(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記筐体には、上記貯留部が設けられた位置と同じ高さ、又は上記貯留部が設けられた位置よりも下方に、流入した上記液体を排出する排出口が設けられている請求項13記載のスイッチ素子。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明が適用されたスイッチ素子の概念図である。
【
図2】
図2は、電蝕前のヒューズエレメントを模式的に示す斜視図である。
【
図3】
図3は、正極として接続されたヒューズエレメント及び負極として接続された電極を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、電蝕後のヒューズエレメントを模式的に示す斜視図である。
【
図5】
図5(A)はそれぞれ貫通孔を形成したヒューズエレメント及び電極の反応部を示す斜視図であり、
図5(B)は貫通孔を形成したヒューズエレメント及び電極を用いて形成された反応部を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、ヒューズエレメントと電極との間にセパレータを備えた反応部を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、ヒューズエレメントが複数並列に所定間隔で重畳配置されるとともに、各ヒューズエレメントの間に電極が配置された反応部の構成例を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、ヒューズエレメントが複数並列に所定間隔で重畳配置するとともに、電極をヒューズエレメントの数よりも1つ多くし、各ヒューズエレメントの両面に対向して重畳させた反応部の構成例を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、スイッチ素子の筐体を示す斜視図であり、(A)は天面に導入口が形成された状態、(B)は天面に複数の導入口が形成された状態、(C)は天面及び側面に導入口が形成された状態、(D)は天面及び側面に複数の導入口が形成された状態を示す。
【
図10】
図10は、円筒状の筐体を用いたスイッチ素子を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、排出口が形成された筐体を用いたスイッチ素子を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、反応部が設けられた位置と同じ高さに排出口が設けられたスイッチ素子を示す断面図である。
【
図13】
図13は、スリット状の導入口及びスリット状の排出口が形成された筐体を用いたスイッチ素子を示す断面図である。
【
図14】
図14は、導入溝が形成された筐体を用いたスイッチ素子を示す図であり、(A)は断面図、(B)は外観斜視図である。
【
図15】
図15は、複数の導入口及び導入溝が形成された筐体を用いたスイッチ素子を示す図であり、(A)は断面図、(B)は外観斜視図である。
【
図16】
図16(A)は反応部が設けられた内部にかけて漸次狭小化する導入溝が形成された筐体を用いたスイッチ素子を示す断面図であり、
図16(B)は導入溝内を水溶性の絶縁材料で封止したスイッチ素子を示す断面図である。
【
図17】
図17は、導電体及び反応部の位置に応じた高さに導入口を形成した筐体を用いたスイッチ素子を示す斜視図である。
【
図18】
図18は、反応部以外の場所に撥水処理部を形成した筐体を用いたスイッチ素子を示す断面図である。
【
図19】
図19は、反応部に応じた位置に液体を貯留する貯留部を設けたスイッチ素子を示す断面図である。
【
図20】
図20は、導入口を水溶性の絶縁材料でシールした筐体を用いたスイッチ素子を示す斜視図である。
【
図21】
図21は、ヒューズエレメントと電極とを隣接配置するとともに、反応部においてヒューズエレメントと電極とを面対向させ、間隔が相対的に狭小化された反応部の構成例を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は断面図である。
【
図22】
図22は、ヒューズエレメントと電極とを隣接配置するとともに、反応部においてヒューズエレメント上に電極先端を線状に対向させ、間隔が相対的に狭小化された反応部の構成例を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は断面図である。
【
図23】
図23は、ヒューズエレメントと電極とを複数面で対向させた反応部を示す斜視図であり、(A)はヒューズエレメントに電極の両側面及び底面の3面を囲む湾曲部を形成した構成を示し、(B)はヒューズエレメントに電極の両側面及び底面の3面を囲む屈曲部を形成した構成を示す。
【
図24】
図24は、電極のヒューズエレメントと対向する一面に液溶性材料からなるコート層が形成された反応部の構成例を示す斜視図である。
【
図25】
図25は、絶縁基板の反応部及びその近傍以外の場所に撥水処理部を設け、反応部の近傍に吸水発熱材を設けたスイッチ素子の分解斜視図である。
【
図26】
図26は、導電体として撚り線を用いたスイッチ素子を示す図である。
【
図27】
図27は、導電体としてスポンジメタルを用いたスイッチ素子を示す断面図である。
【
図28】
図28(A)は液溶解性材料によって被覆された導電性粒子の凝集体を示す外観斜視図であり、
図28(B)は導電体として(A)に示す凝集体を用いたスイッチ素子を示す断面図である。
【
図29】
図29は、導電体として導電材料からなる筒状の外部導体及び内部導体を用いた例を示す外観斜視図である。
【
図30】
図30(A)は外部導体の内面に液溶解性材料からなる絶縁コート層が形成された状態を示す断面図であり、
図30(B)は内部導体の外面に液溶解性材料からなる絶縁コート層が形成された状態を示す断面図である。
【
図31】
図31は、外部導体と内部導体との間に、液溶解性材料からなる絶縁フィルムが介在されている状態を示す断面図である。
【
図32】
図32は、導電体として一対の金属端子片を用いたスイッチ素子を示す断面図である。
【
図33】
図33は、一対の金属端子片の接続又は離間状態を示す図であり、(A)は絶縁材料が液体と接触する前で一対の金属端子片が接触している状態、(B)は絶縁材料が液体と接触して膨張することにより一対の金属端子片が離間された状態を示す。
【
図34】
図34は、一対の金属端子片の接続又は離間状態を示す図であり、(A)は絶縁材料が液体と接触する前で一対の金属端子片が接触している状態、(B)は絶縁材料が液体と接触して収縮、溶解、軟化等することにより一対の金属端子片が離間された状態を示す。
【
図35】
図35は、一対の金属端子片の接続又は離間状態を示す図であり、(A)は絶縁材料が液体と接触する前で一対の金属端子片が接触している状態、(B)は絶縁材料が液体と接触して溶解、軟化等することにより一対の金属端子片が離間された状態を示す。
【
図36】
図36は、導電性粒子を介して導電体となる一対のリード線が接続されたスイッチ素子を示す断面図であり、(A)は液体の浸入前の状態、(B)は液体の浸入後の状態を示す。
【
図38】
図38は、導電性粒子を介して導電体となる一対の金属端子片が接続されたスイッチ素子を示す断面図であり、(A)は液体の浸入前の状態、(B)は液体の浸入後の状態を示す。
【
図39】
図39は、導電性粒子を介して導電体となる一対のリード線が接続されたスイッチ素子を示す断面図であり、(A)は液体の浸入前の状態、(B)は液体の浸入後の状態を示す。
【
図40】
図40は、テーパ状の導入溝を形成したスイッチ素子を示す断面図であり、(A)は液体の浸入前の状態、(B)は液体の浸入後の状態を示す。
【
図41】
図41は、液体と接触することにより膨張するシート状の絶縁材料を用いたスイッチ素子を示す図であり、(A)はシート状の絶縁材料が設けられた筐体の上ハーフを示す平面図であり、(B)は導電体となる金属端子片及び導電性粒子が設けられた筐体の下ハーフを示す平面図である。
【
図42】
図42は、
図41に示すスイッチ素子を示す断面図であり、(A)は液体の浸入前の状態、(B)は液体の浸入後の状態を示す。
【
図43】
図43は、導電性粒子を介して導電体となる一対のリード線が接続されるスイッチ素子を示す断面図であり、(A)は液体の浸入前の状態、(B)は液体の浸入後の状態を示す。
【
図44】
図44は、格子状に配列された導電性粒子を介して導電体となる一対の外部接続電極が接続されたスイッチ素子を示す斜視図である。
【
図45】
図45は、
図44に示すスイッチ素子において液体と接触した導電材料によって導電性粒子が凝集し、導電パスが遮断されたスイッチ素子を示す図であり、(A)は外観斜視図、(B)は筐体内部を示す斜視図である。
【
図47】
図47は、線状に配列された導電性粒子を介して導電体となる一対の外部接続電極が接続されたスイッチ素子を示す斜視図であり、(A)は液体の浸入前の状態、(B)は液体の浸入後の状態を示す。
【
図48】
図48は、導電体としてリード端子を用いたスイッチ素子を示す図であり、(A)は外観斜視図、(B)は分解斜視図である。
【
図49】
図49は、
図48に示すスイッチ素子の内部を示す斜視図であり、(A)は液体の浸入前の状態、(B)は液体の浸入後の状態を示す。
【
図50】
図50は、開放されていたリード端子間を導通させるスイッチ素子を示す斜視図であり、(A)は液体の浸入前の状態、(B)は液体の浸入後の状態を示す。
【
図51】
図51は、開放されていたリード端子間を導通させるスイッチ素子を示す斜視図であり、(A)は外観斜視図、(B)は分解斜視図である。
【
図52】
図52は、
図51に示すスイッチ素子の内部を示す斜視図であり、(A)は液体の浸入前の状態、(B)は液体の浸入後の状態を示す。
【
図53】
図53は、開放されていたリード端子間を導通させる他のスイッチ素子を示す斜視図であり、(A)は外観斜視図、(B)は分解斜視図である。
【
図54】
図54は、
図53に示すスイッチ素子の内部を示す斜視図であり、(A)は液体の浸入前の状態、(B)は液体の浸入後の状態を示す。
【
図55】
図55は、絶縁材料の側面に導電層を形成するとともに、液体と接触した絶縁材料が膨張することにより、導電層の両端を断絶するスイッチ素子を示す斜視図であり、(A)は液体の浸入前の状態、(B)は液体の浸入後の状態を示す。
【
図56】
図56は、
図55に示すスイッチ素子の断面図であり、(A)は液体の浸入前の状態、(B)は液体の浸入後の状態を示す。
【
図57】
図57は、導電層を絶縁材料の側面を螺旋状に周回する導電性を有する線材で構成したスイッチ素子の斜視図であり、(A)は液体の浸入前の状態、(B)は液体の浸入後の状態を示す。
【
図58】
図58は、絶縁材料の側面に形成された断絶されていた導電層が、液体と接触した絶縁材料が膨張することにより接続されるスイッチ素子の斜視図であり、(A)は液体の浸入前の状態、(B)は液体の浸入後の状態を示す。
【
図59】
図59は、
図58に示すスイッチ素子の断面図であり、(A)は液体の浸入前の状態、(B)は液体の浸入後の状態を示す。
【
図60】
