(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明者は、このようなターンシグナルランプに導光体を搭載し、ターンシグナルランプの視認性を高めることを考えた。しかし、ターンシグナルランプの内部にカメラと導光体を搭載すると、ターンシグナルランプが大型化し車両の空力抵抗が大きくなるおそれがある。
【0005】
そこで本発明は、カメラと導光体を有し、空気抵抗の増大が抑制されたターンシグナルランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかるターンシグナルランプは、
ランプボディと、
前記ランプボディとともに灯室を形成するアウタカバーと、
前記灯室内に設けられた光源と、
前記灯室内に設けられ、前記光源から出射された光を導光する導光体と、
前記灯室内に設けられ、撮像素子を有するカメラと、を備えたターンシグナルランプであって、
前記ターンシグナルランプを車両表面に取り付けた時に、前記導光体の少なくとも一部が、前記カメラから前記車両表面に沿った方向に延びる領域に設けられている。
【0007】
ターンシグナルランプを車両に搭載した場合、車両表面からターンシグナルランプが大きく突出すると、車両の空力抵抗が大きくなってしまったり、車両のデザイン性を損なってしまう。ところが、ターンシグナルランプが車両表面に沿った方向に多少大型化しても、車両表面からターンシグナルランプが突出しにくく、空力抵抗が大きくなりにくく、また、車両のデザイン性を損ないにくいことに気が付いた。
カメラから車両表面に沿った方向に延びる領域に部材を配置すると、ターンシグナルランプは車両表面から突出する方向の大きさが大きくなりにくい。そのため、カメラから車両表面に沿った方向に延びる領域を使って導光体を配置することにより、ターンシグナルランプによる空気抵抗の増大を抑制できる。
【0008】
上記ターンシグナルランプにおいて、
前記導光体は、
前記ターンシグナルランプを車両に取り付けた時に、前記カメラからフロントフェンダの表面に沿った方向かつ上方および下方の少なくとも一方に延びる領域に少なくとも一部が設けられた厚肉部と、
前記ターンシグナルランプを車両に取り付けた時に、前記カメラから前後方向に延びる領域に少なくとも一部が設けられ、前記厚肉部より薄い薄肉部とを有していてもよい。
カメラから車両表面に沿った方向かつ上方および下方の少なくとも一方に延びる領域と、カメラから前後方向に延びる領域を使って、厚肉部と薄肉部を有する大きな導光体を灯室内に配置することができ、ターンシグナルランプの車両表面から突出する方向の大型化を抑制しつつ、より視認性を高められる。
【0009】
上記ターンシグナルランプにおいて、
前記厚肉部と前記薄肉部とが一体に設けられていてもよい。
単一の光源で厚肉部と薄肉部を光らせることができ、視認性を高めつつターンシグナルランプの大型化を抑制できる。
【0010】
上記ターンシグナルランプにおいて、
前記灯室内に設けられ、前記ランプボディの内面、前記光源、前記導光体または前記カメラの少なくとも一部を外部から遮蔽するエクステンションを有し、
前記エクステンションには、前記導光体または前記光源から出射される光が前記撮像素子に入射しないように撮像素子覆い部が設けられていてもよい。
撮像素子に、直接または間接的に光源から出射される光が入り込まず、良好に画像情報を取得できる。
【0011】
上記ターンシグナルランプにおいて、
前記エクステンションは、前記撮像素子を除いて前記カメラを外部から遮蔽するカメラ覆い部を一体に備えていてもよい。
【0012】
上記ターンシグナルランプにおいて、
前記エクステンションは、前記光源を外部から遮蔽する光源覆い部を一体に備えていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、カメラと導光体を有し、空気抵抗の増大が抑制されたターンシグナルランプが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るターンシグナルランプの実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
