特許第6706546号(P6706546)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エスアイアイ・クリスタルテクノロジー株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6706546-圧電振動片容器、及び圧電振動子 図000002
  • 特許6706546-圧電振動片容器、及び圧電振動子 図000003
  • 特許6706546-圧電振動片容器、及び圧電振動子 図000004
  • 特許6706546-圧電振動片容器、及び圧電振動子 図000005
  • 特許6706546-圧電振動片容器、及び圧電振動子 図000006
  • 特許6706546-圧電振動片容器、及び圧電振動子 図000007
  • 特許6706546-圧電振動片容器、及び圧電振動子 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6706546
(24)【登録日】2020年5月20日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】圧電振動片容器、及び圧電振動子
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/02 20060101AFI20200601BHJP
   H03H 9/19 20060101ALI20200601BHJP
   H03H 9/215 20060101ALI20200601BHJP
【FI】
   H03H9/02 A
   H03H9/19 J
   H03H9/215
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-114741(P2016-114741)
(22)【出願日】2016年6月8日
(65)【公開番号】特開2017-220829(P2017-220829A)
(43)【公開日】2017年12月14日
【審査請求日】2019年4月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】713005174
【氏名又は名称】エスアイアイ・クリスタルテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096655
【弁理士】
【氏名又は名称】川井 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100091225
【弁理士】
【氏名又は名称】仲野 均
(72)【発明者】
【氏名】小林 高志
【審査官】 橋本 和志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−065588(JP,A)
【文献】 特開2012−244535(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H 9/02
H03H 9/19
H03H 9/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と振動腕部と実装用の支持腕部を備えた圧電振動片が実装される圧電振動片用容器であって、
凹状の本体と、
前記本体に固定されることで前記圧電振動片の収容空間を形成する蓋体と、
前記圧電振動片の前記支持腕部が固定される実装部を備え、
前記実装部は、
前記本体の長手方向の内側に形成される長辺面に対して平行な1つの平行面aと、
一端側が前記長辺面と連続し、互いに対向する2つの側面bと、
少なくとも一部に平面部を備え、前記平行面aと前記側面bの他端側とを繋ぐ第3面cと、
前記長辺面、平行面a、2つの側面b、及び、前記第3面cで囲まれた実装面と、を備え、
前記平行面aと前記第3面cの前記平面部とが成す角度βは、135度よりも大きく180度未満である、
ことを特徴とする圧電振動片容器。
【請求項2】
前記成す角度βは、150度以上170度以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片容器。
【請求項3】
前記第3面cが、前記平行面a及び、前記側面bと交わる箇所はR加工されている、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧電振動片容器。
【請求項4】
請求項1から請求項のうちのいずれか1の請求項に記載の圧電振動片容器と、
前記支持腕部が前記実装部に固定された圧電振動片と、
を備えたことを特徴とする圧電振動子。
【請求項5】
前記実装部に固定された圧電振動片の幅方向の中心を通る長手方向の仮想線が、前記圧電振動片容器の幅方向の中心を通る長手方向の仮想線と一致する場合に、前記側面bにおける第3面c側の端部は、前記支持腕部の前記中心側の辺よりも前記中心側に位置する、
ことを特徴とする請求項4に記載の圧電振動
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動片容器、及び圧電振動子に係り、詳細には、圧電振動片を取り付ける実装部に関する。
【背景技術】
【0002】
水晶等を利用した圧電振動片を、パッケージと蓋体で形成される所定サイズの容器内に収容した圧電振動片が広く使用されている。
例えば、携帯電話や携帯情報端末機器等の電子機器であれば、時刻源や制御信号等のタイミング源、リファレンス信号源等に圧電振動子が用いられている。
この種の圧電振動子は、例えば特許文献1に示すように、圧電材料により形成された基部と、基部から並んで延びる一対の振動腕部を備えると共に、基部の両側端側から両振動腕部を挟む外側に振動腕部と同方向に延びる一対の支持腕部を備えている。
この圧電振動子によれば、パッケージに設けた実装部(マウントパッド)に支持腕部で圧電振動片を固定することで、振動腕部から基部を経由して固定部までの距離が長くなり固定部からの振動漏れを抑制することができる。そして、支持腕部を備えた圧電振動片では、その支持腕部を長くすると共に、容器の実装部を長くすることで、圧電振動子の姿勢を安定させるようにしている。
【0003】
ところで、各種電子機器に要求される小型化に伴って、圧電振動子も小型化している。圧電振動子を小型化する場合、容器のサイズを小さくすると共に、内部に収容する圧電振動片自体も小型化する必要があり、圧電振動片の小型化に伴い振動腕部と支持腕部との間隔も狭くなっている。
このため、小型化した圧電振動片を容器の実装部に実装する場合の実装精度を上げる必要がある。
