(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第一の対象に対応する第一発信装置と他の対象に対応する第二発信装置とのそれぞれから発信される信号の受信状態の情報を取得し、その受信状態に基づいて、前記他の対象が前記第一の対象と有意なコミュニケーションを行ったコミュニケーション対象であるかを判定し、前記第一の対象の識別に用いる情報と当該第一の対象と有意なコミュニケーションを行った前記他の対象の識別に用いる情報とを含むコミュニケーション対象情報を生成するコミュニケーション対象情報生成部と、
前記第一の対象との間で前記コミュニケーション対象の候補となる前記他の対象を特定するコミュニケーション対象候補特定部と、を備え、
前記コミュニケーション対象候補特定部は、複数の前記他の対象に対応する複数の第二発信装置のそれぞれから発信される信号を、受信部を介して取得し、前記複数の第二発信装置の何れかより受信した信号に基づいて取得した識別情報がコミュニケーションを行う場所ではないことを示す識別情報であると判定した場合には、その識別情報を特定した信号の発信元の第二発信装置に対応する対象を、前記コミュニケーション対象から除外し、
前記コミュニケーション対象情報生成部は、除外された対象以外の前記他の対象が前記第一の対象と有意なコミュニケーションを行ったかを判定する
コミュニケーション状態判定装置。
前記第一の対象に対応する前記第一発信装置と当該第一の対象と有意なコミュニケーションを行った前記他の対象に対応する前記第二発信装置との相関を示すソーシャルグラフを生成して出力するソーシャルグラフ出力部と、
を備える請求項1から請求項4の何れか一項に記載のコミュニケーション状態判定装置。
前記第一発信装置は前記第一の対象の近傍に位置するよう保たれて移動する装置であり、前記第二発信装置は前記他の対象の近傍に位置するように保たれて移動する装置である
請求項1から請求項8の何れか一項に記載のコミュニケーション状態判定装置。
第一の対象に対応する第一発信装置と他の対象に対応する第二発信装置とのそれぞれから発信される信号の受信状態の情報を取得し、その受信状態に基づいて、前記他の対象が前記第一の対象と有意なコミュニケーションを行ったコミュニケーション対象であるかを判定し、前記第一の対象の識別に用いる情報と当該第一の対象と有意なコミュニケーションを行った前記他の対象の識別に用いる情報とを含むコミュニケーション対象情報を生成するコミュニケーション対象情報生成ステップと、
前記第一の対象との間で前記コミュニケーション対象の候補となる前記他の対象を特定するコミュニケーション対象候補特定ステップと、を有し、
前記コミュニケーション対象候補特定ステップにおいて、複数の前記他の対象に対応する複数の第二発信装置のそれぞれから発信される信号を、受信部を介して取得し、前記複数の第二発信装置の何れかより受信した信号に基づいて取得した識別情報がコミュニケーションを行う場所ではないことを示す識別情報であると判定した場合には、その識別情報を特定した信号の発信元の第二発信装置に対応する対象を、前記コミュニケーション対象から除外し、
前記コミュニケーション対象情報生成ステップにおいて、除外された対象以外の前記他の対象が前記第一の対象と有意なコミュニケーションを行ったかを判定する
コミュニケーション状態判定方法。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態によるコミュニケーション状態判定装置を図面を参照して説明する。
図1は同実施形態によるコミュニケーション状態判定装置を含むコミュニケーション状態判定システムの概要を示す第一の図である。
この図において、A,B,Cはそれぞれユーザを示している。ユーザAは携帯端末1Aと携帯発信装置2Aとを保持する。ユーザBは携帯端末1Bと携帯発信装置2Bとを保持する。ユーザCは携帯端末1Cと携帯発信装置2Cとを保持する。携帯端末1A、1B、1Cはそれぞれコミュニケーション状態判定装置の機能を有している。つまり、携帯端末1A、1B、1Cそれぞれをコミュニケーション状態判定装置と呼んでよい。携帯発信装置2A、2B、2Cは小型で各ユーザが携帯できるビーコン信号を発信する装置である。ユーザA、ユーザB、ユーザCは例えば同一会社内の社員である。ユーザAとユーザBは離席中であり接近しているものとする。ユーザCは自身の席で仕事をしているものとする。ユーザCの席には座席発信装置3Cが設定等されている。なお携帯端末1A、1B、1Cを総称して携帯端末1と呼ぶ。携帯発信装置2A、2B、2Cを総称して携帯発信装置2と呼ぶ。携帯端末1は、携帯発信装置2から発信されたビーコン信号を受信できる機能を有している。
【0022】
図1で示す例では、ユーザAとユーザBとが接近していることにより、携帯端末1Aは携帯発信装置2Bから発信されたビーコン信号を受信できる位置(携帯発信装置2Bの発信するビーコン信号の電波範囲2B−R内)に存在する。携帯端末1Aは携帯発信装置2Aの発信するビーコン信号も受信する。
またユーザAとユーザBとが接近していることにより、携帯端末1Bは携帯発信装置2Aから発信されたビーコン信号を受信できる位置(携帯発信装置2Aの発信するビーコン信号の電波範囲2A−R内)に存在する。携帯端末1Bは携帯発信装置2Bの発信するビーコン信号も受信する。
他方ユーザCはユーザAとユーザBの位置から比較的離れた位置の自席で作業をしている。よって携帯端末1Cは携帯発信装置2Aから発信されたビーコン信号を受信できる位置(携帯発信装置2Aの発信するビーコン信号の電波範囲2A−R内)や、携帯発信装置2Bから発信されたビーコン信号を受信できる位置(携帯発信装置2Bの発信するビーコン信号の電波範囲2B−R内)に存在しない。携帯端末1Cは携帯発信装置2Cや座席発信装置3Cの発信するビーコン信号は受信する。携帯端末1Aと携帯端末1Bは、携帯発信装置2Cや座席発信装置3Cから発信されたビーコン信号を受信できる位置(携帯発信装置2Cや座席発信装置3Cの発信するビーコン信号の電波範囲2C−R内や3C−R内)に存在しない。
【0023】
