(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記操作管理部は、宅内設置用の前記操作端末から前記遠隔操作命令と、当該操作端末を特定するための端末特定情報を前記受信部が受信し、且つ、当該端末特定情報に前記管理ユーザの識別情報が関連付けられていることを条件として、当該遠隔操作命令が指示する操作内容が前記識別情報により特定されるユーザに許可されているか否かにかかわらず、前記信号出力装置に前記受信部が受信した前記遠隔操作命令に対応する信号を出力させる、
請求項1に記載の管理装置。
前記操作管理部は、前記指示取得部が取得した遠隔操作命令を指示したユーザ及び当該ユーザに関連付けられた関連ユーザのいずれかが発した音声により当該遠隔操作命令が認識された場合に、前記指示取得部が取得した操作内容に対応する信号を前記信号出力装置に出力させる、請求項4に記載の管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[管理システムSの概要]
図1は、本発明の実施形態に係る管理システムSの概要について説明するための図である。管理システムSは、ユーザの遠隔操作命令により操作対象装置600a及び600bを操作するためのシステムである。管理システムSは、管理装置100、操作端末200a、操作端末200b、操作端末300、音声認識サーバ400、信号出力装置500、操作対象装置600a及び600bを備える。
図1の例では、操作端末300、信号出力装置500、操作対象装置600a及び600bは、宅内Nに設置されている。
【0017】
操作端末200a及び200bは、例えば、スマートフォンである。操作端末200a及び200bは、LTE又はWi−Fi(登録商標)等の無線通信回線を介して、管理装置100に接続されている。操作端末200a及び200bは、操作対象装置600a又は600bを操作するための遠隔操作命令を管理装置100に送信する。遠隔操作命令は、操作端末200a及び200bにより操作する操作対象装置を指定する情報と、指定された操作対象装置に実行させる機能を指示する情報との両方を含む。なお、遠隔操作命令は、操作端末200a及び200bにより操作する操作対象装置を指定する情報、及び指定された操作対象装置に実行させる機能を指定する情報のうち、いずれか一方のみを含んでもよい。操作端末200a及び200bは、操作対象装置600a及び600bと同じ宅内Nから遠隔操作命令を送信してもよく、宅内N以外の場所から遠隔操作命令を送信してもよい。
【0018】
例えば、操作端末200a及び200bは、操作対象装置600a及び600bを操作するためのアプリを起動することにより、操作対象装置600a及び600bを操作するためのユーザの操作入力を受け付ける。操作端末200a及び200bは、受け付けた操作入力に応じた遠隔操作命令と、操作端末200a及び200bを使用するユーザを特定するための識別情報とを管理装置100に送信する。識別情報は、例えば、管理装置100又は音声認識サーバ400を運営する事業者がユーザに割り当てたユーザIDである。本実施の形態の例では、操作端末200a及び200bは、それぞれ一のユーザのみが使用するものとする。
【0019】
操作端末200a及び200bのうち、操作端末200bは、管理ユーザの操作端末であり、操作端末200aは、管理ユーザ以外の非管理ユーザの操作端末である。管理ユーザは、管理ユーザを含むユーザに遠隔操作命令が指示する操作内容を許可するか否かを変更可能な権限を有するユーザである。非管理ユーザは、ユーザに遠隔操作命令が指示する操作内容を許可するか否かを変更可能な権限を有していないユーザである。
【0020】
操作端末300は、音声アシスタント機能及び無線通信機能を有する宅内設置用の音声入出力装置であり、いわゆるスマートスピーカである。操作端末300は、例えば、Wi−Fi等の無線通信により宅内Nのルータ(不図示)を介して音声認識サーバ400と接続している。操作端末300は、ユーザが発した音声を電気信号に変換した音声データを生成する。操作端末300は、生成した音声データと、操作端末300を特定するための端末特定情報とを音声認識サーバ400に送信する。端末特定情報は、例えば、操作端末300の物理アドレスである。操作端末300は、音声認識サーバ400と連携することにより、ユーザの発した音声を認識して各種の機能を実行する。
【0021】
音声認識サーバ400は、操作端末300が生成した音声データ及び端末特定情報を受信する。音声認識サーバ400は、音声認識技術により、受信した音声データから遠隔操作命令を認識する。音声認識サーバ400は、認識した遠隔操作命令を管理装置100へ送信する。
【0022】
