(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2電子機器で駆動するアプリケーションの制御にしたがって前記第2電子機器の通話時に測定されるオーディオ特性情報が受信され、前記第2電子機器の機器特性情報に基づいてさらに分類されることを特徴とする、請求項1に記載の制御方法。
前記機器特性情報は、前記電子機器の機種やオペレーティングシステムを特定するための情報、前記電子機器の性能と関連する仕様、および前記電子機器のオーディオ特性と関連する仕様のうちの少なくとも1つに関する第1情報を含み、前記電子機器の通話地域および前記電子機器の通話モードのうちの少なくとも1つに関する第2情報をさらに含むことを特徴とする、請求項1または3に記載の制御方法。
前記電子機器の性能と関連する仕様は、前記電子機器が含む中央処理装置の情報、および前記電子機器が含むメモリの情報のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項5に記載の制御方法。
前記電子機器のオーディオ特性と関連する仕様は、前記電子機器のシステム遅延、前記電子機器のオーディオクリッピング)、前記電子機器の電源雑音、前記電子機器が含むマイクロホンのクロック、前記電子機器が含むスピーカのクロック、および前記電子機器の音質改善システム(Voice Quality Enhancement:VQE)のサポート可否のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項5に記載の制御方法。
前記環境設定値は、前記電子機器のシステム遅延、AEC(Acoustic Echo Cancellation)、ノイズ抑制(Noise Suppression:NS)、HPF(High Power Field)、AGC(Automatic Gain Control)、スキュー補正、音質改善システム(Voice Quality Enhancement:VQE)、およびコーデック)のうちの少なくとも1つに対する設定値を含むことを特徴とする、請求項8に記載の制御方法。
前記機器特性情報は、前記電子機器の機種やオペレーティングシステムを特定するための情報、前記電子機器の性能と関連する仕様、および前記電子機器のオーディオ特性と関連する仕様のうちの少なくとも1つに関する情報を含み、前記電子機器の通話地域および前記電子機器の通話モードのうちの少なくとも1つに関する情報をさらに含むことを特徴とする、請求項11または12に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<発明の概略>
サーバがネットワークを介して接続する電子機器のオーディオ特性を制御する方法であって、第1電子機器にインストールされて駆動するアプリケーションの制御にしたがって前記第1電子機器の通話時に測定されるオーディオ特性情報を前記第1電子機器から受信する段階、前記アプリケーションの制御にしたがって前記第1電子機器で収集される前記第1電子機器の機器特性情報を前記第1電子機器から受信する段階、前記第1電子機器から受信したオーディオ特性情報を前記第1電子機器の機器特性情報に基づいて分類し、分類された機器特性別のオーディオ特性情報に基づいて機器特性別の環境設定情報を生成および管理する段階、第2電子機器にインストールされて駆動するアプリケーションの制御にしたがって前記第2電子機器で収集される前記第2電子機器の機器特性情報を前記第2電子機器から受信する段階、および前記第2電子機器の機器特性情報に該当する環境設定情報を前記第2電子機器に送信する段階を含み、前記第2電子機器で駆動するアプリケーションの制御にしたがって前記第2電子機器に送信された環境設定情報が適用され、前記第2電子機器の通話のためのオーディオ特性が制御されることを特徴とする、制御方法を提供する。
【0014】
一側面によると、前記第2電子機器で駆動するアプリケーションの制御にしたがって前記第2電子機器の通話時に測定されるオーディオ特性情報が受信され、前記第2電子機器の機器特性情報に基づいてさらに分類されることを特徴としてよい。
【0015】
他の側面によると、前記オーディオ特性情報は、ERL(Echo Return Loss)、残余反響レベル(Residual Echo Level:L
RES)、ERLE(Echo Return Loss Enhancement)、雑音レベル、および平均音声レベルのうちの少なくとも1つを含むことを特徴としてよい。
【0016】
また他の側面によると、前記機器特性情報は、前記電子機器の機種やオペレーティングシステム(Operating System:OS)を特定するための情報、前記電子機器の性能と関連する仕様、および前記電子機器のオーディオ特性と関連する仕様のうちの少なくとも1つに関する第1情報を含み、前記電子機器の通話地域および前記電子機器の通話モードのうちの少なくとも1つに関する第2情報をさらに含むことを特徴としてよい。