図60は、サーミスタからなる導電体を用いたスイッチ素子の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明が適用されたスイッチ素子について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがある。具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0011】
本発明が適用されたスイッチ素子は、バッテリ回路、警報回路等の外部回路に組み込まれ、水没や液漏れ等の水濡れ状態が生じた場合に、バッテリ回路の遮断や警報回路や保護回路の導通を行うものである。
図1に示すように、スイッチ素子1は、外部回路に接続される1又は複数の導電体2と、液体と接触することにより導電体2を導通又は遮断する反応部3と、反応部3が内蔵された筐体4とを有し、筐体4には、反応部3に液体を導く導入口5が設けられているものである。
【0012】
[導電体]
導電体2は、スイッチ素子1の組み込まれる外部回路に設けられた端子部と接続されるものであり、例えばスイッチ素子1の筐体4内に内蔵された絶縁基板に形成されたパターン電極や金属端子、リード端子、ヒューズエレメント等を用いることができる。また、導電体2は、絶縁基板に形成された複数の電極と、複数の電極間にわたって接続されているヒューズエレメントやリード線によって構成されてもよい。
【0013】
スイッチ素子1は、導電体2の接続端が、筐体4の外部に引き出され、あるいは図示しない外部接続端子と接続されることにより、外部回路の端子部と接続可能とされている。また、スイッチ素子1は、導電体2が常態において導通あるいは開放されており、反応部3に液体が接触することにより、当該反応部3の作用によって導通状態が開放され、あるいは開放状態が導通される。
【0014】
[反応部]
反応部3は、筐体4内に浸入した液体と接触することにより導電体2を不可逆的に導通又は遮断するものであり、導電体2の形態やスイッチ素子1が外部回路の遮断又は開放のいずれを目的とするかによって様々な構成を有する。
【0015】
以下では、
図2に示すように、導電体2の一例として、常態において外部回路を接続し、水濡れ状態になると開放させる平板状のヒューズエレメント11を用い、ヒューズエレメント11よりもイオン化傾向の小さい金属からなる電極12を、ヒューズエレメント11の中心部の一面に対向して配置することにより反応部3を形成した場合について説明する。
【0016】
この反応部3は、ヒューズエレメント11と電極12とが互いに近接配置されることにより、水濡れや電池からの液漏れ等の異常時に、その間に液体が存在するとヒューズエレメント11を電蝕させる。これにより、電気抵抗が上昇し、定格電流値が低下するため、ヒューズエレメント11への通電電流により自己遮断し、安全に電気回路を開放させることができる。
【0017】
ヒューズエレメント11と電極12とは、水が浸入可能なように近接しており、その距離は、0.01mm〜10mmであることが好ましい。また、ヒューズエレメント11と電極12間の距離が小さい方が、電界強度が大きく電蝕作用が強いため、また、毛細管現象によってヒューズエレメント11と電極12との間に水を導入しやすいため、より効率的に電気回路を開放させるためには、電極12との距離を0.01〜1mmとすることがより好ましい。
【0018】
ヒューズエレメント11は、所定の定格電流値を有し、定格電流値を超える電流が通電されると溶断する。ヒューズエレメント11は、アルミニウム、鉄、ニッケル、錫、鉛から選択されるいずれか1種を主成分とすることが好ましい。なお、本明細書において、主成分とは、材料全質量を基準として、50wt%以上である成分をいう。
【0019】
電極12は、ヒューズエレメント11の中心部の一面に対向して配置される。なお、電極12は、ヒューズエレメント11の電蝕する物質量が大きくなるように、ヒューズエレメント11の中心部の両面に対向して配置してもよい。
【0020】
また、電極12は、ヒューズエレメントよりもイオン化傾向の小さい金属からなり、金、白金、銀、銅、パラジウムから選択されるいずれか1種を主成分とすることが好ましい。これにより、ヒューズエレメント11と電極12との間に水が浸入した場合、卑な金属からなるヒューズエレメント11が正極となってイオン化(腐食)し、ヒューズエレメント11が細ったり、ピンホールが発生したりしてヒューズエレメント11の導体抵抗が上昇し、定格電流値を低下させることができる。
【0021】
また、
図3、
図4に示すように、ヒューズエレメント11は、正極として接続され、電極12は、負極として接続されることが好ましい。これにより、電蝕反応を促進することができ、ヒューズエレメント11の定格電流値を早く低下させることができる。
【0022】
すなわち、スイッチ素子1は、直流電源に正極として直列接続されてなるヒューズエレメント11と、ヒューズエレメント11に近接して配置され、ヒューズエレメント11よりもイオン化傾向の小さい金属からなり、負極として接続されてなる電極12とを備える遮断回路を構成する。また、スイッチ素子1は、ヒューズエレメント11に通電するための第1の端子及び第2の端子と、電極12を負極として接続する第3の端子とを備え、第1の端子及び第2の端子を正極の通電経路に直列接続し、第3の端子を負極に接続し又は接地する。
【0023】
図3及び
図4は、それぞれ電蝕前及び電蝕後のヒューズエレメントを模式的に示す斜視図である。
図3に示すように、電蝕前のヒューズエレメント11は、短形形状を保っている。ヒューズエレメント11と電極12との間に水が浸入した場合、
図4に示すように卑な金属からなるヒューズエレメント11が正極となってイオン化(腐食)し、ヒューズエレメント11が細ったり、ピンホールが発生したりする。このため、ヒューズエレメント11の導体抵抗が上昇し、定格電流値が低下する。導体抵抗の上昇に伴う発熱により、ヒューズエレメント11と電極12との間の水や電解液が蒸発することがあるが、定格電流値が低下しているため、ヒューズエレメント11への通電電流により自己遮断し、安全に外部回路を開放させることができる。
【0024】
[貫通孔・凹部・凸部]
また、反応部3は、ヒューズエレメント11と電極12との一方又は両方に、1又は複数の貫通孔、凹部又は凸部を設けてもよい。
図5(A)(B)は、一例として、ヒューズエレメント11と、電極12とに貫通孔13を形成した導電体2及び反応部3を示す斜視図である。これにより、スイッチ素子1は、筐体4内に流入した液体を優先的に反応部3に導入、保持しやすくすることができ、また、貫通孔13によって液体の保持量が増えることによりヒューズエレメント11と電極12との接触面積が増大し、ヒューズエレメント11の電蝕作用を促進させることができる。さらに、ヒューズエレメント11に貫通孔13を形成することにより溶断面積が減少するため、より速やかに溶断させることができる。
【0025】
凹部又は凸部を設けた場合も同様に、スイッチ素子1は、筐体4内に流入した液体を優先的に反応部3に導入、保持しやすくすることができ、また、凹部又は凸部によって液体の保持量が増えることによりヒューズエレメント11と電極12との接触面積が増大し、ヒューズエレメント11の電蝕作用を促進させることができる。
【0026】
[セパレータ]
また、
図6に示すように、ヒューズエレメント11と電極12との間にセパレータ14を備えることが好ましい。また、セパレータ14は、メッシュ状、多孔質状を有することが好ましい。これにより、セパレータ14は、ヒューズエレメント11と電極12との間に水や電解液等の液体を集め、保持する集液性、保水性を確保することができる。また、セパレータ14は、絶縁体からなることが好ましい。これにより、セパレータ14は、ヒューズエレメント11と電極12との間の直接短絡を抑制することができる。
【0027】
また、セパレータは、NaCl等の電解質を担持することが好ましい。これにより、水や電解液の電気伝導度を向上し、電蝕を促進させることができる。
【0028】
さらに、セパレータ14は、水や電解液等の液体に溶解する液溶性を有していてもよい。この場合、セパレータ14は、液溶性に加え絶縁性を有することが好ましい。これにより、セパレータ14は、液体の浸入前の状態においてはヒューズエレメント11と電極12とのクリアランスを確保し、短絡を防止するとともに、液体の浸入時には溶解し、より多くの液体をヒューズエレメント11と電極12との間に導入させ電蝕作用を促進させることができる。
【0029】
液溶性を有する材料としては、例えば、寒天,ゼラチンなどの天然ポリマー、セルロース,でんぷんなどの半合成ポリマー、ポリビニルアルコールなどの合成ポリマー等が挙げられる。これらは、液体と接触することにより収縮あるいは溶解する。なお、高分子量になると溶解せず膨張する性質が強くなるため、重合度を調整して用いることが好ましい。また、液溶性材料として角砂糖のような水溶性の固形物を用いた場合、液体と接触することにより溶解、あるいは体積が減少する。
【0030】
また、液体としてバッテリセルに充填されたエチレンカーボネート等の電解液を想定し、電解液漏れに対応して作動するスイッチ素子の場合、液溶性材料としては、ABS、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、あるいはPET、PTT、PEN等の飽和ポリエステルなどを用いることができる。これらの液溶性材料も、高分子量になると溶解速度が落ち、スイッチ素子1として反応速度が低下する場合もあるため、反応速度を優先する場合は、重合度を調整して用いることが好ましい。
【0031】
また、ヒューズエレメント11と電極12との間に配置されるセパレータ14は、吸水性又は吸湿性の絶縁物であってもよい。また、ヒューズエレメント11と電極12との間に、ゾル、ゲル、又は固体からなる絶縁物を配置し、液体により導電性が発現するようにしてもよい。また、ヒューズエレメント11と電極12との間に、ゾル又はゲルからなる電解質が浸入したときに、ヒューズエレメント11の電蝕作用を発揮するようにしてもよい。
【0032】
[積層構造]
また、導電体2及び反応部3は、前述した構成例に限られず、例えば、導電体2となるヒューズエレメントが複数並列に重畳配置され、電極が各ヒューズエレメント間に配置されることにより反応部3が形成されていてもよい。
図7は、導電体2として平板状に形成されたヒューズエレメント11が複数並列に所定間隔で重畳配置されるとともに、各ヒューズエレメント11の間に平板状に形成された電極12が配置されることにより形成された反応部3の構成例を示す斜視図である。
【0033】
この反応部3は、ヒューズエレメント11と電極12とが3つずつ交互に積層された積層構造を有する。各ヒューズエレメント11は並列に接続され、また各電極12も並列に接続されている。
【0034】
このようにヒューズエレメント11を複数並列に配置することにより、定格電流を大きくすることができるとともに、ヒューズエレメント11と電極12との間に液体が浸入した場合におけるヒューズエレメント11の電蝕を促進させることができる。
【0035】
なお、導電体2及び反応部3は、