携帯端末1A、1B、1Cのそれぞれは、自端末を保持するユーザが自端末と共に保持する携帯発信装置2からのビーコン信号と、他のユーザの保持する携帯発信装置2等から発信されたビーコン信号の受信状態の情報を取得する。そして携帯端末1A、1B、1Cのそれぞれは、受信した各ビーコン信号の受信状態の情報に基づいて、他の端末を保持するユーザが自端末を保持するユーザと有意なコミュニケーションを行ったコミュニケーション対象であるかを判定する。携帯端末1A、1B、1Cは、自端末を保持するユーザまたは当該ユーザの保持する携帯端末や携帯発信装置を識別に用いる情報と、自端末を保持するユーザと有意なコミュニケーションを行った他のユーザまたは当該他のユーザの保持する携帯端末や携帯発信装置を識別に用いる情報とを含むコミュニケーション対象情報を生成する。携帯端末1A、1B、1Cは、複数のビーコン信号の受信状態に基づいて、他の端末を保持するユーザが自端末を保持するユーザと有意なコミュニケーションを行ったコミュニケーション対象であるかを判定する。受信状態とは、受信継続期間や、受信強度である。有意なコミュニケーションとは、一例としてはユーザ同士が近接して会話をしている状態である。携帯端末1は、ユーザ同士が有意なコミュニケーションを行ったことを判定することにより、そのユーザ同士の関係が強いこと、またはユーザ同士の関係が強まったことを検出できる。なお携帯端末1A、1B、1Cのそれぞれは、自端末を保持するユーザが自端末と共に保持する携帯発信装置2からのビーコン信号は基本的には受信できる位置にある。
【0024】
図2は同実施形態によるコミュニケーション状態判定装置を含むコミュニケーション状態判定システムの概要を示す第二の図である。
図2で示す例は、ユーザCの位置が、接近して有意なコミュニケーション状態にあるユーザAとユーザBの位置に近い位置の自席で作業しているという点で、
図1で示す例と異なっている。
【0025】
図2で示す例では、
図1で示す例と同様に、ユーザAとユーザBとが接近していることにより、携帯端末1Aは携帯発信装置2Bから発信されたビーコン信号を受信できる位置(携帯発信装置2Bの発信するビーコン信号の電波範囲2B−R内)に存在する。さらに
図2で示す例では、ユーザAとユーザBから近い位置にユーザCが自席に着席していることにより、携帯端末1Aは携帯発信装置2Cから発信されたビーコン信号を受信できる位置(携帯発信装置2Cの発信するビーコン信号の電波範囲2C−R内)に存在する。さらに携帯端末1Aは座席発信装置3Cから発信されたビーコン信号を受信できる位置(座席発信装置3Cの発信するビーコン信号の電波範囲3C−R内)に存在する。携帯端末1Aは携帯発信装置2Aの発信するビーコン信号も受信する。
【0026】
またユーザAとユーザBとが接近していることにより、
図1で示す例と同様に、携帯端末1Bは携帯発信装置2Aから発信されたビーコン信号を受信できる位置(携帯発信装置2Aの発信するビーコン信号の電波範囲2A−R内)に存在する。さらに
図2で示す例では、ユーザAとユーザBから近い位置にユーザCが自席に着席していることにより、携帯端末1Bは携帯発信装置2Cから発信されたビーコン信号を受信できる位置(携帯発信装置2Cの発信するビーコン信号の電波範囲2C−R内)に存在する。さらに携帯端末1Bは座席発信装置3Cから発信されたビーコン信号を受信できる位置(座席発信装置3Cの発信するビーコン信号の電波範囲3C−R内)に存在する。携帯端末1Bは携帯発信装置2Bの発信するビーコン信号も受信する。
【0027】
ユーザCはユーザAとユーザBの位置に近い位置の自席で作業をしている。よって携帯端末1Cは携帯発信装置2Aから発信されたビーコン信号を受信できる位置(携帯発信装置2Aの発信するビーコン信号の電波範囲2A−R内)に存在する。また携帯端末1Cは携帯発信装置2Bから発信されたビーコン信号を受信できる位置(携帯発信装置2Bの発信するビーコン信号の電波範囲2B−R内)に存在する。携帯端末1Cは携帯発信装置2Cや座席発信装置3Cの発信するビーコン信号も受信する。
【0028】
携帯端末1A、1B、1Cのそれぞれは、取得した各ビーコン信号の受信状態の情報に基づいて、他の端末を保持するユーザが自端末を保持するユーザと有意なコミュニケーションを行ったコミュニケーション対象であるかを判定する。携帯端末1A、1B、1Cのそれぞれは、他ユーザの保持する携帯発信装置2から発信されたビーコン信号を所定時間以上受信している場合に、他の端末を保持するユーザが自端末を保持するユーザと有意なコミュニケーションを行ったと判定する。一方で、携帯端末1A、1B、1Cのそれぞれは、コミュニケーションを行う場所ではないことを示すビーコン信号を受信した場合には、そのビーコン信号の発信装置に対応するユーザは有意なコミュニケーション状態にないと判定する。つまり携帯端末1A、1B、1Cのそれぞれは、コミュニケーションを行う場所ではないことを示すビーコン信号を受信した場合には、そのビーコン信号の発信装置に対応するユーザを自端末を保持するユーザと有意なコミュニケーションを行ったユーザでないと判定して、コミュニケーション対象から除外する。
【0029】
図2で示す例では、ユーザA、B、Cが近接しているが、ユーザCは座席に着席しており会話に参加していない可能性もある。したがって、ユーザA、B、CのうちユーザCをコミュニケーション対象から除外することが好ましい。携帯端末1A、1Bは、座席発信装置3Cから発信されたビーコン信号に基づいて、ビーコン信号を発信した装置の識別情報を検知する。携帯端末1A、1Bは検知したビーコン信号の識別情報がコミュニケーションを行う場所ではないことを示す識別情報であると判定した場合、その識別情報を特定したビーコン信号の発信元の座席発信装置3Cに対応するユーザCを、コミュニケーション対象から除外する。携帯端末1A、携帯端末1Bは、当該除外したユーザC以外のユーザAとユーザBとがそれぞれ有意なコミュニケーション対象であると判定する。
【0030】
図3はコミュニケーション状態判定システムの構成を示す図である。
この図で示すようにコミュニケーション状態判定装置である各携帯端末1は、無線通信ネットワークを介してサーバ装置10(コンピュータサーバ)と通信接続される。各携帯端末1とサーバ装置10とによりコミュニケーション状態判定システム100が構成される。サーバ装置10は携帯端末1におけるコミュニケーション状態の判定結果を示すコミュニケーション対象情報を取得する。サーバ装置10は取得したコミュニケーション対象情報をデータベース等に登録する。またサーバ装置10はデータベースに登録したコミュニケーション対象情報を用いて画像情報などを生成して携帯端末1に配信する。携帯端末1はサーバ装置10から配信された画像情報を表示する。サーバ装置10はコミュニケーション対象情報を用いて様々なサービスをユーザに提供する装置であってよい。