しかし、圧電振動子の小型化により支持腕部と振動片の間隔が狭くなっているため、圧電振動子の回転による位置ズレや横方向の位置ズレにより、実装部(マウントパッド)に振動腕部が接触したり、或いは、固定用の接着剤が振動腕部にもついてしまう可能性があった。
【0004】
図7は、従来の圧電振動片容器と圧電振動子の実装精度について表したものである。
図7(a)に示すように、圧電振動片容器のパッケージ本体を構成するベース基板110には、その収容部を形成する内側の長辺に実装部140A、Bが互いに対向して形成されている。
この実装部140A、Bは、ベース基板110の長辺から容器の内側に迫り出すように形成されていて、ベース基板110と平行な平行面aと、ベース基板110に繋がる2箇所の側面b、bとで構成されている。なお、平行面aと両側面b、bとの交差部分は面取り加工Rが施されている。
【0005】
図7(b)〜(d)は、実装部140A、B上に、圧電振動片600の支持腕部900a、bをマウントした状態を表している。
図7(b)は、圧電振動片600の支持腕部900a、bが設計上求められる位置に正確に配置された状態を表している。配置されている圧電振動片600は振動腕部の先端の幅を広げた幅広部710a、bが形成されることで、振動腕部の重量及び振動時の慣性モーメントを増大させることで、振動腕部の長さを短くし、小型化するために設けられている。
これに対し図7(c)は、実装した圧電振動片600が傾いて(配置面上で回転して)実装された状態を表したものである。このように圧電振動片600が傾いた状態で実装されてしまうと、この図7(c)に矢印P1で示すように、幅広部710aが実装部140Aと接触したり、停止時に非接触であっても振動時に接触したりする問題があり、実装不良となる。また、拡幅部710aだけでなく、同図中の矢印P2で示すように、振動腕部が配設される基部と実装部140Bとが近接したり接触したりする可能性がある。基部が実装部に接触してしまうと、振動腕部の振動に影響するだけでなく、接触部を介して振動腕部の振動が外部に漏れてしまい、固定腕部で圧電振動片600を実装することで振動漏れを抑制する効果が低下してしまう点でも実装不良となる。
【0006】
このような圧電振動片600の回転による接触については、実装部140Aと実装部140Bの幅(ベース基板110からの距離)を狭め、両実装部140A、Bの間隔を広げることで一部回避することができる。
しかし、両実装部140A、Bの幅を狭めると、図7(d)に示すように、圧電振動片600が幅方向(図面の上下方向)にずれた場合に、支持腕部900aの一部が実装部140Aから外れてしまう場合が増えてしまい、反対側の実装部140Bには振動腕部が接触する可能性が高まる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2015−97364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、圧電振動片の実装不良を生じにくくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)請求項1に記載の発明では、基部と振動腕部と実装用の支持腕部を備えた圧電振動片が実装される圧電振動片用容器であって、凹状の本体と、前記本体に固定されることで前記圧電振動片の収容空間を形成する蓋体と、前記圧電振動片の前記支持腕部が固定される実装部を備え、前記実装部は、前記本体の長手方向の内側に形成される長辺面に対して平行な1つの平行面aと、一端側が前記長辺面と連続し、互いに対向する2つの側面bと、少なくとも一部に平面部を備え、前記平行面aと前記側面bの他端側とを繋ぐ第3面cと、前記長辺面、平行面a、2つの側面b、及び、前記第3面cで囲まれた実装面と、を備え、前記平行面aと前記第3面cの前記平面部とが成す角度βは、135度よりも大きく180度未満である、ことを特徴とする圧電振動片容器を提供する。
(2)請求項2に記載の発明では、前記成す角度βは、150度以上170度以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片容器を提供する。
)請求項に記載の発明では、前記第3面cが、前記平行面a及び、前記側面bと交わる箇所はR加工されている、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧電振動片容器を提供する。
)請求項に記載の発明では、請求項1から請求項のうちのいずれか1の請求項に記載の圧電振動片容器と、前記支持腕部が前記実装部に固定された圧電振動片と、を備えたことを特徴とする圧電振動子を提供する。
(5)請求項5に記載の発明では、前記実装部に固定された圧電振動片の幅方向の中心を通る長手方向の仮想線が、前記圧電振動片容器の幅方向の中心を通る長手方向の仮想線と一致する場合に、前記側面bにおける第3面c側の端部は、前記支持腕部の前記中心側の辺よりも前記中心側に位置する、ことを特徴とする請求項4に記載の圧電振動を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、実装部が平行面a、2つの側面b、平行面aとの成す角度βが135度よりも大きく180度未満である第3面cを備えているので、圧電振動片の実装不良を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】圧電振動子の外観斜視図である。
図2】圧電振動子の分解斜視図である。
図3】実装部の形状を従来と実施形態と比較して表した説明図である。
図4】実装部と圧電振動片との位置関係を表した説明図である。
図5】実装部に対する圧電振動片の実装位置がずれた場合の位置関係を表した説明図である。
図6】圧電振動片の構成と圧電振動子の断面を表した図である。
図7】従来の圧電振動片容器と圧電振動子の実装精度について表したものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の圧電振動片容器、及び圧電振動子における好適な実施形態について、図1から図6を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
本実施形態のパッケージ2は圧電振動片容器として機能し、凹状の本体であるパッケージ本体3と、封口板4を備える。この封口板4がパッケージ本体3に固定されることで収容空間が形成され、その内部に音叉型の圧電振動片6が実装される。
本実施形態で実装される圧電振動片6は、基部8から1対の振動腕部7が延設されると共に、基部8から振動腕部7の両外側に並列して延設された支持腕部9を備える。1対の振動腕部7の長手方向には、その主面(裏表面)に一定幅の溝部72が形成されている。
