特許第6706490号(P6706490)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6706490
(24)【登録日】2020年5月20日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】容器蓋締め装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 7/28 20060101AFI20200601BHJP
【FI】
   B65B7/28 Z
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-232853(P2015-232853)
(22)【出願日】2015年11月30日
(65)【公開番号】特開2017-100731(P2017-100731A)
(43)【公開日】2017年6月8日
【審査請求日】2018年11月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】595180017
【氏名又は名称】株式会社エムエーパッケージング
(74)【代理人】
【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和
(72)【発明者】
【氏名】持田 達也
【審査官】 西山 智宏
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−048101(JP,U)
【文献】 実開昭49−056136(JP,U)
【文献】 特開平05−104171(JP,A)
【文献】 特開2005−088897(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67B1/00−6/00
B65B7/00−7/28
B21D39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状のカップ部の上端部から水平に張り出す環状平板部と該環状平板部の周縁に立設する周壁部とで形成されたフランジ部を有する容器の該環状平板部に、蓋体の外周部を載置した状態で前記周壁部を内側に折り込むことにより、前記環状平板部と前記周壁部との間に前記外周部を挟んで前記容器に前記蓋体を固定する容器蓋締め装置であって、
前記容器を保持する下型と、該下型に対して上下移動可能な上型とを備え、
前記下型は、
前記カップ部を内側に収納した状態で前記環状平板部の下面を支持する環状受け部と、
該環状受け部の外側に配置され少なくとも上面が上下移動可能に保持された押さえ部とを備え、
前記上型は、
前記環状受け部の外周部上方に配置され上方に向けて縮径するガイド面部と、
前記ガイド面部の上端から連続して設けられ前記環状受け部と平行に形成された挟持部とを備え
上下方向に沿うガイドバーにより上下移動可能に支持されているとともに、
水平な回転軸周りに回転移動可能なハンドルにリンク機構を介して取り付けられており、
前記下型に、前記ハンドルの回転運動成分のうちの水平方向と一致する方向に移動可能なスライド機構が設けられていることを特徴とする容器蓋締め装置。
【請求項2】
前記押さえ部の上面は、前記周壁部の先端と前記ガイド面部との当接時において、前記環状受け部よりも上側に突出して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の容器蓋締め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の開口部に蓋体を被せて固定する容器蓋締め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
惣菜売り場の量り売り等においては、容器に内容物を入れた後に、容器の開口部に直ちに蓋体を被せて固定することで、内容物を持ち帰る際に、容器から内容物が零れることや、内容物に異物が混入することを防いでいる。このような蓋付き容器においては、消費者が持ち運ぶ際には、蓋体が容器から容易に外れることがないように固定された状態を保持することが望ましいが、消費者が蓋体を取り外す際には、蓋体を容器から容易に取り外せる程度に保持されることが望ましい。
【0003】