【0017】
また他の側面によると、前記電子機器のオーディオ特性と関連する仕様は、前記電子機器のシステム遅延、前記電子機器のオーディオクリッピング、前記電子機器の電源雑音、前記電子機器が含むマイクロホンのクロック、前記電子機器が含むスピーカのクロック、および前記電子機器の音質改善システム(Voice Quality Enhancement:VQE)のサポート可否のうちの少なくとも1つを含むことを特徴としてよい。
【0018】
また他の側面によると、前記オーディオ特性情報は、前記機器特性情報によって分類されて統計化され、前記環境設定情報は、対応する機器特性によって前記統計化されたオーディオ特性情報に基づいて予め設定された電子機器の環境設定値を含むことを特徴としてよい。
【0019】
ネットワークを介してサーバと接続する電子機器により実施されるオーディオ特性を制御する方法であって、駆動するアプリケーションの制御にしたがって機器特性情報を収集して前記サーバに送信する段階、通話時に前記アプリケーションの制御にしたがって前記サーバに接続し、前記機器特性情報にしたがって前記サーバが提供する環境設定情報を受信する段階、前記環境設定情報を適用して前記通話の音声品質改善のためのオーディオ特性を制御する段階、前記通話時に入力される音声データを分析してオーディオ特性情報を収集する段階、および前記収集されたオーディオ特性情報を前記サーバに送信する段階を含み、前記サーバでは、電子機器から送信されるオーディオ特性情報が前記電子機器から送信される機器特性情報によって分類され、分類された機器特性別のオーディオ特性情報に基づいて機器特性別の環境設定情報が生成および管理されることを特徴とする、制御方法を提供する。
【0020】
1つ以上のプロセッサを含み、ネットワークを介して電子機器と通信するシステムであって、前記1つ以上のプロセッサは、前記電子機器にインストールされて駆動するアプリケーションの制御にしたがって前記電子機器の通話時に測定されるオーディオ特性情報を前記電子機器から受信し、前記アプリケーションの制御にしたがって前記電子機器で収集される前記電子機器の機器特性情報を前記電子機器から受信する受信部、前記電子機器から受信したオーディオ特性情報を前記電子機器の機器特性情報に基づいて分類し、分類された機器特性別のオーディオ特性情報に基づいて機器特性別の環境設定情報を生成および管理する環境設定情報管理部、および前記収集された機器特性情報に該当する環境設定情報を前記電子機器に送信する環境設定情報送信部を備え、前記電子機器で駆動するアプリケーションの制御にしたがって前記電子機器に送信された環境設定情報が適用され、前記電子機器の通話のためのオーディオ特性が制御されることを特徴とする、システムを提供する。
【0021】
1つ以上のプロセッサを含み、ネットワークを介してサーバと通信するシステムであって、前記1つ以上のプロセッサは、駆動するアプリケーションの制御にしたがって機器特性情報を収集してサーバに送信する送信部、通話時に前記アプリケーションの制御にしたがって前記サーバに接続し、前記機器特性情報にしたがって前記サーバが提供する環境設定情報を受信する環境設定情報受信部、前記環境設定情報を適用して前記通話の音声品質改善のためのオーディオ特性を制御するオーディオ特性制御部、および前記通話時に入力される音声データを分析してオーディオ特性情報を収集するオーディオ特性情報収集部を備え、前記送信部は、前記収集されたオーディオ特性情報を前記サーバに送信し、前記サーバでは、電子機器から送信されるオーディオ特性情報が前記電子機器から送信される機器特性情報によって分類され、分類された機器特性別のオーディオ特性情報に基づいて機器特性別の環境設定情報が生成および管理されることを特徴とする、システムを提供する。
【0022】
<発明の詳細>
以下、実施形態について、添付の図面を参照しながら詳しく説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態における、音声品質改善のためのシステムの動作環境の例を示した図である。
【0024】
本実施形態に係るシステムの動作環境は、電子機器110、120、130、140、サーバ150、およびネットワーク160を含んでよい。
【0025】
電子機器110、120、130、140は、他の機器との音声通話が可能な装置の例であり、
