【文献】
ファイティングスタジオ,プレイステーション▲R▼完璧攻略シリーズ▲114▼ ブレス オブ ファイア IV 〜うつろわざるもの〜 必勝攻略法 初版 BREATH OF FIRE IV,株式会社双葉社 諸角 裕,2000年 6月15日,第1版,PP.219
【文献】
ステラ,ファンタシースターオンライン2 PHANTASY STAR ONLINE 2,電撃PlayStation 第21巻 第1号,株式会社KADOKAWA,2014年12月25日,第21巻,PP.216,219
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
図1の情報処理システム1は1台以上のクライアント端末2とゲームサーバ装置3とがインターネット等のネットワーク4を介して接続されている。
【0012】
クライアント端末2はプレイヤが操作するPC、スマートフォン、タブレットなどの端末装置、家庭用や業務用のゲーム専用機器などの端末装置である。ゲームサーバ装置3はクライアント端末2でプレイヤにより行われるゲームの管理や制御、ゲーム内での課金処理等を行う。
【0013】
図1の情報処理システム1は一例であって用途や目的に応じて様々なシステム構成例があることは言うまでもない。例えば
図1のゲームサーバ装置3は複数のコンピュータに分散して構成してもよい。
【0014】
<ハードウェア構成>
《クライアント端末及びゲームサーバ装置》
図1のクライアント端末2及びゲームサーバ装置3は、例えば
図2に示すハードウェア構成のコンピュータにより実現される。
図2は、本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【0015】
図2のコンピュータは、入力装置501、表示装置502、外部I/F503、RAM504、ROM505、CPU506、通信I/F507、及びHDD508などを備えており、それぞれがバスBで相互に接続されている。なお、入力装置501及び表示装置502は必要なときに接続して利用する形態であってもよい。
【0016】
入力装置501はプレイヤが各種信号を入力するのに用いるタッチパネル、操作キーやボタン、キーボードやマウスなどである。表示装置502は画面を表示する液晶や有機ELなどのディスプレイである。通信I/F507はコンピュータをネットワーク4に接続するインタフェースである。これによりコンピュータは通信I/F507を介してデータ通信を行うことができる。
【0017】
また、HDD508はプログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。格納されるプログラムやデータにはコンピュータ全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションなどがある。
【0018】
なお、コンピュータはHDD508に替えて、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSD)を利用するものであってもよい。
【0019】
外部I/F503は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体503aなどがある。これにより、コンピュータ500は外部I/F503を介して記録媒体503aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体503aにはフレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリなどがある。
【0020】
ROM505は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM505にはコンピュータの起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM504はプログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。
【0021】
CPU506は、ROM505やHDD508などの記憶装置からプログラムやデータをRAM504上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ全体の制御や機能を実現する演算装置である。なお、
