【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。尚、本項において括弧内に記載した図面内参照符号などは理解を容易化するための一例である。
【0011】
〔1〕<ガードリング内の最上層配線を外のテスト用引き出し配線からガードリングで分断>
半導体集積回路チップ(1)は、半導体基板(10)と、前記半導体基板の上方に形成され、上下に複数層配線構造を有する半導体回路(11)と、前記半導体基板の上方に形成され、前記半導体回路を囲む金属製のガードリング(14)と、前記半導体回路が有する前記複数層配線構造の所定の配線(15)に接続されて表面に露出された複数の外部接続端子(17_1〜17_n)と、を有する。前記複数の外部接続端子の内の所定の外部接端子(17_1)は、前記ガードリングの内側で導電性のビア(18)を介して前記所定の配線に導通され、前記ガードリングの外側で導電性のビア(19)を介して導電性切片(6)に導通される。前記導電性切片はテスト用引き出し配線(6)の切片であって、ダイシングによってその切断面が露出されている配線である。
【0012】
これによれば、ガードリングを跨いだ外部接続端子の一方に導電性切片が接続され他方にガードリング内の配線が接続されるから、ガードリングに途中で切り欠きを形成することを要しない。したがって、半導体回路の内部に至る導電性切片をダイシング端面等から露出させてもガードリングによる防湿性能を劣化させることがない。導電性切片はダイシング前にウェーハ状態で複数の半導体回路の一括検査に利用されたものである。
【0013】
〔2〕<貴金属配線材料からなる外部接端子、アルミニウム配線材料から成る導電性切片>
項1において、前記外部接続端子は貴金属配線材料から成り、前記導電性切片及び前記ガードリングはアルミニウム配線材料から成る。
【0014】
これによれば、ガードリングの外側に位置する導伝性切片及びビアに汚染が進行したとしても貴金属配線材料からなる外部接続端子はその影響を受けず、防湿性能は万全である。
【0015】
〔3〕<切片はガードリングの外側から内側に凹陥した凹陥部に入り込む>
項2において、前記切片はガードリングの外側から内側に向って凹陥した凹陥部に入り込んで外部接続端子に上下方向に重なる位置で導電性のビアを介して外部接続端子に接続する。
【0016】
これによれば、平面視で外部接続端子をガードリングの外側に拡大することを要しない。
【0017】
〔4〕<導電切片はダイシング領域のテストパッドから延在されていた配線の一部>
項2において、前記導電性切片はダイシングされたダイシング領域に形成されていたテストパッド(4)から延在されていた配線である。
【0018】
これによれば、テストパッドに接続されていた導電性切片はダイシング前にウェーハ状態で半導体回路の一括検査を可能とした。
【0019】
〔5〕<半導体回路を囲む閉路配線同士を隣接配線層間で周回導電ビアにより接続するガードリング>
項2において、前記ガードリングは、前記複数層配線構造の各配線層に前記半導体回路の外側を周回するようの夫々上下方向に重ねて配置された閉路を形成する閉路配線(12_1〜12_6)と、上下方向に隣接する配線層の前記閉路配線同士をその上下方向に接続する導電性の周回ビア(13_1〜13_5)とから成る。
【0020】
これによれば、各配線相の閉路配線及び周回ビアによって半導体基板上にガードリングを壁状に形成することができる。
【0021】
〔6〕<ガードリング内の最上層配線を外のテスト用引き出し配線からガードリングで分断>
