(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されたコネクタ組立体において、コネクタ100の電極端子101は、部分的に凹部103内に位置し、凹部103の開口側に露出している。したがって、凹部103内に位置する電極端子101の一部は、作業者の指が容易に触れることができる状態にある。このようなコネクタ100を電源供給側に利用すると、作業者の指が電極端子101に触れ、作業者が感電する虞があるという問題点がある。
【0007】
そこで、本発明は、二段階操作により嵌合が完了する一対のコネクタを備えるコネクタ組立体であって、感電防止構造を備えたコネクタ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1のコネクタ組立体として、
第1コネクタと第2コネクタとを備えるコネクタ組立体であって、
前記第1コネクタを前記第2コネクタに対して上下方向において下方へ移動させることにより、前記第1コネクタと前記第2コネクタとは分離状態から仮嵌合状態へ移行可能であり、
前記第1コネクタを前記第2コネクタに対して前記上下方向において上方へ移動させることにより、前記第1コネクタと前記第2コネクタとは前記仮嵌合状態から前記分離状態へ移行可能であり、
前記第1コネクタを前記第2コネクタに対して前記上下方向と直交する前後方向において前方へ移動させることにより、前記第1コネクタと前記第2コネクタとは前記仮嵌合状態から本嵌合状態へ移行可能であり、
前記第1コネクタを前記第2コネクタに対して前記前後方向において後方へ移動させることにより、前記第1コネクタと前記第2コネクタとは前記本嵌合状態から前記仮嵌合状態へ移行可能であり、
前記第1コネクタは、少なくとも一つの第1コンタクトと、前記第1コンタクトを保持する第1ハウジングとを備えており、
前記第1コンタクトは、第1接点を有しており、
前記第1ハウジングには、第1収容部と第1受容部とが設けられており、
前記第1接点は、前記第1収容部内に位置しており、
前記第1ハウジングは、前記上下方向において前記第1収容部の下に位置する第1端壁を有しており、
前記上下方向に沿って下側から見たとき、前記第1端壁は、前記第1コンタクトを少なくとも部分的に隠しており、
前記第1受容部は、前記前後方向において前記第1収容部及び前記第1端壁の前方に位置しており、
前記第1受容部と前記第1収容部とは互いに連通しており、
前記第2コネクタは、少なくとも一つの第2コンタクトと、前記第2コンタクトを保持する第2ハウジングとを備えており、
前記第2コンタクトは、前記第1コンタクトに対応するものであり、
前記第2コンタクトは、第2接点を有しており、
前記第2ハウジングには、第2収容部と第2受容部とが設けられており、
前記第2接点は、前記第2収容部内に位置しており、
前記第2ハウジングは、前記上下方向において前記第2収容部の上に位置する第2端壁を有しており、
前記上下方向に沿って上側から見たとき、前記第2端壁は、前記第2コンタクトを少なくとも部分的に隠しており、
前記第2受容部は、前記前後方向において前記第2収容部及び前記第2端壁の後方に位置しており、
前記第2受容部と前記第2収容部とは互いに連通しており、
前記仮嵌合状態において、前記第1端壁は前記第2受容部に受容され、かつ前記第2端壁は前記第1受容部に受容されており、
前記本嵌合状態において、前記第1端壁は少なくとも部分的に前記第2収容部に収容され、かつ前記第2端壁は少なくとも部分的に前記第1収容部に収容されており、
前記本嵌合状態において、前記第1収容部と前記第2収容部とは少なくとも部分的に互いに重なりあって重複収容部を形成しており、
前記本嵌合状態において、前記第1接点は、前記重複収容部内において前記第2接点と接触している
コネクタ組立体を提供する。
【0009】
また、本発明は、第2のコネクタ組立体として、第1のコネクタ組立体であって、
前記第1ハウジングには、前記第1端壁を前記上下方向に貫通する少なくとも一つ第1スリットが形成されており、
前記第1スリットは、前記第1コンタクトに対応しており、
前記第1スリットは、前記前後方向に延び、前記第1受容部に達している
コネクタ組立体を提供する。
【0010】
また、本発明は、第3のコネクタ組立体として、第2のコネクタ組立体であって、
前記第1接点は、前記第1スリットを通して見えている
コネクタ組立体を提供する。
【0011】
また、本発明は、第4のコネクタ組立体として、第2又は第3のコネクタ組立体であって、
前記第1ハウジングは、前記第1端壁の上端から上方へ延びており、かつ前記第1収容部と前記第1受容部との間に位置する第1付加壁を備えており、
前記第1付加壁には、前記第1収容部を前記第1受容部と連通させる少なくとも一つの第2スリットが形成されており、
前記第2スリットは、前記第1スリットに対応しており、
前記第2スリットは、対応する前記第1スリットと連通している
コネクタ組立体を提供する。
【0012】
また、本発明は、第5のコネクタ組立体として、第4のコネクタ組立体であって、
前記前後方向に沿って前方から見たとき、前記第1付加壁は、前記第1コンタクトの前端を隠している
コネクタ組立体を提供する。
【0013】
また、本発明は、第6のコネクタ組立体として、第1から第5までのコネクタ組立体のうちのいずれかであって、
前記第1コンタクトの数及び前記第2コンタクトの数は、夫々二以上であり、
前記第1ハウジングは、少なくとも一つの第2付加壁を備えており、
前記第2付加壁は、前記上下方向及び前記前後方向の双方と直交する横方向において、互いに隣り合う二つの前記第1コンタクトの間に位置しており、
前記第2端壁は、前記第2コンタクトに夫々対応する複数の端壁片によって構成されており、
前記端壁片は、前記横方向において、間隔を空けて配置されており、
前記仮嵌合状態及び前記本嵌合状態のとき、前記横方向において、前記端壁片と前記第2付加壁とは交互に並んでいる
コネクタ組立体を提供する。
【0014】
また、本発明は、第7のコネクタ組立体として、第1から第6のコネクタ組立体のうちのいずれかであって、
前記第1ハウジングは、前記前後方向において前記第1収容部の後方に位置する第3付加壁を備えており、
前記第3付加壁は、前記前後方向に沿って後方から見たとき、前記第1コンタクトを隠している
コネクタ組立体を提供する。
【0015】
また、本発明は、第8のコネクタ組立体として、第6のコネクタ組立体であって、
前記端壁片の夫々は、前記前後方向において対応する前記第2コンタクトよりも後方へ突出するとともに、前記横方向において対応する前記第2コンタクトよりも外側へ突出している突出部を有している
コネクタ組立体を提供する。
【0016】
また、本発明は、第9のコネクタ組立体として、第8のコネクタ組立体であって、
前記突出部には、前記上下方向において下方へ延びる延長部が設けられている
コネクタ組立体を提供する。
【0017】
また、本発明は、第10のコネクタ組立体として、第1から第9のコネクタ組立体のうちのいずれかであって、
前記第2ハウジングは、底壁と、前記底壁と前記第2端壁とを連結する連結壁を備えており、
前記連結壁は、前記前後方向において前記第2収容部の前方に位置し、前記前後方向に沿って前方から見たとき、前記第2コンタクトを隠している
コネクタ組立体を提供する。
【0018】
また、本発明は、第11のコネクタ組立体として、第1から第10のコネクタ組立体のうちのいずれかであって、
前記第1コンタクトは、前記上下方向及び前記前後方向の双方と直交する横方向に沿って少なくとも一列に配列されており、
前記第2コンタクトは、前記横方向に沿って少なくとも一列に配列されている
コネクタ組立体を提供する。
【0019】
また、本発明は、第12のコネクタ組立体として、第11のコネクタ組立体であって、
前記第1コンタクト及び前記第2コンタクトは、夫々二列に配列されており、
前記列の一方の前記第1コンタクトは、電源用コンタクトであり、
前記列の残りの一方の前記第1コンタクトは、信号用コンタクトであり、
前記列の一方の前記第2コンタクトは、電源用コンタクトであり、
前記列の残りの一方の前記第2コンタクトは、信号用コンタクトである
