特許第6706637号(P6706637)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6706637
(24)【登録日】2020年5月20日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】文書作成プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/169 20200101AFI20200601BHJP
   G06Q 10/10 20120101ALI20200601BHJP
   G06F 40/197 20200101ALI20200601BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20200601BHJP
【FI】
   G06F17/24 610
   G06Q10/10
   G06F17/22 688
   G06F13/00 650B
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-38211(P2018-38211)
(22)【出願日】2018年3月5日
(65)【公開番号】特開2019-153110(P2019-153110A)
(43)【公開日】2019年9月12日
【審査請求日】2019年8月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】717005132
【氏名又は名称】株式会社LegalForce
(74)【代理人】
【識別番号】100180758
【弁理士】
【氏名又は名称】荒木 利之
(72)【発明者】
【氏名】角田 望
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 匡隆
(72)【発明者】
【氏名】時武 佑太
【審査官】 齊藤 貴孝
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−514676(JP,A)
【文献】 特開2014−137739(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0185687(US,A1)
【文献】 特開2000−242535(JP,A)
【文献】 特開2009−266045(JP,A)
【文献】 特開2014−241039(JP,A)
【文献】 特開2007−188143(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0006568(US,A1)
【文献】 村永 哲郎,ハイパーメディアに基づく共同文書作成環境MuHyme,情報処理学会論文誌,日本,社団法人情報処理学会,1993年 6月15日,第34巻,第6号,p.1395〜1405
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/169
G06F 13/00
G06F 40/197
G06Q 10/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
文書情報を受け付けて第1の利用者及び第2の利用者のいずれもが当該文書情報を閲覧できるよう記憶手段に格納する受付手段と、
前記第1の利用者と前記第2の利用者との会話内容の入力及び出力を制御するチャット制御手段と、
前記第1の利用者及び前記第2の利用者の前記文書情報の部分に対するコメントの入力及び出力を制御するコメント制御手段と、
前記チャット制御手段は、前記会話内容を前記文書情報のバージョンに関わらず前記文書情報に関連付け、
前記コメント制御手段は、前記コメントを前記文書情報のバージョン毎に関連づけ、
前記文書情報の内容と、前記会話内容と、当該文書情報のバージョンに関連付けられたコメントの内容とを一画面に表示するよう制御する表示制御手段として機能させるための文書作成プログラム。
【請求項2】
前記第1の利用者から前記文書情報のレビュー依頼を受け付けると前記第2の利用者に通知する通知手段としてさらに機能させる請求項1に記載の文書作成プログラム。
【請求項3】
前記受付手段が前記文書情報と同種の文書情報を新たに受け付けた場合、当該新たな文書情報を前記文書情報の新たなバージョンとして記録するバージョン管理手段としてさらに機能させる請求項1又は2に記載の文書作成プログラム。
【請求項4】
前記第1の利用者及び前記第2の利用者の操作内容に基づいて前記文書情報の内容を編集する編集手段としてさらに機能させる請求項1‐3のいずれか1項に記載の文書作成プログラム。
【請求項5】
前記通知手段は、前記第1の利用者又は前記第2の利用者の操作に基づいて前記チャット制御手段、前記コメント制御手段又は前記編集手段のいずれかが動作した場合、前記第2の利用者又は前記第1の利用者に動作内容を通知する請求項4に記載の文書作成プログラム。
【請求項6】
前記文書情報の部分と類似する部分を過去の文書情報から抽出して表示する編集補助手段としてさらに機能させる請求項1‐5のいずれか1項に記載の文書作成プログラム。
【請求項7】
前記文書情報の部分に不足する部分を過去の文書情報から抽出して表示する編集補助手段としてさらに機能させる請求項1‐5のいずれか1項に記載の文書作成プログラム。
【請求項8】
文書情報を受け付けて第1の利用者及び第2の利用者のいずれもが当該文書情報を閲覧できるよう記憶手段に格納する受付手段と、
前記第1の利用者と前記第2の利用者との会話内容の入力及び出力を制御するチャット制御手段と、
前記第1の利用者及び前記第2の利用者の前記文書情報の部分に対するコメントの入力及び出力を制御するコメント制御手段と、
前記チャット制御手段は、前記会話内容を前記文書情報のバージョンに関わらず前記文書情報に関連付け、
前記コメント制御手段は、前記コメントを前記文書情報のバージョン毎に関連づけ、
