特許第6706486号(P6706486)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6706486
(24)【登録日】2020年5月20日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】電子レンジ加熱用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/34 20060101AFI20200601BHJP
【FI】
   B65D81/34 U
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-224446(P2015-224446)
(22)【出願日】2015年11月17日
(65)【公開番号】特開2017-88233(P2017-88233A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年10月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】501428187
【氏名又は名称】昭和電工パッケージング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】苗村 正
【審査官】 二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 実開平1−134809(JP,U)
【文献】 特開2015−193412(JP,A)
【文献】 特開2011−251749(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3157394(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0049189(US,A1)
【文献】 特表2008−505027(JP,A)
【文献】 特開2015−51783(JP,A)
【文献】 特開平3−275475(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/34
A47J 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ中間に金属層を有する複合シートをカップ状に成形してなり、かつ開口周縁に形成されたフランジ部の端面に金属層が露出している容器本体と、
内容物が収容された容器本体のフランジ部に剥離可能に接合されて容器本体の開口を塞ぐ蓋体と、
フランジ部の端面を覆うように容器本体に着脱自在に被せられて電子レンジ加熱時のスパークの発生を防止する樹脂製のオーバーキャップとを備えており、
オーバーキャップの端面被覆部が、容器本体のフランジ部の端面に密着させられるような寸法および形状を有しており、
オーバーキャップに、平面より見て容器本体のフランジ部の端面から外方に向かって所定幅だけ突出するとともに同端面の下縁から所定高さだけ下方にのびた間隔保持用外方突出部兼垂下部が、全周にわたって環状に設けられており、
オーバーキャップの間隔保持用外方突出部兼垂下部の突出幅が0.5mm以上であるとともに、同垂下高さが0.5mm以上である
電子レンジ加熱用容器。
【請求項2】
オーバーキャップのうち容器本体のフランジ部の端面を覆う端面被覆部の厚さが0.5mm以上である、請求項1記載の電子レンジ加熱用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、容器本体に内容物として収容された食品等を電子レンジにより加熱することが可能な電子レンジ加熱用容器に関し、より詳細には、金属層を有する複合シートを成形してなる容器本体を備えた電子レンジ加熱用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
食品等の内容物を包装するための容器として、バリア性に優れたアルミニウム箔等の金属層とその両面に積層された樹脂フィルム等の樹脂層とを有する複合シートをカップ状に成形してなる容器本体と、例えばアルミニウム箔層とその内面に積層された熱融着性樹脂フィルム層とを有する複合シートから形成されかつ内容物が収容された容器本体のフランジ部に熱融着されて容器本体の開口を塞ぐ蓋体とを備えているものが知られている。
【0003】
ここで、上記容器の容器本体に収容された食品等を電子レンジにより加熱して調理する場合、通常、蓋体を剥離開封して、容器本体内の食品等をガラス製容器や陶磁製容器等に移し替えてから行う必要があった。これは、容器本体の端面に金属層が露出しているため、そのままでは電子レンジ加熱時にスパークが発生するおそれがあるからである。
【0004】