コネクタ組立体を提供する。
【0020】
また、本発明は、第13のコネクタ組立体として、第1から第12のコネクタ組立体のうちのいずれかであって、
前記第1ハウジングは、一対の第1側壁を備えており、
前記第1収容部と前記第1受容部とは、前記第1側壁の間に位置している
コンタクト組立体を提供する。
【0021】
また、本発明は、第14のコネクタ組立体として、第1から第13のコネクタ組立体のうちのいずれかであって、
前記第2ハウジングは、一対の第2側壁を備えており、
前記第2収容部と前記第2受容部とは、前記第2側壁の間に位置している
コンタクト組立体を提供する。
【0022】
また、本発明は、第1から第14のコネクタ組立体のうちのいずれかに用いられる第1コネクタを提供する。
【0023】
さらに本発明は、第1から第14のコネクタ組立体のうちのいずれかに用いられる第2コネクタを提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明のコネクタ組立体において、第1コネクタの第1ハウジングは、上下方向において第1収容部の下に位置する第1端壁を有している。第1端壁は、上下方向に沿って下側から見たとき、第1収容部内に位置する第1接点を有する第1コンタクトを少なくとも部分的に隠している。また、第2コネクタは、上下方向において第2収容部の上に位置する第2端壁を有している。第2端壁は、上下方向に沿って上側から見たとき、第2収容部内に位置する第2接点を有する第2コンタクトを少なくとも部分的に隠している。第1端壁及び第2端壁は、作業者の指が第1コンタクト及び第2コンタクトに夫々触れるのを防止する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施の形態によるコネクタ組立体を示す斜視図である。第1コネクタと第2コネクタとは分離状態にある。操作部材は、第1位置に位置している。
【
図2】
図1のコネクタ組立体を示す別の斜視図である。第1コネクタと第2コネクタとは仮嵌合状態にある。
【
図3】
図1のコネクタ組立体を示すさらに別の斜視図である。第1コネクタと第2コネクタとは本嵌合状態にある。
【
図4】
図1にコネクタ組立体を示すさらに別の斜視図である。第1コネクタと第2コネクタとは本嵌合状態にある。操作部材は、第2位置に位置している。
【
図5】
図1のコネクタ組立体に含まれる第1コネクタを示す側面図である。
【
図6】
図5の第1コネクタを示すA−A線断面図である。第1信号コンタクトの一つ及びその周辺と、第1電源コンタクトの一つ及びその周辺が、夫々拡大して描画されている。
【
図7】
図5の第1コネクタを示すB−B線断面図である。第1信号コンタクトの一対の接点及びその周辺が拡大して描画されている。
【
図8】
図5の第1コネクタを示すC−C線断面図である。第1電源コンタクトの一対の接点及びその周辺が拡大して描画されている。
【
図9】
図5の第1コネクタに含まれる第1電源コンタクトを示す斜視図である。電源コンタクトは、電源線の一端に接続されている。
【
図10】
図5の第1コネクタを示す前面側斜視図である。
【
図11】
図5の第1コネクタを示す別の前面側斜視図である。
【
図12】
図5の第1コネクタを示す後面側斜視図である。
【
図13】
図5の第1コネクタを示す別の後面側斜視図である。
【
図14】
図5の第1コネクタを示す底面図である。第1信号コンタクトの一対の接点及びその周辺と、第1電源コンタクトの一対の接点及びその周辺とが、夫々拡大して描画されている。
【
図16】
図1のコネクタ組立体に含まれる第2コネクタを示す平面図である。操作部材は、第1位置に位置している。
【
図18】
図16の第2コネクタを示す後面側斜視図である。第2コネクタは、部分的に切り取られている。
【
図20】
図16の第2コネクタを示す別の平面図である。操作部材は第1位置と第2位置との間に位置している。
【
図22】
図20の第2コネクタを示す後面側斜視図である。第2コネクタは、部分的に切り取られている。
【
図23】
図16の第2コネクタを示すさらに別の平面図である。操作部材は、第2位置に位置している。
【
図25】
図23の第2コネクタを示す後面側斜視図である。第2コネクタは、部分的に切り取られている。
【
図30】
図16の第2コネクタを示す下面側斜視図である。第2信号コンタクトは、その図示が省略されている。第2電源コンタクトの一つは、第2ハウジングに未だ保持されていない。
【
図31】
図16の第2コネクタに含まれる第2ハウジングと可動部材とを示す斜視図である。第2ハウジングは、部分的に切り取られている。
【
図33】
図16の第2コネクタに含まれる第2コンタクト、操作部材及び可動部材を示す斜視図である。操作部材は、第1位置に位置している。
【
図34】
図33の第2コンタクト、操作部材及び可動部材を示す平面図である。
【
図35】
図20の第2コネクタに含まれる第2コンタクト、操作部材及び可動部材を示す斜視図である。
【
図36】
図35の第2コンタクト、操作部材及び可動部材を示す平面図である。
【
図37】
図23の第2コネクタに含まれる第2コンタクト、操作部材及び可動部材を示す斜視図である。
【
図38】
図37の第2コンタクト、操作部材及び可動部材を示す平面図である。
【
図39】
図33の第2コンタクトに含まれる信号コンタクトを示す正面図である。
【
図40】
図1のコネクタ組立体を示す平面図である。
【
図41】
図40のコネクタ組立体を示すJ−J線断面図である。
【
図42】
図40のコネクタ組立体を示すK−K線断面図である。ガイド突起部及びその周辺が拡大して描画されている。
【
図43】
図41のコネクタ組立体を示す断面図である。第1コネクタと第2コネクタとは仮嵌合状態にある。操作部材は、第1位置に位置している。
【
図44】
図42のコネクタ組立体を示す断面図である。第1コネクタと第2コネクタとは仮嵌合状態にある。操作部材は、第1位置に位置している。
【
図45】
図41のコネクタ組立体を示す別の断面図である。第1コネクタと第2コネクタとは本嵌合状態にある。操作部材は、第1位置に位置している。可動部材の前端面及びその周辺が拡大して描画されている。
【
図46】
図42のコネクタ組立体を示す別の断面図である。第1コネクタと第2コネクタとは本嵌合状態にある。操作部材は、第1位置に位置している。
【
図47】
図41のコネクタ組立体を示すさらに別の断面図である。第1コネクタと第2コネクタとは本嵌合状態にある。操作部材は、第2位置に位置している。可動部材の前端面及びその周辺が拡大して描画されている。
【
図48】
図42のコネクタ組立体を示すさらに別の断面図である。第1コネクタと第2コネクタとは本嵌合状態にある。操作部材は、第2位置に位置している。
【
図49】特許文献1に開示されたコネクタ組立体に含まれるコネクタとコンセントを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1を参照すると、本発明の一実施の形態に係るコネクタ組立体10は、第1コネクタ20と第2コネクタ50とを備えている。本実施の形態において、第1コネクタ20は、ケーブル12の一端に取り付けられている。第2コネクタ50は、壁14に取り付けられている。また、第2コネクタ50には、フロントパネル16が取り付けられている。ここで、説明の便宜のため、方向を規定する。上下方向は、第1コネクタ20と第2コネクタ50とが互いに嵌合又は分離する方向である。本実施の形態において、上下方向はZ方向である。+Z方向が上方であり、−Z方向が下方である。また、前後方向は、上下方向と直交する方向であり、第1コネクタ20と第2コネクタ50とが互いに接続又は切断する方向である。本実施の形態において、前後方向は、X方向である。+X方向が後方であり、−X方向が前方である。横方向は、上下方向及び前後方向の双方と直交する方向である。本実施の形態において、横方向はY方向である。
【0027】
図1及び
