特許第6706543号(P6706543)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6706543
(24)【登録日】2020年5月20日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】成型体処理装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 17/46 20060101AFI20200601BHJP
   B05C 13/00 20060101ALI20200601BHJP
   B05C 9/14 20060101ALI20200601BHJP
   B65G 17/06 20060101ALI20200601BHJP
   B65G 17/48 20060101ALI20200601BHJP
   F16G 13/06 20060101ALI20200601BHJP
【FI】
   B65G17/46 Z
   B05C13/00
   B05C9/14
   B65G17/06 Z
   B65G17/48 Z
   B65G17/48 E
   F16G13/06 Z
   F16G13/06 A
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-100126(P2016-100126)
(22)【出願日】2016年5月19日
(65)【公開番号】特開2016-216262(P2016-216262A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2019年2月20日
(31)【優先権主張番号】15169017.9
(32)【優先日】2015年5月22日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516148380
【氏名又は名称】イーエイチエイ・コンポジット・マシーナリー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】マイク・ノイベルト
【審査官】 土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−057570(JP,A)
【文献】 特開2005−350206(JP,A)
【文献】 特開2012−148826(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 17/00 − 17/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動装置(2)を用いて成型体(1)が処理のために導入される少なくとも1つの処理ステーションを備えた成型体処理装置であって、前記駆動装置(2)が、前記成型体の搬送方向へ延在する少なくともつのドライブトレーン(3,4)を備えており、該ドライブトレーン(3,4)が前記成型体(1)の搬送方向へ移動可能であり、
前記成型体(1)の対向する端部に固定可能なあるいは固定された少なくとも2つの固定ピン(5,6)が設けられており、少なくとも2つの前記固定ピン(5,6)がそれぞれ1つの前記ドライブトレーン(3,4)に連結されており、その結果、割り当てられた前記成型体(1)が可動の前記ドライブトレーン(3,4)を用いて搬送方向へ移動可能であり、
少なくとも1つの第1のドライブトレーン(3)が前記搬送方向に対して横方向へ延在する複数の連結要素(7)を備えており、前記第1のドライブトレーン(3)に割り当てられた第1の固定ピン(5)が該第1のドライブトレーン(3)の少なくとも1つの連結要素(7)に連結されているか、あるいは連結可能であり、該連結要素(7)の少なくとも一部の連結要素(7)の長さLが、
−前記第1の固定ピン(5)のピン部分の長さlの少なくとも30%に相当し、該ピン部分が、前記成型体(1)あるいは前記第1のドライブトレーン(3)に対向する前記成型体(1)の端部と前記第1のドライブトレーン(3)の間で延在し、
及び/又は
−前記成型体(1)の長さlの少なくとも10%に相当し、
及び/又は
−少なくとも30m
あることを特徴とする成型体処理装置。
【請求項2】
少なくとも1つの前記処理ステーションが、前記成型体(1)が熱処理のために導入される処理チャンバあるいは熱処理チャンバ(9)として形成されており、前記処理チャンバ(9)が成型体(1)あるいは成型体(1)の表面の硬化のための熱硬化チャンバとして形成されていることを特徴とする請求項1記載の成型体処理装置。
【請求項3】
前記成型体(1)をその長手軸線周りに回転させるための少なくとも1つの回転装置(10)が設けられており、少なくとも1つの固定ピン(5,6)が少なくとも1つのピボット軸受(11)において支持されており、少なくとも1つの固定ピンあるいは第1の固定ピン(5)が少なくとも1つのピボット軸受(11)を介して前記第1のドライブトレーン(3)の少なくとも1つの連結要素(7)に連結されていることを特徴とする請求項1又は2記載の成型体処理装置。
【請求項4】
前記回転装置(10)が搬送方向へ延在する回転ストランド(12)の形態で形成されており、1つの固定ピン(5,6)が前記成型体(1)の回転のために前記回転ストランド(12)と相互作用し、該回転ストランド(12)が回転チェーン及び/又は回転ラックとして構成されており、前記固定ピン(5,6)が、該固定ピン(5,6)に固定された少なくとも1つのスプロケット(13)で前記回転ストランド(12)に噛合していることを特徴とする請求項3記載の成型体処理装置。
【請求項5】