また、音声認識サーバ400は、操作端末300に対してユーザが発した起動キーワードの音声認証により、ユーザを特定するためのユーザの識別情報を特定する。起動キーワードは、操作端末300を消費電力の小さい省電力状態から消費電力のより大きい待機状態に移行させるための数文字又は数ワード程度の語句である。ユーザは、操作端末300を操作する前に、操作端末300に対して起動キーワードを発するものとする。音声認識サーバ400は、認識した遠隔操作命令とともに、音声認証により特定したユーザの識別情報を管理装置100へ送信する。
【0023】
操作対象装置600a及び600bは、信号出力装置500が出力する信号により制御可能な装置であり、例えば、家電製品である。
図1の例では、操作対象装置600aは、エアコンであり、操作対象装置600bは、テレビである。操作対象装置600a及び600bは、赤外線信号によって遠隔操作可能な装置である。
【0024】
管理装置100は、操作端末200a、200b、音声認識サーバ400及び信号出力装置500と通信する。管理装置100は、操作端末200a、200b及び音声認識サーバ400から遠隔操作命令を受信する。また、管理装置100は、信号出力装置500を制御し、受信した遠隔操作命令に対応する信号を信号出力装置500に出力させることにより、操作対象装置600a又は600bを操作する。
【0025】
管理装置100は、信号出力装置500に信号を出力させるための制御情報を記憶している。管理装置100は、受信した遠隔操作命令により指示された操作内容に対応する制御情報を読み出し、読み出した制御情報により信号出力装置500に信号を出力させる。操作内容は、操作対象の操作対象装置の指定と、この操作対象装置に実行させる機能の指示とを含む。制御情報は、信号出力装置500に登録されている信号パターンのうち、遠隔操作命令により指示された操作内容に対応する信号パターンの信号を信号出力装置500に出力させるための情報である。
【0026】
また、管理装置100は、遠隔操作命令により操作対象装置600a又は600bを操作することを許可するか否かを決定する。管理装置100は、操作端末200aのユーザに許可された操作内容を指示する遠隔操作命令を操作端末200aから受信した場合には、制御信号を信号出力装置500に送信することにより、遠隔操作命令により指示された操作内容に対応する信号パターンの信号を信号出力装置500に出力させる。一方、管理装置100は、操作端末200aのユーザに許可されていない操作内容を指示する遠隔操作命令を操作端末200aから受信した場合には、制御信号を生成せず、許可されていない操作内容の遠隔操作命令を操作端末200aから受信したことを管理ユーザの操作端末200bに通知する。
【0027】
信号出力装置500は、操作対象装置600a又は600bを操作するための信号をそれぞれ操作対象装置600a及び600bへ出力する。信号出力装置500は、例えば、赤外線式のリモートコントローラである。信号出力装置500には、操作対象装置ごとの操作内容に対応する信号パターンが登録されている。信号パターンは、例えば、点灯時間及び消灯時間の組み合わせからなる赤外線の点滅パターンである。信号出力装置500は、管理装置100から受信した制御情報により指定された信号パターンの信号を出力する。なお、宅内Nに複数の信号出力装置500が設置されていてもよい。
【0028】
[操作端末200の構成]
図2は、操作端末200a及び200bの構成を示す図である。操作端末200a及び200bは、同一の構成を有する。操作端末200a及び200bは、表示部21、通信部22、記憶部23及び制御部24を備える。表示部21は、画像を表示するためのディスプレイである。通信部22は、基地局(不図示)を介する無線通信により、管理装置100と通信するための通信モジュールである。
【0029】
記憶部23は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。記憶部23は、制御部24が実行するプログラムを記憶している。制御部24は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部24は、記憶部23に記憶されたプログラムを実行することにより、操作受付部241及び生成部242として機能する。
【0030】
操作受付部241は、表示部21に形成されたタッチパネルに対するユーザの操作を受け付ける。生成部242は、操作対象装置600a又は600bを操作するための遠隔操作命令を生成する。例えば、生成部242は、操作対象装置600a及び600bを操作するためのアプリを起動することにより、操作対象装置600aの電源投入操作、操作対象装置600aの設定温度変更操作、操作対象装置600bの電源投入操作等の複数の操作内容を表示部21に表示する。
【0031】
生成部242は、表示部21に表示された操作内容のうち、いずれかの操作内容を選択するユーザ操作を操作受付部241が受け付けた場合に、選択された操作内容を指示する遠隔操作命令を生成する。生成部242は、生成した遠隔操作命令を管理装置100に通信部22を介して送信する。