図1では4つの電子機器110、120、130、140を示しているが、これは動作環境の説明のための一例に過ぎず、これに限定されることはない。このような電子機器110、120、130、140それぞれは、固定型端末や移動型端末であってよい。電子機器110、120、130、140の例としては、スマートフォン、携帯電話、ナビゲーション、コンピュータ、ノート型パンコン、PDA(Personal Digital Assistants)、PMP(Portable Multimedia Player)、タブレットなどのように、移動通信網や有線インターネット、無線インターネットなどを利用して他の機器と音声通話が可能な装置であれば限定されることはない。電子機器110、120、130、140それぞれは、無線または有線通信方式を利用し、ネットワーク160を介して他の電子機器および/またはサーバ150と通信してよい。
【0026】
ネットワーク160は、一例として、PAN(personal area network)、LAN(local area network)、CAN(campus area network)、MAN(metropolitan area network)、WAN(wide area network)、BBN(broadband network)、インターネットなどのネットワークのうちの1つ以上の任意のネットワークを含んでよい。また、ネットワーク160は、バスネットワーク、スターネットワーク、リングネットワーク、メッシュネットワーク、スター−バスネットワーク、ツリーまたは階層的ネットワークなどを含むネットワークトポロジのうちの任意の1つ以上を含んでよいが、これに制限されることはない。
【0027】
サーバ150それぞれは、電子機器110、120、130、140とネットワーク160を介して通信してサービスやコンテンツを提供する装置または複数の装置で実現されてよい。例えば、サーバ150は、電子機器110、120、130、140に音声品質改善のためのサービスを提供するシステムであってよい。
【0028】
図2は、本発明の一実施形態における、電子機器とサーバの内部構成を説明するためのブロック図である。電子機器110は、メモリ211、プロセッサ212、通信モジュール213、および入力/出力インタフェース214を含んでよく、サーバ150も、メモリ221、プロセッサ222、通信モジュール223、および入力/出力インタフェース224を含んでよい。
【0029】
メモリ211、221は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体であって、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)、およびディスクドライブのような永久大容量記憶装置(permanent mass storage device)を含んでよい。また、メモリ211、221には、オペレーティングシステムと、少なくとも1つのプログラムコードが格納されてよい。例えば、少なくとも1つのプログラムコードは、少なくとも音声通話の音声品質改善のための電子機器110用コードまたはサーバ150用コードを含んでよい。このようなソフトウェア構成要素は、ドライブメカニズムを利用してメモリ211、221とは別のコンピュータで読み取り可能な記録媒体からロードされてよい。このような別のコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、フロッピードライブ、ディスク、テープ、DVD/CD−ROMドライブ、メモリカードなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体を含んでよい。他の実施形態において、ソフトウェア構成要素は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体ではない通信モジュール213、223を利用してメモリ211、221にロードされてもよい。例えば、少なくとも1つのプログラムコードは、開発者がネットワーク160を介して提供するファイルに基づいてメモリ211にロードされてもよい。
【0030】
プロセッサ212、222は、基本的な算術、ロジック、および入出力演算を実行することにより、コンピュータプログラム(一例として、上述した少なくとも1つのプログラムコード)の命令を処理するように構成されてよい。命令は、メモリ211、221または通信モジュール213、223によって、プロセッサ212、222に提供されてよい。
【0031】
通信モジュール213、223は、ネットワーク160を介して他の機器(電子機器110の観点におけるサーバ150と、サーバ150の観点における電子機器110を含む)と通信するための機能を提供してよい。一例として、電子機器110のプロセッサ212で発生した要請メッセージが、通信モジュール213とネットワーク160を介してサーバ150に伝達されてよい。これとは逆に、サーバ150が通信モジュール223とネットワーク160を介して送信するデータが、電子機器110の通信モジュール213を通じて電子機器110に受信されてよい。