図2のコンピュータは音を出力するスピーカを有していてもよい。また、
図2のコンピュータは音を入力するマイクを有していてもよい。
【0022】
本実施形態に係るクライアント端末2及びゲームサーバ装置3は上記したハードウェア構成のコンピュータにおいてプログラムを実行することにより後述するような各種処理を実現できる。
【0023】
<ソフトウェア構成>
本実施形態に係る情報処理システム1のソフトウェア構成について説明する。
図1の情報処理システム1は例えば
図3に示す処理ブロックにより実現される。
図3は本実施形態に係る情報処理システムの一例の処理ブロック図である。
【0024】
情報処理システム1のゲームサーバ装置3はプログラムを実行することにより、通信部10、制御部12、記憶部14を実現する。制御部12はゲーム進行部20、クエスト進行部22、エントリー受付部24を有する構成である。また、記憶部14はクエスト情報記憶部30、パーティー情報記憶部32、ダメージ情報記憶部34、エネミー情報記憶部36、プレイヤ情報記憶部38を有する構成である。
【0025】
また、情報処理システム1のクライアント端末2はプログラムを実行することにより操作受付部50、制御部52、記憶部54、通信部56、画面表示部58を実現する。制御部52は操作内容送信部66、表示制御部68を有する構成である。
【0026】
ゲームサーバ装置3の通信部10はクライアント端末2との通信を行う。制御部12はゲーム及びクエストに関する処理を行い、ゲーム及びクエストを進行させる。記憶部14はゲーム及びクエストに関する情報を記憶する。
【0027】
制御部12のゲーム進行部20はクライアント端末2がプレイヤから受け付けた操作内容に基づき、ゲームを進行させる。クエスト進行部22はクライアント端末2がプレイヤから受け付けた操作内容に基づき、クエストを進行させる。エントリー受付部24は発生しているクエストに対するエントリー(参加)を、クライアント端末2を操作するプレイヤから受け付ける。
【0028】
クエストとはゲーム内においてプレイヤが受注(参加)可能な課題であり、一定の条件を満たすことによりクリアできる。プレイヤは発生しているクエストを受注し、クリアすることにより報酬を得たり、ゲームを進行させたり、することができる。クエストには常時発生しているもの、クリアすると消えてしまうもの、予告された期間に発生するものやランダムに発生するもの、など様々な種類のものが存在する。なお、クエストという名称は一例であって、ゲーム内においてプレイヤが参加可能な課題であり、一定の条件を満たすことによりクリアできるものであれば、他の名称であってもよい。
【0029】
ゲーム進行部20はゲームの進行に基づき、クライアント端末2で各種画面を表示するためのパラメータをクライアント端末2に応答する。また、クエスト進行部22はクエストの進行に基づき、クライアント端末2で各種画面を表示するためのパラメータをクライアント端末2に応答する。さらに、エントリー受付部24はクエストへのエントリーを受け付けるための各種画面をクライアント端末2に表示させるためのパラメータをクライアント端末2に応答する。
【0030】
記憶部14のクエスト情報記憶部30は後述するようなクエストに関するクエスト情報を記憶している。また、パーティー情報記憶部32は後述するようなパーティーに関するパーティー情報を記憶しており、例えば同一パーティーを構成するプレイヤを識別する情報が含まれる。
【0031】
また、ダメージ情報記憶部34は後述するようなダメージ情報をパーティー毎に記憶しており、エネミーに与えた合計ダメージを後述する属性毎に記憶している。エネミー情報記憶部36は後述するようなエネミーに関するエネミー情報を記憶しており、エネミーの弱点属性の情報が含まれる。また、プレイヤ情報記憶部38は後述するようなプレイヤに関するプレイヤ情報を記憶しており、例えばプレイヤによる攻撃属性の情報が含まれる。
【0032】
クライアント端末2の操作受付部50はクライアント端末2を操作するプレイヤからの操作を受け付ける。また、制御部52はクライアント端末2におけるゲーム、クエスト及びクエストへのエントリーに関する処理を行う。また、制御部52の操作内容送信部66は操作受付部50がプレイヤから受け付けた操作の内容を、ゲームサーバ装置3に対して送信する。
