【文献】
西田一弘 外1名,新薬の臨床試験 "CD38抗原とヒトCD38モノクローナル抗体 daratumab−CD38抗原高発現,医学のあゆみ,日本,2012年 9月29日,Vol.242,No.13,pp.1176-1181,ISSN:0039-2359
【文献】
照井康仁,がんの分子標的治療:進歩と課題 "骨髄腫に対する抗体医薬ダラツムマブ",Pharma Med.,日本,2013年11月10日,Vol.31,No.11,P.27-30,ISSN:0289-5803
【文献】
曽田紗世 外1名,新薬の最近の話題 "アルブミン結合パクリタキセル",分子呼吸器病,日本,2013年 3月11日,Vol.17,No.1,p.100-103,ISSN 1342-436X
【文献】
馬場一彦,オレオサイエンス,日本,2010年 1月,Vol.10,No.1,p.15-18,ISSN 1345-8949
【文献】
大内香,抗体デリバリー −基礎から臨床まで− "抗体薬物複合体の臨床開発",Drug Deliv. SyS.,日本,2013年,Vol.28,No.5,p.424-429,ISSN 0913-5006
【文献】
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(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
骨髄腫に罹患した哺乳類を治療するための組成物であって、アルブミンとパクリタキセルを含むナノ粒子を含み、前記ナノ粒子が抗CD38抗体と複合体化し、無増悪生存期間または進行までの時間が延長される条件下で前記哺乳類に投与される組成物であり、前記哺乳類が任意選択でヒトであり、前記骨髄腫が任意選択で多発性骨髄腫であり、前記抗CD38抗体が任意選択でヒト化抗体またはキメラ抗体であり、かつ注射により投与され、
前記抗CD38抗体と結合した前記ナノ粒子が、1μm未満の平均径を有する、
前記組成物。
前記抗CD38抗体が、前記ナノ粒子と結合させたダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984を含み、前記組成物が任意選択でアルキル化薬をさらに含み、前記アルキル化薬が任意選択で白金化合物またはカルボプラチンである、請求項1に記載の組成物。
骨髄腫に罹患した哺乳類を治療するための組成物であって、抗体と複合体化したアルブミン含有ナノ粒子を含み、前記哺乳類に投与される組成物であり、ここで、前記複合体の平均径は0.1〜0.9μmであり、かつ、前記抗体は抗CD38抗体であり、前記哺乳類が任意選択でヒトであり、前記骨髄腫が任意選択で多発性骨髄腫、軽鎖骨髄腫、または非分泌型骨髄腫であり、前記抗CD38抗体が任意選択でヒト化抗体またはキメラ抗体であり、かつ注射により投与される、前記組成物。
前記抗体と複合体化したアルブミン含有ナノ粒子が、ABRAXANE(登録商標)を含み、および/または前記抗CD38抗体が、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984の複合体である、請求項4に記載の組成物。
前記組成物の前記投与が無増悪生存率を25パーセント、50パーセント、75パーセントまたは100パーセント増大させるのに有効である、請求項4に記載の組成物。
前記組成物の前記投与は、前記骨髄腫に罹患した哺乳類集団の進行までの時間の中央値が少なくとも150日、少なくとも165日、または少なくとも170日である条件下にある、請求項4に記載の組成物。
前記複合体の平均径が0.1μm〜0.3μm、0.15μm〜0.3μm、0.2μm〜0.5μm、0.3μm〜0.5μm、0.2μm〜0.8μm、または0.2μm〜0.7μmである、請求項4に記載の組成物。
CD38を発現する骨髄腫に罹患した哺乳類を治療する組成物であって、抗体と複合体化したアルブミン含有ナノ粒子を含み、前記哺乳類に投与される組成物であり、ここで、前記組成物の前記複合体のうち少なくとも5パーセントの平均径は0.1〜0.9μmであり、かつ、前記抗体は抗CD38抗体であり、前記哺乳類が任意選択でヒトであり、前記骨髄腫が任意選択で多発性骨髄腫、軽鎖骨髄腫、または非分泌型骨髄腫であり、前記抗CD38抗体が任意選択でヒト化抗体またはキメラ抗体であり、かつ注射により投与される、前記組成物。
前記組成物が抗炎症薬をさらに含み、および/または前記組成物または前記抗体と複合体化したアルブミン含有ナノ粒子がアルキル化薬を含み、前記アルキル化薬が任意選択で白金化合物またはカルボプラチンである、請求項10に記載の組成物。
前記組成物の前記投与が無増悪生存率を25パーセント、50パーセント、75パーセントまたは100パーセント増大させるのに有効である、請求項10に記載の組成物。
前記組成物の前記投与は、前記骨髄腫に罹患した哺乳類集団の進行までの時間の中央値が少なくとも150日、少なくとも165日または少なくとも170日である条件下にある、請求項10に記載の組成物。
前記組成物の前記複合体のうち少なくとも5パーセントの平均径が0.2μm〜0.9μm、0.2μm〜0.8μm、0.2μm〜0.7μm、0.2μm〜0.6μm、0.2μm〜0.5μm、0.2μm〜0.4μmであり、
および/または
前記組成物の前記複合体のうち少なくとも10パーセント、少なくとも50パーセント、少なくとも75パーセントまたは少なくとも90パーセントの平均径が0.1〜0.9μmである、
である、請求項10に記載の組成物。
【発明の概要】
【0004】
本文献は、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫、軽鎖骨髄腫、及び非分泌型骨髄腫)の治療に使用する方法及び材料を提供する。例えば、本文献は、骨髄腫を治療するために、アルブミン含有ナノ粒子(例えば、ABRAXANE(登録商標)ナノ粒子)と抗体(例えば、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984のような抗CD38ポリペプチド抗体)とを含有する複合体を使用するための方法及び材料を提供する。
【0005】
ABRAXANE(登録商標)はセルジーン社より入手可能であり、パクリタキセルをヒトのアルブミンに結合させたナノ粒子製剤である。ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984といった抗CD38ポリペプチド抗体は、それぞれ、ジョンソン・エンド・ジョンソン社/Genmab、セルジーン社/Morphosys、またはサノフィ/ImmunoGenから入手可能である。ダラツムマブは、CD38ポリペプチドに対するモノクローナル抗体である(例えば、de Weers et al.,J.Immunol.,186(3):1840−1848(2011)を参照されたい)。
【0006】
本明細書に記載するように、アルブミン含有ナノ粒子(例えば、ABRAXANE(登録商標)ナノ粒子)と抗体(例えば、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984のような抗CD38ポリペプチド抗体)とをインビトロで混合すると、高分子複合体を形成させることができ、その特性(例えば、サイズ、抗体含有量、または化学療法薬含有量)を必要に応じて変更可能である。いくつかの場合には、このような高分子複合体は、抗体媒介性の標的結合特異性を保持することができ、腫瘍細胞に対する増強された化学療法的細胞傷害性を保持または示すことができ、かつ、ABRAXANE(登録商標)ナノ粒子単独の場合の毒性以外はさらなる毒性を示し得ない。本明細書にも記載するように、ヒト(例えば、ヒトの骨髄腫患者)に投与する前にABRAXANE(登録商標)を抗CD38ポリペプチド抗体(例えば、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984)に接触させることにより、複合体として投与した場合、ABRAXANE(登録商標)/抗CD38ポリペプチド抗体複合体が形成されない方法でABRAXANE(登録商標)と抗CD38ポリペプチド抗体とを別々に投与することを含む治療レジメンよりも、骨髄腫治療能力の高い複合体となり得る。
【0007】
本明細書で提供する方法及び材料を使用して、骨髄腫患者における無増悪生存率を高めることができる。無増悪生存率が高まると骨髄腫患者はより長く生きることができる。
【0008】
