(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記診断制御手段は、前記回数が所定回数以上の場合、前記ユーザが運転していないと判断して、取得した前記位置情報を前記運転診断手段による運転診断から排除する請求項2に記載の情報処理装置。
前記診断制御手段は、アプリケーションをアクティブにした時間が第2時間を超えた場合、取得した前記位置情報を前記運転診断手段による運転診断から排除する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
前記診断制御手段は、通過した前記複数のポイントの数が所定の数以上の場合、取得した前記位置情報を前記運転診断手段による運転診断から排除する請求項6に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して、例示的に詳しく説明記載する。ただし、以下の実施の形態に記載されている、構成、数値、処理の流れ、機能要素などは一例に過ぎず、その変形や変更は自由であって、本発明の技術範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
【0013】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての情報処理装置100について、
図1を用いて説明する。情報処理装置100は、ユーザが運転していない場合、取得した位置情報を運転診断から排除する装置である。
【0014】
図1に示すように、情報処理装置100は、識別情報取得部101と、位置情報取得部102と、運転診断部103と、診断制御部104と、を含む。
【0015】
識別情報取得部101は、ユーザが所有する携帯端末からユーザを識別する識別情報を取得する。位置情報取得部102は、携帯端末から位置情報を取得する。運転診断部103は、取得した位置情報に基づいて、ユーザの運転を診断する。診断制御部104は、ユーザが運転していない場合、取得した位置情報を運転診断部103による運転診断から排除する。
【0016】
本実施形態によれば、ユーザによる不正な運転診断による保険加入を効果的に抑制することができる。
【0017】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係る情報処理システム200について、
図2A乃至
図6を用いて説明する。
【0018】
<保険加入の概略>
図2Aは、本実施形態に係る情報処理システムの動作の概略を説明する図である。すなわち、ユーザが運転診断を受けて、保険の契約を締結するまでの一連の流れの概略を説明する図である。
【0019】
情報処理システム200は、情報処理装置210とユーザが所有する携帯端末220とを含む。情報処理装置210は、携帯端末220から位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて、ユーザの運転を診断する。運転診断は、例えば、ユーザの運転をスコア化するなどして行われる。そして、ユーザは、保険加入時に、取得したスコアに応じた保険料の割引サービスを受けることができる。
【0020】
携帯端末220は、GPS(Global Positioning System)により計測した位置情報を情報処理装置210へと送信する。また、携帯端末220は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、ウェアラブル端末などであるが、ユーザが携帯可能な端末であれば、これらには限定されない。
【0021】
次に、情報処理システム200における、処理の流れを説明する。ステップS201において、情報処理システム200の情報処理装置210は、ユーザからの運転診断用アプリケーションのダウンロード要求に応じて、ユーザが所有する携帯端末220に対して、運転診断用アプリケーションを提供する。そして、携帯端末220に運転診断用アプリケーションをダウンロードしたユーザは、運転診断用アプリケーションをインストールして、ユーザ登録や初期設定などを行う。
【0022】
なお、この運転診断用アプリケーションは、ナビゲーション用アプリケーションの一機能として実装してもよいし、また、これとは反対に、運転診断用アプリケーションの一機能としてナビゲーション用アプリケーションを実装してもよい。
【0023】
