(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態の例について、添付図面を参照しながら説明する。なお、各図において実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0017】
<1.第1の実施形態>
[回転装置の全体構成]
まず、本発明の第1の実施形態に係る回転装置の全体構成について
図2、
図3及び
図4を参照して説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る回転装置の全体構成の一例を示す外観斜視図である。
図2において、説明の便宜上、一部を断面表示している。
図3は、
図2のX−X´線に沿う矢視図である。
図3において、駆動軸部2の回転軸であって、回転体本体3の上面及び下面に垂直な軸をz軸としている。
図3において、駆動軸部2については断面表示としていない。
【0018】
図2及び
図3に示すように、回転装置1は、回転駆動する駆動軸部2、円筒状の回転体本体3、駆動軸部2と回転体本体3とを接続する接続構造4(回転体の軸部接続構造の一例)を備える。接続構造4は、支持部5、円板状部材6、及び接続部7から構成される。
【0019】
駆動軸部2は、回転軸であるz軸の方向に延在する略円柱状の本体部2aと、本体部2aの上側及び下側に設けられた駆動軸2bと、本体部2aの上部に設けられたつば部2cとを備える(
図3)。駆動軸部2には、一例としてステンレス鋼が用いられる。
【0020】
駆動軸2bは、本体部2aの上側と下側の平面に設けられており、本体部2aよりも直径が小さい。
図3の例では、駆動軸2bの直径を本体部2aよりも小さくしているが、同じ直径でもよい。いずれか一方の駆動軸2bの先端側は、電動機(モータ)又は発電機の不図示の駆動軸と接続している。電動機の回転駆動力が駆動軸2bから接続構造4を介して回転体本体3に伝達されることで、回転体本体3が回転する。
【0021】
つば部2cは、本体部2aの円柱面の上端であって、円柱面の周部に設けられる。つば部2cの所定位置には雄ネジ8と螺合する複数のネジ孔(雌ネジ)が形成される。
図2の例では、つば部2cの周端部の近くであって、互いに等距離となる位置(例えば60度間隔)に6個のネジ孔が形成されている。本体部2a、駆動軸2b、及びつば部2cは一体に構成されている。なお、
図3では、つば部2cが本体部2aの円柱面の上端に設けられているが、円柱面の下端側、あるいは円柱面の上端側と下端側の両方に設けられてもよい。つば部2cが円柱面の上端側と下端側の両方に設けられた場合には、つば部2cが支持部5(上側支持部材10及び下側支持部材20)とより安定的に固定される。
【0022】
回転体本体3は、駆動軸部2の回転軸(z軸)と同一の回転軸を持ち、その回転軸を中心に回転可能な円筒状の物体である。回転体本体3は、一例として、剛性が高く、高速回転でも変形しにくい材料を用いて構成される。このような高剛性を有する材料として、例えば炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastic:CFRP)などがある。以下の説明では、炭素繊維強化プラスチックをCFRPと表記する。CFRPは、炭素繊維を強化材とし、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂をマトリックス(結合材料)とする複合材料である。特に後者をCFRTPともいう。
【0023】
回転体本体3は、一例としてCFRPを用いて繊維の向きが円周方向の厚みが薄い、環状のCFRP層を作成し、この環状のCFRP層を回転軸方向に何重にも積層することで、円筒状に形成される。ただし、このような高剛性を有する材料を用いて回転体本体3を形成しても、回転体本体3は他の部材と比較して回転軸からの距離が遠く、且つ、重量が大きいため、回転によって遠心方向に一定程度伸びて変形する。
【0024】
回転体本体3の内周面には、接続構造4の一構成要素である円板状部材6が固定されている。円板状部材6は、駆動軸部2の回転軸と同一の回転軸を持つ円板状の形状を有する部材である。円板状部材6は、回転体本体3の内周面に該円板状部材6の外周面(円板状部材6の外周側の端部)が嵌め合わされた状態で、回転体本体3に固定される。回転体本体3と円板状部材6は、一例として任意の接着剤を用いて固着される。また、回転体本体3と円板状部材6は、ネジを用いて固定されてもよい。
【0025】