一般に、本文書の一態様は骨髄腫に罹患している哺乳類を治療する方法を特徴とする。かかる方法は、無増悪生存期間が延長される条件下でアルブミンおよびパクリタキセルを含有する、抗CD38ポリペプチド抗体に結合させたナノ粒子を含む組成物を哺乳類に投与することを含むか、またはかかる投与で本質的に構成される。哺乳類はヒトであり得る。骨髄腫は多発性骨髄腫であり得る。組成物は、ナノ粒子と複合させたダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984を含み得る。組成物は、ナノ粒子と複合させたアルキル化薬を含み得る。アルキル化薬は白金化合物であり得る。白金化合物はカルボプラチンであり得る。抗CD38ポリペプチド抗体はヒト化抗体であり得る。抗CD38ポリペプチド抗体はキメラ抗体であり得る。組成物は、注射により投与され得る。無増悪生存率は15パーセント高められ得る。無増悪生存率は25パーセント高められ得る。無増悪生存率は50パーセント高められ得る。無増悪生存率は75パーセント高められ得る。無増悪生存率は100パーセント高められ得る。組成物は、進行までの時間が延長される条件下で投与され得る。
【0009】
別の態様では、本文献は、骨髄腫に罹患している哺乳類を治療する方法を特徴とする。かかる方法は、アルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体を含む組成物を哺乳類に投与することを含むか、またはかかる投与で本質的に構成され、ここで、複合体の平均径は0.1〜0.9μmであり、かつ、抗体は抗CD38抗体である。哺乳類はヒトであり得る。骨髄腫は多発性骨髄腫であり得る。アルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体は、ABRAXANE(登録商標)と、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984との複合体であり得る。組成物またはアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体は、アルキル化薬を含み得る。アルキル化薬は白金化合物であり得る。白金化合物はカルボプラチンであり得る。組成物は抗炎症剤を含み得る。抗CD38ポリペプチド抗体はヒト化抗体であり得る。抗CD38ポリペプチド抗体はキメラ抗体であり得る。組成物は、注射により投与され得る。組成物の投与は、無増悪生存率を25パーセント高めるのに有効であり得る。組成物の投与は、無増悪生存率を50パーセント高めるのに有効であり得る。組成物の投与は、無増悪生存率を75パーセント高めるのに有効であり得る。組成物の投与は、無増悪生存率を100パーセント高めるのに有効であり得る。組成物の投与は、骨髄腫に罹患した哺乳類の集団の進行までの時間の中央値が少なくとも150日である条件下であり得る。組成物の投与は、骨髄腫に罹患した哺乳類の集団の進行までの時間の中央値が少なくとも165日である条件下であり得る。組成物の投与は、骨髄腫に罹患した哺乳類の集団の進行までの時間の中央値が少なくとも170日である条件下であり得る。複合体の平均径は0.1μm〜0.3μmであり得る。複合体の平均径は0.15μm〜0.3μmであり得る。複合体の平均径は0.2μm〜0.5μmであり得る。複合体の平均径は0.3μm〜0.5μmであり得る。複合体の平均径は0.2μm〜0.8μmであり得る。複合体の平均径は0.2μm〜0.7μmであり得る。
【0010】
別の態様では、本文書は、骨髄腫に罹患している哺乳類を治療する方法を特徴とする。かかる方法は、アルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体を含む組成物を哺乳類に投与することを含むか、またはそれにより本質的に構成され、ここで、組成物の複合体のうち少なくとも5パーセントの平均径は0.1〜0.9μmであり、かつ、抗体は抗CD38抗体である。哺乳類はヒトであり得る。骨髄腫は多発性骨髄腫であり得る。アルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体は、ABRAXANE(登録商標)と、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984との複合体であり得る。組成物またはアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体は、アルキル化薬を含み得る。アルキル化薬は白金化合物であり得る。白金化合物はカルボプラチンであり得る。組成物は抗炎症剤を含み得る。抗CD38ポリペプチド抗体はヒト化抗体であり得る。抗CD38ポリペプチド抗体はキメラ抗体であり得る。組成物は、注射により投与され得る。組成物の投与は、無増悪生存率を25パーセント高めるのに有効であり得る。組成物の投与は、無増悪生存率を50パーセント高めるのに有効であり得る。組成物の投与は、無増悪生存率を75パーセント高めるのに有効であり得る。組成物の投与は、無増悪生存率を100パーセント高めるのに有効であり得る。組成物の投与は、骨髄腫に罹患した哺乳類の集団の進行までの時間の中央値が少なくとも150日である条件下であり得る。組成物の投与は、骨髄腫に罹患した哺乳類の集団の進行までの時間の中央値が少なくとも165日である条件下であり得る。組成物の投与は、骨髄腫に罹患した哺乳類の集団の進行までの時間の中央値が少なくとも170日である条件下であり得る。組成物の複合体のうち少なくとも5パーセントの平均径は0.2μm〜0.9μmであり得る。組成物の複合体のうち少なくとも5パーセントの平均径は0.2μm〜0.8μmであり得る。組成物の複合体のうち少なくとも5パーセントの平均径は0.2μm〜0.7μmであり得る。組成物の複合体のうち少なくとも5パーセントの平均径は0.2μm〜0.6μmであり得る。組成物の複合体のうち少なくとも5パーセントの平均径は0.2μm〜0.5μmであり得る。組成物の複合体のうち少なくとも5パーセントの平均径は0.2μm〜0.4μmであり得る。組成物の複合体のうち少なくとも10パーセントの平均径は0.1〜0.9μmであり得る。組成物の複合体のうち少なくとも50パーセントの平均径は0.1〜0.9μmであり得る。組成物の複合体のうち少なくとも75パーセントの平均径は0.1〜0.9μmであり得る。組成物の複合体のうち少なくとも90パーセントの平均径は0.1〜0.9μmであり得る。
【0011】
特別に定義しない限り、本明細書で使用する技術用語及び科学用語は、本発明の属する分野の当業者に共通して理解される意味と同一の意味を持つ。本発明の実施には、本明細書に記載の方法及び材料と類似または同等の方法及び材料を使用できるが、好適な方法及び材料を以下に記載する。本明細書に引用される刊行物、特許出願、特許のすべて、及びそのほかの参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。矛盾が生じた場合は、定義も含め、本明細書が優先されることとなる。さらに、材料、方法、及び実施例は、あくまでも例示であり限定されることを意図しない。
【0012】
本発明の1つまたはそれ以上の実施形態の詳細を添付の図面及び下記の説明に記載する。本発明の他の特徴、課題、及び利点は、説明及び図面、ならびに請求項から明らかとなるであろう。
【0013】
本文献は、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫、軽鎖骨髄腫、及び非分泌型骨髄腫)の治療に使用する方法及び材料を提供する。例えば、本文書は、骨髄腫を治療するために、アルブミン含有ナノ粒子(例えば、ABRAXANE(登録商標)ナノ粒子)と抗体(例えば、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984のような抗CD38ポリペプチド抗体)とを含有する複合体を使用するための方法及び材料を提供する。
【0014】
本明細書で提供する方法及び材料を使用して、あらゆる型の骨髄腫を治療できる。例えば、多発性骨髄腫、軽鎖骨髄腫、または非分泌型骨髄腫を治療するために本明細書で提供する方法及び材料を使用できる。いくつかの場合には、限定することなく、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、サル、及びヒトなどいかなる種類の哺乳類においても骨髄腫を治療するために本明細書で提供する方法及び材料を使用できる。
【0015】
