(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
入射した光が通過する基板の一方表面側の位置に、光に位相差を生じさせながら通過させる微細構造をもつ複数の微細構造領域が光の走査経路に沿って配列された入射光通過領域と、
前記入射光通過領域の微細構造に所定の入射角度で斜めに入射し通過した光を反射させる反射部と、
前記入射光通過領域の前記微細構造領域を通過して前記反射部で反射した光が通過する位置に、当該光が前記反射部で反射する前に通過した前記入射光通過領域の微細構造領域と同一の光学軸方向を有する微細構造領域を備えた反射光通過領域と、を備え、
前記反射部は、前記基板の他方表面側にのみ設けられており、前記基板の前記一方表面側から入射した光を前記一方側表面側へ反射して出射させ、
前記反射光通過領域は、前記基板の前記一方表面側における前記入射光通過領域とは異なる位置に設けられ、該反射光通過領域に前記入射光通過領域とは別の複数の微細構造領域が設けられており、
光が前記入射光通過領域と前記反射光通過領域において同一の光学軸方向をもつ微細構造領域を通過するように、前記反射光通過領域の各微細構造領域が前記入射光通過領域の各微細構造領域に対応して配列されており、
前記入射光通過領域の前記微細構造領域に前記所定の入射角度で入射した光に実質的に1/2波長分の位相差を生じさせて出射させる偏光解消素子。
【背景技術】
【0002】
偏光解消素子は、レーザプリンタなどで問題となる偏光を解消させるための光学部品として用いられたり、光学露光装置や光学測定機などの光学機器の光学系のスペックルの発生を低減させるスペックル低減素子として用いられたりしている。
【0003】
レーザからの光をマイクロレンズアレイやフライアイレンズを通すことによってひとつの光束を複数の光束に分割する際、分割された光は偏光方向が同一方向に揃っており、光学系の中で特定の条件が整うと、分割された光がそれぞれ干渉発生の原因となって光学系の途中で光が強めあう点(スペックル)が生じる場合がある。スペックルは、レーザ光を使用するいろいろな光学系で発生することが知られており、これを解消する方法が種々提案されているが、有効な解決策は確立されていない。
【0004】
スペックルを解消する方法のひとつとして、光の偏光状態が様々になったいわゆるランダム偏光状態にすることが挙げられる。偏光が不揃いであると、指向性の低い自然光の状態に近づくために光の干渉が起こりにくいからである。
【0005】
偏光解消素子として、サブ波長構造(Sub-Wavelength Structures;SWS)を備えたものが知られている(例えば特許文献1を参照。)。サブ波長構造は、使用する光の波長よりも短い周期で繰り返して配列された溝の周期構造である。
【0006】
光の波長より短いピッチをもつ溝の周期構造は、周期をもつ方向ともたない方向で互いに異なる有効屈折率nTE,nTMをもち、あたかも複屈折材料であるかのように振舞う(いわゆる構造複屈折構造である)。この有効屈折率の差によって各偏波方向の光の伝播速度に差ができるため、サブ波長構造を通過する光の偏光状態が変化する。サブ波長構造は、構造の設計によって複屈折やそれらの分散を自由に制御できる。サブ波長構造のこの特性を利用して、偏光板、波長板、波長分離素子など、様々な製品が展開されている。
【0007】
サブ波長構造を利用した偏光解消素子は、光を透過させる部分が複数の領域に分割され、それらの各領域に種々の光学軸方向をもったサブ波長構造が形成されている。以下、サブ波長構造が形成されている領域を光学軸変更領域と称する。光学軸方向とは、サブ波長構造の溝の配列方向である。偏光解消素子は、各光学軸変更領域を光が走査するように平面的に駆動される。これにより、該偏光解消素子を透過する光の光学軸方向が時間によって種々の方向に変更(時間分割)され、それらを合成した光は種々の光学軸方向をもった光となる。偏光解消素子を透過した光が種々の光学軸方向をもつことにより、同じ光学軸方向をもった光の干渉によって発生するスペックルが緩和される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
偏光解消素子によって光の光学軸方向を変更するとは、光に1/2波長分の位相差を生じさせることを意味する。サブ波長構造によって光に1/2波長分の位相差を生じさせるためには、溝の深さと溝が設けられる間隔(ピッチ)との比率(アスペクト比)を高くする必要がある。しかし、サブ波長構造のアスペクト比を高くするための溝を深く掘る加工は容易でないため、歩留まりの向上や製造コストの低減を図る上で障害となっている。
【0010】