図8に示すように、平板状に形成されたヒューズエレメント11が複数並列に所定間隔で重畳配置されるとともに、平板状に形成された電極12をヒューズエレメント11の数よりも1つ多くし、各ヒューズエレメント11の間に配置するとともに、各ヒューズエレメント11の両面に対向して重畳させてもよい。
【0036】
反応部3は、各ヒューズエレメント11の両面に電極12を対向させることにより、ヒューズエレメント11の両面と電極12との間に液体を介在させ、ヒューズエレメント11の電蝕をより促進させることができる。
【0037】
また、反応部3は、
図7、
図8に示す積層構造において、ヒューズエレメント11及び電極12の一方又は両方に、上述した1又は複数の貫通孔13や、凹部又は凸部を設けてもよい。
【0038】
さらに、反応部3は、
図7、
図8に示す積層構造において、ヒューズエレメント11及び電極12の間に、上述したセパレータ14を配置してもよい。これにより、ヒューズエレメント11と電極12との間の直接短絡を抑制するとともに、水や電解液の保持性を確保することができる。このとき、セパレータ14は、メッシュ状、多孔質状のものを用いてもよく、絶縁材料を用いてもよい。また、セパレータ14は、NaCl等の電解質を担持させ、水や電解液の電気伝導度を向上させ、電蝕を促進させるようにしてもよい。また、上述したように、セパレータ14は、吸水性又は吸湿性の絶縁物であってもよい。また、ヒューズエレメント11と電極12との間に、ゾル、ゲル、又は固体からなる絶縁物を配置し、液体により導電性が発現するようにしてもよい。また、ヒューズエレメント11と電極12との間に、ゾル又はゲルからなる電解質が浸入したときに、ヒューズエレメント11の電蝕作用を発揮するようにしてもよい。
【0039】
なお、導電体2及び反応部3は、上述したように様々な形態を採用することができる。導電体2及び反応部3の他の形態例については、後に詳述する。
【0040】
[筐体1]
スイッチ素子1の筐体4は、各種エンジニアリングプラスチック、セラミックス等の絶縁性を有する部材により形成することができる。スイッチ素子1は、筐体4を設けることにより、導電体2及び反応部3を外部より受ける機械的な外乱等から保護するとともに、導電体2として用いたヒューズエレメントがアーク放電の発生を伴って溶断した際に、溶融金属の周囲への飛散を防止することができる。
【0041】
筐体4には、反応部3に液体を導く導入口5が設けられている。スイッチ素子1は、筐体4に設けられた導入口5を介して液体が反応部3へ流入することにより、導電体2を不可逆的に導通又は遮断させる。
【0042】
筐体4は、例えば
図9(A)に示すように、多面体からなり、一の面に、一の導入口5が設けられている。スイッチ素子1は、外部回路が形成された回路基板に実装されるチップ部品として形成された場合、筐体4の実装面と反対側の天面4aに導入口5が設けられることが好ましい。天面4aに導入口5が設けられることにより、水濡れ状態になると効率的に液体を筐体4内に取り込むとともに反応部3に保持し、導電体2を導通又は遮断させることができる。もちろん筐体4は、天面4a以外の面、例えば側面4bに導入口5を形成してもよい。また、筐体4は、
図9(B)に示すように、天面4aに複数の導入口5を形成してもよく、あるいは側面4bに複数の導入口5を形成してもよい。筐体4は、複数の導入口5を設けることにより、より液体を反応部3に導入しやすくすることができる。
【0043】
また、筐体4は、例えば
図9(C)に示すように、多面体からなり、複数の面、例えば天面4aと側面4bに導入口5を設けてもよい。また、筐体4は、
図9(D)に示すように、複数の面にそれぞれ一又は複数の導入口5を形成してもよい。
【0044】
また、筐体4は、筒状に形成し、導入口5を任意の位置に、任意の個数だけ形成してもよい。
図10は筐体4を円筒状に形成し、全周にわたって複数の導入口5を形成したスイッチ素子1の外観斜視図である。筐体4を中空の円柱状、角柱状に形成することにより、スイッチ素子1の配置に応じた面や角度、液体の浸入経路等に左右されずに導入口5を形成することができる。なお、
図10に示すスイッチ素子1は、導電体2が筐体4の外周面より突出して形成されている。
【0045】
また、筐体4は、導入口5より浸入した液体を排出する排出口を形成してもよい。
図11は、多面体からなる筐体4の天面4aに導入口5を形成するとともに、側面4bに液体を排出する排出口6を形成したスイッチ素子1を示す外観斜視図である。排出口6を形成することにより、液体が多量に筐体4内に浸入することによって導電体2及び反応部3が冷却され、ヒューズエレメント11の電蝕作用や自己発熱が阻害される等、反応部3の作用や、導電体2の導通状態の開放、あるいは開放状態の導通が阻害される事態を防止することができる。
【0046】
なお、排出口6は、導入口5よりも小さく形成されることが好ましい。排出口6を相対的に小さくすることで、筐体4内に浸入した液体が過剰に排出され、却って反応部3の作用や、導電体2の開放あるいは導通が遅延することを防止することができる。
【0047】
また、排出口は6、筐体4の反応部3が設けられた位置と同じ高さ、又は反応部3が設けられた位置よりも上方に設けられていることが好ましい。例えば、
図12に示すように、筐体4を多面形状に形成するとともに、回路基板に実装されるチップ部品として形成された場合、排出口6は、筐体4の側面4bの反応部3が設けられた位置と同じ高さ又は上方に設けられることが好ましい。これにより、筐体4内に浸入した液体は、反応部3より上方に浸入した分が排水され、反応部3には残留するため、反応部3の作用を確保するとともに、筐体4内に多量に浸入した液体によって導電体2及び反応部3が冷却され、ヒューズエレメント11の電蝕作用や自己発熱が阻害される等、反応部3の作用や、導電体2の導通状態の開放、あるいは開放状態の導通が阻害される事態を防止することができる。
【0048】
なお、液体を導入する導入口5及び液体を排出する排出口6は、円形、矩形等、その形状は問わない。また、導入口5及び排出口6は、
図13に示すように、スリット状に形成してもよい。導入口5をスリット状に形成することにより、より広範に液体を導入させ、速やかに反応部3を反応させて導電体2を開放又は導通させることができる。また、排出口6をスリット状に形成することにより、筐体4内に浸入した余剰の液体を速やかに排水することができ、反応部3の作用や導電体2の開放あるいは導通の進行が遅延することを防止することができる。
【0049】
また、筐体4は、天面4aにスリット状の導入口5を設けるとともに、反応部3へ液体を導く導入溝7を設けてもよい。
図14(A)(B)に示すように、導入溝7は、溝壁7aが天面4aに形成された導入口5から反応部3の近傍まで延在される。これにより、筐体4は、導入口5に浸入した液体が反応部3以外の場所に流入することなく、確実に反応部3へ導くことができる。また、筐体4は、導入口5に浸入した液体が筐体4内に散逸し、反応部3による導電体2の開放あるいは導通が遅延することを防止することができる。
【0050】
また、筐体4は、
図14(B)に示すように、導入溝7を側面4bまで延ばし、側面4bに形成された排出口6と連続させてもよい。これにより、筐体4は、導入口5から浸入した液体を効率よく反応部3に導くとともに、過剰な液体を効率よく排出口6から排水することができる。
【0051】
なお、
図15(A)(B)に示すように、導入溝7は、複数形成してもよい。導入溝7を複数形成することにより、反応部3の全幅にわたって液体を導くことができる。
【0052】
また、
図16(A)に示すように、導入溝7は、天面4aに臨む導入口5の開口部から反応部3が設けられた内部にかけて漸次狭小化させてもよい。導入溝7を反応部3に近づくにつれて狭小化することにより、導入口5の開口部から浸入した液体を、毛細管現象によって効率よく反応部3に導くことができる。
【0053】
また、スイッチ素子1は、
図17に示すように、筐体4に導電体2及び反応部3の位置に応じて導入口5、又は導入口5及び導入溝7を形成してもよい。スイッチ素子1は、例えば
図7に示す導電体2及び反応部3の構成例のように、ヒューズエレメント11及び電極12を複数並列に積層配置させるとともに、側面4bのヒューズエレメント11及び電極12の位置に対応した高さに、ヒューズエレメント11と同数の導入口5、又はヒューズエレメント11と同数の導入口5及び導入溝7を、ヒューズエレメント11と同間隔で形成してもよい。
【0054】
導入口5等が反応部3の位置に応じた位置に形成されることにより、スイッチ素子1は、効率良く多量の液体を導入口5から導電体2及び反応部3へ導くことができ、反応部3の反応を効率良く行い、導電体2の導通又は開放を促進させることができる。
【0055】
また、スイッチ素子1は、反応部3以外の場所に撥水処理を施し、液体を反応部3に誘導してもよい。例えば
図18に示すように、スイッチ素子1は、導入口5、又は導入口5及び導入溝7の溝壁7aに撥水処理が施された撥水処理部16を形成してもよい。撥水処理部16は、例えばフッ素系コーティング剤の塗布、ソルダーペーストコーティング等、公知の手法により形成することができる。
【0056】
これによりスイッチ素子1は、導入口5より浸入した液体を効率よく反応部3に導くことができる。また、導入口5や導入溝7に撥水処理を施すことにより、スイッチ素子1を作動させるべき水濡れ状態以外では、少量の液体を弾いて筐体4内に浸入させないことから、誤作動を防止し、センサーとしての信頼性を確保することもできる。
【0057】
また、スイッチ素子1は、筐体4の内壁に撥水処理を施してもよい。筐体4の内壁に撥水処理を施すことによっても、筐体4内に浸入した液体を効率良く反応部3に導き、速やかに反応部3を作用させることができる。
【0058】
また、スイッチ素子1は、
図19に示すように、筐体4内に浸入した液体を貯留する貯留部8を設けてもよい。貯留部8は、反応部3の周囲を囲むように凹状に形成され、筐体4に一体に成型され、あるいは凹状部材が筐体4の底面に配置されることにより形成することができる。スイッチ素子1は、筐体4内に液体が浸入すると、貯留部8に液体が貯留されることにより反応部3の周囲が液体に満たされる。これにより、スイッチ素子1は、筐体4内に浸入した液体が少量であっても効率よく反応部3を反応させることができる。このため、スイッチ素子1は、排出口6を反応部3よりも下方に形成し、余分な液体を排出することができる。
【0059】
なお、
図19に示すスイッチ素子1は、導電体2を湾曲させて貯留部8内に通すとともに、導電体2の両端を、筐体4の底面に臨まされている外部接続電極10に接続させている。
【0060】
また、スイッチ素子1は、
図20に示すように、導入口5を液体で溶解する水溶性封止材9で形成されたシート体を天面4aに貼付することにより閉塞してもよい。また、スイッチ素子1は、
図16(B)に示すように、導入溝7を液体で溶解する水溶性封止材9で閉塞してもよい。水溶性封止材9としては、例えば、寒天,ゼラチンなどの天然ポリマー、セルロース,でんぷんなどの半合成ポリマー、ポリビニルアルコールなどの合成ポリマー等が挙げられる。これらは、液体と接触することにより収縮あるいは溶解する。なお、高分子量になると溶解せず膨張する性質が強くなるため、重合度を調整して用いることが好ましい。また、液溶性材料として角砂糖のような水溶性の固形物を用いた場合、液体と接触することにより溶解、あるいは体積が減少する。