図2から理解されるように、第1コネクタ20と第2コネクタ50とが分離状態にあるとき、第1コネクタ20を第2コネクタ50に対して上下方向において下方へ移動させることにより、第1コネクタ20と第2コネクタ50とは仮嵌合状態へ移行することができる。逆に、第1コネクタ20と第2コネクタ50とが仮嵌合状態にあるとき、第1コネクタ20を第2コネクタ50に対して上下方向において上方へ移動させることにより、第1コネクタ20と第2コネクタ50とは分離状態へ移行することができる。なお、本実施の形態において、「分離状態」とは、
図1に示されるように、第1コネクタ20と第2コネクタ50とが互いから離れている状態をいう。また、「仮嵌合状態」とは、
図2に示されるように、前後方向及び横方向において、第1コネクタ20が第2コネクタ50に対して所定の位置にあり、かつ上下方向において第1コネクタ20が第2コネクタ50に突き当たった状態をいう。仮嵌合状態において、第1コネクタ20と第2コネクタ50とは、未だ電気的に接続されていない。
【0028】
図2及び
図3から理解されるように、第1コネクタ20と第2コネクタ50とが仮嵌合状態にあるとき、第1コネクタ20を第2コネクタ50に対して前後方向において前方へ移動させることにより、第1コネクタ20と第2コネクタ50とは本嵌合状態へ移行することができる。逆に、第1コネクタ20と第2コネクタ50とが本嵌合状態にあるとき、第1コネクタ20を第2コネクタ50に対して前後方向において後方へ移動させることにより、第1コネクタ20と第2コネクタ50とは仮嵌合状態へ移行することができる。第1コネクタ20と第2コネクタ50とは、本嵌合状態から分離状態へ直接移行することはできず、分離状態から本嵌合状態へ直接移行することもできない。なお、本実施の形態において、「本嵌合状態」とは、第1コネクタ20と第2コネクタ50とが、互いに嵌合しかつ電気的に接続されている状態をいう。
【0029】
図3及び
図4に示されるように、第2コネクタ50は、操作部材80を備えている。操作部材80は、第1位置(
図3)と第2位置(
図4)との間で移動可能である。
図1から
図3までの図から理解されるように、操作部材80が第1位置に位置するとき、第1コネクタ20と第2コネクタ50とは、分離状態と仮嵌合状態との間の移行が許容され、仮嵌合状態と嵌合状態との間の移行も許容される。
図4に示されるように操作部材80が第2位置に位置するとき、第1コネクタ20と第2コネクタ50とは、分離状態から仮嵌合状態へ移行することができず、本嵌合状態から仮嵌合状態へ移行することもできない。このとき、第1コネクタ20と第2コネクタ50とは、分離状態と嵌合状態との間の直接的な移行もできない。
【0030】
図5及び
図6を参照すると、第1コネクタ20は、複数の第1コンタクト22と、これら第1コンタクト22を保持する第1ハウジング30とを備えている。本実施の形態において、第1コンタクト22は、二つのコンタクト列を形成している。二つのコンタクト列は、前後に配置されている。コンタクト列の夫々において、第1コンタクト22は横方向に並んでいる。但し、本発明はこれに限られない。第1コネクタ20は、少なくとも一つの第1コンタクト22を備えていればよい。また、第1コンタクト22は、一列に配置されてもよいし、三列以上に配置されてもよい。
【0031】
図6から理解されるように、第1コンタクト22は、形状及び大きさが互いに異なる2種類のコンタクトを含んでいる。その一方は、信号用コンタクト(第1信号コンタクト221)であり、他方は、電源用コンタクト(第1電源コンタクト223)である。本実施の形態において、第1信号コンタクト221の数は4個である。第1信号コンタクト221は、二つのコンタクト列のうち前列のコンタクト列を形成している。また、第1電源コンタクト223の数は3個である。第1電源コンタクト223は、二つのコンタクト列のうち後列のコンタクト列を形成している。但し、本発明はこれに限られない。第1コンタクト22は、2種類のコンタクトを含まず、1種類のコンタクトで構成されてもよい。また、一つのコンタクト列は、2種類のコンタクトを含んでもよい。
【0032】
図9に示すように、第1電源コンタクト223は、接続部231と、保持部233と、接触部235とを有している。接続部231は、ケーブル12(
図1参照)に含まれる電源線121に接続される部分である。保持部233は、第1ハウジング30(
図15参照)に保持される部分である。
図6に示されるように、接触部235は、一対の第1接点237と、一対の前端239とを有している。第1接点237は、後述する第2電源コンタクト523(
図30参照)の第2接点537と接触する部分である。第1接点237は、横方向において互いに離れて対向している。第1接点237は、点ではなく線状である。接触部235の形状から理解されるように、本実施の形態において、第1電源コンタクト223は雌型コネクタである。第1電源コンタクト223は、金属板に対して打ち抜き加工及び曲げ加工を行って形成される。第1信号コンタクト221は、第1電源コンタクト223に類似する構成を有している。即ち、第1信号コンタクト221は、第1電源コンタクト223と同様に、接続部231と、保持部233と、接触部235とを有している。
図6から理解されるように、第1信号コンタクト221は、第1電源コンタクト223よりも小さいサイズを有している。また、第1信号コンタクト221の接触部235は、第1電源コンタクト223の接触部235とは異なる形状を有している。しかし、第1信号コンタクト221の接触部235も、一対の第1接点237と一対の前端239とを有している。本実施の形態において、第1信号コンタクト221も、雌型コンタクトである。
【0033】
図10から
図13までの図を参照すると、第1ハウジング30は、上側ハウジング32と下側ハウジング34とを有している。
図14及び
図15から理解されるように、上側ハウジング32には、ケーブル収容部321が設けられている。ケーブル収容部321には、電源線121の端部及び信号線123の端部を含むケーブル12の端部が収容される。また、下側ハウジング34には、二つの第1収容部341と、二つの第1受容部343とが設けられている。第1収容部341は、第1コンタクト22のコンタクト列に夫々対応している。第1受容部343は、第1収容部341に夫々対応している。第1受容部343の夫々は、前後方向において対応する第1収容部341の前方に位置している。
図6、
図10及び
図11から理解されるように、互いに対応する第1収容部341と第1受容部343とは、互いに連通している。
図6及び
図15から理解されるように、第1収容部341には、第1コンタクト22の接触部235が少なくとも部分的に収容される。詳しくは、第1コンタクト22は、第1収容部341内に第1接点237が位置するように、下側ハウジング34に取り付けられている。
【0034】
図10から
図14までの図に示されるように、下側ハウジング34は、二つの第1端壁35を有している。第1端壁35は、第1収容部341に夫々対応している。第1端壁35は、上下方向において夫々対応する第1収容部341の下に位置している。第1端壁35は、第1受容部343の下には存在していない。第1受容部343の夫々は、前後方向において、対応する第1収容部341及びその下に位置する第1端壁35の前方に位置している。
図14に示されるように、上下方向に沿って下方から見たとき、第1コンタクト22の夫々は、いずれか一方の第1端壁35によって部分的に隠されている。これにより、作業者の指が下方から第1コンタクト22に触れるのを防止する。但し、本発明はこれに限られない。第1端壁35は、第1コンタクト22の夫々を少なくとも部分的に隠していればよく、各第1コンタクト22の全体を隠していてもよい。
【0035】
図14及び
図15から理解されるように、第1ハウジング30には、第1端壁35の夫々を上下方向に貫通する複数の第1スリット351が形成されている。第1スリット351は、第1コンタクト22に夫々対応している。したがって、第1スリット351の数は、第1コンタクト22の数に一致する。本発明において、第1スリット351は、第1コンタクト22の数に応じて少なくとも一つ形成される。第1スリット351の夫々は、前後方向に延びており、いずれか一方の第1受容部343に達している。