前記文書情報の内容と、前記会話内容と、当該文書情報のバージョンに関連付けられたコメントの内容とを一画面に表示するよう制御する表示制御手段とを有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書作成プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、契約文書の作成を支援する情報処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された情報処理装置は、契約文書を作成する際に文書に含まれる要注意箇所毎にノウハウと回答例を出力するものであって、要注意箇所を抽出するための検索キーに関連づけられたノウハウと、検索キーに関連づけられた回答例とを記憶部に記憶しており、文書を受け付けると検索キーを用いて文書から要注意箇所を抽出し、要注意箇所が抽出された場合には当該検索キーに関連づけられたノウハウと回答例とを当該要注意箇所に関連づけて表示することで文書作成者を支援する。また、情報処理装置は、文書作成者の要求に基づいて新たな検索キー、当該検索キーに関連づけられたノウハウ及び回答例を記憶部に登録して情報を蓄積する。
【0004】
また、契約文書の改変部分に関するリスク及び対応策を提示して契約文書の作成を支援する情報処理装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
特許文献2に開示された情報処理装置は、改変前と改変後の契約文書をそれぞれ条文毎に分割するとともに、改変前と改変後の契約文書の対応する各条文の差異部分を抽出して、差異部分に応じて予め用意された情報を検索し、差異部分に関するチェックポイント、改変に伴い想定されるリスク、リスク回避のためのアクションプランを提示する。利用者は、提示された情報に応じて改変後の契約文書の編集を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010‐257413号公報
【特許文献2】特開2010‐92227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記した特許文献1に開示された情報処理装置によると、検索キーに紐づけてノウハウ及び回答例を蓄積し、当該検索キーが契約文書に含まれる場合は蓄積したノウハウ及び解答例を表示することで作成者の文書作成を支援するものの、ノウハウ及び解答例を踏まえた作成者の作業に基づいて作成者の意見のみを反映した法律文書を作成するものであり、他者が文書作成に直接介入することはできず、他者の意見を反映した法律文書を作成することができない、という問題がある。また、上記した特許文献2に開示された情報処理装置によると、契約文書が改変されると、差異部分毎にチェックポイント、リスク、アクションプランを提示することで作成者の文書作成の作業を支援するものの、上記同様に、他者が文書作成の作業に直接介入することはできず、他者の意見及び作業を反映した法律文書を作成することができない、という問題がある。
【0008】
本発明の目的は、複数人物の作業に基づいて法律文書を作成する文書作成プログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の文書作成プログラム及び情報処理装置を提供する。
【0010】
[1]コンピュータを、
文書情報を受け付けて第1の利用者及び第2の利用者のいずれもが当該文書情報を閲覧できるよう記憶手段に格納する受付手段と、
前記第1の利用者と前記第2の利用者との会話内容の入力及び出力を制御するチャット制御手段と、
前記第1の利用者及び前記第2の利用者の前記文書情報の部分に対するコメントの入力及び出力を制御するコメント制御手段と、
前記チャット制御手段は、前記会話内容を前記文書情報のバージョンに関わらず前記文書情報に関連付け、
前記コメント制御手段は、前記コメントを前記文書情報のバージョン毎に関連づけ、
前記文書情報の内容と、前記会話内容と、当該文書情報のバージョンに関連付けられたコメントの内容とを一画面に表示するよう制御する表示制御手段として機能させるための文書作成プログラム。
[2]前記第1の利用者から前記文書情報のレビュー依頼を受け付けると前記第2の利用者に通知する通知手段としてさらに機能させる前記[1]に記載の文書作成プログラム。
[3]前記受付手段が前記文書情報と同種の文書情報を新たに受け付けた場合、当該新たな文書情報を前記文書情報の新たなバージョンとして記録するバージョン管理手段としてさらに機能させる前記[1]又は[2]に記載の文書作成プログラム。
[4]前記第1の利用者及び前記第2の利用者の操作内容に基づいて前記文書情報の内容を編集する編集手段としてさらに機能させる前記[1]‐[3]のいずれかに記載の文書作成プログラム。
[5]前記通知手段は、前記第1の利用者又は前記第2の利用者の操作に基づいて前記チャット制御手段、前記コメント制御手段又は前記編集手段のいずれかが動作した場合、前記第2の利用者又は前記第1の利用者に動作内容を通知する前記[4]に記載の文書作成プログラム。
[6]前記文書情報の部分と類似する部分を過去の文書情報から抽出して表示する編集補助手段としてさらに機能させる前記[1]‐[5]のいずれかに記載の文書作成プログラム。
[7]前記文書情報の部分に不足する部分を過去の文書情報から抽出して表示する編集補助手段としてさらに機能させる前記[1]‐[5]のいずれかに記載の文書作成プログラム。
[8]文書情報を受け付けて第1の利用者及び第2の利用者のいずれもが当該文書情報を閲覧できるよう記憶手段に格納する受付手段と、
前記第1の利用者と前記第2の利用者との会話内容の入力及び出力を制御するチャット制御手段と、
前記第1の利用者及び前記第2の利用者の前記文書情報の部分に対するコメントの入力及び出力を制御するコメント制御手段と、
前記チャット制御手段は、前記会話内容を前記文書情報のバージョンに関わらず前記文書情報に関連付け、
前記コメント制御手段は、前記コメントを前記文書情報のバージョン毎に関連づけ、
前記文書情報の内容と、前記会話内容と、当該文書情報のバージョンに関連付けられたコメントの内容とを一画面に表示するよう制御する表示制御手段とを有する情報処理装置。
【発明の効果】
【0011】
請求項1又は8に係る発明によれば、複数人物の作業に基づいて法律文書を作成し、会話内容をバージョンに関わらず文書情報に関連付け、コメントを文書情報のバージョン毎に関連づけて表示することができる。
請求項2に係る発明によれば、第1の利用者から文書情報のレビュー依頼を受け付けると第2の利用者に通知することができる。