【0016】
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態に係るターンシグナルランプ10が搭載された車両1の斜視図である。
図1に示すように、ターンシグナルランプ10の少なくとも一部は、車体ボディの側面に設けられている。ターンシグナルランプ10は、前輪2のタイヤハウス3を形成するフロントフェンダ4に設けられている。左右一対のターンシグナルランプ10はそれぞれ、車両1の右側面および左側面に設けられている。
【0017】
図1に示した車両1には、フェンダミラーやドアミラーが設けられていない。フェンダミラーやドアミラーが担う後方を観察する機能は、後述するターンシグナルランプ10に搭載されたカメラ50が担っている。車両1の右側面に設けられた右ターンシグナルランプは、内部に右カメラを備えている。車両1の左側面に設けられた左ターンシグナルランプは、内部に左カメラを備えている。右カメラおよび左カメラは、それぞれ車両1の後方の画像情報を取得する。
【0018】
図2は、右ターンシグナルランプおよび左ターンシグナルランプの動作ブロック図である。
図2に示したように、車両1は、右カメラ50Rおよび左カメラ50Lと接続されたECU(Electric Control Unit)5を備えている。車両1は車室内に、ECU5にそれぞれ接続された右カメラ用モニタ6と左カメラ用モニタ7とを備えている。
【0019】
右カメラ50Rおよび左カメラ50Lは、取得した画像情報をECU5に送信する。ECU5は、右カメラ50Rから取得した画像情報を右カメラ用モニタ6に送信する。右カメラ用モニタ6は、右カメラ50Rが取得した画像情報を表示する。ECU5は、左カメラ50Lから取得した画像情報を左カメラ用モニタ7に送信する。左カメラ用モニタ7は、左カメラ50Lが取得した画像情報を表示する。例えば、左カメラ用モニタ7は、
図3に示したような画像を表示する。
なお、右カメラ用モニタ6と左カメラ用モニタ7はそれぞれ独立したモニタであってもよい。あるいは、右カメラ用モニタ6と左カメラ用モニタ7は共通の単一のモニタであって、該単一のモニタを左右に分割して右カメラ50Rの画像と左カメラ50Lの画像を表示させてもよい。
【0020】
次に、本発明の第一実施形態に係るターンシグナルランプ10を詳細に説明する。
なお、
図4から
図13は、右ターンシグナルランプを図示している。左ターンシグナルランプと右ターンシグナルランプは同様の構造を有しているため、右ターンシグナルランプを説明する。以降の説明においては、必要がある場合を除き、右ターンシグナルランプを単にターンシグナルランプ10と称する。また、以降の説明において、上下方向、左右方向、前後方向は、ターンシグナルランプ10を車両1に取り付けた状態で運転者から見た場合の方向を言う。
【0021】
図4は、本発明の第一実施形態に係るターンシグナルランプ10の側面図である。
図5は、
図4に示したターンシグナルランプ10の分解斜視図である。
図4および
図5に示したように、ターンシグナルランプ10は、ランプボディ11と、アウタカバー12と、LED(Light Emitting Diode)20(光源の一例)と、導光体30と、エクステンション40と、カメラ50を備えている。ランプボディ11とアウタカバー12により、灯室S(
図7参照)が形成されている。灯室Sの内部には、LED20と、導光体30と、エクステンション40と、カメラ50が設けられている。
【0022】
LED20は、搭載基板21に搭載されている。LED20は、搭載基板21を介してランプボディ11に取り付けられている。なお、本実施形態においては、光源としてLED20を採用した例を説明したが、LED20の他に、フィラメントバルブ、放電バルブ、有機EL、LD(Laser Diode)などを光源として採用してもよい。
【0023】