そこで、本発明は、光に実質的に1/2波長分の位相差を生じさせて光の光学軸方向を時分割で変更する偏光解消素子の製造を容易にすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る偏光解消素子は、入射した光が通過する基板の一方表面側の位置に、光に位相差を生じさせながら通過させる微細構造(サブ波長構造)をもつ複数の微細構造領域が光の走査経路に沿って配列された入射光通過領域と、その入射光通過領域の微細構造を所定の入射角度で斜めに入射し通過した光を反射させる反射部と、前記入射光通過領域の前記微細構造領域を通過して前記反射部で反射した光が通過する位置に、当該光が前記反射部で反射する前に通過した前記入射光通過領域の微細構造領域と同一の光学軸方向をもつ微細構造領域を有する反射光通過領域と、を備えている。かかる構成により、入射光通過領域の微細構造領域に前記所定の入射角度で斜めに入射した光に実質的に1/2波長分の位相差を生じさせる。
【0012】
本発明の偏光解消素子においては、光に位相差を生じさせる部分は、主として入射光通過領域の微細構造領域と反射部で反射した光が通過する微細構造領域である。なお、反射部にも位相差調整層を設けることができる。微細構造を光が2回通過するようにすることで約1/2波長分の位相差を生じさせるためには、光が反射の前後で通過する微細構造領域の光学軸方向が同一であることを要する。そのため、本発明では、光が入射光通過領域と反射光通過領域とで同一の光学軸方向をもつ微細構造領域を通過するように設計されている。
【0013】
ここで、「反射光通過領域」とは、入射光通過領域の少なくとも一部を含む領域であってもよいし、入射光通過領域とは別の領域であってもよい。反射光通過領域が入射光通過領域の少なくとも一部を含むか否かは、光が当該素子に入射してから出射するまでの光路長によって決まるものであり、その光路長は、当該素子に対する光の入射角度、反射部が設けられている位置及び基板の厚み等によって決まるものである。
【0014】
偏光解消素子の構造の一例として、反射部が基板の他方表面側にのみ設けられ、基板の一方表面側から入射した光を一方側表面側へ反射して出射させる構造が挙げられる。この構造では、反射部で反射した光を通過させる微細構造領域は基板の一方表面側に設けられる。
【0015】
上記構造において、反射光通過領域を、基板の一方表面側における入射光通過領域とは異なる領域であって反射部で反射した光が通過する位置に設けることが考えられる。この場合、反射光通過領域は入射光通過領域とは別の複数の微細構造領域を有し、光が入射光通過領域と反射光通過領域において同一の光学軸方向をもつ微細構造領域を通過するように、反射光通過領域の各微細構造領域が入射光通過領域の各微細構造領域に対応して配列されている。
【0016】
上記の場合、入射光通過領域と反射光通過領域はまったく別の領域であるから、互いを離間して設けることができる。入射光通過領域と反射光通過領域を離間して設けるとは、互いの領域の間に光学的意味をなす領域、すなわち微細構造をもった領域が存在しないことを意味する。そうすれば、入射光通過領域と反射光通過領域との間に微細構造のない領域が存在することとなり、入射光通過領域と反射光通過領域を別工程で形成することができ、設計の自由度が向上する。
【0017】
偏光解消素子の構造の他の例として、反射部が基板の一方表面側と他方表面側に設けられ、基板の一方表面側から入射した光を他方表面側と一方表面側の反射部で反射させて一方表面側へ出射させる構造が挙げられる。すなわち、基板の一方表面側と他方表面側で複数回反射させることによって光路長を稼ぎ、基板の一方表面側から入射した光を入射光通過領域とは別の一方表面側の反射光通過領域から出射させるものである。光を複数回反射させて光路長を稼ぐため、基板の厚みが薄くても、反射光通過領域を入射光通過領域から離れた位置に設けることができる。この構造においても、光が入射光通過領域と反射光通過領域において同一の光学軸方向をもつ微細構造領域を通過するように、反射光通過領域の各微細構造領域が入射光通過領域の各微細構造領域に対応して配列されている必要がある。
【0018】
偏光解消素子の構造のさらに他の例として、反射部は基板の一方表面側と他方表面側に設けられ、基板の一方表面側から入射した光を他方表面側と一方表面側の反射部で反射させて他方表面側へ出射させる構造が挙げられる。この構造では、光を基板の一方表面側と他方表面側との間で複数回反射させて光路長を稼ぎ、光を他方表面側の反射光通過領域から出射させる。この場合も、光が入射光通過領域と反射光通過領域において同一の光学軸方向をもつ微細構造領域を通過するように、反射光通過領域の各微細構造領域が入射光通過領域の各微細構造領域に対応して配列されている必要がある。
【0019】
入射光通過領域と反射光通過領域が離間して設けられている構造や、入射光通過領域と反射光通過領域が基板の一方表面側と他方表面側に分かれて設けられている構造は、入射光通過領域が設けられた第1部材と前記反射光通過領域が設けられた第2部材とを別々に製作し、その後、それらの部材を接合することによって実現できる。入射光通過領域と反射光通過領域とを個別に形成してから接合することで、第1部材と第2部材の接合時に入射光通過領域と反射光通過領域の互いの位置関係を調整することができるため、素子内における光路長の制御が容易になり、歩留まりが向上する。