振動腕部7の外周面を構成する側面と主面、溝部72内には、第1励振電極、第2励振電極として機能する、異なる2系統の励振電極91、92が形成されている。
【0013】
本実施形態のパッケージ本体3には、図3(a)に示されるように、その長手方向内側の長辺面sに1対の実装部14(以下単に実装部14という。)が形成されている。この実装部14に電極パッド20を介して圧電振動片6の支持腕部9が接合材で固定されることで、圧電振動片6が実装される。
実装部14は、長手方向の長辺面sに平行な平行面aと、一端側が長辺面sと連続し、互いに対向する1対の側面bと、平行面aと側面bの他端側とを繋ぐ第3面cと、これら3面で囲まれた実装面を備えている。
そして平行面aと第3面cとが成す角度βを135度よりも大きく180度未満、好ましくは150度以上170度以下としている。これにより、実装部14の幅は、第3面cによって、平行面a側の端部から長さ方向の端部(側面b)に向かうに従い幅が狭くなる、テーパー形状に形成される。
このように形成された実装部14は、圧電振動片6の回転による位置ズレや横方向の位置ズレの許容範囲をより大きくすることができ、その結果、振動腕部7が実装部に接触しにくく、また、支持腕部9が実装部14から外れにくくなる。
その理由は、平行面aと側面bとの間に第3面cを設けることで、平行面aと側面bとの接続部分にR加工を施した従来の実装部に比べて、実装部14の角部分(長手方向の端部側)をより内側(長辺面s側)に退避させることができるためである。この効果は、第3面cの少なくとも一部、好ましくは全面(接続部分のR加工部分を除く)を平面とすることでより大きな効果が得られる。
【0014】
圧電振動片6の回転方向のズレに対し、平行面aと側面bが繋がる従来の実装部においてR加工のR値を大きくすることで振動腕部7の接触を避けることが可能であるが、実装部の上面である実装面の面積が小さくなってしまう。
これに対し、本実施形態では、回転方向のズレによる振動腕部7の傾斜に合わせてβを90度より大きく設定することで、従来の実装部のRを大きくする場合に比べて、実装部14の実装面(実装部14の上面)の面積の減少量を小さくすることができる。これにより、実装部14上に支持腕部9を固定するための接合材を塗布可能な対象領域をより広く確保することができる。
平行面aと第3面cとの成す角βを135度よりも大きくするのは、圧電振動片6の回転ズレの中心はパッケージ2の中心近傍に存在することを前提として、圧電振動片6が回転した場合の振動腕部7の傾斜に合わせたためである。
【0015】
(2)実施形態の詳細
図1は、実施形態に係る、圧電振動片を備えた圧電振動子の外観斜視図である。図2は、実施形態に係る圧電振動子の分解斜視図である。
図1、2に示すように、本実施形態の圧電振動子1は、内部に気密封止されたキャビティCを有するパッケージ2と、キャビティC内に収容された圧電振動片6と、を備えたセラミックパッケージタイプの表面実装型振動子とされている。
なお、本実施形態の圧電振動子1は左右対称な構造となっているため、振動腕部7aと振動腕部7bというように、対称配置された両部分を同一の数字で表すと共に、両部分を区別するため、一方に区別符合a、A、他方に区別符合b、Bを付して説明する。ただし、区別符号を適宜省略して説明するが、この場合にはおのおのの部分を指しているものとする。
【0016】
圧電振動片6は、水晶やタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された、いわゆる音叉形の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。本実施形態では、圧電材料として水晶を使用して形成した圧電振動片を例に説明する。
圧電振動片6は、基部8から平行に延びる振動腕部7a、7bと、この振動腕部7a、7bの外側に同方向に基部8から延びる支持腕部9a、9bを備え、この支持腕部9a、9bによりキャビティC内に保持される。
一対の振動腕部7a、7bの先端には、慣性モーメントを大きくすることで小型化するために、基部8と接続する部分の幅よりも両側に広くなるように形成された拡幅部71a、71bを備えている。なお、本実施形態では拡幅部71a、71bが形成されている圧電振動片6を例に説明するが、拡幅部のない圧電振動片を使用してもよい。
圧電振動片6の詳細については後述する。
【0017】
パッケージ2は、概略直方体状に形成されている。パッケージ2は、パッケージ本体3と、パッケージ本体3に対して接合されるとともに、パッケージ本体3との間にキャビティCを形成する封口板4と、を備えている。
パッケージ本体3は、互いに重ね合わされた状態で接合された第1ベース基板10および第2ベース基板11と、第2ベース基板11上に接合されたシールリング12と、を備えている。
【0018】
第1ベース基板10および第2ベース基板11の四隅には、平面視1/4円弧状の切欠部15が、両ベース基板10、11の厚み方向の全体に亘って形成されている。これら第1ベース基板10および第2ベース基板11は、例えばウエハ状のセラミック基板を2枚重ねて接合した後、両セラミック基板を貫通する複数のスルーホールを行列状に形成し、その後、各スルーホールを基準としながら両セラミック基板を格子状に切断することで作製される。その際、スルーホールが4分割されることで、切欠部15となる。
【0019】
なお、第1ベース基板10および第2ベース基板11はセラミックス製としたが、その具体的なセラミック材料としては、例えばアルミナ製のHTCC(High Temperature Co−Fired Ceramic)や、ガラスセラミック製のLTCC(Low Temperature Co−Fired Ceramic)等が挙げられる。
【0020】
第1ベース基板10の上面は、キャビティCの底面に相当する。
第2ベース基板11は、第1ベース基板10に重ねられており、第1ベース基板10に対して焼結などにより結合されている。すなわち、第2ベース基板11は、第1ベース基板10と一体化されている。
なお、後述するように第1ベース基板10と第2ベース基板11の間には、両ベース基板10、11に挟まれた状態で接続電極24A、24B(図示せず)が形成されている。
【0021】
第2ベース基板11には、貫通部11aが形成されている。貫通部11aは、四隅が丸みを帯びた平面視長方形状に形成されている。貫通部11aの内側面は、キャビティCの側壁の一部を構成している。貫通部11aの短手方向で対向する両側の内側面(長辺面s)には、内方に突出する実装部14A、14Bが設けられている。実装部14A、14Bは、貫通部11aの長手方向略中央に形成されている。実装部14A、14Bは、貫通部11aの長手方向の長さの1/3以上の長さに形成されている。