【0032】
入力/出力インタフェース214は、電子機器110がさらに含むか、電子機器110と連係可能な入力/出力装置215との連結のための機能を提供してよい。例えば、入力装置としては、マウス、キーボード、タッチパネル、マイクなどが含まれてよく、出力装置としては、スピーカ、ディスプレイ、タッチスクリーンなどが含まれてよい。
【0033】
また、他の実施形態において、電子機器110とサーバ150は、
図2の構成要素よりもさらに多くの構成要素を含んでもよい。しかし、大部分の従来技術構成要素を明確に図に示す必要はない。例えば、電子機器110は、タッチスクリーンのようなディスプレイやトランシーバ、GPS(Global Positioning System)モジュール、カメラなどのような他の構成要素をさらに含んでもよい。
【0034】
図3は、本発明の一実施形態における、サーバが含むプロセッサを説明するためのブロック図であり、
図4は、本発明の一実施形態における、サーバの制御方法を示したフローチャートである。サーバ150に含まれたプロセッサ222は、
図3に示すように、受信部310、環境設定情報管理部320、および環境設定情報送信部330を備えてよい。このような構成要素は、
図4の制御方法が含む段階410〜450をメモリ221が含むオペレーティングシステムと少なくとも1つのプログラムコードによって実行するように実現されてよい。
【0035】
段階410で、受信部310は、第1電子機器にインストールされて駆動するアプリケーションの制御にしたがって第1電子機器の通話時に測定されるオーディオ特性情報を第1電子機器から受信してよい。第1電子機器は、上述したアプリケーションがインストールされた電子機器110の一例であってよい。また、アプリケーションは、上述した少なくとも1つのプログラムコードに対応してよく、音声品質改善のためのサービスのために第1電子機器にインストールされてよい。このようなアプリケーションがインストールされた第1電子機器は、アプリケーションの制御にしたがって通話時にオーディオ特性情報を測定してサーバに送信してよく、受信部310は、送信されたオーディオ特性情報を受信してよい。
【0036】
オーディオ特性情報は、ERL(Echo Return Loss)、残余反響レベル(Residual Echo Level:L
RES)、ERLE(Echo Return Loss Enhancement)、雑音レベル(noise level)、および平均音声レベルのうちの少なくとも1つのように、音声品質の改善のために活用可能な情報を含んでよい。このようなオーディオ特性情報に含まれる情報については、以下でさらに詳しく説明する。
【0037】
段階420で、受信部310は、第1電子機器のアプリケーションの制御にしたがって第1電子機器で収集される第1電子機器の機器特性情報を第1電子機器から受信してよい。機器特性情報も、アプリケーションがインストールされた電子機器でアプリケーションの制御にしたがって測定されてサーバに送信されてよく、受信部310は、送信された機器特性情報を受信してよい。
【0038】
機器特性情報は、電子機器(一例として、電子機器110)の機種やオペレーティングシステム(Operating System:OS)を特定するための情報、電子機器の性能と関連する仕様、電子機器のオーディオ特性と関連する仕様、電子機器の通話地域、および電子機器の通話モードのうちの少なくとも1つに関する情報を含んでよい。例えば、電子機器のオーディオ特性と関連する仕様は、電子機器のシステム遅延、電子機器のオーディオクリッピング、電子機器の電源雑音、電子機器が含むマイクロホンのクロック、電子機器が含むスピーカのクロック、および電子機器の音質改善システム(Voice Quality Enhancement:VQE)のサポート可否のうちの少なくとも1つを含んでよい。このような機器特性情報に含まれる情報についても、以下でさらに詳しく説明する。
【0039】
段階430で、環境設定情報管理部320は、第1電子機器から受信したオーディオ特性情報を第1電子機器の機器特性情報に基づいて分類し、分類された機器特性別のオーディオ特性情報に基づいて機器特性別の環境設定情報を生成および管理してよい。例えば、オーディオ特性情報は、機器特性情報によって分類されて統計化されてよい。ここで、環境設定情報は、対応する機器特性によって統計化されたオーディオ特性情報に基づいて予め設定された電子機器の環境設定値を含んでよい。例えば、Aモデルのスマートフォン(特定の機器特性の電子機器)からオーディオ特性情報が収集されてよく、収集されたオーディオ特性情報の統計値によって該当のAモデルのスマートフォンに対する環境設定値が生成されてよい。
【0040】