容器に蓋体を固定する容器蓋締め装置として、例えば、特許文献1及び特許文献2には、蓋体(蓋)のスカート部を、容器開口部のフランジ部にかしめて固定するカップ状容器の蓋かしめ固定装置が開示されている。この蓋かしめ固定装置では、操作レバーと連動する複数の爪部材が設けられており、この爪部材によって、容器開口部に断面鉤状にせり出すフランジ部の先端を支点として、蓋体のスカート部を容器本体側に折り込むとともに、折り込んだスカート部をフランジ部の内側にさらに折り込むことにより、容器のフランジ部に蓋体のスカート部をかしめて固定できることが記載されている。
【0004】
特許文献3には、箔製容器にフィルム等の蓋体を被覆し、その容器周囲を蓋体の周縁とともにかしめることが記載されている。また、この特許文献3では、曲面部が形成された上型により、蓋体の外周及び箔製容器の外周を内側に倒した後、さらに押さえプレートで押さえることによって、蓋体と箔製容器とをかしめることが記載されている。
また、特許文献4には、容器開口部を取り巻く段部とその外側の逆円錐状の壁部とを有する容器の段部に蓋体(蓋)を載せて、その段部上の蓋体をかしめて固定する容器蓋かしめ装置が開示されている。この容器蓋かしめ装置には、第一かしめ装置と第二かしめ装置とが具備されており、第一かしめ装置では、リテーナに保持された容器の壁部及び段部の外周部を折り畳み、壁部と段部との間に蓋体の外周部を挟み込み固定する。そして、第二かしめ装置では、垂直な壁部を内方に折り曲げて、その折り曲げられた壁部を蓋体の上面に押し付けることにより、容器の段部に蓋体の外周部をかしめて固定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003‐112701号公報
【特許文献2】特開2005‐88897号公報
【特許文献3】特開昭61‐93005号公報
【特許文献4】特開昭64‐11036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び特許文献2に記載の蓋かしめ固定装置では、複数の爪部材を用いて蓋体のスカート部を部分的に押し込む構成とされていることから、蓋体のスカート部の全周を均一に折り込むことが難しく、容器と蓋体との間に隙間が残されるおそれがある。また、スカート部の全周を均一にフランジ部に折り込んでかしめるためには、多くの爪部材を設ける必要があり、装置構造が複雑になる。さらに、蓋体のスカート部を容器のフランジ部に折り込む構成では、消費者が蓋体を取り外す際に、容器の裏側に折り込まれたスカート部を開かなくてはならないため、蓋体の取り外しが困難である。
【0007】
また、特許文献3においても、上型と押さえプレートとにより蓋体と箔製容器とをかしめることとされており、蓋体の外周及び箔製容器の外周を内側に倒す工程の後、さらに押さえプレートで押さえる工程を経ることが必要であり、装置構造が複雑になっている。
さらに、特許文献4に記載の容器蓋かしめ装置においても、容器と蓋体とを複数回折り込んで固定することから、蓋体の取り外しが困難である。さらに、容器蓋かしめ装置は、第一かしめ装置と第二かしめ装置とを組み合わせた構成とされ、装置構造が複雑である。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、蓋体を容易に取り外すことが可能な状態で容器と蓋体とを確実に固定することができる簡易的な構造の容器蓋締め装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、有底筒状のカップ部の上端部から水平に張り出す環状平板部と該環状平板部の周縁に立設する周壁部とで形成されたフランジ部を有する容器の該環状平板部に、蓋体の外周部を載置した状態で前記周壁部を内側に折り込むことにより、前記環状平板部と前記周壁部との間に前記外周部を挟んで前記容器に前記蓋体を固定する容器蓋締め装置であって、前記容器を保持する下型と、該下型に対して上下移動可能な上型とを備え、前記下型は、前記カップ部を内側に収納した状態で前記環状平板部の下面を支持する環状受け部と、該環状受け部の外側に配置され少なくとも上面が上下移動可能に保持された押さえ部とを備え、前記上型は、前記環状受け部の外周部上方に配置され上方に向けて縮径するガイド面部と、前記ガイド面部の上端から連続して設けられ前記環状受け部と平行に形成された挟持部とを備え、上下方向に沿うガイドバーにより上下移動可能に支持されているとともに、水平な回転軸周りに回転移動可能なハンドルにリンク機構を介して取り付けられており、前記下型に、前記ハンドルの回転運動成分のうちの水平方向と一致する方向に移動可能なスライド機構が設けられていることを特徴とする。