【0033】
表示制御部68は、操作内容送信部66がゲームサーバ装置3に対して送信した操作内容に対する応答として各種画面を表示するためのパラメータを受信する。表示制御部68は受信したパラメータに応じた画面が画面表示部58に表示されるように制御を行う。
【0034】
また、記憶部54はクライアント端末2において必要となる情報を記憶している。例えば記憶部54は画面表示部58が表示する画面の画面データを記憶している。通信部56はゲームサーバ装置3との通信を行う。画面表示部58は表示制御部68の制御に従って画面表示を行う。
【0035】
なお、
図3の情報処理システム1の構成は一例であって、ゲームサーバ装置3側の処理ブロックの少なくとも一部がクライアント端末2側に設けられてもよい。例えば
図3の情報処理システム1においてゲームサーバ装置3に設けられていたゲーム進行部20、クエスト進行部22、エントリー受付部24がクライアント端末2の制御部52に設けられた構成であってもよい。クライアント端末2に設けられたゲーム進行部20、クエスト進行部22、エントリー受付部24は必要な情報をゲームサーバ装置3から取得する。
【0036】
このように、本実施形態に係る情報処理システム1はゲーム及びクエストの進行、クエストへのエントリー受付を、クライアント端末2で行ってもゲームサーバ装置3で行ってもよい。また、本実施形態に係る情報処理システム1はクエストの進行、クエストへのエントリー受付を、ゲームサーバ装置3以外の他のサーバ装置で行うようにしてもよい。
【0037】
図4はクエスト進行部の一例の処理ブロック図である。クエスト進行部22は、戦闘制御部40、属性毎ダメージ集計部42、属性選択部44、耐性変更部46を有する構成である。
【0038】
戦闘制御部40はクエスト内において発生する戦闘の制御を行う。属性毎ダメージ集計部42はクエスト内において発生した戦闘においてプレイヤがエネミーに与えたダメージを属性毎に集計し、ダメージ情報としてダメージ情報記憶部34に記憶させる。属性選択部44はダメージ情報に基づき、属性を後述のように選択する。耐性変更部46は属性選択部44が選択した属性をエネミーの弱点属性としてエネミー情報記憶部36が記憶しているエネミー情報を更新する。
【0039】
図5はクエスト情報記憶部が記憶するクエスト情報の一例の構成図である。
図5のクエスト情報はクエストID、クエスト名、開始時間、終了時間、エネミーIDなどを項目として有する。クエストIDはクエストを識別する情報の一例である。クエスト名はクエストの名称である。開始時間はクエストの発生する時間である。終了時間は発生していたクエストのエントリー受付が終了する時間である。エネミーIDはクエスト中に登場するエネミーを識別する情報の一例である。
【0040】
図6はパーティー情報記憶部が記憶するパーティー情報の一例の構成図である。
図6のパーティー情報はパーティーID、クエストID、構成プレイヤIDなどを項目として有している。パーティーIDはパーティーを識別する情報の一例である。また、構成プレイヤIDはパーティーを構成するプレイヤを識別する情報の一例である。
【0041】
図7はダメージ情報記憶部が記憶するダメージ情報の一例の構成図である。ダメージ情報記憶部34はダメージ情報をパーティー毎に記憶する。
図7は、1つのパーティーのダメージ情報を示している。
図7のダメージ情報は項目として属性、合計ダメージ、順位を有する。
【0042】
属性はプレイヤによる攻撃属性を識別する情報の一例である。プレイヤによる攻撃属性は武器などのキャラクタが装備(所持)しているアイテムの属性であっても、プレイヤそのものの属性であってもよい。
図7は武器のカテゴリを属性とした例である。
【0043】
合計ダメージは同一パーティーのプレイヤがエネミーに対して与えたダメージの合計を属性毎に保存した値である。なお、合計ダメージはプレイヤがエネミーに与えた影響値の一例である。プレイヤがエネミーに与える影響値(値)としては、プレイヤがエネミーに対して攻撃を行った回数などであってもよい。
【0044】
順位は各属性の合計ダメージによるランキングを表す。順位はリアルタイムのランキングを反映させてもよいが、例えば属性選択部44が属性を選択するタイミングでランキングを反映させてもよい。
