【実施例】
【0012】
図1および
図2に示すように、実施例に係るデフロスタノズル10は、下端に取込口12が設けられると共に、上端に吹出口14が設けられた筒状体であり、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)などの合成樹脂から型成形された成形品である。
図4に示すように、デフロスタノズル10は、下端の取込口12を空調装置Cに接続すると共に、上端の吹出口14をフロントガラスWに臨ませて車両の車体に設置される。デフロスタノズル10は、空調装置Cから送り出される空気を、内部に画成された空気流通路16で取込口12から吹出口14に向けて案内して、上方へ向けて開口する吹出口14から吹き出す。
【0013】
図4に示すように、デフロスタノズル10には、取込口12から上方へ延在する上流部分18と、上流部分18の空気流通方向下流側に連なる中間部分20と、中間部分20の空気流通方向下流側に連なる下流部分22とを有する空気流通路16が設けられている。空気流通路16の中間部分20は、空気流通方向上流側よりも空気流通方向下流側が前方に位置するように延在している。また、空気流通路16の下流部分22は、中間部分20から上方へ曲がって吹出口14に向けて上方へ立ち上がるように延在している。更に、空気流通路16の上流部分18は、中間部分20の空気流通方向上流側から下方へ曲がって取込口12に向けて下方へ向けて垂下するように延在している。このように、デフロスタノズル10は、空気流通路16が側面視において上流部分18から前方へ曲がって中間部分20に移行した後に、中間部分20から上方へ曲がって下流部分22に移行するように延在し、取込口12よりも吹出口14が前方に配置されている。
【0014】
図3に示すように、デフロスタノズル10は、前記空気流通路16に、下方から上方の吹出口14へ向かうにつれて左右に広がるように延在する拡開部分24が設けられている。空気流通路16の拡開部分24は、中間部分20に対応する部位から下流部分22および吹出口14までにかけて左右へ扇状に広がっている。デフロスタノズル10は、空気流通路16が背面視(正面視)において、上流側の一定の左右幅で形成された部分と比べて拡開部分24が左右に広がるように形成され、吹出口14側が取込口12側と比べて左右に細長く広がっている。
【0015】
図4に示すように、デフロスタノズル10は、下端が取込口12の後側の開口縁となると共に上端が吹出口14の後側の開口縁となる後第1壁部(第1壁部)26と、下端が取込口12の前側の開口縁となると共に上端が吹出口14の前側の開口縁となる前第1壁部(第1壁部)28とを備えている。デフロスタノズル10は、後第1壁部26および前第1壁部28によって、上流部分18、中間部分20および下流部分22に移り変わる空気流通路16の前後および上下を画成している。
【0016】
図3および
図4に示すように、後第1壁部26は、取込口12の後側の開口縁から鉛直に立ち上がる後上流壁部分30で空気流通路16の上流部分18を画成している。後第1壁部26は、後上流壁部分30の上端から前方へ向けて屈曲して延在する後中間壁部分32で空気流通路16の中間部分20を画成している。また、後第1壁部26は、後中間壁部分32の前端(上端)から上方へ向けて屈曲して吹出口14の後側の開口縁まで延在する後下流壁部分34で空気流通路16の下流部分22を画成している。後中間壁部分32は、空気流通路16の上流部分18の開口面上側に相対するように設けられ、該上流部分18における空気流通方向と直交して延在するように形成された対面壁32aと、対面壁32aの前端に連ねて設けられ、後方から前方へ向かうにつれて上方傾斜するように延在する傾斜壁32bとから構成されている。対面壁32aは、後上流壁部分30の上端から前方へ屈曲して水平に延在するように形成され、下から上に向かう上流部分18の空気流通方向と直交して、上流部分18の空気流通方向下流側に対向配置されている。そして、後下流壁部分34は、後中間壁部分32に連なる下端から上方の吹出口14に向かうにつれて後方へ変位するように傾斜している。なお、実施例に係るデフロスタノズル10の対面壁32aは、上流部分18の開口面に対応して略同じ面積となっている。
