特許第6706663号(P6706663)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6706663勾配電源ドライバー段回路、勾配電源システム及びその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6706663
(24)【登録日】2020年5月20日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】勾配電源ドライバー段回路、勾配電源システム及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20200601BHJP
【FI】
   A61B5/055 342
【請求項の数】7
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-247336(P2018-247336)
(22)【出願日】2018年12月28日
(65)【公開番号】特開2019-122765(P2019-122765A)
(43)【公開日】2019年7月25日
【審査請求日】2018年12月28日
(31)【優先権主張番号】201810026826.3
(32)【優先日】2018年1月11日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511268432
【氏名又は名称】台達電子企業管理(上海)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 賀
(72)【発明者】
【氏名】薛 金柱
(72)【発明者】
【氏名】ラズロ フーバー
(72)【発明者】
【氏名】ミーシャ クマール
(72)【発明者】
【氏名】焦 ▲徳▼智
【審査官】 後藤 順也
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0162250(US,A1)
【文献】 特開2009−039247(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0363698(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第107005150(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0264248(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第1247319(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
G01R 33/20−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
勾配コイル及び複数の勾配ドライバーモジュールを備える勾配電源ドライバー段回路であって、
前記複数の勾配ドライバーモジュールは電気的に接続されて出力端子を形成し、前記出力端子と前記勾配コイルは電気的に接続され、ここで、各勾配ドライバーモジュールは、並列接続される前段電源及びブリッジ増幅器を備え、前記複数の勾配ドライバーモジュールの前段電源の出力電圧は同じであり、各前記勾配ドライバーモジュールは、前記勾配コイル上で誘導性電圧降下及び抵抗性電圧降下を提供するために使用され、
前記複数の勾配ドライバーモジュールのトポロジは同じであり、
前記複数の勾配ドライバーモジュールの制御信号インターフェースは同じであり、
前記勾配電源ドライバー段回路は、少なくとも1つの結合インダクタンスを備え、各前記ブリッジ増幅器は、第1のフルブリッジ回路及び第2のフルブリッジ回路を備え、前記第1のフルブリッジ回路と前記第2のフルブリッジ回路は並列接続され、前記第1のフルブリッジ回路及び第2のフルブリッジ回路はいずれも4つのスイッチアセンブリから構成され、
ここで、各フルブリッジ回路の第1のスイッチアセンブリの第2端部と第2のスイッチアセンブリの第1端部とが接続されて第1のブリッジアームを構成し、その接続点は第1のブリッジアーム中点であり、各フルブリッジ回路の第3のスイッチアセンブリの第2端部と第4のスイッチアセンブリの第1端部とが接続されて第2のブリッジアームを構成し、その接続点は第2のブリッジアーム中点であり、
ここで、各ブリッジ増幅器では、第1のフルブリッジ回路と第2のフルブリッジ回路は並列接続され、それらの第1のスイッチアセンブリの第1端部及び第3のスイッチアセンブリの第1端部はいずれも前段電源の第1の出力端子に電気的に接続され、第2のスイッチアセンブリの第2端部及び第4のスイッチアセンブリの第2端部はいずれも前段電源の第2の出力端子に電気的に接続され、
ここで、各ブリッジ増幅器では、第1のフルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点は第1の結合インダクタンスの第1の巻線及び第2の巻線を介して第2のフルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点に電気的に接続され、第1の結合インダクタンスの第1の巻線及び第2の巻線の接続点はこのブリッジ増幅器に対応する第1のアウトレットであり、第1のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点は第2の結合インダクタンスの第1の巻線及び第2の巻線を介して第2のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点に電気的に接続され、第2の結合インダクタンスの第1の巻線及び第2の巻線の接続点はこのブリッジ増幅器に対応する第2のアウトレットであり、
ここで、前記複数の勾配ドライバーモジュールのブリッジ増幅器は直列接続であり、各ブリッジ増幅器に対応する第2のアウトレットは次のブリッジ増幅器に対応する第1のアウトレットに接続され、直列された最初のブリッジ増幅器に対応する第1のアウトレットは前記勾配コイルの第1端部に電気的に接続され、直列された最後のブリッジ増幅器に対応する第2のアウトレットは前記勾配コイルの第2端部に電気的に接続される