いくつかの場合には、アルブミン含有ナノ粒子(例えば、ABRAXANE(登録商標)ナノ粒子)と抗体(例えば、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984のような抗CD38ポリペプチド抗体)とを含有する複合体は、1μmより大きい平均径を有するよう設計され得る。例えば、平均径が1μmより大きい複合体が形成されるように、適切な濃度のアルブミン含有ナノ粒子及び抗体を使用することができる。いくつかの場合には、アルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体の平均径が1μmより大きい調製物を形成させるために、遠心分離などの操作を使用できる。いくつかの場合には、本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体調製物は、平均径が1μm〜5μm(例えば、1.1μm〜5μm、1.5μm〜5μm、2μm〜5μm、2.5μm〜5μm、3μm〜5μm、3.5μm〜5μm、4μm〜5μm、4.5μm〜5μm、1.1μm〜4.5μm、1.1μm〜4μm、1.1μm〜3.5μm、1.1μm〜3μm、1.1μm〜2.5μm、1.1μm〜2μm、または1.1μm〜1.5μm)であり得る。本明細書で提供する、平均径が1μm〜5μmのアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体調製物を、哺乳類の体内に位置する骨髄腫を治療するために全身投与(例えば、静脈内投与)できる。いくつかの場合には、本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体調製物は、平均径が5μm〜50μm(例えば、6μm〜50μm、7μm〜50μm、10μm〜50μm、15μm〜50μm、20μm〜50μm、25μm〜50μm、30μm〜50μm、35μm〜50μm、5μm〜45μm、5μm〜40μm、5μm〜35μm、5μm〜30μm、5μm〜25μm、5μm〜20μm、5μm〜15μm、または10μm〜30μm)であり得る。本明細書で提供する、平均径が5μm〜50μmのアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体調製物を、哺乳類の体内に投与できる。
【0016】
いくつかの場合には、本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体調製物は、直径が1μm〜5μm(例えば、1.1μm〜5μm、1.5μm〜5μm、2μm〜5μm、2.5μm〜5μm、3μm〜5μm、3.5μm〜5μm、4μm〜5μm、4.5μm〜5μm、1.1μm〜4.5μm、1.1μm〜4μm、1.1μm〜3.5μm、1.1μm〜3μm、1.1μm〜2.5μm、1.1μm〜2μm、または1.1μm〜1.5μm)である複合体を、60パーセント超で(例えば、65、70、75、80、90、95、または99パーセント超で)有し得る。直径が1μm〜5μmである複合体を60パーセント超で(例えば、65、70、75、80、90、95、または99パーセント超で)有する、本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体調製物を、哺乳類の体内に位置する骨髄腫を治療するために全身投与(例えば、静脈内投与)できる。いくつかの場合には、本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体調製物は、直径が5μm〜50μm(例えば、6μm〜50μm、7μm〜50μm、10μm〜50μm、15μm〜50μm、20μm〜50μm、25μm〜50μm、30μm〜50μm、35μm〜50μm、5μm〜45μm、5μm〜40μm、5μm〜35μm、5μm〜30μm、5μm〜25μm、5μm〜20μm、5μm〜15μm、または10μm〜30μm)である複合体を、60パーセント超で(例えば、65、70、75、80、90、95、または99パーセント超で)有し得る。直径が5μm〜50μmである複合体を60パーセント超で(例えば、65、70、75、80、90、95、または99パーセント超で)有する、本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体調製物を、骨髄腫に罹患した哺乳類に投与できる。
【0017】
いくつかの場合には、アルブミン含有ナノ粒子(例えば、ABRAXANE(登録商標)ナノ粒子)と抗体(例えば、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984のような抗CD38ポリペプチド抗体)とを含有する複合体を、1μm未満の平均径になるよう設計できる。例えば、平均径が1μm未満の複合体が形成されるよう、適切な濃度のアルブミン含有ナノ粒子及び抗体(例えば、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984)を使用できる。いくつかの場合には、本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体調製物は、平均径が0.1μm〜1μm(例えば、0.1μm〜0.95μm、0.1μm〜0.9μm、0.1μm〜0.8μm、0.1μm〜0.7μm、0.1μm〜0.6μm、0.1μm〜0.5μm、0.1μm〜0.4μm、0.1μm〜0.3μm、0.1μm〜0.2μm、0.2μm〜1μm、0.3μm〜1μm、0.4μm〜1μm、0.5μm〜1μm、0.2μm〜0.6μm、0.3μm〜0.6μm、0.2μm〜0.5μm、または0.3μm〜0.5μm)であり得る。平均径が0.1μm〜0.9μmである、本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体調製物を、哺乳類の体内に位置する骨髄腫を治療するために全身投与(例えば、静脈内投与)できる。
【0018】
いくつかの場合には、本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体調製物は、直径が0.1μm〜0.9μm(例えば、0.1μm〜0.95μm、0.1μm〜0.9μm、0.1μm〜0.8μm、0.1μm〜0.7μm、0.1μm〜0.6μm、0.1μm〜0.5μm、0.1μm〜0.4μm、0.1μm〜0.3μm、0.1μm〜0.2μm、0.2μm〜1μm、0.3μm〜1μm、0.4μm〜1μm、0.5μm〜1μm、0.2μm〜0.6μm、0.3μm〜0.6μm、0.2μm〜0.5μm、または0.3μm〜0.5μm)である複合体を60パーセント超で(例えば、65、70、75、80、90、95、または99パーセント超で)有し得る。直径が0.1μm〜0.9μmである複合体を60パーセント超で(例えば、65、70、75、80、90、95、または99パーセント超で)有する、本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体調製物を、哺乳類の体内に位置する骨髄腫を治療するために全身投与(例えば、静脈内投与)できる。
【0019】
一般に、ABRAXANE(登録商標)などのアルブミン含有ナノ粒子と、抗CD38ポリペプチド抗体(例えば、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984)のような抗体とをヒトへの投与前に接触させて、アルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体(例えば、ABRAXANE(登録商標)/抗CD38ポリペプチド抗体複合体)を形成させることができる。適切なアルブミン含有ナノ粒子調製物及び適切な抗体であればいずれでも本明細書に記載のように使用できる。例えば、ABRAXANE(登録商標)ナノ粒子を本明細書に記載のように使用できる。本明細書に記載のようにアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体の形成に使用できる抗体の例には、ダラツムマブ、MOR202、及びSAR650984が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、適切な用量のABRAXANE(登録商標)と適切な用量のダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984とを、同一容器内で合わせて混合できる。この混合物は、癌患者(例えば、多発性骨髄腫患者)への投与前に、適温(例えば、室温、15℃〜30℃、15℃〜25℃、20℃〜30℃、または20℃〜25℃)で、ある期間(例えば、約30分、または約5分〜約60分、約5分〜約45分、約15分〜約60分、約15分〜約45分、約20分〜約400分、若しくは約25分〜約35分)インキュベート可能である。いくつかの場合には、ABRAXANE(登録商標)及び抗CD38ポリペプチド抗体の両方を、IVバッグ用溶液を含有するIVバッグ内に別々にまたは事前混合した合剤として注入することにより、ABRAXANE(登録商標)と抗CD38ポリペプチド抗体とを接触させることができる。ABRAXANE(登録商標)/抗CD38ポリペプチド抗体複合体を含むIVバッグ内容物を、治療すべき患者体内に注入できる。
