特許第6706494号(P6706494)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6706494
(24)【登録日】2020年5月20日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】インターフェース構造
(51)【国際特許分類】
   H01R 33/76 20060101AFI20200601BHJP
   H01R 13/24 20060101ALI20200601BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20200601BHJP
【FI】
   H01R33/76 503A
   H01R33/76 502C
   H01R33/76 505
   H01R13/24
   H01R12/71
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-242793(P2015-242793)
(22)【出願日】2015年12月14日
(65)【公開番号】特開2017-111852(P2017-111852A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2018年12月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】506154029
【氏名又は名称】センサータ テクノロジーズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀幸
【審査官】 藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4854612(JP,B2)
【文献】 特開2010−062045(JP,A)
【文献】 特開2008−070178(JP,A)
【文献】 米国特許第07626408(US,B1)
【文献】 国際公開第2004/075354(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06− 1/073
H01R 12/00−13/08
13/15−13/35
24/00−24/86
33/00−33/975
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品のインターフェース構造であって、
電気的絶縁性の材料から構成され、第1の主面および当該第1の主面に対向する第2の主面を有し、第1の主面から第2の主面に至る貫通孔が複数形成され、各貫通孔の内壁には導電性のメッキが施されている本体部と、
電気的導電性の材料から構成され、前記本体部の対応する貫通孔内に収容された複数のコイルスプリングとを有し、
前記コイルスプリングは、第1の主面側の貫通孔から挿入された電子部品の端子を受け取る受取り部と、第2の主面側において導電性領域と接触する可動接点部と、前記受取り部と前記可動接点部との間に接続された弾性部とを有し、
前記可動接点部は、前記コイルスプリングの軸方向に対して予め決められた角度で傾斜する端部を有し、当該端部は、前記本体部の第2の主面から突出しており、
前記可動接点部が前記導電性領域と接触するとき、前記可動接点部は、前記端部の傾斜により前記導電性領域上を水平方向に移動し、
前記可動接点部の水平方向の移動により前記弾性部が軸方向からオフセットする方向に移動して前記メッキに接触する、インターフェース構造。
【請求項2】
前記貫通孔は、第1の主面側に開口する第1の貫通孔部と、第2の主面側に開口する第2の貫通孔部とを含み、第1の貫通孔部の径は第2の貫通孔部の径よりも大きく、前記コイルスプリングの接続部の外径は、前記弾性部の外径よりも大きく、前記受取り部が第1の貫通孔部と第1の貫通孔部の段差によって支持される、請求項に記載のインターフェース構造。
【請求項3】
前記可動接点部は、前記弾性部と同一外径の複数巻きのコイルを含み、前記可動接点部は、前記第2の貫通孔部の第2の主面側から突出する、請求項1に記載のインターフェース構造。
【請求項4】
前記可動接点部が前記導電性領域に接触するとき、前記弾性部が軸方向に圧縮され、前記可動接点部が前記第2の貫通孔部内に入り込む、請求項1に記載のインターフェース構造。
【請求項5】
前記受取り部は、前記電子部品の端子よりも大きい内径を有し、前記弾性部は、前記電子部品の端子よりも小さい内径を有する、請求項1ないしいずれか1つに記載のインターフェース構造。
【請求項6】