請求項3に係る発明によれば、受付手段が文書情報と同種の文書情報を新たに受け付けた場合、当該新たな文書情報を文書情報の新たなバージョンとしてバージョン情報に記録することができる。
請求項4に係る発明によれば、第1の利用者及び第2の利用者の操作内容に基づいて文書情報の内容を編集することができる。
請求項5に係る発明によれば、第1の利用者又は第2の利用者の操作に基づいてチャット制御手段、コメント制御手段又は編集手段のいずれかが動作した場合、第2の利用者又は第1の利用者に動作内容を通知することができる。
請求項6に係る発明によれば、文書情報の部分と類似する部分を過去の文書情報から抽出して表示することができる。
請求項7に係る発明によれば、文書情報の部分に不足する部分を過去の文書情報から抽出して表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施の形態に係る文書作成システムの構成の一例を示す概略図である。
図2図2は、実施の形態に係る文書作成サーバ装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、利用者情報の構成の一例を示す概略図である。
図4図4は、文書情報の構成の一例を示す概略図である。
図5図5は、チャット情報の構成の一例を示す概略図である。
図6図6は、コメント情報の構成の一例を示す概略図である。
図7図7は、バージョン情報の構成の一例を示す概略図である。
図8図8は、文書情報のバージョンとチャット情報及びコメント情報の構成の一例を説明するための概略図である。
図9図9は、文書作成システムの動作例を示すフローチャートである。
図10図10は、端末の表示部に表示される画面の一例を示す概略図である。
図11図11は、端末の表示部に表示される画面の他の例を示す概略図である。
図12図12は、端末の表示部に表示される画面の他の例を示す概略図である。
図13図13は、端末の表示部に表示される画面の一例を示す概略図である。
図14図14は、端末の表示部に表示される画面の他の例を示す概略図である。
図15図15は、端末の表示部に表示される画面の他の例を示す概略図である。
図16図16は、端末の表示部に表示される画面の他の例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施の形態]
(文書作成システムの構成)
図1は、実施の形態に係る文書作成システムの構成の一例を示す概略図である。
【0014】
この文書作成システム5は、文書作成サーバ装置1と、端末2と、端末3とをネットワーク4によって互いに通信可能に接続することで構成される。端末2は文書作成及び/又はレビューを依頼する依頼者2A(第1の利用者)によって操作され、端末3は文書作成及び/又はレビューの依頼を受ける受任者3A(第2の利用者)によって操作される。
【0015】
文書作成サーバ装置1は、サーバ型の情報処理装置であり、端末2及び端末3の要求に応じて動作するものであって、本体内に情報を処理するための機能を有するCPU(Central Processing Unit)やフラッシュメモリ等の電子部品を備える。なお、文書作成サーバ装置1は、必ずしも単体の情報処理装置で構成される必要はなく、複数の情報処理装置が協働して動作するものであってもよいし、任意のクラウドサービスによって動作するものであってもよい。
【0016】
端末2及び端末3は、PC(Personal Computer)やタブレット端末等の情報処理装置であって、本体内に情報を処理するための機能を有するCPUやフラッシュメモリ等の電子部品を備える。
【0017】
ネットワーク4は、高速通信が可能な通信ネットワークであり、例えば、イントラネットやLAN(Local Area Network)等の有線又は無線の通信網である。
【0018】
上記構成において、一例として、文書作成サーバ装置1が作成する文書は契約書等の法律分野の文書であり、依頼者2Aは法律の専門家ではないが契約書の作成を必要とする人物、受任者3Aは弁護士等の法律の専門家であって契約書の作成の知識を有する人物である。また、例えば、依頼者2Aは社内の営業部の社員、受任者3Aは社内法務部の社員である。端末2から文書情報を文書作成サーバ装置1にアップロードした後、端末2から文書作成サーバ装置1を介して端末3へ依頼に関する情報を送信することで、依頼者2Aから受任者3Aに対して契約書のレビューを依頼し、端末2及び端末3から文書作成サーバ装置1上の文書情報を編集することで、依頼者2Aの意見と受任者3Aのレビュー結果を反映した契約書を作成する例を挙げて以下の実施の形態を説明する。
【0019】
なお、上記した依頼者2Aが弁護士又は社内法務部で勤務する人物等の法律の専門家であって契約書の作成の知識を有する人物であり、受任者3Aが法律の専門家ではないが契約書の作成を必要とする人物であってもよい。この場合、依頼者2Aが作成した契約書の内容が受任者3Aの要求に即したものか否かを受任者3Aが判断することとなる。また、依頼者2A及び受任者3Aがそれぞれ異なる会社に属する人物であり、会社間の契約書の内容すり合わせ等に文書作成システム5を利用するものであってもよい。また、端末2及び端末3はそれぞれ単数を図示しているが、複数台がネットワーク4に接続されるものであってもよく、同様にこれらを操作する依頼者2A及び受任者3Aは複数人であってもよい。
【0020】
(文書作成サーバ装置の構成)
図2は、実施の形態に係る文書作成サーバ装置1の構成例を示すブロック図である。
【0021】
文書作成サーバ装置1は、CPU等から構成され、各部を制御するとともに、各種のプログラムを実行する制御部10と、フラッシュメモリ等の記憶媒体から構成され情報を記憶する記憶部11と、ネットワーク4を介して外部と通信する通信部12とを備える。
【0022】
制御部10は、後述する文書作成プログラム110を実行することで、利用者認証手段100、文書受付手段101、文書編集手段102、チャット制御手段103、コメント制御手段104、バージョン管理手段105、表示制御手段106、通知手段107、文書出力手段108及び編集補助手段109等として機能する。
【0023】
利用者認証手段100は、端末2又は端末3から利用者ID及びパスワード等の情報とともに認証要求を受信すると、予め登録された利用者ID及びパスワード等を含む利用者情報111を参照し、利用者としての依頼者2A及び受任者3Aの認証を行う。