そこで、容器本体のフランジ部をカールさせて、フランジ部の端面の金属層を露出させないようにすることにより、容器本体に食品等を収容したままで電子レンジ加熱を行ってもスパークが発生しない電子レンジ加熱用容器が提案されている(例えば、下記の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平4−53679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、容器本体の形状によっては、フランジ部をカールさせて、その端面の金属層を隠すことができない場合があった。具体的には、例えば、フランジ部が平面よりみて円形状のものであれば、全周にわたってカールさせることができるが、平面よりみて方形状のものである場合、フランジ部のコーナー部分をカールさせることができず、同部分の端面の金属層を隠すことができなかった。
また、容器本体を構成する複合シートの厚みが大きくなると、フランジ部に形成されるカールの曲率半径も大きくなってしまうため、所望の製品形状が得られず、見栄えが損なわれるおそれがあった。
【0007】
この発明の目的は、金属層を有する複合シートを成形してなる容器本体を備えており、電子レンジ加熱時のスパークの発生を防止することができる電子レンジ加熱用容器として、容器本体の形状の制約を受けず、かつ製品の外観を損なうことがないものを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記の目的を達成するために、以下の態様からなる。
【0009】
1)厚さ中間に金属層を有する複合シートをカップ状に成形してなり、かつ開口周縁に形成されたフランジ部の端面に金属層が露出している容器本体と、
内容物が収容された容器本体のフランジ部に剥離可能に接合されて容器本体の開口を塞ぐ蓋体と、
フランジ部の端面を覆うように容器本体に着脱自在に被せられて電子レンジ加熱時のスパークの発生を防止する樹脂製のオーバーキャップとを備えている、電子レンジ加熱用容器。
【0010】
2)オーバーキャップのうち容器本体のフランジ部の端面を覆う端面被覆部の厚さが0.5mm以上である、上記1)の電子レンジ加熱用容器。
【0011】
3)オーバーキャップの端面被覆部が、容器本体のフランジ部の端面に密着させられるような寸法および形状を有している、上記2)の電子レンジ加熱用容器。
【0012】
4)オーバーキャップに、平面より見て容器本体のフランジ部の端面から外方に向かって所定幅だけ突出した間隔保持用外方突出部が、全周にわたって環状に設けられている、上記1)の電子レンジ加熱用容器。
【0013】
5)オーバーキャップの間隔保持用外方突出部の突出幅が0.5mm以上である、上記4)の電子レンジ加熱用容器。
【0014】
6)オーバーキャップに、容器本体のフランジ部の端面の下縁から所定高さだけ下方にのびた間隔保持用垂下部が、全周にわたって環状に設けられている、上記1)の電子レンジ加熱用容器。
【0015】
7)オーバーキャップの間隔保持用垂下部の垂下高さが0.5mm以上である、上記6)の電子レンジ加熱用容器。
【0016】
8)オーバーキャップに、平面より見て容器本体のフランジ部の端面から外方に向かって所定幅だけ突出するとともに同端面の下縁から所定高さだけ下方にのびた間隔保持用外方突出部兼垂下部が、全周にわたって環状に設けられている、上記1)の電子レンジ加熱用容器。
【0017】
9)オーバーキャップの間隔保持用外方突出部兼垂下部の突出幅が0.5mm以上であり、同垂下高さが0.5mm以上である、上記8)の電子レンジ加熱用容器。
【発明の効果】
【0018】
上記1)の電子レンジ加熱用容器にあっては、容器本体のフランジ部の端面、ひいては同端面に露出した金属層が、容器本体に被せられた樹脂製のオーバーキャップによって覆われるので、それによって電子レンジ加熱時のスパークの発生が防止される。
従って、上記1)の電子レンジ加熱用容器によれば、従来のように容器本体のフランジ部をカールさせなくても、電子レンジ加熱時のスパークの発生を防止することができるので、容器本体の形状の制約を受けず、また、製品の外観を損なうことがない。
加えて、上記1)の電子レンジ加熱用容器によれば、内容物が収容された容器本体の開口がオーバーキャップで覆われるため、電子レンジ加熱時に内容物が飛び散って電子レンジの庫内が汚れるのを防止することもできる。
【0019】
上記2)の電子レンジ加熱用容器によれば、オーバーキャップのうち容器本体のフランジ部の端面を覆う端面被覆部の厚さが0.5mm以上となされているので、電子レンジ加熱時のスパークの発生をより確実に阻止することができる。
【0020】
上記3)の電子レンジ加熱用容器によれば、オーバーキャップの端面被覆部が容器本体のフランジ部の端面に密着させられるため、それによって電子レンジ加熱時のスパークの発生が確実に防止され、また、オーバーキャップを容器本体に嵌め被せてしっかりと保持しておくことができる。
【0021】