【0045】
図8はエネミー情報記憶部が記憶するエネミー情報の一例の構成図である。エネミー情報は項目としてエネミーID、弱点属性、第1形態HP〜第3形態HPを有する。弱点属性はエネミーの弱点である属性を表している。プレイヤによる攻撃の属性がエネミーの弱点属性と一致するとき、エネミーに対して与えるダメージは、エネミーの弱点属性と一致しないときのダメージよりも増加する。第1形態HP〜第3形態HPは、プレイヤによる攻撃により第1〜第3形態に変化するエネミーの第1〜第3形態のヒットポイントを表している。例えば
図8のエネミー情報が表すエネミーは、同一パーティーのプレイヤによる攻撃の合計ダメージが252000を超えると、第1形態から第2形態に変化し、合計ダメージが350000を超えると、第2形態から第3形態に変化する。
【0046】
図9はプレイヤ情報記憶部が記憶するプレイヤ情報の一例の構成図である。プレイヤ情報は項目としてプレイヤID、属性、HPを有する。プレイヤIDはプレイヤを識別する情報の一例である。属性はプレイヤの攻撃属性を表す。HPはプレイヤのヒットポイントを表している。
【0047】
<処理>
以下、情報処理システム1のクエスト処理について説明していく。
【0048】
《クエストの概要》
図10は本実施形態のクエストの流れを表した一例のフローチャートである。ステップS11において、ゲームサーバ装置3のエントリー受付部24はクエスト情報記憶部30に記憶されている
図5のようなクエスト情報の開始時間を参照し、クエストの開始時間となるまで待機する。
【0049】
クエストの開始時間となると、エントリー受付部24はステップS12に進み、クエストを発生させて、そのクエストに対するエントリーを、クライアント端末2を操作するプレイヤから受け付ける。クエスト進行部22の戦闘制御部40はクエストの戦闘を開始する条件を満たす(ステップS13における判断がYESとなる)まで待機する。
【0050】
なお、クエストの戦闘を開始する条件は、例えばエントリーを受け付けたプレイヤの人数がパーティーの上限人数に達したとき、プレイヤが戦闘を開始するボタンなどを押下したとき、最後のプレイヤからのエントリーを受け付けてから所定時間が経過したとき等である。
【0051】
クエストの戦闘を開始する条件を満たすと、戦闘制御部40はステップS14においてクエストの戦闘処理を行う。ステップS14のクエストの戦闘処理は例えば
図11に示すように行われる。
【0052】
《クエストにおける戦闘処理》
図11はクエストにおける戦闘処理の一例のフローチャートである。なお、
図11に示したクエストにおける戦闘処理は、エネミーの形態が変化するときにエネミーの弱点属性を変化させる仕組みを説明するものであり、戦闘画面の制御など、エネミーの弱点属性を変化させる仕組みの説明に不要な処理を省略している。
【0053】
ステップS21に進み、戦闘制御部40は戦闘に必要なパラメータを記憶部14から読み出す。戦闘に必要なパラメータとしては、
図8のエネミー情報、
図9のプレイヤ情報等である。
【0054】
ステップS22に進み、クエストにおいてエネミーに対するプレイヤの攻撃が発生すると、戦闘制御部40はステップS23に進む。ステップS23において、戦闘制御部40は後述するようにダメージ量の算出を行う。属性毎ダメージ集計部42はステップS24に進み、算出したダメージ量を、プレイヤの攻撃の属性に従い、
図7のダメージ情報の合計ダメージに加算する。
【0055】
例えば
図7のダメージ情報は、属性が「ソード」の攻撃によりエネミーが50000のダメージを受けており、属性が「ソード」の攻撃の合計ダメージのランキングが1位であることを表している。
【0056】
ステップS23、S24の処理は、戦闘が終了する(ステップS25において判定がYESとなる)か、エネミーの形態の変化が発生する(ステップS26において判定がYESとなる)まで繰り返される。エネミーの形態の変化が発生すると、属性選択部44はステップS27に進み、エネミーの弱点属性の決定処理を行う。なお、エネミーの弱点属性の決定処理はエネミーの形態が変化するタイミングの他、エネミーのヒットポイントが所定割合まで低下したタイミングなど様々考えられる。戦闘の途中で弱点属性が新しく付与されることで、それまで活躍できていなかったキャラクタが同一の戦闘内で活躍できるようになる。