【0024】
文書受付手段101は、依頼者2Aの操作する端末2から文書情報112を受け付けて依頼者2A及び受任者3Aのいずれもが閲覧できるように記憶部11に格納する。なお、文書受付手段101は、受任者3Aの操作する端末3から文書情報112を受け付けてもよい。
【0025】
文書編集手段102は、依頼者2Aの操作する端末2又は受任者3Aの操作する端末3から文書情報112の編集要求を受け付けて文書情報112の内容を削除、追加等して編集する。
【0026】
チャット制御手段103は、依頼者2Aの操作する端末2及び受任者3Aの操作する端末3から文書情報112についての会話内容の入力を受け付けて記憶部11にチャット情報113として格納する。また、チャット制御手段103は、依頼者2Aの操作する端末2及び受任者3Aの操作する端末3において会話内容を閲覧できるようチャット情報113を出力する。
【0027】
コメント制御手段104は、依頼者2Aの操作する端末2及び受任者3Aの操作する端末3から文書情報112についてのコメントの入力を受け付けて記憶部11にコメント情報114として格納する。また、コメント制御手段104は、依頼者2Aの操作する端末2及び受任者3Aの操作する端末3においてコメントの内容を閲覧できるようコメント情報114を出力する。
【0028】
バージョン管理手段105は、記憶部11に既に格納済みの文書情報112と同種の文書情報を文書受付手段101が新たに受け付けた場合、当該新たに受け付けた文書情報を既存の文書情報112の新たなバージョンとしてバージョン情報115に登録する。なお、ここで「同種」とは、文書情報の一部を変更したものを指し、文書受付手段101が新たに受け付けたものだけでなく、文書編集手段102により編集されて内容が更新されたものを含めてもよい。
【0029】
表示制御手段106は、文書情報112、チャット情報113、コメント情報114、バージョン情報115及び編集補助情報116を予め定めた方法で端末2及び端末3の表示部に表示制御する。文書情報112、チャット情報113、コメント情報114、バージョン情報115及び編集補助情報116の表示方法の詳細は後述する。
【0030】
通知手段107は、レビューの依頼時には依頼者2Aから受任者3Aへの文書情報112のレビュー依頼を受任者3Aの操作する端末3へと通知するとともに、レビューの完了時には受任者3Aの文書情報112のレビュー完了を依頼者2Aの操作する端末2へと通知する。また、通知手段107は、チャット制御手段103が新たな会話内容を受け付けた、コメント制御手段104が新たなコメントを受け付けた、バージョン管理手段105が新たなバージョンを受け付けた等の情報の更新がある場合に、依頼者2Aの操作する端末2又は受任者3Aの操作する端末3にその旨通知する。
【0031】
文書出力手段108は、受任者3Aによる編集が完了した文書情報112を依頼者2Aの操作する端末2に出力する。また、文書出力手段108は、文書情報112を端末3に出力してもよい。
【0032】
編集補助手段109は、文書編集手段102が文書情報112を編集する際に、記憶部11に予め登録された編集補助情報116から編集内容に応じて編集を補助する情報を選択して出力する。なお、編集を補助する情報の具体例については後述する。
【0033】
記憶部11は、制御部10を上述した各手段100‐109として動作させる文書作成プログラム110、利用者情報111、文書情報112、チャット情報113、コメント情報114、バージョン情報115及び編集補助情報116等を記憶する。
【0034】
図3は、利用者情報111の構成の一例を示す概略図である。
【0035】
利用者情報111は、利用者を識別するための利用者IDと、利用者の所属と、利用者の氏名を表す担当者名とを有する。利用者情報111には、利用者として依頼者2A(利用者ID「C001」、「C002」…)及び受任者3A(利用者ID「A001」、「A002」…)の双方が登録される。なお、依頼者2A及び受任者3Aは、所属が複数であってもよい。この場合、所属毎に文書情報112に対する権限が定められるものであってもよい。
【0036】
図4は、文書情報112の構成の一例を示す概略図である。
【0037】
文書情報112は、文書情報を識別するための文書IDと、文書情報112の名称である文書名と、文書作成サーバ装置1に保存された時刻を示す保存時刻と、契約書を識別するための契約書IDとを有する。なお、契約書IDは、1つの種類の契約書に対して複数のバージョンが存在する場合に契約書を識別するために用いられ、例えば、文書ID「005」及び「007」はバージョン違いの文書情報であって、このため文書名が「和解契約書」で共通するとともに、契約書IDが「0110」で共通する。なお、図4において、文書情報112は依頼者2Aがアップロードしたもののみ格納された状態を示しているが、複数の利用者がアップロードしたものをまとめて格納してもよく、この場合各利用者の権限に基づいて文書情報112のそれぞれにアクセスするものとする。なお、図4の場合は文書情報112毎にアクセス権を設定する。
【0038】
図5は、チャット情報113の構成の一例を示す概略図である。
【0039】
チャット情報113は、チャットの内容が関連付けられた契約書のIDと、チャット内容を識別するためのチャットIDと、チャットの発言者を示す利用者IDと、チャットの内容とを有する。なお、後述するが、チャット情報113は、バージョンに関わらず文書情報112に関連付けられる。
【0040】
図6は、コメント情報114の構成の一例を示す概略図である。
【0041】
コメント情報114は、コメントの内容が関連づけられた契約書のID及び契約書のバージョンの組み合わせと、コメントの内容を識別するためのコメントIDと、コメントの内容と対応づけられた文書内の位置を表すコメント位置と、コメントの入力者を示す利用者IDと、コメントの内容とを有する。なお、後述するが、コメント情報114は、文書情報112の各バージョンに関連づけられる。なお、コメント情報114がコメント位置を情報として保持せず、文書情報112をマークアップ言語で記述し、文書情報112中にコメントIDと対応づけられたタグを含めるようにしてもよい。
