され、表示操作部204に表示制御される。
【0071】
ICタグリーダ201は、操作者が所持するICタグが翳された場合に、該ICタグに記憶された権限情報を読み取り、読み取った権限情報を上位制御部202に受け渡す。
【0072】
出金情報管理部206は、貨幣入出金機100から出金された貨幣に関する情報(とりわけ、包装硬貨に関する情報)を管理する。
【0073】
判定部209は、ICタグリーダ201により読み出された権限情報が、管理者としての権限情報であるか否かを判定する処理部である。例えば、レジ担当者の権限情報が「0」、レジでの管理者の権限情報が「1」、店長の権限情報が「2」と設定されており、ICタグリーダ201により読み出された権限情報が「1」又は「2」である場合には、操作者が管理者であると判定する。その結果、上位制御部202は、表示操作部204上に初期画面G1が表示されている場合に、この初期画面G1を管理者用画面G3に移行させる。なお、この判定部209が、請求項5の判定部に対応する。
【0074】
また、紙幣処理ユニット210の紙幣制御部210aには、通信部240、紙幣繰出機構221、搬送部230、識別部232、紙幣繰出機構235、237、239、カセット装着部226等が接続される。識別部232による紙幣の識別情報等が紙幣制御部210aに送られるとともに、紙幣制御部210aは、紙幣処理ユニット210の各構成部位に指令信号を送ることにより、これらの構成部位の制御を行う。また、紙幣制御部210aは、通信部240により、硬貨処理ユニット250の上位制御部202に対して信号の送受信を行う。
【0075】
また、硬貨処理ユニット250の硬貨制御部250aには、硬貨繰出機構253、入金搬送部254、識別部256、分岐部258、各収納繰出部260及び出金搬送部262等が接続される。識別部256による硬貨の識別情報が硬貨制御部250aに送られるとともに、硬貨制御部250aは硬貨処理ユニット250の各構成部位に指令信号を送ることにより、これらの構成部位の制御を行う。
【0076】
また、包装硬貨収納ユニット280の包装硬貨制御部280aには、通信部289、検知部284、ロック機構286及び記憶部288等が接続される。検知部284による包装硬貨の検知情報が包装硬貨制御部280aに送られるとともに、包装硬貨制御部280aはロック機構286に指令信号を送ることにより当該ロック機構286の制御を行う。また、包装硬貨制御部280aは、通信部289により、硬貨処理ユニット250の上位制御部202に対して信号の送受信を行う。また、包装硬貨収納ユニット280の収納ドロア282に収納されている包装硬貨の在高の情報等が記憶部288に記憶される。
【0077】
<POSレジスタ290の制御系の構成>
また、POSレジスタ290のPOS制御部291には、表示部293、操作部294、記憶部295、通信部292、印字部297等がそれぞれ通信可能に接続されており、操作者により操作部294に入力された指令が当該操作部294からPOS制御部291に送られる。
【0078】
POS制御部291は、表示部293に指令を送ることにより、当該表示部293に様々な情報を表示させる。なお、POS制御部291は、追加の表示部293aに対しても指令を送ることにより、該表示部293aに様々な情報を表示させる。
【0079】
また、POS制御部291は、印字部297に指令を送ることにより、当該印字部297により様々な情報をレシート等に印字させる。また、POS制御部291は、通信部292により、硬貨処理ユニット250の上位制御部202や店舗サーバ等の上位端末(図示せず)に対して信号の送受信を行う。
【0080】
記憶部295には、紙幣処理ユニット210や硬貨処理ユニット250等から送信された、紙幣処理ユニット210や硬貨処理ユニット250における硬貨や紙幣の処理状況や、紙幣処理ユニット210や硬貨処理ユニット250、包装硬貨収納ユニット280の内部に収納されている硬貨や紙幣、包装硬貨の在高等の様々な情報が記憶される。
【0081】
<画面遷移の一例>
次に、
図2に示した表示操作部204に表示された初期画面G1からの画面推移の一例について説明する。
図7は、
図2に示した表示操作部204に表示された初期画面G1からの画面推移の一例を示す図である。同図に示すように、初期画面G1には、紙幣収納部234、236の各々に収納された紙幣(千円、五千円)の枚数、収納繰出部260に収納された硬貨の枚数、収納ドロア282に収納された包装硬貨の本数が在高情報として含まれている。ただし、万円札の枚数及びあふれ貨幣の枚数等の在高は、この初期画面G1には表示されない。このため、管理者があふれ貨幣等を含む在高を確認する場合には、管理者用の在高画面を表示する必要がある。