【0031】
図4は本実施形態による携帯端末の機能ブロック図である。
携帯端末1はコンピュータである。携帯端末1にはコミュニケーション状態判定プログラムが格納されている。携帯端末1のCPUはユーザの操作に基づいて、コミュニケーション状態判定プログラムを実行する。コミュニケーション状態判定プログラムの実行により、携帯端末1には通信部11、コミュニケーション対象候補特定部12、コミュニケーション対象情報生成部13の各機能が備わる。携帯端末1はさらに記憶部14を備える。
通信部11はコミュニケーション状態判定処理の過程においてサーバ装置10と通信を行う。
コミュニケーション対象候補特定部12は、携帯発信装置2や座席発信装置3などの発信装置から発信されたビーコン信号に基づいてコミュニケーション対象の候補を特定する。
コミュニケーション対象情報生成部13は、コミュニケーション対象に含まれる複数のユーザについて有意なコミュニケーションを行っているユーザ同士を判定して、コミュニケーション対象情報を生成する。
記憶部14は処理に必要な各種情報を記憶する。
【0032】
図5は携帯端末1やサーバ装置10のハードウェア構成を示す図である。
携帯端末1やサーバ装置10は
図5で示すように、CPU(Central Processing Unit)51、IF(Interface)52、通信モジュール53、ROM(Read Only Memory)54、RAM(Random Access Memory)55、HDD(Hard Disk Drive)56などの構成を備えたコンピュータである。
【0033】
図6はコミュニケーション状態判定システムの処理フローを示す第一の図である。
次にコミュニケーション状態判定システム100の処理フローについて説明する。
ユーザは携帯端末1を操作してアプリケーションの起動操作を行う。すると携帯端末1のCPUはコミュニケーション状態判定プログラムを実行する。これにより、携帯端末1の内部に通信部11、コミュニケーション対象候補特定部12、コミュニケーション対象情報生成部13の各機能が構成される。
【0034】
コミュニケーション対象情報生成部13は、ビーコン信号の受信を待機する(ステップS101)。携帯発信装置2や座席発信装置3から発信されるビーコン信号は、例えばBluetooth(登録商標)の技術を用いて発信される信号である。携帯端末1に備わるBluetooth(登録商標)受信機がビーコン信号を受信すると、その信号の情報をコミュニケーション対象情報生成部13が取得する。コミュニケーション対象情報生成部13はビーコン信号の情報に含まれる発信装置の識別情報と種別情報を取得する(ステップS102)。またコミュニケーション対象情報生成部13はビーコン信号の受信強度を携帯端末1のBluetooth(登録商標)受信機から取得する(ステップS103)。コミュニケーション対象情報生成部13は、少なくとも発信装置の識別情報と、種別情報と、受信強度と、受信時刻を対応付けたビーコン信号受信テーブルを生成して、記憶部14に登録する(ステップS104)。
【0035】
図7はビーコン信号受信テーブルを示す図である。
この図が示すように、記憶部14の記憶するビーコン信号受信テーブルは、少なくとも携帯発信装置2や座席発信装置のID(識別情報)、種別情報、受信強度、受信時刻を対応付けて保持する。
図7で示すビーコン信号受信テーブルは、ユーザAとユーザBとが接近している
図1の例において、ユーザAが保持する携帯端末1Aが作成したテーブルの例である。携帯端末1Aは、ユーザBの保持している携帯発信装置2B(第二の発信装置)の発信するビーコン信号を受信できる位置に存在する。したがって携帯端末1Aは携帯発信装置2Bの発信するビーコン信号を受信し、そのビーコン信号に基づいて
図7で示すビーコン信号受信テーブルを生成して、記憶部14に登録する。携帯端末1Aは、ユーザAの保持する携帯発信装置2A(第一の発信装置)の発信するビーコン信号も受信しているため、携帯発信装置2Aの発信するビーコン信号の受信に基づいて、発信装置の識別情報として2Aを保持するビーコン信号受信テーブルも生成してよい。なお携帯発信装置2や座席発信装置3(第二の発信装置)それぞれからのビーコン信号の受信に基づいて、各発信装置に対応するビーコン信号受信テーブルを作成してもよいし、各発信装置からのビーコン信号に基づく情報を一つのビーコン信号テーブルに纏めて当該テーブルを生成してもよい。携帯端末1Aは、ユーザAの保持する携帯発信装置2A(第一の発信装置)の発信するビーコン信号が受信できない場合には
図6で示す処理を停止するようにしてもよい。
【0036】
コミュニケーション状態判定プログラムの実行後、コミュニケーション対象候補特定部12はコミュニケーション対象の候補を特定する処理を開始する(ステップS105)。具体的には、コミュニケーション対象候補特定部12は、ビーコン信号受信テーブルの中に座席発信装置3を示す識別情報が含まれるかを判定する。コミュニケーション対象候補特定部12は、ビーコン信号受信テーブルの中に座席発信装置3を示す識別情報が含まれると判定すると、その座席発信装置3に対応する携帯発信装置2を特定する。座席発信装置3に対応する携帯発信装置2の特定は、携帯端末1が、事前に座席発信装置3の識別情報に対応する携帯発信装置2の識別情報の対応表を記憶部14に記憶しており、その対応関係に基づいて座席発信装置3に対応する携帯発信装置2の特定を行ってよい。または携帯端末1は、サーバ装置10に座席発信装置3の識別情報を送信し、当該座席発信装置3に対応する携帯発信装置2の識別情報をサーバ装置10から受信してもよい。座席発信装置3に対応する携帯発信装置2の関係とは、
図1や