【0057】
エネミーの弱点属性の決定処理は、エネミーの形態の変化までにエネミーに与えた攻撃属性ごとの合計ダメージのランキングに基づき、エネミーの次の形態における弱点属性を決定する処理である。ステップS27の弱点属性の決定処理の詳細は後述する。ステップS27の弱点属性の決定処理のあと、戦闘制御部40はエネミーに対するプレイヤの攻撃が発生するまでステップS22において待機する。また、戦闘が終了すると、
図11に示したフローチャートの処理は終了する。戦闘に制限時間がある場合、制限時間に達した時点で
図11に示したフローチャートの処理は終了する。
【0058】
《弱点属性の決定》
図12は弱点属性の決定処理の一例のフローチャートである。ステップS31において属性毎ダメージ集計部42は
図7に示したダメージ情報について、形態の変化が生じるまでに同一パーティーに所属するプレイヤがエネミーに与えたダメージ量を、属性毎の合計ダメージによりランキング化する。
【0059】
ステップS32に進み、属性選択部44はランキングされた属性毎の合計ダメージに基づいて、ランキングが例えば1位、2位以外の順位の2つの属性を選択する。複数の属性を選択することで、活躍していないプレイヤへ活躍する機会を付与しやすくなる。ステップS32において選択される候補から除外される1位、2位の順位は一例である。例えば属性選択部44はステップS32において、ランキングが1位から5位の属性を、選択される候補から除外するようにしてもよい。また、ステップS32において選択される属性の数は2つに限定されるものでなく、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0060】
属性選択部44は、例えば1位、2位以外の順位から2つの属性をランダムに選択してもよい。ランダムに選択することで、プレイヤが変更後の敵の弱点属性を予測しにくくなり、マンネリ化を防止できる。1位、2位以外の順位を複数のグループにグループ化し、各グループから少なくとも一つの属性を選択してもよい。1位、2位以外の順位を複数のグループにグループ化し、各グループから少なくとも一つの属性を選択する場合は、活躍する機会を与えるプレイヤを、偏り無く選択できる。
【0061】
図7のダメージ情報の場合、属性選択部44は例えば1位、2位を除外し、残りの3位から6位の属性からランダムで1つの属性を選択し、7位から12位の属性からランダムで1つの属性を選択するようにしてもよい。
【0062】
このような選択により、属性選択部44はエネミーの形態の変化が生じるまでに活躍していた1位、2位の上位の属性以外であって、3位から6位の中位の属性から1つの属性を選択し、7位から12位の下位の属性から1つの属性を選択できる。
【0063】
なお、属性選択部44はエネミーの形態の変化が生じるまでに使用された属性の中から選択することが望ましいが、例えば3位から12位までの抽選枠の合計よりもダメージを与えていた属性が少なければ、ダメージが「0」の属性からランダムに選択した属性で抽選枠を埋めることが考えられる。
【0064】
また、1位、2位を除く残りの属性の数(種類)が、少なくとも2以上ある場合は、選択対象となる属性の数を当該残りの属性の数より少なくしてもよい。このような構成により、活躍したプレイヤ(1位、2位)だけでなく、活躍していないそれ以外のプレイヤの一部に対しても(攻撃)属性の変更を促すことができる。
【0065】
属性選択部44は、最もダメージを与えなかった属性を選択対象から除外してもよい。このような構成により、プレイヤが変更後の敵の弱点属性を予測しにくくなる。
【0066】
ステップS33に進み、耐性変更部46はステップS32で選択した属性をエネミーの弱点属性として、エネミー情報記憶部36が記憶しているエネミー情報を更新する。戦闘制御部40はステップS34において、クエストの戦闘画面上にエネミーの弱点属性を表すアイコンを例えば
図13に示すように表示する。
【0067】
図13は、弱点属性のアイコンが表示されたクエストの戦闘画面の一例のイメージ図である。
図13の戦闘画面1000には弱点属性のアイコンを表示する弱点表示UI1002が含まれている。