【0020】
偏光解消素子の構造のさらに他の例として、反射部は基板の一方表面側に設けられ、その上層側に入射光通過領域の各微細構造領域を構成する微細構造が形成されている構造が挙げられる。かかる構造では、基板の一方表面側に入射した光は微細構造領域を通過した直後に光路差なしで反射部で反射し、すぐに同じ微細構造領域を通過することとなるので、入射光通過領域と反射光通過領域は完全に一致する。したがって、素子内における光路長を考慮した反射光通過領域の設計が不要となる。
【0021】
また、反射部は基板の一方表面側における微細構造領域の微細構造の凸面上に設けられ、基板の他方表面側から入射した光を一方表面側で反射して他方表面側へ出射させる構造が挙げられる。この構造は
図7に示されているような構造であり、微細構造領域と反射部とを別々の基板に形成し、微細構造領域の凸面上に反射部がくるように基板を接合することで実現できる。微細構造領域と反射部とを同一基板に形成する場合に比べて製造が容易である。この構造では、基板の他方表面側から入射した光が、微細構造領域の微細構造を通過した直後にその微細構造の凸面上に設けられた反射部で反射し、その後すぐに同じ微細構造領域の微細構造を通過することとなるので、入射光通過領域と反射光通過領域が完全に一致し、素子内における光路長を考慮した反射光通過領域の設計が不要となる。また、
図7に示されているような構造では、微細構造が形成されている部分を2枚の基板で両側から保持するので、外部からの圧力や環境変化に対して耐久性が非常に高く、信頼性が高い。
【0022】
また、入射光通過領域において互いに隣り合う微細構造領域の間に、光に位相差を生じさせる微細構造を有しないブランク領域が設けられていることが好ましい。この場合、入射光通過領域のブランク領域を通過して反射部で反射した光は微細構造領域でなくブランク領域を通過して出射されるように設計する。
【0023】
微細構造領域を隣接して配置すると、互いに隣接する微細構造領域の境界部分では微細構造の光学軸方向が急激に変化することによって光の散乱や回折が生じるため、光の利用効率が低下する。これに対し、互いに隣り合う微細構造領域の間にブランク領域が設けられていることで、光の散乱や回折を生じる境界部分が存在しなくなり、光の利用効率が向上する。
【0024】
また、入射光と同じ光学軸方向をもつ微細構造、すなわち出射光の光学軸方向が入射光と同じ光学軸方向であるような微細構造は、入射光の光学軸方向を変更するものではないため実質的に光学的な機能を有さず、微細構造が設けられていないのと同じである。換言すれば、光の光学軸方向を変更するような微細構造をもたない領域を設ければ、その領域において入射光の光学軸方向を変更することなく、入射光と同じ光学軸方向の光を出射させることができるため、入射光と同じ光学軸方向をもつ微細構造を有する領域を設ける必要がない。ブランク領域は入射光の光学軸方向と同じ特定の光学軸方向をもつ微細構造を有する領域としての機能を有するため、入射光の光学軸方向と同じ特定の光学軸方向をもつ領域を設ける必要がなくなり、他の光学軸方向をもつ微細構造領域を設けるスペースを確保することができる。これにより、光の光学軸方向を時間分割するための微細構造のパターン数を増加させることができ、スペックルの解消効果を向上させることができる。
【0025】
さらに、微細構造領域を隣接して配置すると、隣接する微細構造域間の境界部分は、光学軸変更領域を微細化して配列すればするほど増加することになる。隣接する微細構造領域間の境界部分が増加すると、その部分での散乱光や回折光が増加し、光利用効率が低下する。これに対し、互いに隣り合う微細構造領域の間にブランク領域を設ければ、光の散乱や回折を生じる微細構造の境界部分が存在せず、微細構造領域を微細化しても散乱光や回折光が増加しない。したがって、微細構造領域の微細化が可能となり、光学軸方向の時間分割機能が向上し、スペックルの解消効果を向上させることができる。
【0026】
また、互いに隣り合う微細構造領域の境界部分にサブ波長構造を形成しないため、設計及び加工が容易になる。さらに、光学軸方向の異なるサブ波長構造どうしが隣接しないため、熱膨張によるパターンの歪みや倒れも発生せず、歩留まりが向上する。
【0027】
また、少なくともブランク領域には反射防止膜又は反射防止構造を形成することができる。そうすれば、ブランク領域における光透過率が向上し、当該偏光解消素子の光利用効率を向上させることができる。
【0028】
前記所定の入射角度とは45°以下の角度である。微細構造領域に対する光の入射角度が45°以下であれば、微細構造領域の微細構造が光に所望の位相差を生じさせるサブ波長構造として機能することがわかっている(特開2010−211856号公報の