本実施形態の実装部14A、14Bは、その外周縁が平行面a、側面b、b、及び、第3面cを備え、長手方向の両端部がテーパー状に形成される。これにより、圧電振動片6を実装する際の、実装ズレ(回転方向や横方向のズレ)に対する許容範囲を大きくすることができ、その結果実装不良数を少なくすることができる。本実施形態における、実装部14A、14Bの詳細については後述する。
【0022】
シールリング12は、第1ベース基板10および第2ベース基板11の外形よりも一回り小さい導電性の枠状部材であり、第2ベース基板11の上面に接合されている。具体的には、シールリング12は、銀ロウ等のロウ材や半田材等による焼付けによって第2ベース基板11上に接合、あるいは、第2ベース基板11上に形成(例えば、電解メッキや無電解メッキの他、蒸着やスパッタ等により)された金属接合層に対する溶着等によって接合されている。
【0023】
シールリング12の材料としては、例えばニッケル基合金等が挙げられ、具体的にはコバール、エリンバー、インバー、42−アロイ等から選択すれば良い。特に、シールリング12の材料としては、セラミック製とされている第1ベース基板10および第2ベース基板11に対して熱膨張係数が近いものを選択することが好ましい。例えば、第1ベース基板10および第2ベース基板11として、熱膨張係数6.8×10−6/℃のアルミナを用いる場合には、シールリング12としては、熱膨張係数5.2×10−6/℃のコバールや、熱膨張係数4.5〜6.5×10−6/℃の42−アロイを用いることが好ましい。
【0024】
封口板4は、シールリング12上に重ねられた導電性基板であり、シールリング12に対する接合によってパッケージ本体3に対して気密に接合されている。そして、封口板4、シールリング12、第2ベース基板11の貫通部11a、および第1ベース基板10の上面により画成された空間が、気密に封止されたキャビティCとして機能する。
【0025】
封口板4の溶接方法としては、例えばローラ電極を接触させることによるシーム溶接や、レーザ溶接、超音波溶接等が挙げられる。また、封口板4とシールリング12との溶接をより確実なものとするため、互いになじみの良いニッケルや金等の接合層を、少なくとも封口板4の下面と、シールリング12の上面とにそれぞれ形成することが好ましい。
【0026】
ところで、第2ベース基板11の実装部14A、14Bの上面には、圧電振動片6との接続電極である一対の電極パッド20A、20Bが形成されている。また、第1ベース基板10の下面には、一対の外部電極21A、21Bがパッケージ2の長手方向に間隔をあけて形成されている。電極パッド20A、20Bおよび外部電極21A、21Bは、例えば蒸着やスパッタ等で形成された単一金属による単層膜、または異なる金属が積層された積層膜である。
電極パッド20A、20Bと外部電極21A、21Bとは、第2ベース基板11の実装部14A、14Bに形成された第2貫通電極22A、22B、第1ベース基板10と第2ベース基板11の間に形成された接続電極24A、24B(図示せず)、及び、第1ベース基板10に形成された第1貫通電極23A、23B(図示せず)を介して互いにそれぞれ導通している。
一方、詳細は後述するが、電極パッド20A、20B上には、第1方向D1に互いに隔離して第1接合材51a、51bと、第2接合材52a、52bが配設され、支持腕部9a、9bのそれぞれを長さ方向の隔離した2点で接合している。
本実施形態のパッケージ本体3(圧電振動片容器)では、電極パッド20A、20B及び、第1接合材51a、51b、第2接合材52a、52bを介して、圧電振動片6の支持腕部9a、9bが実装部14A、14Bに実装される。
【0027】
図3は実装部14の形状について表したものである。
図3(a)は本実施形態における実装部14Aの形状を表し、(b)は従来の実装部140Aの形状を表している。
なお、1対の実装部14A、14Bは線対称に形成されるため、実装部14Aについて説明する。また、図3(a)、(b)では形状を明確にするため、実装部14Aの外周の2面で形成される角部分について加工されていない状態を表しているが、R加工等を施すようにしてもよい。
【0028】
本実施形態の実装部14Aは、電極パッド20Aが配設される実装面と、この実装面を規定する則外縁で構成されている。
則外縁は、図3(a)に示すように、1つの平行面a、互いに対向する2つの側面b、b、第3面cで構成される。
平行面aは、パッケージ本体3のキャビティを構成する内側の側壁のうち、長辺方向に延びる長辺面sに対して平行に形成されている。
側面bは、その一端側が長辺面sと連続し、他端側が第3面cの一端側と繋がっている。
第3面cは、実装部14における長手方向の端部をテーパー形状に形成する面である。第3面cの一端側が側面bの他端側と繋がり、第3面cの他端側は平行面aと繋がっている。
【0029】
第3面cは、平行面aと側面bを延長した場合の仮想交点(仮想交線の端部)から平行面aまでの距離をax、仮想交点から側面bまでの距離をbyとした場合、ax>byとなるように形成されている。すなわち、第三面cは、平行面aとの成す角度βを135度よりも大きく180度未満に形成されている。成す角度βの範囲は、150度以上170度以下に形成されていることが好ましい。
成す角度βを135度よりも大きくしたのは、図3(b)に示した従来の実装部140Aの角部分(平行面aと側面bとの合流部分)に大きなC面取りを行った場合の面(C面)と平行面との成す角度(135度)よりも大きくするためである。
【0030】
従来の実装部140Aは、図3(b)に示すように互いに直交する平行面aと側面bから構成されるのに対し、本実施形態の実装部14では、第3面cを形成することで、長手方向の両端側の角部分がax>byとなるように削除された形状となり、この削除部分により、圧電振動片6の実装ズレによる接触が回避され、実装ズレの許容範囲を大きくすることができる。
【0031】
図3(c)は、本実施形態の第3面cと、C面取りした場合との実装部の形状を比較して表したものである。この図3(c)に示すように、従来の実装部においてbxのC面取りをした場合、平行面a側の角F1が本実施形態の第3面cよりも外側に位置するため、より小さな圧電振動片6の回転ズレに対して接触してしまう。