円板状部材6は、接続構造4の一構成要素であり、駆動軸部2の本体部2aが通る不図示の貫通孔が形成されている。支持部5及び接続部7によって、円板状部材6の貫通孔に駆動軸部2の本体部2aが挿入された状態で駆動軸部2に円板状部材6が固定される。支持部5及び接続部7を介して駆動軸部2の回転駆動力が円板状部材6に伝達されることにより、円板状部材6は駆動軸部2を回転軸として回転する。円板状部材6は、一例として高剛性のCFRPを用いて構成することができる。この支持部5及び接続部7の詳細については後述する。
【0026】
本実施形態のように回転体本体3に対して接続構造4が1つである場合には、円板状部材6の外周面は、回転体本体3の内周面の高さ方向(z軸方向)の中央位置Cに固定されることが望ましい。このように構成することで、回転体本体3に対する円板状部材6の位置関係のバランスが良くなる。
【0027】
円板状部材6の内周側の端部には、円環状の接続部7が固定されている。この接続部7は、緩衝部材30と補強部材40から構成されており、緩衝部材30が支持部5と係合した状態で支持部5に支持されている。それにより、駆動軸部2の回転時に接続部7が支持部5から離脱しないとともに、駆動軸部2の回転駆動力が、支持部5及び接続部7を介して円板状部材6に伝達される。
【0028】
[接続構造(支持部と接続部の構造)]
次に、回転装置1の接続構造4を構成する支持部5及び接続部7の構造について、
図4及び
図5を参照して詳細に説明する。
図4は、回転装置1の接続部7を含む要部の拡大図である。
図5は、回転装置1の支持部5と接続部7の分解斜視図である。
【0029】
(支持部の構造)
支持部5は、
図4及び
図5に示すように、ほぼ同じ構造を有する一対の上側支持部材10と下側支持部材20とから構成される。上側支持部材10と下側支持部材20は、回転軸(
図3のz軸)に直交する面について対称に、即ち上下方向に対向するように配置されている。上側支持部材10と下側支持部材20には、駆動軸部2の本体部2aが軸通される。支持部5は、上側支持部材10と下側支持部材20によって接続部7を挟持することにより、接続部7及び該接続部7に固定された円板状部材6を支持する。
【0030】
上側支持部材10は、駆動軸部2の本体部2aが貫通する貫通孔10h(
図5)が形成された、駆動軸部2の回転軸と同一の回転軸を持つ略円板状の部材である。上側支持部材10の下面11(
図4)の回転軸側には、径方向に段差を有する第1の段差部12が円周方向に沿って設けられている。さらに、第1の段差部12の平面部12pの回転軸側には、径方向に段差を有する第2の段差部13が円周方向に沿って設けられている。
【0031】
上側支持部材10の下面11には、複数の突起状(凸状)の係止部14(
図5)が形成されている。複数の係止部14は、所定の直径の円周上に等間隔で配置される。
図5では、4個の係止部14が円周上に90度間隔で配置されている。
【0032】
下側支持部材20は、上側支持部材10と同様に、駆動軸部2の本体部2aが貫通する貫通孔20h(
図5)が形成された、駆動軸部2の回転軸と同一の回転軸を持つ略円板状の部材である。下側支持部材20の上面21の回転軸側には、径方向に段差を有する第1の段差部22が円周方向に沿って設けられている。さらに、第1の段差部22の平面部22pの回転軸側には、径方向に段差を有する第2の段差部23が円周方向に沿って設けられている。
【0033】
下側支持部材20の上面21には、複数の突起状(凸状)の係止部24(
図5)が形成されている。複数の係止部24は、所定の直径の円周上に等間隔で配置される。
図5では、4個の係止部24が、係止部14と対応するように円周上に90度間隔で配置されている。
【0034】
上側支持部材10の下面11及び下側支持部材20の上面21は、互いに所定の距離を空けて対向する平面である。この上側支持部材10の下面11及び下側支持部材20の上面21に、接続部7及び円板状部材6の内周側の端部が挟持される。
【0035】
上側支持部材10及び下側支持部材20の各々に設ける係止部の個数によって、各係止部に係る負荷が異なってくる。上側支持部材10及び下側支持部材20の各々に設ける係止部の個数は、回転体本体3の重量や大きさ、回転速度等に応じて適宜決定するものとする。本実施形態では、上側支持部材10の係止部14と下側支持部材20の係止部24はそれぞれ4箇所ずつだが、少なくとも2箇所以上あればよく、3箇所、5箇所又は6箇所でもよい。
【0036】
また、係止部14,24の径方向の長さ、係止部14,24の円周方向の長さは、回転体本体3の重量や大きさ、回転速度等に応じて適宜設計するものとする
【0037】