図6−
図9参照。)。入射角度が45°以下とは、基板の一方表面に垂直な軸に対してなす角度が45°以下であることをいう。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る偏光解消素子は、光が反射部で反射する前後で微細構造(サブ波長構造)を合計2回通過させることにより、その光に実質的に1/2波長分の位相差を生じさせるように構成されているので、1つの微細構造によって光に1/2波長分の位相差を生じさせる必要がない。すなわち、1つの微細構造で約λ/4の位相差を生じさせるようにすれば合計でλ/2の位相差を生じさせることができる。したがって、微細構造のアスペクト比を小さくすることができ、微細構造の形成が容易になり、歩留まりの向上やコストの低減を図ることができる。また、必要に応じて反射部に位相差機能をもたせることが可能であるため、微細構造を形成した後で反射部の膜構造(薄膜設計の設計事項であり、変更設計することが可能)を変更することによって、光に生じさせる位相差の制御が容易である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る偏光解消素子の実施形態について、図面を用いて説明する。
以下に説明する各実施例の偏光解消素子は、その偏光解消素子に向かって照射された光が当該素子の平面内の所定の領域内を走査するように、平面的に駆動されるものである。以下において、偏光解消素子に入射した光が走査する領域を「入射光通過領域100」、当該素子に設けられた反射部で反射した光が通過する領域を「反射光通過領域200」と称する。
【0032】
まず、
図1及び
図2を用いて偏光解消素子の一実施例について説明する。
【0033】
この実施例の偏光解消素子は、基板2の一方表面側(同図(A)において上側)に複数の微細構造領域4が設けられ、他方表面側に反射部をなす反射膜6が設けられている。基板2は、例えば石英等、高い光透過率を有する材質で構成されている。微細構造領域4には、その領域を透過する光に位相差を生じさせるように凹部と凸部の繰返しからなるサブ波長構造(微細構造)が形成されている。微細構造領域4は入射光通過領域100内において互いに隣接して配置されている。
【0034】
この実施例では、図の(1)や(2)の破線矢印で示されているように、基板2の一方表面側から光を所定角度(例えば45°)で斜めに入射させ、反射膜6で反射した光を基板2の一方表面側から出射させる。そのため、基板2の一方表面側に反射光通過領域200が設けられている。この実施例では、基板2の一方表面側に配列された微細構造領域4のうち一方側からの一部が入射光通過領域100に含まれ、他方側からの一部が反射光通過領域200に含まれている。微細構造領域4のうち中央部に配列されている一部の微細構造領域は入射光通過領域100と反射光通過利用域200のいずれにも含まれている。
【0035】
入射光通過領域100において、微細構造領域4は光の走査方向(同図(B)の太い矢印の方向)に沿って光学軸方向が連続的に変化するように配列されている。各微細構造領域4に付されたA−Dは、その微細構造領域4に形成されている微細構造の配列方向(光学軸方向)を表している。なお、ここでは説明を簡単にするためにA−Dの4種類の領域が配列されている例を記載しているが、4種類の領域に限定されず、例えば8種類、16種類、32種類等の領域が配列されていてもよい。
【0036】
微細構造領域4の配列は、光が反射膜6で反射する前後において通過する微細構造領域4の光学軸方向が同一となるように、光の入射角度や基板2の厚み等を考慮して設計されている。例えば、
図1において(1)の破線矢印で示されるように、A方向の光学軸方向をもつ微細構造領域4に入射した光は、反射膜6で反射した後、必ずA方向の光学軸方向をもつ別の微細構造領域4を通過して出射し、(2)の破線矢印で示されるように、C方向の光学軸方向をもつ微細構造領域4に入射した光は、反射膜6で反射した後、必ずC方向の光学軸方向をもつ別の微細構造領域4を通過して出射する。
【0037】
各微細構造領域4の微細構造は、光に対して約1/4波長分の位相差を生じさせるように形成されている。上記のように、この素子に入射した光が反射膜6で反射する前後において同一の光学軸方向をもつ微細構造領域4を通過することにより、光に実質的に1/2波長分の位相差を生じさせることができる。なお、微細構造領域4のみで1/2波長分の位相差が生じない場合もあるが、その場合は、反射膜6と基板2との間に位相差調整膜を介在させ、微細構造領域4と位相差調整膜の合計で1/2波長分の位相差を生じさせるように設計する。
【0038】
ここで、微細構造領域4は、例えば、石英材料等からなる基板2の一方表面における微細構造の凸部となる部分にCr膜を配置し、Cr膜をマスクとして基板2垂直な方向にドライエッチングを行なうことで形成することができる。また、基板2の一方表面上に基板2とは異なる材質の誘電体薄膜層を形成し、その誘電体薄膜層をドライエッチングすることによって形成することもできる。
