【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下の態様または適用例として実現することができる。
【0011】
本発明は、異物を含む排水を排出処理する排水分離装置であって、
セパレータと、
前記セパレータの上部に設置される排水入口と、
前記排水入口よりも下方であって、かつ前記セパレータの底部よりも高い位置である下部に設置される第1排出口と、
前記第1排出口よりも上方であって、かつ前記排水入口よりも下方に設置される第2排出口と、
前記第1排出口に接続される第1エアトラップと、
前記第2排出口に接続される第2エアトラップと、を備える。
【0012】
また、本発明は、熱交換器内で生じた凝縮水を分離排出するドレン分離排出装置であって、
ドレンセパレータと、
前記ドレンセパレータの上部に設置されるドレン入口と、
前記ドレン入口よりも下方であって、かつ前記ドレンセパレータの底部よりも高い位置である下部に設置される第1ドレン出口と、
前記第1ドレン出口よりも上方であって、かつ前記ドレン入口よりも下方に設置される第2ドレン出口と、
前記第1ドレン出口に接続される第1エアトラップと、
前記第2ドレン出口に接続される第2エアトラップと、を備える。
上記排水分離装置における構成と以下の通り対応する構成である。
ドレンセパレータはセパレータ、ドレン入口は排水入口、第1ドレン出口は第1排出口、第2ドレン出口は第2排出口にそれぞれ対応する。
【0013】
本発明において、前記ドレン入口よりも高い位置に設置される液面検出部をさらに備えていてもよい。
上記実施形態において、前記液面検出部が警告である旨を検出する水面高さが、熱交換器の伝熱管(例えば、チューブネスト)の高さよりも相対的に低く構成し、および
前記ドレン入口の高さが、前記液面検出部が警告である旨を検出する水面高さより相対的に低く、かつ熱交換器内底部よりも相対的に高く構成してもよい。
【0014】
本発明において、前記ドレン入口の高さが、熱交換器の伝熱管(例えば、チューブネスト)の高さよりも相対的に低く、かつ熱交換器内底部よりも相対的に高く構成してもよい。
【0015】
他の本発明は、熱交換器内で生じた凝縮水を分離排出するドレン分離排出システムであって、
熱交換器と、
上記のドレン分離排出装置と、
前記ドレン分離排出装置を構成するドレンセパレータの上部と前記熱交換器の圧縮空気配管とを接続する均圧管と、
前記ドレンセパレータのドレン入口と前記熱交換器の底部とを接続するドレン配管と、を備える。
【0016】
また、前記第2ドレン出口よりも上方であって、かつ前記ドレン入口よりも下方に設置される第3ドレン出口と、前記第3ドレン出口に接続される第3エアトラップとをさらに備えていてもよい。
また、前記第3ドレン出口よりも上方であって、かつ前記ドレン入口よりも下方に設置される第4ドレン出口と、前記第4ドレン出口に接続される第4エアトラップとをさらに備えていてもよい。
すなわち、ドレンセパレータの側面の縦方向に2以上のドレン出口とそのドレン出口のそれぞれに接続されるエアトラップを備える構成であってよい。
【0017】
本発明によれば、熱交換器内で発生した凝縮水(ドレン)が、ドレン配管によりドレン分離排出装置のドレンセパレータに導入される。ドレンセパレータ内の凝縮水(ドレン)が、ドレンセパレータにその縦方向に設置された少なくとも2つのエアトラップのうち、最下段に設置された第1エアトラップの高さの水位となるまで溜まると、第1エアトラップから排出される。ここで、ドレン中の異物や錆により第1エアトラップが閉塞等の動作不良を起こした場合、ドレンが排出されなくなる。その場合には、ドレンセパレータ内のドレン水位が上昇し、第1エアトラップの上部に設置された第2エアトラップの高さまで水位が上昇すると、第2エアトラップから、ドレンを排出させることができる。さらに、第2エアトラップが閉塞した場合には、必要に応じて第2エアトラップの上部に設置された第3エアトラップから排出させるように構成できる。すなわち、エアトラップの閉塞によるドレン排出が機能しなくなることで生じる熱交換器の性能低下を抑制でき、空気圧縮機を正常に運転させられ、さらに、空気の冷却性能に影響を与えることを抑制できるので空気分離装置全体が停止することを防止できる。
【0018】
また、最下段の第1エアトラップ以外のエアトラップからのドレン排出の有無を目視確認することにより、ドレンが排出されているエアトラップよりも下方に設置されたエアトラップの故障の有無を検知することができる。
目視ではなく、エアトラップが故障または閉塞したことを自動的に検出する検出手段を有していてもよい。検出手段は、エアトラップから排出されるドレンの流れを検出する流量センサであってもよい。
以上の構成によれば、定期点検時に動作不良のあるエアトラップを判別することが容易になり、動作不良のエアトラップに対し効率的に補修作業を行うことができる。全てのエアトラップについて洗浄や交換を行うことなく、故障したエアトラップのみを洗浄または交換すればよいためである。