なお、上側支持部材10と下側支持部材20には、例えばアルミニウム合金、ステンレス鋼、チタン又は鉄などが用いられる。上側支持部材10と下側支持部材20は駆動軸部2に近く、回転時の変形が少ないため、接続部7と比較して硬度が高くてもよい。
【0038】
(接続部の構造)
図3及び
図4に示すように、接続部7は、緩衝部材30と補強部材40とから構成される。緩衝部材30は、補強部材40の内周面に嵌合されている。まず、緩衝部材30について説明する。
【0039】
緩衝部材30は、少なくとも遠心方向(径方向)に対して可撓性と復元性を有する円環状の部材である。緩衝部材30は、一例としてアルミニウム合金で構成される。緩衝部材30に用いられる材質は、変形するものであればよく例えば銅でもよい。
【0040】
緩衝部材30の上面には、円周方向に沿って溝部31Tが形成されるとともに、下面にも円周方向に沿って溝部31Bが形成されている(
図4、
図5)。そのため、緩衝部材30を回転軸が含まれる平面で切った断面の形状は略H状であり、溝部31T,31Bの両側は相対的に高くなっている。緩衝部材30の上面の溝部31Tの両側(上面の両端部又は両端部の近傍)には、上面から垂直に突出した突縁部32T,33Tが円周方向に形成されている。同様に、緩衝部材30の下面の溝部31Bの両側(下面の両端部又は両端部の近傍)にも、下面から垂直に突出した突縁部32B,33Bが円周方向に形成されている。
【0041】
緩衝部材30の上面の突縁部32Tは、支持部5の上側支持部材10の下面11に形成された4個の係止部14に対応して形成された被係止部であり、これらの係止部14よりも駆動軸部2に近い位置にある。また、緩衝部材30の下面の突縁部32Bは、支持部5の下側支持部材20の上面21に形成された4個の係止部24に対応して形成された被係止部であり、これらの係止部24よりも駆動軸部2に近い位置にある。
【0042】
この緩衝部材30の上面の溝部31Tに上側支持部材10の複数の係止部14が挿入されるとともに、緩衝部材30の下面の溝部31Bに下側支持部材20の複数の係止部24が挿入される。
【0043】
補強部材40は、外径と内径との差が小さい肉薄の円環状の部材である。補強部材40の内周面に緩衝部材30の外周面が接するとともに、補強部材40の外周面に円板状部材6の内周面が接する。補強部材40には、遠心方向に対して可撓性と復元性を有する材料が用いられる。補強部材40は、回転時に緩衝部材30の過度の局部的な変形を抑えるために設けられる。補強部材40は可撓性と復元性を有するため、緩衝部材30が変形して円板状部材6の内周面を押したとしても、補強部材40によって円板状部材6に損傷が与えられることを防止できる。本実施形態では、補強部材40はアルミニウム合金で構成されるが、この例に限らない。補強部材40は、緩衝部材30よりも硬度の高い材料で構成されてもよい。
【0044】
図4及び
図5に示すように、回転体本体3(
図3)に固定された円板状部材6の貫通孔に補強部材40が嵌め合わされ、補強部材40が円板状部材6と密着する。また、補強部材40の貫通孔に緩衝部材30が嵌め合わされ、緩衝部材30が補強部材40と密着する。緩衝部材30、補強部材40及び円板状部材6のそれぞれが密着しているため、回転駆動力が順次伝達される。緩衝部材30、補強部材40及び円板状部材6については、緩衝部材30及び補強部材40が回転時に変形することを考慮して接着による固定は行わない。
【0045】
緩衝部材30の下面の溝部31Bに下側支持部材20の4箇所の係止部24が挿入され、また緩衝部材30の上面の溝部31Tに上側支持部材10の4箇所の係止部14が挿入される。これにより、上側支持部材10の下面11と下側支持部材20の上面21によって、接続部7(緩衝部材30と補強部材40)と円板状部材6の内周側の端部とが挟持される。このようにして支持部5は、上側支持部材10と下側支持部材20によって、円板状部材6が遠心方向に離脱しないように支持する。
【0046】
上側支持部材10と下側支持部材20の対応する位置にはそれぞれ、上下方向に貫通した6箇所のネジ孔(雌ネジ)(
図4)が穿設されている。
図4に示すように、上側支持部材10と下側支持部材20は、下側支持部材20の下面から挿入された6個の雄ネジ26によって、第2の段差部13の平面部13pと第2の段差部23の平面部23pとが面的に接した状態で固定される。また、上側支持部材10と駆動軸部2のつば部2cは、つば部2cの貫通孔及び上側支持部材10のネジ孔に挿入された雄ねじ8によって、上側支持部材10の上面とつば部2cの下面が接触した状態で固定される。
【0047】