配電源ドライバー段回路。
【請求項2】
勾配コイル及び複数の勾配ドライバーモジュールを備える勾配電源ドライバー段回路であって、
前記複数の勾配ドライバーモジュールは電気的に接続されて出力端子を形成し、前記出力端子と前記勾配コイルは電気的に接続され、ここで、各勾配ドライバーモジュールは、並列接続される前段電源及びブリッジ増幅器を備え、前記複数の勾配ドライバーモジュールの前段電源の出力電圧は同じであり、各前記勾配ドライバーモジュールは、前記勾配コイル上で誘導性電圧降下及び抵抗性電圧降下を提供するために使用され、
前記複数の勾配ドライバーモジュールのトポロジは同じであり、
前記複数の勾配ドライバーモジュールの制御信号インターフェースは同じであり、
前記勾配電源ドライバー段回路は、少なくとも1つの結合インダクタンスを備え、各前記ブリッジ増幅器は、第1のフルブリッジ回路及び第2のフルブリッジ回路を備え、前記第1のフルブリッジ回路及び第2のフルブリッジ回路はいずれも4つのスイッチアセンブリから構成され、
ここで、各フルブリッジ回路の第1のスイッチアセンブリの第2端部と第2のスイッチアセンブリの第1端部とが接続されて第1のブリッジアームを構成し、その接続点は第1のブリッジアーム中点であり、各フルブリッジ回路の第3のスイッチアセンブリの第2端部と第4のスイッチアセンブリの第1端部とが接続されて第2のブリッジアームを構成し、その接続点は第2のブリッジアーム中点であり、
ここで、各ブリッジ増幅器では、第1のフルブリッジ回路と第2のフルブリッジ回路は並列接続され、それらの第1のスイッチアセンブリの第1端部及び第3のスイッチアセンブリの第1端部はいずれも前段電源の第1の出力端子に電気的に接続され、第2のスイッチアセンブリの第2端部及び第4のスイッチアセンブリの第2端部はいずれも前段電源の第2の出力端子に電気的に接続され、
ここで、前記複数の勾配ドライバーモジュールのブリッジ増幅器の第1のフルブリッジ回路は直列接続であり、第2のフルブリッジ回路は直列接続であり、各ブリッジ増幅器の第1のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点は次のブリッジ増幅器の第1のフルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点に電気的に接続され、各ブリッジ増幅器の第2のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点は次のブリッジ増幅器の第2のフルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点に電気的に接続され、最初のブリッジ増幅器の第1のフルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点は第1の結合インダクタンスの第1の巻線及び第2の巻線を介して最初のブリッジ増幅器の第2のフルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点に電気的に接続され、最初のブリッジ増幅器の第1のフルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点は第1の結合インダクタンスの第1の巻線を介して前記勾配コイルの第1端部に電気的に接続され、最後のブリッジ増幅器の第1のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点は第2の結合インダクタンスの第1の巻線及び第2の巻線を介して最後のブリッジ増幅器の第2のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点に電気的に接続され、最後のブリッジ増幅器の第1のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点は第2の結合インダクタンスの第1の巻線を介して前記勾配コイルの第2端部に接続される
配電源ドライバー段回路。
【請求項3】
前記勾配ドライバーモジュールは、複数の作動勾配ドライバーモジュール及び少なくとも1つの冗長勾配ドライバーモジュールを備え、正常な作動状態では、前記複数の作動勾配ドライバーモジュールは運転するが、少なくとも1つの冗長勾配ドライバーモジュールは運転せず、前記作動勾配ドライバーモジュール内の1つが破損された場合、前記少なくとも1つの冗長勾配ドライバーモジュール内の1つが、破損された作動勾配ドライバーモジュールの代わりに運転する
請求項1又は2に記載の勾配電源ドライバー段回路。
【請求項4】
コントローラ及び請求項1〜のいずれか1項に記載の勾配電源ドライバー段回路を備え、前記コントローラは前記勾配電源ドライバー段回路を制御するために使用される
勾配電源システム。
【請求項5】
勾配コイル及び複数の勾配ドライバーモジュールを備える勾配電源ドライバー段回路の制御方法であって、
前記複数の勾配ドライバーモジュールは電気的に接続されて出力端子を形成し、前記出力端子と前記勾配コイルは電気的に接続され、ここで、各勾配ドライバーモジュールは、並列接続される前段電源及びブリッジ増幅器を備え、前記複数の勾配ドライバーモジュールの前段電源の出力電圧は同じであり、各前記勾配ドライバーモジュールは、前記勾配コイル上で誘導性電圧降下及び抵抗性電圧降下を提供するために使用され、前記勾配電源ドライバー段回路は勾配電源システム内に備えられ、前記勾配電源システムは、コントローラをさらに備え、前記コントローラは前記勾配電源ドライバー段回路を制御するために使用され、
前記制御方法は、
前記複数の勾配ドライバーモジュールを複数のモジュールグループに分け、各モジュールグループ内の勾配ドライバーモジュールの作動方式が同じであるステップと、
各モジュールグループの外部制御命令又は作動状態の変更に応じて、グループ化方式又は各モジュールグループ内の勾配ドライバーモジュールの作動方式を変更するステップと、を含み、
