特許第6706557号(P6706557)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6706557
(24)【登録日】2020年5月20日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/58 20060101AFI20200601BHJP
【FI】
   H01R13/58
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-147330(P2016-147330)
(22)【出願日】2016年7月27日
(65)【公開番号】特開2018-18664(P2018-18664A)
(43)【公開日】2018年2月1日
【審査請求日】2019年4月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】390005049
【氏名又は名称】ヒロセ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】池原 健
【審査官】 藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−216892(JP,A)
【文献】 実開平02−037464(JP,U)
【文献】 実開平04−119976(JP,U)
【文献】 実開平07−019973(JP,U)
【文献】 米国特許第03711815(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/40−13/72
H02G 3/00− 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側コネクタとの嵌合方向に対して略垂直方向にケーブルが引き出される電気コネクタであって、
複数の端子を内部に含み、複数の第1の規制部を外周に有するシェルと、
ケーブルが挿通される空間を内部に有し、前記複数の第1の規制部の第1の群と嵌合する第2の規制部を有する第1のコード管と、
ケーブルが挿通される空間を内部に有し、前記複数の第1の規制部の第2の群と嵌合する第3の規制部を有する第2のコード管と、を備え、
前記複数の第1の規制部は、それぞれ、同一形状及び同一寸法を有し、等間隔で配置され、
前記第2のコード管は、前記シェルの軸方向の略垂直方向から前記第1のコード管と合体するように構成され、
前記複数の第1の規制部の第1の群と前記第2の規制部とが嵌合することにより、前記第1のコード管は前記シェルの軸方向以外の方向への移動が規制される、ように構成されている、電気コネクタ。
【請求項2】
前記複数の第1の規制部は、それぞれ、前記第2の規制部と接触して前記第1のコード管が周方向に回転移動するのを防止する第1の規制面と、前記第3の規制部と接触して前記第2のコード管が前記シェルの軸方向に抜けるのを防止する第2の規制面と、を有する、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記複数の第1の規制部は、それぞれ凸形状を有し、
前記前記第2の規制部及び前記第3の規制部は、それぞれ凹形状を有する、請求項1又は2に記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記複数の第1の規制部は、それぞれ凹形状を有し、
前記前記第2の規制部及び前記第3の規制部は、それぞれ凸形状を有する、請求項1又は2に記載の電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタに関し、特に、複数の端子を有し、相手側コネクタとの嵌合方向に対して略垂直方向にケーブルが引き出される略L字型の電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の端子を有する略L字型の電気コネクタとして、例えば、特許文献1(特開2016−58150号公報)に記載されたコネクタが知られている。このコネクタは、プラグコネクタであって、複数のコンタクトを収容したプラグのバレルと、ケーブルの端部に取り付けられるエンドベルと、バレルとエンドベルとを結合するアセンブリナットとを備えている。そして、バレルは、例えば、モータの筐体やパネルなどに取り付けられたレセプタクルコネクタに嵌合するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−58150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、特許文献1に記載されるようなプラグコネクタと嵌合されるレセプタクルコネクタは、パネル等に取り付けられる際、そのパネルなどに対して所定の位置(角度)で取り付けられる。また、これらのコネクタは複数の端子を有するため、その複数の端子同士の位置関係は固定されており、そのため、プラグコネクタのバレル(プラグシェル)は、レセプタクルコネクタに対して所定の角度(嵌合可能な角度)で嵌合することになる。すなわち、プラグシェルは、レセプタクルコネクタに対して、ある決まった位置でないと嵌合できない。したがって、略L字型のプラグコネクタのケーブルの引き出し方向は、プラグシェルに対して固定であるため、レセプタクルコネクタ及びパネルに対しても一定の方向となる。
【0005】