このように上側支持部材10と下側支持部材20が、接続部7と円板状部材6の内周側の端部とを挟持した状態で、雄ネジ8及び雄ネジ26を用いて、駆動軸部2と支持部5とが固定される。
【0048】
なお、上述した支持部5の構成は一例である。その他種々の構成及び方法により、円板状部材6を回転可能に支持して駆動軸部2に接続することが可能である。
【0049】
[接続部(緩衝部材)の遠心方向への変形]
図6は、駆動軸2bの回転に伴う回転装置1の接続部7の遠心方向への変形を説明する上面図である。
【0050】
駆動軸部2の駆動軸2bが回転すると、回転体本体3に固定された円板状部材6に掛かる遠心力により、円板状部材6と嵌合された接続部7(緩衝部材30と補強部材40)が遠心方向へ伸びようとする。しかし、緩衝部材30の上面の突縁部32Tが上側支持部材10に設けられた4個の係止部14に係止されるとともに、緩衝部材30の下面の突縁部32Bが下側支持部材20に設けられた4個の係止部24に係止される。それにより、緩衝部材30及び補強部材40の係止部14,24に対応する部分の遠心方向への伸び(変形)が制限される。
【0051】
その一方で、緩衝部材30及び補強部材40の係止部14,24に対応しない部分(係止部と係止部の間の部分)は、遠心方向への伸びが制限されないために遠心方向へ伸びる(変形する)。
図6の例では、緩衝部材30及び補強部材40において係止部と係止部との間の中間の部分は、その外径が最大で変形量aだけ伸びる。2点鎖線で表した接続部7´は、接続部7の変形後の形状を示したものである。
【0052】
このように回転装置1(回転体本体3)が回転動作しているときは、回転体本体3及び円板状部材6に作用する遠心力により接続部7が変形し、回転装置1(回転体本体3)の回転動作が停止すると、接続部7が元の形状に復元する。
【0053】
なお、回転体本体3の直径が比較的小さい、あるいは円板状部材6や緩衝部材30に用いられる材料の特性などの条件によっては、緩衝部材30の変形量が小さいため補強部材40を設けなくてもよい。
【0054】
[シミュレーション結果]
次に、接続部7(緩衝部材30)の変形量のシミュレーション結果について
図7を参照して説明する。
【0055】
図7は、回転装置1の緩衝部材30の変形量(回転中心(z軸)からの距離の変化)のシミュレーション結果を示す図である。本シミュレーションは、
図2〜
図6に示す回転装置1の構成を想定して実施しているが、
図7には、緩衝部材30の4分の1の部分における変形量を示している。
図7では、変形量が多い部分ほど濃度を高くして表示(グレースケール表示)している。実際には、変形量は連続的であるが、
図7では説明をわかりやすくするため、変形量の大きさを5段階に分けて表している。
【0056】
本実施形態に係るシミュレーションは、回転装置1の回転体本体3を始めとして各部の大きさと重量、角速度等の条件を適宜設定して実施した。回転体本体3の外径を2000mm、内径を1400mm、重量を約3000kg、回転体本体3の回転速度を600rpmとした。
【0057】
図6に示すように、下側支持部材20の係止部24(係止部14の記載は省略)により、緩衝部材30の係止部24に対応する部分は、遠心方向の伸びが規制されており、変形量が小さい(濃度が低い)。一方、緩衝部材30の係止部24に対応しない部分(係止部24,24の間の部分)は、係止部24による遠心方向への変形に対する規制がなく、変形量が大きくなっている(濃度が高い)。緩衝部材30の係止部24と係止部24からの中間点にある中央部35に近づくほど変形量が大きくなり、中央部35では変形量が最大になる。
【0058】
本シミュレーションでは、緩衝部材30の係止部24に対応する部分の遠心方向への変形量がほぼ0mm、緩衝部材30の係止部24に対応しない部分の変形量の最大値が約0.34mmであった。
【0059】
このシミュレーション結果から、回転装置1では、緩衝部材30の係止部24(14)に対応しない部分が変形することにより、回転体本体3及びこれと固定された円板状部材6に生じた大きな遠心力を、緩衝部材30の係止部24(14)に対応しない部分から逃がしていることがわかる。
【0060】
以上のように構成された第1の実施形態によれば、回転体本体3が回転しているとき、回転体本体3と固定された円板状部材6に掛かる遠心力により、接続部7(緩衝部材30)における支持部5の複数の係止部14,24に対応していない部分が変形する。このように、円板状部材6に掛かる遠心力に応じて、接続部7が部分的に遠心方向に変形することで、支持部5と円板状部材6の接続部分が損傷したり、円板状部材6が支持部5(接続部7)から離脱したりすることが防止される。それゆえ、支持部5と接続部7により、駆動軸部2と回転体本体3(円板状部材6)とを良好に接続することが可能となる。