インターフェース構造はさらに、前記本体部の第1の主面上にガイド部材を含み、当該ガイド部材は、前記本体部の各貫通孔と対応する位置に複数の貫通孔を含み、前記ガイド部材の貫通孔は、電子部品の端子を前記本体部にガイドする、請求項1ないしいずれか1つに記載のインターフェース構造。
【請求項7】
前記ガイド部材の貫通孔の径は、前記本体部の第1の貫通孔の径よりも小さい、請求項に記載のインターフェース構造。
【請求項8】
前記電子部品は、半導体装置を着脱自在に取付けるソケットであり、前記導電性領域は、回路基板上に形成された電極である、請求項1ないしいずれか1つに記載のインターフェース構造。
【請求項9】
半導体装置を取付け可能なソケットと、
回路基板と、
前記ソケットと前記回路基板との間のインターフェース接続をするソケット用アダプタとを有し、
前記ソケット用アダプタは、
電気的絶縁性の材料から構成され、第1の主面および当該第1の主面に対向する第2の主面を有し、第1の主面から第2の主面に至る貫通孔が複数形成され、各貫通孔の内壁には導電性のメッキが施されている本体部と、
電気的導電性の材料から構成され、前記本体部の対応する貫通孔内に収容された複数のコイルスプリングとを有し、
前記コイルスプリングは、第1の主面側の貫通孔から挿入された電子部品の端子を受け取る受取り部と、第2の主面側において導電性領域と接触する可動接点部と、前記受取り部と前記可動接点部との間に接続された弾性部とを有し、
前記可動接点部は、前記コイルスプリングの軸方向に対して予め決められた角度で傾斜する端部を有し、
前記可動接点部が前記導電性領域と接触するとき、前記可動接点部は、前記端部の傾斜により前記導電性領域上を水平方向に移動し、
前記可動接点部の水平方向の移動により前記弾性部が軸方向からオフセットする方向に移動して前記メッキに接触する、インターフェース構造。
【請求項10】
前記ソケットは、ソケット用アダプタから取外しが可能である、請求項に記載のインターフェース構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプリングコンタクトを用いたインターフェース構造に関し、特に、ICソケット等の電子部品を基板に取外し可能に接続するインターフェース構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ICソケットは、半導体装置と回路基板等を電気的に接続するためのインターフェースとして広く用いられている。BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Sized Package)、またはLGA(Land Grid Array)等の表面実装用の半導体装置を装着するICソケットには、半導体装置の底面をベース部材上に配置し、その後、カバー部材によって半導体装置をベース部材に向けて押し付け、半導体装置の底面のはんだボールをプローブピンに接触させるものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、ICソケットは、装着された半導体装置の電気的な特定や信頼性を測定するために回路基板上に実装されるが、この実装は、ソケットの端子と回路基板とを直接はんだ接続するため、ソケットを基板から容易に取り外すことができない。そこで、特許文献2では、ソケットを回路基板から容易に着脱可能にするソケット用アダプタを提供している。図1に、特許文献2、3に示すソケット用アダプタを示す。ソケット用アダプタ10は、回路基板とソケット20との間に接続され、両者の電気的なインターフェースを提供する。ソケット20には、例えば、BGA、LGA、QFP等の種々のパッケージ1が装着可能である。ソケット20は、例えば、ベース部材30、ベース部材30に対して接近しまたは離れる方向に往復動可能なカバー部材40と、ベース部材30に植え込まれた複数のコンタクト50を含んでいる。カバー部材40の開口42を介してパッケージ1が載置部材上に載置される。一対のラッチ部材44は、カバー部材30の往復動に連動し、回転軸46を中心に回動しパッケージ1の上面を押圧する。コンタクト50は、コンタクト保持部34によって保持され、コンタクト50の上端部は、パッケージ1の底面の端子に接続され、コンタクト50の下端部は、ベース部材30から突出し、アダプタ10の貫通孔内に挿入される。ベース部材30の底面の各コーナー部には、位置決めに利用される円柱状のポスト部36が形成されている。
【0004】
