【0039】
[0038]好ましい態様においては、フルオロコポリマー被覆組成物の形成は、
(i)(1)好ましくは約40モル%〜約60モル%、更により好ましくは約45モル%〜約55モル%、更により好ましくは約50モル%の量の、HFO−1234zeから実質的に構成される第1のモノマー;
(2)(A)式:CH
2=CR
1−O(C=O)
xR
2(式中、xは1であり、R
1は水素又はメチル基のいずれか、好ましくは水素であり、R
2は6〜8個の炭素原子を有する非置換の分岐鎖アルキル基であり、かかるアルキル基は好ましくは少なくとも1つの第3級又は第4級炭素原子を含む)によって表されるビニルエステルモノマー(ビニルエステルモノマーは、約5モル%〜約45モル%、より好ましくは約10モル%〜約30モル%、更により好ましくは約10モル%〜約20モル%の量で存在する);及び
(B)式:CH
2=CR
3−OR
4(式中、R
3は、水素又はメチル基のいずれか、好ましくは水素であり、R
4は、1〜3個の炭素原子、好ましくは2個の炭素原子を有する、置換又は非置換で直鎖又は分岐鎖、好ましくは直鎖のアルキル基からなる群から選択される)によって表される1種類又は複数のビニルエーテルモノマー(1種類又は複数のビニルエーテルモノマーは、好ましくは、約10モル%〜約40モル%、より好ましくは約5モル%〜約45モル%、より好ましくは約10モル%〜約30モル%、更により好ましくは約10モル%〜約20モル%の量で存在する)
;を含む1種類又は複数の第2のモノマー;並びに
(3)式:CH
2=CR
3−O−R
5−OH(式中、R
3はメチル又は水素、好ましくは水素であり、R
5は、C
3〜C
5、好ましくはC
4の非置換直鎖アルキル基からなる群から選択される)によって表されるヒドロキシアルキルビニルエーテルから構成される1種類又は複数の第3のモノマー(第3のモノマーの量は、好ましくは約3モル%〜約30モル%である);
の共重合によって1種類以上のフルオロコポリマーを与え;そして
(ii)1種類以上のVOC化合物を含み、好ましくはキシレン及びトルエンのような芳香族炭化水素;n−ブタノールのようなアルコール;酢酸ブチルのようなエステル;メチルイソブチルケトンのようなケトン、及びエチルセロソルブのようなグリコールエーテルから選択され(C
2〜C
5アルキルアセテートが好ましい)、更により好ましくは酢酸ブチルを含むか、これから実質的に構成されるか、又はこれから構成される、1種類以上のフルオロコポリマーのためのキャリアを与え;そして
(iii)1種類以上のフルオロコポリマーをキャリアと混合して、約30重量%以下のキャリアを含み、好ましくは少なくとも約70重量%の固形分含量を有するポリマー組成物を生成させる;
ことを含み、好ましくはこれから実質的に構成される。好ましい態様によれば、本発明のフルオロコポリマー組成物、特に従前のセンテンスで記載したようにして形成されるフルオロコポリマーは、Skoog, D.A. Principles of Instrumental Analysis, 6版; Thompson Brooks/Cole: Belmont, California, 2006, 28章(参照として本明細書中に包含する)に記載されている方法にしたがってゲル相クロマトグラフィー(GPC)によって測定して約5000〜50000、より好ましくは約7000〜約15000のポリマー数平均分子量を有し、約70重量%〜約90重量%、更により好ましくは約70重量%〜約85重量%の固形分含量、及び好ましくは約400g/L未満、より好ましくは約400g/L〜約100g/L、更により好ましくは約350g/L〜約200g/LのVOC含量を有する。また、概して本出願において、特にこの段落において記載されている態様においては、本発明の被覆組成物は、好ましくは必要に応じてASTM−D1200−10(2014)又はASTM−D2196にしたがって測定して、12毎分回転数(r/m)、30r/m、及び60r/mの少なくとも1つにおいて、好ましくは3つの速度全部においてFord Cupによって測定して約1900mPa・秒未満、より好ましくは約1800mPa・秒未満、更により好ましくは約1700mPa・秒未満の25℃における粘度を有する。
