【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)車両のドアを施錠するための機能を有する車載機器に対して、前記ドアを施錠するためのドアロックの信号を無線送信する機能を有する遠隔制御装置が前記ドアロックの信号を無線送信したときに無線送信される、前記ドアロックに基づく信号を受信可能な携帯機器であって、前記ドアロックに基づく信号を受信したときに、前記車両に関する位置情報を記憶する機能と、前記位置情報を報知手段に報知させる機能と、を備える携帯機器とするとよい。
【0008】
このようにすれば、ドアロックに基づく信号を受信したときに、車両に関する位置情報を記憶することができるので、車両に関する位置情報を記憶させるための操作を行うことなく、携帯機器へ、車両に関する位置情報を記憶させることができる。このようにして記憶した位置情報を報知すれば、ユーザが車両を容易に探索することができる。
【0009】
前記ドアロックの信号は、ユーザの操作によって遠隔制御装置から無線送信されてもよいが、遠隔制御装置を所持するユーザが車両の車載機器から離れたときに、自動的に無線送信されるとよい。このようにすれば、ユーザは、ドアのロックなど何ら操作をすることなく、位置情報を記憶させることができる。
【0010】
「ドアを施錠するための機能」は、無線送信された信号に基づいて、車両のドアを施錠する機能であるとよいが、例えば無線送信された信号に基づいて、車両のドアに設けられた鍵を動かしてドアを施錠するものとするとよい。
【0011】
「車載機器」は、例えば、車両メーカーの純正のキーレスエントリーシステムなど、車両に予め搭載された機器としてもよいが、ユーザが車両を購入した後に、後から車両に取り付けられる機器とするとよい。例えば量販店等で車両に後付されるエンジンスタータ又はカーセキュリティのようなシステムであるとよい。
【0012】
「ドアロックの信号」は、車両のドアを施錠するための信号とするとよく、例えば車載機器が受信することができ、車載機器にドアの施錠をさせるための信号とするとよい。
【0013】
「ドアロックの信号に基づく信号」は、ドアロックの信号そのものとするとよいが、例えば遠隔制御装置がドアロックの信号を出力したことを示す信号とするとよい。このようにすれば、ドアロックの信号を携帯機器が直接受信できないときでも、携帯機器は、ドアロックに基づく信号を受信して、車両に関する位置情報を記憶することができる。
【0014】
ドアロックの信号に基づく信号は、車載機器から出力されてもよいが、遠隔制御装置から出力されるものとするとよい。このようにすれば、例えば、携帯機器を所持するユーザによって遠隔制御装置が操作されたところが、車両から離れたところであっても、携帯機器がドアロックの信号を受信することを確実にすることができる。
【0015】
「ドアロックの信号に基づく信号」は、無線によって出力される信号であるとよく、例えばブルートゥース(登録商標)の規格に準じて出力される信号であるとよい。
【0016】
「前記ドアロックに基づく信号を受信したとき」は、遠隔制御装置が前記ドアロックの信号を無線送信したときに、遠隔制御装置又は車載機器等が送信した前記ドアロックに基づく信号を携帯機器が受信したときとするとよい。
【0017】
「遠隔制御装置」は、純正の遠隔制御装置とするとよい。例えば、純正のキーレスエントリーシステムのリモートコントローラや、エンジンスタータのリモートコントローラとするとよい。「遠隔制御装置」は、ドアロックの信号を無線送信するものであればよいが、例えばドアロックの信号を出力したことを示すドアロックの信号に基づく信号を無線送信するものであるとよい。
【0018】
「車両に関する位置情報」は、車両の位置を示す情報としてもよいが、車両の位置を推定可能な情報としたり、車両の位置の近傍の位置を示す情報としたりしてもよい。車両に関する位置情報は、単に携帯機器で取得した携帯機器自体の現在の位置情報そのものとしてもよく、必ずしも携帯機器が車両の位置であると判定した位置情報とする必要はない。
【0019】
「報知手段」は、位置情報によって特定される位置を、携帯機器のユーザに報知するものであればよいが、例えば、携帯機器のディスプレイや、スピーカ、バイブレーション機能等とするとよい。
【0020】
「報知手段」は、機器の振動、音、或いは光など、人が認識することが可能な方法で位置情報の報知を行うものであればよいが、特に位置情報を表示するものであるとよい。
【0021】
(2)前記携帯機器は、前記ドアロックの信号を受信したときに、前記車両に関する前記位置情報を記憶するとよい。
【0022】