【0032】
図3を参照して、生成部242の動作の例について説明する。
図3は、操作対象装置600a及び600bを操作するためのアプリ画面を示す。
図3(a)は、操作端末200a又は200bにより操作する操作対象装置を指定する画面を示し、
図3(b)は、操作内容を指示するための画面を示す。
【0033】
図3(a)に示す画面では、操作受付部241は、操作端末200a又は200bにより操作する操作対象装置を指定する操作を受け付ける。左側のアイコンは、操作対象として操作対象装置600aを指定するためのアイコンであり、右側のアイコンは、操作対象として操作対象装置600bを指定するためのアイコンである。
【0034】
操作受付部241は、
図3(a)に示す画面において左側のアイコンを選択する操作を受け付けたときに
図3(b)に示す画面を表示部21に表示させる。
図3(b)には、操作対象装置600aの各種の機能に対応するアイコンが表示されている。例えば、生成部242は、「ON」アイコンを選択する操作を操作受付部241が受け付ければ、操作対象装置600aへの電源を投入することを指示する遠隔操作命令を生成し、生成した遠隔操作命令を管理装置100へ送信する。
【0035】
[音声認識サーバ400の構成]
図4は、音声認識サーバ400の構成を示す図である。音声認識サーバ400は、通信部41、記憶部42及び制御部43を備える。通信部41は、操作端末300又は管理装置100と通信するための通信インターフェースである。記憶部42は、ROM及びRAM等の記憶媒体である。記憶部42は、制御部43が実行するプログラムを記憶している。
【0036】
制御部43は、例えばCPUである。制御部43は、記憶部42に記憶されたプログラムを実行することにより、音声認証部431、音声認識部432及び音声生成部433として機能する。
【0037】
音声認証部431は、操作端末300のユーザの音声認証を行う。音声認証部431は、操作端末300にユーザが発した起動キーワードの音声データ及び操作端末300の端末特定情報を通信部41により受信する。音声認証部431は、受信した起動キーワードの音声データ及び端末特定情報に基づいて、ユーザの識別情報を特定する。
【0038】
図5を参照して、音声認証部431の動作を説明する。
図5に示すように、記憶部42には、操作端末300の端末特定情報とユーザの識別情報とに登録音声データを関連付けたテーブルが記憶されている。登録音声データは、ユーザが操作端末300の初期設定時に操作端末300へ発した起動キーワードの音声データである。音声認証部431は、操作端末300の端末特定情報「○△□」を受信した場合に、この端末特定情報「○△□」に関連付けられたユーザの登録音声データをそれぞれ読み出す。音声認証部431は、操作端末300から起動キーワードの音声データを受信し、受信した起動キーワードの音声データと、読み出した登録音声データとの声紋を比較する。
【0039】
音声認証部431は、記憶部42が記憶している登録音声データのうち、操作端末300から受信した起動キーワードの音声データとの声紋の一致度が閾値より高い登録音声データを特定する。音声認証部431は、特定した登録音声データに関連付けられたユーザの識別情報を特定する。閾値は、例えば、誤ったユーザの識別情報を特定する確率が数パーセント以下となる程度の値である。
【0040】
図5の例では、端末特定情報「○△□」に関連付けられた登録音声データのうち、最上段の登録音声データが、操作端末300から受信した起動キーワードの音声データとの一致度が閾値より高くなるとする。この場合、音声認証部431は、最上段の登録音声データが関連付けられた文字列「ABC」が操作端末300を使用しているユーザの識別情報であると特定する。
【0041】
なお、テーブルでは、一のユーザの識別情報に複数の登録音声データを関連付けてもよい。この場合、音声認証部431は、操作端末300から受信した起動キーワードの音声データと、同一のユーザの識別情報に関連付けられた複数の登録音声データとをそれぞれ比較し、同一のユーザの識別情報に関連付けられた複数の登録音声データとの一致度の合計が閾値より高くなるユーザの識別情報を特定する。閾値は、例えば、誤ったユーザの識別情報を特定する確率が数パーセント以下となる程度の値である。
【0042】
図4の説明に戻る。音声認識部432は、操作端末300及び管理装置100と通信部41により通信する。音声認識部432は、操作端末300から音声データを受信する。音声認識部432は、音声認識技術により、受信した音声データから遠隔操作命令を認識する。例えば、音声認識部432は、音声データから「テレビ点けて」という文字列の遠隔操作命令を認識する。音声認識部432は、認識した遠隔操作命令を管理装置100へ送信する。