搬送されるべき前記成型体(1)の両端部あるいは両端面部のそれぞれに少なくとも1つあるいは1つのドライブトレーン(3,4)が割り当てられており、前記成型体(1)の前記第1の固定ピン(5)が前記第1のドライブトレーン(3)の少なくとも1つの前記連結要素(7)に連結されており、前記第2の固定ピン(6)が前記第2のドライブトレーン(4)に連結されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の成型体処理装置。
【請求項6】
前記第1の固定ピン(5)が少なくとも1つの連結体(14)を介して少なくとも1つの連結要素(7)に連結されており、前記連結体(14)が少なくとも1つの前記連結要素(7)上に載置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の成型体処理装置。
【請求項7】
前記連結体(14)がディスク状あるいはプレート状の連結体(14)として形成されていることを特徴とする請求項6記載の成型体処理装置。
【請求項8】
前記連結体(14)の、搬送方向に対して横方向あるいは前記連結要素(7)の長手方向における厚さdが前記連結要素(7)の長さLの最大で25%であることを特徴とする請求項6又は7記載の成型体処理装置。
【請求項9】
前記成型体(1)の前記第2の固定ピン(6)が、少なくとも1つのピボット軸受(11)を用いて前記第2のドライブトレーン(4)に固定された少なくとも1つのあるいは1つの収容要素(15)内あるいは該収容要素上に収容されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の成型体処理装置。
【請求項10】
なくとも2つのドライブトレーン(3,4)が、駆動チェーンとして形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の成型体処理装置。
【請求項11】
前記連結要素(7)により前記第1のドライブトレーン(3)が1つの又は前記第2のドライブトレーン(4)に結合されており、前記連結要素(7)が連結ロッドとして形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の成型体処理装置。
【請求項12】
前記第1のドライブトレーン(3)に加えて前記成型体(1)の片側に1つの別の、あるいは第3のドライブトレーン(16)が配置され、かつ、搬送方向へ延在しており、前記第1のドライブトレーン(3)及び前記別のあるいは第3のドライブトレーン(16)が前記連結要素(7)によって互いに結合されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の成型体処理装置。
【請求項13】
前記第1のドライブトレーン(3)が、搬送方向へ延在する少なくとも2つの部分ドライブトレーン(17,18)を備えており、前記両ドライブトレーン(17,18)が前記連結要素(7)を介して互いに結合されているか、あるいは互いに固定されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の成型体処理装置。
【請求項14】
前記固定ピン(5,6)が、相対回転不能に前記成型体(1)に固定されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の成型体処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置を用いて成型体が処理のために導入される少なくとも1つの処理ステーションを備えた成型体処理装置であって、駆動装置が、成型体の搬送方向へ延在する少なくとも1つのドライブトレーンを備えており、該ドライブトレーン−好ましくは少なくとも2つのドライブトレーン−が成型体の搬送方向へ移動可能であるものに関するものである。成型体は、本発明の範囲において、特に通常は搬送方向に対して横方向の延長部が搬送方向における延長部よりも大きな膨大な成型品を意味する。しかし、成型体の延長部は、基本的に搬送方向へ、及び搬送方向に対して横方向へ同一であってもよく、又は搬送方向における大きさが搬送方向に対して横方向における大きさよりも大きくてもよい。成型体は、例えば、容器、チューブ又はこれに類するものである。処理とは、本発明の範囲では特に成型体の表面の処理と、とりわけこの表面の熱処理及びコーティング、例えば成型体表面の塗装を意味する。
【背景技術】
【0002】
上述の種類の成型体処理装置は、現場において基本的に知られている。これら公知の装置においては、通常、駆動チェーンあるいは搬送チェーンの形態の、搬送方向へ延在する2つのドライブトレーンが設けられている。成型体の対向する端部には、ここでもそれぞれ収容トレイの形態の収容要素を介して駆動チェーンに連結された固定ピンが連結されている。成型体は特に本質的に円筒状の巻き型であり、この巻き型は、その表面において巻き付けられ、液状の熱硬化性樹脂が含浸された繊維ストランドを備えている。処理ステーションは、処理炉の硬化チャンバとして、及び/又はコーティングステーション、例えば塗装ステーションとして形成されている。成型体は、液状の合成樹脂の硬化のために駆動チェーンを用いて、処理炉を通って、及び/又は場合によっては既に硬化された合成樹脂のコーティングのためのコーティングステーションを通って案内される。成型体の固定ピンは、それぞれピボット軸受を介して駆動チェーンの収容トレイに連結されており、その結果、成型体の回転が可能である。収容トレイは、駆動チェーンあるいは搬送チェーンに固定されている。この公知の成型体処理装置においては、両駆動チェーンが互いにあらかじめ設定された間隔を有している。異なる長さを有する成型体を装置によって処理することができるように、異なる長さの固定ピンを用いる必要がある。これは、多数の異なる固定ピンを準備する必要があるという欠点を有している。さらに、安定性の理由から、適宜の長さの固定ピンを使用することができない。これら公知の手段は、手間あるいは時間がかかり、高価である。
【0003】