前記コントローラは電流基準信号に基づいて前記勾配電源ドライバー段回路を制御し、前記外部制御命令の変更は、電流基準信号変化率の変更又は電流基準信号振幅の変更を含み、前記作動状態の変更は、前記勾配電源ドライバー段回路の温度変更、スイッチング周波数の変更及び変調方式の変更を含み、
前記グループ化方式は、グループ内のモジュール数又はモジュールの組み合せ方式を含み、
前記各モジュールグループの外部制御命令又は作動状態の変更に応じて、グループ化方式又は各モジュールグループ内の勾配ドライバーモジュールの作動方式を変更するステップは、前記勾配電源システムの温度が第1の閾値より高い場合に、すべてのモジュールグループにユニポーラ変調方式を使用して制御するステップを含む、
勾配電源ドライバー段回路の制御方法。
【請求項6】
勾配コイル及び複数の勾配ドライバーモジュールを備える勾配電源ドライバー段回路の制御方法であって、
前記複数の勾配ドライバーモジュールは電気的に接続されて出力端子を形成し、前記出力端子と前記勾配コイルは電気的に接続され、ここで、各勾配ドライバーモジュールは、並列接続される前段電源及びブリッジ増幅器を備え、前記複数の勾配ドライバーモジュールの前段電源の出力電圧は同じであり、各前記勾配ドライバーモジュールは、前記勾配コイル上で誘導性電圧降下及び抵抗性電圧降下を提供するために使用され、前記勾配電源ドライバー段回路は勾配電源システム内に備えられ、前記勾配電源システムは、コントローラをさらに備え、前記コントローラは前記勾配電源ドライバー段回路を制御するために使用され、
前記制御方法は、
前記複数の勾配ドライバーモジュールを複数のモジュールグループに分け、各モジュールグループ内の勾配ドライバーモジュールの作動方式が同じであるステップと、
各モジュールグループの外部制御命令又は作動状態の変更に応じて、グループ化方式又は各モジュールグループ内の勾配ドライバーモジュールの作動方式を変更するステップと、を含み、
前記コントローラは電流基準信号に基づいて前記勾配電源ドライバー段回路を制御し、前記外部制御命令の変更は、電流基準信号変化率の変更又は電流基準信号振幅の変更を含み、前記作動状態の変更は、前記勾配電源ドライバー段回路の温度変更、スイッチング周波数の変更及び変調方式の変更を含み、
前記グループ化方式は、グループ内のモジュール数又はモジュールの組み合せ方式を含み、
前記各モジュールグループの外部制御命令又は作動状態の変更に応じて、グループ化方式又は各モジュールグループ内の勾配ドライバーモジュールの作動方式を変更するステップは、前記勾配電源システムの温度が第1の閾値以下である状態で、電流基準制御信号の振幅が第3の閾値以下である状態が継続して第1の時間を超え、又は電流基準信号変化率が第2の閾値より大きい場合に、すべてのモジュールグループが備えるスイッチアセンブリが第1のスイッチング周波数で作動し、電流基準制御信号の振幅がこの第3の閾値より小さい状態が継続してこの第1の時間を超えず、且つ、電流基準信号変化率がこの第2の閾値以下であり、又は電流基準信号変化率がこの第2の閾値以下で、且つ、電流基準制御信号の振幅がこの第3の閾値より大きい場合に、前記すべてのモジュールグループのスイッチング周波数が第2のスイッチング周波数で作動するステップを含む、
勾配電源ドライバー段回路の制御方法。
【請求項7】
勾配コイル及び複数の勾配ドライバーモジュールを備える勾配電源ドライバー段回路の制御方法であって、
前記複数の勾配ドライバーモジュールは電気的に接続されて出力端子を形成し、前記出力端子と前記勾配コイルは電気的に接続され、ここで、各勾配ドライバーモジュールは、並列接続される前段電源及びブリッジ増幅器を備え、前記複数の勾配ドライバーモジュールの前段電源の出力電圧は同じであり、各前記勾配ドライバーモジュールは、前記勾配コイル上で誘導性電圧降下及び抵抗性電圧降下を提供するために使用され、前記勾配電源ドライバー段回路は勾配電源システム内に備えられ、前記勾配電源システムは、コントローラをさらに備え、前記コントローラは前記勾配電源ドライバー段回路を制御するために使用され、
前記制御方法は、
前記複数の勾配ドライバーモジュールを複数のモジュールグループに分け、各モジュールグループ内の勾配ドライバーモジュールの作動方式が同じであるステップと、
各モジュールグループの外部制御命令又は作動状態の変更に応じて、グループ化方式又は各モジュールグループ内の勾配ドライバーモジュールの作動方式を変更するステップと、を含み、
前記コントローラは電流基準信号に基づいて前記勾配電源ドライバー段回路を制御し、前記外部制御命令の変更は、電流基準信号変化率の変更又は電流基準信号振幅の変更を含み、前記作動状態の変更は、前記勾配電源ドライバー段回路の温度変更、スイッチング周波数の変更及び変調方式の変更を含み、
前記グループ化方式は、グループ内のモジュール数又はモジュールの組み合せ方式を含み、
前記各モジュールグループの外部制御命令又は作動状態の変更に応じて、グループ化方式又は各モジュールグループ内の勾配ドライバーモジュールの作動方式を変更するステップは、前記勾配電源システムの温度が第1の閾値以下である状態で、電流基準制御信号の振幅が第3の閾値以下である状態が継続して第1の時間を超え、又は電流基準信号変化率が第2の閾値より大きい場合に、すべてのモジュールグループに周波数倍増変調方式を使用し、電流基準制御信号の振幅がこの第3の閾値より小さい状態が継続してこの第1の時間を超えず、且つ、電流基準信号変化率がこの第2の閾値以下であり、又は電流基準信号変化率がこの第2の閾値以下で、且つ、電流基準制御信号の振幅がこの第3の閾値より大きい場合に、すべてのモジュールグループにユニポーラ変調方式を使用するステップを含む、
勾配電源ドライバー段回路の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源技術に関し、特に勾配電源ドライバー段回路、勾配電源システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
核磁気共鳴イメージング(MRI)技術は、情報量が多く、多方向イメージング、及び高解像度などの多くの利点を有し、したがって、1980年の最初の応用以来、MRI技術が急速に発展され、臨床疾患診断における重要な手段の1つとして広く応用されている。
【0003】