【0043】
音声生成部433は、操作端末300に音声を出力させるための音声データを生成する。例えば、音声生成部433は、管理装置100からエラーメッセージ等のメッセージを受信した場合に、受信したメッセージを機械音声により朗読する音声データを生成する。音声生成部433は、生成した音声データを操作端末300に通信部41により送信する。
【0044】
[管理装置100の構成]
図6は、管理装置100の構成を示す図である。管理装置100は、通信部11、記憶部12及び制御部13を備える。通信部11は、操作端末200a、200b、音声認識サーバ400及び信号出力装置500と通信するための通信インターフェースである。
【0045】
記憶部12は、ROM及びRAM等の記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶している。制御部13は、例えばCPUである。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、端末情報取得部131、構文解析部132、判定部133、指示取得部134、操作指示変更部135、操作管理部136及び対話生成部137として機能する。
【0046】
端末情報取得部131は、操作端末200a、操作端末200b又は音声認識サーバ400と通信部11により通信する。端末情報取得部131は、管理ユーザの操作端末200bの位置を示す位置情報を操作端末200bから受信する。例えば、端末情報取得部131は、操作端末200bの位置情報として、操作端末200bの位置を示すGPS情報を操作端末200bから受信する。また、端末情報取得部131は、操作端末200a、操作端末200b又は音声認識サーバ400からユーザの識別情報を受信する。
【0047】
端末情報取得部131は、契約者情報を取得する。契約者情報は、操作対象装置600a及び600bを遠隔操作命令により操作するための通信事業者のサービスにユーザが加入しているか否かを示し、且つこのサービスの契約期間を示す情報である。記憶部12には、ユーザの識別情報に関連付けて契約者情報が記憶されている。端末情報取得部131は、受信したユーザの識別情報に記憶部12において関連付けられた契約者情報を記憶部12から取得する。
【0048】
構文解析部132は、音声認識サーバ400からの遠隔操作命令を通信部11により受信する。音声認識部432が音声データから認識した遠隔操作命令は、音声認識の誤り及び言いよどみ等を含んでいる。そこで、構文解析部132は、遠隔操作命令を文節ごとに区切り、文節間の係り受けの整合性を確認することにより、音声認識の誤り又は言いよどみを補正する。構文解析部132は、補正後の遠隔操作命令を判定部133及び操作管理部136に通知する。
【0049】
判定部133は、操作端末200a又は200bからの遠隔操作命令を通信部11により受信する。また、判定部133は、構文解析部132による補正後の遠隔操作命令を取得する。判定部133は、受信又は取得した遠隔操作命令が示す操作内容が、端末情報取得部131が受信したユーザの識別情報により特定されるユーザに許可されているか否かを判定する。
【0050】
図7を参照して、判定部133の動作について説明する。
図7は、ユーザに許可されている操作内容を示した許可テーブルを示す。例えば、家族における父親であるユーザの識別情報は、「ABC」であり、父親は、ライト、エアコン、テレビの全ての操作対象装置を操作することが許可されている。また、家族におけるこどもであるユーザの識別情報は、「XYZ」であり、こどもは、操作対象装置のうちのライトを操作することが許可されているが、エアコン及びテレビを操作することは許可されていない。
【0051】
判定部133は、父親からエアコンを操作することを指示する遠隔操作命令を受信した場合には、許可テーブルを参照して、受信した遠隔操作命令が指示する操作内容が父親に許可されていると判定する。一方、判定部133は、こどもからエアコンを操作することを指示する遠隔操作命令を受信した場合には、受信した遠隔操作命令が指示する操作内容がこどもに許可されていないと判定する。
【0052】
また、
図7に示すように、記憶部12は、ユーザが設定権限を有するか否かを示す情報を記憶している。設定権限は、ユーザに許可された操作内容を変更する権限である。例えば、父親は、設定権限を有する管理ユーザである。一方、母親及びこどもは、設定権限を有していない非管理ユーザである。判定部133は、父親、母親又はこどものいずれかのユーザに許可された操作内容を変更する指示を父親から受信した場合には、指示された操作内容の変更を記憶部12の許可テーブルに適用させる。一方、判定部133は、ユーザに許可された操作内容を変更する指示をこどもから受信した場合には、指示された変更を記憶部12の許可テーブルに適用させない。
【0053】