ステップS203において、ユーザは、自身の運転がどの程度安全かをチェックするために、運転診断用アプリケーションを起動して、運転診断の開始ボタンをタップする。運転診断開始ボタンがタップされたら、情報処理装置210は、ユーザに対して運転診断を受ける上での注意事項や免責事項を記載した画面を表示し、ユーザが注意事項などの同意確認ボタンをタップすれば、運転診断を開始する。
【0024】
そして、情報処理装置210は、ユーザの一定期間の位置情報から、一定期間の走行データを生成して、この期間におけるユーザの運転を診断し、運転診断スコアを算出する。走行データは、例えば、加速、減速、右折、左折、発進、停止などの自動車の走行に関するデータであり、携帯端末220から取得した位置情報に基づいて生成される。情報処理装置210は、生成した走行データに基づいて、ユーザの運転を診断して、診断結果をスコア化する。スコアは、ユーザが、急発進や急ブレーキなどの危険な運転をしなければ、よりよいスコアが出るようになっている。
【0025】
ステップS205において、情報処理装置210は、算出したスコアに応じた保険料の割引率を算出して、確定する。確定した割引率は、運転診断を受けたユーザに提供される。ステップS207において、ユーザは、確定した割引率を使って、保険に加入する。
【0026】
図2Bは、本実施形態に係る情報処理システム200に含まれる携帯端末220のディスプレイ221に表示される利用登録画面の一例を示す図である。
【0027】
図2Bの左側に示されるように、ディスプレイ221には、運転診断用アプリケーションの初期画面が表示される。そして、ユーザが、ディスプレイ221の上部に表示された「会員登録」アイコンをタップすると、ディスプレイ221の表示画面が
図2Bの右側に示した表示画面に遷移する。
【0028】
既に会員登録しているユーザは、
図2Bの右側に示された表示画面の上部に示された、ログイン用画面222を用いてシステムにログインする。具体的には、ユーザは、メールアドレスおよびパスワードを入力して、システムにログインする。
【0029】
このシステムを初めて利用するユーザ(未登録ユーザ)は、
図2Bの右側に示された表示画面の下部の利用登録用画面223を用いて利用登録を行う。利用登録が完了したら、ユーザは、ログイン用画面222を用いてシステムにログインする。
【0030】
図2Cは、本実施形態に係る情報処理システム200に含まれる携帯端末220のディスプレイ221に表示される運転診断画面の一例を示す図である。
図2Cの左上には運転診断画面224が、
図2Cの右上には運転診断結果表示画面225が、
図2Cの下部には割引スコア表示画面226がそれぞれ表示されている。
【0031】
運転診断画面224には、運転診断開始ボタンが表示されており、ユーザが運転診断開始ボタンをタップすると運転診断が開始される。ユーザは、自身が所有する車やレンタカー、カーシェア用の車、家族の車、社有車などで運転診断を受ける。そして、例えば、10時間以上かつ5日以上走行した場合に、情報処理装置210は、運転診断を行う。運転診断の結果は、運転診断結果表示画面225に表示される。そして、情報処理装置210は、運転診断に基づく、割引スコアを算出し、算出した割引スコア(割引率)は割引スコア表示画面226に表示される。ユーザは、この割引スコアを用いて、保険契約を締結する。なお、ユーザは、運転診断実行中に、ナビゲーションが必要な場合には、音声案内などのルート案内を受けることもできる。以上、ユーザが運転診断を受けて、保険の契約を締結するまでの一連の流れの概略を説明した。
【0032】
<不正加入の排除>
しかしながら、全てのユーザが、正当な手段により運転診断を受け、運転診断のスコアを取得するとは限らない。つまり、一部のユーザは、より有利な割引率、すなわち、安価な保険料で保険契約を締結するために、不正の手段を用いて、よりよい運転診断結果(よりよいスコア)を取得しようとする。例えば、ユーザが自動車の助手席などに座り、ユーザよりも運転の上手い他人に運転させている状態で運転診断を受けたり、ユーザがタクシーやバスなどに乗車中に運転診断を受けたりするような場合である。
【0033】
このような、不正の手段を用いた保険契約を防止するために、情報処理システム200は、保険に加入しようとするユーザが、本当に自身の運転について運転診断を受けているか否かを確認する。つまり、ユーザが虚偽の運転データを用いて運転診断を受けようとする場合、情報処理システム200は、そのような運転データを運転診断の対象から排除する。