【0068】
また、エネミーの形態が変化する画面1010において、エネミーの弱点属性が付加されたことを告知する告知欄1012を
図14や
図15に示すように表示してもよい。
図14及び
図15はエネミーの弱点属性が付加されたことを告知する告知欄が表示された画面の一例のイメージ図である。エネミーの弱点属性は常時表示してもよいし、戦闘の進行や状況に応じて表示する時期と表示しない時期を分けてもよい。例えば、プレイヤ側の形勢が不利の時に表示する形態であれば、プレイヤ側のプレイをアシストすることができる。なお、弱点属性が表示されずにエネミーを撃破した場合(終始有利な展開で戦闘が進行した場合等)は、戦闘中に弱点属性が表示された上でエネミーを撃破した場合(少なくとも戦闘における形勢が不利なタイミングがあった場合)と比べて戦闘後に報酬を多く付与する等することで、プレイヤのプレイの向上心を煽ることができる。
【0069】
属性選択部44によって選択された属性について、エネミーの弱点属性として新たに付加する形態に限らず、例えば、それまでの弱点属性と入れ替える形態であってもよい。新たに付加する形態と比べて、弱点属性の数が増えないのでエネミーの強さ(ゲーム難易度)に変化が出にくく、ゲーム性を維持しやすい。
【0070】
《ダメージ量の算出》
図11のステップS23において、戦闘制御部40は例えば
図16のようにダメージ量の算出を行う。
図16はダメージ量の算出処理の一例のフローチャートである。ステップS41において、戦闘制御部40は既存の方法によりダメージ量の計算を行う。例えば戦闘制御部40はプレイヤ側の攻撃力やエネミーの防御力、素早さなどのパラメータを利用して、エネミーが受けるダメージ量を計算する。
【0071】
ステップS42に進み、戦闘制御部40はエネミー情報の弱点属性とプレイヤ情報の属性とを参照して、プレイヤがエネミーの弱点属性のカテゴリの武器を使用中か否かを判定する。
【0072】
プレイヤがエネミーの弱点属性のカテゴリの武器を使用中であれば、戦闘制御部40はステップS43に進み、ステップS41で計算したダメージ量を増加させる。ダメージ量を増加させる割合は、ゲームバランスなどを考慮して決定すればよい。なお、プレイヤがエネミーの弱点属性のカテゴリの武器を使用中でなければ、戦闘制御部40はステップS43の処理をスキップする。したがって、プレイヤがエネミーの弱点属性のカテゴリの武器を使用中でなければ、ステップS41で計算したダメージ量は増加されない。
【0073】
図16のダメージ量の算出処理によれば、プレイヤはエネミーの弱点属性のカテゴリの武器を使用することで、より多いダメージをエネミーに与えることができる。例えば一つ前の形態のエネミーとの戦闘において合計ダメージが下位の属性の武器を使用していたプレイヤは、その武器がエネミーの弱点属性となれば、より活躍する機会が与えられることになる。また、使用している武器がエネミーの弱点属性とならなかったプレイヤは、使用する武器をエネミーの弱点属性の武器に変更することで、エネミーに与えるダメージ量を増加させることができる。
【0074】
例えばプレイヤはお気に入りの属性の武器を使用し続けることが多い。本実施形態の情報処理システム1では、エネミーの弱点属性以外の武器を使い続けてもエネミーに与えるダメージ量が減少する訳では無いため、お気に入りの属性の武器を使用し続けるという選択も可能である。
【0075】
一方で、使用する武器をエネミーの弱点属性の武器に変更することで、エネミーに与えるダメージ量を増加できるため、本実施形態の情報処理システム1ではお気に入り以外の属性の武器をプレイヤが使用するきっかけを与えることもできる。お気に入り以外の属性の武器を使用させることにより、本実施形態の情報処理システム1ではお気に入り以外の属性の武器の楽しさをプレイヤに気付かせることができる。
【0076】
本実施形態では武器のカテゴリ(ソードなど)を属性としたが、射撃、法撃、打撃などの攻撃のカテゴリを属性としてもよい。また、本実施形態では火、風、雷、氷、光、闇などの属性を利用することもできる。さらに、本実施形態では武器のカテゴリに替えてプレイヤのキャラクタを属性とすることもできる。キャラクタを属性とした場合、本実施形態ではダメージ情報記憶部34に各キャラクタがエネミーに与えた合計ダメージや回数をキャラクタ毎に記憶する。例えば、戦闘途中段階で、それまでに最もダメージを与えたキャラクタや最も攻撃回数の多いキャラクタ以外の特定のキャラクタのエネミーに対する攻撃力を増加させることで、活躍していなかったキャラクタを以降の戦闘で活躍させることができる。