一方従来の実装部に対してayのC面取りをした場合、平行面a側の角F2は本実施形態と同じ位置(平行面aと第3面cとの合流点)になり、角の接触位置F2は同じになるが、図面に斜線で示したように実装面の面積の減少量が大きくなってしまい、これにより、実装部14上に支持腕部9を固定するための接合材を塗布可能な対象領域が狭くなる。
平行面aと第3面cとの成す角度βを135度よりも大きくするのは、圧電振動片6の回転ズレの中心はパッケージ2の中心近傍に存在することを前提として、圧電振動片6が回転した場合の振動腕部7の傾斜に合わせたためである。
【0032】
次に、パッケージ本体3(圧電振動片容器)における実装部14と、実装部14に実装される圧電振動片6との位置関係について説明する。
図4は、パッケージ本体3の平面図と、実装部14上に圧電振動片6を実装した状態を表したものである。
図4(a)は、圧電振動片6を実装する前のパッケージ本体3を表したものであり、第2ベース基板11の内周面を構成する長辺面sからキャビティ内に迫り出すように実装部14A、14Bが形成されている。この図に示した実装部14は、第3面cの両側はR面取りがされている。
図4(b)は、実装部14上に、設計通りの位置に圧電振動片6が配置された状態を表したものであり、圧電振動片6の幅方向の中心を通る長手方向の仮想線が、ケースの幅方向の中心を通る長手方向の仮想線と一致する場合に該当する。
そして、図4(b)に示されるように、側面bにおける第3面c側の端部Kは、支持腕部9の振動腕部7側(中心側)の辺よりも中心側に位置している。この場合の端部Kは、角部にR面取りをしていない場合の角(側面bと第3面cの交点(線))を意味している。
このように、端部Kを支持腕部9よりも振動腕部7側とすることで、実装部14の長手方向の両端角部分の面積を広く確保することができる。また、支持腕部9は、後述するように、第1接合材51と第2接合材52の2点において実装部14に固定するが、端部Kを支持腕部9よりも振動腕部7側とすることで、両接合材の間隔を広くすることができ、圧電振動片6の実装を安定させることができる。
【0033】
図5は、実装部14に対する圧電振動片6の実装位置がずれた場合の位置関係を表したものである。
図5(a)は、圧電振動片6が、ほぼ重心位置を中心に回転ズレして実装された状態を表している。この圧電振動片6の回転ズレ量は、従来について説明した図7(c)と同一にしている。
図7(c)に示した従来の実装部140Aでは、拡幅部710aがP1で実装部140Aと接触しているのに対し、図5(a)に示した本実施形態の実装部14Aでは、Q1で示すように第3面cの存在によって、拡幅部71aが実装部14Aに接触していない。すなわち、回転ズレによる実装ズレの許容範囲が大きくすることができる。
また、図7(c)では、基部と反対側の実装部140Bとの距離がP2に示すように極めて近く、更に長手方向にずれた場合には実装部140Bと接触してしまうのに対し、本実施形態によれば図5(a)のQ2に示すように実装部14Bとの間にまだ余裕が存在している。
【0034】
一方、図5(b)は、太矢印で示すように、圧電振動片6が重心Gに対して幅方向にズレて実装された状態を表している。この圧電振動片6の幅方向ズレ量は、従来について説明した図7(d)と同一にしている。
上述したように図7(d)は、回転ズレによる接触を回避するために実装部140の幅を狭くしたものであるが、その分、両実装部140A、140Bの間隔が広くなってしまうために、幅方向の実装ズレが生じた場合に、P3で示すように実装部140Aから支持腕部900aの一部が外れ、接合材による接合面積が減り固定強度が低下してしまう。
【0035】
これに対して本実施形態の実装部14では、実装部14の幅を狭くすることなく、第3面cにより回転方向のズレによる接触を回避している。このため、図5(b)のQ3で示すように、同一量の幅方向ズレに対しても支持腕部9aは実装部14上から外れていない。従って、接合材による固定強度を維持することができる。
【0036】
次に、圧電振動子1の詳細について説明する。
図6は、パッケージ本体3の実装部14に実装される圧電振動片6の構成と圧電振動子の断面を表した図である。
以下、図6に示すように、第1ベース基板10と平行な面上で圧電振動子1の長手方向を第1方向D1、同面上で第1方向D1に直交する方向(圧電振動子1の短手方向)を第2方向D2、第1方向D1と第2方向D2に直交する方向(圧電振動子1の厚さ方向)を第3方向D3として説明する(図1も参照)。
図6(a)に示すように、圧電振動片6は、一対の振動腕部7a、7bと、基部8と、一対の支持腕部9a、9bを備えている。
基部8は、一対の振動腕部7a、7bのうち第1方向D1における一方の端部同士を連結している。
基部8には、第2方向D2を向く両端面から第2方向D2に沿って外側に延びる連結部81a、81bが連結され、この連結部81a、81bには、第1方向D1に沿ってそれぞれ延びる支持腕部9a、9bが連結されている。一対の支持腕部9a、9bは、第2方向D2において、振動腕部7a、7bの両外側に配置されている。
支持腕部9a、9bにおいて、基部8側の端部から先端部までの長さが、圧電振動片6の全長a0(後述)の2/3以上に形成されている。この長さは、後述するように、第1接合材51a、51bと第2接合材52a、52bとの間隔を確保するためである。
【0037】
一対の振動腕部7a、7bは、互いに平行となるように配置されており、基部8側の端部を固定端として、先端が自由端として振動する。
一対の振動腕部7a、7bは、その全長のほぼ中央部分の幅を基準幅とした場合、この基準幅よりも両側に広くなるように形成された拡幅部71a、71bを備えている。この拡幅部71a、71bは、振動腕部7a、7bの重量及び振動時の慣性モーメントを増大する機能を有している。これにより、振動腕部7a、7bは振動し易くなり、振動腕部7a、7bの長さを短くすることができ、小型化が図られている。
なお、本実施形態の圧電振動片6は、振動腕部7a、7bに拡幅部71a、71bが形成されているが、上述のように、拡幅部のない圧電振動片を使用してもよい。
また、本実施形態の圧電振動子1では、図示しないが、振動腕部7a、7bの先端部(拡幅部71a、71b)に、振動状態を所定の周波数の範囲内で振動するように調整(周波数調整)を行うための重り金属膜(粗調膜及び微調膜からなる)が形成されている。この重り金属膜を、例えばレーザ光を照射して適量だけ取り除くことで、周波数調整を行い、一対の振動腕部7a、7bの周波数をデバイスの公称周波数の範囲内に収めることができるようになっている。この重り金属膜についても、拡幅部と同様に形成しないことも可能である。
【0038】