ソケット用アダプタ10は、アダプタ本体12を含み、アダプタ本体12は、下部アダプタ12aと上部アダプタ12bを含む。下部アダプタ12aと上部アダプタ12bのそれぞれには、コンタクト50に対応する位置に複数の貫通孔14が形成されている。また、アダプタ本体12の各コーナー部には、ソケット20のポスト部36を挿入するための位置決め用貫通孔64が形成されている。貫通孔14内にはプローブピン60と、プローブピン60を付勢するコイルスプリング62が収容され、プローブピン60は、貫通孔14から挿入されたコンタクトを挟持する。
【0005】
図3は、プローブピンが組み込まれたアダプタ本体の貫通孔の拡大断面図である。上部アダプタ12bが下部アダプタ12aの上面にフック(図中省略)により固定され、プローブピン60が貫通孔14内に収容される。コンタクト50は、上面開口部14bを介してプローブピン60の挟み込み部68によって挟み込まれる。プローブピン60の下端部は、下部開口部14Bから突出し、回路基板の電極パッドに接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−093634号
【特許文献2】特許第4854612号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図1ないし3に示すような従来のソケット用アダプタには、次のような課題がある。ソケット用アダプタのプローブピンは、回路基板の電極パッドの真上から接続される。このとき、プローブピンと電極パッド間との間には一定の接圧が与えられるが、電極パッドの表面に異物が付着していたり、あるいは電極パッドの表面が酸化していると、プローブピンと電極パッド間の電気的な接続が不良になるか、あるいはその抵抗が非常に高くなってしまう。そうすると、半導体装置と回路基板間の信頼性の高い良好な電気的接続を得ることができず、仮に、バーンインテスト工程であれば、半導体装置が良品であるにもかかわらず不良と判定されてしまう可能性がある。さらに従来のソケット用アダプタは、コイルスプリングとプローブピンとを組み合わせるためにプローブピンを複雑に加工しなければならず、ソケット用アダプタが比較的高価になってしまう。
【0008】
本発明は、上記したような課題を解決するものであり、安価でありかつ信頼性の高い電気的接続を可能にするインターフェース構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電子部品のインターフェース構造は、電気的絶縁性の材料から構成され、第1の主面および当該第1の主面に対向する第2の主面を有し、第1の主面から第2の主面に至る貫通孔が複数形成され、各貫通孔の内壁には導電性のメッキが施されている本体部と、電気的導電性の材料から構成され、前記本体部の対応する貫通孔内に収容された複数のコイルスプリングとを有し、前記コイルスプリングは、第1の主面側の貫通孔から挿入された電子部品の端子と接続する接続部と、第2の主面側において導電性領域と接触する可動接点部と、前記接続部と前記可動接点部との間に接続された弾性部とを有する。
【0010】
好ましくは前記可動接点部は、コイルスプリングの軸方向と直交する方向に対して傾斜する端部を有する。好ましくは前記可動接点部が前記導電性領域と接触するとき、前記可動接点部は、前記端部の傾斜により前記導電性領域上を水平方向に移動する。好ましくは前記可動接点部が前記導電性領域と接触するとき、前記弾性部の少なくとも一部が前記メッキに接触する。好ましくは前記可動接点部が前記導電性領域と接触するとき、前記弾性部は、前記可動接点部の水平方向の移動により前記弾性部が軸方向からオフセットする方向に移動して前記メッキに接触する。好ましくは前記貫通孔は、第1の主面側に開口する第1の貫通孔部と、第2の主面側に開口する第2の貫通孔部とを含み、第1の貫通孔部の径は第2の貫通孔部の径よりも大きく、前記コイルスプリングの接続部の外径は、前記弾性部の外径よりも大きく、前記接続部が第1の貫通孔部と第1の貫通孔部の段差によって支持される。好ましくは前記接続部は、前記電子部品の端子よりも大きい内径を有し、前記弾性部は、前記電子部品の端子よりも小さい内径を有する。好ましくはインターフェース構造はさらに、前記本体部の第1の主面上にガイド部材を含み、当該ガイド部材は、前記本体部の各貫通孔と対応する位置に複数の貫通孔を含み、前記ガイド部材の貫通孔は、電子部品の端子を前記本体部にガイドする。好ましくは前記ガイド部材の貫通孔の径は、前記本体部の第1の貫通孔の径よりも小さい。好ましくは前記電子部品は、半導体装置を着脱自在に取付けるソケットであり、前記導電性領域は、回路基板上に形成された電極である。