図2で示したユーザの座席に設置されている、または置かれている座席発信装置3と、そのユーザが保持している携帯発信装置2の関係を意味する。コミュニケーション対象候補特定部12は、受信したビーコン信号が示す携帯発信装置2のIDの一覧であって、その携帯発信装置2の中から、座席発信装置3に対応する携帯発信装置2のIDを除外した、コミュニケーション対象候補情報を生成する(ステップS106)。コミュニケーション対象候補特定部12はコミュニケーション対象候補情報を、コミュニケーション対象情報生成部13へ出力する。
【0037】
コミュニケーション対象情報生成部13は、記憶部14からビーコン信号受信テーブルを取得する。当該ビーコン信号受信テーブルはコミュニケーション状態判定プログラムの実行後に生成された記憶部14に登録された情報である。コミュニケーション対象情報生成部13は、コミュニケーション対象候補情報に含まれる携帯発信装置2のうち、ビーコン信号受信テーブルから一定の受信継続期間、ビーコン信号を繰り返して受信している携帯発信装置2を特定する。またコミュニケーション対象情報生成部13は、ビーコン信号受信テーブルに基づいて、コミュニケーション対象候補情報に含まれる携帯発信装置2のうち、一定の受信継続期間、ビーコン信号を繰り返し受信する携帯発信装置2の受信強度が、その期間、所定強度以上であったかを判定する。コミュニケーション対象情報生成部13は、コミュニケーション対象候補情報に含まれる携帯発信装置2のうち、一定の受信継続期間、ビーコン信号を受信し続け、かつその期間、所定強度以上の受信強度であった携帯発信装置2を特定する。そしてコミュニケーション対象情報生成部13は、特定した携帯発信装置2のIDなどを纏めたコミュニケーション対象情報を生成する(ステップS107)。
【0038】
生成されるコミュニケーション対象情報は、携帯端末1AのIDと、携帯端末1Aが一定の受信継続期間かつ所定強度以上で繰り返し受信したビーコン信号の発信元の他の携帯発信装置2のIDとの対応関係と、当該所定強度と、その所定強度以上のビーコン信号を受信した受信継続期間などが含まれてよい。携帯端末1Aが複数の他の携帯発信装置2から発信されたビーコン信号を所定の受信継続期間以上、所定強度以上で受信している場合には、コミュニケーション対象情報には、他の携帯発信装置2のID、受信期間、各受信における受信強度の組み合わせが複数含まれる。コミュニケーション対象情報生成部13は、他の携帯発信装置2の受信強度の平均値に基づいて、他の携帯発信装置2までの平均距離を算出し、その平均距離の情報を当該他の携帯発信装置2の識別情報に対応付けてコミュニケーション対象情報に含めてよい。なおコミュニケーション対象情報生成部13は、自装置である携帯端末1Aと対でユーザAに保持される携帯発信装置2Aの情報を予め記憶しており、当該携帯発信装置2Aの識別情報は、コミュニケーション対象から削除する処理を行うようにしてよい。
【0039】
コミュニケーション対象情報生成部13は生成したコミュニケーション対象情報をサーバ装置10へ送信するよう通信部11へ指示する。通信部11はコミュニケーション対象情報をサーバ装置10へ送信する(ステップS108)。サーバ装置10はコミュニケーション対象情報を受信する。サーバ装置10はコミュニケーション対象情報を、自装置に備わるデータベースに、携帯端末1Aの識別情報に対応付けて登録する(ステップS109)。
【0040】
サーバ装置10は、コミュニケーション対象情報を用いてサービスの提供を行う。この時、サーバ装置10はコミュニケーション対象情報を用いて画像情報を生成する(ステップS110)。サーバ装置10は、画像情報の生成に用いたコミュニケーション対象情報の送信元の携帯端末1を特定する。サーバ装置10は特定した携帯端末1へ生成した画像情報を送信する(ステップS111)。携帯端末1は画像情報を受信し、自端末の画面に出力する(ステップS112)。画像情報は、例えば携帯端末1の生成したコミュニケーション対象情報に含まれる他の携帯発信装置2を保持するユーザの一覧などであってよい。
サーバ装置10は、コミュニケーション状態判定システム100に含まれる携帯端末1からコミュニケーション対象情報を受信して、同様の処理を繰り返す。またサーバ装置10は、各携帯端末1から定期的に繰り返しコミュニケーション対象情報を受信して、同様の処理を繰り返す。
【0041】
図8はコミュニケーション状態判定システム100の処理フローを示す第二の図である。
図6を用いて説明した処理フローにおいて、携帯端末1で行っている一部の処理をサーバで行わせるようにしてもよい。
例えば、携帯端末1においてコミュニケーション対象情報を生成する。このコミュニケーション対象情報には座席発信装置3に対応する携帯発信装置2の識別情報が含まれていてよい。そしてサーバ装置10が、携帯端末1より受信したコミュニケーション対象情報の中から、座席発信装置3に対応する携帯発信装置2の識別情報を除外する処理を上述の携帯端末1の処理の代わりに行うようにしてもよい。
【0042】
この場合、
図8に示すように、ステップS201〜ステップS204の処理までは、
図6で示したステップS101〜ステップS104までの処理と同様である。つまり、コミュニケーション対象情報生成部13は、ビーコン信号の受信を待機する(ステップS201)。携帯端末1に備わるBluetooth(登録商標)受信機がビーコン信号を受信すると、その信号の情報をコミュニケーション対象情報生成部13が取得する。コミュニケーション対象情報生成部13はビーコン信号の情報に含まれる発信装置のIDと種別情報を取得する(ステップS202)。またコミュニケーション対象情報生成部13はビーコン信号の受信強度を携帯端末1のBluetooth(登録商標)受信機から取得する(ステップS203)。コミュニケーション対象情報生成部13は、少なくとも携帯発信装置2や座席発信装置3のIDと、種別情報と、受信強度と、受信時刻を対応付けたビーコン信号受信テーブルを生成して、記憶部14に登録する(ステップS204)。
【0043】
次にコミュニケーション対象候補特定部12が、ビーコン信号受信テーブルに基づいて、携帯発信装置2や座席発信装置3の識別情報の一覧を示すコミュニケーション対象候補情報を生成する(ステップS205)。コミュニケーション対象候補特定部12はコミュニケーション対象候補情報を、コミュニケーション対象情報生成部13へ出力する。
【0044】