上記4)の電子レンジ加熱用容器によれば、例えば、電子レンジの庫内に2つ以上の容器を並べて載置し、または、容器を庫内の金属製壁面に接近して配置した場合でも、オーバーキャップに設けられた間隔保持用外方突出部によって、隣接する容器のフランジ部の端面の金属層どうし、または、容器のフランジ部の端面の金属層と庫内の金属製壁面との水平方向の間隔が一定以上に保持されるので、それによって両者間でのスパークの発生が防止される。なお、上記効果は、オーバーキャップの端面被覆部の厚さにかかわらず得られるので、例えば、端面被覆部を含めたオーバーキャップの厚さを0.5mm未満の薄いものとすることも可能になる。
【0022】
上記5)の電子レンジ加熱用容器によれば、オーバーキャップの間隔保持用外方突出部の突出幅を0.5mm以上とすることで、電子レンジ加熱時に、例えば、隣接する容器のフランジ部の端面の金属層どうしの間、または、容器のフランジ部の端面の金属層と庫内の金属製壁面との間でスパークが発生するのが確実に防止される。
【0023】
上記6)の電子レンジ加熱用容器によれば、例えば、電子レンジの庫内に2つ以上の容器がこれらのフランジ部どうしを部分的に上下に重ねた状態で載置された場合でも、オーバーキャップに設けられた間隔保持用垂下部によって、隣接する容器のフランジ部の端面の金属層どうしの上下方向の間隔が一定長さ以上に保持されるので、それによって両者間でのスパークの発生が防止される。
【0024】
上記7)の電子レンジ加熱用容器によれば、オーバーキャップの間隔保持用垂下部の垂下高さを0.5mm以上とすることで、電子レンジ加熱時に、例えば、上下に重なった容器のフランジ部の端面の金属層どうしの間でスパークが発生するのが確実に防止される。
【0025】
上記8)の電子レンジ加熱用容器によれば、例えば、電子レンジの庫内に2つ以上の容器を並べて載置し、または、容器を庫内の金属製壁面に接近して配置した場合でも、オーバーキャップに設けられた間隔保持用外方突出部兼垂下部によって、隣接する容器のフランジ部の端面の金属層どうし、または、容器のフランジ部の端面の金属層と庫内の金属製壁面との水平方向の間隔が一定長さ以上に保持されるので、それによって両者間でのスパークの発生が防止され、また、例えば、電子レンジの庫内に2つ以上の容器がこれらのフランジ部どうしを部分的に上下に重ねた状態で載置された場合でも、オーバーキャップに設けられた間隔保持用外方突出部兼垂下部によって、隣接する容器のフランジ部の端面の金属層どうしの垂直方向の間隔が一定長さ以上に保持されるので、それによって両者間でのスパークの発生が防止される。なお、上記効果は、オーバーキャップの端面被覆部の厚さにかかわらず得られるので、例えば、端面被覆部を含めたオーバーキャップの厚さを0.5mm未満の薄いものとすることも可能になる。
【0026】
上記9)の電子レンジ加熱用容器によれば、オーバーキャップの間隔保持用外方突出部兼垂下部の突出幅を0.5mm以上とすることで、電子レンジ加熱時に、例えば、隣接する容器のフランジ部の端面の金属層どうしの間、または、容器のフランジ部の端面の金属層と庫内の金属製壁面との間でスパークが発生するのが確実に防止され、また、オーバーキャップの間隔保持用外方突出部兼垂下部の垂下高さを0.5mm以上とすることで、電子レンジ加熱時に、例えば、上下に重なった容器のフランジ部の端面の金属層どうしの間でスパークが発生するのが確実に防止される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】この発明の第1の実施形態に係る電子レンジ加熱用容器の半裁垂直断面図である。
図2】上記容器の部分拡大垂直断面図である。
図3】上記容器を分解して示す垂直断面図である。
図4】上記容器の電子レンジ加熱時の形態を示す垂直断面図である。
図5】2つの上記容器が電子レンジの庫内に並んで載置された状態を示す垂直断面図である。
図6】2つの上記容器が電子レンジの庫内にフランジ部の一部どうしが上下に重なるように載置された状態を示す垂直断面図である。
図7】この発明の第2の実施形態に係る電子レンジ加熱用容器を示す半截垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、この発明の実施形態を、図1図7を参照して説明する。
【0029】
<第1の実施形態>
図1は、この発明の第1の実施形態に係る電子レンジ加熱用容器の全体構成を示したものである。
図示の電子レンジ加熱用容器(1)は、金属層(201)とその両面に積層された樹脂層(202)(203)とを有する複合シート(20)をカップ状に成形してなり、かつ開口周縁に形成されたフランジ部(21)の端面(211)に金属層(201)が露出している容器本体(2)と、内容物(C)が収容された容器本体(2)のフランジ部(21)に剥離可能に接合されて容器本体(2)の開口を塞ぐ蓋体(3)と、フランジ部(21)の端面(211)を覆うように容器本体(2)に着脱自在に被せられて電子レンジ加熱時のスパークの発生を防止する樹脂製のオーバーキャップ(4)とを備えている。