【0082】
表示操作部204上に初期画面G1が表示された状態で、レジ担当者が、ICタグリーダ201にICタグを翳すことなく所定の操作を行うと、初期画面G1がレジ担当者用画面G2に移行する。このレジ担当者用画面G2では、初期画面と同じ貨幣の在高情報が含まれるとともに、レジ担当者に操作が許容された「自動精査」ボタン、「払い出し」ボタンが含まれる。
【0083】
これに対して、表示操作部204上に初期画面G1が表示された状態で、管理者が、ICタグリーダ201にICタグを翳すと、初期画面G1が管理者用画面G3に移行する。この管理者用画面G3では、初期画面と同じ貨幣の在高情報が含まれるとともに、「自動精査」ボタン、「払い出し」ボタン以外に、管理者に操作が許容された「回収」ボタンG31、「釣銭機」ボタンG32、「補充/両替」ボタンG33が含まれる。
【0084】
このように、この釣銭機200では、管理者の権限情報を有する者をICタグにより認証したならば、管理者による操作が可能な管理者用画面G3を表示操作部204に表示する。
【0085】
次に、管理者が在高画面G5を表示する場合の画面遷移の一例について説明する。
図8は、管理者が在高画面G5を表示する場合の画面遷移の一例を説明するための説明図である。
【0086】
同図に示すように、管理者用画面G3が表示されている状態で、管理者が「釣銭機」ボタンG32を押下操作すると、表示操作画面204には、釣銭機画面G4が表示される。ここで、「戻る」ボタンが押下操作されると、元の管理者用画面G3に移行する。
【0087】
一方、この釣銭機画面G4上で「在高確認」が選択され、「決定」ボタンが押下操作されると、表示操作画面204には、在高表示画面G5が表示される。ここで、「戻る」ボタンが押下操作されると、元の釣銭機画面G4に移行する。
【0088】
管理者は、この在高表示画面G5を参照して、釣銭機200内の在高を確認することとなるが、一定時間の無操作時間が経過すると、この在高表示画面G5は、在高表示画面G6に移行する。この在高表示画面G6は、在高表示画面G5と同じ貨幣の在高情報を表示するものであるが、この在高表示画面G6には「戻る」ボタンは存在せず、「終了」ボタンが存在する。
【0089】
つまり、在高表示画面G6が表示されたならば、「終了」ボタンを押下操作して初期画面G1に移行することができるものの、釣銭機画面G4に移行することはできない。このため、管理者が表示操作部204に在高表示画面G6を表示した状態で釣銭機200から離れたとしても、第三者が管理者用画面G3に移行することができず、その結果として、管理者に認められた操作を第三者が行う事態を防止することができる。
【0090】
<上位制御部202の表示制御手順>
次に、
図6に示した上位制御部202による表示操作部204の表示制御手順について説明する。
図9は、
図6に示した上位制御部202による表示操作部204の表示制御手順を示すフローチャートである。ここでは、すでに表示操作部202に在高確認画面G5が表示されているものとする。
【0091】
図9に示すように、「戻る」ボタンが含まれる在高確認画面G5が表示操作部204に表示されている状況において(ステップS101)、一定時間(例えば、3分)の無操作状態が経過しなければ(ステップS102;No)、「戻る」ボタンが操作されたか否かを確認する(ステップS103)。
【0092】
そして、「戻る」ボタンが操作されなければ(ステップS103;No)、ステップS101に移行して、「戻る」ボタンが含まれる在高確認画面G5が表示操作部204に表示される。一方、「戻る」ボタンが操作されたならば(ステップS103;Yes)、表示操作部204に釣銭機画面G4を表示する(ステップS104)。
【0093】
また、「戻る」ボタンを含む在高確認画面G5が表示操作部204に表示されている状況において(ステップS101)、一定時間(例えば、3分)の無操作状態が経過したならば(ステップS102;Yes)、「終了」ボタンを含む在高確認画面G6を表示操作部204に表示する(ステップS105)。
【0094】
その後、この在高確認画面G6の「終了」ボタンが押下操作されたならば(ステップS106;Yes)、初期画面G1を表示操作部204に表示する(ステップS107)。
【0095】