【0061】
また、液体としてバッテリセルに充填されたエチレンカーボネート等の電解液を想定し、電解液漏れに対応して作動するスイッチ素子の場合、水溶性封止材9の材料としては、ABS、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、あるいはPET、PTT、PEN等の飽和ポリエステルなどを用いることができる。これらの水溶性材料も、高分子量になると溶解速度が落ち、スイッチ素子1として反応速度が低下する場合もあるため、反応速度を優先する場合は、重合度を調整して用いることが好ましい。
【0062】
導入口5や導入溝7を水溶性封止材9で閉塞することにより、スイッチ素子1を作動させるべき水濡れ状態以外では、少量の液体を弾いてスイッチ素子1内に浸入させないことから、誤作動を防止し、センサーとしての信頼性を確保することもできる。
【0063】
[反応部の構成例]
上述したように、スイッチ素子1は、導電体2及び反応部3について、様々な形態を採用することができる。以下、導電体2及び反応部3の構成例について説明する。なお、本発明に係る導電体2及び反応部3は、以下に説明する構成に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0064】
[構成例1]
スイッチ素子1は、反応部3を構成するヒューズエレメント11と電極12との近傍領域における間隔を、その他の領域における間隔よりも狭くしてもよい。例えばスイッチ素子1は、
図21(A)〜(C)に示すように、導電体2として矩形板状のヒューズエレメント11を用い、略板状の電極12を筐体4内に隣接して配置されるとともに、反応部3においてヒューズエレメント11と電極12とが重畳されることにより、間隔が相対的に狭小化されている。
【0065】
電極12は、長手方向の略中央部に、ヒューズエレメント11上に張り出す重畳部12bが形成されている。スイッチ素子1は、ヒューズエレメント11と電極12の重畳部12bとが面対向されるとともに近接配置されることにより、液体を集めヒューズエレメント11を電蝕させる反応部3が形成される。
【0066】
重畳部12bは、筐体4等に設けられた支持部15に支持されることにより、ヒューズエレメント11と面対向されるとともに、液体が浸入、保持可能な所定の間隔が設けられている。ヒューズエレメント11と重畳部12bとの間隔は、0.01mm〜10mmであることが好ましい。また、ヒューズエレメント11と電極12間の距離が小さい方が、電界強度が大きく電蝕作用が強いため、また、毛細管現象によってヒューズエレメント11と電極12との間に水を導入しやすいため、より効率的に電気回路を開放させるためには、ヒューズエレメント11と重畳部12bとの間隔を0.01〜1mmとすることがより好ましい。
【0067】
また、スイッチ素子1は、
図22(A)(B)に示すように、ヒューズエレメント11と電極12とを隣接配置し、電極12の先端部12cを屈曲させるとともに支持部15に支持されることにより、ヒューズエレメント11の表面上に先端部12cが所定の間隔を隔てて線状に対向するようにしてもよい。
【0068】
[構成例2]
また、スイッチ素子1は、
図23(A)に示すように、導電体2として略矩形板状のヒューズエレメント11を用い、略棒状の電極12を近傍に配置することにより反応部3を構成する場合に、ヒューズエレメント11に、電極12の両側面及び底面の3面を囲むように湾曲させた湾曲部11cを形成することにより、電極12の複数面で対向させてもよい。あるいは、スイッチ素子1は、
図23(B)に示すように、ヒューズエレメント11に、電極12の両側面及び底面の3面を囲むように矩形状に屈曲させた屈曲部11dを形成することにより、ヒューズエレメント11及び電極12の複数面で対向させてもよい。ヒューズエレメント11の湾曲部11c又は屈曲部11dと電極12とは、いずれの面も所定の狭小化された間隔を隔てて対向され、液体を浸入、保持可能とされている。
【0069】
この反応部3によれば、ヒューズエレメント11と電極12とが複数面で対向されることにより、スイッチ素子1は、一面にて対向する形態に比して液体を保持する面積が増え、ヒューズエレメント11の電蝕による溶断をより促進させることができる。
【0070】
なお、反応部3は、電極12に、ヒューズエレメント11の両側面及び底面の3面を囲む湾曲部あるいは屈曲部を形成することにより、複数面で対向させてもよい。
【0071】
[構成例3]
また、スイッチ素子1は、反応部3を構成するヒューズエレメント11及び電極12の少なくとも一方の表面を、水や電解液等の液体に触れることで溶解する液溶性材料で被覆してもよい。例えばスイッチ素子1は、
図24に示すように、略矩形板状のヒューズエレメント11と略矩形板状の電極12とを対向させるとともに、電極12のヒューズエレメント11と対向する一面に液溶性材料からなるコート層17が形成されている。
【0072】
これにより、スイッチ素子1は、液体の浸入前の状態においてはヒューズエレメント11と電極12とのクリアランスを確保し、短絡を防止するとともに、液体の浸入時には溶解し、より多くの液体をヒューズエレメント11と電極12との間に導入させ電蝕作用を促進させることができる。
【0073】
コート層17を構成する液溶性材料としては、上述した液溶性材料を用いて形成されるセパレータ14と同じ材料を用いることができる。
【0074】
また、液溶性材料からなるコート層17は、ヒューズエレメント11の電極12と対向する一面側に形成してもよく、ヒューズエレメント11及び電極12の互いに対向する面にそれぞれ形成してもよい。
【0075】
[構成例4]
また、スイッチ素子1は、反応部3以外の場所、又は反応部3及びその近傍以外の場所に、撥水領域を設けてもよい。例えばスイッチ素子1は、
図25に示すように、略矩形板状のヒューズエレメント11と、略矩形板状の電極12とを対向させるとともに、ヒューズエレメント11と電極12とが筐体4内に配設された絶縁基板20上に搭載される。そして、スイッチ素子1は、絶縁基板20のヒューズエレメント11と電極12とが近接する反応部3及びその近傍を除く領域が撥水処理部18とされる。
【0076】
撥水処理部18は、例えばフッ素系コーティング剤の塗布、ソルダーペーストコーティング等、公知の手法により形成することができる。
【0077】
これにより、スイッチ素子1は、絶縁基板20上に浸入した液体を非撥水領域である反応部3及びその近傍に導くことができ、ヒューズエレメント11の電蝕による溶断を促進させることができる。
【0078】
[構成例5]
また、スイッチ素子1は、反応部3の近傍に吸水発熱材19を配置してもよい。例えば、スイッチ素子1は、
図25に示す絶縁基板20の表面上にヒューズエレメント11を配置するとともに電極12と対向させた構成において、反応部3へ熱が伝わる近傍領域に、吸水することで発熱する材料19を配置する。吸水発熱材料19は、例えば生石灰を用いることができる。
【0079】
このようなスイッチ素子1は、反応部3の近傍に液体が浸入すると、吸水発熱材19が吸湿、発熱し、その熱が反応部3に伝達する。反応部3は、吸水発熱材19の熱により、より反応効率が向上され、ヒューズエレメント11を速やかに電蝕、溶断させることができる。
【0080】
なお、スイッチ素子1は、
図25に示すように、絶縁基板20の反応部3及びその近傍を除く領域に撥水処理部18を設けるとともに、反応部3の近傍に吸水発熱材19を配置してもよく、撥水処理部18又は吸水発熱材19のいずれかを設けるようにしてもよい。
【0081】
[構成例6]
また、スイッチ素子1は、導電体2として、例えばリード線やスポンジメタル等、公知の導電部材を用い、反応部3として、導電体2を被覆することにより外部回路と絶縁し、液体が接触することにより溶解し導電体2と外部回路を導通させる液溶解性材料23を用いてもよい。
【0082】
スイッチ素子1は、導電体2が常態において反応部3を構成する液溶解性材料23によって被覆されることにより外部回路と絶縁されており、反応部3に液体が接触することにより、導電体2を被覆していた液溶解性材料23が溶解し、導電体2を介して外部回路が導通される。
【0083】
例えば導電体2は、
図26に示すように、それぞれ外部回路と接続されている一対の導線21A,21Bが撚り合わされた撚り線22を用いることができる。導線21A,21Bは、それぞれ液溶解性材料23によって被覆されることにより、互いに絶縁されている。そして、導線21Aは、スイッチ素子1と接続された外部回路の通電経路の一方の自由端に接続され、導線21Bは、同通電経路の他方の自由端に接続されている。これにより、当該外部回路は通常時において開放されている。
【0084】
反応部3は、液体と接触することにより導電体2を不可逆的に導通するためのものであり、導電体2を被覆する液溶解性材料23を備える。液溶解性材料23は、絶縁性を有し、液体と接触することにより溶解する任意の材料を用いることができ、例えば、寒天,ゼラチンなどの天然ポリマー、セルロース,でんぷんなどの半合成ポリマー、ポリビニルアルコールなどの合成ポリマー等が挙げられる。これらは、液体と接触することにより溶解する。なお、高分子量になると溶解せず膨張する性質が強くなるため、重合度を調整して用いることが好ましい。また、液溶性材料として角砂糖のような水溶性の固形物を用いた場合、液体と接触することにより溶解する。
【0085】
また、液体としてバッテリセルに充填されたエチレンカーボネート等の電解液を想定し、電解液漏れに対応して作動するスイッチ素子の場合、液溶解性材料23としては、ABS、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、あるいはPET、PTT、PEN等の飽和ポリエステルなどを用いることができる。これらの液溶解性材料23も、高分子量になると溶解速度が落ち、スイッチ素子1として反応速度が低下する場合もあるため、反応速度を優先する場合は、重合度を調整して用いることが好ましい。
【0086】
導電体2を被覆している液溶解性材料23は、筐体4内において反応部3を構成する。反応部3は、水濡れや電池からの液漏れ等の異常時に、筐体4内に浸入した液体によって液溶解性材料23が溶解し、導電体2と外部回路の開放端を接触させ、外部回路を通電させることができる。
【0087】
例えば、反応部3は、液溶解性材料23によって上述した一対の導線21A,21Bを被覆することにより、通常時には絶縁することにより外部回路を開放させている。そして、反応部3は、水濡れや電池からの液漏れ等の異常時に、筐体4内に浸入した液体が液溶解性材料23と接触、溶解することにより、一対の導線21A,21Bを接続させ、これにより外部回路を通電させることができる。
【0088】
[構成例7]
また、スイッチ素子1は、
図27に示すように、導電体2として、スポンジメタル24を用いてもよい。スポンジメタル24は、液溶解性材料23に被覆されるとともに、筐体4に設けられ、外部回路の開放端と接続される一対の外部接続端子25a,25b間にわたって搭載されている。外部接続端子25a,25bは、例えば筐体4内に設けられた金属端子や、筐体4あるいは筐体4内に配設された絶縁基板に形成された電極パターンにより形成される。