勾配電源はMRIイメージャの重要なアセンブリの1つとして、MRIイメージャ内の勾配コイルを励磁し、磁場勾配を生成して、位置情報を提供するために使用される。イメージング時間を減少し、イメージング品質を確保するために、MRIシステムは短時間内でコイル上で高解像度、高精度、安定な強い磁場を確立することが要求される。したがって、勾配電源は高圧及び高精度の大電流を出力する能力を具備する必要がある。ここで、核磁気共鳴装置内の勾配コイルは、一般的に長さ2m、直径90cmの中空インダクタンスである。磁場確立時間をできるだけ短縮するために、磁場の確立時に、インダクタンス内の電流が迅速に設定値に到達するように、コイル内の電流が比較的大きい変化率を有することが要求され、磁場の確立後は、コイル内で必要とする大電流値を精確で安定的に維持する必要があり、このとき、電流変化率は比較的低い。図1の典型的な勾配コイルの励磁電流波形、即ち、台形波を例として、磁場を確立する過程は、台形波の上昇段階及び下降段階に対応し、この段階は電流変化率が極めて高く、磁場が確立された後、電流は極めて高い精度で安定的に設定値を保持し、このとき、電流変化率は極めて低い。したがって、勾配コイルを励磁するための勾配電源は、比較的高い電流変化率を得るために、高圧出力能力が必要とされるとともに、低出力電圧下で、高精度の大電流の出力を維持する能力を有することが必要とされる。
【0004】
現在、市場の勾配電源は一般的にフルブリッジコンバータ技術を用いている。シリコン系素子の特性に制限され、ほとんどの勾配電源ドライバー段は高低圧ブリッジ直列の構造を使用しているが、このような構造は、発熱が均一せず、素子利用率が低く、信頼度が悪く、システムが複雑で拡張しにくいなどの欠点がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、勾配電源ドライバー段回路、勾配電源システム及びその制御方法を提供する。
【0006】
本発明の第1の態様によれば、勾配電源ドライバー段回路を提供し、前記勾配電源ドライバー段回路は、勾配コイル及び複数の勾配ドライバーモジュールを備え、前記複数の勾配ドライバーモジュールは電気的に接続されて出力端子を形成し、前記出力端子と前記勾配コイルは電気的に接続され、ここで、各勾配ドライバーモジュールは、並列接続される前段電源及びブリッジ増幅器を備え、前記複数の勾配ドライバーモジュールの前段電源の出力電圧は同じであり、各前記勾配ドライバーモジュールは、前記勾配コイル上で誘導性電圧降下及び抵抗性電圧降下を提供するために使用される。
【0007】
ここで、前記複数の勾配ドライバーモジュールのトポロジは同じである。
【0008】
ここで、前記複数の勾配ドライバーモジュールの制御信号インターフェースは同じである。
【0009】
ここで、前記複数の勾配ドライバーモジュールの前段電源は絶縁型又は非絶縁型回路である。
【0010】
ここで、前記複数の勾配ドライバーモジュールの前段電源はDC/DC又はAC/DC回路である。
【0011】
ここで、前記複数の勾配ドライバーモジュールの前段電源は絶縁型DC/DC回路である。
【0012】
一実施例では、各ブリッジ増幅器は、1つのフルブリッジ回路を備え、各フルブリッジ回路は、4つのスイッチアセンブリから構成され、ここで、各フルブリッジ回路の第1のスイッチアセンブリの第2端部と第2のスイッチアセンブリの第1端部とが接続されて第1のブリッジアームを構成し、その接続点は第1のブリッジアーム中点であり、各フルブリッジ回路の第3のスイッチアセンブリの第2端部と第4のスイッチアセンブリの第1端部とが接続されて第2のブリッジアームを構成し、その接続点は第2のブリッジアーム中点であり、第1のスイッチアセンブリの第1端部及び第3のスイッチアセンブリの第1端部は前段電源の第1の出力端子に電気的に接続され、第2のスイッチアセンブリの第2端部及び第4のスイッチアセンブリの第2端部は前段電源の第2の出力端子に電気的に接続され、ここで、前記複数の勾配ドライバーモジュールのフルブリッジ回路は直列であり、各フルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点は次のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点に直列接続され、直列された最初のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点は前記勾配コイルの第1端部に電気的に接続され、最後のフルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点は前記勾配コイルの第2端部に電気的に接続される。
【0013】
一実施例では、前記勾配電源ドライバー段回路は、少なくとも1つの結合インダクタンスを備え、各前記ブリッジ増幅器は、第1のフルブリッジ回路及び第2のフルブリッジ回路を備え、前記第1のフルブリッジ回路と前記第2のフルブリッジ回路は並列接続され、前記第1のフルブリッジ回路及び第2のフルブリッジ回路はいずれも4つのスイッチアセンブリから構成され、ここで、各フルブリッジ回路の第1のスイッチアセンブリの第2端部と第2のスイッチアセンブリの第1端部とが接続されて第1のブリッジアームを構成し、その接続点は第1のブリッジアーム中点であり、各フルブリッジ回路の第3のスイッチアセンブリの第2端部と第4のスイッチアセンブリの第1端部とが接続されて第2のブリッジアームを構成し、その接続点は第2のブリッジアーム中点であり、ここで、各ブリッジ増幅器では、第1のフルブリッジ回路と第2のフルブリッジ回路は並列接続され、それらの第1のスイッチアセンブリの第1端部及び第3のスイッチアセンブリの第1端部はいずれも前段電源の第1の出力端子に電気的に接続され、第2のスイッチアセンブリの第2端部及び第4のスイッチアセンブリの第2端部はいずれも前段電源の第2の出力端子に電気的に接続され、ここで、各ブリッジ増幅器では、第1のフルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点は第1の結合インダクタンスの第1の巻線及び第2の巻線を介して第2のフルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点に電気的に接続され、第1の結合インダクタンスの第1の巻線及び第2の巻線の接続点はこのブリッジ増幅器に対応する第1のアウトレットであり、第1のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点は第2の結合インダクタンスの第1の巻線及び第2の巻線を介して第2のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点に電気的に接続され、第2の結合インダクタンスの第1の巻線及び第2の巻線の接続点はこのブリッジ増幅器に対応する第2のアウトレットであり、ここで、前記複数の勾配ドライバーモジュールのブリッジ増幅器は直列接続であり、各ブリッジ増幅器に対応する第2のアウトレットは次のブリッジ増幅器に対応する第1のアウトレットに接続され、直列された最初のブリッジ増幅器に対応する第1のアウトレットは前記勾配コイルの第1端部に電気的に接続され、直列された最後のブリッジ増幅器に対応する第2のアウトレットは前記勾配コイルの第2端部に電気的に接続される。
【0014】
一実施例では、前記勾配電源ドライバー段回路は、少なくとも1つの結合インダクタンスを備え、各前記ブリッジ増幅器は、第1のフルブリッジ回路及び第2のフルブリッジ回路を備え、前記第1のフルブリッジ回路及び第2のフルブリッジ回路はいずれも4つのスイッチアセンブリから構成され、ここで、各フルブリッジ回路の第1のスイッチアセンブリの第2端部と第2のスイッチアセンブリの第1端部とが接続されて第1のブリッジアームを構成し、その接続点は第1のブリッジアーム中点であり、各フルブリッジ回路の第3のスイッチアセンブリの第2端部と第4のスイッチアセンブリの第1端部とが接続されて第2のブリッジアームを構成し、その接続点は第2のブリッジアーム中点であり、ここで、各ブリッジ増幅器では、第1のフルブリッジ回路と第2のフルブリッジ回路は並列接続され、それらの第1のスイッチアセンブリの第1端部及び第3のスイッチアセンブリの第1端部はいずれも前段電源の第1の出力端子に電気的に接続され、第2のスイッチアセンブリの第2端部及び第4のスイッチアセンブリの第2端部はいずれも前段電源の第2の出力端子に電気的に接続され、ここで、前記複数の勾配ドライバーモジュールのブリッジ増幅器の第1のフルブリッジ回路は直列接続であり、第2のフルブリッジ回路は直列接続であり、各ブリッジ増幅器の第1のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点は次のブリッジ増幅器の第1のフルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点に電気的に接続され、各ブリッジ増幅器の第2のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点は次のブリッジ増幅器の第2のフルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点に電気的に接続され、最初のブリッジ増幅器の第1のフルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点は第1の結合インダクタンスの第1の巻線及び第2の巻線を介して最初のブリッジ増幅器の第2のフルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点に電気的に接続され、最初のブリッジ増幅器の第1のフルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点は第1の結合インダクタンスの第1の巻線を介して前記勾配コイルの第1端部に電気的に接続され、最後のブリッジ増幅器の第1のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点は第2の結合インダクタンスの第1の巻線及び第2の巻線を介して最後のブリッジ増幅器の第2のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点に電気的に接続され、最後のブリッジ増幅器の第1のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点は第2の結合インダクタンスの第1の巻線を介して前記勾配コイルの第2端部に接続される。
【0015】
ここで、前記スイッチアセンブリはワイドバンドギャップ素子である。
【0016】
ここで、各ブリッジ増幅器は少なくとも1つのフルブリッジ回路を備え、前記フルブリッジ回路は少なくとも1つのスイッチアセンブリを備え、前記スイッチアセンブリは複数のスイッチチューブが並列して形成され、前記勾配ドライバーモジュールの最低スイッチング周波数が第1の閾値より小さい場合、前記勾配電源ドライバー段回路はフィルタをさらに備える。
【0017】
前記勾配ドライバーモジュールは、複数の作動勾配ドライバーモジュール及び少なくとも1つの冗長勾配ドライバーモジュールを備え、正常な作動状態では、前記複数の作動勾配ドライバーモジュールは運転するが、少なくとも1つの冗長勾配ドライバーモジュールは運転せず、前記作動勾配ドライバーモジュール内の1つが破損された場合、前記少なくとも1つの冗長勾配ドライバーモジュール内の1つが、破損された作動勾配ドライバーモジュールの代わりに運転する。
【0018】
本発明の第2の態様によれば、勾配電源システムを提供し、前記勾配電源システムは、コントローラ及び上記の勾配電源ドライバー段回路を備え、前記コントローラは前記勾配電源ドライバー段回路を制御するために使用される。
【0019】