【0030】
図2に示すように、容器本体(2)を構成している複合シート(20)は、金属箔層(201)と、金属層(201)の内面に積層された熱融着性樹脂フィルム層(202)と、金属箔層(201)の外面に積層された耐熱性樹脂フィルム層(203)とよりなる。
金属箔層(201)としては、アルミニウム箔、鉄箔、ステンレス鋼箔、銅箔を使用することができるが、好適にはアルミニウム箔が用いられる。アルミニウム箔の場合、純アルミニウム箔、アルミニウム合金箔のいずれでもよく、また、軟質、硬質のいずれでもよいが、例えば、鉄の含有量が0.3〜1.5wt%であるJIS H4160で分類されるA8000系(特に、A8079HやA8021H)の焼鈍処理済の軟質材(O材)であれば、成形性に優れているので、好適に用いることができる。
金属箔層(201)の片面または両面には、必要に応じて、クロメート処理などの下地処理を行うことができる。
金属箔層(201)の厚みは、容器本体(2)の形状や成形深さにもよるが、60〜300μmとするのが好ましい。上記厚みを60μm以上とすることで、ピンホールが少なく、バリア性を確保することができ、深絞り性を得ることができる。上記厚みを300μm以下とすることで、成形時の力が掛かって複合シートが破れるのが防止され、また、軽い容器を得ることができる。
熱融着性樹脂フィルム層(202)は、容器本体(2)の内面(フランジ部(21)の上面を含む)を構成するものであって、例えば、ポリプロピレン樹脂フィルムやポリエチレン樹脂フィルム等の汎用性フィルム、または、これらの複合フィルムによって構成される。
複合フィルムとして、例えば、ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂のように相互に剥離しやすい樹脂層を少なくとも2層積層し、容器本体(2)のフランジ部(21)に環状切れ目(ノッチ)をほぼ全周に亘って設けることにより、開封時にポリエチレン樹脂層とポリプロピレン樹脂層が容易に剥がれて、小さい力で容易に開封することができるものを用いても良い。
熱融着性樹脂フィルム層(202)の厚みは、20〜500μmとするのが好ましく、200〜400μmがより好ましい。上記厚みを20μm以上とすることで、金属箔層(201)の露出を防止することができる。
容器本体(2)の外面を構成する耐熱性樹脂フィルム層(203)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリブチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリエチレンナフタレート樹脂フィルム、ポリブチレンナフタレート樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、ポリエチレン樹脂フィルム等の汎用性の高いフィルムや、これらの複合材料が用いられる。
耐熱性樹脂フィルム層(203)の厚みは、20〜500μmとするのが好ましく、200〜500μmとするのがより好ましい。上記厚みを20μm以上とすることで、金属箔層(201)の露出を防止することができる。また、上記厚みを200μm以上とすることで、容器本体を電子レンジの庫内の底面に載置して電子レンジ加熱を行う際に、容器本体の金属箔層と底面との間でスパークが発生するのを確実に防止することができる。
図示は省略したが、金属箔層(201)と熱融着性樹脂フィルム層(202)との接合、および金属箔層(201)と断熱性樹脂フィルム層(203)との接合は、それぞれ接着剤層を介して行われる。接着剤層には、二液硬化型のポリエステル−ポリウレタン樹脂系接着剤、またはポリエーテル−ポリウレタン樹脂系接着剤が用いられる。
なお、複合シートの構成は、上記に限定される訳ではなく、厚さ中間に金属層を有するものであって、フランジ部の端面以外に金属層が露出しないものであれば、この発明による容器本体の材料として使用可能である。
【0031】
複合シート(20)をカップ状の容器本体(2)の形状とするための加工は、プレス成形によって行われる。複合シート(20)のプレス成形は、深絞り成形や張出し成形等の冷間成形により行われる。
【0032】
容器本体(2)の形状は、特に限定されず、横断面円形の他、横断面略方形等の略多角形としてもよい。
また、容器本体(2)の開口周縁に形成されるフランジ(21)部は、外方に向かって突出したほぼ水平な平坦状のものとなされ、その平面視形状は、容器本体(2)の開口形状に応じた円形や略多角形等となされる。
フランジ部(21)の端面には、その厚さの中間に金属箔層(201)の端面が露出させられている。
この実施形態の電子レンジ加熱用容器(1)の場合、フランジ部をカールさせてフランジ部の端面の金属層を隠す必要がないので、フランジ部の形状については、上記の通り、特に制約を受けない。