次に、圧電振動片6における基部8、支持腕部9、連結部81、振動腕部7の長さの関係について説明する。
図6(a)に示すように、圧電振動片6の全長をL1、基部の長さをL2、基部8と支持腕部9を連結する連結部の幅をL3、支持腕部9の長さをL4とした場合、本実施形態の圧電振動片6は、次の条件A〜Cの全てを満たすように形成される。なお、L1、L2、L3、L4はいずれも、圧電振動片6の長手方向(振動腕部7の長さ方向)の長さである。
条件A 0.1≦L2/L1≦0.2
条件B 0.4≦L3/L2≦0.6
条件C L4/L1≧0.7
【0039】
上記条件A〜Cを満たすことで、本実施形態の圧電振動片6は次の効果を得ることができる。
すなわち、条件Aに従い、基部8の長さL2を、圧電振動片6の全長をL1の10%〜20%とし、長さL2短くすることで圧電振動子1の小型化の要請に対応することができる。
基部8の長さL2を短くしたことにより振動の伝達経路が短くなることを防止するために、支持腕部9を基部8の側面から直接接続するのではなく、基部8の長さL2の40%〜60%の幅を持つ連結部81で基部80と支持腕部9とを連結する。この連結箇所は基部8の振動腕部7が延設されていない側の端部側である。すなわち、基部8の端面と連結部81の1の面を同一の面となるように形成する。これにより、連結部81が接続されていない非連結分が基部8に形成され、この非連結部の幅(L2−L3)だけ、振動の伝達経路を長くすることができる。
このように、本実施形態では、条件AとBを満たすことにより、圧電振動片6を小型化すると共に、振動の伝達経路をより長く確保することで振動の抑制効果をうることができる。
【0040】
更に条件Cに従い支持腕部9の長さを長くすることで、振動が伝達する経路の全質量を大きくし、振動を吸収させることで振動漏れを抑制することができる。
本実施形態では後述するが、更に、第1接合材51と第2接合材52の間隔を全長L1の約1/3としている。これにより、振動腕部7の振動に対し、両接合箇所間の支持腕部9の僅かな撓みによって吸収、分散させることができ、外部への振動漏れを抑制することができる。
【0041】
図6(c)は、図6(a)に示すV1−V1線に沿った断面を矢印の方向に見た断面図である。
図6(a)、(c)に示すように、一対の振動腕部7a、7bには、全長に渡って一定幅の溝部72a、72bが形成されている。溝部72a、72bは、一対の振動腕部7a、7bの両主面(表裏面)上において、第3方向D3に凹むとともに、基部8側から第1方向D1に沿って延在している。溝部72a、72bは、振動腕部7a、7bの基端(基部8の先端側の端部83)から、拡幅部71a、71bの手前までに形成されている。
溝部72a、72bにより、一対の振動腕部7a、7bは、それぞれ図6(c)に示すように断面H型となっている。
【0042】
図6(c)に示すように、一対の振動腕部7a、7bの外表面上(外周面)には、一対の(2系統の)励振電極91、92(第1励振電極、第2励振電極)が形成されている。このうち、励振電極91、92は、電圧が印加されたときに一対の振動腕部7a、7bを互いに接近又は離間する方向に所定の共振周波数で振動させる電極であり、電気的に切り離された状態で振動腕部7a、7b上にパターニングされて形成されている。
具体的には、一方の励振電極91が、主に一方の振動腕部7aの溝部72a内と、他方の振動腕部7bの側面上とに互いに電気的に接続された状態で形成されている。
また、他方の励振電極92が、主に他方の振動腕部7bの溝部72b内と、一方の振動腕部7aの側面上とに互いに電気的に接続された状態で形成されている。
【0043】
圧電振動片6の第1ベース基板10と対向する側の面には、図示しないが、圧電振動片6をパッケージ2に実装する際のマウント部として支持腕部9a、9bに2系統のマウント電極が形成され、この両マウント電極と電気的に接続した2系統の引回し電極が連結部81a、81bと基部8に形成されている。
そして、支持腕部9aに形成された第1系統のマウント電極が引回し電極を介して励振電極92(図6(c)参照)と接続され、支持腕部9bに形成された第2系統のマウント電極が引回し電極を介して励振電極91と接続されている。
2系統の励振電極91、92は、一対のマウント電極を介して電圧が印加されるようになっている。
【0044】
なお、励振電極91、92、マウント電極、及び引回し電極は、例えば、クロム(Cr)と金(Au)との積層膜であり、水晶と密着性の良いクロム膜を下地として成膜した後に、表面に金の薄膜を施したものである。但し、この場合に限られず、例えば、クロムとニクロム(NiCr)の積層膜の表面にさらに金の薄膜を積層しても構わないし、クロム、ニッケル、アルミニウム(Al)やチタン(Ti)等の単層膜でも構わない。
【0045】
これら励振電極91、92、マウント電極、及び、引回し電極の形成は従来と同様にして行われる。すなわち、各電極を形成する前の圧電振動片6の、溝部72a、72b内を含めた全体に電極材料を成膜する。この成膜は、電極材料の蒸着やスパッタリングによる。
そして、励振電極91、92、マウント電極、引回し電極を形成する部分を残し、それ以外の部分をフォトリソグラフにより取り除くことで、2系統の電極ラインが形成される。
【0046】
図6(b)は、図1に示すパッケージ2に圧電振動片6を実装した圧電振動子1の、第1方向D1に沿った断面図で、図6(a)のV2−V2線に沿った断面を矢印の方向に見た断面図である。但し、第1貫通電極23Bを表すため、当該部分での断面位置をずらしている。
第2ベース基板11の実装部14A、14Bの実装面(封口板4に対向する側の面)には、ほぼ全面にわたって電極パッド20A、20Bが形成されている。
一方、第1ベース基板10の外側底面には、長手方向(第1方向D1)の両端側に、短手方向(第2方向D2)に延びる外部電極21A、21Bが形成されている。
これら電極パッド20A、20B、及び外部電極21A、21Bは、例えば蒸着やスパッタ等で形成された単一金属による単層膜、または異なる金属が積層された積層膜であり、電極パッド20Aと外部電極21Aが互いに導通し、電極パッド20Bと外部電極21Bが互いに導通している。
【0047】
すなわち、図6(b)に示すように、第1ベース基板10には、外部電極21Bに導通し、第1ベース基板10を厚さ方向に貫通する第1貫通電極23Bが形成されている。さらに、第2ベース基板11の実装部14Bの略中央(図2参照)には、電極パッド20Bに導通し、実装部14Bを厚さ方向に貫通する第2貫通電極22Bが形成されている。そして、第1ベース基板10と第2ベース基板11(実装部14B)との間には、第1貫通電極23Bと第2貫通電極22Bとを接続する接続電極24Bが形成されている。