なお、本実施の形態の例では、遠隔操作命令による操作をユーザに許可するか否かを操作対象装置ごとに設定する場合の例について説明したが、遠隔操作命令による操作をユーザに許可するか否かを操作対象装置において実行される機能ごとに設定してもよい。例えば、操作端末200aの設定温度を変更する操作、操作端末200aの電源を投入する操作及び操作端末200aの電源を遮断する操作がこどもに許可されており、且つ操作端末200aの冷房機能と暖房機能とを切り替える操作がこどもに許可されていない許可テーブルを記憶部12が記憶していてもよい。
【0054】
図6の説明に戻る。判定部133は、端末情報取得部131が取得した位置情報に基づいて、管理ユーザの操作端末200bが所定エリア内に存在するか否かを判定する。所定エリアは、操作対象装置600a及び600bが設置されたエリアであり、例えば、宅内Nである。
【0055】
より詳しくは、判定部133は、端末情報取得部131が取得したGPS情報が示す位置が、管理ユーザの識別情報に関連付けて記憶部12が記憶している位置から所定距離以内であるか否かを判定する。所定距離は、GPSの測定誤差を考慮した値であり、例えば、50メートルである。判定部133は、端末情報取得部131が取得したGPS情報が示す位置が、管理ユーザの識別情報に関連付けて記憶部12が記憶している位置から所定距離以内である場合に、管理ユーザの操作端末200bが所定エリア内に存在すると判定する。一方、端末情報取得部131が取得したGPS情報が示す位置が、管理ユーザの識別情報に関連付けて記憶部12が記憶している位置から所定距離より遠い場合に、管理ユーザの操作端末200bが所定エリア内に存在しないと判定する。
【0056】
また、判定部133は、位置情報が操作端末200bのIPアドレスである場合には、宅内Nに形成されたローカルネットワーク内に操作端末200bが属しているか否かを判定する。例えば、宅内Nに形成されたローカルネットワークの信号出力装置500のIPアドレスが記憶部12に予め記憶されており、判定部133は、記憶部12内の信号出力装置500のIPアドレスと操作端末200bのIPアドレスとを比較する。
【0057】
判定部133は、記憶部12内のゲートウェイのIPアドレスと操作端末200bのIPアドレスが一致する場合には、管理ユーザの操作端末200bが所定エリア内に存在すると判定する。一方、判定部133は、記憶部12内のゲートウェイのIPアドレスと操作端末200bのIPアドレスが一致しない場合には、管理ユーザの操作端末200bが所定エリア内に存在しないと判定する。
【0058】
また、判定部133は、端末情報取得部131が取得した契約者情報を参照して、端末情報取得部131が受信した識別情報により特定されるユーザ及びこのユーザの関連ユーザが操作対象装置600a及び600bを操作するための通信事業者のサービスに加入しているか、及び、契約期間が終了していないかを判定する。関連ユーザは、例えば、ユーザと同一世帯又は同じ住所のユーザである。
【0059】
指示取得部134は、音声認識により認識するための遠隔操作命令と、当該遠隔操作命令により指示される操作内容とをそれぞれ指定するユーザの指示を通信部11により取得する。例えば、ユーザは、操作端末200a又は200bのアプリにおいて、音声認識により認識するための遠隔操作命令を文字入力により指定する。
【0060】
また、ユーザは、操作端末200a又は200bのアプリにおいて、遠隔操作命令により指示される操作内容を指定する。より詳しくは、指示取得部134は、宅内Nに設置されている複数の操作対象装置を操作するための制御情報を記憶部12から読み出し、読み出した制御情報のリストを操作端末200a又は200bに送信する。操作端末200a又は200bの操作受付部241は、受信したリストにおいて示された制御情報に対応する各操作対象装置の操作内容を操作端末200a又は200bの表示部21に提示する。
【0061】
ユーザは、提示された各操作対象装置の操作内容の一覧において遠隔操作命令により指示する操作内容を指定する。操作受付部241は、ユーザが遠隔操作命令及び操作内容を指定した後に、ユーザが指定した遠隔操作命令及び操作内容とともに、ユーザの識別情報を管理装置100へ送信する。端末情報取得部131は、ユーザの識別情報を受信し、指示取得部134は、遠隔操作命令及び操作内容を取得する。
【0062】
操作指示変更部135は、指示取得部134が取得した遠隔操作命令を記憶部12に記憶させる。音声認識による遠隔操作命令により操作対象装置600a及び600bを操作する場合には、各ユーザが使いやすい呼称を遠隔操作命令として用いることができれば、操作端末300による遠隔操作命令の利便性がより高くなることが期待できる。例えば、宅内Nにエアコンが2台設置されている場合に、「リビングのエアコンをつける」等のエアコンの設置場所等に対応する呼称をこのエアコンの操作を指示する遠隔操作命令に用いれば、音声認識による遠隔操作命令の利便性が向上する。そこで、操作指示変更部135は、指示取得部134が取得した遠隔操作命令と、指示取得部134が取得した操作内容に対応する制御情報とを関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0063】