【0089】
スイッチ素子1は、スポンジメタル24が、表面を被覆する液溶解性材料23を介して外部接続端子25a,25b上に搭載されることにより、通常時は、外部回路を開放させている。そして、スイッチ素子1は、水濡れや電池からの液漏れ等の異常時に、筐体4内に浸入した液体が液溶解性材料23と接触、溶解することにより、スポンジメタル24と外部接続端子25a,25bを接続させ、これにより外部回路を通電させることができる。
【0090】
なお、導電体2として、スポンジメタル24の他、導電性繊維を用いた織布、不織布や、金属メッシュ等の多孔質体、あるいは金属箔等のメタルシートを用い、液溶解性材料23で被覆させてもよい。
【0091】
[構成例8]
また、スイッチ素子1は、
図28(A)に示すように、導電体2として、液溶解性材料23によって被覆された導電性粒子27の凝集体28を用いてもよい。凝集体28は、個々の導電性粒子27を被覆する液溶解性材料23によって略シート形状あるいは略フィルム形状を維持し、
図28(B)に示すように、筐体4内に設けられた金属端子や筐体4あるいは筐体4内に配設された絶縁基板に形成された電極パターンにより形成される外部接続端子25a,25b間にわたって搭載されている。
【0092】
スイッチ素子1は、導電性粒子27の凝集体28が、表面を被覆する液溶解性材料23を介して外部接続端子25a,25b上に搭載されることにより、通常時は、外部回路を開放させている。そして、スイッチ素子1は、水濡れや電池からの液漏れ等の異常時に、筐体4内に浸入した液体が液溶解性材料23と接触、溶解することにより、外部接続端子25a,25b間にわたって連続する導電性粒子27を介して両端子間を接続させ、これにより外部回路を通電させることができる。
【0093】
[構成例9]
また、スイッチ素子1は、
図29に示すように、導電体2として、導電材料からなる筒状の外部導体30と、外部導体30の内部に設けられた導電材料からなる内部導体31とを用いてもよい。
図29に示す導電体2は、外部導体30が外部回路の一方の開放端と接続され、内部導体31が外部回路の他方の開放端と接続されている。外部導体30は、例えば円筒状導体であり、外周面に液体が浸入する開口部30aが一又は複数形成されている。なお、外部導体30は、円筒状の他、内部導体31を収納できる中空形状であればどのような形状でもよい。
【0094】
内部導体31は、外部導体30の内部に配置されるあらゆる形態をとり得、
図29に示す円柱状の他、角柱状、シートの巻装体状、ブロック体状等でもよい。また、内部導体31は、外部導体30の内部において、移動可能に保持されている。
【0095】
スイッチ素子1は、
図30(A)に示すように、外部導体30の内面に液溶解性材料23によって絶縁コート層30bが形成され、これにより外部導体30と内部導体31とは、常態において絶縁され、外部回路を開放させている。そして、スイッチ素子1は、水濡れや電池からの液漏れ等の異常時に、筐体4内に浸入した液体が外部導体30の開口部30a内に浸入し、液溶解性材料23と接触することにより絶縁コート層30bが溶解し、外部導体30と内部導体31とが電気的に接続され、これにより外部回路を通電させることができる。
【0096】
なお、スイッチ素子1は、
図30(B)に示すように、内部導体31の外面に液溶解性材料23を塗布することにより絶縁コート層31aを形成してもよい。絶縁コート層31aは、外部導体30の開口部30aより浸入した液体と接触することにより溶解し、外部導体30と内部導体31とが電気的に接続可能となる。
【0097】
また、スイッチ素子1は、
図31に示すように、外部導体30と内部導体31との間に、液溶解性材料23からなる絶縁フィルム32を介在させてもよい。絶縁フィルム32は、少なくとも内部導体31を外部導体30の内面から遮蔽する大きさ、形状を有し、常態において外部導体30と内部導体31とを絶縁している。そして、絶縁フィルム32は、水濡れや電池からの液漏れ等の異常時に、筐体4及び外部導体30の開口部30aを介して浸入した液体と接触することにより溶解し、外部導体30と内部導体31とが電気的に接続可能とする。
【0098】
[構成例10]
また、スイッチ素子1は、導電体2として、それぞれ外部回路と接続された一対のリード線や金属端子片等を用い、反応部3として、液体と接触することにより状態変化し、一対の導電体2を不可逆的に接続又は離間させることにより外部回路を開放又は導通させる絶縁材料40を用いてもよい。
【0099】
絶縁材料40としては、絶縁性を有し、液体と接触することにより膨張、収縮、軟化、溶解、凝集といった状態変化をする任意の材料を用いることができ、一対の導電体2を接続あるいは離間させる方法や一対の導電体2や筐体4の形態等に応じて求められる状態変化から、最適な材料を選択することができる。
【0100】
絶縁材料40の候補としては、例えば、寒天,ゼラチンなどの天然ポリマー、セルロース,でんぷんなどの半合成ポリマー、ポリビニルアルコールなどの合成ポリマー等が挙げられる。これらは、液体と接触することにより収縮あるいは溶解し、高分子量になると溶解せず膨張する性質が強くなる。また、絶縁材料40として角砂糖のような水溶性の固形物を用いた場合、液体と接触することにより溶解、あるいは体積が減少する。
【0101】
また、液体としてバッテリセルに充填されたエチレンカーボネート等の電解液を想定し、電解液漏れに対応して作動するスイッチ素子の場合、絶縁材料40としては、ABS、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、あるいはPET、PTT、PEN等の飽和ポリエステルなどを用いることができる。これらの絶縁材料40も、高分子量になると溶解速度が落ち、スイッチ素子1として反応速度が低下する場合もあるため、反応速度を優先する場合は、重合度を調整して用いることが好ましい。
【0102】
図32は、一対の導電体2及び反応部3を備えたスイッチ素子の一例を示す断面図である。
図32に示すスイッチ素子1では、一対の導電体2として、第1、第2の金属端子片41,42を用いる。第1、第2の金属端子片41,42は、それぞれ筐体4内に設けられた外部接続電極43a、43bと接続されるとともに、互いに接触する接点部41a,42aとを有し、常態において接点部41aが、接点部42aの上から接触するように付勢されている。外部接続電極43aは外部回路の一方の開放端と接続され、外部接続電極43bは外部回路の他方の開放端と接続されている。これにより、当該外部回路は、通常時において第1、第2の金属端子片41,42を介して導通されている。
【0103】
また、第1の金属端子片41の下部には、液体と接触すると状態変化する絶縁材料40を有する反応部3が配設されている。スイッチ素子1の反応部3は、液体と接触することにより膨張する絶縁材料40が用いられる。スイッチ素子1は、
図33(A)に示すように、絶縁材料40が第1の金属端子片41の下部に配置され、筐体4内に液体が浸入する前の状態においては、第1の金属端子片41の接点部41aが第2の金属端子片42の接点部42aと接触され、外部回路を通電させている。そして、スイッチ素子1は、水濡れや電池からの液漏れ等により筐体4内に液体が浸入すると、
図33(B)に示すように、反応部3の絶縁材料40が液体と接触することにより膨張し、第1の金属端子片41を押し上げる。これにより、第1の金属端子片41の接点部41aが第2の金属端子片42の接点部42aから離間され、外部回路が遮断される。
【0104】
なお、スイッチ素子1は、液体と接触することにより収縮又は溶解する絶縁材料40を用いて、第1、第2の金属端子片41,42を常時離間させ、絶縁材料40の収縮又は溶解により第1、第2の金属端子片41,42を接続してもよい。この場合、第1、第2の金属端子片41,42は常時接触する方向に付勢され、絶縁材料40が第1の金属端子片41の下部に配置されることにより、筐体4内に液体が浸入する前の状態においては、第1の金属端子片41の接点部41aが第2の金属端子片42の接点部42aから離間されている。そして、筐体4内に液体が浸入すると絶縁材料40が収縮又は溶解することにより、第1、第2の金属端子片41,42が弾性復帰し、各接点部41a,42aが接触される。
【0105】
また、
図34に示すように、第1の金属端子片41は、接点部41aが第2の金属端子片42の接点部42aから常時離間する方向に付勢されるとともに、常態において絶縁材料40に押圧されることによって第2の金属端子片42と接触されるようにしてもよい。絶縁材料40は、液体と接触することにより収縮、溶解、軟化等する材料が用いられ、第1の金属端子片41の上方に配置される。
【0106】
図34(A)に示すように、スイッチ素子1は、筐体4内に液体が浸入する前の状態においては、第1の金属端子片41が絶縁材料40に押圧されることにより、接点部41aが第2の金属端子片42の接点部42aと接触され、外部回路を通電させている。そして、スイッチ素子1は、水濡れや電池からの液漏れ等により筐体4内に液体が浸入すると、
図34(B)に示すように、反応部3の絶縁材料40が液体と接触することにより収縮、溶解あるいは軟化等、第1の金属端子片41の内部応力に抗しえない性状に変化し、第1の金属端子片41が第2の金属端子片42と離間する方向に弾性復帰する。これにより、第1の金属端子片41の接点部41aが第2の金属端子片42の接点部42aから離間され、外部回路が遮断される。
【0107】
なお、スイッチ素子1は、液体と接触することにより膨張する絶縁材料40を用いて、離間している第1、第2の金属端子片41,42を接続させてもよい。この場合、絶縁材料40は第1の金属端子片41の上部に配置される。また、第1、第2の金属端子片41,42は常時離間する方向に付勢され、筐体4内に液体が浸入する前の状態においては、第1の金属端子片41の接点部41aが第2の金属端子片42の接点部42aから離間されている。そして、筐体4内に液体が浸入すると絶縁材料40が膨張することにより、第1の金属端子片41が絶縁材料40によって押圧され、接点部41aが第2の金属端子片42の接点部42aに接触される。
【0108】
また、
図35に示すように、第1の金属端子片41は、接点部41aが第2の金属端子片42の接点部42aから離間する方向に付勢されるとともに、常態において絶縁材料40によって第2の金属端子片42と接触された状態で固着されるようにしてもよい。絶縁材料40は、常態において接着性を有するとともに液体と接触することにより溶解する材料が用いられ、第1、第2の金属端子片41,42の各接点部41a,42a同士を固着する。
【0109】
図35(A)に示すように、スイッチ素子1は、筐体4内に液体が浸入する前の状態においては、第1の金属端子片41が絶縁材料40に固着されることにより、接点部41aが第2の金属端子片42の接点部42aと接触され、外部回路を通電させている。そして、スイッチ素子1は、水濡れや電池からの液漏れ等により筐体4内に液体が浸入すると、
図35(B)に示すように、反応部3の絶縁材料40が液体と接触することにより溶解あるいは軟化等、第1の金属端子片41の内部応力に抗しえない性状に変化し、第1の金属端子片41が第2の金属端子片42と離間する方向に弾性復帰する。これにより、第1の金属端子片41の接点部41aが第2の金属端子片42の接点部42aから離間され、外部回路が遮断される。