図14に示されるように、上下方向に沿って下方から見たとき、第1コンタクト22の夫々の第1接点237は、対応する第1スリット351を通して目視することができる。
【0036】
図7及び
図8を参照すると、第1ハウジング30は、二つの第1付加壁36を備えている。第1付加壁36は、第1端壁35に夫々対応している。第1付加壁36の夫々は、互いに対応する第1収容部341と第1受容部343との間に位置し、対応する第1端壁35の上端から上方へ延びている。第1付加壁36の夫々には、前後方向に沿って第1付加壁36を貫通する複数の第2スリット361が形成されている。第2スリット361は、第1スリット351に夫々対応している。したがって、第2スリット361の数は、第1スリット351の数に一致する。本発明において、第2スリット361は、第1スリット351の数に応じて少なくとも一つ形成される。第2スリット361の夫々は、互いに対応する第1収容部341と第1受容部343とを互いに連通させる。また、第2スリット361の夫々は、対応する第1スリット351と連通している。
図7及び
図8の夫々に示されるように、前後方向に沿って前方から見たとき、第1コンタクト22の夫々の第1接点237は、第2スリット361のいずれか一つを通して目視することができる。その一方で、第1コンタクト22の夫々の前端239(
図6参照)は、前後方向に沿って前方から見たとき、いずれかの第1付加壁36によって隠されている。第1付加壁36は、受容部343に進入した作業者の指が第1コンタクト22に触れるのを防止する。
【0037】
図7、
図8、
図10及び
図11に示されるように、第1ハウジング30は、複数の第2付加壁37を備えている。第2付加壁37の夫々は、第1収容部341のいずれか一方に対応している。第2付加壁37の夫々は、横方向において、互いに隣り合う第1コンタクト22の間に位置している。第2付加壁37の夫々は、対応する第1収容部341内に位置し、前後方向に延びている。第2付加壁37は、互いに隣り合う第1コンタクト22の間の絶縁を確実にする。加えて、第2付加壁37は、受容部343に進入した作業者の指が第1コンタクト22に触れるのを防止する第1付加壁36の効果を高める。本実施の形態において、第2付加壁37の夫々の前面は、対応する第1収容部341の前方に位置する第1付加壁36の前面と面一である。しかしながら、第2付加壁37の夫々の前面は、対応する第1収容部341の前方に位置する第1付加壁36の前面と面一でなくてもよい。
【0038】
図12、
図13及び
図15に示されるように、第1ハウジング30は、二つの第3付加壁38を備えている。第3付加壁38は、第1収容部341に夫々対応している。第3付加壁38は、第1ハウジング30の強度を高める。
図15から理解されるように、第3付加壁38の夫々は、前後方向において対応する第1収容部341の後方に位置している。
図6及び
図15から理解されるように、第3付加壁38は、前後方向に沿って後方から見たとき、対応する第1収容部341に収容された第1コンタクト22を隠している。これにより、作業者の指が後方から第1コンタクト22に触れるのを防止する。なお、第3付加壁38の夫々は、対応する第1収容部341内に位置する第1コンタクト22に夫々対応するように複数に分割されていてもよい。第3付加壁38のうちの一方は、第1ハウジング30の後端面39の一部を構成する。この後端面39は、後述するように、被規制部として機能する。換言すると、第1ハウジング30には、被規制部が設けられている。
【0039】
図6、
図10、
図11及び
図14に示されるように、第1ハウジング30は、前後方向に延びる一対の第1側壁40を備えている。第1側壁40は、第1ハウジング30の横方向において両端に位置し、互いに対向している。第1端壁35、第1付加壁36、第2付加壁37及び第3付加壁38の夫々は、横方向両端において、第1側壁40に連結されている。また、第1収容部341及び第1受容部343は、第1側壁40の間に位置している。但し、本発明はこれに限られない。第1ハウジング30は、第1側壁40を備えていなくてもよい。
【0040】
図10から
図13までの図に示されるように、第1側壁40の夫々は、横方向において外側へ向かう外面41を有している。外面41には、横方向において内側に凹む第1溝42と第2溝43とが形成されている。第1溝42と第2溝43とは互いに連通している。詳しくは、
図5に示されるように、第1溝42は、上下方向に延びている。第1溝42は、下方へ開いており、上方へ閉じている。第1溝42は、前後方向における両側に位置する前内壁面421及び後内壁面423と、上下方向において下方へ向かう上内壁面425とを有している。第2溝43は、第1溝42の上部から前後方向において後方へ延びている。第2溝43は、上下方向において上方へ向かう下内壁面431と、下方へ向かう上内壁面433と有している。第2溝43の上内壁面433は、第1溝42の上内壁面425と同一の平面上にある。換言すると、第2溝43の上内壁面433と第1溝42の上内壁面425とは、面一に形成されている。後述するように、第1溝42の前内壁面421及び後内壁面423は第1被案内部として機能する。また、第2溝43の下内壁面431は、第2被案内部として機能する。このように、第1ハウジング30には、第1被案内部と第2被案内部とが設けられている。但し、本発明はこれに限られない。第1被案内部と第2被案内部とは、第1側壁40以外の壁部に設けられてもよい。たとえば、横方向両側から離れた位置に、前後方向に延びる壁部を設け、その側面に第1溝42及び第2溝43に夫々対応する溝を形成するようにしてもよい。これは、第1コネクタ20が第1側壁40を持たない場合に、特に有効である。
【0041】
図16から
図18までの図を参照すると、第2コネクタ50は、複数の第2コンタクト52と、第2コンタクト52を保持する第2ハウジング60と、操作部材80と、可動部材90とを備えている。第2コンタクト52は、第1コンタクト22に夫々対応している。換言すると、第2コンタクト52の数及び種類は、第1コンタクト22に依存する。本実施の形態において、第2コンタクト52は、信号用コンタクト(第2信号コンタクト521)と電源用コンタクト(第2電源コンタクト523)とを含んでいる。
図18から理解されるように、第2信号コンタクト521は、横方向に一列に配列され一つのコンタクト列を形成している。同様に、第2電源コンタクト523も、横方向に一列に配列されて別のコンタクト列を形成している。第2信号コンタクト521のコンタクト列と、第2電源コンタクト523のコンタクト列とは、前後に配置されている。
【0042】
図30から理解されるように、本実施の形態において、第2電源コンタクト523の夫々は、L字状に曲げられた金属板からなる。第2電源コンタクト523は、接続部531と、固定部533と、接触部535とを有している。接続部531には孔が設けられている。接続部531は、ネジとナットを用いて、電源線580の先端に固定された端子に取り付けられるとともに、第2ハウジング60に固定される。固定部533は、第2ハウジング60に圧入により固定される部分である。接触部535は、ブレード状であり、その両面に対応する第1コンタクト22の接触部235(
図9参照)に接触する一対の第2接点537(
図29参照)を有している。第2接点537は、点ではなく面である。接触部535の形状から理解されるように、本実施の形態において、第2電源コンタクト523は雄型コネクタである。
図33から理解されるように、第2信号コンタクト521は、一つの例外を除いて、第2電源コンタクト523と同様に構成される。詳述すると、第2信号コンタクト521は、検知コンタクト525とそれ以外の通常の第2信号コンタクト521とを含んでいる。通常の第2信号コンタクト521は、第2電源コンタクト523と同様に構成される。通常の第2信号コンタクト521は、第2電源コンタクト523よりもそのサイズが小さい。検知コンタクト525は、第1コネクタ20と第2コネクタ50の本嵌合状態を検知するために用いられる。検知コンタクト525は、通常の第2信号コンタクト521とは異なる構成を有している。