しかしながら、ケーブルの引き回し、コネクタの設置条件等により、略L字型のプラグコネクタのケーブルの引き出し方向を自由に変更したい場合がある。そこで、レセプタクルコネクタ及びプラグコネクタのシェルに対して、ケーブルの引き出し方向(角度)を自由に調整できるプラグコネクタがあると便利である。
【0006】
そこで、本発明の目的は、略L字型のプラグコネクタにおいて、プラグコネクタのシェルに対するケーブルの引き出し方向(角度)を自由に調整できる技術を提供することにある。
【0007】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような課題を解決するために、本願発明に係る電気コネクタは、複数の端子を内部に含み、複数の第1の規制部を外周に有するシェルと、ケーブルが挿通される空間を内部に有し、前記複数の第1の規制部の第1の群と嵌合する第2の規制部を有する第1のコード管と、ケーブルが挿通される空間を内部に有し、前記複数の第1の規制部の第2の群と嵌合する第3の規制部を有する第2のコード管と、を備え、前記複数の第1の規制部の第1の群と前記第2の規制部とが嵌合することにより、前記第1のコード管は前記シェルの軸方向以外の方向への移動が規制され、前記複数の第1の規制部の第2の群と前記第3の規制部とが嵌合することにより、前記第2のコード管は前記シェルの軸方向への移動が規制され、かつ前記第1のコード管は前記シェルの軸方向への移動が規制されるように構成されているものである。
【発明の効果】
【0009】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
(1)レセプタクルコネクタ及び取り付け対象物に対して、プラグコネクタのケーブル引き出し方向を自由に変更することが可能になる。
(2)コード管A及びコード管Bの合体する構成により、プラグコネクタの低背化が図れる。
(3)コード管A及びコード管Bの分離した構成により、ケーブルの接続作業の効率性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施の形態によるプラグコネクタ(ケーブル付き)及びレセプタクルコネクタの構成を示す斜視図である。
図2図1に示すプラグコネクタ及びレセプタクルコネクタをそれぞれ嵌合方向から見た斜視図である。
図3図1に示すプラグコネクタの分解斜視図である(ケーブルは省略)。
図4図3に示すシェルの構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は底面側から見た斜視図である。
図5図3に示すコード管Aの構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は底面図である。
図6図3に示すコード管Bの構成を示す斜視図である。
図7図3に示すコード管Aをシェルに嵌合させた状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)はA−A切断面による断面図である。
図8図3に示すコード管Bを、コード管A及びシェルに嵌合させた状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)はB−B切断面による断面図、(c)はC−C線に沿って切断した(a)の断面図である。
図9】本発明の一実施の形態によるプラグコネクタの配置角度が、レセプタクルコネクタ及びパネルに対して可変であることを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0012】
図1は、本発明の一実施の形態によるプラグコネクタ(ケーブル付き)及びレセプタクルコネクタの構成を示す斜視図である。図2は、図1に示すプラグコネクタ及びレセプタクルコネクタをそれぞれ嵌合方向から見た斜視図である。図3は、図1に示すプラグコネクタの分解斜視図である(ケーブルは省略)。
【0013】
まず、図1図3により、本発明の一実施の形態によるプラグコネクタ1の構成を説明する。本実施の形態によるプラグコネクタ1は、レセプタクルコネクタ(相手側コネクタ)2との嵌合方向(軸方向Z)に対して略垂直方向にケーブル3が引き出される電気コネクタであって、円筒状のシェル10と、ケーブル3が挿通される空間を内部に有するコード管A(第1のコード管)20と、同じくケーブル3が挿通される空間を内部に有するコード管B(第2のコード管)30と、シェル10の内部に設けられた複数の端子40と、シェル10の外周に回転自由に取り付けられたスリーブ50と、コード管B30のケーブル引き出し口に取り付けられるケーブルの締め付けリング60などを備えている。
【0014】
また、プラグコネクタ1と嵌合されるレセプタクルコネクタ2は、円筒状のシェル4と、プラグコネクタ1の複数の端子40とそれぞれ対応する位置に配置された複数の端子5などを備え、ナット6によって、パネルなどの取り付け対象物7に固定される。プラグコネクタ1とレセプタクルコネクタ2を連結するには、プラグコネクタ1のシェル10の嵌合口側に設けられたスリット11と、レセプタクルコネクタ2のシェル4の嵌合口側に設けられた突起状のリブ8とを位置合わせして、シェル10とシェル4とを嵌合させて、プラグコネクタ1の複数の端子40とレセプタクルコネクタ2の複数の端子5をそれぞれ対応させて接続する。そして、プラグコネクタ1とレセプタクルコネクタ2との連結が外れないように、スリーブ50を回転させて固定する。