【0042】
図7は、バージョン情報115の構成の一例を示す概略図である。
【0043】
バージョン情報115は、契約書のIDと、バージョンと、当該バージョンに相当する文書情報の文書IDと、当該バージョンの文書情報が保存された時刻を示す保存時刻とを有する。
【0044】
図8は、文書情報112のバージョンとチャット情報113及びコメント情報114の構成の一例を説明するための概略図である。
【0045】
チャット情報113は、バージョンに関わらず文書情報112に関連付けられる。つまり、複数のバージョンに渡って依頼者2Aと受任者3Aとが会話を行うこととなる。一方、コメント情報114は、文書情報112の各バージョンに関連づけられる。つまり、各バージョンに限って依頼者2Aと受任者3Aがコメントを入力することとなる。
【0046】
(文書作成システムの動作)
次に、本実施の形態の作用を、(1)依頼動作、(2)レビュー動作、(3)レビュー内容確認動作、(4)出力動作、(5)その他動作に分けて説明する。
【0047】
図9は、文書作成システム5の動作例を示すフローチャートである。
【0048】
(1)依頼動作
まず、依頼者2Aは、文書作成サーバ装置1の提供するサービスへログインを行うため端末2を操作する。端末2は、依頼者2Aから利用者ID及びパスワード等の情報の入力を受け付けると、当該情報とともに認証要求を文書作成サーバ装置1に送信する。
【0049】
文書作成サーバ装置1の利用者認証手段100は、端末2から利用者ID及びパスワード等の情報とともに認証要求を受信すると、予め登録された利用者ID及びパスワード等を含む利用者情報111を参照し、利用者としての依頼者2Aの認証を行う(S20)。
【0050】
次に、依頼者2Aは、サービスへのログインが完了すると、レビューを依頼する契約書の文書情報を文書作成サーバ装置1へアップロードするため端末2を操作する。端末2は、当該文書情報を文書作成サーバ装置1へアップロードする。
【0051】
文書作成サーバ装置1の文書受付手段101は、依頼者2Aの操作する端末2から文書情報112を受け付けて記憶部11に格納する(S21)。
【0052】
なお、文書受付手段101が新たに受け付けた文書情報112が記憶部11に既に格納済みの文書情報112と同種の文書情報である場合、バージョン管理手段105は、当該新たに受け付けた文書情報を既存の文書情報112の新たなバージョンとしてバージョン情報115に登録する。
【0053】
また、表示制御手段106は、端末2から受け付けた文書情報112の一覧を図10に示すように端末2の表示部に表示制御する。なお、当該実施例において、表示される文書情報112は、ログイン中の利用者がアップロードしたものに限られ、他の利用者の文書情報112は表示されないが、権限を設定して表示されるようにしてもよい。
【0054】
図10は、端末2の表示部に表示される画面の一例を示す概略図である。
【0055】
画面106aは、ログイン中の利用者のアップロードした文書情報112の一覧を表示するための画面であり、アップロードした文書情報112a〜112aと、新たな文書情報をアップロードするための「ファイルを追加」ボタン106aとを有する。なお、画面106aは、利用者の所属が1つの場合を示しているが、利用者の所属が複数である場合は所属を切り替えるボタンをさらに表示し、当該ボタンによって切り替えられた所属に対応する文書情報を表示するようにしてもよい。つまり、所属に対応したワークスペースを表示上設け、当該ワークスペースに所属に対応した文書情報を表示してもよい。これは依頼者2Aだけでなく後述する受任者3Aに対して表示される画面においても同様である。
【0056】
文書情報112a〜112aは、該当する文書情報112a〜112aに通知がある場合に表示される「新着」欄と、文書情報112a〜112aの状態を示す「ステータス」と、文書情報112a〜112aの名称を示す「書類名」と、レビューを依頼する当事者の名前を示す「当事者名」と、文書情報112a〜112aをアップロードした利用者を示す「アップロード者」と、文書情報112a〜112aがアップロードされた日時を示す「アップロード日時」とを有する。
【0057】
依頼者2Aは、端末2の表示部において上記画面106aを参照し、文書情報112a〜112aからレビューを依頼したい文書情報を選択操作する。端末2は、操作内容を文書作成サーバ装置1に送信する。
【0058】
文書作成サーバ装置1の表示制御手段106は、操作内容を受信すると、選択された文書情報の内容及びレビュー依頼のための情報指定欄を図11に示すように表示制御する。
【0059】
図11は、端末2の表示部に表示される画面の他の例を示す概略図である。
【0060】
画面106bは、選択された文書情報の内容を表示するための画面であり、レビュー依頼のための情報を指定するためのレビュー依頼内容指定欄106bと、文書情報112の内容を示す文書情報内容表示欄106bと、後述するコメント表示欄106bと、後述するダウンロードボタン106bと、その他の作業メニューを表示するメニュー表示ボタン106bとを有する。
【0061】
レビュー依頼内容指定欄106bは、レビュー依頼の内容を決定するための「レビューを依頼する」ボタン106b11と、依頼の趣旨を選択するための依頼趣旨選択欄106b12と、レビューの方針を選択するためのレビュー方針選択欄106b13と、当事者名、レビュー期限及びその他内容をテキストで入力するためのテキスト入力欄106b14と、レビュー依頼内容指定欄106bを当該領域に表示させるためのレビュー依頼ボタン106b15と、レビュー依頼内容指定欄106bの表示からチャット内容の表示へと切り替えるためのチャットボタン106b16とを有する。
【0062】
依頼者2Aは、端末2の表示部において上記画面106bを参照し、レビュー依頼内容指定欄106bに依頼したいレビューの内容を入力するため選択操作及び入力操作する。端末2は、操作内容を文書作成サーバ装置1に送信する。
【0063】
文書作成サーバ装置1の表示制御手段106は、操作内容を受信してレビューの依頼を受け付けるとともに(S22)、文書情報112の一覧の表示を更新し、図12に示すように端末2の表示部に表示制御する。
【0064】
図12は、端末2の表示部に表示される画面の他の例を示す概略図である。