【0020】
いくつかの場合には、ABRAXANE(登録商標)などのアルブミン含有ナノ粒子を、抗CD38ポリペプチド抗体(例えば、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984)のような抗体と接触させて、アルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体(例えば、ABRAXANE(登録商標)/抗CD38ポリペプチド抗体複合体)を形成させ、癌患者(例えば、骨髄腫患者)への投与に先立ち保存することができる。例えば、アルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体を含有する組成物を本明細書に記載のように形成し、癌患者への投与に先立ちある期間(例えば、何日間または何週間か)保存しておくことができる。
【0021】
ABRAXANE(登録商標)などのアルブミン含有ナノ粒子及び抗CD38ポリペプチド抗体などの抗体を得るためには、適切であればどのような方法でも使用できる。例えば、ABRAXANE(登録商標)は、セルジーン社から入手可能するか、または他の記載(米国特許第6,537,579号)にあるようにして得ることができる。ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984はそれぞれ、ジョンソン・エンド・ジョンソン社/Genmab、セルジーン社/Morphosys、またはサノフィ/Immunogenから入手可能である。de Weersら,J.Immunol.,186(3):1840−1848(2011)も参照にされたい)。
【0022】
いくつかの場合には、ABRAXANE(登録商標)などのアルブミン含有ナノ粒子と抗CD38ポリペプチド抗体などの抗体との合剤に、アルキル化薬(例えば、白金化合物)などの他の薬剤を1つまたはそれ以上含めることができる。アルキル化薬として使用できる白金化合物の例として、カルボプラチン(PARAPLATIN(登録商標))、シスプラチン(PLATINOL(登録商標))、オキサリプラチン(ELOXATIN(登録商標))、及びBBR3464が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体として含めることができる他の薬剤例には、プレドニゾン、デキサメタゾン、サリドマイド、レブラミド、ポマリドミド、メルファラン、ボルテゾミブ、シクロホスファミド、ビンクリスチン、ベンダムスチン、レナリドマイド、ベバシズマブ、カルフィルゾミブ、エトポシド、及びシタラビンがあるがこれらに限定されない。例えば、本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体(例えば、ABRAXANE(登録商標)/抗CD38ポリペプチド抗体複合体)には、複合体の一部としてボルテゾミブまたはサリドマイドを含めることができる。
【0023】
本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体(例えば、ABRAXANE(登録商標)/抗CD38ポリペプチド抗体複合体)を哺乳類に投与するために適切な方法であればいずれの方法も使用できる。例えば、注射(例えば、皮下注射、筋肉内注射、静脈内注射、またはくも膜下腔内注射)によって、ABRAXANE(登録商標)/抗CD38ポリペプチド抗体複合体のようなアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体を含有する組成物を投与できる。
【0024】
本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体(例えば、ABRAXANE(登録商標)/抗CD38ポリペプチド抗体複合体)を含有する組成物を哺乳類に投与する前に、かかる哺乳類は、骨髄腫に罹患しているか否かを判定するための評価を受けることができる。哺乳類が骨髄腫に罹患しているか否かを判定するために適切な方法であればいずれの方法も使用できる。例えば、標準的な診断手法を使用して、ある哺乳類(例えば、ヒト)が骨髄腫に罹患していると同定することができる。
【0025】
哺乳類が骨髄腫に罹患していると同定された後、その哺乳類は、本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体(例えば、ABRAXANE(登録商標)/抗CD38ポリペプチド抗体複合体)を含有する組成物を投与され得る。例えば、ABRAXANE(登録商標)/抗CD38ポリペプチド抗体複合体を含有する組成物を、他の骨髄腫治療(例えば、幹細胞移植または放射線治療)の前またはその代わりに投与できる。いくつかの場合には、幹細胞移植または放射線治療の後で、本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体(例えば、ABRAXANE(登録商標)/抗CD38ポリペプチド抗体複合体)を含有する組成物を投与できる。
【0026】
本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体(例えば、ABRAXANE(登録商標)/抗CD38ポリペプチド抗体複合体)を含有する組成物を、有効な任意の適切な量、任意の適切な頻度、及び任意の適切な期間で哺乳類に投与して所望の転帰を達成する(例えば、無増悪生存期間を延長させる)ことができる。いくつかの場合には、本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体(例えば、ABRAXANE(登録商標)/抗CD38ポリペプチド抗体複合体)を含有する組成物を骨髄腫罹患哺乳類に投与して骨髄腫の進行速度を5、10、25、50、75、100、またはそれ以上のパーセント低下させることができる。例えば、癌のさらなる進行が検出されないよう進行速度を低下させることができる。骨髄腫の進行速度が低下しているか否かを判定するために適切な方法であればいずれの方法も使用できる。例えば、骨髄腫の進行速度は、患者を異なる測定時点で評価し、存在する骨髄腫細胞の量または存在する骨髄腫細胞が産生したタンパク質量を測定することにより評価できる。異なる時点で測定したこれらの量を比較して進行速度を測定できる。本明細書に記載の治療の後、別の時間間隔にわたる進行速度が再度測定され得る。いくつかの場合には、治療後の癌(例えば、多発性骨髄腫)の病期を判定して治療前の病期と比較し、進行速度が低下したか否かを判定する。
【0027】
いくつかの場合には、本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体(例えば、ABRAXANE(登録商標)/抗CD38ポリペプチド抗体複合体)を含有する組成物は、未治療の骨髄腫に罹患した対応する哺乳類の無増悪生存中央値またはABRAXANE(登録商標)/抗体複合体を形成させずに(例えば、ABRAXANE(登録商標)/抗CD38ポリペプチド抗体複合体を形成させずに)ABRAXANE(登録商標)と抗体(例えば、抗CD38ポリペプチド抗体)とを用いて治療された骨髄腫に罹患した対応する哺乳類の無増悪生存中央値と比較した場合に、無増悪生存率が(例えば、5、10、25、50、75、100、またはそれ以上のパーセント)増大する条件下で骨髄腫の哺乳類に投与され得る。いくつかの場合には、本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体(例えば、ABRAXANE(登録商標)/抗CD38ポリペプチド抗体複合体)を含有する組成物を骨髄腫の哺乳類に投与して、ABRAXANE(登録商標)または抗体(例えば、抗CD38ポリペプチド抗体)の単独投与を受けた骨髄腫の対応する哺乳類の無増悪生存中央値よりも無増悪生存率を5、10、25、50、75、100、またはそれ以上のパーセント増大させることができる。無増悪生存は任意の期間にわたって測定可能である(例えば、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、またはそれ以上の期間)。
【0028】