コミュニケーション対象情報生成部13は、記憶部14からビーコン信号受信テーブルを取得する。当該ビーコン信号受信テーブルはコミュニケーション状態判定プログラムの実行後に生成された記憶部14に登録された情報である。コミュニケーション対象情報生成部13は、コミュニケーション対象候補情報に含まれる携帯発信装置2や座席発信装置3のうち、ビーコン信号受信テーブルから一定の受信継続期間、ビーコン信号を受信し続けていると判定できる携帯発信装置2や座席発信装置3を特定する。またコミュニケーション対象情報生成部13は、ビーコン信号受信テーブルに基づいて、コミュニケーション対象候補情報に含まれる携帯発信装置2や座席発信装置3のうち、一定の受信継続期間、ビーコン信号を繰り返し受信し続けている携帯発信装置2や座席発信装置3の受信強度が、その期間、所定強度以上であったかを判定する。コミュニケーション対象情報生成部13は、コミュニケーション対象候補情報に含まれる携帯発信装置2や座席発信装置3のうち、一定の受信継続期間、ビーコン信号を繰り返し受信し続け、かつその期間、所定強度以上の受信強度であった携帯発信装置2や座席発信装置3を特定する。そしてコミュニケーション対象情報生成部13は、特定した携帯発信装置2や座席発信装置3のIDなどを纏めたコミュニケーション対象情報を生成する(ステップS206)。
【0045】
生成されるコミュニケーション対象情報は、携帯端末1AのIDと、携帯端末1Aが一定の受信継続期間かつ所定強度以上で受信したビーコン信号の発信元の他の携帯発信装置2や座席発信装置3のIDとの対応関係を保持する。またそのコミュニケーション対象情報には、携帯発信装置2や座席発信装置3から受信したビーコン信号の受信強度と、そのビーコン信号を受信した期間であってよい。コミュニケーション対象情報生成部13は、他の携帯発信装置2の受信強度の平均値に基づいて、他の携帯発信装置2や座席発信装置3までの各平均距離を算出し、その各平均距離の情報を当該他の携帯発信装置2や座席発信装置3のIDに対応付けてコミュニケーション対象情報に含めてよい。なおコミュニケーション対象情報生成部13は、自装置である携帯端末1Aと対でユーザAに保持される携帯発信装置2Aの情報を予め記憶し、その情報に基づいて、当該携帯発信装置2AのIDをコミュニケーション対象から削除する処理を行うようにしてよい。
【0046】
コミュニケーション対象情報生成部13は生成したコミュニケーション対象情報をサーバ装置10へ送信するよう通信部11へ指示する。通信部11はコミュニケーション対象情報をサーバ装置10へ送信する(ステップS207)。サーバ装置10はコミュニケーション対象情報を受信する。サーバ装置10はコミュニケーション対象情報を、自装置に備わるデータベースに、携帯端末1Aの識別情報に対応付けて登録する(ステップS208)。
【0047】
ここでサーバ装置10は、携帯端末1に備わるコミュニケーション対象候補特定部12と同様の処理を行う。サーバ装置10は、コミュニケーション対象情報を用いてサービスの提供を行う。この時サーバ装置10は、受信したコミュニケーション対象情報の中から、座席発信装置3に対応する携帯発信装置2のIDを削除する処理を行う。具体的には、サーバ装置10は、受信したコミュニケーション対象情報の中に座席発信装置3のIDが含まれるかを判定する。サーバ装置10は、コミュニケーション対象情報の中に座席発信装置3のIDが含まれると判定すると、その座席発信装置3に対応する携帯発信装置2を特定する。座席発信装置3に対応する携帯発信装置2の特定は、サーバ装置10が、事前に座席発信装置3のIDに対応する携帯発信装置2のIDの対応表を記憶部に記憶しており、その対応関係に基づいて座席発信装置3に対応する携帯発信装置2の特定を行ってよい。サーバ装置10は、受信したコミュニケーション対象情報において、その情報が示す携帯発信装置2のIDの一覧の中から、座席発信装置3に対応する携帯発信装置2のIDを削除する処理を行う(ステップS209)。
【0048】
サーバ装置10は、ステップS209の処理によって座席発信装置3に対応する携帯発信装置2の識別情報が削除されたコミュニケーション対象情報を用い、画像情報を生成する(ステップS210)。サーバ装置10は、画像情報の生成に用いたコミュニケーション対象情報の送信元の携帯端末1を特定する。サーバ装置10は特定した携帯端末1へ生成した画像情報を送信する(ステップS211)。携帯端末1は画像情報を受信し、自端末の画面に出力する(ステップS212)。画像情報は、例えば携帯端末1の生成したコミュニケーション対象情報に含まれる他の携帯発信装置2を保持するユーザの一覧などであってよい。
なおサーバ装置10は、コミュニケーション状態判定システム100に含まれる携帯端末1からコミュニケーション対象情報を受信して、同様の処理を繰り返す。またサーバ装置10は、各携帯端末1から定期的に繰り返しコミュニケーション対象情報を受信して、同様の処理を繰り返す。
【0049】
上述のステップS201〜S212の処理では、サーバ装置10が、携帯端末1より受信したコミュニケーション対象情報の中から、座席発信装置3に対応する携帯発信装置2の識別情報を除外する処理を上述の携帯端末1の処理の代わりに行っている。サーバ装置10はさらに携帯端末1で行う処理を代わりに行うようにしてもよい。例えば、上記のステップS204のビーコン信号受信テーブルの登録を、サーバ装置10のデータベース24に行い、サーバ装置10が、コミュニケーション対象候補情報を生成するようにしてもよい。
【0050】