装置を異なる長さの成型体へ適合するために、駆動チェーンあるいは搬送チェーンを幅において搬送方向に対して横方向に変位させることも既に知れられている。これは、手間のかかる調整を必要とする。加えて、装置が駆動チェーンの幅調整によって成型体の他の長さへ調整可能である前に、成型体の一群を常に処理装置を通して案内する必要がある。したがって、公知の手段は、改善の必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第2803332号明細書
【特許文献2】オランダ国特許出願公開第6716975号明細書
【特許文献3】米国特許第2997739号明細書
【特許文献4】米国特許第2616549号明細書
【特許文献5】米国特許第2663281号明細書
【特許文献6】米国特許第3192646号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに対応して、本発明は、異なる長さの成型体を搬送し、処理することを許容し、それにもかかわらず簡易さ及びわずかな手間あるいはわずかなコストによって傑出した、冒頭に挙げた種類の処理装置を提供するという技術的な問題に基づくものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的問題を解決するため、本発明は、駆動装置を用いて成型体が処理のために導入される少なくとも1つの処理ステーションを備えた成型体処理装置であって、駆動装置が、成型体の搬送方向へ延在する少なくとも1つのドライブトレーンを備えており、該ドライブトレーン−好ましくは少なくとも2つのドライブトレーン−が成型体の搬送方向へ移動可能であり、
成型体の対向する端部に固定可能なあるいは固定された少なくとも2つの固定ピンが設けられており、少なくとも1つの固定ピンが1つのドライブトレーンに連結されており−好ましくは2つの前記固定ピンがそれぞれ1つのドライブトレーンに連結されており−、その結果、割り当てられた成型体が可動の1つ又は複数のドライブトレーンを用いて搬送方向へ移動可能であり、
少なくとも1つの第1のドライブトレーンが搬送方向に対して横方向へ延在する複数の連結要素を備えており、第1のドライブトレーンに割り当てられた第1の固定ピンが該第1のドライブトレーンの少なくとも1つの連結要素に連結されているか、あるいは連結可能であり、該連結要素の少なくともいくつかの、好ましくは全ての連結要素の長さLが、
−第1の固定ピンのピン部分の長さlの少なくとも30%に相当し、該ピン部分が、成型体あるいは第1のドライブトレーンに対向する成型体の端部と第1のドライブトレーンの間で延在し、
及び/又は
−成型体の長さlの少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%に相当し、
及び/又は
−少なくとも30mm、好ましくは少なくとも35mm
である。
【0007】
一実施形態によれば、成型体は、搬送方向における長さよりも搬送方向に対して横方向の長さが長い。しかし、成型体の大きさは、搬送方向において、及び搬送方向に対して横方向において同一であるか、又は搬送方向における大きさが搬送方向に対して横方向における大きさよりも大きくてもよい。さらに、本発明の範囲では、成型体の長手軸線が本発明による装置を通るその搬送時に搬送方向に対して横方向あるいは垂直に延在している。合目的には、成型体は円筒状あるいは本質的に円筒状に形成されているか、又は少なくともその長手軸線に関して少なくとも中央の範囲において円筒状あるいは本質的に円筒状に形成されている。好ましくは、成型体は、断面において丸みをもって、あるいは円形状に、又は長円状あるいはだ円状に形成されている。基本的に、成型体あるいは膨大な成型体も、他の幾何形状を備えることが可能である。本発明の範囲では、それぞれ1つの固定ピンがその長手軸線について成型体の対向する端部に固定されている。合目的には、成型体は、固定ピンに割り当てられたその端部あるいは端面において丸められているか、あるいはドーム状に形成されている。成型体は、ボトル若しくはこれに類するもののような容器又はチューブ若しくはこれに類する中空体であり得る。
【0008】
推薦すべきは、ドライブトレーンが線形あるいは本質的に線形に搬送方向に延在するドライブトレーンとして形成されている。合目的には、ドライブトレーンは互いに平行あるいは本質的に平行に配置されている。
【0009】
本発明の範囲では、少なくとも1つのドライブトレーン又は少なくとも2つの、あるいは2つの同期して可動なドライブトレーンの連結要素が搬送方向へ移動する。合目的には、連結要素は、線形の連結要素であり、これら線形の連結要素は、搬送方向に対して横方向に延在しているとともに、好ましくは搬送方向に対して垂直に、あるいは第1のドライブトレーンに対して垂直に延在している。合目的には、連結要素は、搬送方向に互いに間隔をもって分配して配置されている。さらに、本発明の範囲では、長さL、l及びlは、搬送方向に対して横方向へあるいは垂直にあるいは成型体の長手軸線の方向へ測定される。
【0010】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、処理ステーションは、成型体が熱処理のために導入される処理チャンバあるいは熱処理チャンバとして形成されている。特に推奨される実施形態によれば、処理チャンバが好ましくは成型体あるいは成型体表面の硬化のための熱硬化チャンバとして形成されている。さらに、本発明の範囲では、成型体が、熱処理チャンバにおいて加熱された温度で処理され、その結果、特に成型体の表面あるいは表面範囲が硬化され得る。合目的には、熱処理チャンバは、連続炉の構成部分である。本発明の一実施形態によれば、処理ステーションは、少なくとも1つのコーティングステーション、例えば塗装ステーションも備えることができるか、あるいはコーティングステーションとして、例えば塗装ステーションとして形成されることが可能である。コーティングステーションあるいは塗装ステーションを、処理炉に統合するか、あるいは処理炉に後続配置されることが可能である。本発明の範囲では、成型体を、駆動装置を用いて、コーティングステーション、例えば塗装ステーションを通って案内することができる。