【0010】
この容器蓋締め装置では、下型の環状受け部に容器の環状平板部を載置すると、環状受け部の外周部上方に配置されたガイド面部が容器の周壁部の先端上方に配置される。そして、この状態で上型を下降移動させると、容器の周壁部の先端がガイド面部に当接して、周壁部の先端がそのガイド面部の縮径面に沿って内側に案内され、周壁部が内側に徐々に折り曲げられる。そして、さらに上型を下降移動させると、周壁部の外周面が上型の挟持部と当接することで、周壁部がさらに内側に折り曲げられ、蓋体の外周部が環状平板部と周壁部との間に挟み込まれる。この際、押さえ部の上面が上下移動可能に設けられていることから、ガイド面部の外周側が下型の環状受け部の外側に配置された押さえ部と接触しても、押さえ部が下方に押し込まれる。これにより、下型の環状受け部と上型の挟持部との間に、容器の環状平板部と周壁部との間に蓋体の外周部が挟み込まれた状態で、容器の環状平板部と周壁部を確実に折り込んで、容器に蓋体を固定することができる。
このように、本発明の容器蓋締め装置では、環状受け部と押さえ部とを備える下型と、ガイド面部と挟持部とを備える上型との簡易的な構造により、容器と蓋体とを確実に固定することができる。
この場合、この容器蓋締め装置により固定された蓋付き容器は、容器の環状平板部と周壁部が確実に折り込まれた状態で容器に蓋体が固定されているので、消費者が蓋付き容器を持ち運ぶ際にも蓋体が容易に外れることがない。一方で、消費者が蓋体を取り外す際には、蓋体の外周部が、容器の環状平板部と周壁部との間に挟み込まれているだけなので、蓋付き容器の上側から消費者が周壁部を容易に開くことができ、蓋体を容易に取り外すことができる。
この容器蓋締め装置では、ハンドルの回転移動に伴って、スライド機構により上型と下型とが水平方向に沿って一体に移動可能に設けられるとともに、ガイドバーにより上型が下型に対して上下方向に移動可能に設けられており、ハンドルの回転運動成分を水平方向成分と上下方向成分とに分解して、小さな力で下型と下型との開閉を円滑に行うことができる。したがって、ハンドルを操作するだけで、上型と下型との開閉を容易に行うことができる。また、ガイドバーに沿って上型を下型に対して上下移動可能であるので、上型を容器の周壁部に片当たりさせることがなく、全周に均等な力を作用させて、周壁部を均一に折り曲げることができる。
【0011】
本発明の容器蓋締め装置において、前記押さえ部の上面は、前記周壁部の先端と前記ガイド面部との当接時において、前記環状受け部よりも上側に突出して設けられているとよい。
【0012】
容器の周壁部の先端とガイド面部との当接時は、周壁部の先端が押し込まれることで、周壁部の中腹が外側に広がり易い。そこで、押さえ部の上面を環状受け部よりも上側に突出して設けることで、押さえ部の内周面によって周壁部の中腹が外側に広がるのを防止することができる。これにより、容器のフランジ部を、環状平板部と周壁部との接続部分において、確実に折り曲げることができるので、蓋体の外周部と周壁部との重なりを容器のフランジ部の全周において確実に確保でき、蓋体を容器に確実に固定できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、上型と下型との簡易的な構造により、蓋体を容易に取り外すことが可能な状態で容器と蓋体とを確実に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る容器蓋締め装置の斜視図である。
図2図1の容器蓋締め装置における上型と下型とを断面で表示した側面図である。
図3図1の容器蓋締め装置において、上型を上昇させた状態を表す上型と下型の要部断面図である。
図4図3の状態から上型を下降移動させて周壁部に当接させた状態を示す上型と下型の要部断面図である。
図5図4の状態から上型を下降移動させることで周壁部が内側に折り曲げられた状態を示す上型の下型の要部断面図である。