【0110】
[構成例11]
また、本発明が適用されたスイッチ素子は、
図36、
図37に示すように、導電性粒子45を介して一対の導電体2を接続するとともに、反応部3によって導電性粒子45を介した導電パスを遮断してもよい。
図36、
図37に示すスイッチ素子1は、一又は複数の液体の導入口5が形成された筐体4を有し、反応部3として、液体と接触することにより溶解する絶縁材料40が筐体4の導入口5が開口された内壁に設けられ、絶縁材料40には、導電性粒子45が固着、配列されている。筐体4は、筒状に形成され、両端から一対の導電体2となるリード線46,47が導出されている。また、導入口5は、リード線46,47が設けられていない略中央部に形成され、筐体4の周方向に亘ってスリット状に形成されてもよい。
【0111】
また、スイッチ素子1は、筐体4内においてリード線46,47が離間されるとともに、絶縁材料40に固着された導電性粒子45がリード線46,47間にわたって連続することにより導通されている。また、導電性粒子45の配列上には導入口5が形成されている。
【0112】
一対の導電体2となるリード線46,47は、筐体4から外部に引き出されるとともに、それぞれ外部回路の接続端と接続される。
【0113】
そして、スイッチ素子1は、筐体4内に液体が浸入する前の状態においては、
図36(A)に示すように、リード線46,47が絶縁材料40に固着された導電性粒子45からなる導電パスを介して導通され、外部回路を通電させている。そして、スイッチ素子1は、水濡れや電池からの液漏れ等により筐体4内に液体が浸入すると、
図36(B)に示すように、反応部3の絶縁材料40が液体と接触することにより溶解、収縮等、形質変位することにより配列されていた導電性粒子45が凝集し、導電性粒子45の配列からなる導電パスが遮断される。これにより、リード線46,47間が切断され、外部回路が遮断される。
【0114】
なお、スイッチ素子1は、一対の導電体2として、筐体4内に支持された金属端子片や絶縁基板に形成された電極パターンからなる外部接続電極を用いてもよい。
図38に示すスイッチ素子1は、一対の導電体2として、導電性粒子45によって接続された一対の金属端子片48,49が設けられている。金属端子片48,49は、それぞれ筐体4の実装面から外方に臨まされた外部接続電極50,51と接続されている。スイッチ素子1は、外部接続電極50,51が臨まされた面が外部回路基板への実装面となり、外部回路に形成された電極と外部接続電極50,51が接続される。
【0115】
筐体4は、金属端子片48,49が設けられていない天面略中央部に導入口5が設けられるとともに、液体と接触することにより溶解する絶縁材料40が天面内側に形成され、導電性粒子45が接着されている。また、
図38(A)に示すように、スイッチ素子1は、筐体4内において金属端子片48,49が離間されるとともに、絶縁材料40に固着された導電性粒子45が金属端子片48,49間にわたって連続することにより導通されている。また、導電性粒子45の配列上には導入口5が形成されている。
【0116】
導入口5の下方には、配列から脱落した導電性粒子45が収容される空間52が設けられている。そして
図38(B)に示すように、スイッチ素子1は、導入口5から液体が浸入すると、絶縁材料40が溶融することにより、導電性粒子45が空間52に脱落する。これにより、導電性粒子45の配列からなる導電パスが遮断され、金属端子片48,49間が遮断される。
【0117】
[構成例12]
また、本発明が適用されたスイッチ素子は、筐体4の導入口5に、絶縁材料40が充填されるとともに導電性粒子53が配列された部位と対峙する導入溝7を設けてもよい。
図39(A)(B)に示すスイッチ素子1は、一面にスリット状に開口された導入口5が形成された筐体4と、導入口5から筐体4内に延在された導入溝7と、筐体4内に離間して配置された一対の導電体2となるリード線55,56と、筐体4内に配列されることにより連続されリード線55,56を導通させる導電性粒子53と、導入溝7内に充填され、液体と触れることにより膨張して導電性粒子53の配列を遮断する絶縁材料40とを備える。
【0118】
スイッチ素子1は、導入溝7の溝壁7aが導電性粒子53の配列の近傍まで延在されて対峙されている。これにより、筐体4は、導入溝7に液体が浸入すると、絶縁材料40が膨張し導電性粒子53の配列を押圧することができ、また、膨張した絶縁材料40が筐体4内に散逸することなく、確実に絶縁材料40によって導電性粒子53の配列を遮断することができる。また、スイッチ素子1は、導入溝7の導電性粒子53の配列を挟んだ反対側には、導電性粒子53が押し出される空間57が形成されている。
【0119】
このスイッチ素子1は、筐体4内に液体が浸入する前の状態においては、リード線55,56が筐体4内に配列、固定された導電性粒子53からなる導電パスを介して導通され、外部回路を通電させている。そして、スイッチ素子1は、水濡れや電池からの液漏れ等により筐体4内に液体が浸入すると、
図39(B)に示すように、導入口5から導入溝7に浸入した液体が絶縁材料40と接触することにより膨張し、導電性粒子53が空間57側へ押し出され導電パスが遮断される。これにより、リード線55,56間が切断され、外部回路が遮断される。
【0120】
なお、スイッチ素子1は、一対の導電体2として、リード線55,56以外にも、金属端子片等、公知の導電体を用いることができる。
【0121】
なお、スイッチ素子1は、膨張した絶縁材料40よりも網目の小さいメッシュ部材58を筐体4の表面に配置することによって、導入口5を閉塞するようにしてもよい。これにより、スイッチ素子1は、導入溝7に充填された絶縁材料40が導入口5の開口部から浸入した液体と接触し、膨張した際に、メッシュ部材58によって閉塞された導入口5から筐体外部へ膨張、排出されることがなく、筐体4の内部に向かって膨張し、確実に導電性粒子53を空間57側へ押し出し、リード線55,56間を遮断することができる。
【0122】
また、スイッチ素子1は、
図40(A)に示すように、導入溝7を、導入口5の開口部から導電性粒子53が配列された内部にかけて漸次拡幅するテーパ状に形成してもよい。導入溝7を導電性粒子53の配列に近づくにつれて漸次拡幅することにより、
図40(B)に示すように、導入溝7に充填された絶縁材料40が導入口5から浸入した液体と接触することにより、より膨張しやすくするとともに、膨張した際に幅広な筐体4の内部に向かって膨張し、確実に導電性粒子53を空間57側へ押し出し、リード線55,56間を遮断することができる。
【0123】
また、スイッチ素子1は、導入溝7を導入口5の開口部から筐体4の内部にかけて拡幅するように形成することにより、スイッチ素子1を作動させるほどではない少量の液体が導入溝7内に浸入することを防止し、センサーとしての信頼性を確保することもできる。
【0124】
また、スイッチ素子1は、筐体4をセラミック製にしてもよい。これにより、筐体4の強度が向上され、絶縁材料40の膨張に伴って膨張圧力が掛かった場合にも筐体4が変形することがない。なお、スイッチ素子1は、筐体4をセラミック製にする他、筐体4をセラミックコーティングすることにより強度を向上させてもよい。また、スイッチ素子1は、筐体4に用いるセラミックあるいはセラミックコート材として、多孔質材を用いることにより、より液体を取り込みやすくできる。
【0125】
また、
図41、
図42に示すように、スイッチ素子1は、導入口5と導電性粒子53の配列との間にシート状の絶縁材料40を配置してもよい。
図41、
図42に示すスイッチ素子1は、一面にスリット状に開口された導入口5が形成された筐体4と、導入口5から筐体内に延在された導入溝7と、筐体4内に離間して配置された一対の導電体2となる金属端子片60,61と、筐体4内に配列されることにより連続され金属端子片60,61を導通させる導電性粒子53と、導入口5と導電性粒子53の配列との間に配設され、液体と触れることにより膨張して導電性粒子53の配列を遮断する絶縁材料40のシート体62とを備える。
【0126】
筐体4は、上下一対のハーフ4c、4dが付き合わされることにより形成される。上ハーフ4cは、スリット状の導入口5及び導入溝7が形成されるとともに、下ハーフ4dと付き合わされる内面側に、液体と接触することにより膨張する絶縁材料40のシート体62が貼り合わされている。下ハーフ4dには、金属端子片60,61及び導電性粒子53が配設されるとともに、金属端子片60,61の上ハーフ4cと反対側には、導電性粒子53が押し出される空間63が形成されている。金属端子片60,61は、離間されて設けられ、筐体内に配列された導電性粒子53を介して導通されている。
【0127】
スイッチ素子1は、上下ハーフ4c,4dが付き合わされることにより、導入口5と導電性粒子53の配列との間には、絶縁材料40のシート体62が配置される。
【0128】
このスイッチ素子1は、筐体4内に液体が浸入する前の状態においては、金属端子片60,61が筐体4内に配列、固定された導電性粒子53からなる導電パスを介して導通され、外部回路を通電させている。そして、スイッチ素子1は、水濡れや電池からの液漏れ等により筐体4内に液体が浸入すると、
図42(B)に示すように、導入口5から導入溝7に浸入した液体がシート体62と接触することにより絶縁材料40が膨張し、導電性粒子53が金属端子片60,61間から空間63側へ押し出され導電パスが遮断される。これにより、金属端子片60,61間が切断され、外部回路が遮断される。
【0129】
ここで、
図41(B)に示すように、金属端子片60,61は、櫛歯状に形成されるとともに、互いに櫛歯部60a,61aが空間63上に張り出すとともに非接触に咬合するよう配置され、導電性粒子53は、櫛歯部60a,61aの間に配列させてもよい。この場合、スリット状に形成された導入口5及び導入溝7は、櫛歯部60a,61aの間に配列された導電性粒子53に沿って形成することが好ましい。
【0130】
[構成例13]
また、本発明が適用されたスイッチ素子は、導入溝7内に充填した導電性粒子65を押し出すことにより一対の導電体2を導通させてもよい。
図43に示すスイッチ素子1は、一面に導入口5が形成された筐体4と、導入口5から筐体内に延在された導入溝7と、導入溝7内に充填された導電性粒子65と、導入溝7と連続され、導入溝7内に充填された導電性粒子65が押し出される空間66と、空間66内に離間して配置された一対の導電体2となるリード線67,68と、導入溝7の導入口5側に充填され、液体と触れることにより膨張する絶縁材料40とを有する。
【0131】
導入溝7は、導入口5側に液体と触れることにより膨張する絶縁材料40が充填され、空間66側に導電性粒子65が充填されている。空間66は、導入溝7と連続されるとともに、
図43(A)に示すように、リード線67,68の一端と接続された導電性粒子69の配列がそれぞれ離間して設けられている。また、空間66は、導電性粒子65が単層配列可能な高さを有し、導電性粒子65が押し出されると連続するように配列される。
【0132】