【0011】
特に確かな実施形態は、成型体が巻き型であり、この巻き型が少なくとも成型体表面で巻き付けられ、液状の媒体で含浸された繊維あるいは繊維ストランド、特に液状の熱硬化性樹脂で含浸された繊維あるいは繊維ストランドを備えていることを特徴としている。本発明の範囲では、処理ステーション内あるいは熱処理チャンバ内で液状の媒体あるいは液状の熱硬化性樹脂の硬化が行われる。巻き付けられた繊維あるいは繊維ストランドは、好ましくは炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維及び/又は合成樹脂繊維である。基本的に、他の種類の繊維も用いることが可能である。一実施形態によれば、含浸された繊維あるいは含浸された繊維ストランドは、合成樹脂及び/又は金属から成る型キャリア上に巻き付けられる。
【0012】
本発明の範囲では、成型体をその長手軸線周りに回転させるための回転装置が設けられており、少なくとも1つの固定ピン−好ましくは少なくとも2つの固定ピンあるいは両固定ピン−が少なくとも1つのピボット軸受を介して支持されており、少なくとも1つの固定ピンあるいは少なくとも1つの第1の固定ピンが少なくとも1つのピボット軸受を介して第1のドライブトレーンの少なくとも1つの連結要素に連結されている。ピボット軸受により、固定ピン及びこの固定ピンに連結された成型体の回転あるいは旋回が可能となる。合目的には、固定ピンは、ピボット軸受を介してドライブトレーン−好ましくは第2のドライブトレーン及び推薦されるべきは以下に述べる収容要素を介してこのドライブトレーンに連結されている。好ましくは、他の固定ピンあるいは第1の固定ピンがピボット軸受を介して−合目的には他の更に以下に述べる連結体を用いて−第1のドライブトレーンの少なくとも1つの連結要素に連結されている。推薦すべく設定された成型体の回転は、特に成型体表面に設けられた液状の媒体あるいはそこに設けられた液状の合成樹脂の滴下の防止及び均等な分配に寄与する。
【0013】
本発明の確かな実施形態によれば、回転装置が搬送方向へ延在する回転ストランドの形態で形成されており、1つの固定ピンが成型体の回転のために回転ストランドと相互作用する。好ましくは、この回転ストランドが回転チェーン及び/又は回転ラックとして構成されており、回転装置に割り当てられた固定ピンが、この固定ピンに固定された少なくとも1つのスプロケットで回転ストランドに噛合している。推薦すべきは、回転ストランドが固定して配置されている。基本的には、回転ストランドは搬送方向とは逆に、あるいは搬送方向へ可動であってもよい。
【0014】
本発明の範囲では、搬送されるべき成型体の両端部あるいは両端面部のそれぞれに少なくとも1つあるいは1つのドライブトレーンが割り当てられている。さらに、本発明の範囲では、成型体の第1の固定ピンが−成型体の長さlにかかわらず−第1のドライブトレーンの少なくとも1つの連結要素に連結されており、第2の固定ピンが前記第2のドライブトレーンあるいは1つの第2のドライブトレーンに連結されている。
【0015】
本発明の好ましい実施形態は、第1の固定ピンが少なくとも1つの連結体を介して少なくとも1つの連結要素−好ましくは少なくとも2つの連結要素−に連結されている。このとき、合目的には、連結体は第1の固定ピンのための少なくとも1つのピボット軸受を備えており、その結果、固定ピンあるいは成型体の回転が保証されている。推薦されるべきは、連結体が少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つのありは2つの連結要素上にのみ載置されている。一実施形態は、連結体が第1の固定ピンの長手方向に変位可能であるとともに、好ましくは固定ピンに沿って異なるように配置された位置に固定可能であることで傑出している。ここに記載された本発明による装置の連結側は、いわばフローティング軸受側であり、その一方、成型体の反対側は、固定軸受側として形成されている。固定軸受側には、好ましくは更に以下に述べる第2の固定ピンのピボット軸受のための収容要素が第2のドライブトレーンに固定されている(固定軸受)。
【0016】
本発明の範囲では、連結要素が線形に及び搬送方向に対して横方向へ延在する連結要素として形成されている。好ましくは、連結要素は、連結ロッドあるいは推奨されるべきは搬送方向に対して横方向へ、好ましくは搬送方向に対して垂直に延在する連結ロッドとして構成されている。さらに、本発明の範囲では、連結要素あるいは連結ロッドは、搬送方向において互いに間隔をもって配置されているとともに、好ましくは互いに平行あるいは本質的に平行に配向されている。連結要素あるいは連結ロッドの反対側の間隔が、第1の固定ピンに設けられた連結体が少なくとも2つの、あるいは2つの連結要素あるいは連結ロッドに載置されるように設けられることが推薦される。
【0017】