【0033】
蓋体(3)を構成する複合シートは図2に示すように、例えば、金属箔層(301)と、金属箔層(301)の内面に積層された熱融着性樹脂フィルム層(302)と、金属箔層(301)の外面に積層された外側樹脂フィルム層(303)とよりなる。
金属箔層(301)は、蓋体(3)にバリア性等を付与するものであり、例えばアルミニウム箔、ステンレス鋼箔、銅箔、ニッケル箔等によって構成されるが、好適には、アルミニウム箔が用いられる。
アルミニウム箔の場合、純アルミニウム箔、アルミニウム合金箔のいずれでもよく、また、軟質、硬質のいずれでもよいが、例えば、JIS H4160で分類されるA8021の焼鈍済の軟質材(O材)が、好適に用いられる。
蓋体(3)の最内層を構成する熱融着性樹脂フィルム層(302)は、蓋体(3)に熱融着(ヒートシール)性を付与するとともに、金属箔層(301)を内容物(C)から保護する役割を担うものである。
熱融着性樹脂フィルム層(302)は、例えば、易開封性樹脂フィルムによって形成される。易開封性樹脂フィルムとしては、厚さ10〜200μm程度のポリプロピレン樹脂フィルムやポリエチレン樹脂フィルム等の汎用性フィルム、またはこれらの複合フィルムが使用されるが、ヒートシール性や密封性を考慮すると、厚みを20〜100μm程度にすることが好ましい。
熱融着性樹脂フィルム層(302)には、酸化チタン等の着色顔料、酸化防止剤、スリップ剤、耐電防止剤、安定剤等の添加剤、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、シリカ等の充填剤、消臭剤を添加しても良い。
更に、熱融着性樹脂フィルム層(302)に、内容物の保存性を持たせるために、鉄粉と助剤のハロゲン化金属の混合物を酸素吸収成分として配合した酸素吸収樹脂組成物からなる酸素吸収層を設けることができる。
蓋体(3)の最外層を構成する外側樹脂フィルム層(303)は、蓋体(3)に断熱性を付与するともに、金属箔層(301)の表面保護や印刷面の保護という機能を果たしうるものである。
外側樹脂フィルム層(303)の構成材料としては、例えば、ポリエステル樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム等を挙げることができる。上記フィルムとしては、延伸フィルムが好適に用いられる。中でも、耐熱性および強度の点で、二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム、二軸延伸ポリアミド樹脂フィルム、あるいはこれらを含む複層フィルムが好ましく、さらに、二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムと二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムとが貼り合わされた複層フィルムを用いてもよい。ポリアミド樹脂フィルムの種類は、特に限定されるものではないが、例えば、6ナイロン樹脂フィルム、6,6ナイロン樹脂フィルム、MXDナイロン樹脂フィルム等が挙げられる。また、二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムとしては、二軸延伸ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム等が挙げられる。これらのフィルムを積層する場合、例えば、ドライラミネート法により接着剤を介して行われる。
図示は省略したが、金属箔層(301)と熱融着性樹脂フィルム層(302)との接合、および、金属箔層(301)と外側樹脂フィルム層(303)との接合は、それぞれ接着剤層を介して行われる。
これらの接着剤層は、例えば、ポリウレタン樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、ポリオレフィン樹脂系接着剤、エラストマー系接着剤、フッ素系接着剤等により形成される。中でも、主剤としてのポリエステル樹脂と硬化剤としての多官能イソシアネート化合物とによる二液硬化型ポリエステル−ウレタン樹脂、あるいは、ポリエーテル−ウレタン樹脂を含む接着剤を用いることが好ましい。
なお、上記外側樹脂フィルム層(303)に代えて、表面コート層により蓋体(3)の最外層を形成するようにしてもよい。表面コート層は、例えば、エポキシ樹脂、硝化綿系樹脂、エポキシメラミン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等のコート用樹脂を溶媒に溶解または分散してなる塗布剤を、金属箔の表面に塗布して乾燥することにより形成される。
【0034】