段階440で、受信部310は、第2電子機器にインストールされて駆動するアプリケーションの制御にしたがって第2電子機器で収集される第2電子機器の機器特性情報を第2電子機器から受信してよい。第2電子機器も、アプリケーションがインストールされた電子機器110の一例であり、上述した第1電子機器と同じ機器であってもよいし、互いに異なる機器であってもよい。機器特性情報を受信する方法は、段階420を参照しながら説明したものと同じである。
【0041】
段階450で、環境設定情報送信部330は、第2電子機器の機器特性情報に該当する環境設定情報を第2電子機器に送信してよい。機器特性情報によって第2電子機器の機器特性が確認されると、環境設定情報送信部330は、確認された機器特性に対応する環境設定情報を検索して提供してよい。例えば、第2電子機器が上述した例における、Aモデルのスマートフォンに対応する場合、環境設定情報送信部330は、Aモデルのスマートフォンに対して生成された環境設定値を含む環境設定情報を第2電子機器に送信してよい。
【0042】
このとき、第2電子機器で駆動するアプリケーションの制御にしたがって第2電子機器に送信された環境設定情報が適用され、第2電子機器の通話のためのオーディオ特性が制御されてよい。
【0043】
このように、サーバは、多数の電子機器からオーディオ特性情報を受信し、これを機器特性によって分類することにより、機器特性別に環境設定情報を生成および管理することができる。したがって、それぞれの電子機器が通話のたびに音声データを分析して環境設定値を生成してこれを更新および管理する必要がない上に、サーバがそれぞれの電子機器を購入してオーディオ特性を予め実験して把握しなくても、オーディオ特性の制御を必要とする電子機器から収集および統計化されたオーディオ特性に基づき、該当の機器特性に合った環境設定情報を直ぐに提供することができる。
【0044】
このとき、第2電子機器のオーディオ特性情報が収集されてもよい。例えば、第2電子機器で駆動するアプリケーションの制御にしたがって第2電子機器の通話時に測定されるオーディオ特性情報が受信され、第2電子機器の機器特性情報に基づいてさらに分類されてよい。このように、アプリケーションをインストールした電子機器が通話をするたびに収集されるオーディオ特性情報が機器特性によって分類および統計化されるため、より迅速かつ容易に機器特性別の環境設定情報が構築されるようになる。
【0045】
図5は、本発明の一実施形態における、電子機器が含むプロセッサを説明するためのブロック図であり、
図6は、本発明の一実施形態における、電子機器の制御方法を示したフローチャートである。電子機器110に含まれたプロセッサ212は、
図5に示すように、送信部510、環境設定情報受信部520、オーディオ特性制御部530、およびオーディオ特性情報収集部540を備えてよい。このような構成要素は、
図6の制御方法が含む段階610〜650を実行するように実現されてよい。
【0046】
段階610で、送信部510は、駆動するアプリケーションの制御にしたがって機器特性情報を収集してサーバに送信してよい。サーバは、上述したサーバ150に対応してよい。機器特性情報は、上述したように、電子機器(一例として、電子機器110)の機種やオペレーティングシステム(Operating System:OS)を特定するための情報、電子機器の性能と関連する仕様、電子機器のオーディオ特性と関連する仕様、電子機器の通話地域、および電子機器の通話モードのうちの少なくとも1つに関する情報を含んでよい。例えば、電子機器のオーディオ特性と関連する仕様は、電子機器のシステム遅延、電子機器のオーディオクリッピング、電子機器の電源雑音、電子機器が含むマイクロホンのクロック、電子機器が含むスピーカのクロック、および電子機器の音質改善システム(Voice Quality Enhancement:VQE)のサポート可否のうちの少なくとも1つを含んでよい。このような機器特性情報に含まれる情報については、以下でさらに詳しく説明する。
【0047】
段階620で、環境設定情報受信部520は、通話時にアプリケーションの制御にしたがってサーバに接続し、機器特性情報によってサーバが提供する環境設定情報を受信してよい。例えば、サーバでは、電子機器から送信されるオーディオ特性情報が電子機器から送信される機器特性情報によって分類され、分類された機器特性別のオーディオ特性情報に基づいて機器特性別の環境設定情報が生成および管理されてよい。このとき、サーバは、受信した機器特性情報に該当する環境設定情報を検索して電子機器110に送信してよく、環境設定情報受信部520は、サーバから受信される環境設定情報を受信してよい。上述したように、サーバは、電子機器のオーディオ特性情報を収集して機器特性別に分類して統計化し、機器特性別の環境設定情報を生成および管理してよい。サーバは、段階610でのように、電子機器の機器特性情報が受信されると、受信した機器特性情報に対応する環境設定情報を検索して電子機器に送信してよい。