このとき、操作指示変更部135は、指示取得部134において管理ユーザ及び非管理ユーザのいずれの指示を取得したかにかかわらず、遠隔操作命令と制御情報とを関連付ける。操作指示変更部135は、複数の遠隔操作命令を同一の制御情報に関連付けて記憶部12に記憶させてもよい。
【0064】
通常、指示取得部134が取得した遠隔操作命令を指示したユーザがこの遠隔操作命令を使用する可能性が高い。そこで、操作指示変更部135は、記憶部12に記憶させる遠隔操作命令に端末情報取得部131が受信したユーザの識別情報を関連付ける。
【0065】
操作管理部136は、判定部133が通信部11により受信した遠隔操作命令又は構文解析部132による補正後の遠隔操作命令を取得する。操作管理部136は、通信部11により信号出力装置500を制御して、取得した遠隔操作命令が指示する操作内容に対応する信号を出力させる。
【0066】
記憶部12には、信号出力装置500に信号を出力させるための制御情報が、遠隔操作命令に関連付けて記憶されている。例えば、ユーザは、操作対象装置を操作するための通信事業者のサービスに加入するとき又は信号出力装置500等を購入するときに、宅内Nに設置されている各操作対象装置の型番を通信事業者に通知する。通信事業者は、通知された型番の操作対象装置を操作するための制御情報を遠隔操作命令に関連付けて記憶部12に記憶させる。また、ユーザが、操作端末200a又は200bのアプリにおいて宅内Nに設置されている操作対象装置の型番を入力してもよい。この場合、操作端末200a又は200bが管理装置100へ型番を通知し、操作管理部136が、通知された型番の操作対象装置を操作するための制御情報を遠隔操作命令に関連付けて記憶部12に記憶させてもよい。
【0067】
操作管理部136は、遠隔操作命令に記憶部12において関連付けられた制御情報を読み出し、読み出した制御情報により信号出力装置500に信号を出力させる。また、操作管理部136は、判定部133又は構文解析部132から取得した遠隔操作命令が示す操作内容が、端末情報取得部131が受信したユーザ識別情報により特定されるユーザに許可されていると判定部133において判定した場合に、遠隔操作命令に関連付けられた制御情報により信号出力装置500に信号を出力させる。
【0068】
また、操作管理部136は、判定部133又は構文解析部132から取得した遠隔操作命令が示す操作内容が、端末情報取得部131が受信したユーザ識別情報により特定されるユーザに許可されていないと判定部133において判定した場合に、信号出力装置500に信号を出力させない。ユーザが許可されていない操作内容について操作対象装置600a又は600bを操作するには、管理ユーザが、ユーザにこの操作内容を許可するように、許可テーブルを変更する必要がある。そこで、操作管理部136は、許可されていない操作内容を指示する遠隔操作命令を操作端末200aから受信したことを管理ユーザの操作端末200bに通信部11により通知する。
【0069】
また、管理ユーザの操作端末200bが所定エリア内に存在すると判定部133が判定した場合には、宅内Nの操作対象装置600a及び600bは、管理ユーザの管理下にあるとみなすことができる。そこで、操作管理部136は、管理ユーザの操作端末200bが所定エリア内に存在すると判定部133が判定した場合には、判定部133又は構文解析部132から取得した遠隔操作命令に関連付けられた制御情報に基づく信号を信号出力装置500に出力させる。操作管理部136は、管理ユーザの操作端末200bが所定エリア内に存在すると判定部133が判定した場合には、判定部133又は構文解析部132から取得した遠隔操作命令が示す操作内容がユーザに許可されているか否かを考慮しない。
【0070】
また、操作端末300は、宅内設置用であるため、操作端末300の端末特定情報に管理ユーザの識別情報が関連付けられていれば、管理ユーザが管理可能な場所に設置されているとみなすことができる。このため、操作端末200a及び200bによる遠隔操作命令と比べれば、操作端末300による遠隔操作命令を制限する必要性は小さい。そこで、操作管理部136は、操作端末300の端末特定情報に管理ユーザの識別情報が関連付けられていることを条件として、操作端末300からの遠隔操作命令が指示する操作内容が操作端末300のユーザに許可されていない場合でも、この遠隔操作命令を許容してもよい。
【0071】