【0034】
このようなケースとしては、例えば、ユーザが、自身よりも運転の上手な他人を運転席に座らせて、自動車を運転させ、ユーザ自身は助手席に座り、運転診断アプリケーションを実行しているような場合があげられる。
【0035】
上述のケースに対処するため、情報処理装置210は、ユーザが自動車などで移動中に携帯端末220で実行したアプリケーションの情報を取得する。そして、情報処理装置210は、取得したアプリケーション情報からユーザが実行しているアプリケーションが、運転診断用アプリケーションを示さないような場合に、携帯端末220から取得した位置情報を運転診断から排除する。ユーザ自身が運転席に座って、自動車を運転している場合、ユーザは運転に集中しなければならず、携帯端末220を操作するシチュエーションは、ナビゲーション機能(ナビゲーション用アプリケーション)を操作する場合などに限られてくる。
【0036】
そのため、ユーザが携帯端末220を操作して、運転診断用アプリケーション以外のアプリケーションを実行している場合などには、ユーザが運転席ではなく、助手席などに座り、他人の運転で運転診断用アプリケーションを実行して、運転診断を受けていると判断できる。
【0037】
このように、ユーザが自身の運転ではなく、他人の運転による不正な手段で運転診断を受けようとする場合、ユーザは、運転する必要がないので、携帯端末220を操作して、運転診断用アプリケーション以外のアプリケーション(他のアプリケーション)をアクティブにすることが想定される。そして、ユーザが、他のアプリケーションをアクティブにすると、つまり、他のアプリケーションを携帯端末220のディスプレイ221の表に持ってくると、運転診断用アプリケーションは他のアプリケーションの裏側に隠れてしまう。
【0038】
このように、他のアプリケーションをアクティブにして表側にもってくると、運転診断用アプリケーションは非アクティブとなり裏側に隠れる。よって、情報処理装置210は、ユーザが運転診断用アプリケーションを表裏(アクティブまたは非アクティブ)にした回数をカウントし、カウントした回数に応じて、ユーザの不正行為を認定する。
【0039】
アプリケーションを非アクティブにするとは、例えば、携帯端末220のディスプレイ221に当該アプリケーションは表示されていないが、バックグラウンドで当該アプリケーションが動いている状態をいう。すなわち、画面上では、他のアプリケーションが動いているように見えるが、裏で当該アプリケーションが動いている状態をいう。
【0040】
情報処理装置210は、ユーザが運転診断用アプリケーションをアクティブまたは非アクティブにした回数が、例えば、所定の回数以上の場合、携帯端末220から取得した位置情報を運転診断の対象から排除することにより、運転診断の正当性を担保する。
【0041】
また、例えば、情報処理装置210は、ユーザが、所定時間内に所定回数以上、運転診断用アプリケーションをアクティブまたは非アクティブにした場合、携帯端末220から取得した位置情報を運転診断の対象から排除する。
【0042】
さらに、例えば、情報処理装置210は、ユーザが、所定時間以上、他のアプリケーションをアクティブにした場合も同様に、携帯端末220から取得した位置情報を運転診断の対象から排除する。
【0043】
このように、ユーザが、正当な手段で運転診断を受けていないことが疑われる事象が発生した場合、情報処理装置210は、当該事象に対応する、携帯端末220から取得した位置情報を運転診断の対象から排除する。これにより、ユーザによる不正の手段により運転診断を受けることを防止することができる。
【0044】
図3は、本実施形態に係る情報処理システム200に含まれる情報処理装置210および携帯端末220の構成を示すブロック図である。情報処理システム200は、情報処理装置210と携帯端末220とを含む。情報処理装置210はと携帯端末220とは、無線通信または有線通信により相互に通信可能となっている。
【0045】
情報処理装置210は、識別情報取得部311、位置情報取得部312、運転診断部313、アプリケーション情報取得部314および診断制御部315を有する。
【0046】