導光体30は、LED20から出射された光を導光する透明の樹脂部材である。導光体30は、側面視において、90°回転されたU字状の部材である。導光体30は、U字の底部30aが車両1の前部を向く姿勢で、LED20の搭載基板21に取り付けられている。
【0024】
導光体30は、入射部31と、主導光部32(厚肉部の一例)と、副導光部33(薄肉部の一例)を一体的に有している。入射部31は、U字の底部30aに接続され、LED20を覆っている。主導光部32は、U字の底部30aからU字の外縁に沿って上下に分かれた二股形状をなしている。導光体30の後端部34は、主導光部32の後端に設けられている。後端部34は、その法線方向が後方に延びる後端面を有している。副導光部33は、上部の主導光部32と下部の主導光部32の間に設けられている。副導光部33の左右方向の厚みは、主導光部32の左右方向の厚みよりも薄い。
なお、副導光部33のアウタカバー12側の表面およびアウタカバー12の副導光部33側の表面の少なくとも一方に、微小な凹33aまたは凸33aの少なくとも一方を設けてもよい。微小な凹33aや凸33aによって副導光部33を導光される光を車両側方に反射させることができる。これにより、車両側方からのターンシグナルランプ10の視認性を高めることができる。
【0025】
LED20から出射された光は、導光体30の入射部31に入射する。入射部31に入射した光の一部は主導光部32の表面から出射され、他の一部が後端部34まで導光されて後端部34から後方に向けて出射される。この後端部34から出射される光により、法規で定められた所定の配光パターンが形成される。
また、入射部31に入射した光の一部は、副導光部33にも導光され、副導光部33の表面から出射される。
このように、ターンシグナルランプ10は、後端部34から出射される光により法規で定められた所定の配光パターンを形成しつつ、主導光部32および副導光部33を発光させて視認性を高めている。
【0026】
本実施形態において、LED20は白色光を発する。導光体30はアンバー色に着色されている。アウタカバー12は無色透明である。LED20を点灯させると、導光体30がアンバー色を呈し、ターンシグナルランプ10として機能する。
【0027】
エクステンション40は、ランプボディ11の内面や灯室S内に配置される部材の少なくとも一部を外部から遮蔽する部材である。なお、ランプボディ11の内面とは、灯室Sを形成する側の面を言う。灯室S内に配置される部材とは、本実施形態においては、LED20、導光体30またはカメラ50の少なくとも一つを指す。
【0028】
エクステンション40は、ランプボディ11の外縁に沿う形状の枠部41と、カメラ50を覆うカメラ覆い部42と、LED20を外部から遮蔽する光源覆い部43と、透光部45とを一体的に有している。
カメラ覆い部42の前端は、導光体30の副導光部33の後端に対応する形状とされている。これにより、エクステンション40と導光体30とが一体的な印象を与え、意匠性が高められている。
光源覆い部43は、導光体30の入射部31の外側から、LED20を覆っている。これにより、光源覆い部43は導光体30越しにLED20が点光りする様子を外部から遮蔽し、見栄えが高められている。
透光部45は、主導光部32の表面または副導光部33の表面から車両側方に向かう光を透過させる。透光部45は、開口または透明材料による透明領域で構成することができる。
【0029】
カメラ50は、撮像素子51と、撮像素子51を支持する支持基板52を有している。カメラ50は、撮像素子51の撮像方向が後方を向いた姿勢で、ランプボディ11に取り付けられている。カメラ50は、LED20よりも後方に設けられている。カメラ50は、導光体30の上部の主導光部32および下部の主導光部32の間に設けられている。撮像素子51は導光体30の上部の後端部34と下部の後端部34の間に位置している。カメラ50の撮像素子51は、エクステンション40のカメラ覆い部42の後端から後方に向けて露出されている。
カメラ50への給電は、車両のECU5(
図2参照)等から延びる図示しない給電線によりなされる。カメラ50は、図示しない通信線を介してECU5に撮像データを送信する。