いくつかの場合には、本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体(例えば、ABRAXANE(登録商標)/抗CD38ポリペプチド抗体複合体)を含有する組成物は、ある哺乳類集団の8週無増悪生存率が、かかる組成物を投与しない比較可能な哺乳類集団で観察される場合よりも65%またはそれ以上(例えば、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%またはそれ以上)である条件下で骨髄腫の哺乳類に投与され得る。いくつかの場合には、本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体(例えば、ABRAXANE(登録商標)/抗CD38ポリペプチド抗体複合体)を含有する組成物は、ある哺乳類集団についての進行までの時間の中央値が少なくとも150日(例えば、少なくとも155、160、163、165、または170日)である条件下で骨髄腫の哺乳類に投与され得る。
【0029】
本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体(例えば、ABRAXANE(登録商標)/抗CD38ポリペプチド抗体複合体)を含有する組成物の有効量は、哺乳類に有意な毒性を引き起こすことなく骨髄腫の進行速度を低下させる、無増悪生存率を増大させる、または進行までの時間の中央値を増大させる量であればいずれの量でも可能である。典型的には、ABRAXANE(登録商標)の有効量は約50mg/m
2〜約150mg/m
2(例えば、約80mg/m
2)であり得、またダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984などの抗CD38ポリペプチド抗体の有効量は約5mg/kg〜約20mg/kg(例えば、約10mg/kgまたは375mg/m
2)であり得る。特定の哺乳類が特定量に反応しない場合は、ABRAXANE(登録商標)または抗CD38ポリペプチド抗体の量を例えば2倍に増量できる。この高濃度を投与した後は、治療に対する反応性及び毒性症状の両方について当該哺乳類を監視し、それにしたがって調整をすることができる。有効量は、哺乳類の治療に対する反応に応じて、一定に維持することも、またはスライディングスケール若しくは変動用量として調整することもできる。特定の適用に使用する実際の有効量にはさまざまな因子が影響し得る。例えば、投与頻度、治療期間、複数の治療剤の使用、投与経路、及び骨髄腫の重症度により、投与した実際の有効量の増減が必要となる場合がある。
【0030】
投与頻度は、哺乳類に有意な毒性を引き起こすことなく骨髄腫の進行速度を低下させる、無増悪生存率を増大させる、または進行までの時間の中央値を増大させる頻度であればどの頻度でも可能である。例えば、投与頻度は、月に約1回〜月に約3回、または月に約2回〜月に約6回、または2か月に約1回〜2か月に約3回であり得る。投与頻度は、一定回数でも、または、治療期間中で変動があってもよい。ABRAXANE(登録商標)/抗CD38ポリペプチド抗体複合体を含有する組成物を用いた治療1クールには休薬期間が含まれ得る。例えば、ABRAXANE(登録商標)/抗CD38ポリペプチド抗体複合体を含有する組成物を2週間にわたり投与し、その後、2週間の休薬期間をおくことが可能であり、このようなレジメンを複数回繰り返すことができる。有効量の場合と同様、特定の適用に使用する実際の投与頻度にはさまざまな因子が影響し得る。例えば、有効量、治療期間、複数の治療剤の使用、投与経路、及び骨髄腫の重症度により、投与頻度の増減が必要となる場合がある。
【0031】
本明細書で提供する組成物の投与に有効な期間は、哺乳類に有意な毒性を引き起こすことなく骨髄腫の進行速度を低下させる、無増悪生存率を増大させる、または進行までの時間の中央値を増大させる期間であればどのような期間でも可能である。したがって、かかる有効期間は、数日から数週間、数か月、または数年まで異なり得る。一般に、骨髄腫治療に有効な期間は、数週間から数か月の期間範囲になり得る。いくつかの場合には、有効な期間は、個々の哺乳類が生存する限り有効期間であり得る。特定の治療に使用する実際の有効な期間には複数因子が影響し得る。例えば、有効な期間は、投与頻度、有効量、複数の治療剤の使用、投与経路、及び骨髄腫の重症度により異なり得る。
【0032】
本明細書で提供するアルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体(例えば、ABRAXANE(登録商標)/抗CD38ポリペプチド抗体複合体)を含有する組成物は、適切であればどのような形態でも可能である。例えば、本明細書で提供する組成物は、注入可能な懸濁液を作製するための希釈剤の有無を問わず溶液または粉末の形態であり得る。組成物には、限定することなく、薬理学的に許容されるビヒクルなどのさらなる成分を含有させることもできる。薬理学的に許容されるビヒクルは、例えば、生理食塩液、水、乳酸、マンニトール、またはその組み合わせであり得る。
【0033】
本明細書で提供する組成物を哺乳類に投与後、かかる哺乳類を監視し、骨髄腫が治療されているか否かを判定できる。例えば、治療後に哺乳類を評価し、骨髄腫の進行速度が低下した(例えば、進行が停止した)か否かを判定できる。本明細書に記載のように、進行速度及び生存率の評価にはどのような方法でも使用できる。
【0034】
いくつかの場合には、ABRAXANE(登録商標)と、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984との複合体である実施例1に記載の製剤を、実施例3で記載されている方法の説明のようにヒト骨髄腫患者に投与できる。
【0035】
いくつかの場合には、ABRAXANE(登録商標)の代わりに、またはABRAXANE(登録商標)と組み合わせて、アルブミン含有ナノ粒子(例えば、アルブミンのシェルを備えるナノ粒子)及びパクリタキセル以外の薬剤を本明細書に記載のように使用できる。例えば、癌化学療法薬を担持するよう設計されたアルブミン含有ナノ粒子を使用して、本明細書に記載のように使用可能なナノ粒子/抗CD38ポリペプチド抗体複合体を形成できる。そのような癌化学療法薬の例には、シクロホスファミド、メルファラン、ボルテゾミブ、レナリドマイド、ポマリドミド、サリドマイド、アドリアマイシン、及びビンクリスチンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
いくつかの場合には、抗体、薬剤、または抗体と薬剤との合剤に結合して骨髄腫治療用複合体を形成するアルブミン含有ナノ粒子(例えば、アルブミンのシェルを備えるナノ粒子)を含むよう組成物を製剤化できる。例えば、アルブミンナノ粒子は、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984などの抗CD38ポリペプチド抗体の含有如何にかかわらず、プレドニゾン、デキサメタゾン、サリドマイド、レブラミド、ポマリドミド、メルファラン、ボルテゾミブ、シクロホスファミド、ビンクリスチン、ベンダムスチン、レナリドマイド、ベバシズマブ、カルフィルゾミブ、エトポシド、シタラビン、またはその組合せが含まれるよう製剤化できる。
【0037】
いくつかの場合には、アルブミンを含有するナノ粒子(例えば、アルブミンのシェルを備えるナノ粒子)または本明細書に記載の複合体(例えば、ABRAXANE(登録商標)と、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984との複合体)は、癌患者に現われる免疫機能不全及び/または慢性炎症の状態を全体的に軽減させるよう設計された抗慢性炎症治療剤が1つまたはそれ以上含まれるよう製剤化され得る。例えば、ステロイド性抗炎症剤(例えば、プレドニゾン)、非ステロイド性抗炎症剤(例えば、ナプロキセン)、リンパ球減少型細胞傷害性剤(例えば、シクロホスファミド)、免疫細胞及び/若しくはサイトカインを標的とする抗体(例えば、インフリキシマブ)、またはその組合せを、アルブミン含有ナノ粒子、またはABRAXANE(登録商標)と、ダラツムマブ、MOR202、若しくはSAR650984との複合体に組み込むことができる。いくつかの場合には、抗IL−4薬(例えば、抗IL−4抗体)、抗IL−13薬(例えば、可溶性IL−13受容体)、及びその組み合わせを、アルブミンを含有するナノ粒子またはABRAXANE(登録商標)と、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984との複合体に組み込むことができる。
【0038】
抗慢性炎症治療の後に免疫機能不全及び/または慢性炎症の状態が全体的に軽減されたか否かを評価するために適切な方法であればいずれの方法も使用できる。例えば、血中のサイトカインプロファイル(例えば、IL−4、IL−13、IL−4、IL−13、IL−5、IL−10、IL−2、及びインターフェロンガンマのプロファイル)を抗慢性炎症治療の前後に評価し、免疫機能不全及び/または慢性炎症の状態が全体的に軽減されたか否かを判定できる。