【実施例】
【0042】
[0041]以下の非限定的な実施例によって本発明を更に示す。
実施例1:フルオロポリマーの製造:
[0042]スターラーを装備した5500mLのステンレススチールオートクレーブ中に下表1Aに示す成分を充填することによって、溶液重合運転を行った。
【0043】
【表1-1】
【0044】
[0043]キャリア/溶媒として1780gの酢酸ブチル、259gのエチルビニルエーテルモノマー、708gのビニルエステルモノマー(VEOVA-10)、325gのヒドロキシブチルビニルエーテル、及び6.7gの重合反応のための開始剤、即ちtert−ブチルペルオキシピバレートを加えた。液体窒素を用いて混合物を凝固させ、脱気して溶解空気を除去した。次に、1150gの1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)をオートクレーブ内の混合物に加え、次に混合物を約57℃に徐々に加熱した。次に、混合物を約18時間撹拌して、モノマーの溶液共重合を行った。オートクレーブを室温に冷却した後、未反応のモノマーをパージし、次にオートクレーブを開放し、オートクレーブ内において約70重量%の固形分含量(コポリマー含量)を達成するのに十分な過剰の溶媒を除去するのに十分な時間、真空をオートクレーブに加えた。最終的なフルオロコポリマー(溶媒なし)を試験したところ、約10951の数平均分子量(Mn)及び約23263の重量平均分子量(Mw)、並びに2.12のMw/Mnを有することが分かった。得られたコポリマーと溶媒の混合物は、約70%の固形分、即ちコポリマーの含量、及び約400g/LのVOC含量を有する明澄な溶液の形態であった。
【0045】
[0044]次に、上記に記載の操作から得られた溶媒/ポリマーを、下表1Bに規定するそれぞれの材料に重量基準で1:1で加えたところ、室温において明澄な溶液が形成されることが分かった。
【0046】
【表1-2】
【0047】
上記に報告した結果は、本発明によるフルオロコポリマーは、保護被覆のための配合物の本質的部分において用いることができるか、又はそれを形成することができる多くの材料と溶液を形成することができ、したがって、本フルオロコポリマーは、例えばかかる被覆組成物における追加のキャリアとして用いることができる広範囲の材料と組み合わせて保護被覆を形成する際に優れた有用性を有することを示している。
【0048】
実施例2:被覆組成物及び被覆特性:
[0045]実施例1のオートクレーブから取り出された30/70の溶媒/フルオロコポリマー混合物60重量部を、40重量部の酸化チタンとブレンドすることによって、白色ペーストの形態の被覆組成物を形成した。混合物をペイントシェーカーによって1時間混合した。
【0049】
[0046]上記で形成された白色ペースト40重量部と、実施例1のオートクレーブから取り出された30/70の溶媒/フルオロコポリマー混合物60重量部とをブレンドすることによって、白色塗料の形態の被覆組成物を形成した。混合物をペイントシェーカーによって1時間混合した。
【0050】
[0047]固形分含量、VOC含量、及び粘度を測定し、結果を下表2Aにおいて示す。
【0051】
【表2-1】
【0052】
[0048]上記に報告した結果から分かるように、次の非常の望ましい特性:(1)76重量%の高いコポリマー(固形分)含量;(2)340g/Lの低いVOC含量;及び(3)例えば噴霧、ブラシ塗布、ロール塗布、及び浸漬のような多くの被覆用途のために有効で効率的な粘度;の組合せを同時に有する被覆配合物が達成された。
【0053】
[0049]次に、約8〜約10重量部のDesmoudur N3390のような硬化剤を、高速分散機において、約100重量部の上記に記載した白色塗料と1500RPMにおいて30分間混合して、硬化性の保護被覆組成物を形成した。
【0054】
[0050]硬化性の保護被覆組成物を、ASTM−D7251,QUV−Aにしたがって色保持性に関して試験し、結果を下表2Bに示す。
【0055】
【表2-2】
【0056】