【0030】
図6は、
図4に示したターンシグナルランプ10からアウタカバー12を取り外した状態を示す斜視図である。
図6に示すように、本実施形態に係るターンシグナルランプ10において、導光体30の上部の後端部34は下部の後端部34よりも後方に位置している。仮想線Eは、上部の後端部34の後端を通って鉛直方向に延びる仮想線である。カメラ50の撮像素子51は、この仮想線Eよりも後方に位置している。つまり、撮像素子51は導光体30の後端部34より後方に位置している。これにより、撮像素子51の画角の中に導光体30の後端部34が入らないので、撮像素子51は良好な画像情報を取得できる。
【0031】
図7は、
図4のVII−VII線断面図である。
図7に示すように、エクステンション40は、法線が上下方向に延びる上下一対の撮像素子覆い部44を有している。撮像素子覆い部44は、導光体30の上部の後端部34とカメラ50の撮像素子51との間、および、導光体30の下部の後端部34とカメラ50の撮像素子51との間に設けられている。撮像素子覆い部44は、導光体30の後端部34から出射し撮像素子51に入射しようとする光を遮る。これにより、撮像素子51は良好な画像情報を取得できる。
【0032】
<作用・効果>
図7に示したように、本実施形態においては、ターンシグナルランプ10が取り付けられるフロントフェンダ4の表面(車両表面の一例)は、鉛直方向に対して傾斜している。
図7において、仮想線Cは、カメラ50の左端を通ってフロントフェンダ4の表面に沿った方向に延びる線である。仮想線Dは、カメラ50の右端を通ってフロントフェンダ4の表面に沿った方向に延びる線である。仮想線Aは、カメラ50の上端を通って仮想線Cに直交する方向に延びる線である。仮想線Bは、カメラ50の下端を通って仮想線Cに直交する方向に延びる線である。仮想線Cと仮想線Dの間の領域は、カメラ50からフロントフェンダ4の表面に沿った方向に延びる領域である。仮想線Aと仮想線Bの間の領域は、カメラ50からフロントフェンダ4の表面から突出する方向に延びる領域である。
なお、仮想線A,B,C,Dはカメラ50の支持基板52の四隅を通過する線であるが、
図7においては、
図7を見やすくする目的で、仮想線A〜Dをカメラ50の支持基板52の四隅を通らないように描いている。
【0033】
図7に示したように、ターンシグナルランプ10を車両1に取り付けた時に、導光体30の上部の後端部34は仮想線Cと仮想線Dの間でカメラ50の上方の空間に設けられ、導光体30の下部の後端部34は仮想線Cと仮想線Dの間でカメラ50の下方の空間に設けられている。つまり、導光体30の上下の後端部34は、カメラ50からフロントフェンダ4の表面に沿った方向に延びる領域に設けられている。
【0034】
ところで、本実施形態に係るターンシグナルランプ10のように、灯室S内に比較的大きな導光体30を設けると、発光面積が大きくなり、視認性を高めることができる。しかし、このように大きな導光体30に加えてカメラ50も灯室Sの内部に設けようとすると、これらを収容するためにターンシグナルランプ10が大型化しやすい。このようなターンシグナルランプ10を車両1に搭載した場合、ターンシグナルランプ10がフロントフェンダ4の表面から大きく突出すると、車両1の空力抵抗が大きくなってしまったり、車両1のデザイン性を損なってしまう。
【0035】
ところが、本発明者は、ターンシグナルランプ10がフロントフェンダ4の表面に沿った方向に多少大型化しても、空力抵抗が大きくなりにくく、また、車両1のデザイン性を損ないにくいことに気が付いた。そこで、本実施形態に係るターンシグナルランプ10によれば、カメラ50からフロントフェンダ4の表面に沿った方向に延びる領域に導光体30が配置されている。カメラ50からフロントフェンダ4の表面に沿った方向に延びる領域に導光体30の少なくとも一部を配置すると、カメラ50と導光体30を含むターンシグナルランプ10が、フロントフェンダ4の表面から突出する方向に大きくなりにくい。このため、大きな導光体30とカメラ50を備え、視認性が高くかつ空気抵抗の増大が抑制されたターンシグナルランプ10が提供される。