識別情報取得部311は、ユーザを識別するための識別情報を取得する。識別情報の取得は、例えば、ユーザが、携帯端末220を操作して入力したデータを、携帯端末220から取得してもよい。また、識別情報の取得は、あらかじめデータベースなどに登録されたデータから取得してもよい。ここで、識別情報は、例えば、ユーザごとに割り当てられたユーザ番号などの識別子(ID:Identifier)である。識別情報は、例えば、ユーザの氏名や運転免許証番号などが代表的であるが、ユーザを識別できる情報であれば、これらの情報には限定されない。
【0047】
位置情報取得部312は、ユーザが所有する携帯端末220の位置情報を、携帯端末220が有するGPSから位置情報を取得する。位置情報の取得は、所定のタイミングで一定期間の位置情報を取得してもよいし、リアルタイムで取得してもよい。取得する位置情報は、ユーザの運転の診断に必要な所定の期間の位置情報である。
【0048】
運転診断部313は、取得した所定の期間の位置情報に基づいて、ユーザの運転を診断する。運転の診断は、ユーザの運転操作を推定し、推定された運転操作に基づいて行われる。運転操作の推定は、例えば、取得した位置情報の時間変化などからユーザがどのような運転操作を行ったかを推定することにより行われる。推定する運転操作は、例えば、発進時および停止時の操作や、加速および減速の操作、右折および左折の操作などであるが、これらには限定されない。そして、運転診断部313による診断結果は、スコア化して、数値で表現してもよいし、ランクで表現してもよいが、これらには限定されない。
【0049】
アプリケーション情報取得部314は、ユーザが移動中に携帯端末220で実行したアプリケーションの情報を取得する。アプリケーション情報には、例えば、起動したアプリケーションの種類や、アプリケーションで行った操作、アプリケーションをアクティブまたは非アクティブにした回数などが含まれるが、これらには限定されない。
【0050】
診断制御部315は、ユーザが運転していない場合、取得した位置情報を運転診断部313による運転診断から排除する。また、診断制御部315は、例えば、アプリケーション情報取得部314が取得したアプリケーション情報が、ユーザの運転を診断する運転診断用アプリケーションを示さない場合、取得した位置情報を運転診断から排除する。
【0051】
また、診断制御部315は、例えば、ユーザが所定時間内に、運転診断用アプリケーションをアクティブまたは非アクティブにした回数に基づいて、取得した位置情報を運転診断部313による運転診断から排除する。さらに、診断制御部315は、ユーザが運転診断用アプリケーションをアクティブまたは非アクティブにした回数に所定の閾値を設け、回数が閾値以上となった場合に、取得した位置情報を運転診断から排除する。
【0052】
回数の閾値は、例えば、ユーザの年齢や性別、職業などに応じて決定してもよい。また、法人契約をしている企業の従業員が、仕事中に運転診断を受けている場合に、電話を受けて、電話アプリケーションを起動するようなケースもある。そのため、回数の閾値は、例えば、5回や6回など、ある程度の余裕をもって設定してもよい。
【0053】
さらに、診断制御部315は、ユーザが運転診断用アプリケーション以外のアプリケーションをアクティブにした時間が所定の時間を超えた場合、取得した位置情報を運転診断から排除する。所定の時間も、上述の回数の閾値と同様に設定できる。
【0054】
なお、回数のカウントは、例えば、ユーザがアクティブな状態の運転診断用アプリケーションを非アクティブな状態にした(アクティブ→非アクティブ)ことを1回とカウントしてもよい。また、例えば、ユーザがアクティブな状態の運転診断用アプリケーションを非アクティブな状態にし、再度、アクティブな状態に戻した(アクティブ→非アクティブ→アクティブ)ことを1回とカウントしてもよい。回数のカウントは、これに限定されない。
【0055】
次に、携帯端末220は、位置情報計測部321および位置情報送信部322を有する。位置情報計測部321は、GPSシステムなどの位置を計測するシステムであり、携帯端末220の位置を計測する。なお、携帯端末220の位置の計測は、GPSシステムを用いる方法には限定されず、例えば、ビーコンやWiFiなどの電波を利用した方法により携帯端末220の位置を計測してもよい。さらに、携帯端末220に内蔵されている加速度センサや磁気センサなどを用いて携帯端末220の位置を計測してもよいが、これらのセンサは、個体差が大きいため、位置計測の精度がGPSシステムと比べて低くなることもある。
【0056】