【0061】
<2.第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る回転装置の構成について
図8を参照して説明する。
第2の実施形態は、第1の実施形態に係る緩衝部材30(
図4)に対し、外周側の突縁部33T,33Bを設けない構成としたものである。
【0062】
図8は、第2の実施形態に係る回転装置の接続部を含む要部の拡大図である。
図8において、
図4と同一の構成要素については同一の符号を付してある。
図8に示す接続部7Aは、緩衝部材30Aと補強部材40とから構成される。
【0063】
緩衝部材30Aは、緩衝部材30(
図4、
図5参照)と同様に、遠心方向(径方向)に対して可撓性と復元性を有する円環状の部材である。緩衝部材30Aの材質は、緩衝部材30と同様のものを用いることができる。
【0064】
緩衝部材30Aの上面の外周側には、円周状の切り欠き34Tが形成されるとともに、下面にも円周状の切り欠き34Bが形成される(
図8参照)。緩衝部材30Aの回転軸が含まれる平面で切った断面の形状は、‘H’の右側の縦線を削除した形状(‘T’を横向きにした形状)であり、切り欠き34T,34Bの内周側は相対的に高い。即ち、緩衝部材30Aの上面の内周側には、上面から垂直に突出した突縁部32Tが円周方向に形成されている。同様に、緩衝部材30Aの下面の内周側には、下面から垂直に突出した突縁部32Bが円周方向に形成されている。
【0065】
この緩衝部材30Aの上面の切り欠き34Tに上側支持部材10に設けられた4個の係止部14が挿入されるとともに、緩衝部材30Aの下面の切り欠き34Bに下側支持部材20に設けられた4個の係止部24が挿入される。そして、駆動軸部2の駆動軸2bが回転すると、円板状部材6と嵌合された接続部7A(緩衝部材30Aと補強部材40)が遠心方向へ伸びようとするが、緩衝部材30Aの上面の突縁部32Tが上側支持部材10の4個の係止部14に係止されるとともに、緩衝部材30の下面の突縁部32Bが下側支持部材20の4個の係止部24に係止される。それにより、緩衝部材30A及び補強部材40の係止部14,24に対応する部分の遠心方向への伸び(変形)が制限される。
【0066】
その一方で、緩衝部材30A及び補強部材40の係止部14,24に対応しない部分(係止部と係止部の間の部分)は、遠心方向への伸びが制限されないために遠心方向へ伸びる(変形する)。
【0067】
以上のように構成された第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。即ち、回転体本体3が回転しているとき、回転体本体3と固定された円板状部材6に掛かる遠心力により、緩衝部材30Aの、支持部5の複数の係止部14,24に対応していない部分が遠心方向に変形する。このような円板状部材6が回転体本体3に引っ張られて遠心方向に変形するとき、円板状部材6に掛かる遠心力に応じて、緩衝部材30Aが部分的に遠心方向に変形することで、円板状部材6が支持部5(接続部7A)から遠心方向に離脱することが防止される。それゆえ、駆動軸部2と回転体本体3(円板状部材6)とを良好に接続することが可能となる。
【0068】
以上から理解されるように緩衝部材30Aの上面及び下面には、少なくとも係止部14,24よりも駆動軸部2側に該係止部14,24に係止される突縁部32T,32B(被係止部)が形成されていればよい。これにより、回転装置1が回転動作したとき、係止部14,24よりも駆動軸部2側に形成された突縁部32T,32B(被係止部)が、係止部14,24に係止される。
【0069】
なお、
図8では、緩衝部材30Aの外周側の高さ方向(回転軸方向)の長さと、補強部材40及び円板状部材6の高さ方向の長さが異なっているが、補強部材40及び円板状部材6の高さ方向の長さを、緩衝部材30Aの外周側の高さ方向の長さに合わせてもよい。
【0070】
<3.第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態に係る回転装置の構成について
図9を参照して説明する。
第3の実施形態は、第2の実施形態に係る緩衝部材30A(
図8参照)の外周側の高さ方向(回転軸方向)の長さと、補強部材及び円板状部材の高さ方向の長さとを一致させた構成としたものである。
【0071】
図9は、第3の実施形態に係る回転装置の接続部を含む要部の拡大図である。