【0011】
本発明に係るインターフェース構造は、半導体装置を取付け可能なソケットと、回路基板と、前記ソケットと前記回路基板との間のインターフェース接続をするソケット用アダプタとを有し、前記ソケット用アダプタは、電気的絶縁性の材料から構成され、第1の主面および当該第1の主面に対向する第2の主面を有し、第1の主面から第2の主面に至る貫通孔が複数形成され、各貫通孔の内壁には導電性のメッキが施されている本体部と、電気的導電性の材料から構成され、前記本体部の対応する貫通孔内に収容された複数のコイルスプリングとを有し、前記コイルスプリングは、第1の主面側の貫通孔から挿入されたソケットの端子と接続する接続部と、第2の主面側において前記回路基板の導電性領域と接触する可動接点部と、前記接続部と前記可動接点部との間に接続された弾性部とを有する。好ましくは前記ソケットは、ソケット用アダプタから取外しが可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、本体部の貫通孔の内壁にメッキを施し、その貫通孔内にコンタクト用のコイルスプリングを収容するようにしたので、従来のプローブピンを用いる構成と比較して安価であり、かつ貫通孔の内壁のメッキによる電流経路の短縮が可能となりその結果電気的抵抗を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、従来のソケットの概略断面図である。
図2図2(A)は、従来のソケット用アダプタの概略平面図、図2(B)は、そのA−A線断面図である。
図3図3は、従来のソケット用アダプタの拡大断面図である。
図4図4(A)は、本発明の実施例に係るソケット用アダプタの断面図であり、図4(B)は、コンタクトの拡大図である。
図5図5(A)は、本発明の実施例に係るソケット用アダプタの平面図、図5(B)は、そのA−A線断面図、図5(C)は、ベースの断面図、図5(D)は、ベースの貫通孔の拡大断面図、図5(E)は、コイルスプリングの拡大図である。
図6図6(A)は、ソケット用アダプタが回路基板に取付けられる前の状態を示す断面図、図6(B)は、ソケット用アダプタが回路基板に取付けられた後の状態を示す断面図である。
図7】本実施例によるソケット用アダプタの第1の組立動作を説明する概略断面図である。
図8】本実施例によるソケット用アダプタの回路基板への取付け動作を説明する概略断面図である。
図9】本実施例によるソケット用アダプタのコイルスプリングの電気的な接続を説明する図である。
図10】本実施例によるソケット用アダプタの可動接点部のワイピングを説明する図である。
図11】本実施例によるソケット用アダプタの第2の組立動作を説明する概略断面図である。
図12】第2の組立動作によりソケット用アダプタにソケットを装着するときの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明に係るインターフェース構造は、好ましい態様では、ソケット用アダプタとして実施される。なお、図面は、分かり易くするために各部を強調して示してあり、実際のデバイスのスケールとは同一ではないことに留意すべきである。
【実施例】
【0015】
図4は、本発明の実施例に係るインターフェース構造としてソケット用アダプタを例示する。ソケット用アダプタ200は、ソケット100と回路基板300との間に接続され、ソケット100と回路基板300との間に電気的・機械的インターフェースを提供する。ソケット100は、半導体装置を着脱可能に取付けることができ、例えば、BGA、LGA、QFP等の表面実装用の半導体装置を取付ける。
【0016】
図4に示されるソケット100は、典型的なものを例示している。ソケット100は、ベース部材110、ベース部材110に対して接近しまたは離れる方向に往復動可能なカバー部材120と、ベース部材110に植え込まれた導電性材料からなる複数のコンタクト130とを含む。
【0017】
カバー部材120は、図示しないバネ部材によってベース部材110から離れる方向へ常時付勢されている。カバー部材120が押下されると、これに連動してラッチ部材140が退避される。カバー部材120とラッチ部材140との間はリンク部材142によって接続され、ラッチ部材140は、リンク部材142の移動に伴い回転軸144を中心に回転する。カバー部材120の中央の開口122から半導体装置124が載置部材126上に載置されると、次に、カバー部材120が持ち上げられ、ラッチ部材140が半導体装置124の上面を押圧する。ラッチ部材140の押圧により載置部材126が幾分降下し、載置部材126の貫通孔内のコンタクト130の接点部132が載置部材126の表面から突出し、接点部132が半導体装置124の裏面端子に接触する。