基本的には、成型体あるいは連結体は、1つのみの連結要素あるいは連結ロッド上に載置されることも可能である。このとき、連結要素あるいは連結ロッドは、例えば上側に開かれたU字状の連結ロッドとして形成されることができる。好ましくは、連結体は連結要素あるいは連結ロッド上に載置され、連結要素への連結体の固定のための別の固定手段は設けられていない。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、連結要素に対して横方向における連結体の大きさは、連結要素あるいは連結ロッドの長手方向における連結体の大きさよりも大きいか、あるいは大幅に大きい。合目的には、連結要素あるいは連結ロッドにおける横方向のこの大きさは、連結要素あるいは連結ロッドの長手方向における連結体の大きさよりも少なくとも2倍、好ましくは少なくとも3倍、好ましくは少なくとも4倍大きい。本発明の特に推薦される実施形態は、連結体がディスク状あるいはプレート状の連結体として形成されていることを特徴とする。このとき、ディスク状あるいはプレート状の連結体の大きさは、連結要素あるいは連結ロッドに対して横方向に、好ましくは連結体が1つの連結要素又は好ましくは2つの連結要素あるいは連結ロッド上に載置されるように採寸されている。このとき、連結体の載置は、合目的にはディスク縁部あるいはプレート縁部において連結要素あるいは連結ロッド上でなされる。一実施形態によれば、ディスク状あるいはプレート状の連結体が平面視で丸めて、好ましくは円形状又はだ円状に形成されている。基本的には、連結体の他の形成も可能である。合目的には、ディスク状あるいはプレート状が丸められて形成されている場合には、連結体の一部が2つの連結要素あるいは連結ロッドの間で、あるいは下方へ突出している。さらに、本発明の範囲では、第1の固定ピンのためのピボット軸受がディスク状の連結体あるいはプレート状の連結体の中心あるいはほぼ中心に配置されており、その結果、第1の固定ピンがディスク状の連結体あるいはプレート状の連結体の中心あるいはほぼ中心を通って貫通している。
【0019】
好ましくは、連結体の、搬送方向に対して横方向あるいは連結要素の長手方向における厚さdが連結要素あるいは連結ロッドの長さLの最大で25%、好ましくは最大で20%、好ましくは最大で15%、特に好ましくは最大で10%である。
【0020】
本発明の範囲では、成型体の第2の固定ピンが、好ましくは少なくとも1つのピボット軸受を用いて第2のドライブトレーンに固定された少なくとも1つのあるいは1つの収容要素内あるいは該収容要素上に収容されている。このとき、第2の固定ピンは、好ましくは少なくとも1つのピボット軸受を介して収容要素に、あるいは収容要素内に収容されている。合目的には、複数の収容要素が第2のドライブトレーンに沿って配置されているとともに、好ましくはそれぞれ第2のドライブトレーンに固定されている。したがって、重要要素は、本発明の推薦されるべき実施形態により、第2のドライブトレーンに固定して配置されている(固定軸受)。特に推薦されるべき実施形態は、収容要素が収容トレイとして形成されているとともに、第2の固定ピンを収容するピボット軸受がこのような収容トレイ内に収容されている。
【0021】
本発明の範囲では、本発明による装置の少なくとも1つのドライブトレーンが循環状の無端のドライブトレーンとして構成されているとともに、特に好ましくは全てのドライブトレーンが循環状の無端のドライブトレーンとして形成されている。推薦されるべき実施形態によれば、装置の少なくとも1つのドライブトレーン及び好ましくは少なくとも2つのドライブトレーンが駆動チェーンとして形成されている。このとき、このような駆動チェーンは、合目的には循環状の無端チェーンとして構成されている。本発明の範囲では、駆動チェーンは、チェーンピンあるいはチェーンローラを介して互いに結合されたチェーンリンクあるいはチェーンサイドバーを備えている。合目的には、駆動チェーンはそれぞれ少なくとも1つのスプロケット又はこれに類するものを用いて駆動される。
【0022】
本発明の好ましい第1の実施形態によれば、連結要素は、成型体の片側に配置された第1のドライブトレーン−好ましくは第1の駆動チェーン−を成型体の他方側に配置された第2のドライブトレーン−好ましくは第2の駆動チェーンに結合させるものである。このとき、連結要素は、好ましくは連結ロッドとして形成されている。したがって、本発明のこの第1の実施形態においては、連結要素が成型体の全長にわたって延在している。連結要素あるいは連結ロッドは、搬送方向において互いに間隔をもって配置されることが推薦される。合目的には、連結要素あるいは連結ロッドによって結合された両ドライブトレーンは、互いに平行に、あるいは互いにほぼ平行に配置されている。推薦されるべき実施形態によれば、この実施形態の連結要素あるいは連結ロッドは、両駆動チェーンを互いに結合する、駆動チェーンの延長されたチェーンピンあるいはチェーンローラとして形成されている。合目的には、連結要素あるいは連結ロッドは、これに連結され、同期して移動するドライブトレーンあるいは駆動チェーンによって搬送方向へ移動する。本発明の第1の実施形態では、連結要素−好ましくは全ての連結要素−の少なくとも一部の長さLが成型体と第1のドライブトレーンの間の第1の固定ピンのピン部分の長さlよりも大きい。好ましくは、連結要素あるいは連結ロッドのこの長さLは、成型体と第1のドライブトレーンの間の第1の固定ピンのピン部分の長さlの少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2倍、特に好ましくは少なくとも2.5倍である。さらに、本発明のこの第1の実施形態においては、推薦すべきは、連結要素あるいは連結ロッドの長さLは、成型体の長さlよりも大きく、好ましくは成型体の長さlの少なくとも1.2倍、好ましくは少なくとも1.3倍、特に好ましくは少なくとも1.5倍である。さらに、本発明のこの第1の実施形態においては、連結要素あるいは連結ロッドの長さLが少なくとも150mm、好ましくは少なくとも200mm、特に好ましくは250mmである。本発明の特別な実施形態は、連結要素あるいは連結ロッドの長さLが150〜1000mm、推薦されるべきは150〜750mm、非常に好ましくは150〜500mmであることで傑出している。
【0023】