本発明の第3の態様によれば、勾配コイル及び複数の勾配ドライバーモジュールを備える勾配電源ドライバー段回路の制御方法を提供し、前記複数の勾配ドライバーモジュールは電気的に接続されて出力端子を形成し、前記出力端子と前記勾配コイルは電気的に接続され、ここで、各勾配ドライバーモジュールは、並列接続される前段電源及びブリッジ増幅器を備え、前記複数の勾配ドライバーモジュールの前段電源の出力電圧は同じであり、各前記勾配ドライバーモジュールは、前記勾配コイル上で誘導性電圧降下及び抵抗性電圧降下を提供するために使用され、前記勾配電源ドライバー段回路は勾配電源システム内に備えられ、前記勾配電源システムは、コントローラをさらに備え、前記コントローラは前記勾配電源ドライバー段回路を制御するために使用され、前記方法は、前記複数の勾配ドライバーモジュールを複数のモジュールグループに分け、各モジュールグループ内の勾配ドライバーモジュールの作動方式が同じであるステップと、各モジュールグループの外部制御命令又は作動状態の変更に応じて、グループ化方式又は各モジュールグループ内の勾配ドライバーモジュールの作動方式を変更するステップと、を含む。
【0020】
ここで、前記コントローラは電流基準信号に基づいて前記勾配電源ドライバー段回路を制御し、前記外部制御命令の変更は、電流基準信号変化率の変更又は電流基準信号振幅の変更を含み、前記作動状態の変更は、前記勾配電源ドライバー段回路の温度変更を含む。
【0021】
ここで、前記作動方式の変更は、スイッチング周波数の変更及び変調方式の変更を含む。
【0022】
ここで、前記グループ化方式は、グループ内のモジュール数又はモジュールの組み合せ方式を含む。
【0023】
ここで、前記各モジュールグループの外部制御命令又は作動状態の変更に応じて、グループ化方式又は各モジュールグループ内の勾配ドライバーモジュールの作動方式を変更するステップは、前記勾配電源システムの温度が前記第1の閾値より高い場合に、すべてのモジュールグループにユニポーラ変調方式を使用して制御するステップを含む。
【0024】
ここで、前記各モジュールグループの外部制御命令又は作動状態の変更に応じて、グループ化方式又は各モジュールグループ内の勾配ドライバーモジュールの作動方式を変更するステップは、前記勾配電源システムの温度が前記第1の閾値以下である状態で、電流基準制御信号の振幅が第3の閾値より小さい状態が継続して第1の時間を超え、又は電流基準信号変化率が第2の閾値より大きい場合に、すべてのモジュールグループが備えるスイッチアセンブリが第1のスイッチング周波数で作動し、電流基準制御信号の振幅がこの第3の閾値より小さい状態が継続してこの第1の時間を超えず、且つ、電流基準信号変化率がこの第2の閾値以下であり、又は電流基準信号変化率がこの第2の閾値以下で、且つ、電流基準制御信号の振幅がこの第3の閾値より大きい場合に、前記すべてのモジュールグループのスイッチング周波数が前記第2のスイッチング周波数で作動するステップを含む。
【0025】
ここで、前記各モジュールグループの外部制御命令又は作動状態の変更に応じて、グループ化方式又は各モジュールグループ内の勾配ドライバーモジュールの作動方式を変更するステップは、電流基準制御信号の振幅が第3の閾値より大きい状態が継続して第1の時間を超え、且つ、電流基準信号変化率が第2の閾値より低い場合に、すべてのモジュールグループにユニポーラ変調方式を使用し、電流基準制御信号の振幅が第3の閾値より大きい状態が継続してこの第1の時間を超えず、且つ、電流基準信号変化率がこの第2の閾値より低くく、又は電流基準信号変化率がこの第2の閾値以上で、又は電流基準制御信号の振幅がこの第3の閾値以下である場合に、すべてのモジュールグループに周波数倍増変調方式を使用するステップを含む。
【0026】
なお、前記一般的な記載及び後述の詳細な記載は、単なる例示ので解釈的な記載であり、本発明を限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
ここの図面は、明細書に組み入れて本明細書の一部を構成し、本発明に該当する実施例を例示するとともに、明細書とともに本発明の原理を解釈する。
図1】従来技術における典型的な勾配コイルの励磁電流波形を示す。
図2A】従来技術における勾配電源ドライバー段構造を示す。
図2B】従来技術における別の電源ドライバー段構造を示し、ここでは、交差並列の低圧ブリッジで図2Aの単一の低圧ブリッジを置き換えたものである。
図3】本発明の一実施例に係る勾配電源システム構造図である。
図4】本発明の一実施例に係る勾配電源ドライバー段回路のトポロジ構造を示す。
図5】本発明の別の実施例に係る勾配電源ドライバー段回路のトポロジ構造を示す。
図6】本発明の一実施例に係る勾配電源ドライバー段のフルブリッジ増幅器のトポロジ構造を示す。
図7】本発明の別の実施例に係る勾配電源ドライバー段のフルブリッジ増幅器のトポロジ構造を示す。
図8】本発明のさらに別の実施例に係る勾配電源ドライバー段のフルブリッジ増幅器のトポロジ構造を示す。
図9】本発明の一実施例に係る勾配ドライバーモジュールの制御方法の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、例示的な実施例を詳しく説明し、その例示を図面に示す。以下の記載が図面に関わる場合、特に別の説明がない限り、異なる図面における同一の符号は、同じ又は類似する要素を示す。以下の例示的な実施形態に記載の実施例は、本発明と一致する全ての実施例を代表するものではない。即ち、それらは、特許請求の範囲に記載の本発明のある側面に一致する機器及び方法の例に過ぎない。
【0029】
勾配電源自身の作動方式及びシリコン系素子特性の影響で、素子はスイッチング中に比較的大きい逆回復電流に耐えることが必要される。この問題を解決するために、勾配電源では一般的にIGBT素子を使用する。しかし、高圧IGBT素子は速度が比較的遅く、システム性能を向上するために、図2Aに示すように、勾配電源ドライバー段回路が提供され、このような勾配電源ドライバー段回路では、2つの高圧フルブリッジコンバータと1つの低圧フルブリッジコンバータが直列され、2つの直列交差の高圧フルブリッジコンバータは、高圧を出力し、大電流変化率を処理する段階のみに使用され、他の段階では作動せず、高精度の安定電流を出力する小電流変化率の段階は、低圧フルブリッジコンバータにより処理される。小電流変化率の段階において出力される電流リップルを減少させるためには、システム全体のスイッチング周波数を上昇させる必要があるが、素子特性に制限されて、これによると、スイッチング周波数の上昇余地が制限されているだけでなく、低圧ブリッジが損失し、発熱が制御されにくく、また、電流が比較的大きいため、単一のスイッチ素子ではこの電流を処理できない。