【0018】
ベース部材110の中央には、複数のコンタクト130を保持するコンタクト保持部材112が取付けられる。コンタクト130は、コンタクト保持部材112によって二次元マトリックス状に配列され、他方の端部であるコンタクトリード134がベース部材110の底面から突出する。また、ベース部材110の底面のコーナー部には、位置決めおよび/または固定用の円柱状のポスト部140が形成されている。図4(B)に、1つのコンタクト130の拡大を示す。コンタクト130は、例えば、導電性の金属部材をスタンピングすることにより薄板状に加工される。好ましくは、コンタクトリード134は、その端部に向かうにつれ幅が徐々に狭くなるテーパ部134Aを含む。
【0019】
図5(A)は、ソケット用アダプタの平面図、図5(B)は、図5(A)のA−A線断面図、図5(C)は、ベースの断面図、図5(D)は、ベースの貫通孔の拡大断面図、図5(E)は、コイルスプリングの拡大図である。
【0020】
ソケット用アダプタ200は、複数の貫通孔212が形成されたプレート210と、プレート210の下面に接続され、貫通孔212と整合するように貫通孔212と連通する複数の貫通孔222が形成されたベース220と、ベース220の各貫通孔222内に収容される複数のコイルスプリング230とを含んで構成される。
【0021】
ソケット用アダプタ200は、プレート210とベース220の2層構造によって構成されるが、必ずしもプレート210は必須ではない。好ましくは、プレート210は、ソケット100から突出するコンタクトリード134をベース220の貫通孔222へガイドする。プレート210およびベース220は、例えば、耐熱エポキシ樹脂等のプリント配線基板材から形成される。耐熱エポキシ樹脂以外にも、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、液晶ポリマー(LCP)などを用いることができる。
【0022】
プレート210は、平坦な上面、平坦な底面を含む概ね矩形状の外観を有し、その中央部には、上面から底面に貫通する複数の貫通孔212が形成される。貫通孔212のピッチは、コンタクト130のピッチに対応し、貫通孔212の数は、少なくともコンタクト130の数以上である。貫通孔212の径は、コンタクトリード134が通過するのに十分な大きさである。また、プレート210およびベース220の各コーナーには、ソケット100のポスト部140を挿入するための開口部216が形成されている。好ましくは、ポスト部140は、開口部216に着脱自在に係合され、すなわちソケット100をソケット用アダプタ200から容易に取り外すことができる。
【0023】
ベース220は、平坦な上面、平坦な底面を含む概ね矩形状の外観を有し、プレート210とほぼ同じ大きさである。ベース220の中央部には、プレート210の貫通孔212と整合する位置に、上面から底面に貫通する複数の貫通孔222が形成される。貫通孔222は、図5(C)に示すように、上部貫通孔222Aと、下部貫通孔222Bとの2つのサイズの貫通孔から構成される。上部貫通孔222Aは、プレート210の貫通孔212の径よりも幾分大きな径を有し、下部貫通孔222Bは、上部貫通孔222Aの径よりも幾分小さな径を有する。プレート210の貫通孔212と上部貫通孔222Aとの間に第1の段差が形成され、上部貫通孔222Aと下部貫通孔222Bとの間に第2の段差が形成される。さらに好ましい態様では、貫通孔222の内壁には、金属材料によるメッキ224が施される。メッキ224は、例えば、Ni下地のAuメッキである。また、耐摩耗性を向上させるため、例えばNi下地をNiWに置換するか、NiメッキとAuメッキとの間にNiWメッキを形成してもよい。
【0024】
コイルスプリング230は、図5(E)に示すように、コンタクトリード130を受け取るための密着巻部232と、軸方向Cの弾性を与える弾性部234と、回路基板の電極パッドに接続される可動接点部236とを含む。密着巻部232の外径は、中間部234の外径よりも大きく、密着巻部232は、例えば、そのようなコイルを複数回(例えば、数回)密着するように巻いて構成される。密着巻部232の内径は、コンタクトリード134が通過するのに十分な大きさを有する。
【0025】