【0048】
段階630で、オーディオ特性制御部530は、環境設定情報を適用して通話の音声品質改善のためのオーディオ特性を制御してよい。例えば、オーディオ特性制御部530は、環境設定情報が含む環境設定値を利用して各種設定値を制御してよい。
【0049】
段階640で、オーディオ特性情報収集部540は、通話時に入力される音声データを分析してオーディオ特性情報を収集してよく、段階650で、送信部510は、収集したオーディオ特性情報をサーバに送信してよい。サーバに送信されたオーディオ特性情報も、電子機器の機器特性情報によって分類されて統計化され、環境設定情報の生成に活用されてよい。
【0050】
図7は、電子機器での通話環境の例を示した図である。
図7は、電子機器700がスピーカ710とマイクロホン720を含む例を概略的に示している。ここで、マイクロホン720に入力されてキャプチャされる信号xは、発話された音声sと外部の雑音n、そしてスピーカ710を通じて出力されるエコーe(エコーeは、スピーカを通じて出力されながら線形特性を有するエコーe
linearと非線形特性を有するエコーe
non−linearとで構成されてよい)の合成からなってよい。例えば、キャプチャされる信号xは、下記の数式(1)のように表現されてよい。
【0051】
x=s+n+e・・・(1)
したがって、キャプチャされる信号xから外部の雑音nとエコーeを引けば、発話された音声sは下記の数式(2)のように求められる。
【0052】
s=x−n−e・・・(2)
例えば、電子機器が含むことのできる音質改善システム(Voice Quality Enhancement:VQE)は、このようなエコーeと雑音nを取り除いて利得を調節するための機能を含んでよい。
【0053】
機器特性情報として機種を特定するための情報には、電子機器の商品名やモデルなどが含まれてよい。オペレーティングシステム(Operating System:OS)を特定するための情報には、オペレーティングシステムの名称やバージョンなどが含まれてよい。
【0054】
電子機器の性能と関連する仕様は、電子機器が含む中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)の情報、および電子機器が含むメモリの情報のうちの少なくとも1つを含んでよい。
【0055】
電子機器のオーディオ特性と関連する仕様は、上述したように、電子機器のシステム遅延、電子機器のオーディオクリッピング、電子機器の電源雑音、電子機器が含むマイクロホンのクロック、電子機器が含むスピーカのクロック、および電子機器の音質改善システム(Voice Quality Enhancement:VQE)のサポート可否のうちの少なくとも1つを含んでよい。
【0056】
電子機器のシステム遅延は、エコーeとキャプチャされた信号xとの間の遅延情報を含んでよく、オーディオクリッピングは、入力されたマイクロホン信号が設定した大きさ内で入力されたのかに関する情報を含んでよい。また、電源雑音はDC電源ノイズを、マイクロホンのクロックとスピーカのクロックは、マイクロホンのサンプリングレートやスピーカのサンプリングレートであるクロックスキューに関する情報をそれぞれ含んでよい。電子機器の音質改善システム(Voice Quality Enhancement:VQE)のサポート可否は、文字どおり、上述した音質改善システムが電子機器に適用されているのかに関する情報を含んでよい。
【0057】
また、電子機器の通話地域は、国や電子機器の位置に関する情報を含んでよい。例えば、国別に通話音の大きさに対する選好度が異なるし、静かな通話が要求される場所や地域などが存在する。したがって、同じ機種、同じオペレーティングシステム、同じ仕様の電子機器であったとしても、電子機器が病院や図書館のような地域に位置する場合には、スピーカの音を小さく調節することもできる。
【0058】
電子機器の通話モードは、ハンドセット、ハンドフリー、イヤーセット、ブルートゥース(登録商標)などのように付加機器の使用可否に関する情報、および/またはどのような付加機器を使用しているのかに関する情報を含んでよい。
【0059】
また、上述したように、オーディオ特性情報は、ERL(Echo Return Loss)、残余反響レベル(Residual Echo Level:L
RES)、ERLE(Echo ReturnLoss Enhancement)、雑音レベル、および平均音声レベルのうちの少なくとも1つのように、音声品質の改善のために活用可能な情報を含んでよい。
【0060】