【0015】
したがって、レセプタクルコネクタ2は、パネルなどの取り付け対象物7に対して所定の位置(角度)で取り付けられ、プラグコネクタ1のシェル10は、レセプタクルコネクタ2に対して所定の角度(嵌合可能な角度)で嵌合することになる。すなわち、プラグシェル10は、レセプタクルコネクタ2に対して、ある決まった位置でないと嵌合できない。
【0016】
次に、図4により、シェル10の構成を説明する。図4は、図3に示すシェル10の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は底面側から見た斜視図である。図3及び図4に示すように、シェル10は、円筒状の形状を有し、嵌合口側と反対側(ケーブル側)の外周に複数の規制部(第1の規制部)12を備えている。複数の規制部12は、図4では、8個の例が示されているが、これに限定されるものではなく、その個数は、複数であればいくつであってもよい。規制部12が8個の場合、ケーブル3の引き出し方向が45度単位で変更可能になる。また、複数の規制部12は、凸形状を有し、シェル10の外周において等間隔で配置され、それぞれの規制部12は、同一形状・同一寸法を有する。また、規制部12の形状は、図4では、円周に沿った略直方体で示されているが、この形状に限定されるものではなく、台形、他の矩形、三角形など他の形状であってもよい。また、規制部12の形状は、凸形状の代わりに凹形状であってもよい(この場合は、後述するコード管A20及びコード管B30の規制部は凸形状となる。)。
【0017】
また、複数の規制部12は、それぞれ、コード管A20の規制部(第2の規制部)21の規制面22、又はコード管B30の規制部(第3の規制部)31の規制面32と接触して、コード管A20及びコード管B30が周方向(R)に回転移動するのを防止する同方向の規制面(側面、第1の規制面)13と、コード管B30の規制部(第3の規制部)31の規制面33と接触してコード管B30がシェル10の軸方向に抜けるのを防止する規制面(底面、第2の規制面)14とを備えている。
【0018】
さらに、シェル10は、嵌合口側に、レセプタクルコネクタ2の突起状のリブ8と嵌合するスリット11を備えている。スリット11とリブ8により、プラグコネクタ1とレセプタクルコネクタ2との間の端子の位置合わせが可能になる。
【0019】
次に、図5により、コード管A20の構成を説明する。図5は、図3に示すコード管A20の構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は底面図である。図3及び図5に示すように、コード管A20は、ケーブル3が挿通される空間を内部に有し、シェル10の複数の規制部12の第1の群と嵌合する複数の凹形状の規制部(第2の規制部)21を備えている。シェル10の複数の規制部12の第1の群と規制部21とが嵌合することにより、コード管A20はシェル10の軸方向(Z)以外の方向への移動が規制される。
【0020】
また、規制部21は、コード管A20の内周において等間隔で配置され、それぞれの規制部21は、同一形状・同一寸法を有する。また、規制部21の形状は、図5では、内円周に沿った略直方体で示されているが、この形状に限定されるものではなく、台形、他の矩形、三角形など他の形状であってもよい。また、規制部21の形状は、凹形状の代わりに凸形状であってもよい(この場合は、シェルの規制部12は凹形状となる。)。
【0021】
また、複数の規制部21は、図5では、3個の例が示されているが、これに限定されるものではなく、その個数はいくつであってもよく、その個数や配置は、対応するシェル10の規制部12に対応して決まる。
【0022】
また、複数の規制部21は、それぞれ、シェル10の規制面13と接触してコード管A20が周方向(R)に回転移動するのを防止する規制面(側面)22を備えている。
【0023】
さらに、コード管A20は、コード管B30の孔(図示せず)に嵌合するための2つの突起部23、コード管B30と固定するためのビス用の孔24、コード管B30とともに一体になって密閉性を確保するためのOリングが嵌られるパッキング用溝25、コード管B30と合体するためにケーブル引出口側に突出した形状の突出部26などを備えている。
【0024】
次に、図6により、コード管B30の構成を説明する。図6は、図3に示すコード管B30の構成を示す斜視図である。図3及び図6に示すように、コード管B30は、ケーブル3が挿通される空間を内部に有し、シェル10の複数の規制部12の第2の群と嵌合する複数の凹形状の規制部(第3の規制部)31を備えている。シェル10の複数の規制部12の第2の群と規制部31とが嵌合することにより、コード管B30はシェル10の軸方向(Z)への移動が規制される。
【0025】
また、規制部31は、コード管B30の内周において等間隔で配置される。また、規制部31の形状は、図6では、内円周に沿った略直方体で示されているが、この形状に限定されるものではなく、台形、他の矩形、三角形など他の形状であってもよい。また、規制部31の形状は、凹形状の代わりに凸形状であってもよい(この場合は、シェルの規制部12は凹形状となる。)。
【0026】
また、複数の規制部31は、図6では、3個の例が示されているが、これに限定されるものではなく、その個数はいくつであってもよく、その個数や配置は、対応するシェル10の規制部12に対応して決まる。