弾性部234の外径は、密着巻部232の外径よりも小さく、その内径は、コンタクトリード134の幅(テーパ部134Aでない)よりも小さい。それ故、テーパ部134Aが弾性部234の内径に入り込むが、コンタクトリード134は、弾性部234の内壁に突き刺さりそこで停止される。また、弾性部234の軸方向の長さは、コイルスプリング230がベース220の貫通孔222内に挿入されたときに、可動接点部236がベース220の底面から突出するように調整される。可動接点部236は、弾性部234とほぼ同一外径のコイルが複数回(例えば、数回)密着して巻かれているが、その端部が軸方向Cに対して角度θで傾斜されている。角度θは、例えば10〜20°の範囲、より好ましくは15°である。可動接点部236は、後述するように軸方向Cの力を受けたとき、軸方向Cへの移動とともに、その分力により軸方向Cと直交する方向(水平方向)にも幾分移動する。
【0026】
コイルスプリング230の組み込みは、先ず、プレート210とベース220とが分離された状態から、図5(C)に示すようなベース210の上面側から貫通孔222内に挿入される。コイルスプリング230の密着巻部232は、上部貫通孔222Aと下部貫通孔222Bとの間の段差によって支持され、抜け落ちが防止される。このとき、可動接点部236は、ベース220の底面より幾分だけ突出している。コイルスプリング230の挿入後、ベース220の上面にプレート210の底面が接続される。両者の接続方法は、任意であり、例えば、両部材の面間を接着剤により接合したり、あるいは、プレート210およびベース220に共通の貫通孔214を利用してボルト等の締結部材を用いて両部材を固定しても良い。図6(A)は、コイルスプリングが組みつけられた状態を示している。プレート210の貫通孔212の径は、密着巻部232の外径よりも小さいので、コイルスプリング230は、プレート側に抜け落ちることなく保持される。また、コイルスプリング230は、ソケットのコンタクトに対応する箇所にのみ組み付けられることに留意すべきである。例えば、図4図5に示す例では、中央の3つの貫通孔222には、コンタクトリード134が挿入されないので、コイルスプリング230は組み付けられていない。
【0027】
次に、本実施例のソケット用アダプタの第1の組立動作について説明する。まず、図7に示すように、半導体装置124をソケット100に取付けた後、ソケット100がソケット用アダプタ200に取付けられる。ソケット100のポスト部140がソケット用アダプタ200の開口部216に挿入され、コンタクトリード134が対応する貫通孔212、222内に挿入される。このときの様子を図6(B)に示す。すなわち、コンタクトリード134は、プレート210の貫通孔212によりガイドされ、ベース220の上部貫通孔222A内のコイルスプリング230の密着巻232内に通り、弾性部234の内壁に当接する。これにより、コンタクトリード134がコイルスプリング230に電気的に接続される。
【0028】
次に、図8に示すように、ソケット用アダプタ200が回路基板300に取付けられる。ソケット用アダプタ200と回路基板300間の固定は、任意であるが、例えば、回路基板300の裏面側からソケット用アダプタ200の貫通孔214内を通るネジ部材を挿入し、かつネジ部材の先端をベース部材110の締結用穴150に係合させることによって行われる。このときの様子を図9に示す。コイルスプリング230の可動接点部236が回路基板300の導電性ランドまたは電極に当接し、コイルスプリング230には軸方向Cの荷重が加えられる。プレート210の貫通孔212は、密着巻部232の外径よりも小さいので、密着巻部232がプレート210の底面によって支持され、その後、弾性部234が軸方向に圧縮される。こうして、コンタクトリード134と回路基板300の電極とが適当な接圧で電気的に接触される。また、コイルスプリング230の弾性部234が軸方向Cからオフセットする方向に座屈し、コイルスプリング230が貫通孔222の内壁のメッキ224(図5(D)を参照)と接触する。例えば、図に示すように、コイルスプリング230の座屈部分K1、K2、K3がメッキ224に接触する。これにより、コンタクトリード134から回路基板300の電極310までの電流経路が短縮され、電気的抵抗を減らすことができる。
【0029】
さらに本実施例のコイルスプリングを用いた場合、図10に示すように回路基板300の電極310をワイピングすることができる。図10(A)に示すように、可動接点部236が電極310に接触し、軸方向Cの荷重を受けるとき、可動接点部236の端部が角度θで傾斜しているため、可動接点部236には水平方向の分力が働く。このため、コイルスプリング230が圧縮されると、図10(B)に示すように可動接点部236が電極310上を水平方向Hに移動し、電極310をワイピングする。これにより、電極310の表面に形成された酸化膜や付着した異物が取り除かれ、電極310との接触抵抗を小さくすることができる。