上述の処理によれば、携帯端末1は、自端末を保持するユーザ(第一の対象)が自端末と共に保持する携帯発信装置2からのビーコン信号と、他のユーザ(他の対象)の保持する携帯発信装置2や座席発信装置3から発信されたビーコン信号の受信状態の情報を取得する。そして携帯端末1は、取得した各ビーコン信号の受信状態の情報に基づいて、自端末を保持する自ユーザと有意なコミュニケーション状態となった他端末を保持する他ユーザを判定する。携帯端末1は、他ユーザの保持する携帯発信装置2から発信されたビーコン信号を所定時間以上受信している場合に、その他ユーザを、自端末を保持する自ユーザと有意なコミュニケーション状態となった他ユーザであると判定する。または携帯端末1は、他ユーザの保持する携帯発信装置2から発信されたビーコン信号を所定強度以上で所定時間以上継続して受信している場合に、その他ユーザを、自端末を保持する自ユーザと有意なコミュニケーション状態となって他ユーザであると判定する。有意なコミュニケーション状態とは、一例としてはユーザ同士が近接して会話をしている状態である。携帯端末1は、ユーザ同士がコミュニケーション状態となったことを判定することにより、ユーザ同士の関係が強いまたは強まったことを検出できる。また上述のコミュニケーション状態判定システム100の処理によれば、携帯端末1は、コミュニケーションを行う場所ではないことを示すビーコン信号を受信した場合には、そのビーコン信号の発信装置に対応するユーザを有意なコミュニケーション対象から除外するため、より精度高く、携帯端末1を保持するユーザと有意なコミュニケーション状態となった他のユーザとの関係を特定することができる。
【0051】
図9はサーバ装置に登録されるコミュニケーション対象情報の一例を示す図である。
この図が示すように、サーバ装置10に登録されるコミュニケーション対象情報は、携帯端末1のID、有意なコミュニケーション対象と判定された携帯発信装置2のID、携帯端末1と携帯発信装置2の間の平均受信強度、受信継続期間などを対応付けて保持する。
【0052】
次にコミュニケーション状態判定システムを用いたサービスの一例について説明する。
図10はサーバ装置の機能ブロック図である。
サーバ装置10は、通信部21、コミュニケーション対象管理部22、サービス提供部23の各機能を備える。サービス提供部23はソーシャルグラフ出力部の一例である。またサーバ装置10はデータベース24を備える。サーバ装置10は、携帯端末1と同様にコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)、IF(Interface)、通信モジュール、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などのハードウェア構成を有している。サーバ装置も所定のサービス提供プログラムを記憶部に記憶しており、このプログラムをCPUが実行することにより、
図10で示す各機能がサーバ装置10内に構成される。
【0053】
コミュニケーション対象管理部22は、上述の第一実施形態におけるコミュニケーション対象情報のデータベース24への登録や、コミュニケーション対象情報において座席発信装置3の識別情報が含まれる場合に、その座席発信装置3とその座席発信装置3に対応する携帯発信装置2を削除する処理を行う。
サービス提供部23は、データベース24に登録されたコミュニケーション対象情報などを用いてサービス提供の処理を行う。本実施形態においてはサーバ装置10が、ソーシャルグラフ表示サービスの処理を行う場合の例について説明する。
【0054】
ソーシャルグラフ表示サービスの提供を受けるに当たり、ユーザAはスマートフォンなどの携帯端末1Aと、携帯端末1Aと共に携帯する携帯発信装置2Aとを保持する。ユーザAは携帯端末1Aにソーシャルグラフ表示サービスのプログラムをダウンロードする。これによりソーシャルグラフアプリのアイコンが携帯端末1Aの画面に表示される。ユーザAはソーシャルグラフアプリのアイコン画像を選択してクリック操作する。携帯端末1Aはアイコン画像へのクリック操作を検出する。クリック操作を契機に携帯端末1AのCPU51はソーシャルグラフ表示サービスのプログラムを実行する。すると携帯端末1Aには
図4で示す各機能に加え、ソーシャルグラフサービス機能部(以下、SG機能部と呼ぶ)15の機能が加わる(
図11参照)。
【0055】
SG機能部15はサーバ装置10のサービス提供部23と通信し、サーバ装置10から受信する複数の画像情報を順次表示して以下のユーザ登録処理を行う。
ユーザ登録処理を開始すると携帯端末1AのSG機能部15は、第一の登録画像(
図12)を表示部(液晶画面)に表示する。第一の登録画像には「ようこそ!」の文字121や質問に答えるよう指示する文章122、次の画像へ遷移するためのボタン画像123が表示されている。ユーザAはボタン画像123を押下操作する。するとSG機能部15は第二の登録画像の送信要求をサーバ装置10へ送信する。サーバ装置10は第二の登録画像(
図13)を携帯端末1Aへ送信する。
【0056】
SG機能部15は第二の登録画像を携帯端末1Aの表示部に表示する。第二の登録画像にはビーコンIDを入力する為の入力欄131が表示されている。ユーザAは携帯端末1Aと共に携帯する携帯発信装置2Aを記憶しており、この携帯発信装置2Aの発信するビーコン信号に含まれるビーコンIDを入力欄131に入力する。ビーコンIDは携帯発信装置2Aに記載されており、ユーザAがこのビーコンIDを読み取って入力するなどしてよい。第二の登録画像には、次の画像へ遷移するためのボタン画像132が表示されている。ユーザAはボタン画像132を押下操作する。するとSG機能部15は第三の登録画像の送信要求をサーバ装置10へ送信する。サーバ装置10は第三の登録画像(
図14)を携帯端末1Aへ送信する。
【0057】
SG機能部15は第三の登録画像を携帯端末1Aの表示部に表示する。第三の登録画像にはユーザAのニックネームを入力する為の入力欄141が表示されている。ユーザAはソーシャルグラフ表示サービスを利用するにあたり、自身の携帯端末1Aまたは同サービスを利用する他ユーザの携帯端末1に表示される自身のニックネームを決定して入力欄141に入力する。第三の登録画像には、次の画像へ遷移するためのボタン画像142が表示されている。ユーザAはボタン画像142を押下操作する。するとSG機能部15は第四の登録画像の送信要求をサーバ装置10へ送信する。サーバ装置10は第四の登録画像(
図15)を携帯端末1Aへ送信する。
【0058】