位置情報送信部322は、位置情報計測部321で計測した携帯端末220の位置情報を情報処理装置210へ送信する。情報処理装置210への位置情報の送信は、リアルタイムで送信してもよいし、蓄積された一定期間の位置情報のデータを所定のタイミングで送信してもよく、これらには限定されない。
【0057】
なお、図示していないが、携帯端末220は、携帯端末220で実行したアプリケーションに関する情報を情報処理装置210のアプリケーション情報取得部314に対して送信するアプリケーション情報送信部を有していてもよい。
【0058】
図4は、本実施形態に係る情報処理システム200に含まれる情報処理装置210が有する排除テーブル401の一例を示す図である。排除テーブル401は、ユーザID411に関連付けて、端末ID412、位置情報413、アプリケーション情報414および排除フラグ415を記憶する。
【0059】
ユーザID411は、ユーザを識別するための識別子である。端末IDは、ユーザの所有するスマートフォンなどの携帯端末220を識別するための識別子である。位置情報413は、ユーザの所有する携帯端末220から取得した位置に関する情報である。アプリケーション情報414は、ユーザが移動中に携帯端末220で実行したアプリケーションの情報である。排除フラグ415は、取得した位置情報を運転診断から排除するか否かを示すフラグである。そして、情報処理装置210は、排除テーブル401を参照して携帯端末から取得した位置情報を運転診断から排除するか否かを決定し、排除されなかった位置情報に基づいて運転診断を行う。
【0060】
図5は、本実施形態に係る情報処理システム200に含まれる情報処理装置210のハードウェア構成を示す図である。CPU(Central Processing Unit)510は演算制御用のプロセッサであり、プログラムを実行することで
図3の情報処理装置210の機能構成部を実現する。ROM(Read Only Memory)520は、初期データおよびプログラムなどの固定データおよびその他のプログラムを記憶する。また、ネットワークインタフェース530は、ネットワークを介して他の装置などと通信する。なお、CPU510は1つに限定されず、複数のCPUであっても、あるいは画像処理用のGPU(Graphics Processing Unit)を含んでもよい。また、ネットワークインタフェース530は、CPU510とは独立したCPUを有して、RAM(Random Access Memory)540の領域に送受信データを書き込みあるいは読み出しするのが望ましい。また、RAM540とストレージ550との間でデータを転送するDMAC(Direct Memory Access Controller)を設けるのが望ましい(図示なし)。さらに、入出力インタフェース560は、CPU510とは独立したCPUを有して、RAM540の領域に入出力データを書き込みあるいは読み出しするのが望ましい。したがって、CPU510は、RAM540にデータが受信あるいは転送されたことを認識してデータを処理する。また、CPU510は、処理結果をRAM540に準備し、後の送信あるいは転送はネットワークインタフェース530やDMAC、あるいは入出力インタフェース560に任せる。
【0061】
RAM540は、CPU510が一時記憶のワークエリアとして使用するランダムアクセスメモリである。RAM540には、本実施形態の実現に必要なデータを記憶する領域が確保されている。識別情報541は、ユーザを識別するための情報である。位置情報542は、携帯端末220から取得した位置に関する情報である。アプリケーション情報543は、ユーザが移動中に携帯端末220で実行したアプリケーションに関する情報である。排除適否544は、取得した位置情報を運転診断から排除するか否かを示す情報である。診断結果545は、ユーザの運転を診断した結果である。端末ID546は、ユーザの所有するスマートフォンなどの携帯端末220を識別する情報である。これらの情報は、例えば、排除テーブル401から展開される。
【0062】
入出力データ547は、入出力インタフェース560を介して入出力されるデータである。送受信データ548は、ネットワークインタフェース530を介して送受信されるデータである。また、RAM540は、各種アプリケーションモジュールを実行するためのアプリケーション実行領域549を有する。
【0063】
ストレージ550には、データベースや各種のパラメータ、あるいは本実施形態の実現に必要な以下のデータまたはプログラムが記憶されている。ストレージ550は、排除テーブル401を格納する。排除テーブル401は、