本発明の第2の実施形態は、第1のドライブトレーンに加えて−好ましくは第1の駆動チェーンに加えて−成型体の片側に1つの別の、あるいは第3のドライブトレーン−好ましくは1つの別の、あるいは第3の駆動チェーン−が配置され、かつ、搬送方向へ延在していることを特徴としている。このとき、本発明の範囲では、第1のドライブトレーン及び別のあるいは第3のドライブトレーンが−好ましくは複数の連結ロッドの形態の−連結要素によって互いに結合されている。さらに、本発明の範囲では、第1のドライブトレーン及び別のあるいは第3のドライブトレーンが互いに平行に、あるいは互いにほぼ平行に配置されている。本発明の一実施形態によれば、両ドライブトレーンが駆動チェーンとして形成されているとともに、推薦されるべきはこれら両駆動チェーンがそのいわば延長されたチェーンピンあるいはチェーンローラによって互いに結合されている。原則的には、第1のドライブトレーン及び第3のドライブトレーンからなるユニットが第2のドライブトレーンと同じ高さに配置されることが可能である。本発明の一実施形態によれば、このユニットは、第2のドライブトレーンに関して異なる高さあるいは異なる垂直方向の高さに配置されることも可能である。本発明の範囲では、この第2の実施形態において、第1及び第3のドライブトレーンを互いに結合する連結要素あるいは連結ロッドの長さLが、成型体と第1のドライブトレーンの間に配置された第1の固定ピンのピン部分の長さlよりも短い。このとき、このピン部分の長さlは、成型体あるいは成型体の端部と外側のドライブトレーンとして構成された第1のドライブトレーンの間で測定される。合目的には、長さLは、上記ピン部分の長さlの少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、一実施形態によれば少なくとも50%である。
【0024】
本発明の第3の好ましい実施形態は、第1のドライブトレーン−好ましくは第1の駆動チェーン−が、搬送方向へ延在する少なくとも2つのあるいは2つの部分ドライブトレーン−好ましくは部分駆動チェーン−を備えており、両ドライブトレーンが−好ましくは複数の連結ロッドの形態の−連結要素を介して互いに結合されているか、あるいは互いに固定されていることを特徴としている。このとき、本発明の範囲では、部分ドライブトレーンあるいは部分駆動チェーンが、連続して配置された、駆動チェーンの片側のチェーンリンクあるいはチェーンサイドバーによって形成されているとともに、他の部分ドライブトレーンは、連続して配置された、駆動チェーンの第2の側のチェーンリンクあるいはチェーンサイドバーによって形成されており、両部分駆動チェーンは、駆動チェーンのチェーンピンあるいはチェーンローラによって互いに結合されている。したがって、ここで、チェーンピンあるいはチェーンローラは、連結要素あるいは連結ロッドを形成する。連結要素を介して互いに結合された両部分ドライブトレーンから成るユニットは、第2のドライブトレーンと同じ高さに配置されることが可能である。基本的には、第2のドライブトレーンは、異なる高さあるいは垂直方向に異なる高さに位置決めされることも可能である。連結要素の長さLあるいはチェーンピン/チェーンローラとして形成された連結要素の長さLは、成型体と第1のドライブトレーンの間の第1の固定ピンのピン部分の長さlの好ましくは0.8〜4倍である。推薦されるべきは、連結要素の長さLは、成型体の長さlの少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、非常に好ましくは少なくとも20%である。
【0025】
本発明の範囲では、固定ピンあるいは両固定ピンが、相対回転不能に成型体に固定されており、好ましくは成型体に螺着されている。このとき、固定ピンは、成型体の長手軸線と面一であり得る。しかし、固定ピンが互いに面一であること、及び/又は固定ピンが成型体の長手軸線と面一であることは、本発明による構成の範囲では、必ずしも必要ではない。
【0026】
本発明は、本発明による成型体処理装置により、異なる長さあるいは異なる覆記載の成型体を容易かつ少ない手間で処理することができ、特に硬化チャンバ内で硬化させることが可能であるという認識に基づくものである。このとき、装置は、迅速かつ容易に異なる寸法の成型体について動作されることができるとともに、構成要素のための手間のかかる調整措置あるいは交換措置が従来技術と比較して不要である。基本的に、異なる長さの成型体に対して同一の固定ピンが用いられ得るか、あるいは成型体に固定され得る。それにもかかわらず、異なる成型体を機能について確実に、かつ精確に処理ステーションへ導入するか、あるいは処理ステーションを通って案内することが可能である。本発明による装置が単純かつ安価な手段で実現可能であること、及び装置が全体としてわずかな複雑性をもって構成されていることを主張することができる。したがって、メンテナンス措置及び修理措置も単純かつわずかな複雑性をもって可能である。以下に、1つのみの実施例を示す図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明による成型体処理装置の斜視図である。
図2図1に基づく対象の第1の実施形態の断面図である。
図3a図2に基づく部分断面図である。
図3b図2に基づく部分断面図である。
図4】第2の実施形態における図2に基づく対象を示す図である。
図5】第3の実施形態における図2に基づく対象を示す図である。
図6図5に基づく部分図である。
図7】他の実施形態における図5に基づく部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
各図には、成型体1を処理のために駆動装置2によって導入可能な少なくとも1つの処理ステーションを有する本発明による成形体処理装置が示されている。各図による実施例では、複数の成型体1が連続加熱炉Dの熱処理チャンバBを通って案内又は搬送される。成型体1は、巻き型表面において巻き付けられた液状の熱硬化性の合成樹脂で含浸された繊維ストランドを備えた巻き型である。熱処理チャンバBには、これら成型体1あるいは巻き型が加熱された温度にさらされ、成型体1あるいは成型体1の表面の硬化が行われる。巻き型は、比較的脆弱な成型体1であり、そのため、ここでは搬送及び硬化が機能において確実にかつ精確に実行される必要がある。