【0039】
また、反射膜6は、誘電体多層膜からなるものであってもよいし、アルミニウム等の金属膜からなるものであってもよい。反射膜6として誘電体多層膜を用いれば、金属膜に比べて入射光の吸収が少なく、光利用効率の低下を抑制することができる。
【0040】
なお、素子内における光路長は基板2の厚みと入射角度によって変化するため、基板2の厚みを大きくすると、
図2に示されているように、光が入射する位置と光が出射する位置との間の距離が
図1の実施例よりも長くなり、入射光通過領域100と反射光通過領域200とが完全に別の領域となる。また、
図3に示されているように、入射光通過領域100と反射光通過領域200を離間させることもできる。
【0041】
これらの場合、反射光通過領域200の微細構造領域4bに光が入射することはない。そのため、入射光通過領域100の微細構造領域4aでの位相差発生量と反射光通過領域200の微細構造領域4bでの位相差発生量は同一である必要はなく、微細構造領域4aと微細構造領域4bとを別々に製作することもできる。ただし、
図1、
図2のように、微細構造領域が連続している場合には、設計によっては微細構造領域4bに光が入射するようになっていてもよい。
【0042】
特に、
図3の実施例のように、入射光通過領域100と反射光通過領域200が離間した偏光解消素子は、入射光通過領域100の微細構造領域4aが形成された部材と反射光通過利用域200の微細構造領域4bが形成された部材とを接合することによって製作することができる。微細構造領域4aと微細構造領域4bとを別々の部材に形成してから接合することにより、微細構造領域4aと微細構造領域4bの加工を行なった後で接合する際にそれらの領域4a,4b間の距離を調整することができ、素子内における光路長の制御が容易になり、歩留まりが向上する。
【0043】
図4を用いて偏光解消素子のさらに他の実施例について説明する。
【0044】
この実施例の偏光解消素子は、基板2の一方表面側(図において上側)から所定角度で斜めに入射した光を、基板2の他方表面側(図において下側)に設けられた反射膜6aと一方表面側に設けられた反射膜6bで反射させて基板2の他方表面側から出射させるものである。基板2の一方表面側における光が走査する範囲、すなわち入射光通過領域100に、複数の微細構造領域4aが設けられている。基板2の他方表面側において反射膜6bで反射した光が通過する範囲、すなわち反射光通過領域200に複数の微細構造領域4bが設けられている。
【0045】
この実施例においても、反射光通過領域200の各微細構造領域4bは、光が反射膜6a及び6bで反射する前後において同一の光学軸方向をもつ微細構造領域4a及び4bを通過するように、入射光通過領域100の各微細構造領域4aに対応して設けられている。例えば、
図4において(1)の破線矢印で示されるように、A方向の光学軸方向をもつ微細構造領域4aに入射した光は、反射膜6a及び6bで反射した後、必ずA方向の光学軸方向をもつ微細構造領域4bを通過して出射し、(2)の破線矢印で示されるように、C方向の光学軸方向をもつ微細構造領域4aに入射した光は、反射膜6a及び6bで反射した後、必ずC方向の光学軸方向をもつ微細構造領域4bを通過して出射する。
【0046】
反射膜6a及び6bによって入射光は2回反射するため、素子内における光路長が長くなり、基板2の平面内方向における入射光通過領域100と反射光通過領域200の位置が重ならないようにずらすことができる。これにより、微細構造領域4aと微細構造領域4bをそれぞれ別の部材に形成した後、それらの部材を接合してこの偏光解消素子を製作することができる。これにより、微細構造領域4aと微細構造領域4bの加工を行なった後で接合する際にそれらの領域4a,4b間の距離を調整することができるので、素子内における光路長の制御が容易になり、歩留まりが向上する。
【0047】
図5を用いて偏光解消素子のさらに他の実施例を説明する。
【0048】
この実施例の偏光解消素子は反射膜6c、6d及び6eをもち、これらの反射膜6c、6d及び6eで基板2の一方表面側(図において上側)から所定角度をもって斜めに入射した光を3回反射させ、基板2の一方表面側から出射させるように構成されている。
【0049】
具体的に説明すると、基板2の一方表面側において入射光が走査する範囲(入射光通過領域100)に微細構造領域4aが設けられており、基板2の他方表面側(図において下側)に、微細構造領域4aを通って入射した光を一方表面側へ反射させるように反射膜6cが設けられている。基板2の一方表面側に、反射膜6cからの反射光をさらに他方表面側へ反射させるように反射膜6dが設けられており、基板2の他方表面側に、反射膜6dからの反射光をさらに一方表面側へ反射させるように反射膜6eが設けられている。基板2の一方表面側における反射膜6eからの反射光が通過する範囲に、微細構造領域4dが設けられている。微細構造領域4dが設けられている領域が反射光通過領域である。