【0017】
図4に示すように、前第1壁部28は、取込口12の前側の開口縁から鉛直に立ち上がる前上流壁部分36で空気流通路16の上流部分18を画成し、前上流壁部分36の上端から前方へ向けて屈曲して延在する前中間壁部分38で空気流通路16の中間部分20を画成している。また、前第1壁部28は、前中間壁部分38の前端(上端)から上方へ向けて屈曲して吹出口14の前側の開口縁まで延在する前下流壁部分40で空気流通路16の下流部分22を画成している。前上流壁部分36は、後上流壁部分30と平行に延在し、後上流壁部分30との間に上下に延在する空気流通路16の上流部分18を画成する。前中間壁部分38は、前上流壁部分36に連なる後端から前方へ向かうにつれて上方傾斜するように延在し、後中間壁部分32の傾斜壁32bとの間に、後ろから前に向かうにつれて上方傾斜する空気流通路16の中間部分20を画成する。前下流壁部分40は、前中間壁部分38に連なる下端から上方の吹出口14に向かうにつれて後方へ変位するように傾斜し、後下流壁部分34との間に、下方から上方へ向かうにつれて後方へ変位する空気流通路16の下流部分22を画成する。
【0018】
図3に示すように、デフロスタノズル10は、下端が取込口12の横側の開口縁となると共に上端が吹出口14の横側の開口縁となる左右の第2壁部42,42を備え、左右の第2壁部42,42によって、空気流通路16の左右が画成されている。第2壁部42は、空気流通路16の拡開部分24を画成する上横壁部分44と、上横壁部分44の空気流通方向上流側に鉛直に延在して、空気流通路16の拡開部分24以外の部分を画成する下横壁部分46とから構成されている。なお、左右の第2壁部42,42は、左右対称な形状である。
【0019】
図3および
図4に示すように、上横壁部分44は、空気流通路16の中間部分20に対応する位置であって、下横壁部分46の延長面との仮想的な交点を始点S1とする1つの円弧を含み、吹出口14の左右の開口縁に亘って上向きに凸になる湾曲形状で延在するよう形成されている。これに対して、下横壁部分46は、取込口12の横側の開口縁から鉛直に立ち上がる平面形状で形成され、取込口12の開口面に対して鉛直になっている。上横壁部分44は、下横壁部分46に連なる部分が前記円弧よりも小さな半径寸法の湾曲形状となっている。上横壁部分44は、空気流通路16の中間部分20に対応する位置を始点S1とする1つの円弧(特に区別する場合は基準円弧という)で前記湾曲形状の半分以上が構成してある。実施例の上横壁部分44は、下横壁部分46へ連なる根元部分および吹出口14の横側の開口縁に連なる先端部分を除く湾曲形状の大部分が1つの基準円弧で構成されている。基準円弧は、ある一定の曲率に倣って延在しており、曲率半径を280mm〜1000mmの範囲に設定するのが好ましい。なお、
図3〜
図7に示す一点鎖線Xは、基準円弧を判り易くするために示す補助線である。
【0020】
図3および
図4に示すように、上横壁部分44の基準円弧は、その始点S1が空気流通路16の中間部分20に対応する位置の中で、中間部分20から下流部分22への屈曲部に対応する部位よりも空気流通方向上流側で、中間部分20から上流部分18への屈曲部に対応する部位よりも空気流通方向下流側に設定されている(
図4参照)。実施例の上横壁部分44は、中間部分20に対応する位置でかつ対面壁32aに沿って延長した位置を始点S1として延在するように形成されている。上横壁部分44の根元および基準円弧の始点S1は、後ろから前に向かうにつれて上方傾斜する中間部分20での空気流通方向と交差して、水平に延在している。デフロスタノズル10は、後側から前側へ向かうにつれて中間部分20での空気流通方向に対して下流側で、上横壁部分44の根元が下横壁部分46に連なるように形成されている。上横壁部分44は、下横壁部分46に連なる根元部分が、基準円弧よりも曲率が大きい湾曲で構成されており、吹出口14の横側の開口縁に連なる先端部分が、基準円弧よりも曲率が小さい湾曲で構成される。なお、前述した湾曲形状や基準円弧などの空気流通路16を規定する形状は、壁部26,28,42における空気流通路16を画成する内壁面が、前述したように延在していればよい。実施例のデフロスタノズル10は、壁部26,28,42自体の延在形状が空気流通路16を画成する内壁面と同じである。