【0036】
図6に示したように、本実施形態に係るターンシグナルランプ10において、導光体30の主導光部32の少なくとも一部は、ターンシグナルランプ10を車両1に取り付けた時に、カメラ50からフロントフェンダ4の表面に沿った方向かつ上方および下方の少なくとも一方に延びる領域に設けられている。また、導光体30の副導光部33の少なくとも一部は、ターンシグナルランプ10を車両1に取り付けた時に、カメラ50から前後方向に延びる領域に設けられている。
つまり、カメラ50からフロントフェンダ4の表面に沿った方向かつ上方および下方の少なくとも一方に延びる領域と、カメラ50から前後方向に延びる領域を使って、主導光部32と副導光部33を有する大きな導光体30が灯室S内に配置されている。一つの領域に多くの部位が存在しないので、全体としてターンシグナルランプ10の大型化を抑制できる。このため、大きな導光体30を使って視認性をより高めつつ、ターンシグナルランプ10のフロントフェンダ4の表面から突出する方向の大型化が抑制されている。なお、ここでいうカメラ50から上方および下方の少なくとも一方に延びる領域とは、カメラ50から鉛直方向に延びる領域のみならず、鉛直方向に対してなす鋭角が0〜30度となる方向にカメラ50から延びる領域を含む概念である。
【0037】
また、本実施形態に係るターンシグナルランプ10において、エクステンション40は、導光体30の後端部34から出射される光がカメラ50の撮像素子51に入射しないようにする撮像素子覆い部44を有している。撮像素子覆い部44により、直接または間接的にLED20から出射される光が撮像素子51に入り込まず、カメラ50は良好に画像情報を取得できる。
【0038】
本実施形態に係るターンシグナルランプ10において、主導光部32と副導光部33とが一体に設けられている。このため、単一のLED20で主導光部32と副導光部33とを同時に光らせることができ、視認性を高めつつターンシグナルランプ10の大型化が抑制されている。
【0039】
なお、導光体30の形状やカメラ50の形状、導光体30とカメラ50の相対位置関係などは、上述した実施形態に限らない。そこで、本発明の第二実施形態から第六実施形態に係るターンシグナルランプ10A〜10Eを説明する。第一実施形態に係るターンシグナルランプ10と同様の部材には同様な符号を付し、その説明は省略する。
【0040】
<第二実施形態>
図8は、本発明の第二実施形態に係るターンシグナルランプ10Aの分解斜視図である。
図8に示すように、本実施形態に係るターンシグナルランプ10Aは、第一実施形態と比べて、導光体30Aの形状が異なる。導光体30Aは、副導光部を有さない。本実施形態に係るターンシグナルランプ10Aは、第一実施形態に係るターンシグナルランプ10において副導光部33を発光させていた光を使って主導光部32Aを発光させることができるので、主導光部32Aをより明るく発光させることができる。
【0041】
本実施形態においても、カメラ50からフロントフェンダ4の表面に沿った方向に延びる領域に導光体30Aが配置されている。このため、視認性を高めつつターンシグナルランプ10Aによる空気抵抗の増大が抑制されている。
【0042】
<第三実施形態>
図9は、本発明の第三実施形態に係るターンシグナルランプ10Bの分解斜視図である。
図9に示すように、本実施形態に係るターンシグナルランプ10Bは、第一実施形態と比べて、ランプボディ11B、導光体30B、エクステンション40B、および、アウタカバー12の形状が異なる。
【0043】
導光体30Bは、入射部31Bと、カメラ50の上方に位置する後端部34Bと、主導光部32Bと、副導光部33Bを有している。主導光部32Bは、アーチ状の部位であり、入射部31Bと後端部34Bとをアーチ状に連結する。副導光部33Bは、主導光部32Bから下方に向かって延びる板状の部位である。副導光部33Bには、上下方向に延びるスリットが設けられている。副導光部33Bの左右方向の厚みは、主導光部32Bの左右方向の厚みよりも小さい。