【0043】
図39に示されるように、検知コンタクト525は、接触片部551と、接触片部551から分離した本体部553とを有している。接触片部551は、通常の第2コンタクト52の接触部535と固定部533とに相当する部分である。接触片部551は、第2ハウジング60に圧入により固定される。接触片部551は、本嵌合状態において、第1コンタクト22の第1信号コンタクト221のうちの一つと接触する。本体部553には、通常の第2コンタクト52の接続部531に相当する基部555のほかに、弾性片部557が設けられている。基部555は、第2ハウジング60にネジとボルトを用いて固定される部分である。弾性片部557は、接触片部551に接触可能な接触部575を有し、接続状態切替機構の一部として機能するものである。詳しくは、
図36及び
図39に示されるように、弾性片部557は、基部555の一辺から上方へ延びる支持部571と、支持部571から前方へ延びた後、後方へ折り曲げられ、さらに概ね後方へ延びる弾性部573とを有している。弾性部573は、横方向において、接触片部551に向かって突出する接触部575と、それとは逆の方向へ突出する操作部577を有している。前後方向において、接触部575は弾性部573の中央部付近に位置し、操作部577は弾性部573の後端付近に位置している。本実施の形態において、操作部577が操作されていないとき、接触部575と接触片部551との間には隙間が存在している。即ち、接触片部551と本体部553とは電気的に分離されている。操作部577が操作されると、弾性部573が弾性変形し、接触部575が接触片部551に接触する。これにより、接触片部551と本体部553とが電気的に接続される。但し、本発明はこれに限られない。弾性部573は、操作部577が操作されていないときに接触部575が接触片部551に接触し、操作部577が操作されたときに接触部575が接触片部551から離れるように構成されてもよい。いずれにせよ、検知コンタクト525は、接触片部551と本体部553とが電気的に接続された接続状態と、接触片部551と本体部553とが電気的に分離された非接続状態とのいずれか一方を選択するように切り替えることができる。
【0044】
図16から
図18までの図から理解されるように、第2ハウジング60には、二つの第2収容部601と、二つの第2受容部603とが設けられている。第2収容部601は、第2コンタクト52のコンタクト列に夫々対応している。第2受容部603は、第2収容部601に夫々対応している。第2受容部603の夫々は、前後方向において対応する第2収容部601の後方に位置している。
図17及び
図18から理解されるように、互いに対応する第2収容部601と第2受容部603とは、互いに連通している。第2収容部601には、第2コンタクト52の接触部535が少なくとも部分的に収容される。詳しくは、第2コンタクト52は、第2収容部601内に第2接点537が位置するように、第2ハウジング60に固定されている。
【0045】
図16から
図18までの図に示されるように、第2ハウジング60は、二つの第2端壁62を有している。第2端壁62は、第2収容部601に夫々対応している。第2端壁62は、上下方向において夫々対応する第2収容部601の上に位置している。詳しくは、第2端壁62の夫々は、第2コンタクト52に夫々対応する複数の端壁片621により構成されている。各第2端壁62を構成する端壁片621は、横方向において、間隔を空けて配置されている。第2端壁62は、第2受容部603の上には存在しておらず、第2受容部603の夫々は、前後方向において、対応する第2収容部601及びその上に位置する第2端壁62の後方に位置している。
図16に示されるように、上下方向に沿って上側から見たとき、第2コンタクト52の夫々は、いずれか一方の第2端壁62によって隠されている。これにより、作業者の指が上方から第2コンタクト52に触れるのを防止する。但し、本発明はこれに限られない。第2端壁62は、第2コンタクト52の夫々を少なくとも部分的に隠していればよい。
【0046】
図17及び
図18に示されるように、端壁片621の夫々は、前後方向において対応する第2コンタクト52よりも後方へ突出している。また、
図27から
図29までの図から理解されるように、端壁片621の夫々は、横方向において対応する第2コンタクト52よりも外側へ突出している。このように、端壁片621の夫々は、前後方向において対応する第2コンタクト52よりも後方へ突出するとともに、横方向において対応する第2コンタクト52よりも外側へ突出する突出部623を有している。
図17、
図28及び
図29から理解されるように、突出部623には、下方へ延びる延長部625が設けられている。延長部625は、第2コンタクト52の上端部を少なくとも部分的に囲っている。突出部623及び延長部625は、作業者の指が第2コンタクト52に触れるのを防止する第2端壁62の効果を高める。
【0047】
図17から
図19までの図に示されるように、第2ハウジング60は、底壁64と、二つの連結壁643とを備えている。連結壁643は、第2収容部601に夫々対応している。連結壁643は、第2ハウジング60の強度を高める。連結壁643の夫々は、前後方向において対応する第2収容部601の前方に位置している。連結壁643の夫々は、底壁64と、対応する第2収容部601の上に位置する第2端壁62とを連結している。
図17から理解されるように、第2コンタクト52は、底壁64の上面641から上方へ部分的に突出している。
図19から理解されるように、連結壁643は、前後方向に沿って前方から見たとき、対応する第2収容部601内に位置する第2コンタクト52の突出部分を隠している。これにより、作業者の指が前方から第2コンタクト52に触れるのを防止する。なお、連結壁643の夫々は、対応する第2収容部601内に位置する第2コンタクト52に夫々対応するように複数に分割されていてもよい。
【0048】
図16から
図19までの図に示されるように、第2ハウジング60は、前後方向に延びる一対の第2側壁66を備えている。本実施の形態において、第2側壁66は、横方向において、第2ハウジング60の両端に設けられている。したがって、第2収容部601及び第2受容部603は、これら第2側壁66の間に位置する。但し、本発明はこれに限られない。第2ハウジング60は、第2側壁66を有していなくてもよい。
【0049】
図16及び
図19から理解されるように、第2側壁66の夫々は、横方向において内側へ向かう内面661を有している。これら第2側壁66の内面661は、横方向において、互いに対向している。第2側壁66の内面661には、ガイド突出部(突出部)663が設けられている。ガイド突出部663は、第1コネクタ20の第1溝42及び第2溝43に対応している。ガイド突出部663は、横方向において内面661から内側へ突出している。
図42に示されるように、ガイド突出部663は、前後方向において両側に位置する前端面665及び後端面667を有している。また、ガイド突出部663は、上下方向において下方へ向かう下端面669を有している。ガイド突出部663の前端面665及び後端面667は、第1案内部として機能し、ガイド突出部663の下端面669は第2案内部として機能する。第1案内部及び第2案内部は、第1コネクタ20の第1被案内部及び第2被案内部に夫々対応している。このように、第2ハウジング60には、第1案内部と第2案内部とが設けられている。但し、本発明はこれに限られない。第1案内部及び第2案内部は、第2側壁66以外の壁部に設けられてもよい。たとえば、横方向両側から離れた位置に、前後方向に延びる壁部を設け、その側面にガイド突出部663に相当する突出部を形成するようにしてもよい。その場合、第2側壁66にガイド突出部663を形成してもよいし、しなくてもよい。また、第2側壁66は無くてもよい。
【0050】