図6図5の状態から上型を下降移動させることで、周壁部の外周面を上型の挟持部と当接させて周壁部がさらに内側に折り曲げられた状態を示す上型と下型の要部断面図である。
図7図6の状態から上型を下降移動させることで、蓋体の外周部が環状平板部と周壁部との間に挟み込まれて容器に蓋体が固定された状態を示す上型と下型の要部断面図である。
図8】第2実施形態の容器蓋締め装置の上型と下型の要部断面図であり、上型を上昇させた状態を表すものである。
図9図8の状態から上型を下降移動させることで、蓋体の外周部が環状平板部と周壁部との間に挟み込まれて容器に蓋体が固定された状態を示す上型と下型の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
第1実施形態の容器蓋締め装置100は、容器2のフランジ部21に蓋体3の外周部31を固定することにより、蓋付き容器1を製造する装置である。
容器2は、例えばアルミニウム箔により形成され、図3に示すように、有底円筒状のカップ部22と、このカップ部22の上端部に形成されたフランジ部21とを有し、蓋体3を固定する前の容器2のフランジ部21は、カップ部22の上端部から水平に張り出す環状平板部23と、この環状平板部23の周縁に立設する周壁部24とで形成されている。
また、蓋体3は、透明なプラスチック等により形成され、蓋体3の外周部31は、図3に示すように、容器2の環状平板部23上に載置可能な大きさに設けられている。本実施形態では、蓋体3は、全体がドーム状に形成されており、外周部31は、蓋体3のドーム部32の下端部に水平に張り出して形成されている。
【0018】
そして、容器蓋締め装置100は、容器2を保持する下型4と、その下型4に対して上下移動可能な上型5とを備える構成とされており、図7に示すように、これら下型4と上型5との間に、容器2の環状平板部23と周壁部24との間に蓋体3の外周部31を挟むことで、容器2に蓋体3を固定するものである。
【0019】
下型4は、基台6に着脱可能に取付けされており、基台6の開口孔60の上端に取り付けられて容器2のカップ部22を内側に収容した状態で環状平板部23の下面を支持する環状受け部41と、環状受け部41の外側に配置され少なくとも上面42aが上下移動可能に保持された押さえ部42とを備える。
環状受け部41は、例えばSUS等の剛性の高い部材により形成される。また、押さえ部42は、ゴム系材料(例えばシリコーンゴム)等の弾性変形可能な部材により形成されており、押さえ部42の上面42aが上型5と接触した際には、全体が上下方向に圧縮されることにより、上面42aが下方に移動するようになっている。一方、上型5を上昇移動させて下型4から退避させた状態では、押さえ部42自体の復元力により上面42aは元の位置まで復帰するようになっている。この場合、押さえ部42の上面42aは、環状受け部41よりも上側に突出して設けられている。
【0020】
なお、基台6には、図1及び図2に示すように、取出レバー8が設けられている。この取出レバー8は、基台6の開口孔60内部に収容された容器2を底部側から持ち上げて、環状受け部41から容器2のフランジ部21を浮かせることにより、容器2を下型4から取り出し易くするためのものである。この場合、取出レバー8は、基台6の開口孔60内部と基台6の外部とを連通する連通孔61を介して取り付けられており、図示は省略するが、外部に露出する操作部を押し込むことで、開口孔60内部の突起部が上方に押し上げられ、容器2の底部を持ち上げられるようになっている。
【0021】
上型5は、スライド部7に着脱可能に取り付けられており、環状受け部41の外周部上方に配置され上方に向けて縮径するガイド面部51と、このガイド面部51の上端から連続して設けられ環状受け部41と平行に形成された挟持部52とを備える。図3に示すように、本実施形態では、ガイド面部51は、上方に向かうにつれて半径方向内側に向けて傾斜するテーパ状の傾斜面により形成されているが、凹状の湾曲面により形成することもできる。なお、本実施形態では、ガイド面部51は、図3に角度αで示すように、水平面から45°の角度で傾斜した傾斜面により形成されているが、ガイド面部51を傾斜面で形成する場合には、角度αを30°以上90°未満(好ましくは60°以下)の傾斜角度に設けることで、容器2の周壁部24の先端を内側に向けて円滑に案内することができる。