ERLは、入力されたエコーの割合を示すものであって、値が小さいほど大きなエコーが入ってくることを意味してよい。残余反響レベルは、線形的特性のエコーを抽出した後の残りのエコーの割合を意味するものであって、値が大きいほど残りのエコーが多く除去されたことを意味してよい。また、ERLEは、比線形的特性のエコーの除去後の残りのエコーの割合を意味するものであって、値が大きいほど残りのエコーが多く除去されたことを意味してよい。平均音声レベルは、発話された音声の平均レベルを意味してよい。
【0061】
環境設定値は、電子機器のシステム遅延、AEC(Acoustic Echo Cancellation)、ノイズ抑制(Noise Suppression:NS)、HPF(High Power Field)、AGC(Automatic Gain Control)、スキュー補正、音質改善システム(Voice Quality Enhancement:VQE)、およびコーデックのうちの少なくとも1つに対する設定値を含んでよい。
【0062】
下記の表1は、サーバ150が収集した電子機器110のオーディオ特性情報と機器特性情報の例を示している。
【0063】
【表1】
下記の表3は、基準品質指標の例を示している。基準品質指標は、特定の機器特性に対して基準となる品質の指標に関する情報を含むものであって、該当の値は予め設定されてよい。
【0064】
【表2】
サーバ150は、表2の統計値と表3の基準品質指標とを比較して該当の機器特性の電子機器のための設定値(環境設定値)を生成してよい。
【0065】
例えば、サーバ150は、平均システム遅延を表2の平均システム遅延に設定し、統計値の平均ERLEの値が基準品質指標を満たしていないためAEC(Acoustic Echo Cancellation)機能を強化させる方向で設定値を決定してよい。また、サーバ150は、統計値の平均音声レベルが基準品質指標を満たしていないためAGC(Automatic Gain Control)レベルを強く設定変更し、統計値の平均信号対雑音比(Signalto Noise Ratio:SNR)が基準品質指標を満たしていないためノイズ抑制(Noise Suppression:NS)を強化させてよい。これだけでなく、サーバ150は、統計値のクロックが基準品質指標を満たしていないためスキュー補正の設定を変更してよく、基準品質指標の平均電源雑音を満たすようにHPF(High Power Field)モードがオフになるように設定を変更してよい。
【0066】
上述した変更により、電子機器110に送信される環境設定情報は、下記の表4のように示されてよい。
【0067】
【表3】
上記の表1〜4は、発明の理解を助けるための一実施形態に過ぎず、これに限定されることはない。一例として、CPU情報にしたがって音質改善システムまたはコーデックの複雑性を調節することも可能である。より具体的な例として、CPUクロックが1.0GHzである場合には、AEC、NS(Noise Suppression)、音質改善システム、およびコーデックのうちの少なくとも1つが相対的に高い複雑性を使用するように環境設定情報が提供され、CPUクロックが0.8GHzである場合には、AEC、NS、音質改善システム、およびコーデックのうちの少なくとも1つが相対的に低い複雑性を使用するように設定されてよい。ここで、複雑性が高いということは、演算量が高くても音質改善のための性能を優先視するということを意味してよい。これとは反対に、複雑性が低いということは、音質改善のための性能は劣ったとしても演算量を低めるということを意味してよい。メモリの大きさによっても、AEC、NS、音質改善システム、およびコーデックのうちの少なくとも1つに対する複雑性が調節されてよい。
【0068】
このように、本発明の実施形態によると、電子機器にインストールされて駆動するアプリケーションを通じて電子機器の通話時に電子機器のオーディオ特性信号を収集し、収集されたオーディオ特性信号を機器特性(一例として、機種別、オペレーティングシステム別、国別)別に分類して機器特性別の環境設定情報を生成し、音質改善が要求される電子機器に機器特性別に予め生成された環境設定情報を提供することができる。これにより、同じ機器特性を有する多数の端末機に対するオーディオ特性の統計を利用することにより、別途の適応期間がなくても安定した通話品質を保証することができる上に、新たな電子機器の登場やアップグレードされた電子機器に対する測定期間と費用を減らすことができ、初期システムの構築費用を減らすこともできる。さらに、このような収集された資料の統計に基づいて電子機器を制御することにより、音質改善の効果だけではなく、電子機器における迅速なシステム適応と演算量、メモリ使用量などを減らすことができる。
【0069】