【0030】
さらに可動接点部236が水平方向Hに移動することによって、弾性部234の座屈を確実に引き起こすことが可能になる。水平方向に移動する可動接点部を持たないコイルスプリングでは、座屈の発生が確実ではなく、コイルスプリングによって座屈が生じたり、生じなかったりし、コンタクト間の電気抵抗のバラツキが大きくなる。さらに、バーンインテストソケットである場合には、コイルスプリング230に大きな熱変化が与えられ、コイルスプリングの熱膨張または熱圧縮が座屈を不安定にし、その結果、コンタクト間の電気抵抗が不安定となる。一方、本実施例にように可動接点部236に水平方向Hの力を与えることで、コイルスプリング230の座屈が促進され、これにより座屈が安定化され、コンタクト間の電気抵抗のバラツキが抑制される。
【0031】
このように本実施例によれば、ベースの貫通孔の内壁にメッキを施すことで電気的経路の短縮を行うことができ、さらに従来のスプリングコンタクトには無かった確実なワイピングを行うことでき、信頼性の高いインターフェース機能を提供することができる。さらに、既存のバーンインソケットやソケットを用いて、安価な表面実装タイプのソケットにすることが可能である。さらに、従来のソケット用アダプタのように高価なプローブピンを用いていないため、安価に表面実装タイプのソケットが可能である。さらに、ソケット用アダプタからソケットを取外し、ソケットのメンテナンスを容易に行うことができる。
【0032】
次に、本実施例のソケット用アダプタの第2の組立動作について説明する。第1の組立動作では、ソケット100を先にソケット用アダプタ200に装着し、その後、回路基板を装着したが、これらの組立順序は任意である。第2の組立動作では、先ず、ソケット用アダプタ200が回路基板300に装着され、次に、ソケット100がソケット用アダプタ200に装着され、最後にソケット100に半導体装置が装着される。
【0033】
図11(A)に示すように、回路基板300にソケット用アダプタ200が装着される。このときの様子を図11(B)、(C)に示す。図11(B)に示すように、コイルスプリング230の可動接点部236が回路基板300の電極310に接触し、次いで、コイルスプリング230は、回路基板300から軸方向の荷重を受ける。これにより、コイルスプリング230は、密着巻部232がプレート210の底面に当接するまで持ち上げられる。さらに可動接点部236に軸方向の荷重が加えられると、弾性部234が軸方向に圧縮し、このとき可動接点部236は水平方向に幾分移動し、電極310の表面をワイピングする。
【0034】
次に、ソケット100がソケット用アダプタ200に装着される。図12(A)に示すように、ソケット100の底面から突出するコンタクトリード134が、プレート210の貫通孔212によってガイドされながらベース220の貫通孔222内に挿入される。このときの様子を図12(B)、(C)に示す。図12(B)に示すように、コンタクトリード134のテーパ部134Aが密着巻部232の内径部を通過し、テーパ部134Aが弾性部234の内径部に当接する。次いで、コンタクトリード134が軸方向にさらに押下されると、弾性部234が圧縮される。このとき、弾性部234の少なくとも一部が座屈され、かつ可動接点部236が僅かに水平方向に移動し電極310を僅かにワイピングする。
【0035】
上記実施例では、インターフェース構造として、ソケットと回路基板とを接続するソケット用アダプタを例示したが、本発明のインターフェース構造は、他の電子部品と回路基板とを接続するものであってもよいし、あるいは複数の電子部品間の接続を行うものであってもよい。
【0036】
以上のように本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0037】
100:ソケット
110:ベース部材
120:カバー部材
130:コンタクト
134:コンタクトの端部
200:ソケット用アダプタ
210:プレート
212:貫通孔
220:ベース
222:貫通孔
222A:上部貫通孔
222B:下部貫通孔
230:コイルスプリング
232:密着巻部
234:弾性部
236:可動接点部
300:回路基板
310:電極
図1
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図12