【0022】
そして、本実施形態の容器蓋締め装置100においては、上型5は、下型4の四隅に上下方向に沿って立設された4本のガイドバー65により、下型4に対して上下移動可能に支持され、その上下移動が案内されるようになっており、これらガイドバー65との係合によって下型4に対する上型5の垂直移動が維持されている。また、上型5は、図2に白抜き矢印Aで示すように、ハンドル95を操作することにより、そのハンドル95の回転移動に伴ってリンク機構97を介して上下移動がなされるようになっている。
【0023】
具体的には、ハンドル95は、水平な回転軸96周りに回転移動可能に設けられ、上型5は、このハンドル95にリンク機構97を介して取り付けられている。そして、下型4には、ハンドル95の回転運動成分のうちの水平方向と一致する方向に移動可能なスライド機構98が設けられている。この場合、ハンドル95は回転軸96周りに回転移動することから、上型5には回転運動が伝達されるが、容器蓋締め装置100においては、下型4の下面に、ハンドル95の回転運動成分のうちの水平方向と一致する方向に移動可能なスライド機構98を設けることで、ハンドル95の回転移動に伴って下型4と上型5とが水平方向に沿って一体に移動可能に設けられるとともに、上型5が上下方向に沿って、すなわちガイドバー65に沿って上下移動可能に設けられている。このように、容器蓋締め装置100では、ハンドル95の回転運動成分を水平方向成分と上下方向成分とに分解して、小さな力で上型5と下型4との開閉を円滑に行うことができ、ハンドル95を操作するだけで、上型5と下型4との開閉を容易に行うことができる。したがって、上型5をガイドバー65に沿って円滑に上下移動させることができるので、上型5が容器2の周壁部24に片当たりすることがなく、全周に均等な力を作用させて、周壁部24を均一に折り曲げることができる。
【0024】
なお、容器蓋締め装置100は、下型4が基台6に着脱可能に取り付けられ、上型5がスライド部7に着脱可能に取り付けられているので、下型4又は上型5だけを交換することが可能である。また、容器蓋締め装置100は、固定する容器及び蓋体の大きさに合わせてサイズの異なる上型及び下型に交換して使用することも可能である。
【0025】
次に、このように構成される容器蓋締め装置100により、容器2と蓋体3とを固定して蓋付き容器1を製造する方法について説明する。
まず、図2に示すように、ハンドル95を押し上げて、上型5を下型4から離して配置する。そして、図3に示すように、下型4の環状受け部41に容器2の環状平板部23を載置して、下型4に容器2を収容する。そして、蓋体3の外周部31を環状平板部23上に載置して、容器2の開口部を蓋体3によって被覆した状態にする。なお、蓋体3は、容器2を下型4に収容する前に、容器2に被せておくこともできる。
【0026】
このように、下型4の環状受け部41に容器2の環状平板部23を載置すると、図3に示すように、環状受け部41の外周部上方に配置された上型5のガイド面部51が、容器2の周壁部24の先端上方に配置される。この状態でハンドル95を押し下げて、図2に二点鎖線で示すように上型5をガイドバー65に沿って下降移動させると、図4に示すように、容器2の周壁部24の先端がガイド面部51に当接して、周壁部24の先端がそのガイド面部51の縮径面に沿って内側に案内され、図5に示すように、周壁部24が内側に徐々に折り曲げられる。この際、環状受け部41の外側に配置された押さえ部42の上面42aは、環状受け部41よりも上側に突出して設けられていることから、周壁部24の先端とガイド面部51との当接時において周壁部24の先端が押し込まれた際に、押さえ部42の内周面によって周壁部24の中腹が外側に広がることが防止される。これにより、容器2のフランジ部21を、環状平板部23と周壁部24との接続部分において、確実に折り曲げることができる。
【0027】