このようにすれば、遠隔制御装置からドアロックの信号を無線送信するだけで、携帯機器に位置情報を記憶させることができ、その位置情報を報知させることができる。例えば遠隔制御装置を純正のキーレスエントリーシステムのリモートコントローラとして構成すれば、ユーザは携帯機器を準備するだけで、前記位置情報に基づいて車両の探索をすることができる。
【0023】
(3)前記遠隔制御装置は、前記ドアロックの信号を無線送信したときに、前記ドアロックの信号に基づく信号を無線送信するとよい。
【0024】
このようにすれば、例えば携帯機器がドアロックの信号を受信することができないものであるようなときにも、前記位置情報を携帯機器へ記憶させることができる。
【0025】
(4)前記車載機器は、前記遠隔制御装置からの前記ドアロックの信号を受信したときに、前記ドアロックに基づく信号を無線送信する機能を備え、
前記携帯機器は、前記車載機器が無線送信した前記ドアロックに基づく信号を受信したときに、前記位置情報を記憶するとよい。
【0026】
このようにすれば、遠隔制御装置がドアロックの信号を受信したときにドアロックに基づく信号が出力されるので、ユーザは、携帯機器が位置情報を記憶することで、遠隔制御装置がドアロックの信号を受信したことがわかる。
【0027】
(5)前記携帯機器は、現在の前記携帯機器の位置を特定する機能を備え、前記ドアロックに基づく信号を受信したときに、特定した現在の位置を示す前記位置情報を記憶するとよい。
【0028】
このようにすれば、車両のドアを施錠したときにユーザが所持する携帯機器の位置を示す位置情報を記憶することができる。例えば、ユーザは、車両を駐車した場所の近くにあるショッピングセンターの入口付近などでドアの施錠を行うことで、当該入口を示す位置情報を記憶させることができる。
【0029】
(6)前記車載機器は、現在の前記車両の位置を特定して、前記携帯機器に無線送信する機能を備え、前記携帯機器は、前記ドアロックの信号に基づく信号を受信したときに、前記車載機器が特定した前記車両の位置を示す前記位置情報を記憶するとよい。
【0030】
このようにすれば、車両そのものの位置を示す位置情報を記憶することができる。また、例えば携帯電話に位置を特定する機能がないときであっても、車両の位置情報を記憶することができるので、携帯機器を用いた車両の探索ができる。
【0031】
(7)前記報知手段は、前記位置情報に示される位置を、地図上にマッピングするとよい。
【0032】
このようにすれば、ユーザは、地図上に表示される車両に関する位置を見て、車両を探索することができる。特に、携帯機器で表示可能な地図情報は、例えばカーナビゲーションシステムの地図情報よりも更新周期が短くほぼリアルタイムに更新されるので、新しく建設されたランドマークなどとともに車両位置を確認することが容易になる。
【0033】
(8)前記報知手段は、現在の前記携帯機器の位置から前記位置情報に示される位置への方向を表示するとよい。
【0034】
このようにすれば、車両へ戻るための方向を直接的に把握することができる。特に、ユーザが車両から遠く離れているときなどには、進むべきおおよその方向の確認が容易になる。
【0035】
(9)前記報知手段は、現在の前記携帯機器の位置を中心として規定されるレーダーチャート上へ、前記位置情報に示される位置を表示するとよい。
【0036】
このようにすれば、ユーザは、現在位置と車両との相対位置関係を容易に確認することができる。
【0037】
(10)前記報知手段は、現在の前記携帯機器の位置と前記位置情報に示される位置との距離に応じた態様で、前記位置情報に示される位置を表示するとよい。
【0038】
このようにすれば、ユーザと車両と位置に応じて最適な位置情報を報知することができる。
【0039】
「距離に応じた態様」とは、車両とユーザとの距離が相当程度離れているときには、例えば地図上に車両の位置を表示し、車両とユーザがある程度接近したときには、例えばレーダーチャート上に車両の位置を表示するとよい。
【0040】
(11)前記位置情報は、GPS信号とWi−Fiネットワークからの信号とを選択的に用いて特定されるとよい。
【0041】
このようにすることで、例えば屋内駐車場ではWi−Fiネットワークからの信号に基づいて、現在の位置情報を計測し、屋外などではGPS信号に基づいて、現在の位置情報を計測するなど、周りの環境に応じて、計測に利用する信号を選択することが可能となる。このように、環境に応じて計測に利用する信号を選択することで、正確な位置情報を記憶することができるので、ユーザによる車両の探索精度が向上する。
【0042】
(12)前記携帯機器はスマートフォンであるとよい。
【0043】
スマートフォンは、報知手段を備え、種々のアプリケーションを実行することができるので、車両のドアを施錠するためのドアロックの信号に基づく信号を受信したときに、前記車両に関する位置情報を記憶する機能を実現するためのアプリケーションを、ユーザが所持する携帯機器にダウンロードするだけで、車両のドアを施錠したときに、車両に関する位置情報を記憶させることができるようになる。