SG機能部15は第四の登録画像を携帯端末1Aの表示部に表示する。第四の登録画像にはユーザAが自身のスキルを登録するためのボタン画像が表示されている。ボタン画像151は登録するスキルの番号を示している。ユーザAはボタン画像151で示される1、2、3の3つのスキルを登録することができる。また第四の登録画像には、スキルのジャンルを選択させるための選択一覧ボタン、スキルの詳細を文字入力させるための入力欄153、選択したスキルの情報の送信と次の画像へ遷移するためのボタン画像154が表示されている。ユーザAは「1」を示すボタン画像151を押下操作して、1つ目のスキルについての情報を入力する。この場合ユーザAは、自身の得意なスキルとしてスポーツが挙げられる場合には、ユーザAはジャンル選択の一覧からスポーツを探して選択する。またユーザAは入力欄153にスポーツの中で得意なスポーツ名である「サッカー」などを入力してよい。ユーザは第四の登録画像を用いて3つのスキルの登録を繰り返してよい。そしてユーザAはボタン画像154を押下操作する。するとSG機能部15は第五の登録画像の送信要求をサーバ装置10へ送信する。サーバ装置10は第五の登録画像(
図16)を携帯端末1Aへ送信する。
【0059】
SG機能部15は第五の登録画像を携帯端末1Aの表示部に表示する。第五の登録画像は登録処理が完了したことをユーザAに通知するための画像である。第五の登録画像にはサービス開始ボタン161が表示されている。ユーザAはサービス開始ボタン161の画像を押下操作する。するとSG機能部15はソーシャルグラフ画像(以下、SG画像と呼ぶ)の送信要求をサーバ装置10へ送信する。サーバ装置10のサービス提供部23は、SG画像(
図17)を生成して携帯端末1Aへ送信する。
【0060】
SG機能部15はSG画像を受信すると携帯端末1Aの表示部に表示する。SG画像にはソーシャルグラフが表示される。ソーシャルグラフとは例えば、ソーシャルグラフ表示サービスを利用するユーザのうち、有意な相関のあるユーザ同士の相関関係を示すグラフ図形である。
図17で示すSG画像には、ユーザAを表す円画像(A)と、その周りを囲む他のユーザB〜Hをそれぞれ表す円画像(B),(C),(D),(E),(F),(G),(H)とが表示される。円画像(A)〜(H)それぞれはソーシャルグラフにおけるノードを示す。円画像(A)内にはユーザAのニックネーム「タカシ」などが表示される。また円画像(B)〜(H)内には円画像に対応する他のユーザのニックネーム「KENTARO」,「しけぽん」・・・が表示される。円画像(A)と他のユーザについての円画像(B)〜(H)との関係は、ユーザAとユーザAに相関が強い他のユーザとの関係を示している。その相関を表すためにSG画像は、円画像(A)と、他の円画像(B)〜(H)との間が接続線171で接続されたソーシャルグラフを表している。接続線171はソーシャルグラフにおけるエッジ(辺)を示す。ユーザAとの相関が強い他のユーザについては、円画像(A)と当該他のユーザに対応する円画像との間の接続線171が相関の強度に応じて太く表示される。
【0061】
またSG画像には、ユーザAと相関のある他のユーザの円画像(B)〜(H)に関連付けてスキルジャンル画像(b1)、(b2)、(c1)、(d1)、(e1)、(e2)、(f1)…が表示される。本実施形態においてはスキルジャンル画像も円画像によって表されている。スキルジャンル画像(b1)、(b2)は、ユーザBを示す円画像(B)と接続線172でそれぞれ接続された状態で表示されている。これはユーザBに関連するスキルジャンルをスキルジャンル画像(b1)、(b2)で表していることを意味する。なおユーザAと相関のある他のユーザに関連するスキルジャンル画像は、本実施形態においてはユーザAと相関のある他のユーザとさらに相関関係にあるユーザ(第三の対象)のスキルジャンルを示している。しかしながらスキルジャンル画像は、ユーザAと直接相関のある他のユーザのスキルジャンルを示すものであってもよい。
図17で示すSG画像で示すように、ユーザAに相関のあるユーザBについての円画像(B)に接続されているスキルジャンル画像(b1)、(b2)を表示することにより、ユーザAは、自身に相関のあるユーザBと相関関係にある他者のスキルを知ることができる。これによりユーザAは何らかのスキルのある人物と接触を用いたい場合などに、このサービスを利用して、自身に相関のあるユーザと相関関係にある他者の情報を得て、人的交流などにおいて活発な活動を行うことに利用することができる。
【0062】
図18は第二〜第四の登録画像で登録された登録情報のデータテーブルを示す図である。
上述の登録処理によって第二の登録画像、第三の登録画像、第四の登録画像で入力された情報は、ユーザの利用する携帯端末のIDに対応付けられてサーバ装置10のデータベースで記憶される。
図18で示すように、登録情報は、ユーザの利用する携帯端末のID、その携帯端末と共にユーザに保持される携帯発信装置の発信するビーコンのID、ユーザのニックネーム、スキルジャンル、スキルジャンルの詳細とを対応付けて記憶する。なお
図18には図示していないが、スキルジャンルは上述の登録画像の例では3つ登録できることと説明しているため、スキルジャンル1〜3の3つのスキルジャンルが登録されてよい。
【0063】
図19はサービスグラフ画像を生成する処理のフローを示す図である。
次にSG画像を生成するサーバ装置10の処理について説明する。
以下の説明ではユーザAの保持する携帯端末1Aとサーバ装置10とにおける処理を示す。
サーバ装置10のサービス提供部23は、携帯端末1AからSG画像の送信要求を受信する(ステップS191)。するとサービス提供部23はSG画像の生成を開始する。サービス提供部23はSG画像の送信要求に含まれる携帯端末ID(1A)を特定する。サービス提供部23は特定したユーザAの携帯端末ID(1A)に基づいて、コミュニケーション対象情報(
図9)からユーザAと有意なコミュニケーション状態となっている対象として算出された他のユーザの携帯する携帯発信装置2を特定する。ここで携帯発信装置2の識別情報はビーコンIDであるとする。
【0064】
図9が示すコミュニケーション対象情報には、携帯端末1Aを保持するユーザAと相関のある他ユーザの情報として、有意なコミュニケーション対象の携帯発信装置2のIDである2B,2Cが携帯端末ID(1A)と対応付けられて含まれている。サービス提供部23は携帯端末1Aに基づいて、ユーザAのコミュニケーション対象のユーザであるユーザB,Cそれぞれの携帯発信装置2B、2Cを取得する。サービス提供部23は、ユーザAとコミュニケーション対象として特定された他のユーザの保持する携帯発信装置のIDに基づいて、当該他のユーザのニックネーム、スキルジャンルを取得する。具体的には、サービス提供部23は、携帯発信装置2Bに対応付けられて、登録情報(