図4に示した、ユーザID411と排除フラグ415などとの関係を管理するテーブルである。ストレージ550は、さらに、識別情報取得モジュール551、位置情報取得モジュール552、運転診断モジュール553、アプリケーション情報取得モジュール554および診断制御モジュール555を格納する。
【0064】
識別情報取得モジュール551は、ユーザを識別する情報を取得するモジュールである。位置情報取得モジュール552は、ユーザが所持する携帯端末220の位置情報を取得するモジュールである。運転診断モジュール553は、取得した位置情報の時間変化などに基づいて、ユーザの運転を診断するモジュールである。アプリケーション情報取得モジュール554は、ユーザが移動中に実行したアプリケーションの情報を取得するモジュールである。診断制御モジュール555は、ユーザが運転していない場合や取得したアプリケーション情報が運転診断アプリケーションを示さない場合などに、取得した位置情報を運転診断の対象から排除するモジュールである。これらのモジュール551〜555は、CPU510によりRAM540のアプリケーション実行領域549に読み出され、実行される。制御プログラム556は、情報処理装置210の全体を制御するためのプログラムである。
【0065】
入出力インタフェース560は、入出力機器との入出力データをインタフェースする。入出力インタフェース560には、表示部561、操作部562、が接続される。また、入出力インタフェース560には、さらに、記憶媒体564が接続されてもよい。さらに、音声出力部であるスピーカ563や、音声入力部であるマイク、あるいは、GPS位置判定部が接続されてもよい。なお、
図5に示したRAM540やストレージ550には、情報処理装置210が有する汎用の機能や他の実現可能な機能に関するプログラムやデータは図示されていない。
【0066】
図6は、本実施形態に係る情報処理システム200に含まれる情報処理装置210の処理手順を説明するフローチャートである。このフローチャートは、CPU510がRAM540を使用して実行し、
図3の情報処理装置210の機能構成部を実現する。
【0067】
ステップS601において、情報処理装置210は、ユーザが情報処理システム200の提供するアプリケーションを起動して、システムにログインしたか否かを判断する。システムにログインしていないと判断した場合(ステップS601のNO)、情報処理装置210は、ユーザがシステムにログインするのを待機する。システムにログインしたと判断した場合(ステップS601のYES)、情報処理装置210は、ステップS603へ進む。
【0068】
ステップS603において、情報処理装置210は、システムにログインしたユーザが、例えば、運転診断の開始ボタンをタップして、運転診断を開始したか否かを判断する。運転診断を開始していないと判断した場合(ステップS603のNO)、情報処理装置210は、ユーザがシステムにログインして運転診断を開始するのを待機する。運転診断を開始したと判断した場合(ステップS603のYES)、情報処理装置210は、ステップS605へ進む。
【0069】
ステップS605において、情報処理装置210は、運転診断の注意事項についてのユーザの同意があるか否かを判断する。ユーザの同意がないと判断した場合(ステップS605のNO)、情報処理装置210は、ステップS621へと進み、その他の操作を実行する。ユーザの同意があると判断した場合(ステップS605のYES)、情報処理装置210は、ステップS607に進む。
【0070】
ステップS607において、情報処理装置210は、ユーザを識別する識別情報を取得する。情報処理装置210は、例えば、ユーザが所有する携帯端末220を用いて入力した識別情報を取得する。識別情報は、例えば、ユーザの氏名や免許証番号などである。
【0071】
ステップS609において、情報処理装置210は、ユーザの所有する携帯端末220から位置情報を取得する。情報処理装置210は、ユーザの運転の診断が可能な期間、例えば、ユーザが運転診断を開始してから所定の期間の位置情報を取得する。
【0072】
ステップS611において、情報処理装置210は、ユーザが運転診断を開始して、自動車などで移動中に携帯端末220で実行したアプリケーションの情報を取得する。
【0073】