[0051]この結果は、1000時間のQUV試験の後、実施例1からのフルオロコポリマー及び実施例2の被覆組成物をベースとする硬化被覆は、優れた色保持性能を有し、約1.2以下の色抜けしか示さなかったことを示した。
【0057】
比較例1:比較被覆組成物:
[0052]実施例1によって形成されたフルオロコポリマー/溶媒混合物に代えて、Shanghai 3F New Materials Company LTDからZHM-2の商品名で商業的に入手できるクロロトリフルオロエチレンとビニルエーテルのフルオロコポリマーを用いた他は、実施例2と同じ手順を用いて白色ペースト及び白色塗料を配合した。ZHM-2は60重量%の固形分含量を有しており、白色塗料被覆組成物は、実施例2において例示された本発明の白色塗料被覆配合物よりも相当に高い66.7重量%の固形分含量及び420g/LのVOC含量を有していた。この配合物は、12毎分回転数(r/m)及び30r/mにおいてそれぞれ3560及び3525mPa・秒の25℃における粘度を有しており、これは本発明の組成物を用いて得られたものよりも相当に且つ望ましくなく高かった。60r/mにおける粘度に関して試験すると、被覆粘度は試験することができる点を超えて上昇した。かくして製造された硬化性保護被覆組成物を、上記の実施例と同じASTM−D7251,QUV−Aにしたがって色保持性に関して試験し、結果は下表C1に示す通りであった。
【0058】
【表3-1】
【0059】
[0053]上記から分かるように、ZHM-2を用いて製造した保護被覆は、各試験時間の後に相当により低い色変化をもたらし、1128時間後において、本発明にしたがって形成した被覆よりも相対的基準で約400%悪かった。
【0060】
比較例2:比較被覆組成物:
[0054]実施例1によって形成されたフルオロコポリマー/溶媒混合物に代えて、日本企業のDaikinからGK-570として商業的に入手できるクロロトリフルオロエチレンとビニルエーテル/エステルのフルオロコポリマーを用いた他は、実施例2と同じ手順を用いて白色ペースト及び白色塗料を配合した。GK-570は65重量%の固形分含量を有しており、それから製造した白色塗料被覆組成物は、実施例2において例示された本発明の白色塗料被覆配合物よりも相当に高い71.9重量%の固形分含量及び380g/LのVOC含量を有していた。この配合物は、12毎分回転数(r/m)、30r/m、及び60r/mにおいてそれぞれ1960、1950、及び1935mPa・秒の25℃における粘度を有しており、これは本発明の組成物を用いて得られたものよりも相当に且つ望ましくなく高かった。かくして製造された硬化性保護被覆組成物を、ASTM−D7251,QUV−Aにしたがって色保持性に関して試験し、結果は下表C3に示す通りであった。
【0061】
【表3-2】
【0062】
比較例3:高VOCの被覆基準操作:
[0055]100リットルの比較例2の白色塗料被覆組成物を用い、それぞれの部品上への所望の被覆率を得るために部品あたり1リットルの被覆組成物を用いて、建築物の建設において用いるための100個の金属部品のそれぞれを噴霧被覆することによって、金属基材上へ保護被覆を与えることを含む操作を行った。噴霧操作は屋外環境で行い、そこでは噴霧被覆操作中に蒸発した溶媒が地球の大気中に放出された。全ての部品を噴霧被覆した後、約42,000グラムのVOCのVOCの基準放出量が生じた。
【0063】
実施例3:減少したVOCの被覆操作:
[0056]被覆組成物を、実施例2にしたがう本発明の被覆組成物で置き換えた他は、比較例3にしたがって行った操作を繰り返した。100リットルの実施例2の白色塗料被覆組成物を用い、それぞれの部品上への所望の被覆率を得るために部品あたり1リットルの被覆組成物を用いて、建築物の建設において用いるための100個の金属部品のそれぞれを噴霧被覆した。噴霧操作は屋外環境で行い、そこでは噴霧被覆操作中に蒸発した溶媒が地球の大気中に放出された。全ての部品を噴霧被覆した後、約34,000グラムのVOCが大気中に放出され、これは操作の結果として放出されたVOCの量において8,000グラムの減少を構成した。更に、比較例3の被覆組成物と比べてより低い被覆組成物の粘度のために、操作は相当により短い時間及び/又はより低いコストで完了し、部品上の被覆は、少なくとも色保持性において比較例3の被覆よりも相当に優れていた。