【0077】
(まとめ)
以上、本実施形態によれば、クエストの戦闘の途中でエネミーの弱点属性が追加されるため、多くのプレイヤに活躍する機会を与えることができる。
[第2の実施形態]
発生している期間が決まっているクエストには、クエストへのエントリーが遅くなったプレイヤ(出遅れプレイヤ)やパーティー(出遅れパーティー)のクエストのクリアが困難なものもある。そこで、第2の実施形態は出遅れプレイヤがクエストをクリアし易くなるように救済する。なお、第2の実施形態は一部を除いて第1の実施形態と同様であるため、適宜説明を省略する。
【0078】
図17はクエスト進行部の他の例の処理ブロック図である。
図17のクエスト進行部22は
図4のクエスト進行部22にプレイヤ救済処理部48が追加された構成である。プレイヤ救済処理部48は出遅れプレイヤへの救済措置を行うものである。
【0079】
プレイヤに対する救済措置としては、エネミーを弱体化するデバフやプレイヤを強化するバフなどが考えられる。デバフ(debuff)とは指定したキャラクタに不利な状態を発生させる効果を言う。また、バフ(buff)とは指定したキャラクタに有利な状態を発生させる効果を言う。なお、バフやデバフの効果の程度はクエストの残り時間や同一パーティーに参加しているプレイヤ数に応じて変化させてもよい。
【0080】
図18はクエストにおける戦闘処理の他の例のフローチャートである。なお、
図18のフローチャートは、
図11のフローチャートにステップS52の処理が追加されたものである。
【0081】
ステップS51に進み、戦闘制御部40は戦闘に必要なパラメータを記憶部14から読み出す。ステップS52に進み、プレイヤ救済処理部48は出遅れプレイヤへの救済処理を行う。
【0082】
例えばエネミーを弱体化することにより出遅れプレイヤへの救済処理を行う場合、プレイヤ救済処理部48はステップS51で読み出した戦闘に必要なパラメータのうち、エネミーのパラメータ(例えばエネミーのヒットポイントなど)をエネミーが弱体化するように変更する。また、プレイヤを強化することにより出遅れプレイヤへの救済処理を行う場合、プレイヤ救済処理部48はステップS51で読み出した戦闘に必要なパラメータのうち、プレイヤのパラメータ(例えばプレイヤの攻撃力など)をプレイヤが強化されるように変更する。
【0083】
なお、ステップS53〜S58の処理は
図11のステップS22〜S27の処理と同様であるため、説明を省略する。ステップS52の出遅れプレイヤに対する救済の程度はクエストの残り時間に応じて変化させてもよい。このようにすることで、残り時間が少ないほど救済の程度が上がるため、出遅れプレイヤのプレイ意欲の低下を抑えることができる。また、複数のプレイヤでパーティーを結成してクエストを行う場合、同一パーティーのプレイヤ数に応じて救済の程度を変化させることで、パーティーのプレイヤ数が少ないほど出遅れプレイヤの救済の程度が大きくなるため、十分にメンバーを集めることが出来なかったパーティーに所属するプレイヤのプレイ意欲の低下を抑えることができる。更に、同一クエストに複数のパーティーがエントリーできる場合、他のパーティーによるエネミーの討伐数により出遅れプレイヤまたは出遅れパーティーの救済の程度を変化させてもよい。
【0084】
同一クエストにエントリーした他のパーティーによるエネミーの討伐数により出遅れプレイヤまたは出遅れパーティーに対する救済の程度を変化させる場合は、例えば同一サーバでゲームを楽しんでいるプレイヤ間でレイドボスとの戦闘(レイド型のクエスト)の盛り上がりをより表現できる。プレイヤ救済処理部48は例えば
図19に示すように出遅れプレイヤに対する救済の程度を変化させる。
【0085】
図19は出遅れプレイヤに付与するバフの一例の説明図である。
図19のバフは撃破達成率により3つのレベルに分けられている。