図42を参照すると、ガイド突出部663は、第1突出片671と第2突出片681とを含み、横方向に沿って見たときL字状の形状を有している。第1突出片671は、前後方向に長い形状を有している。第1突出片671は、前後方向において、その両側に位置する前端面673及び後端面675を有している。また、第1突出片671は、上下方向において、下方へ向かう下端面677を有している。第2突出片681は、上下方向に長い形状を有している。また、第2突出片681は、前後方向においてその前端に位置する前端面683を有している。第1突出片671は、上下方向において、第2突出片681の上に位置している。第2突出片681は、第1突出片671の前端部に連結されている。第1突出片671の前端面673と第2突出片681の前端面683とは同一の平面上にあり、ガイド突出部663の前端面665を形成している。第1突出片671の後端面675は、単独でガイド突出部663の後端面667を形成している。よって、第1案内部は、第1突出片671の前端面673、第2突出片681の前端面683及び第1突出片671の後端面675で構成される。また、第2案内部は、第1突出片671の下端面677で構成される。
【0051】
図17及び
図19から理解されるように、第2側壁66の夫々の内面661には、さらに案内溝691が形成されている。案内溝691は、横方向において外側へ凹んでおり、前後方向に延びている。案内溝691は、操作部材80を案内する第3案内部として機能する。このように、第2側壁66の内面661には、第3案内部が設けられている。
【0052】
図26に示されるように、第2ハウジング60は、さらにカバー部70を有している。カバー部70は、板状部701と一対の脚部703とを有している。カバー部70は、第2ハウジング60の後端付近に位置し、一対の第2側壁66を連結している。
【0053】
図31及び
図32から理解されるように、第2ハウジング60の底壁64には、可動部材90を少なくとも部分的に収容する可動部材収容部645が設けられている。可動部材収容部645は、前後方向において、第2コンタクト52(
図18参照)よりも後方に位置し、底壁64の上面641よりも下方へ凹んでいる。第2ハウジング60は、可動部材収容部645を部分的に規定する台状部647と規制面651(
図18参照)とを備えている。
図32に示されるように、台状部647の側面には、左右方向において内側へ凹み、上下方向に延びる一対の溝649が形成されている。規制面651は、前後方向において、後方に向いている。台状部647の前端は規制面651に連結されている。
【0054】
図31を参照すると、可動部材90は、前部92と後部94とを有している。上下方向において、後部94は前部92に比べて大きいサイズを有している。可動部材90は、内部空間(図示せず)を有しており、下方へ開いている。
図33に示されるように、可動部材90の前部92は、前方へも開いている。また、可動部材90は、前端面921を有している。前端面921は、後述するように規制部として機能する。このように、可動部材90には、規制部が設けられている。
【0055】
図31から理解されるように、可動部材90には、横方向において外側へ突出する一対のカム突起941が設けられている。一対のカム突起941は、横方向において互いに離れており、また互いに逆方向へ突出している。カム突起941は、後述する力伝達部からの力を受ける力受部として機能する。このように、可動部材90には、力受部が設けられている。
【0056】
図31及び
図32から理解されるように、可動部材90は、その内部空間(図示せず)に第2ハウジング60の台状部647を少なくとも部分的に受容するように、第2ハウジング60に取り付けられる。この状態において、上下方向に沿って見ると、カバー部70の板状部701は可動部材90と重なっている。また、可動部材90は、第2ハウジング60に取り付けられた状態で、可動部材収容部645に部分的に収容される。可動部材90の内壁943(
図21参照)には、左右方向において内側へ突出する一対の突起部945(
図20参照)が形成されている。突起部945は、第2ハウジング60の台状部647の溝649に夫々対応している。可動部材90が第2ハウジング60に取り付けられた状態で、可動部材90の突起部945は、台状部647の溝649内に部分的に位置する。可動部材90は、第2ハウジング60に取り付けられた状態で、第2ハウジング60に対して上下方向に移動可能である。詳しくは、可動部材90は、上下方向に沿って、非ロック位置(
図33参照)とロック位置(
図37参照)との間で移動可能である。非ロック位置は、ロック位置よりも上下方向において下方に位置する。台状部647及び溝649は、第2ハウジング60に対する可動部材90の上下方向の移動をガイドするとともに、可動部材90の前後方向の移動を規制する。こうして、可動部材90は、第2ハウジング60によって前後方向の移動が規制される。
【0057】
図17及び
図18から理解されるように、操作部材80は、下部82と上部84とを有している。下部82は、一対の側壁821と、維持片831とを有している。側壁821は、横方向において下部82の両側に位置している。維持片831は、下部82の上端部に位置している。操作部材80が第2ハウジング60に取り付けられた状態において、側壁821は、横方向において可動部材90の両側に位置する。操作部材80が第2ハウジング60に取り付けられた状態において、維持片831は、上下方向において、カバー部70の板状部701の下に位置する。維持片831は、上下方向において上方へ突出する突起部832を有している。また、維持片831は、弾性変形可能である。維持片831の弾性変形により、突起部832は少なくとも上下方向において変位可能である。操作部材80が第1位置に位置するとき、操作部材80を前後方向において前方へ移動させようとすると、突起部832が板状部701に突き当たる。これにより、操作部材80は、第1位置に維持される。また、
図24から理解されるように、操作部材80が第2位置に位置するとき、操作部材80を前後方向において後方へ移動させようとすると、突起部832が板状部701に突き当たる。これにより、操作部材80は、第2位置に維持される。維持片831を弾性変形させるのに十分な前後方向の力が操作部材80に与えられると、維持片831は弾性変形し、第1位置と第2位置との間において操作部材80の移動が許容される。このように維持片831は、操作部材80を第1位置又は第2位置に維持する機能と、操作部材80の操作感を与える機能を有している。
【0058】
図18及び
図33に示されるように、側壁821の夫々には、カム溝827が形成されている。カム溝827は、横方向において互いに離れている。また、カム溝827の夫々は、横方向において側壁821を貫通している。但し、本発明はこれに限られない。カム溝827は、有底の溝であってもよい。
図42に示されるように、カム溝827は、その前端から後方へ延びた後、斜め上後方へ延び、さらに後方へ延びている。カム溝827は、可動部材90のカム突起941に夫々対応するように配置されている。操作部材80が第2ハウジング60に取り付けられた状態において、カム溝827の夫々は、対応するカム突起941を少なくとも部分的に受容する。カム溝827は、操作部材80の移動に従って所定方向の力を力受部(カム突起941)に伝える力伝達部として機能する。本実施の形態において、所定方向は上下方向である。このように、操作部材80には、力伝達部が設けられている。本実施の形態において、カム突起941及びカム溝827の数は、夫々二つであるが、本発明はこれに限られない、カム突起941及びカム溝827は、少なくとも一つあればよい。
【0059】
図33から
図38までの図に示されるように、側壁821には、案内突起825が設けられている。換言すると、操作部材80は、横方向において外側に向かう一対の側面823を有しており、側面823の夫々には、第3被案内部として案内突起825が設けられている。案内突起825は、横方向において側面823から外側へ突出し、前後方向に延びている。案内突起825は、第2ハウジング60の案内溝691(
図19参照)に対応している。操作部材80が第2ハウジング60に取り付けられた状態で、案内突起825の夫々は、少なくとも部分的に対応する案内溝691に受容される。但し、本発明はこれに限られない。第2ハウジング60の第2側壁66の内面661に案内突起を設け、操作部材80の側壁821にそれに対応する案内溝を設けてもよい。