【0064】
実施例4:減少したVOCの被覆操作に関するVOC税の控除又は他の法的利益の獲得:
[0057]比較例3にしたがって行った基準操作を記録し、操作を行った管轄区域における減少したVOC操作に関する利益を与えるVOC税又は他の法律若しくは規制にしたがう適当な文書を作成する。実施例3の減少したVOCの操作は、高VOCの基準操作に代えて行うか、又は行うことを意図しており、控除又は他の利益に関する責務を有する管轄機関に対して、控除又は他の利益を受け取る要求を行う。要求が処理されると、控除又は他の利益が受けられる。
【0065】
[0058]本明細書において用いる単数形の「a」、「an」、及び「the」は、記載が他に明確に示していない限りにおいて、複数のものを包含する。更に、量、濃度、又は他の値若しくはパラメーターを、範囲、好ましい範囲、又はより高い好ましい値とより低い好ましい値のリストのいずれかとして与える場合には、これは、範囲が別々に開示されているかどうかにかかわらず、任意のより高い範囲限界又は好ましい値と、任意のより低い範囲限界又は好ましい値の任意の対から形成される全ての範囲を具体的に開示すると理解すべきである。明細書において数値の範囲が示されている場合には、他に示されていない限りにおいて、この範囲はその端点並びにこの範囲内の全ての整数及び小数を含むと意図される。本発明の範囲を、範囲を規定する際に示される具体的な値に限定することは意図しない。
【0066】
[0059]本発明の任意の特定の形態及び/又は態様に関して本明細書に記載する任意の特徴を、組合せの適合性を確保するために適当な場合には修正を行って、本明細書に記載する本発明の任意の他の形態及び/又は態様の任意の他の特徴の1以上と組み合わせることができることは、本発明が関連する技術の当業者によって認められる。かかる組合せは、本開示によって意図される本発明の一部であるとみなされる。
【0067】
[0060]上記の一般的な記載及び以下の詳細な記載は両方とも例示及び説明のみのものであり、特許請求されている発明を限定するものではないことを理解すべきである。他の態様は、本明細書及びそこに開示する発明の実施を考慮することによって当業者に明らかになるであろう。
【0068】
[0061]上記から、例示の目的のために具体的な例をここに記載したが、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく種々の修正を行うことができることが認識されるであろう。したがって、上記の詳細な記載は限定ではなく例示とみなされ、特許請求する主題を特に指摘し明確に主張することを意図するものは、特許請求の範囲(全ての均等物を包含する)であると理解されると意図される。
本発明は以下の態様を含む。
[1]
(a)揮発性有機化合物(VOC)を含むキャリアを含むタイプの被覆組成物で被覆する基材を与え;
(b)(i)(1)ヒドロフルオロエチレン、ヒドロフルオロプロペン、ヒドロフルオロブテン、ヒドロフルオロペンテン、及びこれらの組合せからなる群から選択される第1のモノマー、(2)1種類又は複数のビニルエステルを含む第2のモノマー、及び(3)1種類又は複数のビニルエーテルを含む第3のモノマー(ここで、ビニルエーテルモノマーの少なくとも一部はヒドロキシル基含有ビニルエーテルである)の共重合によって1種類以上のフルオロコポリマーを与え;そして
(ii)1種類以上のフルオロコポリマーのためのVOC化合物を含むキャリアを与え、ここでキャリアは揮発性有機化合物(VOC)を含み;そして
(iii)1種類以上のフルオロコポリマーをキャリアと混合して、フルオロコポリマーが被覆組成物の少なくとも約70重量%を構成し、キャリアのVOCが被覆組成物の約30重量%以下であるようにして、ここでフルオロコポリマーは約10,000〜約14,000の数平均分子量を有する;
ことを含む工程によって形成される被覆組成物を与え;
(c)工程(b)の被覆組成物で基材を被覆し;そして