【0050】
この実施例では、反射膜6cと6eが互いに離間して設けられているが、互いに連続していてもよい。すなわち、反射膜6cと6eは基板2の他方表面全体を覆う1つの反射膜であってもよい。
【0051】
この実施例においても、微細構造領域4aと微細構造領域4bとが互いに離間しているため、それぞれを別の部材に形成し、その後、それらの部材を接合してこの偏光解消素子を製作することができる。これにより、微細構造領域4aと微細構造領域4bの加工を行なった後で接合する際にそれらの領域4a,4b間の距離を調整することができるので、素子内における光路長の制御が容易になり、歩留まりが向上する。
【0052】
図4や
図5に示されているような、基板2の1つの表面に微細構造と反射膜の両方を有する素子の製造方法として以下の方法が挙げられる。まず、基板の表面の微細構造領域にエッチング技術によって複数の凹凸からなる微細構造を形成した後、微細構造が形成された部分のみをレジスト(又は溶媒に可溶な樹脂)で保護してマスク層を形成する。ネガ型のレジストの場合は、基板前面にレジストを塗布した後、反射膜を成膜する部分のみ露光を行ない、その部分のレジストを除去することにより、微細構造が形成された部分のみにマスク層を形成する。マスク層を形成した後、その表面全体に誘電体多層膜やアルミ膜からなる反射膜を成膜する。その後、マスク層を有機溶媒で除去することにより、1つの表面に微細構造と反射膜の両方が形成された状態となる。
【0053】
図4に示されているように、基板の両面のそれぞれに微細構造と反射膜の両方をもつ素子を形成するためには、基板2の一方表面側を形成する基板と他方表面側を形成する基板とを用意し、それぞれの基板の表面に上記の方法によって微細構造と反射膜を形成した後、それらの基板を接合する方法が挙げられる。また、別の方法として、1枚の基板2の表裏両面に両面アライメント装置を使用して高精度位置合わせを行ない、両面に微細構造と反射膜を形成する方法が挙げられる。
【0054】
図6を用いて偏光解消素子のさらに他の実施例について説明する。
【0055】
この実施例では、基板7の一方表面側(図において上側)に反射膜8が設けられ、その反射膜8上に複数の微細構造領域9が設けられている。光は微細構造領域9が設けられている領域全体を走査する。微細構造領域9を通過した光はその直下の反射層8で反射し、再び同じ微細構造領域9を通過して出射する。すなわち、この偏光解消素子は、微細構造領域9が設けられている領域全体が入射光通過領域であり、かつ反射光通過領域でもある。図の破線矢印(1)や(2)で示されているように、この偏光解消素子に入射した光は、同じ微細構造領域9を通過して出射するため、素子内における光路長を考慮した微細構造領域9の設計が不要である。
【0056】
かかる構造を有する偏光解消素子の製造方法としては、基板7上にSiO
2膜とTa
2O
5膜による多層膜からなる反射膜8を形成し、その上に微細構造領域9を形成するためのTa
2O
5膜を成膜し、そのTa
2O
5膜上にマスクパターンを形成した後、マスクパターンをマスクしてTa
2O
5膜をドライエッチングすることで、微細構造を形成する方法が挙げられる(例えば特開2011−248213を参照。)。
【0057】
図7を用いて偏光解消素子のさらに他の実施例について説明する。
【0058】
この実施例では、例えば石英材料など光透過性材料からなる基板10の一方表面側(図において下側)に、光に位相差を生じさせる微細構造を有する複数の微細構造領域11が隣接して設けられており、その微細構造領域11の微細構造の凸面側(図において下側)に反射部をなす反射膜12が設けられている。反射膜12は基板13の一表面(図において上面)に成膜されたものである。
【0059】
基板13は光透過性を有するものであっても有しないものであってもよい。また、反射膜12は誘電体多層膜からなるものであってもよいし、アルミニウム等の金属膜からなるものであってもよい。反射膜12として誘電体多層膜を用いれば、金属膜に比べて入射光の吸収が少なく、光利用効率の低下を抑制することができる。
【0060】
この偏光解消素子は、基板10の他方表面側(図において上側)から光を入射させ、基板10の一方表面側の微細構造領域11を通過させた後、反射膜12で反射させ、再び同じ微細構造領域11を通過させて基板10の他方表面側から出射させるものである。この偏光解消素子は、
図6の実施例と同様に、基板10の一方側の表面のうち微細構造領域11が設けられている領域全体が入射光通過領域であり、かつ反射光通過領域でもある。したがって、素子内における光路長を考慮した微細構造領域11の設計が不要である。
【0061】