【0021】
図1に示すように、実施例のデフロスタノズル10は、吹出口14が1つの開口になっていると共に、空気流通路16における吹出口14に近接した部位に、整流板48が前後の第1壁部26,28の間に亘って設けられている。
【0022】
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係るデフロスタノズル10の作用について説明する。実施例および比較例のデフロスタノズルについて、吹出口14での風速分布を試験した結果を、
図5〜
図7に示す。実施例と比較例とは、取込口12および吹出口14の大きさや、デフロスタノズルの高さや幅などの基本的な大きさが同じに設定されている。実施例のデフロスタノズル10は、上横壁部分44が中間部分20における対面壁32aから延長した部位を始点S1として基準円弧が設定され、当該基準円弧によって上横壁部分44を構成する湾曲部分の大部分を構成している。これに対して、
図6に示す比較例のデフロスタノズルは、中間部分20から下流部分22への屈曲部に対応する部位を始点S1とする基準円弧によって、上横壁部分44における湾曲部分の大部分が構成されている。すなわち、
図6に示す比較例は、基準円弧の始点S1が実施例よりも下流側に位置し、下流部分22に対応する位置に設定されている。
図7に示す比較例のデフロスタノズルは、中間部分20から上流部分18への屈曲部に対応する部位を始点S1とする基準円弧によって、上横壁部分44における湾曲部分の大部分が構成されている。すなわち、
図7に示す比較例は、基準円弧の始点S1が実施例よりも上流側に位置し、上流部分18に対応する位置に設定されている。また、試験条件としては、取込口12から風量170m
3/hで吹き込んだ場合であり、実施例および比較例のいずれも同じ条件で行っている。
図5(a)、
図6(a)および
図7は、基準円弧の曲率半径Rが280mmであり、
図5(b)および
図6(b)は、基準円弧の曲率半径Rが600mmであり、
図5(c)および
図6(c)は、基準円弧の曲率半径Rが1000mmに設定されている。
【0023】
図5の実施例と
図6の比較例とを比べると、実施例のデフロスタノズル10は、吹出口14の中央部と吹出口14の側縁部との間で風速の差が小さく、吹出口14の左右に亘って風速のむらが少ないことが判る。
図7に示す比較例は、同じ曲率半径の
図5(a)と比べると吹出口14の側縁部において風速が落ちている。
図5(a)〜(c)に示すように、上横壁部分44における基準円弧の曲率半径が小さい、すなわち円弧のカーブが急である程、風速分布が均一になる傾向にある。このように、空気流通路16の中間部分20に対応する部位を始点S1とする基準円弧に沿って延在する上横壁部分44で空気流通路16の左右を画成することで、吹出口14において左右方向の風速のばらつきを抑えることができる。また、上横壁部分44の大部分を基準円弧に沿って延在するように形成することで、吹出口14において左右方向の風速のばらつきをより好適に抑えることができる。更に、上横壁部分44の始点S1を対面壁32aの延長に沿った位置に設定することで、吹出口14において左右方向の風速のばらつきをより好適に抑えることができる。しかも、空気流通路16の上流部分18に対向して、該上流部分18での空気流通方向に直交する対面壁32aを設けることで、対面壁32aによって空調装置C側から伝わる音を反射することができ、デフロスタノズル10の静音性を高めることができる。
【0024】
(変更例)
前述した実施例に限らず、例えば以下のようにも変更することができる。
(1)実施例のデフロスタノズルは、側面視で2箇所の屈曲部を設けたが、屈曲部が1箇所であっても、3箇所以上であってもよい。
(2)フロントガラス以外であっても適用可能である。