【0039】
以下の実施例において本発明をさらに説明していくが、これらは請求項に記載の本発明の範囲を制限するものではない。
【実施例】
【0040】
実施例1−ABRAXANE(登録商標)と、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984との複合体の作製
ABRAXANE(登録商標)を、さまざまな漸増濃度のダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984と共にインキュベートし、径の大きいABRAXANE(登録商標)と、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984との複合体を徐々に形成させる。10ミリグラムのABRAXANE(登録商標)を、1mLのダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984に、0、2、4、6、8、及び10mg/mLで調製し、かかる混合物を室温で30分間インキュベートする。インキュベーション後、粒径分布をMastersizer2000で測定する。粒径中央値は0.05μm〜10μmの範囲をとり得る。ABRAXANE(登録商標)をインキュベートする際の抗体濃度により、ナノ粒子の大きさが影響され得る。粒径操作により、薬物複合体の薬物動態とその生体内分布を変えることができ、薬物複合体の臨床効果が改善され得る。
【0041】
実施例2−ABRAXANE(登録商標)単独、抗CD38ポリペプチド抗体単独、及び抗CD38ポリペプチド抗体とABRAXANE(登録商標)との順次使用の場合よりも効果的に骨髄腫の進行を阻害する、ABRAXANE(登録商標)/ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984複合体の使用
雌無胸腺ヌードマウスに骨髄腫細胞1x10
6を注入する。約21日後に治療剤を投与する。マウスを、(a)0日目にPBS100μLの単回投与、(b)0日目にダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984(12mg/kg)の単回投与、(c)0日目にABRAXANE(登録商標)(30mg/kg)の単回投与、(d)0日目にダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984(12mg/kg)の単回投与後、1日目にABRAXANE(登録商標)(30mg/kg)の単回投与、または(e)0日目にAD160(ABRAXANE(登録商標)30mg/kgに相当)の単回投与で処置する。その後、生存期間を測定する。
【0042】
AD160複合体を以下のとおり作製する。ABRAXANE(登録商標)10mgを2mgのダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984を含有する0.9%生理食塩液500μLに調製し、1時間室温にてインキュベートする。インキュベーションの後、AD160を0.9%生理食塩液で1mLにする。AD160をさらに希釈し、12mg/kgのダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984、及び30mg/kgのABRAXANE(登録商標)に相当する用量で100μLをマウスに投与する。AD160の平均粒径は約160nmである。
【0043】
実施例3−骨髄腫標的療法としての、ABRAXANE(登録商標)と、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984との複合体
ABRAXANE(登録商標)と、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984との複合体の治療スケジュールは、毎月(28日+/−3日の間隔)若しくは疾患が進行するまで、患者による拒否があるまで、または指定した用量漸増計画(表2)での許容できない毒性(表1)及び用量制限毒性(表3)があるまで繰り返す。
【表1】
【表2】
【表3】
【0044】
最大耐用量(MTD)の決定
最大耐用量とは、治療の2サイクル目開始前にDLTを発症する患者が6人中最高でも1人であり、その1段階上の最高用量レベルが、その用量レベルで治療を受けた最高患者数6人中2人に治療の2サイクル目開始前にDLTが発症した用量レベルである、被験用量中の最高用量レベルと定義される。
【0045】
登録及びMTDの決定
少なくとも2人または最高6人の患者を所与の用量レベルに登録する。用量レベル1(また、登録がある場合は用量レベル−1&−2)の場合、当該患者の治療1サイクル目を通しての急性の有害事象データを集めるために、各患者が登録された後、登録を一時中断する。用量レベル2&3の場合、これらの用量レベルには、全ての所与の測定時点において治療の第1サイクルを受ける患者が2人以下となるよう患者を登録し、かかる治療第1サイクルにわたる急性の有害事象データは、登録患者と同じ用量レベルで治療された他のすべての患者について既知である。登録プロセスのいかなる時点であっても、その登録での用量レベルで治療を受けた2人の患者が治療の第1サイクル中にDLTを発症した場合は、その用量レベルに対する登録を中止する。その用量レベルで治療を受けた患者が6人に満たない場合は、1段階低い用量レベルに対して登録を再開する。治療の第1サイクル中、所与の用量レベルで治療を受けた最初の患者3人にDLTが発症しなければ、かかる用量レベルへの登録を中止し、次の1段階高い用量レベルで登録を再開する。それ以上高い被験対象となる用量レベルがない場合、その用量レベルでさらに3人の患者を登録してMTDを確定する。治療の第1サイクル中、所与の用量レベルで治療を受けた最初の3人の患者のうち1人にDLTが発症した場合、その用量レベルにさらに3人の患者を(順次)登録する。追加したこれら3人の患者の登録のいかなる時点においても、患者がDLTを発症した場合は、この用量レベルに対する登録を中止する。その用量レベルで治療を受けた患者が6人に満たない場合は、1段階低い用量レベルに対して登録を再開する。治療の第1サイクル中、追加したこれら3人の患者にDLTが発症しなければ、この用量レベルへの登録を中止し、次の1段階高い用量レベルで登録を再開する。それ以上高い被験対象となる用量レベルがない場合、このレベルをMTDとする。
【0046】
この治験実施計画では、患者は、スケジュールにしたがった評価及び再治療(少なくとも28+/−3日間隔で)のために再度受診する。ある患者が毒性以外の理由で治療の第1サイクルを完了しない場合は、この患者の代わりに別の患者をもう1人登録する。
【0047】
有害事象に基づく用量変更
個々の治療忍容性が確認されるまで表4の変更に従う。複数の有害事象(表5)が見られた場合は、観察された単一の有害事象について必要とされる最大減量に基づいて用量を投与する。用量変更は、その前のサイクルで行われた治療に対して適用され、前回の用量以降に観察された有害事象に基づいて行う。
【表4】
【表5】
【0048】
補助的な治療/支持療法
コロニー刺激因子(G−CSFまたはGM−CSF)をルーチンに使用することは推奨されない。試験中にコロニー刺激因子を予防的に使用することは認められていない。組織感染症、敗血症候群、真菌感染症等のような好中球減少性の重篤な合併症が見られる患者における治療的使用は医師の判断で考慮してよい。組換え型エリスロポエチンは、適切なヘモグロビン値を維持し、濃厚赤血球輸血を回避することを目的として許可される。
【0049】
本試験に臨んでいる間は患者に十分な支持療法を行うべきである。これには、血液製剤による支持、抗生物質治療及び新たに診断されたかまたは併存する他の病状の治療が含まれる。被験薬の初回投与から最終投与後30日までの間に投与された、止瀉薬、鎮痛薬、及び制吐薬などの血液製剤及び併用薬はすべて医療記録に記録しなければならない。第I相プログラムの臨床試験に参加する患者は、薬理学的物質−(薬物、生物製剤、免疫療法、遺伝子療法)を使用する他のあらゆる試験について、それが症状管理であっても治療目的であっても登録と見なされるべきではない。
【0050】
過敏反応
ABRAXANE(登録商標)と、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984との複合体の投与前に患者に前投薬する必要はない。過敏反応の事象が見られた場合は、抗ヒスタミン薬、H2遮断薬、及びコルチコステロイドを用いた治療が推奨される。患者には、その後のサイクルのため、パクリタキセルのレジメンとして典型的なレジメンで前投薬を行うべきである。軽度の過敏反応の事象が見られた場合は、溶媒を用いたパクリタキセルにその施設が典型的に使用する前投薬レジメンを使用して、前投薬を投与してよい。