操作管理部136は、操作端末300の端末特定情報を通信部11により受信する。記憶部12には、管理ユーザの識別情報に関連付けられた宅内用の操作端末の端末特定情報が記憶されている。操作管理部136は、受信した端末特定情報が、管理ユーザの識別情報に関連付けられた端末特定情報と一致するか否かを判定する。操作管理部136は、受信した端末特定情報が、管理ユーザの識別情報に関連付けられた端末特定情報と一致する場合に、構文解析部132から取得した遠隔操作命令に関連付けられた制御情報により、信号出力装置500に信号を出力させてもよい。この場合、操作管理部136は、端末情報取得部131が受信した識別情報により特定されたユーザに遠隔操作命令が指示する操作内容が許可されているか否かを考慮しなくてもよい。
【0072】
また、操作管理部136は、端末情報取得部131が受信した識別情報により特定されるユーザ及びこのユーザの関連ユーザがいずれも操作対象装置600a及び600bを操作するための通信事業者のサービスに加入していないと判定部133が判定した場合、及びこのサービスの契約期間が終了していると判定部133が判定した場合には、信号出力装置500に信号を出力させない。
【0073】
また、操作管理部136は、構文解析部132から取得した遠隔操作命令が、操作指示変更部135がユーザの指示に基づいて記憶部12に記憶させた遠隔操作命令である場合には、記憶部12に記憶されている遠隔操作命令に関連付けられた識別情報を読み出す。操作管理部136は、端末情報取得部131が受信した識別情報と、記憶部12に記憶されている遠隔操作命令に関連付けられた識別情報とが一致するか否かを判定する。
【0074】
操作管理部136は、端末情報取得部131が受信した識別情報と、記憶部12に記憶されている遠隔操作命令に関連付けられた識別情報とが一致し、且つ端末情報取得部131が受信した識別情報により特定されるユーザに遠隔操作命令が指示する操作内容が許可されていることを条件として、この操作内容に対応する信号を出力させる。一方、操作管理部136は、端末情報取得部131が受信した識別情報と、記憶部12に記憶されている遠隔操作命令に関連付けられた識別情報とが一致しない場合、及び、端末情報取得部131が受信した識別情報により特定されるユーザに遠隔操作命令が指示する操作内容が許可されていない場合には、取得した遠隔操作命令が指示する操作内容に対応する信号を出力させない。
【0075】
また、ユーザと、このユーザの関連ユーザとが、宅内設置用の操作端末300を共有して使用することがある。ユーザ及び関連ユーザが、操作端末300により同一の遠隔操作命令を用いることが可能であれば、ユーザごとに遠隔操作命令及び操作内容を指示する必要がない。そこで、操作管理部136は、取得した遠隔操作命令に関連付けられたユーザの識別情報又はこのユーザの関連ユーザの識別情報を端末情報取得部131が受信し、且つ端末情報取得部131が受信した識別情報により特定されるユーザに遠隔操作命令が指示する操作内容が許可されていることを条件として、この操作内容に対応する信号を出力させてもよい。
【0076】
操作管理部136は、構文解析部132から取得した遠隔操作命令に対応する制御情報が記憶部12に記憶されていない場合には、対話生成部137に通知する。対話生成部137は、操作端末300のユーザに通知するメッセージを生成する。例えば、対話生成部137は、構文解析部132から取得した遠隔操作命令に対応する制御情報が記憶部12に記憶されていない場合に、操作端末300のユーザに遠隔操作命令の音声入力をやり直すことを要求するエラーメッセージを生成する。対話生成部137は、生成したエラーメッセージを通信部11により音声認識サーバ400へ送信する。
【0077】
[管理装置100の処理手順]
図8は、管理装置100の動作の一例を示したフローチャートである。この処理手順は、操作端末200a又は200bの生成部242が遠隔操作命令を管理装置100に送信したときに開始する。
【0078】
まず、判定部133は、操作端末200a又は200bからの遠隔操作命令を通信部11により受信する(S101)。また、端末情報取得部131は、ユーザの識別情報を通信部11により受信する(S102)。判定部133は、受信した遠隔操作命令が示す操作内容が、端末情報取得部131が受信した識別情報により特定されるユーザに許可されているか否かを判定する(S103)。
【0079】
また、端末情報取得部131は、受信した遠隔操作命令が示す操作内容が特定されたユーザに許可されていないと判定部133が判定した場合に(S103のNO)、管理ユーザの操作端末200bの位置情報を操作端末200bから取得する(S104)。
【0080】