このように、電極パッド20Bと外部電極21Bとは、第2貫通電極22B、接続電極24B、及び第1貫通電極23Bを介して互いに導通している。
【0048】
一方、図6(b)に点線で示すように、第1ベース基板10には外部電極21Aに導通し、第1ベース基板10を厚さ方向に貫通する第1貫通電極23Aが形成され、第2ベース基板11の実装部14Aの略中央(図2参照)には、電極パッド20Aに導通し、実装部14Aを厚さ方向に貫通する第2貫通電極22Aが形成されている。そして、第1ベース基板10と第2ベース基板11(実装部14A)との間には、第1貫通電極23Aと第2貫通電極22Aとを接続する接続電極24Aが形成されている。
このように、電極パッド20Aと外部電極21Aとは、第2貫通電極22A、接続電極24A、及び第1貫通電極23Aを介して互いに導通している。
【0049】
本実施形態の2貫通電極22B、22Aは、実装部14B、14Aの長手方向の略中央に形成されるが、略中央に限定されるものではなく、第1接合材51b、51a、及び、第2接合材52b、52aと重ならない位置であれば、実装部14B、14Aのいずれの位置に形成するようにしてもよい。
即ち、第2貫通電極22B、22Aの形成領域と、第1接合材51b、51a、及び、第2接合材52b、52aの接合領域とが、上方(封口板)側から見た場合に重ならない、という貫通電極配置条件を満たせば、実装部14B、14Aのいずれの位置に形成するようにしてもよい。
例えば、第2貫通電極22B、22Aを、第1接合材51b、51aと第2接合材52b、52aの中央だけでなく、中央よりも基部8側に形成したり、その反対側に形成してもよい。
また、第2貫通電極22B、22Aは、第1接合材51b、51aの中心と第2接合材52b、52aの中心とを結ぶ仮想線上に形成してもよいが、仮想線上よりも圧電振動片6が重心G側や、その逆側に形成するようにしてもよい。
なお、この場合の電極パッド20B、20Aは、実装部14B、14Aの上面全体に形成されていてもよいが、第2貫通電極22B、第1接合材51b、及び、第2接合材52bを含む連続した領域、及び、第2貫通電極22A、第1接合材51a、及び、第2接合材52aを含む連続した領域に形成されていればよい。
【0050】
第2貫通電極22B、22Aについて、上記貫通電極配置条件を満たす位置に形成する理由は次の通りである。
即ち、第2貫通電極22B、22Aは、導電性の材質であり、一方、実装部14B、14Aを含むパッケージ2はセラミックで形成されるので、その周りのセラミックとは熱膨張係数等が異なり、セラミックを焼結(1000度以上)した際に、第2貫通電極22B、22Aが僅か(10μm程度)に盛り上がった状態となる可能性がある。
この第2貫通電極22B、22Aにより盛り上がった部分に、第1接合材51b、51aと第2接合材52b、52aを塗布して圧電振動片6を搭載すると、突起状の上に搭載することになり、圧電振動片6は傾きやすくなるという問題が生じる。
また第1接合材51b、51aと第2接合材52b、52aによる接合面積や、接合強度が不均一になり、圧電振動片6を固定する強度が弱くなることもあり、外部からの衝撃等で剥がれや、導電性の不具合を生じる可能性も存在する。
【0051】
さらに、貫通電極配置条件を満たさない場合には、応力による次の問題が生じ、当該問題は、仮に第2貫通電極22B、22Aによる盛り上がりが生じなかったとしても発生する問題である。
即ち、圧電振動片6は、その支持腕部9b、9aが第1接合材51b、51aと第2接合材52b、52aを介して実装部14B、14A上の電極パッド20B、20Aに接合されている。この第1接合材51b、51aと第2接合材52b、52aによる接合ヶ所には、圧電振動片6の振動腕部7b、7aの振動や、外力による応力が加わり、特にその接合部分の外周縁に集中する。
一方、圧電振動片6の支持腕部9b、9aの全体に接合材が配設される場合には接合面積が大きくなるが、本実施形態のように支持腕部9b、9aの長さ方向に互いに離れた2箇所に第1接合材51b、51aと第2接合材52b、52aが配設されることで接合面積が小さくなる。
特に、小型化の要請が高い圧電振動子1では、第1接合材51b、51aと第2接合材52b、52aの接合面積も極めて小さいのが現状である。例えば、上述した1.2mm×1.0mmサイズの圧電振動子1の場合、半径0.1mm程度に塗布され、接合面積は極めて小さい。
このように、互いに離れた2ヶ所で接合する場合の接合面積が小さくなることにより、当該接合ヶ所に集中する応力は大きくなる。そして、第1接合材51b、51aと第2接合材52b、52aの接合部分に集中する振動や外力による応力が、第2貫通電極22B、22Aと電極パット20B、20Aの接合部にも加わることで、電極パット20B、20Aが第2貫通電極22B、22Aから剥がれてしまう可能性がある。
【0052】
以上の理由から、第2貫通電極22B、22Aの盛り上がりや、第1接合材51b、51aと第2接合材52b、52aに集中する応力の影響を避けるために、本実施形態の第2貫通電極22B、22Aは、上記貫通電極配置条件を満たす位置に形成している。
【0053】
なお、両接続電極24A、24Bは、第1貫通電極23A、23Bと、第2貫通電極22A、22Bを直線的に接続させる形状ではなく、キャビティC内での露出を避けるため、第2ベース基板11と第1ベース基板10とが当接する領域に沿って形成されている。
【0054】
圧電振動片6は、一対の支持腕部9a、9bにより実装部14A、14B上に実装された状態で、気密封止されたパッケージ2のキャビティC内に収容されている。
すなわち、図6(a)、(b)に示すように、圧電振動片6は、支持腕部9a、9bに設けられた各マウント電極が、実装部14A、14B上の電極パッド20A、20B(上面にメタライズ層が形成されている場合は該メタライズ層)にそれぞれ第1接合材51a、51b、第2接合材52a、52bを介して電気的および機械的に接合されている。
このように、本実施形態の圧電振動片6は、支持腕部9a、9bのそれぞれが、その長さ方向(第1方向D1)の2箇所で実装部14A、14B上に接合保持(2点支持)される。
【0055】
第1接合材51a、51b、第2接合材52a、52bは、導電性を有し、かつ接合初期の段階において流動性を持ち、接合後期の段階において固化して接合強度を発現する性質を有するものが使用され、例えば、銀ペースト等の導電性接着剤や、金属バンプ等の使用が好適である。