【0030】
したがって、図2Bに示すトポロジ構造を使用でき、即ち、図2Aの単一の低圧ブリッジの代わりに交差並列の低圧ブリッジを使用できる。この方法の利点は、出力電流リップル周波数を効果的に向上できるとともに、各低圧ブリッジのスイッチング周波数が比較的低いレベルを維持して、スイッチ損失を減少できることにある。しかし、このようなトポロジ構造は依然として問題を根本的に解決していない。高圧ブリッジは大電流変化率の段階でのみ作動し、この段階は継続時間が非常に短いため、損失はほとんど低圧ブリッジに集中し、スイッチ素子利用率が極めて低く、素子の発熱が不均一な問題が比較的深刻であり、このため、システム全体の信頼度が大幅に低下し、放熱設計上で極大な挑戦に面することになり、それとともに、高低圧ブリッジバスバー電圧に差異が比較的大きいため、高低圧ブリッジコンバータ及びその前段電源構造に差異が比較的大きく、コントローラ内部においても高低圧ブリッジを別々に制御する必要があるので、システム全体の複雑さが比較的高い。また、異なるレベルの核磁気共鳴システムに対し、異なる高低圧ブリッジコンバータ及びその前段電源を再設計する必要があるので、システム拡張が困難である。
【0031】
本発明によれば、勾配電源ドライバー段回路、この勾配電源ドライバー段回路を備える勾配電源システム、及びその制御方法を提供する。
【0032】
本発明によれば、勾配電源ドライバー段回路を設計し、この勾配電源ドライバー段回路はフルブリッジ回路を備え、すべての勾配ドライバーモジュールに適用され、高低圧ブリッジを区分する必要がなくなって、フルブリッジ回路の利用率を向上させ、フルブリッジ回路は、時間分割作動が必要とされなくなって、熱平衡性能が良好であり、勾配電源ドライバー段回路にモジュール分割及びグループ化制御を行うことで、各モジュールグループ内の勾配電源ドライバー段構造が一致で、制御方式が一致であって、システム拡張が簡便になり、コントローラ内のインターフェースが同じであって、制御線路の設計が容易である。実際の応用では、モジュールグループの分割は、状況に応じて再分割及び別々に制御でき、システムの柔軟性を向上させる。
【0033】
図3は、本発明の一実施例に係る勾配電源システム構造図であり、この勾配電源システムは、制御モジュール及びドライバー段回路を備え、勾配電源システムの負荷は勾配コイルであり、システム内のドライバー段回路は、内部構造、機能、及び制御インターフェースが完全に同じである幾つかの直列された勾配ドライバーモジュールを備える。
【0034】
ここで、各勾配ドライバーモジュールは、前段電源及びフルブリッジ増幅器の2つの部分で構成され、前段電源とフルブリッジ増幅器との間は並列に結合される。
【0035】
前段電源は、バスバーにより入力された電圧を変換してからフルブリッジ増幅器に送るために使用され、前段電源は、最終的な勾配電源システム組立体の異なる構造に応じて、絶縁方式又は非絶縁方式を使用でき、AC/DCコンバータ又はDC/DCコンバータであってもよい。例えば、一例示的な実施例では、前段電源は、移相ブリッジトポロジ構造の絶縁DC/DCコンバータ方式を使用できる。
【0036】
フルブリッジ増幅器は、前段電源が提供する直流電力を変換し、負荷端に必要なエネルギーを提供して、勾配コイル内の電流が基準信号を高精度で効果的に追跡できるように確保するために使用される。
【0037】
コントローラモジュールは、各勾配ドライバーモジュールの作動タイミングを制御し、外部制御基準信号、現在のシステム発熱状態などの条件に基づき、合理的な作動タイミング方式を策定して、システム全体が安定で確実に作動できるように確保するために使用される。各モジュールの構造、機能、制御インターフェースが完全に同じであるため、本発明では高圧又は低圧ブリッジはもはや区分せず、すべてのフルブリッジ増幅器モジュールは制御モジュールにとって完全に平等であり、したがって、このようなドライバー段回路の構造によれば、制御システムを設計する複雑さを効果的に低減できる。
【0038】
図3に示すように、本発明が提供する勾配電源ドライバー段回路は、勾配コイル及び複数の勾配ドライバーモジュールを備え、複数の勾配ドライバーモジュールは電気的に接続されて出力端子を形成し、この出力端子と勾配コイルは電気的に接続され、ここで、各勾配ドライバーモジュールは、並列接続される前段電源及びブリッジ増幅器を備え、複数の勾配ドライバーモジュールの前段電源の出力電圧は同じであり、各勾配ドライバーモジュールは、勾配コイル上で誘導性電圧降下及び抵抗性電圧降下を提供するために使用される。ここで、勾配コイルは、一つのインダクタと一つの抵抗との直列的構成に等価することができ、誘導性電圧降下は、勾配コイルのインダクタ部分に作用していると見なすことができ、コイル内の勾配電流を励起して、外部の電流基準コマンドを素早く追跡するために使用され、抵抗性電圧降下は、勾配コイルの抵抗部分にわたる電圧降下を補償するために使用され、抵抗部分がコイルの内部エネルギーを消費することを防ぎ、コイル内の電流が安定的に電流基準コマンドを追跡することを保証する。ここで、複数の勾配ドライバーモジュールのトポロジは同じであり、複数の勾配ドライバーモジュールの制御信号インターフェースは同じである。
【0039】
図4及び図5は、それぞれ異なる前段電源を用いた勾配電源ドライバー段回路の例を示す。図4は、本発明の一実施例に係る勾配電源ドライバー段回路のトポロジ構造を示し、ここで、三相交流電力は整流されて直流電圧に変換されてから前段電源に送られ、前段電源は、絶縁型DC/DCコンバータである。図5は、本発明の別の実施例に係る勾配電源ドライバー段回路のトポロジ構造を示し、ここで、三相交流電力は交流トランスにより絶縁されてから、それぞれ各勾配ドライバーモジュールに送られ、この場合、勾配ドライバーモジュールの入力電圧は交流電力であり、前段電源は非絶縁型AC/DCコンバータである。
【0040】