【0051】
ABRAXANE(登録商標)と、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984との複合体
ABRAXANE(登録商標)と、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984との複合体を、危険性のある低リスク製剤として調製する。ABRAXANE(登録商標)は、パクリタキセル100mg及び安定剤としてUSPヒトアルブミン(HA)約900mgを含有する白色からオフホワイトの凍結乾燥粉末として、50mL単回使用バイアルに入れて供給される。凍結乾燥製剤の各バイアルを下記の通り調製する。未調製ABRAXANE(登録商標)をそのカートン箱に入れたまま室温に管理された温度で保存する。再構成されたABRAXANE(登録商標)はただちに使用される。
【0052】
ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984のバイアルを用量適切数で得て、各バイアルを以下の使用法に従って4mg/mLまでさらに希釈する。ABRAXANE(登録商標)(パクリタキセル)100mgバイアルを用量適切数で得て、各バイアルを以下の使用法に従って、ナノ粒子アルブミン結合(nab)パクリタキセル10mg/mLを含有する最終濃度に再構成する。調製時のフィルターニードル、または投与中のインラインフィルターの使用は必須ではない。さらに、孔径15マイクロメーター未満のフィルターは避けるべきである。
【0053】
他の細胞傷害性抗がん剤の場合と同様に、ABRAXANE(登録商標)の取扱いは慎重に行う。手袋の使用が推奨される。
【0054】
滅菌済3mLシリンジを使用して、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984(25mg/mL)を1.6mL(40mg)抜き取り、ABRAXANE(登録商標)100mgの入ったバイアルそれぞれの内壁に少なくとも1分かけて緩徐に注入する。25mg/mLバイアルに残った未使用のダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984は廃棄する。ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984の溶液を凍結乾燥ケーキ上に直接注入することは、発泡をもたらすため避けること。滅菌済12mL滅菌シリンジを使用して、USP0.9%塩化ナトリウム注射液を8.4mL抜き取り、100mgのABRAXANE(登録商標)及び40mgのダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984が入ったバイアルそれぞれの内壁に少なくとも1分かけて緩徐に注入する。1.6mLのダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984及び8.4mLのUSP0.9%塩化ナトリウム注射液を各バイアルに添加し終えたら、あらゆるケーキ/粉末が完全に溶解するまで少なくとも2分間、各バイアルを穏やかに回し、及び/または緩徐に反転させる。発泡しないようにすること。各バイアルの濃度はABRAXANE(登録商標)が100mg/10mL、またダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984が40mg/10mLである。ABRAXANE(登録商標)及びダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984の入ったバイアルを60分間静置する。バイアル(複数可)を10分おきに穏やかに回し、及び/または反転させて複合体の混合を続ける。60分経過後、滅菌済60mL〜100mLシリンジ(投与容積に適切なサイズ)を使用して、計算した投与容積のABRAXANE(登録商標)及びダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984を各バイアルから抜き取る。十分量のUSP0.9%塩化ナトリウム注射液を加えて、ABRAXANE(登録商標)が5mg/mL及びダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984が2mg/mLの最終濃度にする。シリンジを1分間穏やかに回し、及び/または緩徐に反転させて混合する。最終希釈後、室温での保存及び安定性は最高4時間である。
【0055】
投与
IVの初回複合体用量をシリンジポンプにより60分かけて注入する。初回注入の忍容性が高い場合は注入を30分に短縮してよい。注入している間、輸液反応の徴候/症状について注入を慎重に監視する。投与後、患者のラインを0.9%塩化ナトリウム20mLで洗い流す。計算及び調製の例は以下のとおりである。
・用量レベル1:ABRAXANE(登録商標)を125mg/m
2と、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984を50mg/m
2
BSA(体表面積)=2m
2
・必要用量:ABRAXANE(登録商標)を250mgと、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984を100mg
・ABRAXANE(登録商標)の100mgバイアルを3本得る。
・ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984(25mg/mL)の100mgバイアルを1本得る。
・ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984(25mg/mL)を1.6mL(40mg)抜き取り、ABRAXANE(登録商標)100mgバイアルの1本の内壁に1分かけて緩徐に注入する。この手順を残りの2本のABRAXANE(登録商標)100mgバイアル各々に対して繰り返す。
・ABRAXANE(登録商標)及びダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984が入ったバイアルのうち1本の内壁に8.4mLのUSP0.9%塩化ナトリウム注射液を加える。この手順を、ABRAXANE(登録商標)及びダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984の残り2本のバイアル各々に対して繰り返す。
・混合物を60分間(10分おきに回して)静置する。各バイアルの最終濃度は、10mLあたりABRAXANE(登録商標)が100mg、及び10mLあたりダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984が40mgとする。
・ABRAXANE(登録商標)及びダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984の入ったバイアルから25mLを抜き取り、100mL滅菌済シリンジに入れる。25mLのUSP0.9%塩化ナトリウム注射液を加えて最終的に、ABRAXANE(登録商標)の濃度を5mg/mL及びダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984の濃度を2mg/mLとする。シリンジポンプにより60分(初回用量の場合、以降の用量は30分)かけて注入する。
【0056】
ABRAXANE(登録商標)/ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984複合体での治療に対する反応
ABRAXANE(登録商標)と、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984との複合体製剤を用いた治療に対する各患者の反応を監視する。
【0057】
他の実施形態
本発明をその詳細な説明と併せて記載してきたが、上述の説明は例示を意図したものであり、添付の請求の範囲に記載の範囲で定義される本発明の範囲を制限するものではないことを理解されるべきである。他の態様、利点、及び変更は、以下の請求項の範囲に含まれるものとする。
【0058】
本願には、以下の発明も含まれる。
(1)
骨髄腫に罹患した哺乳類を治療する方法であって、アルブミンを含有するナノ粒子及び抗CD38ポリペプチド抗体に結合させたパクリタキセルを含む組成物を、無増悪生存期間が延長される条件下で前記哺乳類に投与することを含む前記方法。
(2)
前記哺乳類がヒトである、(1)に記載の方法。