判定部133は、端末情報取得部131が取得した位置情報に基づいて、管理ユーザの操作端末200bが所定エリア内に存在するか否かを判定する(S105)。操作管理部136は、管理ユーザの操作端末200bが所定エリア内に存在しないと判定部133が判定した場合には(S105のNO)、信号出力装置500に信号を出力させない。更に、操作管理部136は、許可されていない操作内容を指示する遠隔操作命令を操作端末200aから受信したことを管理ユーザの操作端末200bに通知する(S106)。
【0081】
操作管理部136は、ステップS103の判定において受信した遠隔操作命令が示す操作内容が特定されたユーザに許可されていると判定部133において判定した場合に(S103のYES)、判定部133が受信した遠隔操作命令に関連付けられた制御情報により、信号出力装置500に信号を出力させる。ステップS105の判定において管理ユーザの操作端末200bが所定エリア内に存在すると判定部133が判定した場合には、仮に操作対象装置600a又は600bが管理ユーザの意図に反する操作内容で操作されたとしても、管理ユーザが操作を取り消すことができる。そこで、操作管理部136は、ステップS105の判定において管理ユーザの操作端末200bが所定エリア内に存在すると判定部133が判定した場合には(S105のYES)、判定部133において受信した遠隔操作命令に関連付けられた制御情報に基づく信号を信号出力装置500に出力させ(S107)、処理を終了する。
【0082】
[本発明による効果]
本実施の形態によれば、操作管理部136は、通信部11が受信した遠隔操作命令が指示する操作内容が、通信部11が受信した識別情報により特定されるユーザに許可されていない場合に、当該ユーザに操作内容を許可するか否かを変更可能な管理ユーザの操作端末200bに通知する。このような構成により、管理ユーザは、ユーザが許可されていない操作内容の遠隔操作命令を管理装置100に送信したか否かを把握することができる。
【0083】
また、本実施の形態によれば、操作管理部136は、管理ユーザの操作端末200bが所定エリア内に存在すると判定部133において判定した場合に、操作内容が通信部11において受信した識別情報により特定されるユーザに許可されているか否かにかかわらず、信号出力装置500に通信部11が受信した遠隔操作命令に対応する信号を出力させる。
【0084】
管理ユーザが所定エリア内にいる状態では、操作対象装置600a又は600bが管理ユーザの意図に反する操作内容で操作された場合でも、管理ユーザが操作を取り消すことができる。そこで、管理ユーザの操作端末200bが所定エリア内に存在すると判定部133において判定した場合には、ユーザに許可されていない操作内容を指示する遠隔操作命令を許容することにより、遠隔操作命令により操作対象装置600a又は600bを操作する利便性を優先することができる。
【0085】
また、宅内設置用の操作端末300の端末特定情報に管理ユーザの識別情報が関連付けられていれば、操作端末300が管理ユーザの管理可能な場所に設置されているとみなすことができる。そこで、本実施の形態では、操作管理部136は、操作端末300の端末特定情報に管理ユーザの識別情報が関連付けられていることを条件として、遠隔操作命令が指示する操作内容がユーザに許可されていない場合であっても操作端末300からの遠隔操作命令を許容する。このため、操作端末300の操作性を向上させることができる。
【0086】
また、本実施の形態によれば、操作指示変更部135は、指示取得部134が管理ユーザ及び管理ユーザ以外のユーザのいずれの指示を取得したかにかかわらず、指示取得部134が取得した遠隔操作命令と、指示取得部134が取得した操作内容に対応する制御情報とを関連付けて記憶部12に記憶させる。このような構成により、管理ユーザ及び非管理ユーザの両方が、使いやすい呼称を遠隔命令として用いることができるので、操作端末300による遠隔操作命令の利便性がより高くなることが期待できる。
【0087】
また、本実施の形態によれば、操作管理部136は、指示取得部134が取得した遠隔操作命令を指示したユーザ及び当該ユーザに関連付けられた関連ユーザのいずれかが発した音声により当該遠隔操作命令が認識された場合に、指示取得部134が取得した操作内容に対応する信号を信号出力装置500に出力させる。このような構成により、ユーザ及び関連ユーザが操作端末300により同一の遠隔操作命令を用いることができるので、ユーザごとに遠隔操作命令及び操作内容を指示する必要がない。
【0088】
なお、本実施の形態では、管理装置100が一台のサーバである場合の例について説明したが本発明はこれに限定されない。例えば、管理装置100は、クラウドベースのサーバであってもよい。例えば、端末情報取得部131は、構文解析部132、判定部133、指示取得部134、操作指示変更部135、操作管理部136及び対話生成部137とは別のサーバが備えていてもよい。
【0089】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。