図9において、
図8と同一の構成要素については同一の符号を付してある。
図9に示す接続部7Bは、緩衝部材30Aと補強部材40Bとから構成される。
【0072】
補強部材40Bは、円環状の部材であり、基本的な構造及び材質は補強部材40と同じである。補強部材40Bの高さ方向の長さは、緩衝部材30Aの外周側の高さ方向の長さと同じである。この補強部材40Bの材質は、補強部材40と同様のものを用いることができる。
【0073】
円板状部材6Bは、円板状の形状を有する部材であり、基本的な構造及び材質は円板状部材6(
図2〜
図4参照)と同じである。円板状部材6Bの高さ方向の長さは、対応する緩衝部材30Aの外周側の高さ方向及び補強部材40Bの高さ方向の長さと同じである。
【0074】
接続部7B及び円板状部材6Bを支持する支持部材5Bは、上側支持部材10B及び下側支持部材20Bから構成される。
【0075】
上側支持部材10Bの下面11には、上側支持部材10の4個の係止部14(
図8)の代わりに、係止部として円周方向に沿って4個の段差部15(凸状の一例)が設けられている。同様に、下側支持部材20Bの上面21には、下側支持部材20の4個の係止部24(
図8)の代わりに、係止部として円周方向に沿って4個の段差部25(凸状の一例)が設けられている。緩衝部材30Aの上面の切り欠き34Tに上側支持部材10Bに設けられた4個の段差部15が挿入され、緩衝部材30Aの下面の切り欠き34Bに下側支持部材20Bに設けられた4個の段差部25が挿入される。
【0076】
上側支持部材10Bの下面11と下側支持部材20Bの上面21との距離と、緩衝部材30Aの外周側、補強部材40B及び円板状部材6Bの高さ方向の長さは同じである。したがって、上側支持部材10Bと下側支持部材20Bにより接続部7Bと円板状部材6Bを挟持したとき、上側支持部材10Bの下面11と下側支持部材20Bの上面21はそれぞれ、緩衝部材30Aの外周側、補強部材40B及び円板状部材6Bの外周側の端部と密着する。
【0077】
以上のように構成された第3の実施形態によれば、第1及び第2の実施形態と同様の効果の他に、次のような効果が得られる。上側支持部材10Bの下面11と下側支持部材20Bの上面21との距離が、緩衝部材30Aの外周側、補強部材40B及び円板状部材6Bの高さ方向の長さと同じである。また、上側支持部材10Bの段差部15と下側支持部材20Bの段差部25は、径方向の長さが係止部14,24と比較して長い。それにより、上側支持部材10Bの下面11と下側支持部材20Bの上面21は、長い部分において緩衝部材30Aの外周側と密着する。それゆえ、上側支持部材10Bと下側支持部材20Bにより、接続部7Bと円板状部材6Bをより安定的に挟持することができる。さらに、円板状部材6Bの回転軸方向への動き(振動)を規制する効果も向上する。したがって、円板状部材6Bの回転軸方向への動きが抑えられ、円板状部材6Bの回転動作が安定する。
【0078】
<4.その他>
上述した各実施形態では、回転体本体3に対して接続構造4が1つの場合について説明したが、回転体本体3の高さが高い場合には、回転体本体3の内周側において回転軸方向に複数の接続構造4を配置してもよい。このとき複数の接続構造4は、回転体本体3の高さ方向の中央位置Cを通る水平な線について線対称となるように配置される。このように回転体本体の高さが高い場合に複数の接続構造を備えることにより、回転体本体の回転動作が安定する。
【0079】
また、上述した各実施形態では、緩衝部材の上面及び下面に円周状に突縁部(被係止部)が設けられる構成を説明したが、突縁部は閉じた円周を形成しなくてもよい。例えば複数の突縁部が、円周状に間欠的に設けられてもよい。
【0080】
また、上述した実施形態に係る回転装置は、回転体本体に対して回転の運動エネルギーの蓄積及び取出しを行う電力貯蔵装置(フライホイール蓄電装置)の他、回転軸部と回転体本体とこれらを接続する接続構造を備える種々の装置に適用可能である。
【0081】
さらに、本発明は上述した各実施形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
【0082】
例えば、上述した実施形態例は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態例の構成の一部を他の実施形態例の構成に置き換えることは可能である。また、ある実施形態例の構成に他の実施形態例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。