(3)
前記骨髄腫が多発性骨髄腫である、(1)に記載の方法。
(4)
前記組成物が、前記ナノ粒子と結合させたダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984を含む、(1)に記載の方法。
(5)
前記組成物が、前記ナノ粒子と結合させたアルキル化薬を含む、(1)に記載の方法。
(6)
前記アルキル化薬が白金化合物である、(5)に記載の方法。
(7)
前記白金化合物がカルボプラチンである、(6)に記載の方法。
(8)
前記抗CD38ポリペプチド抗体がヒト化抗体である、(1)に記載の方法。
(9)
前記抗CD38ポリペプチド抗体がキメラ抗体である、(1)に記載の方法。
(10)
前記組成物が注射により投与される、(1)に記載の方法。
(11)
前記無増悪生存率が15パーセント増大する、(1)に記載の方法。
(12)
前記無増悪生存率が25パーセント増大する、(1)に記載の方法。
(13)
前記無増悪生存率が50パーセント増大する、(1)に記載の方法。
(14)
前記無増悪生存率が75パーセント増大する、(1)に記載の方法。
(15)
前記無増悪生存率が100パーセント増大する、(1)に記載の方法。
(16)
進行までの時間が延長される条件下で前記組成物が投与される、(1)に記載の方法。
(17)
骨髄腫に罹患した哺乳類を治療する方法であって、アルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体を含む組成物を前記哺乳類に投与することを含み、ここで、前記複合体の平均径は0.1〜0.9μmであり、かつ、前記抗体は抗CD38抗体である、前記方法。
(18)
前記哺乳類がヒトである、(17)に記載の方法。
(19)
前記骨髄腫が多発性骨髄腫である、(17)に記載の方法。
(20)
前記骨髄腫が軽鎖骨髄腫である、(17)に記載の方法。
(21)
前記骨髄腫が非分泌型骨髄腫である、(17)に記載の方法。
(22)
前記アルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体が、ABRAXANE(登録商標)/ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984の複合体である、(17)に記載の方法。
(23)
前記組成物または前記アルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体がアルキル化薬を含む、(17)に記載の方法。
(24)
前記アルキル化薬が白金化合物である、(23)に記載の方法。
(25)
前記白金化合物がカルボプラチンである、(24)に記載の方法。
(26)
前記組成物が抗炎症剤を含む、(17)に記載の方法。
(27)
前記抗CD38ポリペプチド抗体がヒト化抗体である、(17)に記載の方法。
(28)
前記抗CD38ポリペプチド抗体がキメラ抗体である、(17)に記載の方法。
(29)
前記組成物が注射により投与される、(17)に記載の方法。
(30)
前記組成物の前記投与が無増悪生存率を25パーセント増大させるのに有効である、(17)に記載の方法。
(31)
前記組成物の前記投与が無増悪生存率を50パーセント増大させるのに有効である、(17)に記載の方法。
(32)
前記組成物の前記投与が無増悪生存率を75パーセント増大させるのに有効である、(17)に記載の方法。
(33)
前記組成物の前記投与が無増悪生存率を100パーセント増大させるのに有効である、(17)に記載の方法。
(34)
前記組成物の前記投与は、前記骨髄腫に罹患した哺乳類集団の進行までの時間の中央値が少なくとも150日である条件下にある、(17)に記載の方法。
(35)
前記組成物の前記投与は、前記骨髄腫に罹患した哺乳類集団の進行までの時間の中央値が少なくとも165日である条件下にある、(17)に記載の方法。
(36)
前記組成物の前記投与は、前記骨髄腫に罹患した哺乳類集団の進行までの時間の中央値が少なくとも170日である条件下にある、(17)に記載の方法。
(37)
前記複合体の平均径が0.1μm〜0.3μmである、(17)に記載の方法。
(38)
前記複合体の平均径が0.15μm〜0.3μmである、(17)に記載の方法。
(39)
前記複合体の平均径が0.2μm〜0.5μmである、(17)に記載の方法。
(40)
前記複合体の平均径が0.3μm〜0.5μmである、(17)に記載の方法。
(41)
前記複合体の平均径が0.2μm〜0.8μmである、(17)に記載の方法。
(42)
前記複合体の平均径が0.2μm〜0.7μmである、(17)に記載の方法。
(43)
骨髄腫に罹患した哺乳類を治療する方法であって、アルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体を含む組成物を前記哺乳類に投与することを含み、ここで、前記組成物の前記複合体のうち少なくとも5パーセントの平均径は0.1〜0.9μmであり、かつ、前記抗体は抗CD38抗体である、前記方法。
(44)
前記哺乳類がヒトである、(43)に記載の方法。
(45)
前記骨髄腫が多発性骨髄腫である、(43)に記載の方法。
(46)
前記骨髄腫が軽鎖骨髄腫である、(43)に記載の方法。
(47)
前記骨髄腫が非分泌型骨髄腫である、(43)に記載の方法。
(48)
前記アルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体が、ABRAXANE(登録商標)/ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984の複合体である、(43)に記載の方法。
(49)
前記組成物または前記アルブミン含有ナノ粒子/抗体複合体がアルキル化薬を含む、(43)に記載の方法。
(50)
前記アルキル化薬が白金化合物である、(49)に記載の方法。
(51)
前記白金化合物がカルボプラチンである、(50)に記載の方法。
(52)
前記組成物が抗炎症薬を含む、(43)に記載の方法。
(53)
前記抗CD38ポリペプチド抗体がヒト化抗体である、(43)に記載の方法。
(54)
前記抗CD38ポリペプチド抗体がキメラ抗体である、(43)に記載の方法。
(55)
前記組成物が注射により投与される、(43)に記載の方法。
(56)
前記組成物の前記投与が無増悪生存率を25パーセント増大させるのに有効である、(43)に記載の方法。
(57)
前記組成物の前記投与が無増悪生存率を50パーセント増大させるのに有効である、(43)に記載の方法。
(58)
前記組成物の前記投与が無増悪生存率を75パーセント増大させるのに有効である、(43)に記載の方法。
(59)
前記組成物の前記投与が無増悪生存率を100パーセント増大させるのに有効である、(43)に記載の方法。
(60)
前記組成物の前記投与は、前記骨髄腫に罹患した哺乳類集団の進行までの時間の中央値が少なくとも150日である条件下にある、(43)に記載の方法。
(61)
前記組成物の前記投与は、前記骨髄腫に罹患した哺乳類集団の進行までの時間の中央値が少なくとも165日である条件下にある、(43)に記載の方法。
(62)
前記組成物の前記投与は、前記骨髄腫に罹患した哺乳類集団の進行までの時間の中央値が少なくとも170日である条件下にある、(43)に記載の方法。
(63)
前記組成物の前記複合体のうち少なくとも5パーセントの平均径が0.2μm〜0.9μmである、(43)に記載の方法。
(64)
前記組成物の前記複合体のうち少なくとも5パーセントの平均径が0.2μm〜0.8μmである、(43)に記載の方法。
(65)
前記組成物の前記複合体のうち少なくとも5パーセントの平均径が0.2μm〜0.7μmである、(43)に記載の方法。
(66)
前記組成物の前記複合体のうち少なくとも5パーセントの平均径が0.2μm〜0.6μmである、(43)に記載の方法。
(67)
前記組成物の前記複合体のうち少なくとも5パーセントの平均径が0.2μm〜0.5μmである、(43)に記載の方法。
(68)
前記組成物の前記複合体のうち少なくとも5パーセントの平均径が0.2μm〜0.4μmである、(43)に記載の方法。
(69)
前記組成物の前記複合体のうち少なくとも10パーセントの平均径が0.1〜0.9μmである、(43)に記載の方法。
(70)
前記組成物の前記複合体のうち少なくとも50パーセントの平均径が0.1〜0.9μmである、(43)に記載の方法。
(71)
前記組成物の前記複合体のうち少なくとも75パーセントの平均径が0.1〜0.9μmである、(43)に記載の方法。
(72)
前記組成物の前記複合体のうち少なくとも90パーセントの平均径が0.1〜0.9μmである、(43)に記載の方法。