この構造は、一方表面に微細構造領域11が設けられた基板10と、一表面に反射膜12が成膜された基板13とを別々に製作した後、これらの基板10,13を接合することによって実現することができる。基板10の一方表面に微細構造領域11を形成する加工及び基板13の一表面に反射膜12を製膜する加工はそれぞれが容易であるため、容易にこの構造を実現することができる。
【0062】
次に、本発明を円盤型の偏光解消素子に適用した実施例について、
図8−
図10を用いて説明する。
【0063】
図8の実施例は、平面形状が円形の基板14の一方表面側(同図(B)において上側)の周縁部に複数の微細構造領域18が周方向に隣接して配列されており、基板14の他方表面側(同図(B)において下側)に反射部をなす反射膜16が設けられている。反射膜16は誘電体多層膜からなるものであってもよいし、アルミニウム等の金属膜からなるものであってもよい。微細構造領域18には微細構造として光に位相差を生じさせるサブ波長構造が形成されている。
【0064】
この偏光解消素子は、
図8(A)の中央部の矢印で示されているように、基板14の中心を回転中心として回転させ、同図において破線矢印で示されているように、基板14の一方表面側から周方向に所定角度をもって斜めに光を入射させる。入射した光は基板14の一方表面側に設けられたいずれかの微細構造領域18を通過し、反射膜16で反射した後、入射したときに通過した微細構造領域18の光学軸方向と同一の光学軸方向をもつ他の微細構造領域18を通過して出射する。
【0065】
例えば、
図8において(1)の破線矢印で示されるように、A方向の光学軸方向をもつ微細構造領域18に入射した光は、反射膜16で反射した後、必ずA方向の光学軸方向をもつ別の微細構造領域18を通過して出射し、(2)の破線矢印で示されるように、C方向の光学軸方向をもつ微細構造領域18に入射した光は、反射膜16で反射した後、必ずC方向の光学軸方向をもつ別の微細構造領域18を通過して出射する。
この実施例では、素子が回転することよって、入射光が微細構造領域18の設けられている領域全体を走査することになるため、微細構造領域18が設けられている領域全体が入射光通過領域でありかつ反射光通過領域である。
【0066】
図9の実施例の偏光解消素子は、基板14の中心を回転中心として回転させ、光を円形基板14の半径方向に傾斜させて入射させるように構成されている。基板14の一方表面側における内周側と外周側に、それぞれ周方向に配列された複数の微細構造領域18aと18bを備えており、内周側の微細構造領域18aから入射した光を、他方表面側に設けられた反射膜16で反射させて外周側の微細構造領域18bから出射させる。
【0067】
すなわち、内周側の微細構造領域18aが形成されている領域は入射光通過領域100をなし、外周側の微細構造領域18bが形成されている領域は反射光通過領域200をなす。なお、外周側の微細光領域18bから光を入射させて内周側の微細構造領域18aから光を出射させるようにしてもよい。その場合は、微細構造領域18aの形成されている領域が反射光通過領域200をなし、微細構造領域18bの形成されている領域が入射光通過領域100をなす。なお、この実施例では、微細構造領域18aと18bとが離間して設けられているが、連続していてもよい。
【0068】
この素子に入射した光が入射光通過領域100と出射光通過領域200において同一の光学軸方向をもつ微細構造領域18aと18bを通過するように、基板14の一方表面における同一半径上に同一の光学軸方向をもつ微細構造領域18aと18bがくるように設計されている。このように、半径方向に傾斜した光を入射させる場合には、同一半径上に同一の光学軸方向をもつ微細構造領域18aと18bがくるようにすればよいので、微細構造領域18a及び18bの設計が容易である。
【0069】
図10の実施例では、円形基板14の一方表面側(同図(B)において上側)の周縁部に、微細構造領域18が周方向に隣接して配列され、基板14の他方表面側(同図(B)において下側)と一方表面側に反射膜16a及び16bが設けられている。反射膜16aは基板14の他方表面全体を覆うように設けられ、反射膜16bは基板14の一方表面側の中央部に設けられている。反射膜16a及び16bは誘電体多層膜からなるものであってもよいし、アルミニウム等の金属膜からなるものであってもよい。
【0070】
この実施例の偏光解消素子は、基板14の一方表面側から基板14の半径方向にかつ基板14の中心部に向かう方向へ傾斜した光を入射させる。基板14の一方表面側から入射して微細構造領域18を通過した光は、反射膜16a及び16bによって3回反射し、基板14の一方表面において、中央部を挟んで入射位置とは反対側の位置から出射する。
【0071】
この素子に入射した光が入射時と出射時において同一の光学軸方向をもつ微細構造領域18を通過するように、基板14の中心を通る同一直線状に同一の光学軸方向をもつ微細構造領域18がくるように設計されている。この実施例の偏光解消素子も、