【0044】
本実施形態において、
図9に示したように、カメラ50は、不透光性材料からなる遮光部材54を備えている。遮光部材54は、導光体30Bの後端部34Bと撮像素子51との間に設けられている。遮光部材54は、撮像素子51を覆う鏡筒53に設けられている。遮光部材54は、後端部34Bから出射されて撮像素子51に入射する光を遮る。この遮光部材54は、カメラ50の支持基板52に設けられていてもよい。
なお、
図8に示したように、導光体30Aの後端部34Aが撮像素子51の上下に位置している場合には、撮像素子51を囲むような円筒状の遮光部材を用いてもよいし、撮像素子51の上下にそれぞれ遮光部材を設けてもよい。また、3つ以上の遮光部材を備えていてもよい。
【0045】
エクステンション40Bは、ランプボディ11Bの外縁に沿った形状の枠部41Bと、カメラ50の一部を覆うカメラ覆い部42Bとを備えている。カメラ覆い部42Bは、カメラ50の支持基板52を外部から遮蔽しつつ撮像素子51を後方から露出させている。
【0046】
ランプボディ11Bの内面のうち、導光体30Bの副導光部33Bと向かい合う面には、金属の蒸着膜111Bが設けられている。副導光部33Bからランプボディ11Bに向かって出射された光は、蒸着膜111Bで反射されて導光体30Bを介して外部へ出射される。これにより、光の利用効率が高められ、ターンシグナルランプ10Bの視認性が高められている。
【0047】
本実施形態においても、導光体30Bの後端部34Bはカメラ50の上方に設けられ、カメラ50からフロントフェンダ4の表面に沿った方向に延びる領域に導光体30Bが配置されている。このため、視認性を高めつつターンシグナルランプ10Bによる空気抵抗の増大が抑制されている。
【0048】
<第四実施形態>
図10は、本発明の第四実施形態に係るターンシグナルランプ10Cの分解斜視図である。
図10に示すように、本実施形態に係るターンシグナルランプ10Cは、第三実施形態と比べて、導光体30Cに第二主導光部35Cが設けられている点が異なる。
第二主導光部35Cは、主導光部32Cのカメラ50より前方の部位と入射部31Cとを連結し、主導光部32Cより下方に位置している。副導光部33Cが、主導光部32Cと第二主導光部35Cとの間に設けられている。
【0049】
本実施形態においても、導光体30Cの後端部34Cはカメラ50の上方に設けられ、カメラ50からフロントフェンダ4の表面に沿った方向に延びる領域に導光体30Cが配置されている。このため、視認性を高めつつターンシグナルランプ10Cによる空気抵抗の増大が抑制されている。
【0050】
<第五実施形態>
図11は、本発明の第五実施形態に係るターンシグナルランプ10Dの分解斜視図である。
図11に示すように、本実施形態に係るターンシグナルランプ10Dは、第四実施形態と比べて、導光体30Dに副導光部が設けられていない点で異なる。本実施形態においても、導光体30Dの後端部34Dはカメラ50の上方に設けられ、カメラ50からフロントフェンダ4の表面に沿った方向に延びる領域に導光体30Dが配置されている。このため、視認性を高めつつターンシグナルランプ10Dによる空気抵抗の増大が抑制されている。
【0051】
<第六実施形態>
図12は、本発明の第六実施形態に係るターンシグナルランプ10Eからアウタカバーおよびエクステンションを取り外した状態を示す斜視図である。
図12において、仮想線Fは、カメラ50の撮像素子51を通ってフロントフェンダ4の表面に沿った方向に延びる線を示す。
図6で示したように、第一実施形態に係るターンシグナルランプ10においては、導光体30の後端部34が撮像素子51の後端よりも前方に位置した例を説明した。しかし、
図12に示すように、導光体30Eの後端部34Eが撮像素子51の後端よりも後方に位置していてもよい。導光体30Eの二股に分かれた主導光部32Eの間の空間にカメラ50が収められているため、カメラ50と導光体30Eを備えたターンシグナルランプの大型化が抑制されている。