容器本体(2)のフランジ部(21)に蓋体(3)を熱融着する方法は、特に限定されないが、例えば、容器(2)のフランジ部(21)上面に蓋体(3)下面の周縁部を重ね合わせ、これら重合部分を、所定温度(例えば180℃程度)に加熱された熱板によって、所定圧力を加えながら所定時間加熱することにより行われる。
【0035】
また、図示は省略したが、蓋体(3)に、電子レンジ加熱時に容器本体(2)内に生じる蒸気圧を逃がすための逆止弁を設けてもよい。この場合、容器本体(2)のフランジ部(21)から蓋体(3)を剥離することなく、内容物の電子レンジ加熱を行うことができる。
【0036】
オーバーキャップ(4)は、頂壁部(41)と、頂壁部(41)の周縁から下方にのびる周壁部(42)とよりなる被せ蓋状のものである。
オーバーキャップ(4)の周壁部(42)には、その高さの中間にほぼ水平な環状段差(43)が形成されており、この環状段差(43)が、容器本体(2)のフランジ部(21)上面と向かい合っている。
オーバーキャップ(4)の周壁部(42)における環状段差(43)の下方部分は、容器本体のフランジ部の端面を覆う端面被覆部(44)となされている。
この端面被覆部(44)は、容器本体(2)のフランジ部(21)の端面(211)に密着させられるような寸法および形状を有している。例えば、容器本体(2)のフランジ部(21)が平面より見て円形のものである場合、オーバーキャップ(4)の端面被覆部(44)も、横断面円形となされているとともに、その内径がフランジ部(21)の外径とほぼ同じものとなされ、フランジ部(21)の周囲に密に嵌め被せられるようになっている。
オーバーキャップ(4)の周壁部(42)における端面被覆部(44)の下方部分は、内方に向かって斜め下方にのびて絞られた後、外方に向かって斜め下方にのびて広がった横断面略く字形のスカート部(45)よりなる。そして、このスカート部が、平面より見て容器本体(2)のフランジ部(21)の端面(211)から外方に向かって所定幅(W)だけ突出するとともに同端面(211)の下縁から所定高さ(H)だけ下方にのびた間隔保持用外方突出部兼垂下部(45)を構成している。
間隔保持用外方突出部兼垂下部(45)は、その突出幅(W)が0.5mm以上となされ、また、その垂下高さ(H)が0.5mm以上となされている(図4参照)。突出幅(W)は、好ましくは1〜5mm程度となされ、垂下高さ(H)も、好ましくは1〜5mm程度となされる。
【0037】
上記のオーバーキャップ(4)は、電子レンジ加熱時に使用されるため、耐熱温度100℃以上の熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂等によって構成されるのが好ましい。
また、オーバーキャップ(4)は、例えば、ブロー成形、真空成形、圧空成形等によって形成される。
オーバーキャップ(4)の厚さは、成形方法にもよるが、通常、全体が同一の厚さを有するものであって、好ましくは0.1〜3mm程度、より好ましくは0.2〜2mm程度となされる。オーバーキャップ(4)の厚さ、ひいては端面被覆部(44)の厚さが0.1mm未満であると、電子レンジ加熱時のスパークの発生を阻止できないおそれがある。また、オーバーキャップ(4)の厚さ、ひいては端面被覆部(44)の厚さが3mmを越えると、材料コストが嵩んでしまう。
【0038】
上記の電子レンジ加熱用容器(1)は、図1に示す状態で流通ないし保管される。
そして、同容器(1)の容器本体(2)に収容された食品等の内容物(C)を電子レンジ(M)で加熱する場合、まず、容器本体(2)からオーバーキャップ(4)を取り外して、容器本体(2)のフランジ部(21)に熱融着された蓋体(3)を全面的または部分的に剥離開封した後、再びオーバーキャップ(4)を容器本体(2)の上に被せる(図4参照)。
この状態では、容器本体(2)のフランジ部(21)の端面(211)は、同端面(211)に密着したオーバーキャップ(4)の端面被覆部(44)によって覆われている。したがって、容器本体(2)のフランジ部(21)の端面(211)に露出した金属層(201)の端面も、樹脂製のオーバーキャップ(4)の端面被覆部(44)で完全に覆われている。
【0039】
図5は、図4に示す形態の2つの電子レンジ加熱用容器(1)を、電子レンジ(M)の庫内底面(M1)に互いに接するように並べて載置した状態を示すものである。
この場合、図4に示すように、2つの容器(1)は、これらのオーバーキャップ(4)の間隔保持用外方突出部兼垂下部(スカート部)(45)の下端どうしが接することで、容器本体(2)のフランジ部(21)の端面(211)どうしの水平方向の間隔が、間隔保持用外方突出部兼垂下部(45)の突出幅(W)×2(例えば1.0mm以上)に等しい間隔に保持される。
また、図5に示すように、一方の容器(1)が電子レンジ(M)の庫内壁面(M2)に近接した場合、同容器(1)のオーバーキャップ(4)の間隔保持用外方突出部兼垂下部(スカート部)(45)の下端が庫内壁面(M2)に接することで、容器本体(2)のフランジ部(21)の端面(211)と庫内壁面(M2)との水平方向の間隔が、間隔保持用外方突出部兼垂下部(45)の突出幅(W)(例えば0.5mm以上)に等しい間隔に保持される。