【0029】
熱処理チャンバBを通って成型体1を搬送するための駆動装置2は、各図の全ての実施例において、2つあるいは少なくとも2つの、成型体1の搬送方向へ延び、実施例においては駆動チェーンとして形成されたドライブトレーン3,4を備えている。駆動チェーンとして構成されたドライブトレーン3,4により、成型体1が搬送方向Fへ連続加熱炉Dの熱処理チャンバBを通して移動可能である。2つの固定ピン5,6が搬送されるべき成型体1に連結されており、これら固定ピンは、この実施例においては成型体1へ相対回転不能に螺着されている。成型体1のこれら固定ピン5,6は、それぞれ1つの駆動チェーンあるいはドライブトレーン3,4に連結されており、その結果、割り当てられた成型体1を同期して移動するドライブトレーン3,4を用いて搬送方向Fへ搬送することが可能である。本発明によれば、第1のドライブトレーン3あるいは第1の駆動チェーンは、搬送方向Fに対して横方向に(本実施例では垂直に)延びる複数の連結要素7を備えている。本実施例では、第1のドライブトレーン3に割り当てられた第1の固定ピン5は、それぞれ第1のドライブトレーン3の2つの連結要素7に連結されている。連結要素7は、好ましくは、及び本実施例においては、搬送方向Fに対して横方向にあるいは垂直に延びる複数の連結ロッドとして形成されている。
【0030】
本発明の範囲では、連結要素7の長さLが成型体1あるいは第1のドライブトレーン3に向いた成型体1の端部と第1のドライブトレーン3の間で延びる第1の固定ピン5のピン部分の長さlの少なくとも20%に相当し、及び/又はこの長さLが成型体1の長さlの少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%に相当し、及び/又は長さLが少なくとも30mm好ましくは少なくとも35mmである。
【0031】
本発明の範囲では、成型体1は、連続加熱炉Dの熱処理チャンバBを通って回転して案内される。これにより、一方では液状の熱硬化性の合成樹脂の滴下が防止され、他方ではこの液状の合成樹脂の均一な分配が達成される。この目的のために、本発明による装置は、好ましくは、成型体1のその長手軸線周りの回転のための回転装置10を備えている。このために、両固定ピン5,6は、それぞれピボット軸受11において支持されている。第1の固定ピン5は、合目的には、及び本実施例では、このようなピボット軸受11を介して連結要素7へ連結されている。推薦される実施形態によれば、及び本実施例においては、回転装置10が搬送方向Fへ延びる回転ストランド12の形態で形成されており、この回転ストランド12は、好ましくは、及び本実施例では、回転チェーンとして構成されている。好ましくは、及び本実施例では、成型体1を回転させる目的で第2の固定ピン6と回転チェーンの間の相互作用がなされ、第2の固定ピン6は、この固定ピン6に固定されたスプロケット13によって回転チェーンに噛合している。好ましくは、及び本実施例では、回転チェーン12あるいは回転チェーンは、固定されて形成されており、したがって、搬送方向Fへ又は搬送方向Fとは逆には移動しない。
【0032】
各図には、成型体1の両端のいずれかに1つのドライブトレーン3,4が割り当てられているか、又は対向していることが示されている。上述のように、本実施例では、成型体1の第1の固定ピン5が、第1の駆動チェーンあるいは第1のドライブトレーン3の連結要素へ連結されている。本実施例において、成型体1の第2の固定ピン6は、第2の駆動チェーンあるいは第2のドライブトレーン4に連結されている。推薦すべきは、及び本実施例では、第1の固定ピン5が第1の固定ピン5のためのピボット軸受11を備えた連結体14によって連結要素7に、あるいは第1のドライブトレーン3の連結ロッドに連結されている。好ましくは、及び本実施例では、連結体14が単に2つの連結ロッドへ載置されている。したがって、第1の固定ピン5及びこの第1の固定ピンに連結された成型体1を有する連結体14は、基本的に搬送方向Fに対して横方向に変位可能である。この点において、成型体1の連結側は、いわばフローティング軸受側である。
【0033】
好ましくは、及び本実施例では、連結体14がディスク状の連結体14として形成されており、したがって、連結ロッドに対して横方向のその大きさは、連結ロッドの長手方向における大きさよりもはるかに大きい。本実施例では、ディスク縁部を有するディスク状の連結体14が2つの連結ロッドあるいは連結要素7上に載置されている。図3aには、ディスク状の連結体14の一実施形態が示されている。ここで、このディスク状の連結体14は、円形に形成されている。図3bには、ディスク状の接続体14のための他の実施形態が示されている。両ケースにおいては、ピボット軸受11がディスク状の接続体14内に配置されているとともに第1の固定ピン5がピボット軸受を貫通し、その結果、第1の固定ピン5あるいはこの第1の固定ピンに連結された成型体1が連結体14に対して相対的に回転可能となっている。
【0034】
合目的には、及び本実施例では、成型体1の第2の固定ピン6がピボット軸受11を用いて第2の駆動チェーンあるいは第2のドライブトレーン4に固定された収容要素15に収容されている。本実施例では、このような収容要素15は、収容トレイとして形成されている。複数のこのような収容要素15あるいは収容トレイは、第2の駆動チェーンに沿って配置されているとともに、それぞれこの第2の駆動チェーンあるいは第2のドライブトレーン4に固定されている。この点では、この成型体1の連結側は、いわば固定軸受側である。
【0035】
推薦すべきは、及び本実施例では、ドライブトレーン3,4が循環する無端の駆動チェーンとして形成されている。本発明の範囲では、駆動チェーンにおいては、通常の態様でチェーンリンク19あるいはチェーンサイドバーがチェーンピン20あるいはチェーンローラを介して互いに結合されている。合目的には、無端駆動チェーンは、スプロケット又はこれに類するものによって駆動される。