第1接合材51a、51b、第2接合材52a、52bが導電性接着剤により構成されている場合、塗布装置の移動ヘッドに支持されたディスペンサノズルにより塗布される。
本実施形態では、各接合材のサイズは圧電振動子1のサイズによるが、例えば、1.2mm×1.0mmサイズの圧電振動子1の場合、半径0.1mm程度に塗布される。
【0056】
次に、支持腕部9を実装部14上に固定保持する、第1接合材51と第2接合材52の配設関係について説明する。
なお、以下の説明では、支持腕部9を接合している、第1接合材51と第2接合材52の中心をそれぞれ接合箇所51、52として説明する。
両支持腕部9は、上述したように圧電振動片6の全長の2/3以上に形成され、その長手方向の2箇所以上、好ましくは2箇所、すなわち、基部8側の接合箇所51と、先端側の接合箇所52で接続されている。
そして、支持腕部9に対し、その長手方向の先端部に第2接合材52が配設される。一方、第1接合材51は、その接合箇所51が圧電振動片6の重心Gよりも基部8側となるように配設される。これにより、重心Gが両接合箇所51、52の間に存在することになる。
このように、基部8側の接合箇所51を重心Gよりも基部8側とすることで、当該接合箇所51から基部8を通り振動腕部7の先端に至るまでの全長を短くすることができ、その結果、外部からの衝撃に対して振動腕部7先端での変位量を少なくすることができる。
その一方で振動腕部7からの振動漏れを抑制するために、その長手方向において、基部8側の接合箇所51を、基部8と支持腕部9の連結部81よりも重心G側にしている。
【0057】
また、接合箇所を2箇所以上とすることで、1箇所の場合に比べ、圧電振動片6の接合強度(接着強度)が増すと共に、固化前の導電性接着剤上に圧電振動片6を載置した際の傾きを大幅に軽減することができる。また、導電性接着材を支持腕部9全体に使用する場合に比べて、接着剤の使用量が減り、キャビティ内でのガス発生をより抑えることが可能になる。
なお、圧電振動片6を載置した際のバランスを向上させると共に、ガスの発生をより少なくするため、接合箇所は2箇所であることが好ましい。
また、接合箇所は必ずしも2箇所である必要はなく、1箇所であっても、3箇所以上であってもよい。例えば、少なくとも一方の支持腕部9は、短手方向の重心Gを通る線上の接合箇所で接続されてもよい。また、支持腕部9が重心Gに対して基部側より先端側が長い場合、例えば、支持腕部9は重心Gよりも先端側に2箇所以上の接合箇所で接合されてもよい。
【0058】
さらに、本実施形態では、支持腕部9の両接合箇所51、52の間隔を広くしている。例えば、圧電振動片6の全長に対して、接合箇所51、52を基部8側から1/3付近と、2/3付近とし、両接合箇所51、52の間隔を全長の約1/3としている。そして、両接合箇所51、52の間隔を、圧電振動片6の全長に対して45%〜35%の範囲とし、全長の1/3よりもわずかに大きくすることが好ましい。
すなわち、圧電振動片6の基部8側の端部から接合箇所51までの距離をa1、接合箇所51と接合箇所52間の距離をa2、接合箇所52から振動腕部7の先端までの距離をa3とし、圧電振動片6の全長をa0(=a1+a2+a3)とした場合、a2がa0の45%〜35%の範囲とすることが好ましい。更に、a1<a3<a2とすることが好ましい。
このように、両接合箇所51、52の間隔a2を全長a0の1/3よりも広く(45%〜35%)することにより、外部からの衝撃や、振動腕部7の振動に対して、両接合箇所間の支持腕部9が僅かに撓むことで吸収、分散することで、外部からの影響や、外部への影響を抑えることが可能になる。またa1<a2とすることで、接合箇所51から基部8を通り振動腕部7の先端に至るまでの全長をより短くし、外力に対する先端の変位量を小さくすることができる。
ここで、用語「付近」「約」は、第1接合材51、第2接合材52の接合対象である、支持腕部9の幅zにより規定される範囲をいうものとする。
すなわち、「1/3付近」は、(1/3)−(z/2)≦1/3付近≦(1/3)−(z/2)の範囲をいう。また、「2/3付近」は、(2/3)−(z/2)≦2/3付近≦(2/3)−(z/2)の範囲をいう。
例えば、接合箇所51(第1接合材51の中心)が、(1/3)−(z/2)〜(1/3)−(z/2)の範囲にあればよい。
従って、「両接合箇所51、52の間隔」である、全長の約1/3は、(1/3)−z≦約1/3≦(1/3)+zの範囲である。
【0059】
このように構成された圧電振動子1を作動させる場合には、外部電極21A、21Bに所定の電圧を印加する。外部電極21A、21Bに所定の電圧が印加されると、2系統の励振電極91、92に電流が流れ、2系統の励振電極91、92間に発生する電界による逆圧電効果によって、一対の振動腕部7a、7bは、例えば互いに接近、離間する方向(第2方向D2)に所定の共振周波数で振動する。一対の振動腕部7a、7bの振動は、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源などとして用いられる。
【0060】
以上説明した圧電振動子1は、電波時計、携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号等のタイミング源、リファレンス信号源等として、また、ジャイロセンサなどの計測機器等として使用される。
【0061】
本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態においては、圧電振動片を用いた圧電振動子として、セラミックパッケージタイプの表面実装型振動子について説明したが、圧電振動片を、ガラス材によって形成されるベース基板およびリッド基板が陽極接合によって接合されるガラスパッケージタイプの圧電振動子に適用することも可能である。
また、説明した実施形態の電極パッド20は、実装部14のほぼ全面に形成されているが、第1接合材51、第2接合材52の少なくとも一方に対応する領域に形成されていればよい。この場合、第2貫通電極22(図6(c)参照)は、実装部14の、電極パッド20に対応した個所に形成される。
【符号の説明】
【0062】
1…圧電振動子、2…パッケージ、3…パッケージ本体、4…封口板、6…圧電振動片、7…振動腕部、8…基部、9…支持腕部、10…第1ベース基板、11…第2ベース基板、14…実装部、20…電極パッド、21…外部電極、22…第2貫通電極、23…第1貫通電極、24…接続電極、51…第1接合材、52…第2接合材、72…溝部、a…平行面、b…側面、c…第3面c
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7