このスイッチ素子1は、筐体4内に液体が浸入する前の状態においては、リード線67,68及び導電性粒子69の配列が離間されることにより外部回路を遮断させている。そして、スイッチ素子1は、水濡れや電池からの液漏れ等により筐体4内に液体が浸入すると、
図43(B)に示すように、導入口5から導入溝7に浸入した液体が絶縁材料40と接触することにより絶縁材料40が膨張し、導電性粒子65が空間66へ押し出される。これにより、空間66において導電性粒子65がリード線67,68と連続する導電性粒子69の配列と連続し、リード線67,68間にわたる導電パスが形成され、外部回路が導通される。
【0133】
なお、
図43に示すスイッチ素子1は、空間66内に導電性粒子69を配列させる他にも、リード線67,68を導入溝7の下方に延在させ、リード線67,68と導電性粒子65とを直接接触させ、導通させるようにしてもよい。
【0134】
また、
図43に示すスイッチ素子1においても、導入溝7を筐体4の内部に向かって拡幅するテーパ状に形成してもよく、また、膨張した絶縁材料40の粒径よりも網目の小さなメッシュ部材によって閉塞するようにしてもよい。これにより、スイッチ素子1は、導入溝7に充填された絶縁材料40が導入口5の開口部から浸入した液体と接触し、膨張した際に、導入口5から筐体外部へ膨張、排出されることがなく、筐体4の内部に向かって膨張し、確実に導電性粒子65を空間66側へ押し出し、リード線67,68間を導通することができる。
【0135】
さらに、
図43に示すスイッチ素子1においても、液体と接触することにより溶解する絶縁材料40のシート体70によって導入口5を塞いでもよい。これによりスイッチ素子1は、スイッチ素子1を作動させるほどではない少量の液体が導入口5に浸入することを防止し、センサーとしての信頼性を確保することもできる。なお、スイッチ素子1は、絶縁材料40のシート体70を貼付する他にも、絶縁材料40の塗布、導入口5内への充填等によって導入口5を閉塞してもよい。スイッチ素子1は、絶縁材料40の厚みや成分を調整することにより、作動条件となる導入口5内への液体の浸入を調整することができる。
【0136】
[構成例14]
また、本発明が適用されたスイッチ素子は、導電性粒子71を格子状に配列するとともに、絶縁材料40の状態変化に応じて導電性粒子71の配列を切断することにより一対の導電体2間を遮断させてもよい。
図44に示すスイッチ素子1は、液体が浸入する複数の導入口5が格子状に形成された筐体4を有し、筐体4内には、液体と接触することにより膨張、収縮又は溶解する絶縁材料40が、筐体4内の全面にわたって設けられるとともに、絶縁材料40によって導電性粒子71が固定、配列されている。また、筐体4には、一対の導電体2となる外部接続電極72,73が筐体4の相対向する角部付近に離間して設けられ、筐体4の上下面に臨まされている。導電性粒子71は、隣接する導電性粒子71と密接した状態で絶縁材料40によって格子状に固定、配列されることにより、外部接続電極72,73間にわたる導電パスを形成し、外部接続電極72,73を導通させている。
【0137】
また、スイッチ素子1は、筐体4内に、導電性粒子71の移動を規制する固定部74が設けられている。固定部74は、絶縁材料40の状態変化が生じた際の導電性粒子71の移動を規制することにより外部接続電極72,73間にわたる絶縁性を確保するものであり、絶縁材料によって形成され、例えば十字状の立壁が所定の間隔で複数設けられてなる。
【0138】
このスイッチ素子1は、筐体4内に液体が浸入する前の状態においては、離間して設けられた外部接続電極72,73間が、絶縁材料40によって格子状に固定、配列された導電性粒子71を介して連続されることにより、外部回路を導通させている。そして、スイッチ素子1は、水濡れや電池からの液漏れ等により導入口5から筐体4内に液体が浸入すると、浸入した液体が絶縁材料40と接触することにより状態変化を起し、格子状に配列されていた導電性粒子71の導電パスが遮断される。例えば
図45に示すように、スイッチ素子1は、絶縁材料40が液体と接触することにより収縮すると、当該収縮箇所に固定されていた導電性粒子71が凝集することにより、導電性粒子71の導電パスが遮断される。したがって、スイッチ素子1は、外部接続電極72,73間が開放されることにより、外部回路を遮断することができる。
【0139】
ここで、スイッチ素子1は、導入口5が筐体4の一面に格子状に形成されるとともに、絶縁材料40が筐体4の全面にわたって設けられ導電性粒子71が格子状に配列されることにより、
図45(A)に示すように、液体の浸入箇所Aに応じた箇所の絶縁材料40が状態変化を起し、導電性粒子71が凝集等する。このとき、
図45(B)、
図46に示すように、スイッチ素子1は、固定部74によって導電性粒子71の自由な移動が規制されているため、導電性粒子71の凝集体が他の配列粒子と接触することにより新たな導電パスが形成されることを防止することができ、絶縁性を確保することができる。また、スイッチ素子1は、液体の浸入箇所Aに応じた箇所の絶縁材料40が状態変化を起して導電性粒子71による導電パスが切断されることから、筐体4のいずれの箇所に液体が浸入しても、その浸入箇所を検出することができる。
【0140】
また、スイッチ素子1は、導電性粒子71を線状に配列するとともに、絶縁材料40の状態変化に応じて導電性粒子71の配列を切断することにより外部接続電極72,73間を遮断させてもよい。
図47に示すスイッチ素子1は、液体が浸入する複数の導入口5が格子状に形成された筐体4を有し、筐体4内には、液体と接触することにより膨張、収縮又は溶解する絶縁材料40が、筐体4内の全面にわたって設けられるとともに、絶縁材料40によって導電性粒子71が固定、配列されている。また、筐体4には、外部接続電極72,73が筐体4の相対向する角部付近に離間して設けられ、筐体4の上下面に臨まされている。絶縁材料40によって固定、配列された導電性粒子71は、線状に配列されることにより、外部接続電極72,73間にわたる導電パスを形成し、外部接続電極72,73を導通させている。
【0141】
このとき、スイッチ素子1は、導電性粒子71が蛇行するように配列されることにより、筐体4の全面にわたって広範囲に配列されることが好ましい。また、スイッチ素子1は、筐体4内に、導電性粒子71の移動を規制する上述した固定部74が所定の間隔で複数設けられている。
【0142】
このスイッチ素子1は、筐体4内に液体が浸入する前の状態においては、
図47(A)に示すように、離間して設けられた外部接続電極72,73間が、絶縁材料40によって線状に固定、配列された導電性粒子71を介して連続されることにより、外部回路を導通させている。そして、スイッチ素子1は、水濡れや電池からの液漏れ等により導入口5から筐体4内に液体が浸入すると、浸入した液体が絶縁材料40と接触することにより状態変化を起し、線状に配列されていた導電性粒子71の導電パスが遮断される。
図47(B)に示すように、スイッチ素子1は、絶縁材料40が液体と接触することにより収縮すると、当該収縮箇所に固定されていた導電性粒子71が凝集することにより、導電性粒子71の導電パスが遮断される。したがって、スイッチ素子1は、外部接続電極72,73間が開放されることにより、外部回路を遮断することができる。
【0143】
ここで、スイッチ素子1は、導入口5が筐体4の一面に格子状に形成されるとともに、線状に配列された導電性粒子71が筐体4の全面にわたって設けられることにより、液体の浸入箇所に応じた箇所の絶縁材料40が状態変化を起し、当該箇所の導電性粒子71が凝集等する。このとき、スイッチ素子1は、固定部74によって導電性粒子71の自由な移動が規制されているため、導電性粒子71の凝集体が他の配列粒子と接触することにより新たな導電パスが形成されることを防止することができ、絶縁性を確保することができる。また、スイッチ素子1は、液体の浸入箇所Aに応じた箇所の絶縁材料40が状態変化を起して導電性粒子71による導電パスが切断されることから、筐体4のいずれの箇所に液体が浸入しても、その浸入箇所を検出することができる。
【0144】
[構成例15]
また、本発明が適用されたスイッチ素子は、一対の導電体2としてリード端子82,83を用いるとともに、絶縁材料に固定された導電性粒子81を介して導通又は開放され、絶縁材料の状態変化に応じて開放又は導通するようにしてもよい。
図48(A)(B)に示すスイッチ素子1は、一対の導電体2として、筐体4の内外にわたって配設されたリード端子82,83が用いられている。リード端子82,83は、筐体4内において互いに離間された状態で固定されるとともに、筐体4内に充填された導電性粒子81を介して導通されている。
【0145】
筐体4は、液体が浸入する1又は複数の導入口5が形成されている。筐体4内には、液体と接触することにより収縮又は溶解する絶縁材料40、及びこの絶縁材料40によって固定された導電性粒子81が配設されている。導電性粒子81は、筐体4内に充填された絶縁材料40によって所定の位置に固定されることにより、離間して支持されているリード端子82,83間に充填、配列されている。これにより、スイッチ素子1は、リード端子82,83間を導通させている。
【0146】
このスイッチ素子1は、筐体4内に液体が浸入する前の状態においては、
図48に示すように、離間して設けられたリード端子82,83間が、絶縁材料40によって固定、配列された導電性粒子81を介して連続されることにより、外部回路を導通させている。そして、スイッチ素子1は、
図49(A)に示すように、水濡れや電池からの液漏れ等により導入口5から筐体4内に液体が浸入すると、
図49(B)に示すように、浸入した液体が絶縁材料40と接触することにより収縮又は溶解し、リード端子82,83間において配列されていた導電性粒子81が凝集される。これにより、スイッチ素子1は、リード端子82,83間に配列、固定されていた導電性粒子81が凝集することにより、導電性粒子81の導電パスが遮断される。したがって、スイッチ素子1は、リード端子82,83間が開放されることにより、外部回路を遮断することができる。
【0147】
また、スイッチ素子1は、液体と接触することにより膨張、収縮又は溶解する絶縁材料40を用いて、開放されていたリード端子82,83間を導通させてもよい。
図50(A)に示すスイッチ素子1は、絶縁材料40によって導電性粒子81がリード端子82,83間以外の領域に凝集した状態で固定され、常態においてリード端子82,83間が開放されている。
【0148】
そして、スイッチ素子1は、水濡れや電池からの液漏れ等により導入口5から筐体4内に液体が浸入すると、浸入した液体が絶縁材料40と接触することにより膨張、収縮又は溶解し、リード端子82,83間以外の領域において凝集固定されていた導電性粒子81が筐体4内に拡散される。これにより
図50(B)に示すように、スイッチ素子1は、リード端子82,83間に多数の導電性粒子81が入り込み、導電性粒子81の導電パスが形成される。したがって、スイッチ素子1は、リード端子82,83間が接続されることにより、外部回路を導通することができる。
【0149】
[構成例16]
また、本発明が適用されたスイッチ素子は、筐体4の導入口5を導電性粒子91の凝集位置に応じて形成してもよい。
図51に示すスイッチ素子1は、スイッチ素子1と同様に、一対の導電体2としてリード端子92,93を用いるとともに、導電性粒子91を介して開放されていたリード端子92,93間を導通するものである。