図18)に登録されているユーザBのニックネーム「KENTARO」の情報を読み取る。またサービス提供部23は、携帯発信装置2Cに対応付けられて、登録情報(
図18)に登録されているユーザCのニックネーム「しけぽん」の情報を読み取る。またサービス提供部23は携帯端末1Aのユーザのニックネーム「タカシ」の情報を登録情報から読み取る。
【0065】
サービス提供部23は、携帯端末1を携帯するユーザAについての円画像(A)に、ユーザBについての円画像(B)とユーザCについての円画像(C)とを接続線171で接続したソーシャルグラフの図形を生成する(ステップS192)。この時、サービス提供部23は、円画像(A)にユーザAのニックネームを表示し、円画像(B)にユーザBのニックネームに表示し、円画像(C)にユーザCのニックネームを表示するソーシャルグラフの図形を生成する。
【0066】
サービス提供部23はさらに、携帯端末1Aを利用するユーザAと相関があるとしてコミュニケーション対象と登録されたユーザB、ユーザCに基づいて、そのユーザB、ユーザCとの間でユーザA以外に相関があるとして有意なコミュニケーション対象と登録されたユーザを特定する。
【0067】
具体的にはサービス提供部23は、ユーザBの保持する携帯発信装置のID(2B)に紐づいて登録情報(
図18)に登録されている携帯端末ID(1B)を読み取る。またサービス提供部23は、ユーザCの保持する携帯発信装置のID(2C)に紐づいて登録情報(
図18)に登録されている携帯端末ID(1C)を読み取る。サービス提供部23は読み取ったユーザBの携帯端末ID(1B)に基づいて、コミュニケーション対象情報(
図9)からユーザBとコミュニケーション対象として算出されたユーザA以外の他のユーザの携帯する携帯発信装置2Dを特定する。またサービス提供部23は読み取ったユーザCの携帯端末ID(1C)に基づいて、コミュニケーション対象情報(
図9)からユーザCとコミュニケーション対象として算出されたユーザA以外の他のユーザの携帯する携帯発信装置2Eを特定する。
【0068】
図9が示すコミュニケーション対象情報には、携帯端末1Bを保持するユーザBがユーザA以外で相関のある他ユーザの情報として、有意なコミュニケーション対象であると特定された携帯発信装置2のID(2D)が携帯端末1Bと対応付けられて登録されている。サービス提供部23は携帯端末1Bに基づいて、ユーザBのコミュニケーション対象のユーザであるユーザDの携帯発信装置2Dを取得する。
サービス提供部23は、ユーザBとのユーザA以外の有意なコミュニケーション対象として特定したユーザDの保持する携帯発信装置のID(2D)に基づいて、当該他のユーザDのスキルジャンルを取得する。具体的には、サービス提供部23は、携帯発信装置2Dに対応付けられて、登録情報(
図18)に登録されているユーザDのスキルジャンルの情報を読み取る。
【0069】
また
図9が示すコミュニケーション対象情報には、携帯端末1Cを保持するユーザCユーザA以外で相関のある他ユーザの情報として、コミュニケーション対象であると特定された携帯発信装置2のID(2E)が携帯端末1Cと対応付けられて登録されている。サービス提供部23は携帯端末1Cに基づいて、ユーザCのコミュニケーション対象のユーザであるユーザEの携帯発信装置2Eを取得する。
サービス提供部23は、ユーザCとのユーザA以外の有意なコミュニケーション対象として特定したユーザEの保持する携帯発信装置のID(2E)に基づいて、当該他のユーザEのスキルジャンルを取得する。具体的には、サービス提供部23は、携帯発信装置2Eに対応付けられて、登録情報(
図18)に登録されているユーザEのスキルジャンルの情報を読み取る。
【0070】
サービス提供部23は、既に生成したソーシャルグラフに、ユーザBについての円画像(B)のノードに対して、ユーザBに相関のあるユーザA以外の第三のユーザであるユーザDのスキルジャンル画像を付与して表示するSG画像を生成する(ステップS193)。さらにサービス提供部23は、そのSG画像に、ユーザCについての円画像(C)に対してユーザCに相関のあるユーザA以外のユーザであるユーザEのスキルジャンル画像を接続したSG画像を生成する。そして、その最終的に生成したSG画像を、携帯端末1Aへ送信する。このような処理により、携帯端末1Aには
図17で示したようなSG画像が表示される。なお上述のサービス提供部の処理の説明では、
図17で示すSG画像と比較して、簡易なSG画像となる場合の例について説明している。
【0071】
上記のSG画像出力の処理において、サービス提供部23は、第一の対象と当該第一の対象と有意なコミュニケーションを行った他の対象とのソーシャルグラフにおいて、他の対象に関連する属性情報を当該他の対象を示すノードに関連付けたソーシャルグラフを生成している。他の対象に関連する属性情報は、他の対象と有意なコミュニケーションを行った第三の対象の属性情報であってよい。属性情報は例えば人のスキル情報などであってよい。
【0072】
上述したコミュニケーション状態判定システム100では、コミュニケーション状態の度合に応じて第一の対象であるユーザと当該ユーザに相関のある第二の対象である他のユーザとのソーシャルグラフを出力する場合の例について説明している。
しかしながら、コミュニケーション状態判定システム100はソーシャルグラフを示す対象を物、装置、動物などとしてもよい。例えばコミュニケーション状態判定システム100は、動物に携帯端末や携帯発信装置を取り付けて、動物の行動を観察する。そしてこの際にある行動エリアにおける同種の動物の相関関係を把握するためのツールとしてコミュニケーション状態判定システム100を利用するなどしてよい。
また上述したコミュニケーション状態判定システム100では、ユーザが携帯端末1と携帯発信装置2とをそれぞれ携帯する必要があることについて説明したが、携帯発信装置2の機能が携帯端末1に備わるようにしてもよい。
【0073】
上述のコミュニケーション状態判定システム100を構成する各装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0074】
上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。