半導体集積回路ウェーハ(9)は、半導体ウェーハ(7)上に複数のチップ形成領域(1w)が離間して配置され、前記チップ形成領域の間はダイシング領域(8)とされる。夫々の前記チップ形成領域は、前記半導体ウェーハの上方に形成され、上下に複数層配線構造を有する半導体回路(11)と、前記半導体ウェーハの上方に形成され、前記半導体回路を囲む金属製のガードリング(14)と、前記半導体回路が有する前記複数層配線構造の所定の配線(15)に接続されて表面に露出された複数の外部接続端子(17_1〜17_n)と、を有する。前記ダイシング領域は、複数のテストパッド(4)を有する。夫々のチップ形成領域において前記複数の外部接続端子の内の同一機能を有する所定の複数の外部接端子(17_1)は、前記ガードリングの内側で導電性のビア(18)を介して前記所定の配線に導通され、前記ガードリングの外側で導電性のビア(19)を介して前記テストパッドから引き出されたテスト用引き出し配線(6)に接続される。
【0022】
これによれば、ガードリングを跨いだ外部接続端子の一方に導電性切片が接続され他方にガードリング内の配線が接続されるから、ガードリングに途中で切り欠きを形成することを要しない。したがって、ウェーハ状態での検査後ダイシングによってテスト用引き出し配線の切断面が露出されても、ガードリングによる防湿性能を劣化させることはない。
【0023】
〔7〕<貴金属配線材料からなる外部接端子、アルミニウム配線材料から成る導電性切片>
項6において、前記外部接続端子は貴金属配線材料から成り、前記導電性切片及び前記ガードリングはアルミニウム配線材料から成る。
【0024】
これによれば、ガードリングの外側に位置する導伝性切片及びビアに汚染が進行したとしても貴金属配線材料からなる外部接続端子はその影響を受けず、防湿性能は万全である。
【0025】
〔8〕<並列された複数のチップ形成領域に一つのテストパッドから共通に信号等を供給>
項7において、前記同一機能を有する所定の複数の外部接端子は当該チップ形成領域において導通される(Lvdd,Lvss)。前記半導体ウェーハ上に前記ダイシング領域を挟んで一方向に配列された3個以上の前記チップ形成領域が配置され、前記ダイシング領域に形成されている前記テスト用パッドから両側のチップ形成領域に向けてテスト引き出し配線が引き出され、引き出された前記テスト用配線はその両側のチップ形成領域の夫々に形成されている相互に同一機能を有する前記所定の外部接続端子に接続されている。
【0026】
これによれば、前記同一機能を有する所定の複数の外部接端子は当該チップ形成領域において導通されているから、ダイシング領域内に配置するテスト配線の本数と長さの縮小に資することができる。更に、ダイシング領域を挟んで並列された複数のチップ形成領域の所定の外部接続端子には一つのテストパッドから共通に信号又は電源を供給することができるので、ダイシング前にウェーハ状態でテストパッドに押し当てるテストプローブの端子数を削減することができ、或いは1個のチップ形成領域における外部端子数の増大に対してテストプローブの端子数の増大を抑えることができる。
【0027】
〔9〕<電源又はグランドに割り当てられる所定の外部接続端子>
項8において、前記所定の外部接続端子は電源端子又はグランド端子である。
【0028】
これによれば、電源又はグランドの供給について項8の作用効果を得る。
【0029】
〔10〕<切片はガードリングの外側から内側に凹陥した凹陥部に入り込む>
項7において、前記テスト用引き出し配線はガードリングの外側から内側に向って凹陥した凹陥部に入り込んで外部接続端子に上下方向に重なる位置で導電性のビアを介して外部接続端子に接続する。
【0030】
これによれば、平面視で外部接続端子をガードリングの外側に拡大することを要しない。
【0031】
〔11〕<半導体回路を囲む閉路配線同士を隣接配線層間で周回導電ビアにより接続するガードリング>
項7において、前記ガードリングは、前記複数層配線構造の各配線層に前記半導体回路の外側を周回するようの夫々上下方向に重ねて配置された閉路を形成する閉路配線(12_1〜12_6)と、上下方向に隣接する配線層の前記閉路配線同士をその上下方向に接続する導電性の周回ビア(13_1〜13_5)とから成る。
【0032】
これによれば、各配線相の閉路配線及び周回ビアによって半導体基板上にガードリングを壁状に形成することができる。