【0019】
また、前記液面検出部は、例えば、レベルセンサー、レベルスイッチまたは差圧計が挙げられる。
【0020】
最上部のエアトラップの上部には、ドレンセパレータ内のドレン水位が所定の位置に到達したことを検出するための液面検出部を設置する。ドレンセパレータ内のドレン水位が、最上部のエアトラップ設置高さよりも高くなる現象は、全てのエアトラップが閉塞等によりドレン排出ができなくなった場合に生じる。このため、ドレン水位を液面検出部(例えば、レベルセンサー、レベルスイッチ、差圧計等)で検出することにより、ドレンセパレータに設置された全エアトラップが故障した場合の警報を発することができる。ドレン分離排出装置は、例えば、液面検出器から送られた所定高さを検出した旨の検知信号に基づいて警報を発する警報手段(例えば、スピーカなど)を有していてもよい。
【0021】
例えば、レベルスイッチを用いた場合には、水位が所定の高さ以上となった場合に警報を発し、エアトラップのメンテナンスが必要であることを示すことができる。警報を発した後、エアトラップのメンテナンスが完了するまでには一定の時間を要する。このため、ドレンセパレータの内容積のうち、前記所定の高さ以上となる部分の容積が、メンテナンス中の水位上昇に対応できる構成に設定することが好ましい。メンテナンス実績および/またはメンテナンス作業時間の予測に基づいて、ドレンセパレータの内容積、エアトラップの取り付け高さを設定してもよい。
また、レベルセンサーまたは差圧計を用いて水位をモニターする場合には、警報の発報だけでなく、警報発報前の水位上昇速度を確認することができるため、エアトラップのメンテナンス時期を事前に予測できる。すなわち、ドレン分離排出装置は、例えば、レベルセンサーまたは差圧計で求められた水位のモニター結果に基づいて、エアトラップのメンテナンスタイミングを通知する通知手段(例えば、スピーカなど)を有していてもよい。
【0022】
また、前記ドレン配管の出口側に閉塞防止機構を備えていてもよい。閉塞防止機構は、U字型の配管であってもよい。閉塞防止機構により、熱交換器側から流入するドレンに異物が混入していた場合であっても、その異物に起因するドレン配管の閉塞を防止することができる。
【0023】
本発明において、前記ドレン配管が、U字形状を有していてもよい。
熱交換器からドレンをドレンセパレータに導出するドレン配管はU字型に施工されることが好ましい。熱交換器内のドレンには錆など異物が混入していることが多い。ドレン配管をU字型にすることで、異物をU字型ドレン配管内に残し、上澄みだけをドレンセパレータに導入することができる。これにより、エアトラップの閉塞等のトラブルを抑制することができる。
前記U字型のドレン配管のドレンセパレータ側の接続高さは、熱交換器内の伝熱管(例えば、チューブネスト)底部の高さよりも低く、かつ、熱交換器内底部よりも高い位置にすることがさらに望ましい。ドレン配管のドレンセパレータ側の接続高さを熱交換器内底部よりも高くすることにより、熱交換器内のドレン水位と、ドレン配管のドレンセパレータ側の接続高さとが均一となる。すなわち、熱交換器内のドレン水位をドレン配管のドレンセパレータ側の接続高さに制御することができる。
さらに、ドレン配管のドレンセパレータ側の接続高さを熱交換器内の伝熱管(例えば、チューブネスト)底部の高さよりも低くすることにより、熱交換器内の水位が伝熱管(例えば、チューブネスト)底部よりも低くなるように調整することができる。これにより熱交換器内のドレン水位が上昇し伝熱管(例えば、チューブネスト)とドレンが接触することに起因する熱交換器の冷却性能低下を防止することができる。
【0024】
また、上記ドレンセパレータ底部に、ドレンセパレータ内に蓄積した異物を排出する排出口を備えていてもよい。ドレン分離排出装置の定期点検時には上記排出口に設置されたバルブ(異物排出弁)を開け、ドレンセパレータ内の異物を容易に除去することができる。
【0025】
また、液面検出部が、全エアトラップの故障を検出する水位は、全エアトラップの設置位置よりも高く、かつ、熱交換器内の伝熱管(例えば、チューブネスト)底部(伝熱管の最下点)の高さよりも低く設定してもよい。全エアトラップ設置位置よりもドレンセパレータ内のドレン水位が高いことを検知したときは、エアトラップ全てが閉塞し、エアトラップからのドレン排出ができなくなっていることを示しているため、この液面検出部の検出結果に基づいて、全エアトラップの故障の検出と判断することができる。
また、ドレンセパレータ内の水位は、熱交換器内の水位よりも高くなることはない。そこでドレンセパレータ内の液面検出部において検出する水位を、熱交換器内の伝熱管底部の高さよりも低く設定することで、全エアトラップが閉塞した場合であっても、熱交換器内のドレンが伝熱管の最下点に接触する前に水位上昇を検出する構成とできる。