ステップS613において、情報処理装置210は、取得した位置情報を運転診断から排除するか否かを判断する。排除の判断は、取得したアプリケーション情報に基づいて行われ、例えば、アプリケーションをアクティブまたは非アクティブにした回数に基づいて行われる。排除すると判断した場合(ステップS613のYES)、情報処理装置210は、ステップS607へ戻る。排除しないと判断した場合(ステップS613のNO)、情報処理装置210は、ステップS615へ進む。
【0074】
ステップS615において、情報処理装置210は、取得した位置情報の時間変化などに基づいて、ユーザの運転操作を推定する。推定する運転操作は、例えば、加速時および減速時の運転操作、右折時および左折時の運転操作などである。
【0075】
ステップS617において、情報処理装置210は、推定した運転操作に基づいて、ユーザの運転を診断する。情報処理装置210は、例えば、診断結果をスコア化してもよい。また、情報処理装置210は、診断結果やスコアをユーザに報知してもよい。
【0076】
本実施形態によれば、ユーザによる不正な運転診断による保険加入を効果的に抑制することができる。また、携帯端末から取得したアプリケーション情報から不正か否かを判断するので、容易に不正な手段を用いた保険加入を防止することができる。さらに、ユーザが、所定時間内にアプリケーションをアクティブまたは非アクティブにした回数により不正を判断するので、容易に不正の手段で計測した位置情報を運転診断の対象から排除することができる。さらにまた、運転診断用アプリケーション以外のアプリケーションをアクティブにした時間により不正を判断するので、容易に不正の手段で計測した位置情報を運転診断の対象から排除することができる。
【0077】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態に係る情報処理システムについて、
図7乃至10を用いて説明する。
図7は、本実施形態に係る情報処理システムに含まれる情報処理装置の構成を説明するための図である。本実施形態に係る情報処理システムは、上記第2実施形態と比べると、情報処理装置が、移動履歴生成部および地図データ取得部を有する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0078】
なお、第2実施形態に係る情報処理システムの説明においては、ユーザが、自動車の助手席やタクシー、バスなどに乗車している場合の不正の発見方法について説明をした。これに対して、本実施形態の情報処理システム700は、ユーザが電車に乗車して運転診断を受けるという不正を発見するシステムである。なお、第2実施形態の情報処理システム200を用いてユーザが電車に乗車して運転診断を受けるという不正を発見してもよい。
【0079】
情報処理装置710は、移動履歴生成部711および地図データ取得部712を有する。移動履歴生成部711は、位置情報取得部312が取得した位置情報に基づいて、ユーザがどのような経路を移動したかを示す移動履歴を生成する。
【0080】
地図データ取得部712は、地図データベースなどから地図データを取得して、取得した地図データから地図を生成する。生成した地図には、複数のポイントとして、例えば、駅が設定されている。なお、複数のポイントとして設定されるのは、駅には限定されない。
【0081】
診断制御部315は、地図上のユーザの移動履歴から、ユーザが地図上に設定された所定のポイント(駅)の通過数を計数し、通過したポイントの数が所定の数以上であれば、取得した位置情報を運転診断から排除する。
【0082】
つまり、ユーザが電車の乗車中に運転診断を受ければ、1区間(1駅)乗車することも、複数区間(複数駅)乗車することもあるが、複数区間乗車する場合、所定数の駅を通過することになる。これに対して、ユーザが自動車に乗車中に運転診断を受けてる場合、線路と並行する道路を走行していれば、1〜2駅を通過することは考えられる。
【0083】
しかしながら、電車に乗車している(自動車に乗車していない)場合、1区間や2区間の乗車を除いて、ユーザは複数の駅、例えば、3駅以上の駅を通過することになる。この場合には、不正の方法により運転診断を受けている蓋然性が高いので、診断制御部315は、ユーザが電車に乗車中に取得した位置情報を運転診断の対象データから除外する。これにより、ユーザが電車に乗車中に運転診断を受けるという不正行為を排除することができる。
【0084】