上述した装置は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、および/またはハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との組み合わせによって実現されてよい。例えば、実施形態で説明された装置および構成要素は、例えば、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)、マイクロコンピュータ、FPGA(field programmable gate array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサ、または命令を実行して応答することができる様々な装置のように、1つ以上の汎用コンピュータまたは特殊目的コンピュータを利用して実現されてよい。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)および前記OS上で実行される1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行してよい。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答し、データにアクセスし、データを格納、操作、処理、および生成してもよい。理解の便宜のために、1つの処理装置が使用されるとして説明される場合もあるが、当業者は、処理装置が複数個の処理要素および/または複数種類の処理要素を含んでもよいことが理解できるであろう。例えば、処理装置は、複数個のプロセッサまたは1つのプロセッサおよび1つのコントローラを含んでよい。また、並列プロセッサのような、他の処理構成も可能である。
【0070】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、またはこれらのうちの1つ以上の組み合わせを含んでもよく、思うままに動作するように処理装置を構成したり、独立的または集合的に処理装置に命令したりしてよい。ソフトウェアおよび/またはデータは、処理装置に基づいて解釈されたり、処理装置に命令またはデータを提供するために、いかなる種類の機械、コンポーネント、物理装置、仮想装置、コンピュータ格納媒体または装置、または送信される信号波に永久的または一時的に具現化されてよい。ソフトウェアは、ネットワークによって接続されたコンピュータシステム上に分散され、分散された状態で格納されても実行されてよい。ソフトウェアおよびデータは、1つ以上のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されてよい。
【0071】
実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段によって実行可能なプログラム命令の形態で実現されてコンピュータで読み取り可能な媒体に記録されてよい。前記コンピュータで読み取り可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含んでよい。前記媒体に記録されるプログラム命令は、実施形態のために特別に設計されて構成されたものであってもよいし、コンピュータソフトウェア当業者に公知な使用可能なものであってもよい。コンピュータで読み取り可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピディスク、および磁気テープのような磁気媒体、CD−ROM、DVDのような光媒体、フロプティカルディスクのような光磁気媒体、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を格納して実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令の例は、コンパイラによって生成されるもののような機械語コードだけではなく、インタプリタなどを使用してコンピュータによって実行される高級言語コードを含む。上述したハードウェア装置は、実施形態の動作を実行するために1つ以上のソフトウェアモジュールとして動作するように構成されてもよく、その逆も同じである。
【0072】
以上のように、実施形態を限定された実施形態と図面に基づいて説明したが、当業者であれば、上述した記載から多様な修正および変形が可能である。例えば、説明された技術が、説明された方法とは異なる順序で実行されたり、および/あるいは、説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が、説明された方法とは異なる形態で結合されたりまたは組み合わされたり、他の構成要素または均等物によって対置されたり置換されたとしても、適切な結果を達成することができる。
【0073】
したがって、異なる実施形態であっても、特許請求の範囲と均等なものであれば、添付される特許請求の範囲に属する。