【0060】
図33から
図38までの図に示されるように、操作部材80には、接続状態切替部833が設けられている。接続状態切替部833は、前後方向に長い角柱状で、一方の側壁821の下端部から前方へ突出している。接続状態切替部833は、操作部材80の位置に応じて、検知コンタクト525の操作部577に接触したり離れたりする。こうして、接続状態切替部833は、接続状態切替機構の一部として機能する。このように、接続状態切替部833は、検知コンタクト525の弾性片部557とともに接続状態切替機構を構成する。換言すると、第2コンタクト52は、接続状態切替部833と弾性片部557とを有する接続状態切替機構を備えている。
【0061】
図19に示されるように、操作部材80の上部84は、前壁841、上壁843及び操作突起845を有している。前壁841は、操作部材80の下部82の前側上端部から上方へ延びている。上壁843は、前壁841の上端部から後方へ延びている。操作突起845は、上壁843の後端部から上方へ突出している。
図18及び
図25から理解されるように、操作部材80の上部84と下部82との間には、カバー部収容部847が形成されている。換言すると、操作部材80には、カバー部収容部847が設けられている。操作部材80が第2ハウジング60に取り付けられた状態において、前壁841はカバー部70の前方に位置する。また、上壁843は、上下方向において、カバー部70の上に位置する。
【0062】
図16から
図26までの図から理解されるように、操作部材80は、前後方向に移動可能に第2ハウジング60に取り付けられる。操作部材80が第2ハウジング60に取り付けられた状態で、第2ハウジング60の案内溝691(第3案内部)と操作部材80の案内突起825(第3被案内部)は、操作部材80を第1位置と第2位置との間で案内する。本実施の形態において、第1位置は、前後方向において第2位置よりも後方に位置している。このように、操作部材80は、前後方向に沿って第1位置と第2位置との間で移動可能に第2ハウジング60に取り付けられている。
【0063】
図16及び
図17に示されるように、操作部材80が第1位置に位置するとき、操作部材80の前方には、許容部72が存在する。換言すると、第2コネクタ50は、前後方向において操作部材80が第1位置から第2位置へ向かって前方へ移動することを許容する許容部72を備えている。本実施の形態において、許容部72は、一方の第2受容部603の一部である。許容部72は、前後方向において、可動部材収容部645(
図32参照)の一部と重なっている。換言すると、可動部材収容部645は、前後方向において許容部72と部分的に重なっている。また、可動部材収容部645は、上下方向において許容部72の下に位置するとともに、許容部72と連通している。
【0064】
図40から
図42までの図から理解されるように、操作部材80が第1位置に位置するとき、第2ハウジング60の許容部72内には、操作部材80も可動部材90も位置していない。そのため、許容部72は、第1コネクタ20を部分的に受容可能であり、第1コネクタ20と第2コネクタ50とは、分離状態から仮嵌合状態へ移行することが可能である。なお、このとき、カバー部収容部847は、
図41に示されるように、カバー部70を部分的に収容している。本実施の形態において、カバー部収容部847は、カバー部70の板状部701の略全体を収容している。但し、カバー部収容部847は、カバー部70全体を収容してもよい。
【0065】
図41及び
図43から理解されるように、分離状態から仮嵌合状態へ移行する際に、第1受容部343は第2端壁62を受容し、第2受容部603は第1端壁35を受容する。また、
図42及び
図44から理解されるように、分離状態から仮嵌合状態へ移行する際に、ガイド突出部663は、第1溝42に少なくとも部分的に受容される。ガイド突出部663の前端面665と第1溝42の前内壁面421は、第1コネクタ20が第2コネクタ50に対して後方へ移動することを規制する。ガイド突出部663の後端面667と第1溝42の後内壁面423は、第1コネクタ20が第2コネクタ50に対して前方へ移動することを規制する。こうして、第1案内部(ガイド突出部663の前端面665及び後端面667)及び第1被案内部(第1溝42の前内壁面421及び後内壁面423)は、分離状態と仮嵌合状態との間で、第2コネクタ50に対する第1コネクタ20の前後方向における移動を規制する。
【0066】
図43に示されるように、仮嵌合状態において、第1端壁35は第2受容部603に受容され、第2端壁62は第1受容部343に受容される。このとき、許容部72(
図42参照)内には、第1コネクタ20が部分的に位置している。そのため、操作部材80は、第1位置から第2位置へ移動することができない。
【0067】
図43に示されるように、仮嵌合状態のとき、第2付加壁37は前後方向において第2端壁62を構成する端壁片621の後方に位置している。
図7と
図28、又は
図8と
図29から理解されるように、このとき、横方向において、端壁片621と第2付加壁37とは交互に並んでいる。これにより、第2コンタクト52に対する第1コンタクト22の前方への移動が許容される。
【0068】
図43及び
図45から理解されるように、仮嵌合状態から本嵌合状態に移行すると、第1端壁35は、第2収容部601に部分的に収容される。同時に、第2端壁62は、第1収容部341に部分的に収容される。本嵌合状態において、第2端壁62を構成する端壁片621と第2付加壁37とは横方向において交互に並んでいる。横方向に沿って見たとき、端壁片621と第2付加壁37とは部分的に重なっている。但し、本発明はこれに限られない。第1端壁35は、その全部が第2収容部601に収容されてもよい。同様に、第2端壁62は、その全部が第1収容部341に収容されてもよい。いずれにせよ、本嵌合状態において、第1端壁35は少なくとも部分的に第2収容部601に収容され、第2端壁62は少なくとも部分的に第1収容部341に収容されていればよい。
【0069】
図45から理解されるように、本嵌合状態において、第1コンタクト22の夫々とそれに対応する第2コンタクト52とは、互いに接続されている。このとき、第1コンタクト22の夫々の第1接点237(
図7又は
図8参照)と、対応する第2コンタクト52の第2接点537(
図28又は
図29参照)とは、互いに接触している。
図43及び
図45から理解されるように、本嵌合状態において、第1収容部341と第2収容部601とは少なくとも部分的に互いに重なりあって重複収容部610を形成する。第1接点237と第2接点537とは、重複収容部610内において互いに接触している。
【0070】
図44及び
図46から理解されるように、仮嵌合状態から本嵌合状態へ移行する際、ガイド突出部663の第1突出片671は、第2溝43に少なくとも部分的に受容される。第1突出片671の下端面677と第2溝43の下内壁面431は、第1コネクタ20が第2コネクタ50に対して上方へ移動することを規制する。これにより、第1コネクタ20及び第2コネクタ50の分離状態へ移行が規制される。こうして、第2案内部(ガイド突出部663の下端面669)及び第2被案内部(第2溝43の下内壁面431)は、仮嵌合状態と本嵌合状態との間及び本嵌合状態において、第2コネクタ50に対する第1コネクタ20の上下方向における上方への移動を規制するとともに、分離状態への移行を規制する。
【0071】
図45及び
図46に示されるように、本嵌合状態において、第1コネクタ20は許容部72内に位置していない。換言すると、本嵌合状態において、第1コネクタ20は、許容部72の前方に位置している。このとき、操作部材80は、第1位置から第2位置へ移動することが可能である。
【0072】
図46及び