さらに、図6に示すように、2つの電子レンジ加熱用容器(1)が、これらの容器本体(2)のフランジ部(21)の一部どうしが上下に重なるように、電子レンジ(M)の庫内底面(M1)に載置されることがある。この場合、一方の容器(2)のオーバーキャップ(4)の間隔保持用外方突出部兼垂下部(スカート部)(45)の下端が、他方の容器(2)のオーバーキャップ(4)の環状段差(43)の上面に接することで、容器本体(2)のフランジ部(21)の端面(211)どうしの垂直方向の間隔が、間隔保持用外方突出部兼垂下部(45)の垂下高さ(H)(例えば0.5mm以上)に等しい間隔に保持される。
従って、上述したいずれの状況においても、電子レンジ加熱時にスパークが発生することがなく、内容物(C)の加熱調理を支障なく行うことができる。
しかも、オーバーキャップ(4)が容器本体(2)の開口を覆っているため、電子レンジ加熱時に内容物(C)が飛び散って電子レンジ(M)の庫内が汚れるのが防止される。
また、電子レンジ加熱後は、容器本体(2)が熱くなることがあるが、上記容器(1)の場合、例えばオーバーキャップ(4)の間隔保持用外方突出部兼垂下部(45)を手で持てば、熱くないので、電子レンジ(M)の庫内から容器(1)を取り出す際に手指等に火傷を負うおそれが少なくなる。
【0040】
<第2の実施形態>
図7は、この発明の第2の実施形態の電子レンジ加熱用容器を示したものである。
この実施形態の電子レンジ加熱用容器(1A)は、以下の点を除いて、図1図6に示す第1の実施形態の電子レンジ加熱用容器(1)と同じである。
すなわち、図7に示すように、電子レンジ加熱用容器(1A)のオーバーキャップ(4A)は、その頂壁部(41)が、外周部を残して大きく開口(46)させられているものである。開口(46)の縁部は、下方に向かってのびた垂下縁部(47)となされている。
この容器(1A)によれば、オーバーキャップ(4)の頂壁部(41)が大きな開口(46)を有しているため、電子レンジ加熱時に容器本体(2)内で発生した蒸気が開口(46)を通じて上方に逃げるため、蒸気圧によりオーバーキャップ(4)が外れるおそれがない。
【0041】
なお、オーバーキャップの形状や構造は、上記の各実施形態に示したものには限定されない。
例えば、上記各実施形態の電子レンジ加熱用容器(1)では、オーバーキャップ(4)が間隔保持用外方突出部兼垂下部(45)を有するものであったが、間隔保持用外方突出部と間隔保持用垂下部をオーバーキャップ(4)に別箇に形成するようにしてもよい。具体的には、例えば、オーバーキャップ(4)の周壁部(42)における端面被覆部(44)の上方に間隔保持用外方突出部を形成し、端面被覆部(44)の上方に間隔保持用垂下部を形成することができる。この場合、間隔保持用垂下部は、外方に突出したフレア状ではなく、垂直状のものとしてもよい。また、オーバーキャップ(4)に、間隔保持用外方突出部および間隔保持用垂下部のいずれか一方のみを形成するようにしても構わない。
【実施例】
【0042】
次に、この発明の具体的実施例について説明する。但し、この発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0043】
<電子レンジの庫内壁面とフランジ部端面との間でのスパーク発生試験>
厚さ100μmのアルミニウム箔の両面に厚さ200μmの無延伸ポリプロピレン樹脂(CPP)フィルムをそれぞれ積層してなる複合シートをカップ状に成形して、図1〜6に示す形態を有する容器本体を複数個作製した。得られた容器本体のフランジ部の端面には、アルミニウム箔の端面が全周にわたって露出していた。
また、図1〜6に示す形態を有するオーバーキャップを、材料としてポリプロピレン樹脂シートを用いて真空成形により複数個作製した。オーバーキャップの厚さは、端面被覆部を含めて0.2mmとした。また、オーバーキャップは、その間隔保持用外方突出部兼垂下部を適宜のサイズにカットすることにより、突出幅が0.2mm、垂下高さが0.4mmのもの(実施例1)と、突出幅が0.5mm、垂下高さが0.5mmのもの(実施例2)の2種類を用意した。
【0044】
そして、まず、比較例として、電子レンジの庫内に、容量の90%程度の水を入れた容器本体を、一方の庫内側面に接近させて配置し、電子レンジ加熱を行った。ここで、電子レンジには、東芝製の家庭用スチームオーブン(形名:ER−LD7、電源:AC100V、50/60Hz共用、定格消費電力:電子レンジ1390W(14.2A)、発振周波数:2450MHz)を使用し、1000Wで60秒間加熱した。また、電子レンジ加熱は、庫内側面と容器本体のフランジ部端面との距離が、0mm(比較例1)、0.2mm(比較例2)、0.5mm(比較例3)となるように、容器本体の配置を変えて行った。