図8の実施例と同様に、素子が回転することよって、入射光が微細構造領域18の設けられている領域全体を走査することになるため、微細構造領域18が設けられている領域全体が入射光通過領域でありかつ反射光通過領域である。
【0072】
なお、ここでの説明は省略しているが、
図6や
図7の断面構造を円盤型の偏光解消素子に適用することもできる。
【0073】
次に、互いに隣り合う微細構造領域の間にブランク領域を設けた実施例について、
図11を用いて説明する。なお、ここでは、
図1の実施例の各微細構造領域4の間にブランク領域20を設けた場合についてのみ説明するが、ブランク領域を設ける構成は
図2−
図10の各実施例の構成に適用することができ、その効果として以下に説明する効果と同じ効果を得ることができる。
【0074】
図11に示されているように、この実施例の偏光解消素子は、基板2の一方表面側の互いに隣り合う微細構造領域4の間にブランク領域20が設けられている。ブランク領域20とは、光に位相差を生じさせるサブ波長構造を有しない領域である。そして、微細構造領域4とブランク領域20は、入射光が反射膜6で反射する前後において同一の光学軸方向をもつ微細構造領域4を通過するように配列されているだけでなく、ブランク領域20を通過して入射した光は出射時もブランク領域20を通過するように設計されている。
【0075】
互いに隣り合う微細構造領域4の間にブランク領域20が設けられていることにより、光の散乱や回折を生じる微細構造領域4の境界部分が存在せず、その部分での光透過率が向上する。これにより、素子の光利用効率が向上する。また、入射光と同じ光学軸方向をもつ微細構造、すなわち出射光の光学軸方向が入射光と同じ光学軸方向であるような微細構造は、入射光の光学軸方向を変更するものではないため実質的に光学的な機能を有さず、微細構造が設けられていないのと同じであるから、光の光学軸方向を変更するような微細構造をもたないブランク領域を設ければ、その文楽領域において入射光の光学軸方向を変更することなく、入射光と同じ光学軸方向の光を出射させることができるため、入射光と同じ光学軸方向をもつ微細構造領域を設ける必要がない。ブランク領域は入射光の光学軸方向と同じ特定の光学軸方向をもつ微細構造を有する領域としての機能を有するため、入射光の光学軸方向と同じ特定の光学軸方向をもつ領域を設ける必要がなくなり、他の光学軸方向をもつ微細構造領域を設けるスペースを確保することができる。これにより、光の光学軸方向を時間分割するための微細構造のパターン数を増加させることができ、スペックルの解消効果を向上させることができる。
【0076】
ブランク領域20の断面構造としては、
図12に示されているように、微細構造領域4の微細構造の凸面と同じ高さを有するものであってもよいし、
図13に示されているように、微細構造領域4の凹部と同じ高さを有するものであってもよい。
図12の構造は、例えば、石英材料等からなる基板2における微細構造の凸部及びブランク領域20となる部分にCr膜を配置し、Cr膜をマスクとして基板2の面に垂直な方向にドライエッチングを行なうことで得られる。
図13の構造は、基板2における微細構造の凸部となる部分にのみCr膜を配置し、Cr膜をマスクとして基板2の面に垂直な方向にドライエッチングを行なうことで得られる。
【0077】
さらに、
図14に示されているように、ブランク領域20の表面に反射防止膜22を形成することができる。これにより、ブランク領域20の光透過率をさらに向上させることができ、この偏光解消素子の光利用効率を向上させることができる。
図14では微細構造の凸部と同じ高さを有する
図12のブランク領域20に反射防止膜22を設けているが、微細構造の凹部と同じ高さを有する
図13のブランク領域20にも反射防止膜を設けることができる。
【0078】
図14の構造は、微細構造領域4の微細構造を形成するための加工を行なう前に、基板2の一方表面全体に反射防止膜22を形成しておき、その後、反射防止膜22上における微細構造の凸部及びブランク領域20となる部分にCr膜を配置し、Cr膜をマスクとして基板2の面に垂直な方向にドライエッチングを行なうことで実現することができる。また、
図13のブランク領域に反射防止膜22を設けた構造は、微細構造及びブランク領域20を形成した後、反射防止膜を斜め蒸着(入射角度20°程度)することにより実現することができる。
【0079】
このほか、
図12の構造におけるブランク領域20の上面に、微細な反射防止構造を設けることもできる。ブランク領域20に反射防止構造を設けた構造は、基板2に微細構造領域4の微細構造を形成する前に、基板2の一方表面全体に反射防止機能をもつ微細構造を形成し、その後、上記と同様の方法で微細構造領域4の微細構造を形成する加工を実行する。反射防止機能をもつ微細構造はサブ波長構造の凹凸構造に比べて極めて微細であるため、サブ波長構造を形成するための加工に影響しない。