図48から理解されるように、操作部材80を第1位置から第2位置へ移動させると、カム溝827からカム突起941へ上向きの力が働く。これにより、可動部材90は、上方へ移動し、部分的に許容部72内に入る。換言すると、可動部材90は、操作部材80の移動に従って、非ロック位置からロック位置へ向かって移動する。このように、操作部材80と可動部材90とは、力伝達部及び力受部を介して互いに連動する。詳しくは、操作部材80が第1位置に位置するとき、可動部材90は非ロック位置に位置する。操作部材80が第2位置に位置するとき、可動部材90はロック位置に位置する。また、可動部材90は、操作部材80が第2位置に位置するとき、部分的に許容部72内に位置する。互いに離れて位置する一対のカム溝827とカム突起941の組み合わせを用いることで、スムーズで安定した可動部材90の動きを実現することができる。
【0073】
図47に示されるように、本嵌合状態において、可動部材90がロック位置に位置するとき、可動部材90の前端面921は、第1ハウジング30の後端面39の後方に位置する。このとき前後方向に沿って見ると、可動部材90の前端面921は、第1ハウジング30の後端面39と部分的に重なっている。この状態で、第1コネクタ20を後方へ移動させようすると、第1ハウジング30の後端面39が可動部材90の前端面921に突き当たる。このように、可動部材90の前端面921は、第2ハウジング60に対する第1ハウジング30の後方への移動を規制する規制部として機能する。このとき、第1ハウジング30の後端面39は、被規制部として機能する。こうして、可動部材90がロック位置に位置するとき、規制部は第2ハウジング60に対する第1ハウジング30の後方への移動を規制し、本嵌合状態から仮嵌合状態への移行を規制する。
【0074】
図43、
図45及び
図47から理解されるように、許容部72内に第1コネクタ20が少しでも位置していると、可動部材90の上方への移動が第1コネクタ20によって規制される。このため、許容部72内に少しでも第1コネクタ20が位置していると、可動部材90と連動する操作部材80を第1位置から第2位置に向かって移動させることができない。換言すると、第1コネクタ20が許容部72の外へ完全に出て、第1コネクタ20と第2コネクタ50とが本嵌合状態に移行するまで、規制部による規制は行えない。
【0075】
図45及び
図47から理解されるように、操作部材80が第1位置から第2位置へ移動するにしたがい、カバー部70の板状部701は、カバー部収容部847の外に出る。カバー部70は、操作部材80が第2位置に位置するとき、操作部材80の後方にできるスペースへの異物の進入を防止する。これにより、可動部材90を直接操作することが防止できる。
【0076】
図33から
図38までの図に示されるように、操作部材80が第1位置から第2位置へ移動すると、接続状態切替部833が検知コンタクト525の操作部577に接触する。接続状態切替部833の前端部には、テーパー部835が設けられている。テーパー部835は、操作部577を横方向において内側へ押す。これにより、操作部577は、横方向において内側へ移動し、弾性部573が弾性変形する。その結果、接触部575が少なくとも横方向において変位し、接触部575が接触片部551に接触する。こうして、検知コンタクト525の接触片部551と本体部553との間が電気的に接続される。逆に、操作部材80が第2位置から第1位置へ移動すると、接続状態切替部833が検知コンタクト525の操作部577から離れ、弾性部573は元の状態に戻る。これにより、接触部575が接触片部551から離れ、検知コンタクト525の接触片部551と本体部553との間が電気的に分離される。こうして、接続状態切替機構は、接触片部551と本体部553とが電気的に接続された接続状態と接触片部551と本体部553とが電気的に分離された非接続状態とを切り替える。これにより、検知コンタクト525を本嵌合状態の検出に用いることができる。但し、操作部577が操作されたときに接続状態から非接続状態へ変化するように検知コンタクト525が構成されている場合は、操作部材80が第1位置から第2位置へ移動すると検知コンタクト525は非接続状態になり、操作部材80が第2位置から第1位置へ移動すると接続状態になる。いずれにせよ、接続状態切替機構は、操作部材80が第1位置に位置するとき、接続状態及び非接続状態の一方を実現し、操作部材80が第2位置に位置するとき、接続状態及び非接続状態の残りの一方を実現する。
【0077】
図45から
図48までの図から理解されるように、操作部材80を第2位置から第1位置へ移動させると、可動部材90が、上下方向において下方へ移動する。換言すると、可動部材90は、ロック位置から非ロック位置へ向かって移動する。操作部材80が第1位置に到達するまで、可動部材90は許容部72から完全に出てしまうことはない。換言すると、可動部材90は、ロック位置と非ロック位置との間にあり、非ロック位置に達していない。可動部材90が少しでも許容部72内に位置していると、規制部(前端面921)は、前後方向における被規制部(後端面39)の後方への移動を規制する。換言すると、可動部材90が非ロック位置に到達しない限り、規制部は、前後方向における被規制部の後方への移動を規制する。こうして、操作部材80が第2位置から第1位置へ移動する際、操作部材80が第1位置に到達するまで、規制部により被規制部の後方への移動が規制される。これにより、操作部材80が第1位置に到達するまで、第1コネクタ20と第2コネクタ50とを本嵌合状態から仮嵌合状態へ移行させることができない。
【0078】
図45及び
図46から理解されるように、操作部材80が第1位置に到達すると、可動部材90は非ロック位置に位置する。このとき、規制部(前端面921)は、第1ハウジング30の被規制部(後端面39)の後方に位置しておらず、第2ハウジング60に対する第1ハウジング30の後方への移動を許容する。こうして、第1コネクタ20の許容部72への進入が許容され、第1コネクタ20と第2コネクタ50は、嵌合状態から仮嵌合状態へ移行することができる。また、
図33及び
図34から理解されるように、検知コンタクト525の接触片部551と本体部553との間の電気的接続が切断される。
【0079】
上述したように、本実施の形態によるコネクタ組立体10の第1コネクタ20及び第2コネクタ50は、第1端壁35及び第2端壁62を夫々有している。これにより、作業者が第1コンタクト22及び第2コンタクト52に触れて感電することを防止することができる。また、第1コネクタ20は、第1付加壁36、第2付加壁37及び第3付加壁38を有し、第2コネクタ50は、突出部623、延長部625及び連結壁643を有している。これにより、作業者が第1コンタクト22及び第2コンタクト52に触れて感電することをより確実に防止することができる。
【0080】
以上、本発明について実施の形態を掲げて説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱することなく様々な変形や変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、第1ハウジング30に第1溝42及び第2溝43が設けられ、第2ハウジング60にガイド突出部663が設けられているが、第1ハウジング30にガイド突出部663を設け、第2ハウジング60に第1溝42及び第2溝43を設けてもよい。また、第1案内部及び第2案内部として、第2コネクタ50の底壁64から上方に向かって突出するL字形のフック部を設け、第1コネクタ20にそれに対応するフック受部を第1被案内部及び第2被案内部として設けるようにしてもよい。あるいは、第1コネクタ20にフック部を設け、第2コネクタ50にフック受部を設けてもよい。また、上記実施の形態において、可動部材90にカム突起941が設けられ、操作部材80にカム溝827が設けられているが、可動部材90にカム溝827を設け、操作部材80にカム突起941を設けてもよい。さらに、上記実施の形態において、操作部材80は、前後方向に移動するものであったが、前後方向と異なる方向に移動するものであってもよい。たとえば、操作部材80は上下方向に沿った軸を回転軸として回転するものであってもよい。その場合も、可動部材90は、操作部材80と連動して上下方向に移動可能に構成される。