そして、さらにハンドル95を押し下げて、図6に示すように上型5を下降移動させると、周壁部24の外周面が上型5の挟持部52と当接することで、周壁部24がさらに内側に折り曲げられ、蓋体3の外周部31が環状平板部23と周壁部24との間に挟み込まれる。この際、押さえ部42の上面42aが上下移動可能に設けられていることから、ガイド面部51の外周側が下型4の環状受け部41の外側に配置された押さえ部42と接触して、押さえ部42が下方に押し込まれる。これにより、下型4の環状受け部41と上型5の挟持部52との間に、容器2の環状平板部23と周壁部24との間に蓋体3の外周部31が挟み込まれた状態で、容器2の環状平板部23と周壁部24を確実に折り込んで、容器2に蓋体3を固定することができる。なお、このようにして製造された蓋付き容器1を容器蓋締め装置100から取り出す際には、ハンドル95を押し上げ、上型5を上昇移動させて下型4から退避させることで、下型4と上型5との間を容易に開くことができる。
【0028】
このように、本実施形態の容器蓋締め装置100では、環状受け部41と押さえ部42とを備える下型4と、ガイド面部51と挟持部52とを備える上型5との簡易的な構造により、容器2と蓋体3とを確実に固定して蓋付き容器1を製造することができる。
この場合、この容器蓋締め装置100により固定された蓋付き容器1は、容器2の環状平板部23と周壁部24が確実に折り込まれた状態で容器2に蓋体3が固定されているので、消費者が蓋付き容器1を持ち運ぶ際にも蓋体3が容易に外れることがない。一方で、消費者が蓋付き容器1から蓋体3を取り外す際には、蓋体3の外周部31が、容器2の環状平板部23と周壁部24との間に挟み込まれているだけなので、蓋付き容器1の上側から消費者が容器2の周壁部24を容易に開くことができ、蓋体3を容易に取り外すことができる。
【0029】
また、容器蓋締め装置100では、周壁部24の先端とガイド面部51との当接時において、環状受け部41の外側に配置された押さえ部42の上面42aを、環状受け部41よりも上側に突出して設けることで、押さえ部42の内周面によって周壁部24の中腹が外側に広がることを防止できる。これにより、容器2のフランジ部21を、環状平板部23と周壁部24との接続部分において確実に折り曲げることができ、蓋体3の外周部31と容器2の周壁部24との重なりを容器2のフランジ部21の全周において確実に確保でき、蓋体3を容器2に確実に固定できる。
【0030】
また、上記第1実施形態の容器蓋締め装置100では、押さえ部42を弾性変形可能な部材により形成したが、図8及び図9に示す第2実施形態の容器蓋締め装置200のように、押さえ部42を、上型5と当接する可動リング部材43と、可動リング部材43と基台6との間に配置されて上下方向に伸縮自在に設けられたコイルスプリング44とを備える構成として、可動リング部材43を上下移動させることにより、押さえ部42の上面42aを上下移動可能に設けることもできる。この場合、図9に示すように、押さえ部42の上面42a、すなわち可動リング部材43の上面が上型5と接触した際には、コイルスプリング44が上下方向に圧縮されることで、可動リング部材43が押し込まれ、押さえ部42の上面42aが下方に移動するので、下型4の環状受け部41と上型5の挟持部52との間に、容器2の環状平板部23と周壁部24を確実に折り込んで、容器2に蓋体3を固定することができる。なお、上型5を上昇移動させて下型4から退避させた状態では、コイルスプリング44自体の復元力により可動リング部材43は元の位置まで復帰する。
【0031】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、容器のカップ部は上記実施形態以外の形状であってもよく、有底円筒状に限らず、有底筒状の角皿型等の各種の形状の容器にも本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0032】
1 蓋付き容器
2 容器
21 フランジ部
22 カップ部
23 環状平板部
24 周壁部
3 蓋体
31 外周部
32 ドーム部
4 下型
41 環状受け部
42 押さえ部
42a 上面
43 可動リング部材
44 コイルスプリング
5 上型
51 ガイド面部
52 挟持部
6 基台
60 開口孔
61 連通孔
65 ガイドバー
7 スライド部
8 取出レバー
95 ハンドル
96 回転軸
97 リンク機構
98 スライド機構
100,200 容器蓋締め装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9