【0065】
画面106aは、図10と同様にログイン中の利用者のアップロードした文書情報112の一覧を表示するための画面であるが、図10と比べてレビューを依頼した文書情報112aの「ステータス」の内容が「レビュー依頼中」と変化している。
【0066】
依頼者2Aは、端末2の表示部において上記画面106aを参照して、文書情報112aのレビューが依頼されたことを確認する。
【0067】
また、文書作成サーバ装置1の通知手段107は、依頼者2Aから受任者3Aへの文書情報112aのレビュー依頼を受任者3Aの操作する端末3へと通知する(S22)。
【0068】
(2)レビュー動作
まず、受任者3Aは、文書作成サーバ装置1の提供するサービスへログインを行うため端末3を操作する。端末3は、受任者3Aから利用者ID及びパスワード等の情報の入力を受け付けると、当該情報とともに認証要求を文書作成サーバ装置1に送信する。
【0069】
文書作成サーバ装置1の利用者認証手段100は、端末3から利用者ID及びパスワード等の情報とともに認証要求を受信すると、予め登録された利用者ID及びパスワード等を含む利用者情報111を参照し、利用者としての受任者3Aの認証を行う(S30)。
【0070】
次に、受任者3Aは、サービスへのログインが完了すると、レビュー依頼の有無を確認するため端末3を操作する。端末3は、レビュー依頼の有無の確認を文書作成サーバ装置1に要求する。
【0071】
文書作成サーバ装置1の表示制御手段106は、端末3から受け付けた要求に基づいてレビュー依頼のある文書情報112の一覧を端末3の表示部に表示制御する。なお、表示内容は図10に示す画面に対応するものとなるため説明を省略する。また、表示される文書情報112は、ログイン中の受任者3Aに対してレビュー依頼されたものに限られ、他の利用者に対してレビュー依頼された文書情報112は表示されない。なお、権限を設定して他の利用者に対してレビュー依頼された文書情報112も表示されるようにしてもよい。
【0072】
受任者3Aは、端末3の表示部において上記した画面を参照し、表示されている文書情報112からレビューを行う文書情報を選択操作する。端末3は、操作内容を文書作成サーバ装置1に送信する。
【0073】
文書作成サーバ装置1の表示制御手段106は、操作内容を受信すると、レビューを受任し(S31)、選択された文書情報の内容を図13に示すように端末3の表示部に表示制御する。
【0074】
図13は、端末3の表示部に表示される画面の一例を示す概略図である。
【0075】
画面106cは、選択された文書情報の内容を表示するための画面であり、チャットの会話内容を表示するためのチャット会話内容表示欄106cと、文書情報112の内容を示す文書情報内容表示欄106cと、コメントの内容を表示するためのコメント内容表示欄106cと、後述するダウンロードボタン106cと、メニュー表示ボタン106cとを有する。
【0076】
チャット会話内容表示欄106cは、依頼者2Aが書き込んだ会話内容106c12と、受任者3Aが会話内容をテキストで入力するためのテキスト入力欄106c13と、テキスト入力欄106c13に入力した会話内容を送信するための送信ボタン106c14と、受任者3Aが文書情報をレビューした時間を表示するレビュー時間表示欄106c15と、レビュー依頼内容指定欄106bを当該領域に表示させるためのレビュー依頼ボタン106c16と、レビュー依頼内容指定欄106bの表示からチャット内容の表示へと切り替えるためのチャットボタン106c17とを有する。
【0077】
レビュー時間表示欄106c15は、受任者3Aがレビューを開始すると「レビュー中」と表示され、自動的に時間がカウントされる。また、レビュー時間表示欄106c15は、受任者3Aがレビューを終了すると「レビュー完了」と表示され、レビューに要した時間が表示される。なお、一例として、レビューの開始及び終了は画面106cの表示を開始したタイミングから画面106cの表示を終了したタイミングまでとし、再度レビューを開始した場合は前回のレビュー時間に積算して時間をカウントする。また、レビューの開始及び終了は他の操作タイミングとしてもよい。また、カウントされた時間を受任者3Aの報酬を自動計算するために用いてもよい。
【0078】
文書情報内容表示欄106cは、文書情報112の内容とともに、受任者3Aの操作により選択された選択領域106c21と、受任者3Aの操作により削除・挿入されたテキストを示す削除・挿入表示106c22と、挿入表示106c23とを有する。なお、削除・挿入表示106c22の取り消されたテキストは取り消し線で表示され、削除・挿入表示106c22及び挿入表示106c23の挿入されたテキストは下線で表示される。
【0079】
コメント内容表示欄106cは、文書情報内容表示欄106cの選択領域106c21にコメントを入力するための領域であって、コメントをテキストで入力するためのテキスト入力欄106c31と、テキスト入力欄106c31に入力されたコメントを送信するための送信ボタン106c32と、コメントの送信をキャンセルするためのキャンセルボタン106c33とを有する。
【0080】
受任者3Aは、上記した図13に示すように、文書情報内容表示欄106cにおいて文書情報112の内容に削除・挿入を行って編集操作する。端末3は、操作内容を文書作成サーバ装置1に送信する。なお、依頼者2Aが編集操作する場合も同様に動作するものとする。
【0081】
文書編集手段102は、受任者3Aの操作する端末3から文書情報112の編集要求を受け付けて文書情報112の内容を編集する(S32)。
【0082】
また、受任者3Aは、上記した図13に示すように、チャット会話内容表示欄106cにおいて会話内容を入力操作する。端末3は、操作内容を文書作成サーバ装置1に送信する。
【0083】
チャット制御手段103は、受任者3Aの操作する端末3から文書情報112についての会話内容を受け付けて記憶部11にチャット情報113として格納する(S33)。
【0084】
また、受任者3Aは、上記した図13に示すように、文書情報内容表示欄106cにおいて選択領域106c21を選択操作した後、コメント内容表示欄106cにおいてコメントを入力操作する。端末3は、操作内容を文書作成サーバ装置1に送信する。
【0085】