【0052】
なお、上述した各実施形態においては、共通のアウタカバー12、光源(LED)などを用いて説明したが、これらの部材の形状や相対位置関係も、上述した実施形態に限られない。
【0053】
<参考例>
ところで、カメラと、光源や光源により発光する導光体などを一緒に灯室内に配置すると、光源や導光体などからの光がカメラの撮像素子に入射してしまい、撮像素子が後方の画像情報を良好に取得できなくなるおそれがあった。そこで、本発明者は、以下の参考例に係るターンシグナルランプ10Fを考えた。
【0054】
図13は、本発明の参考例に係るターンシグナルランプ10Fの模式図である。
図13の(a)は、ターンシグナルランプ10Fの側面図である。
図13の(b)は、ターンシグナルランプ10Fを後方から見た図である。
図13に示した例において、ターンシグナルランプ10Fが取り付けられる車両表面は、鉛直方向に延びている。
図13の(a)に示すように、本参考例に係るターンシグナルランプ10Fは、ランプボディ11と、アウタカバー12と、光出射部品60と、エクステンション40と、撮像素子51を備えたカメラ50と、遮蔽部材70を備えている。ランプボディ11とアウタカバー12により、灯室Sが形成されている。灯室S内には、光出射部品60と、エクステンション40と、カメラ50と、遮蔽部材70が設けられている。
【0055】
本参考例において、光出射部品60は、上後LED22と、上前LED23と、下後LED24と、下前LED25と、導光体30Fとを有している。導光体30Fは、略U字状の透明な樹脂部材である。ターンシグナルランプ10Fを車両1に取り付けた時に、導光体30Fは、4つのLED22〜25よりも前方に設けられている。導光体30Fは、U字の底部30Faが前方に位置する姿勢で、ランプボディ11に取り付けられている。導光体30Fは、U字の外縁に沿って上下に分かれた二股形状の主導光部32Fと、二股形状の上下の主導光部32Fの間に設けられた副導光部33Fとを有する。副導光部33Fの左右方向の厚みは、主導光部32Fの左右方向の厚みより薄い。
【0056】
上前LED23と下前LED25は、前方に光を出射する姿勢で、ランプボディ11に取り付けられている。上前LED23はカメラ50の上方に設けられている。下前LED25はカメラ50の下方に設けられている。
上前LED23と下前LED25は、それぞれ導光体30Fの上下の主導光部32Fの後端部34Fに向けて光を出射する。上前LED23と下前LED25から出射され後端部34Fから入射した光は、主導光部32Fおよび副導光部33Fの内部で導光され、主導光部32Fおよび副導光部33Fを発光させる。
【0057】
上後LED22と下後LED24は、後方に光を出射する姿勢で、ランプボディ11に取り付けられている。上後LED22と下後LED24は、上前LED23と下前LED25より後方に設けられている。上後LED22はカメラ50の上方に設けられている。下後LED24はカメラ50の下方に設けられている。上後LED22と下後LED24から出射される光により、法規で求められる所望の配光パターンが形成される。
【0058】
図13の(b)に示すように、アウタカバー12の後面には、ステップ部12aとカメラ用窓部12bとが設けられている。ステップ部12aは、上後LED22と下後LED24から出射される光を制御して、所望の配光パターンを形成する。ステップ部12aが設けられる位置には、ステップに代えてレンズ要素を設けてもよい。
カメラ用窓部12bはカメラ50の撮像素子51と対向する位置に設けられている。カメラ用窓部12bは、撮像素子51が良好な画像情報を取得できるように、光を素通しする形状とされている。なお、このカメラ用窓部12bは、撮像素子51が所望の画角を得られるようにレンズ状に形成してもよい。
【0059】
なお、上記ステップ部12aに代えて、上後LED22および下後LED24と、アウタカバー12の内面との間の空間に、インナーレンズを設けてもよい。該インナーレンズにより、上後LED22および下後LED24から出射される光を制御して所望の配光パターンを形成することができる。