【0150】
スイッチ素子1は、リード端子92,93が筐体4内において互いに離間されるとともに、液体と接触することにより溶解する絶縁材料40によって導電性粒子91がリード端子92,93間以外の領域に凝集した状態で固定され、常態においてリード端子92,93間が開放されている。
【0151】
スイッチ素子1の筐体4は、液体が浸入するスリット状の導入口5が形成されている。導入口5は、リード端子92,93間の導電性粒子91の凝集位置に応じた位置にスリット状に形成されている。具体的に、スイッチ素子1は、リード端子92,93が筐体4内において相対向して所定の間隔を隔てて支持され、導電性粒子91が水溶性の絶縁材料40によってリード端子92,93及びこれらの間隙を挟んで対向する位置に凝集固定されている。そして
図51(B)に示すように、スイッチ素子1は、筐体4に、リード端子92,93の間隙と交差するスリット状の導入口5が形成されている。絶縁材料40は、筐体4内に全体的に充填され、導電性粒子91を所定の位置に凝集固定している。
【0152】
図52(A)に示すように、スイッチ素子1は、水濡れや電池からの液漏れ等により導入口5から筐体4内に液体が浸入すると、浸入した液体がリード端子92,93の間隙を中心に絶縁材料40を溶解させる。これにより
図52(B)に示すように、スイッチ素子1は、リード端子92,93間に積極的に導電性粒子91が凝集され、導電性粒子91の導電パスが形成される。したがって、スイッチ素子1は、リード端子92,93間が接続されることにより、外部回路を導通することができる。
【0153】
また、スイッチ素子1は、
図53(A)(B)に示すように、導電性粒子91を、筐体4内において相対向して所定の間隔を隔てて支持されているリード端子92,93側に凝集、固定するとともに、導入口5を、リード端子92,93間の間隙上にリード端子92,93と同方向にわたってスリット状に形成してもよい。
【0154】
これにより、スイッチ素子1は、
図54(A)に示すように、スイッチ素子1は、水濡れや電池からの液漏れ等により導入口5から筐体4内に液体が浸入すると、浸入した液体がリード端子92,93の間隙を中心に絶縁材料40を溶解させる。これによっても
図54(B)に示すように、スイッチ素子1は、リード端子92,93間に積極的に導電性粒子91が凝集され、導電性粒子91の導電パスが形成される。したがって、スイッチ素子1は、リード端子92,93間が接続されることにより、外部回路を導通することができる。
【0155】
[構成例17]
また、本発明が適用されたスイッチ素子は、絶縁材料の側面に導電層を形成するとともに、液体と接触した絶縁材料が膨張することにより、導電層の両端を断絶してもよい。
図55、
図56に示すスイッチ素子1は、液体が浸入する一又は複数の導入口5が形成された筐体4と、筐体4内に設けられ、液体と接触することにより膨張する反応部3を構成する絶縁材料103と、両端が外部回路に接続されるとともに、絶縁材料103の側面に被覆された導電体2を構成する導電層104とを有し、導入口5より浸入した液体と接触した絶縁材料103が膨張することにより、導電層104の両端が断絶されるものである。
【0156】
筐体4は、例えば筒状に形成され、内部に絶縁材料103が収納されている。また、筐体4は、筐体4の内部に貫通する液体の導入口5が複数形成されている。筐体4内に収納されている絶縁材料103は、液体と接触することにより膨張する材料であり、上述した絶縁材料40と同様の材料を用いて形成することができる。絶縁材料103は、例えば円柱状に形成され、外周面に導電層104が形成されている。
【0157】
導電層104は、ハンダ等、導電材料として用いられる公知の材料によって形成することができ、導電メッキや印刷等、公知の方法により形成することができる。また、導電層104は、一対のリード線等の外部接続電極材105,106と接続され、この外部接続電極材105,106が外部回路の接続電極と接続されることにより、当該外部回路の通電経路の一部を構成する。
【0158】
このスイッチ素子1は、導入口5を介して筐体4内に液体が浸入する前の状態においては、
図55(A)、
図56(A)に示すように、導電層104を介して接続された一対の外部接続電極材105,106が接続されることにより外部回路を導通させている。そして、スイッチ素子1は、水濡れや電池からの液漏れ等により導入口5から筐体4内に液体が浸入すると、
図55(B)、
図56(B)に示すように、絶縁材料103が浸入した液体と接触することにより膨張し、絶縁材料103の周囲に形成されていた導電層104が破断する。これにより、スイッチ素子1は、導電層104を介して接続されていた一対の外部接続電極材105,106が切断され、外部回路を遮断することができる。
【0159】
なお、スイッチ素子1は、導電層104を絶縁材料103の周囲全体にベタで形成してもよく、あるいは、線状の導電パターンが絶縁材料103の周囲を螺旋状に周回するように形成してもよい。また、スイッチ素子1は、
図57(A)に示すように、導電層104を絶縁材料103の側面を螺旋状に周回するワイヤー等の導電性を有する線材107で構成してもよい。
【0160】
スイッチ素子1は、導電層104を導電性の線材107を螺旋状に巻き付けることで、容易に形成することができ、また、
図57(B)に示すように、絶縁材料103が膨張した際にも、線材107の一部が断線することで確実に導電パスを遮断することができる。
【0161】
なお、スイッチ素子1は、絶縁材料103を中空円筒状に形成するとともに、内周面に導電層104を形成してもよい。この場合も、絶縁材料103が液体と接触して膨張することにより、内周面に形成された導電層104が切断され、導電パスを遮断することができる。
【0162】
[構成例18]
また、本発明が適用されたスイッチ素子は、絶縁材料の側面に導電層を形成するとともに、液体と接触した絶縁材料が膨張することにより、導電層の断絶されていた両端を接続してもよい。
図58、
図59に示すスイッチ素子1は、液体が浸入する一又は複数の導入口5が形成された中空状の筐体4と、筐体4の内壁に沿って配置され、液体と接触することにより膨張する反応部3を構成する筒状の絶縁材料113と、両端が外部回路に接続されるとともに、絶縁材料113の内周面を周回する導電体2を構成する線状の導電層114とを有する。
【0163】
筐体4は、例えば円筒形状をなし、内壁に沿って絶縁材料113が収納されている。また、筐体4は、スリット状の導入口5が形成されている。筐体4内に収納されている絶縁材料113は、液体と接触することにより膨張する材料であり、上述した絶縁材料40と同様の材料を用いて形成することができる。絶縁材料113は、筐体4と同様の例えば円筒形状をなし、内周面に線状の導電層114が螺旋状に周回されている。
【0164】
導電層114は、ハンダ等、導電材料として用いられる公知の材料によって形成することができ、導電メッキや印刷等、公知の方法により形成することができる。また、導電層114は、一対のリード線等の外部接続電極材115,116と接続され、この外部接続電極材115,116が外部回路の接続電極と接続されることにより、当該外部回路の通電経路の一部を構成する。
【0165】
図58(A)、
図59(A)に示すように、絶縁材料113及び導電層114は、導入口5と連続するスリット117が形成され、導電層114は、スリット117によって外部接続電極材115,116と接続されている両端が断絶されている。これにより、スイッチ素子1は、導入口5を介して筐体4内に液体が浸入する前の状態において、導電層114が断絶されることにより外部回路を遮断している。
【0166】
そして、スイッチ素子1は、水濡れや電池からの液漏れ等により導入口5及びスリット117に液体が浸入すると、
図58(B)、
図59(B)に示すように、絶縁材料113が浸入した液体と接触することにより筐体4の内周面に沿って膨張し、スリット117が閉じられる。これにより、スイッチ素子1は、絶縁材料113の周囲に形成されていた導電層114が接続することにより導電パスが形成され、スリット117によって断絶されていた外部回路を導通させることができる。
【0167】
なお、スイッチ素子1は、導電層114として、導電パターンによる他、導電性を有する線材を用いてもよく、また導電パターンと導電性を有する線材を混合して用いてもよい。また、スリット117で断絶され、絶縁材料113の膨張に伴って接続される導電層114の断絶部分の一端又は両端を、金属端子によって形成し、接続性を向上させてもよい。
【0168】
[構成例19]
また、本発明が適用されたスイッチ素子1は、
図60に示すように、液体に触れることで発熱する反応部3と、反応部3の近傍に配置され、温度上昇に伴い電気抵抗値が低下するサーミスタ120からなる導電体2とを有してもよい。反応部3は、例えば水と反応して発熱する生石灰を用いて構成することができ、例えば
図61に示すように、絶縁基板121上に配設、保持されている。反応部3とサーミスタ120とは互いに近接して配置されることにより熱的に接続され、反応部3の熱によってサーミスタ120が熱せられる。
【0169】
サーミスタ120は、絶縁基板121上に形成されるとともに、両端が第1、第2の外部接続電極122,123と接続されている。サーミスタ120は第1、第2の外部接続電極122,123を介して外部回路の通電経路上に接続され、常時、高い電気抵抗によって外部回路の通電を規制している。また、サーミスタ120は、NTC(negative temperature coefficient)サーミスタ又はCTR(critical temperature resistor)サーミスタを好適に用いることができる。そして、スイッチ素子1は、反応部3が液体と接触することにより発熱すると、サーミスタ120の電気抵抗値が低下することにより、外部回路を通電させることができる。
【0170】
また、スイッチ素子1は、絶縁基板121上を覆うカバー部材124により筐体4が形成される。カバー部材124には、反応部3に液体を導く導入口5が形成されている。
【0171】
なお、スイッチ素子1は、反応部3とサーミスタ120とが重畳して配置されることが好ましい。例えば、スイッチ素子1は、絶縁基板上に配置された生石灰上にサーミスタ120が重畳配置される。これにより反応部3とサーミスタ120とが熱的に密接に接続され、反応部3が発熱することにより、速やかにサーミスタ120の電気抵抗値を低下させることができる。
【0172】
なお、スイッチ素子1は、
図61に示すように、反応部3以外の場所、又は反応部3及びその近傍以外の場所に、撥水処理部125を設けてもよい。例えばスイッチ素子1は、反応部3、サーミスタ120を除く絶縁基板121の表面121aの露出領域に、撥水処理部125が設けられる。
【0173】
撥水処理部125は、例えばフッ素系コーティング剤の塗布、ソルダーペーストコーティング等、公知の手法により形成することができる。
【0174】
これにより、スイッチ素子1は、絶縁基板121上の液体を非撥水領域である反応部3に導くことができ、サーミスタ120の加熱を促進して速やかにサーミスタ120の電気抵抗値を低下させることができる。