次に、実施例1,2として、電子レンジの庫内に、容量の90%程度の水を入れた容器本体に2種類のサイズのオーバーキャップをそれぞれ被せてなる容器を、一方の庫内壁面に接近させて配置し、同じように電子レンジ加熱を行った。容器は、オーバーキャップの間隔保持用外方突出部兼垂下部が庫内壁面に当接するように配置した。なお、実施例1の場合、オーバーキャップの間隔保持用外方突出部兼垂下部と共に端面被覆部も、庫内壁面に当接させられる。
上記比較例1〜3および実施例1,2について、電子レンジ加熱を5個ずつ行い、スパークの発生の有無を目視により観察し、スパーク発生防止効果を評価した。結果は、以下の表1に示す通りである。なお、表1中、「N=5スパーク結果」の項は、「+」がスパークありを示し、「−」がスパークなしを示す。また、「評価」は、スパーク0個を「○」、スパーク1〜3個を「△」、スパーク4〜5個を「×」とした。
【0045】
【表1】
【0046】
表1から明らかなように、オーバーキャップなしの比較例1,2では、スパークの発生頻度が高く、庫内壁面とフランジ部端面との距離が0.5mmである比較例3の場合でも、スパークの発生があった。
一方、実施例1の場合、上記距離が同じ0.2mmである比較例2と比べて、スパークの発生頻度が大幅に減った。また、実施例2は、上記距離が比較例3と同じ0.5mmであるが、スパークの発生は全く見られなかった。
【0047】
<容器のフランジ部端面どうしのスパーク発生試験>
前記の試験で使用した容器本体およびオーバーキャップを複数個ずつ用意した。但し、オーバーキャップについては、間隔保持用外方突出部兼垂下部の突出幅が0.5mm、垂下高さが0.5mmであるもの(実施例3、4)のみとした。
そして、まず、比較例として、電子レンジの庫内に、容量の90%程度の水を入れた2つの容器本体を、互いに接近させて配置し、先の試験と同じ電子レンジを使用して、1000W、60秒の条件で電子レンジ加熱を行った。また、電子レンジ加熱は、2つの容器本体のフランジ部端面どうしの距離が、0mm(比較例4)、0.2mm(比較例5)、0.5mm(比較例6)、0.7mm(比較例7)、1.0mm(比較例8)となるように、両容器本体の配置を変えて行った。
また、2つの容器本体を互いのフランジ部どうしが2mmずつ上下に重なるように電子レンジの庫内に配置して、上記と同じように電子レンジ加熱を行った(比較例9)。
次に、実施例3として、電子レンジの庫内に、容量の90%程度の水を入れた容器本体にオーバーキャップを被せてなる容器2つを、互いに接近させて配置し、同じように電子レンジ加熱を行った。2つの容器は、オーバーキャップの間隔保持用外方突出部兼垂下部の先端どうしが当接するように配置した。
また、実施例4として、上記2つの容器を、互いのフランジ部が2mmずつ上下に重なるようにして電子レンジの庫内に配置し、上記と同じ条件下で電子レンジ加熱を行った。なお、この場合、一方の容器のフランジ部の上面に、他方の容器のオーバーキャップの間隔保持用外方突出部兼垂下部の先端が当接した状態となる。
上記比較例4〜9および実施例3,4について、電子レンジ加熱を5組ずつ行い、スパークの発生の有無を目視により観察し、スパーク発生防止効果を評価した。結果を、以下の表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
表2から明らかなように、オーバーキャップなしの比較例4〜7では、スパークの発生頻度が高く、フランジ部端面どうしの距離が1.0mmである比較例8の場合でも、スパークの発生があった。
一方、実施例3の場合、上記距離が比較例8と同じ1.0mmであるが、スパークの発生は全く見られなかった。
また、フランジ部の端面どうしを重ねた場合、比較例9では、スパークの発生頻度が高かったが、実施例4では、スパークの発生は全く見られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0050】
この発明は、バリア性に優れた金属層を有する複合シートを成形してなる容器本体に内容物である食品等を収容したままの状態で、電子レンジによる加熱を行うことが可能な容器に、好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0051】
(1)(1A):電子レンジ加熱用容器
(2):容器本体
(20):複合シート
(201):金属箔層(金属層)
(21):フランジ部
(211):(フランジ部の)端面
(3):蓋体
(4)(4A):オーバーキャップ
(44):端面被覆部
(45):間隔保持用外方突出部兼垂下部(スカート部)
(W):突出幅
(H):垂下高さ
(C):内容物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7