コメント制御手段104は、受任者3Aの操作する端末3から文書情報112についてのコメントを受け付けて記憶部11にコメント情報114として格納する(S34)。
【0086】
なお、上記ステップS32〜ステップS34は順序が入れ替わるものであってもよいし、全て又は一部のステップを複数回繰り返すものであってもよく、受任者3Aのレビューが完了するまで行われる。
【0087】
また、ステップS32〜S34が実行されると、通知手段107は依頼者2Aの操作する端末2にその旨通知する。
【0088】
また、上記ステップS32〜ステップS34と並行して、依頼者2Aからの要求に応じて文書編集手段102、チャット制御手段103及びコメント制御手段104は文書情報112の編集(S23)、チャット情報113の格納(S24)及びコメント情報114の格納(S25)を行う。動作の詳細はステップS32〜ステップS34と同様であるため説明を省略する。
【0089】
また、ステップS23〜S25が実行されると、通知手段107は受任者3Aの操作する端末3にその旨通知する。
【0090】
(3)レビュー内容確認動作
依頼者2Aに対して受任者3Aが、チャットによって会話内容を入力した場合(S33)又はコメントを入力した場合(S34)、文書作成サーバ装置1の通知手段107は、依頼者2Aへと通知し(S35)、表示制御手段106は、当該通知に基づいて文書情報112の一覧の表示を更新し、図14に示すように端末2の表示部に表示制御する。
【0091】
図14は、端末2の表示部に表示される画面の他の例を示す概略図である。
【0092】
画面106aは、図12と同様にログイン中の利用者のアップロードした文書情報112の一覧を表示するための画面であるが図12と比べ、コメント又は会話内容の通知を受け取った文書情報112aの「新着」の内容がコメント又は会話内容の入力された数である「3」へと変化している。
【0093】
依頼者2Aは、端末2の表示部において上記画面106aを参照して、文書情報112aのコメント又は会話内容についての通知を確認する。
【0094】
次に、依頼者2Aは、上記画面106aにおいてコメント又は会話内容の詳細な内容を確認するため文書情報112aを選択操作する。端末2は、操作内容を文書作成サーバ装置1に送信する。
【0095】
文書作成サーバ装置1の表示制御手段106は、操作内容を受信すると、選択された文書情報の内容及びチャットの会話内容及びコメントの内容を図15に示すように端末2の表示部に表示制御する(S26)。
【0096】
図15は、端末2の表示部に表示される画面の他の例を示す概略図である。
【0097】
画面106dは、選択された文書情報の内容を表示するための画面であり、チャットの会話内容を表示するためのチャット会話内容表示欄106dと、受任者3Aにより編集された文書情報112の内容を示す文書情報内容表示欄106dと、コメントの内容を表示するためのコメント内容表示欄106dと、後述するダウンロードボタン106dと、後述するメニュー表示ボタン106dとを有する。
【0098】
チャット会話内容表示欄106dは、依頼者2Aが書き込んだ会話内容106d12と、受任者3Aが書き込んだ会話内容106d13と、会話内容をテキストで入力するためのテキスト入力欄106d14と、図13に示したレビュー依頼内容指定欄106bを当該領域に表示させるためのレビュー依頼ボタン106d16と、レビュー依頼内容指定欄106bの表示からチャット内容の表示へと切り替えるためのチャットボタン106d17とを有する。
【0099】
コメント内容表示欄106dは、依頼者2Aが書き込んだコメント106d31及び106d33と、コメント106d31及び106d33に関する問題が解決した場合に操作する「解決」ボタン106d32及び106d34とを有する。
【0100】
「解決」ボタン106d32及び106d34が操作されると、コメント106d31及び106d33の表示が薄くなり目立たないように変更される。なお、「解決」ボタン106d32及び106d34が操作された場合のコメント106d31及び106d33表示方法は、薄くする方法に限られずその他の方法、例えば、表示しないようにしてもよい。
【0101】
依頼者2Aは、端末2の表示部において上記画面106dを参照し、レビュー結果を閲覧する。なお、この後、ステップS23〜S25を繰り返して複数回レビューしてもよい。
【0102】
なお、この後、文書情報112のバージョンが更新されると、図15に示したチャット会話内容表示欄106dの情報はそのまま表示されるが、コメント内容表示欄106dの情報は表示されなくなる(又は、新たなバージョンに対応した情報となる。)。これは図8に示した文書情報112のバージョンとチャット情報113及びコメント情報114との関係に基づくものである。また、古いバージョンの文書情報112の内容を参照した場合は、チャット会話内容表示欄106dの情報は最新のものが表示されるが、コメント内容表示欄106dの情報は古いバージョンに対応付けられたものが表示される。
【0103】
(4)出力動作
次に、依頼者2Aは、レビュー結果に同意して編集済みの文書情報112を利用するためにダウンロードすることを目的としてダウンロードボタン106d(106b、106c)を操作する。端末2は、操作内容を文書作成サーバ装置1に送信する。
【0104】
文書作成サーバ装置1の文書出力手段108は、受信した操作内容に応じて、受任者3Aによる編集が反映された文書情報112を依頼者2Aの操作する端末2に出力する(S27)。
【0105】
端末2は、文書作成サーバ装置1から文書情報112を受信する。依頼者2Aは、受信した文書情報112をそのまま又はさらに編集等して、データのまま利用、他のデータフォーマットに変換して利用又は印刷して利用する。
【0106】
(5)その他動作
「(2)レビュー動作」において受任者3Aが、図13に示す文書情報内容表示欄106cにおいて文書情報112の内容に編集操作を行う際、文書作成サーバ装置1の編集補助手段109は、図16に示すように、記憶部11に予め登録された編集補助情報116から編集内容に応じて編集を補助する情報を選択して出力する。
【0107】
図16は、端末3の表示部に表示される画面の他の例を示す概略図である。
【0108】