図19の撃破達成率は、例えば同一サーバで結成されたパーティーによるエネミーの討伐数に基づく値である。例えばエネミーの討伐数は、そのまま利用してもよいが、オンラインプレイヤ数に応じたエネミーの討伐目標数を設定し、その討伐目標数に対するエネミーの討伐数の達成率を撃破達成率として利用することで、クエスト毎のオンラインプレイヤ数の違いを吸収できる。
【0086】
図19に示すように、出遅れプレイヤに付与するバフのレベルは撃破達成率の上昇により大きくなる。なお、
図19における「PA」は必殺技などプレイヤに有利なアクションを含む特別な攻撃やコマンドのことであり、「PP」は「PA」を実行するために必要なポイントである。例えば
図19では撃破達成率「30%」を達成すると「PP+20」のバフが付与される。
【0087】
また、
図19では撃破達成率「50%」を達成すると「PP+20」のバフと「HP最大値+30%」のバフとが出遅れプレイヤに付与される。このように、
図19はバフの効果が追加される据え置き型のバフの例を表している。
【0088】
撃破達成率が上昇し、
図19のバフのレベルが上昇すると、本実施形態の情報処理システム1では例えば
図20のようなNPCとの会話画面1020により、バフのレベルが上昇したことをプレイヤに通知してもよい。
図20はバフのレベルが上昇したことをプレイヤに通知する会話画面の一例のイメージ図である。通知形態は会話シーンに限らず、現在のバフの状態の詳細をゲーム画面に重ねてウィンドウ表示してもよい。出遅れプレイヤにバフの状態を開示することで、出遅れプレイヤのプレイ意欲を向上させることができる。
【0089】
また、撃破達成率が上昇し、
図19のバフのレベルが上昇すると、本実施形態の情報処理システム1では例えば
図21に示すように戦闘画面1030へバフのレベル画面1032を表示するようにしてもよい。バフのレベル画面1032は現在の撃破達成率とバフのレベルとが表示される。
【0090】
なお、
図21では撃破達成率により発生するバフの名前を「A.R.K.S.」と記載している。なお、バフのレベル画面1032は例えばバフのレベルが上昇したタイミングの他、エネミーとの戦闘を開始するタイミングやエネミーの形態が変化するタイミングで表示してもよい。
【0091】
また、バフのレベル画面1032によるバフのレベル表示は、
図22に示すように行うこともできる。
図22はバフのレベル画面におけるバフのレベル表示の一例のイメージ図である。
図22(A)は
図21に示したバフのレベル画面1032と同様である。
【0092】
図22(B)はバフのレベル表示を枠の色により区分けする。例えば
図22(B)では銅色により「レベル1」を表し、銀色により「レベル2」を表し、また、金色により「レベル3」を表している。バフのレベルに応じて表示枠の色を変えることで、視認性が向上する。
【0093】
このように、本実施形態では、出遅れプレイヤ(パーティー)が期間の決まっているクエストをクリアし易くなるように救済できる。なお、出遅れプレイヤ(パーティー)が救済を受けなくても十分にクエストをクリアできるようなプレイヤレベル(パーティーレベル)であれば必ずしも救済を行わなくてもよい。パーティーレベルとは、例えば、パーティーに所属する各プレイヤのレベルや戦績などの情報を基に決定してもよい。
【0094】
(まとめ)
以上、本実施形態によれば、出遅れプレイヤ(パーティー)であっても、期間の決まっているクエストをクリアできる可能性が高まるため、より多くのプレイヤ(パーティー)に期間の決まっているクエストを楽しんで貰うことができる。
【0095】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。プレイヤの操作するキャラクタは特許請求の範囲に記載した
プレイヤキャラクタの一例である。エネミーは
敵キャラクタの一例である。異なるカテゴリの武器による攻撃は
属性情報及び敵キャラクタへの影響値が設定されたアクションの一例である。
【0096】
また、武器などのキャラクタが装備(所持)しているアイテムの属性は、アクションに
設定された属性
情報の一例である。プレイヤのキャラクタを属性とした場合においては、キャラクタ
キャラクタそのものがアクションに
設定された属性
情報の一例となる。プレイヤがエネミーに与えたダメージ、プレイヤがエネミーに対して攻撃を行った回数は、複数のアクション
の影響値の一例である。