【0027】
また、複数の規制部31は、それぞれ、シェル10の規制面13と接触してコード管B30が周方向(R)に回転移動するのを防止する規制面(側面)32と、シェル10の規制面14と接触して、コード管B30がシェル10の軸方向(Z)に抜けるのを防止する規制面(底面)33とを備えている。
【0028】
さらに、コード管B30は、コード管A20と固定するためのビス用の孔34、ケーブルの締め付けリング60が取り付けられるケーブル引き出し口35、コード管A20と合体するためにコード管A20側で引っ込んだ形状の切欠き部36などを備えている。
【0029】
次に、図7〜9により、シェル10と、コード管A20と、コード管B30とを組み合わせる工程を説明する。図7は、図3に示すコード管A20をシェル10に上側から嵌合させた状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)はA−A切断面による断面図である。図8は、図3に示すコード管B30を、コード管A20及びシェル10に嵌合させた状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)はB−B切断面による断面図、(c)はC−C線に沿って切断した(a)の断面図である。図9は、プラグコネクタ1の配置角度が、レセプタクルコネクタ2及び取り付け対象物7(パネル)に対して可変であることを示す説明図である。
【0030】
図7に示すように、軸方向(Z)上方からコード管A20をシェル10に嵌める。この際、規制面13と規制面22が接触し、シェル10の規制部12(第1の群)とコード管A20の規制部21とが嵌合する。そして、コード管A20は軸方向(Z)以外への移動が規制される。また、シェル10に対するコード管A20の周方向(R)の角度は、規制部12及び規制部21の組み合わせを変更することにより自由に設定でき、これにより、ケーブル3の引き出し方向が決まる。
【0031】
次に、図8に示すように、軸方向(Z)の略垂直方向からコード管B30をコード管A20と合体させる。この際、規制面13と規制面32が接触し、かつ規制面14と規制面33が接触し、シェル10の残りの規制部12(第2の群)とコード管B30の規制部31とが嵌合する。そして、コード管B30はケーブル引き出し方向以外への移動が規制される。また、規制面14と規制面33とが接触しているため、コード管B30がシェル10の軸方向(Z)上方に抜けるのが防止される。また、コード管A20とコード管B30は合体しているので、コード管A20も軸方向(Z)上方に抜けるのが防止される。すなわち、規制部12の第2の群と規制部31とが嵌合することにより、コード管B30はシェル10の軸方向(Z)への移動が規制され、かつコード管A20はシェル10の軸方向(Z)への移動が規制される。そして、コード管A20のビス用の孔24と、コード管B30のビス用の孔34にビスを通して、コード管A20とコード管B30とが抜けないように固定する。
【0032】
実際の組み立て作業は、コード管A20、コード管B30及びリング60にケーブル3を通し、ケーブル3の芯線をそれぞれ、シェル10の端子40に半田付けしてから行う。これにより、ケーブル3は、コード管A20及びコード管B30の内部で折り曲げられ、任意の方向にケーブルを引き出すことが可能になる。また、コード管A20とコード管B30は、分離した構成であるので、ケーブルを折り曲げて通す必要がないので、ケーブルを通し易くなり、作業の効率性が上がる。また、プラグコネクタ1のシェル10の嵌合口側の構成は、通常のプラグコネクタと同じであるので、今まで使用していたレセプタクルコネクタを変更せずにそのまま使用することが可能である。
【0033】
図9は、プラグコネクタ1のケーブル引き出し方向(角度)の一例を示したものである。図9に示すように、取り付け対象物7及びレセプタクルコネクタ2に対して、プラグコネクタ1のケーブル引き出し方向を任意に変更することが可能である。例えば、シェル10の規制部12を8個設けた場合、45度単位でケーブル引き出し方向を変えることができる。
【0034】
したがって、本実施の形態の電気コネクタによれば、レセプタクルコネクタ及び取り付け対象物に対して、プラグコネクタのケーブル引き出し方向を自由に変更することが可能になる。また、コード管A20及びコード管B30の合体する構成により、プラグコネクタの低背化が図れる。
【0035】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0036】
1 プラグコネクタ
2 レセプタクルコネクタ(相手側コネクタ)
3 ケーブル
4 シェル
5 端子
6 ナット
7 取り付け対象物
8 リブ
10 シェル
11 スリット
12 規制部(第1の規制部)
13 規制面(第1の規制面)
14 規制面(第2の規制面)
20 コード管A(第1のコード管)
21 規制部(第2の規制部)
22 規制面
23 突起部
24 孔
25 パッキング用溝
26 突出部
30 コード管B(第2のコード管)
31 規制部(第3の規制部)
32 規制面
33 規制面
34 孔
35 ケーブル引き出し口
36 切欠き部
40 端子
50 スリーブ
60 締め付けリング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9