(d)キャリア中のVOCの少なくとも相当部分を大気中に蒸発させることによって、基材上に配され且つ基材に接着している保護ポリマー層を形成して、それによって保護被覆を形成する;
ことを含む、大気中へVOCを流出させるタイプの被覆操作中において、地球の大気中への揮発性有機化合物(VOC)の放出を減少させる方法。
[2]
工程(b)によって形成されるフルオロポリマー被覆組成物が約70重量%〜約90重量%の固形分含量を有する、[1]に記載の方法。
[3]
工程(b)によって形成されるフルオロポリマー被覆組成物が約75重量%〜約85重量%の固形分含量を有する、[1]に記載の方法。
[4]
工程(b)によって形成されるフルオロポリマー被覆組成物が約400g/L未満のVOC含量を有する、[3]に記載の方法。
[5]
工程(b)によって形成されるフルオロポリマー被覆組成物が約400g/L〜200g/LのVOC含量を有する、[3]に記載の方法。
[6]
第1のモノマーが、1,3,3,3−テトラフルオロオレフィン(HFO−1234ze)、2,3,3,3−テトラフルオロオレフィン(HFO−1234yf)、及びこれらの組合せからなる群から選択される、[4]に記載の方法。
[7]
工程(b)のフルオロコポリマーが、工程(b)のモノマー(1)、(2)、及び(3)の溶液共重合によって形成される、[6]に記載の方法。
[8]
工程(b)のフルオロコポリマーが、共重合プロセスにおいて用いるキャリアの量が約10重量%〜約40重量%である溶液共重合によって形成される、[6]に記載の方法。
[9]
工程(b)のフルオロコポリマーが、共重合プロセスにおいて用いるキャリアの量が約15重量%〜約25重量%である溶液共重合によって形成される、[6]に記載の方法。
[10]
キャリアがC
2〜C
5アルキルアセテートを含む、[6]に記載の方法。
[11]
基材を被覆する工程を屋外の現場で行う、[1]に記載の方法。
[12]
基材上に保護ポリマー層を形成する工程をかかる屋外の現場で行う、[11]に記載の方法。
[13]
(a)揮発性有機化合物(VOC)を含むキャリアを含むタイプの被覆組成物で被覆する基材を与え;
(b)(i)(1)約45モル%〜約55モル%のHFO−1234ze、
(2A)約10モル%〜約20モル%の、式:CH
2=CR
1−O(C=O)
xR
2(式中、xは1であり、R
1は水素であり、R
2は6〜8個の炭素原子を有する非置換の分岐鎖アルキル基であり、かかるアルキル基は少なくとも1つの第3級又は1つの第4級炭素原子を含む)によって表されるビニルエステル、
(2B)約10モル%〜約20モル%の、式:CH
2=CR
3−OR
4(式中、R
3は水素であり、R
4は1〜3個の炭素原子を有する非置換の直鎖アルキル基である)によって表されるビニルエーテル、及び
(3)約3モル%〜約30モル%の、式:CH
2=CR
3−O−R
5−OH(式中、R
3は水素であり、R
5はC
3〜C
5の非置換直鎖アルキル基である)によって表されるヒドロキシアルキルビニルエーテル、
から実質的に構成されるモノマーの共重合によって1種類以上のフルオロコポリマー(ここで、1種類又は複数のフルオロコポリマーは約10,000〜約14,000の数平均分子量を有する)を与え;そして
(ii)1種類以上のフルオロコポリマーのためのキャリアを与え、ここでキャリアは揮発性有機化合物(VOC)を含み;そして
(iii)1種類以上のフルオロコポリマーをキャリアと混合して、少なくとも約70重量%の1種類又は複数のフルオロコポリマー、及び約30重量%以下のキャリアを含む被覆組成物を形成する;
ことを含む工程によって形成される被覆組成物を与え;
(c)工程(b)の被覆組成物で基材を被覆し;そして
(d)キャリア中のVOCの少なくとも相当部分を大気中に蒸発させることによって、基材上に配され且つ基材に接着している保護ポリマー層を形成して、それによって保護被覆を形成する;
ことを含む、大気中へVOCを流出させるタイプの被覆操作中において、地球の大気中への揮発性有機化合物(VOC)の放出を減少させる方法。
[14]
キャリアがアルキルアセテートを含む、[13]に記載の方法。
[15]
キャリアが酢酸ブチルを含む、[13]に記載の方法。