【0044】
(13)前記車載機器は、前記車両のイグニッションスイッチがオフになったことを検出し、前記車両のイグニッションスイッチがオフになったときに、現在の前記車両の位置を特定して、前記携帯機器に無線送信する機能を備え、前記携帯機器は、前記ドアロックの信号に基づく信号を受信したときに、前記車載機器が特定した位置を示す前記位置情報を記憶するとよい。
【0045】
このようにすれば、携帯機器が位置を特定することができない環境にあっても、携帯機器に位置情報を記憶させることができる。そして、このようにして記憶した位置情報を報知すれば、ユーザが車両の探索をすることを容易にすることができる。
【0046】
(14)前記遠隔制御装置は、前記携帯機器から無線送信される出力指示信号を受信すると、前記ドアロックの信号を無線送信する機能を有し、前記携帯機器は、ユーザから、前記車両の前記ドアを施錠するための施錠指令を受け付けるインタフェースを有し、前記インタフェースを介して、前記施錠指令を受け付けたときに、前記出力指示信号を無線送信する機能を有するとよい。
【0047】
このようにすれば、ユーザは、遠隔制御装置を操作することなく、携帯機器を使って車両のドアを施錠することができるので、ユーザは、遠隔制御装置の使用が不便なときにも、携帯機器を使って容易にドアを施錠することができる。
【0048】
(15)前記車載機器は、車両の位置を報知するための機能を有し、前記遠隔制御装置は、前記車載機器に、前記報知をするための報知信号を無線送信する機能を有し、前記携帯機器は、前記遠隔制御装置に対して、前記報知信号を無線送信するための報知指示信号を無線送信する機能を有するとよい。
【0049】
このようにすれば、携帯機器を使って車載機器に車両の位置を報知させることができるので、ユーザによる車両の探索が容易になる。
【0050】
「車両の位置の報知」は、例えば、ハザードランプの点滅やエンジンの始動、音声の出力などとするとよい。
【0051】
(16)前記携帯機器は、現在の位置と前記位置情報に示される位置との距離が所定の距離より小さくなったときに、前記報知指示信号を無線送信するとよい。
【0052】
このようにすれば、携帯機器を所持したユーザが車両の近くに来た時に、車載機機器によって車両の位置の報知が行われるので、車両の発見が容易になる。
【0053】
(17)前記携帯機器は、前記ドアロックの信号に基づく信号を受信したときに、前記携帯機器による写真撮影の指示を報知するとよい。
【0054】
このようにすれば、ユーザが携帯機器を使って写真撮影したときには、例えば車両を駐車した後にドアの施錠を行った場所の画像を後々確認することができるので、車両の探索が容易になる。
【0055】
(18)(1)乃至(17)の構成と、車両のドアを施錠するための機能を有する車載機器と、前記車載機器に対して、前記ドアを施錠するためのドアロックの信号を無線送信する機能を有する遠隔制御装置と、を備えるとよい。
【0056】
このようにすれば、ユーザは、車両のドアを施錠したときに、ドアの施錠とは別に車両に関する位置情報を記憶させるための操作を行うことなく、携帯機器へ、車両に関する位置情報を記憶させることができる。このようにして記憶した位置情報を報知すれば、ユーザが車両の探索をすることを容易にすることができる。
【0057】
(19)前記遠隔制御装置は、前記遠隔制御装置の位置と前記車両との距離に応じた電力で、前記車載機器へ前記ドアロックの信号を無線送信するとよい。
【0058】
このようにすれば、遠隔制御装置と車両の車載機器との距離が短いときには、少ない電力で無線通信が行われるので、遠隔制御装置での消費電力を低減することができる。
【0059】
「距離に応じた電力」は、例えば遠隔制御装置と車載機器との間で通信が可能となる電波を射出するために最低限必要な電力とするとよい。
【0060】
(20)前記携帯機器は、現在の位置を特定する機能を備え、前記現在の位置と前記位置情報に示される位置との距離に基づいて、前記ドアロックの信号を無線送信するために最低限必要な電力を算出し、前記遠隔制御手段は、前記携帯機器が算出した電力で前記ドアロックの信号を無線送信するとよい。
【0061】
このようにすれば、ドアロックの信号を送信するための電力の算出を遠隔制御手段が行う必要がないので、遠隔制御手段で電力の算出のための電力が消費されることがなくなる。このように、遠隔制御手段での電力の消費が低減されるので、例えば遠隔制御手段に使用される電池の寿命を延ばすことができる。
【0062】
(21)例えば上記(1)から(20)のいずれかの携帯機器の機能を、コンピュータに実現させるためのプログラムとして構成するとよい。