画面106eは、文書情報112を編集するための画面であり、チャットの会話内容を表示するためのチャット会話内容表示欄106eと、文書情報112の内容を示す文書情報内容表示欄106eと、編集補助手段109が選択した編集補助情報116の内容を示す編集補助情報内容表示欄106eと、ダウンロードボタン106eと、メニュー表示ボタン106eとを有する。
【0109】
編集補助手段109は、図16に示すように、文書情報内容表示欄106eにおいて範囲106e21が指定されると、範囲106e21の内容に応じて範囲106e21に代替される表現の文章として、記憶部11に予め登録された編集補助情報116から文章例106e31及び106e32を表示する。範囲106e21は、予め定めた単位(例えば、条、項、号等)を編集補助手段109が自動で認識して選択されるようにしてもよい。
【0110】
文章例106e31及び106e32は、範囲106e21の文章に対し、契約相手とのパワーバランスを変更した文章や、定義の範囲、期間の範囲、人物の範囲等の契約内容の範囲を変更した文章であってもよいし、文章例106e31及び106e32に替えて範囲106e21の内容に適したコメントの候補であってもよい。
【0111】
(実施の形態の効果)
上記した実施の形態によれば、依頼者2Aがアップロードした文書情報112のレビューの依頼を受任者3Aに通知し、当該文書情報112に対して依頼者2Aと受任者3Aとの間でのチャットやコメントの内容を双方に表示することで、文書単位又は文書中の範囲ごとに依頼者2A及び受任者3Aの意見を交換でき、依頼者2A及び受任者3Aのいずれもが文書情報112の編集が可能となるため、複数人物の作業に基づいて法律文書を作成することができる。特に、メール等に文書情報を添付し、メール本文に依頼内容を記載していたような従来の方法に比べて、情報が散逸することを防止でき、依頼内容が指す文書情報の範囲が不明確となることを防止でき、文書を作成するまでの工程数を抑制することができる。
【0112】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々な変形が可能である。
【0113】
例えば、編集補助手段109は、過去の文書情報112を学習し、編集補助情報内容表示欄106eにレビュー対象の文書情報112の指定された条項と類似性のある条項、修正案を抽出して表示するものであってもよい。
【0114】
また、例えば、編集補助手段109は、過去の文書情報112を学習し、編集補助情報内容表示欄106eに、レビュー中の文書情報112に不足している条項を抽出して表示するものであってもよい。
【0115】
また、例えば、編集補助手段109は、過去の文書情報112を学習し、編集補助情報内容表示欄106eに、レビュー中の文書情報112の指定された範囲に含まれる契約条件と一般的な契約条件との差異そのもの又は差異に対するコメントを表示するものであってもよい。
【0116】
なお、上記した「過去の文書情報112」とは、依頼者2A又は受任者3Aが端末2から文書作成サーバ装置1に送信したものであってもよいし、他の複数の依頼者又は他の複数の受任者が文書作成サーバ装置1に送信したものであってもよい。
【0117】
また、例えば、編集補助手段109は、編集補助情報内容表示欄106eに、レビュー中の文書情報112中の語句の表記ゆれ、条ずれ、引用間違い等を表示するものであってもよい。
【0118】
また、例えば、編集補助手段109は、文書情報112中の「条」「項」「号」などを自動で認識し、依頼者2A又は受任者3Aがある「条」「項」「号」を削除した場合に、他の「条」「項」「号」の番号のずれを、引用部分も含めて自動的に修正するものであってもよい。
【0119】
また、例えば、編集補助手段109は、文書情報112を自然言語処理することで契約書の種類を自動で判別し、分類するようにしてもよい。また、分類結果を用いて検索等を行ってもよい。
【0120】
また、例えば、編集補助手段109は、文書情報112を自然言語処理することで契約書の内容を判別し、印紙税の額を提示するようにしてもよい。
【0121】
例えば、編集補助手段109は、文書情報112から契約期間、自動更新の別、当事者、対価の額等の契約書固有の条件を抽出し、表形式で出力するようにしてもよい。
【0122】
また、通知手段107は、利用者情報111に登録されていない外部の利用者に対して通知を行うものであってもよい。依頼者2A又は受任者3Aが端末2又は端末3を介して外部の利用者に対し文書情報112のレビューを依頼を要求すると、文書作成サーバ装置1の通知手段107は外部の利用者のメールアドレスに対し文書情報112に関連付けられたURLを送信する。当該URLに対しアクセスがあった場合、表示制御手段106は外部の利用者の操作する端末において文書情報112の内容を表示するよう制御する。この動作により、利用者情報111に登録されていない外部の利用者に対してもレビューを依頼することができるようになる。
【0123】
上記実施の形態では制御部10の各手段100〜109の機能をプログラムで実現したが、各手段の全て又は一部をASIC等のハードウエアによって実現してもよい。また、上記実施の形態で用いたプログラムをCD‐ROM等の記録媒体に記憶して提供することもできる。また、上記実施の形態で説明した上記ステップの入れ替え、削除、追加等は本発明の要旨を変更しない範囲内で可能である。
【符号の説明】
【0124】
1 :文書作成サーバ装置
2 :端末
2A :依頼者
3 :端末
3A :受任者
4 :ネットワーク
5 :文書作成システム
10 :制御部
11 :記憶部
12 :通信部
100 :利用者認証手段
101 :文書受付手段
102 :文書編集手段
103 :チャット制御手段
104 :コメント制御手段
105 :バージョン管理手段
106 :表示制御手段
107 :通知手段
108 :文書出力手段
109 :編集補助手段
110 :文書作成プログラム
111 :利用者情報
112 :文書情報
113 :チャット情報
114 :コメント情報
115 :バージョン情報
116 :編集補助情報

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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