【0036】
図2には、本発明による装置の第1の実施形態が示されている。ここで、連結ロッドとして形成された連結要素7は、第1の駆動チェーンあるいは第1のドライブトレーン3を第2の駆動チェーンあるいは第2のドライブトレーン4に結合するものである。したがって、連結要素7あるいは連結ロッドが両ドライブトレーン3,4の間の間隔全体にわたって、したがって成型体1の全長lにわたっても延在している。このとき、連結ロッドは、互いに搬送方向Fへ間隔をもって配置されている。この実施形態では、連結要素7あるいは連結ロッドを、両駆動チェーンあるいはドライブトレーン3,4の延長されたチェーンピンとして形成することが可能である。本発明の範囲では、連結要素7あるいは連結ロッドを、同期して搬送方向Fへ移動する駆動チェーンによって搬送方向Fへ搬送することが可能である。図2において、本実施形態では連結要素7あるいは連結ロッドの長さLが好ましくは第1の固定ピン5のピン部分の成型体1と第1のドライブトレーン3の間の長さlよりも長いか、あるいは大幅に長いことが分かる。好ましくは、この長さLは、第1の固定ピンのピン部分の長さlの少なくとも2倍である。その上、連結要素7の長さLは、ここでは、及び以下では、合目的には関連するドライブトレーン3,4,16の内側のリンクあるいはチェーンリンクの間で測定される。これは、図2図4及び図5から明らかである。
【0037】
図4には、本発明による装置の第2の実施形態が示されている。ここでは、第1の駆動チェーンのほかに、あるいは第1のドライブトレーン3のほかに、別のドライブトレーンあるいは第3のドライブトレーン16が成型体1の側に配置されており、このドライブトレーンは、好ましくは同様に別のドライブトレーンあるいは第3の駆動チェーンとして形成されているとともに、搬送方向Fへ延在している。このとき、本発明の範囲では、第1のドライブトレーン及びこの別のドライブトレーンあるいは第3のドライブトレーン16が好ましくは及び本実施例では連結ロッドの形態の連結要素7を介して互いに結合されている。このとき、第1のドライブトレーン3及び第3のドライブトレーン16は、互いに平行に搬送方向Fへ延在しているとともに、同期して搬送方向Fへ移動する。両ドライブトレーン3,16を結合する連結要素7を、駆動チェーンとして形成された両ドライブトレーン3,16の延長されたチェーンピン20として構成することができる。図4の実施例において、第2のドライブトレーン4が第1のドライブトレーン3及び第3のドライブトレーン16に基づくユニットと比較して異なる垂直方向の高さに配置されており、その結果、高さの差Δhが生じていることが分かる。その上、図4においては、本発明の範囲において、この実施形態では連結要素7の長さLが第1の固定ピン5のピン部分の長さlよりも短いことが分かる。しかし、基本的には、この第2の実施形態においても長さLが第1の固定ピン5のピン部分の長さl以上である形態も考えられる。
【0038】
図5には、本発明の第3の実施形態が示されている。ここでは、第1のドライブトレーン3あるいは第1の駆動チェーンが搬送方向Fへ延在する部分ドライブトレーン17,18で構成されており、これら部分ドライブトレーン17,18は、連結要素7で互いに結合されている。本実施例では、部分ドライブトレーン17,18は、それぞれ第1の駆動チェーンのチェーンリンク19の連続して配置された左側の列及び右側の列であり、連結要素7は、この拡張された第1の駆動チェーンの延長されたチェーンピン20として構成されている。したがって、連結要素7という概念は、図5によるこの実施形態に関して、拡張された第1の駆動チェーンあるいは拡張された第1のドライブトレーン3の延長されたチェーン連結要素あるいはチェーンピン20をも意味するものである。
【0039】
図6には、図5に基づく対象の右側が部分図として示されている。ここでは、この実施形態において大きく異なる直径及び大きく異なる長さlを有する2つの成型体1が同一の第1の固定ピン5及び同一の連結体14によって本発明による装置において案内され、あるいは搬送され得ることが示されている。このための前提は、ディスク状の連結体14の直径が第1のドライブトレーン3の範囲まで突出したよりわずかな直径を有する成型体1の直径よりも大きいということのみである。したがって、同一の比較的小さな連結体14を有する異なる大きさの成型体1を問題なく連結することが可能である。より大きな直径を有するより短い成型体は、図6に基づく実施例において第1のドライブトレーン3の下方の範囲へいわば浸漬することができる。その上、これら利点を、図4による本発明による装置の実施形態においても得ることができる。
【0040】
図7には、他の実施形態において、同様に図5の右側が部分図で示されている。ここでは、第1の固定ピン5が連結体14と相対回転不能に結合されている。成型体1、固定ピン5及び連結体14から成るユニットの回転を保証するために、連結体14は、第1のドライブトレーン3に配置された複数のローラ21を介していわば転動する。合目的には、これらローラ21は回転可能に連結要素7に設けられており、本発明においては、ローラ21は、連結体7の長手軸線周りに回転可能である。したがって、この実施形態は、連結体14に配置されたピボット軸受11を有する実施形態に代えて選択されることが可能である。その上、適当な配置を第2のドライブトレーン4に設けることも可能であり、その結果、好ましくは収容要素15におけるピボット軸受11を省略することが可能であり、その代わりに第2のドライブトレーン4に収容要素15を転動するための複数のローラ21が設けられている。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7