【0060】
また、アウタカバー12の車両側方に向かう光が通過する部位にシボ等の微小な凹凸が設けられていてもよい。この凹凸により、副導光部33Fから出射される光を拡散させながら車両側方に出射させることができる。ターンシグナルランプ10Fの視認性をさらに高めることができる。
【0061】
このようにして、本参考例に係るターンシグナルランプ10Fにおいては、光出射部品60の導光体30Fにより大きな発光面積を確保しつつ、光出射部品60の上後LED22と下後LED24により所望の配光パターンを形成し、視認性が高められている。
【0062】
本参考例に係るターンシグナルランプ10Fにおいて、遮蔽部材70は、光出射部品60の上後LED22と撮像素子51の間、および、光出射部品60の下後LED24と撮像素子51の間に設けられている。これにより、光出射部品60の上後LED22および下後LED24から出射された光が撮像素子51に入射することを防止している。これにより、カメラ50が良好に後方の画像情報を取得できる。
なお、本参考例においては、カメラ50の支持基板52も遮蔽部材70として機能している。カメラ50の支持基板52は、撮像素子51と光出射部品60の導光体30Fの間に設けられている。これにより、支持基板52は、光出射部品60の導光体30Fから出射される光が撮像素子51に入射することを防止している。
【0063】
また、本参考例に係るターンシグナルランプ10Fにおいて、撮像素子51は、導光体30Fの後端部34Fより後方に位置している。遮蔽部材70の少なくとも一部が光出射部品60と撮像素子51との間に設けられているため、上後LED22および下後LED24から出射した光が撮像素子51に入射することを防止でき、良好に画像情報を取得できる。
【0064】
なお、上述した第一実施形態においても、
図5から
図7に示したように、支持基板52と撮像素子覆い部44が導光体30と撮像素子51の間に設けられている。つまり、支持基板52と撮像素子覆い部44が遮蔽部材と機能して、導光体30から出射した光が撮像素子51に入射することを防止している。第三実施形態においては、カメラ50の遮光部材54が遮蔽部材として機能する。第二実施形態、第四実施形態から第六実施形態に係るターンシグナルランプ10A、10C〜10Eにおいても、支持基板52と撮像素子覆い部44が遮蔽部材として機能し、導光体30から出射した光が撮像素子51に入射することを防止している。
【0065】
つまり、本参考例に係るターンシグナルランプは、
ランプボディと、
ランプボディとともに灯室を形成するアウタカバーと、
灯室内に設けられ、光源と光源からの光を導光する導光体を有する光出射部品と、
灯室内に設けられ、撮像素子を有するカメラと、を備えたターンシグナルランプであって、
光出射部品から出射される光が撮像素子に入射することを遮るように、遮蔽部材の少なくとも一部が光出射部品と撮像素子との間に設けられている。
また、上記ターンシグナルランプにおいて、ターンシグナルランプを車両に取り付けた時に、撮像素子は導光体の後端より前方に位置している。
【0066】
なお、上述した説明においては、フェンダミラーやドアミラーを排した車両に、本実施形態に係るカメラを搭載したターンシグナルランプを搭載した例を説明したが、本発明はこれに限られない。フェンダミラーやドアミラーを有する車両に、本実施形態に係るカメラを搭載したターンシグナルランプを搭載し、フェンダミラーやドアミラーとカメラで取得した画像情報とを併用して、自車両の後方の様子を確認してもよい。
【0067】
また、上述した説明においては、フロントフェンダにターンシグナルランプを取り付けた例を説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、車両のボンネットやフロントピラーなどに取り付けてもよい。ターンシグナルランプが取り付けられる車両表面は、鉛直方向に延びていてもよいし、鉛直方向に対して傾斜した方向に延びていてもよいし、水平方向に延びていてもよい。