上述してきたように、本実施例では、「戻る」ボタンを含む在高確認画面G5を表示操作部204に表示した状態で、一定時間(例えば、3分)の無操作状態が経過したならば、在高確認画面G5と同じ貨幣の在高情報と「終了」ボタンを含み、「戻る」ボタンを含まない在高確認画面G6を表示操作部204に表示し、貨幣処理に関する所定の操作を受付可能な管理者用画面G3への移行を禁止するよう構成したので、第三者による不正を防止しつつ操作性の低下を効率良く抑制することができる。
【0096】
また、この在高確認画面G5上で貨幣処理に関する所定の操作を行えるボタン(例えば、「回収」ボタン)が含まれている場合には、かかるボタンを含まない在高確認画面G6を表示操作部204に表示することで、貨幣処理に関する所定の操作を禁止することもできる。
【0097】
また、本実施例では、本発明を在高確認画面G5に適用した場合ついて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、在高確認画面G5以外の他の画面についても同様に適用することができる。例えば、
図1(b)に示したあふれ金の金種明細(金種別の枚数)が確認できる画面に本発明を適用し、上記の在高確認画面G5から在高確認画面G6への移行と同様に構成することもできる。
【0098】
なお、上記の実施例では、初期画面G1、管理者用画面G3、釣銭機画面G4、在高表示画面G5と画面移行させ、管理者用画面G3において管理者が貨幣処理に関する操作を行うための管理者用ボタンを設けた場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、在高表示画面G5において、管理者が貨幣処理に関する操作を行うための管理者用ボタンを設け、この在高表示画面G5を表示した状態で、一定時間の無操作状態が経過すると、該在高表示画面G5に含まれる貨幣の在高情報を残しつつ、該貨幣処理に関する操作を受付可能な管理者用ボタンが存在しない在高表示画面G6に移行させることもできる。
【0099】
また、上記の実施例では、一定時間(例えば、3分)の無操作状態が経過したことを条件として、「戻る」ボタンを含む在高確認画面G5を「終了」ボタンを含む在高確認画面G6に移行させることとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の条件が成立したことを契機として在高確認画面G5を在高確認画面G6に移行させるよう構成することもできる。また、監視カメラなどや釣銭機200又はPOSレジスタ290に設けられた人感センサの検知結果に基づいて、在高表示画面G5から在高表示画面G6に移行させるようにしてもよい。
【0100】
例えば、「戻る」ボタンを含む在高確認画面G5を表示操作部204に表示した状態で一定時間の無操作状態が経過したならば、スクリーンセーバを起動させ、このスクリーンセーバの解除操作がなされたことを条件として、「終了」ボタンを含む在高確認画面G6を表示操作部204に表示させるよう制御することもできる。
【0101】
また、「戻る」ボタンを含む在高確認画面G5を表示操作部204に表示した状態で所定のロック操作(例えば、在高確認画面G5に設けられた「ロック」ボタンの押下操作)がなされたことを条件として、「終了」ボタンを含む在高確認画面G6を表示操作部204に表示させるよう制御することもできる。
【0102】
また、上記の実施例では、例えば表示操作部204に表示する在高確認画面G5に「戻る」ボタンが含まれる場合を示したが、在高確認画面G5と操作画面を別々の画面とすることもできる。このようにすれば、在高確認画面G5の表示内容を変えることなく、「戻る」ボタンを含む操作画面を「終了」ボタンを含む操作画面に移行させればよい。また、「終了」ボタンが表示されている状態でICタグの認証を行い、このICタグの認証の結果、権限が管理者権限又は前回操作者と同一人物である場合は、「終了」ボタンが「戻る」ボタンになるようにしてもよい。
【0103】
また、上記の実施例では、管理者が所持するICタグを用いて管理者権限を認証することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、管理者が所持する鍵を用いて権限情報を認証する場合に適用することもできる。さらに、POSレジスタ290には、レジ担当者、管理者が所持するIDカードを読み取るリーダライタが設けられる場合が多いため、このPOSレジスタ290により読み取られたIDカードの情報に基づいて権限情報を認証する場合に適用することもできる。
【0104】
なお、本実施例では、本発明を釣銭機に適用した場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、出納機などの表示操作部を有する各種の貨幣処理装置に適用することができる。