[16]
被覆組成物が、約400g/L未満のVOC含量、及び12毎分回転数(r/m)、30r/m、及び60r/mの少なくとも1つにおいてFord Cupによって測定して約1900mPa・秒未満の粘度を有する、[13]に記載の方法。
[17]
被覆組成物が、約400g/L未満のVOC含量、及び12毎分回転数(r/m)、30r/m、及び60r/mの少なくともそれぞれにおいてFord Cupによって測定して約1900mPa・秒未満の粘度を有する、[13]に記載の方法。
[18]
R
5がC
3〜C
5の非置換直鎖アルキル基である、[13]に記載の方法。
[19]
R
4が2個の炭素原子を有する非置換直鎖アルキル基である、[18]に記載の方法。
[20]
(i)(1)約45モル%〜約55モル%のHFO−1234ze、
(2A)約10モル%〜約20モル%の、式:CH
2=CR
1−O(C=O)
xR
2(式中、xは1であり、R
1は水素であり、R
2は6〜8個の炭素原子を有する非置換の分岐鎖アルキル基であり、かかるアルキル基は少なくとも1つの第3級又は1つの第4級炭素原子を含む)によって表されるビニルエステル、
(2B)約10モル%〜約20モル%の、式:CH
2=CR
3−OR
4(式中、R
3は水素であり、R
4は1〜3個の炭素原子を有する非置換の直鎖アルキル基である)によって表されるビニルエーテル、及び
(3)約3モル%〜約30モル%の、式:CH
2=CR
3−O−R
5−OH(式中、R
3は水素であり、R
5はC
3〜C
5の非置換直鎖アルキル基である)によって表されるヒドロキシアルキルビニルエーテル、
から実質的に構成されるモノマーの共重合によって形成される1種類以上のフルオロコポリマー(ここで1種類又は複数のフルオロコポリマーは約10,000〜約14,000の数平均分子量を有する);及び
(ii)揮発性有機化合物(VOC)を含む、1種類以上のフルオロコポリマーのためのキャリア;
を含み;
被覆組成物は、(a)少なくとも約70重量%の1種類又は複数のフルオロコポリマー;(b)約30重量%以下のキャリア;を含み、(c)約400g/L未満のVOC含量;及び、(d)12毎分回転数(r/m)、30r/m、及び60r/mの少なくとも1つにおいてFord Cupによって測定して約1900mPa・秒未満の粘度;を有する被覆組成物。
[21]
(a)既存の被覆組成物で基材を被覆することを含む既存の操作からのVOCの基準放出量を定め;
(b)(i)(1)ヒドロフルオロエチレン、ヒドロフルオロプロペン、ヒドロフルオロブテン、ヒドロフルオロペンテン、及びこれらの組合せからなる群から選択される第1のモノマー、(2)1種類又は複数のビニルエステルを含む第2のモノマー、及び(3)1種類又は複数のビニルエーテルを含む第3のモノマー(ここで、ビニルエーテルモノマーの少なくとも一部はヒドロキシル基含有ビニルエーテルである)の共重合によって1種類以上のフルオロコポリマーを与え;
(ii)1種類以上のフルオロコポリマーのためのVOC化合物を含むキャリアを与え、ここでキャリアは揮発性有機化合物(VOC)を含み;そして
(iii)1種類以上のフルオロコポリマーをキャリアと混合して、フルオロコポリマーが被覆組成物の少なくとも約70重量%を構成し、キャリアのVOCが被覆組成物の約30重量%以下であるようにする;
ことを含む工程によって形成される減少したVOCの被覆組成物を与え;
(c)工程(b)の減少したVOCの被覆組成物で基材を被覆し;そして
(d)キャリア中のVOCの少なくとも相当部分を大気中に蒸発させることによって、基材上に配され且つ基材に接着している保護ポリマー層を形成して、それによって保護被覆を形成し、それによって減少したVOCの被覆組成物を用いて放出されるVOCをVOCの基準放出量と比べて減少させ;そして
(e)被覆操作から放出されるVOCの減少に少なくとも部分的に基づいて税金控除又は他の法的利益の要求を適当な政府機関に提出する;
ことを含む、地球の大気中へVOCを流出させるタイプの基準被覆操作と比べて地球の大気中への揮発性有機化合物(VOC)の放出を減少させる結果として、VOC税の控除又は他の法的利益を得る方法。