図8は、本実施形態に係る情報処理システムに含まれる情報処理装置が有する排除テーブル801の一例を示す図である。排除テーブル801は、ユーザID411に関連付けて、移動履歴811および地図データ812を記憶する。
【0085】
移動履歴811は、運転診断を受けている間にユーザが移動した経路などである。なお、移動履歴811は、ユーザが運転診断を受けている間の移動経路には限定されず、例えば、運転診断用アプリケーションの一機能であるナビゲーションアプリケーションを利用している間の移動の履歴などであってもよい。
【0086】
地図データ812は、地図を生成するためのデータである。そして、生成された地図上には、複数のポイントが設定されている。複数のポイントは、例えば、地図上の駅などであるが、これには限定されない。
【0087】
そして、診断制御部315は、生成した地図上にユーザの移動履歴を重ね合わせて、ユーザが地図上の所定のポイントをいくつ通過したかを計数する。計数した結果、ユーザが、所定の数以上のポイントを通過していれば、診断制御部315は、取得した位置情報を運転診断部313による運転診断から排除する。
【0088】
図9は、本実施形態に係る情報処理システム700に含まれる情報処理装置710のハードウェア構成を示す図である。RAM940は、CPU510が一時記憶のワークエリアとして使用するランダムアクセスメモリである。RAM940には、本実施形態の実現に必要なデータを記憶する領域が確保されている。移動履歴941は、ユーザが移動した経路を示すデータである。地図データ942は、例えば、携帯端末220のディスプレイ221に表示する地図を生成するためのデータである。これらのデータは、例えば、排除テーブル801から展開される。
【0089】
ストレージ950には、データベースや各種のパラメータ、あるいは本実施形態の実現に必要な以下のデータまたはプログラムが記憶されている。ストレージ950は、排除テーブル801を格納する。排除テーブル801は、
図8に示した、ユーザID411と移動履歴811などとの関係を管理するテーブルである。ストレージ550は、さらに、移動履歴生成モジュール951および地図データ取得モジュール952を格納する。
【0090】
移動履歴生成モジュール951は、取得した位置情報に基づいて、ユーザの移動履歴を生成するモジュールである。地図データ取得モジュール952は、地図を生成するために必要な地図データを取得するモジュールである。
【0091】
図10は、本実施形態に係る情報処理システム700に含まれる情報処理装置710の処理手順を説明するフローチャートである。このフローチャートは、CPU510がRAM540を使用して実行し、
図7の情報処理装置710の機能構成部を実現する。
【0092】
ステップS1001において、情報処理装置710は、取得した位置情報に基づいて、ユーザの移動履歴を生成する。ステップS1003において、情報処理装置710は、地図データを取得する。ステップS1005において、情報処理装置710は、ユーザが地図上の所定のポイントをいくつ通過したかに基づいて、取得した位置情報を運転診断部313による運転診断の対象から排除するか否かを判断する。排除すると判断した場合(ステップS1005のYES)、情報処理装置710は、ステップS607へ戻る。排除しないと判断した場合(ステップS1005のNO)、情報処理装置710は、ステップS615へ進み、ユーザの運転を診断する。
【0093】
本実施形態によれば、ユーザの移動履歴と地図上のポイントとからユーザの不正を認定するので、容易に不正の手段で計測した位置情報を運転診断の対象から排除することができる。また、ユーザが電車を利用して運転診断を受けようとする不正を容易に発見することができるので、容易に不正の手段で計測した位置情報を運転診断の対象から排除することができる。
【0094】
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。
【0095】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する情報処理プログラムが、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるWWW(World Wide Web)サーバも、本発明の範疇に含まれる。特に、少なくとも、上述した実施形態に含まれる処理ステップをコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)は本発明の範疇に含まれる。