図6は、本発明の一実施例に係る勾配電源ドライバー段回路中のフルブリッジ増幅器のトポロジ構造を示し、ここで、各勾配ドライバーモジュール中のフルブリッジ増幅器は、単一の同じ構造のフルブリッジから構成され、複数の勾配ドライバーモジュールは直列されてドライバー段回路を構成する。
【0041】
図6に示すように、各ブリッジ増幅器は、1つのフルブリッジ回路を備え、各フルブリッジ回路は4つのスイッチアセンブリから構成される。ここで、各フルブリッジ回路の第1のスイッチアセンブリの第2端部と第2のスイッチアセンブリの第1端部とが接続されて第1のブリッジアームを構成し、その接続点は第1のブリッジアーム中点である。各フルブリッジ回路の第3のスイッチアセンブリの第2端部と第4のスイッチアセンブリの第1端部とが接続されて第2のブリッジアームを構成し、その接続点は第2のブリッジアーム中点である。第1のスイッチアセンブリの第1端部及び第3のスイッチアセンブリの第1端部は前段電源の第1の出力端子に電気的に接続され、第2のスイッチアセンブリの第2端部及び第4のスイッチアセンブリの第2端部は前段電源の第2の出力端子に電気的に接続される。
【0042】
ここで、複数の勾配ドライバーモジュールのフルブリッジ回路は直列であり、各フルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点は次のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点に直列接続され、直列された最初のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点は勾配コイルの第1端部に電気的に接続され、最後のフルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点は勾配コイルの第2端部に電気的に接続される。
【0043】
図7は、本発明の別の実施例に係る勾配電源ドライバー段のフルブリッジ増幅器のトポロジ構造を示し、ここで、各勾配ドライバーモジュール中のフルブリッジ増幅器は、2つの構造が完全に一致であるフルブリッジから構成され、単一のモジュール内の2つのグループのフルブリッジが結合インダクタンスを介して並列された後、複数の勾配ドライバーモジュールが直列してドライバー段回路を構成する。
【0044】
図7に示すように、勾配電源ドライバー段回路は、少なくとも1つの結合インダクタンスを備え、各ブリッジ増幅器は、第1のフルブリッジ回路及び第2のフルブリッジ回路を備え、第1のフルブリッジ回路と第2のフルブリッジ回路は並列接続され、第1のフルブリッジ回路及び第2のフルブリッジ回路はいずれも4つのスイッチアセンブリから構成される。ここで、各フルブリッジ回路の第1のスイッチアセンブリの第2端部と第2のスイッチアセンブリの第1端部とが接続されて第1のブリッジアームを構成し、その接続点は第1のブリッジアーム中点であり、第1のフルブリッジ回路の第3のスイッチアセンブリの第2端部と第4のスイッチアセンブリの第1端部とが接続されて第2のブリッジアームを構成し、その接続点は第2のブリッジアーム中点である。
【0045】
各ブリッジ増幅器では、第1のフルブリッジ回路と第2のフルブリッジ回路は並列接続され、それらの第1のスイッチアセンブリの第1端部及び第3のスイッチアセンブリの第1端部はいずれも前段電源の第1の出力端子に電気的に接続され、第2のスイッチアセンブリの第2端部及び第4のスイッチアセンブリの第2端部はいずれも前段電源の第2の出力端子に電気的に接続される。
【0046】
各ブリッジ増幅器では、第1のフルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点は第1の結合インダクタンスの第1の巻線及び第2の巻線を介して第2のフルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点に電気的に接続され、第1の結合インダクタンスの第1の巻線及び第2の巻線の接続点はこのブリッジ増幅器に対応する第1のアウトレットであり、第1のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点は第2の結合インダクタンスの第1の巻線及び第2の巻線を介して第2のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点に電気的に接続され、第2の結合インダクタンスの第1の巻線及び第2の巻線の接続点はこのブリッジ増幅器に対応する第2のアウトレットである。
【0047】
複数の勾配ドライバーモジュールのブリッジ増幅器は直列接続され、各ブリッジ増幅器に対応する第2のアウトレットは次のブリッジ増幅器に対応する第1のアウトレットに接続され、直列された最初のブリッジ増幅器に対応する第1のアウトレットは勾配コイルの第1端部に電気的に接続され、直列された最後のブリッジ増幅器に対応する第2のアウトレットは勾配コイルの第2端部に電気的に接続される。
【0048】
図8は、本発明のさらに別の実施例に係る勾配電源ドライバー段のフルブリッジ増幅器のトポロジ構造を示し、ここで、各勾配ドライバーモジュール中のフルブリッジ増幅器は、2つのグループの構造が完全に一致であるフルブリッジから構成され、複数の勾配ドライバーモジュール内の1つのグループのフルブリッジ増幅器は直列された後、結合インダクタンスを介して別のグループの直列のフルブリッジ増幅器と並列してドライバー段を構成する。
【0049】
図8に示すように、勾配電源ドライバー段回路は、少なくとも1つの結合インダクタンスを備え、各ブリッジ増幅器は、第1のフルブリッジ回路及び第2のフルブリッジ回路を備え、第1のフルブリッジ回路及び第2のフルブリッジ回路はいずれも4つのスイッチアセンブリから構成されて、第1のブリッジアーム及び第2のブリッジアームを備える。
【0050】
各フルブリッジ回路の第1のスイッチアセンブリの第2端部と第2のスイッチアセンブリの第1端部とが接続されて第1のブリッジアームを構成し、その接続点は第1のブリッジアーム中点であり、各フルブリッジ回路の第3のスイッチアセンブリの第2端部と第4のスイッチアセンブリの第1端部とが接続されて第2のブリッジアームを構成し、その接続点は第2のブリッジアーム中点である。
【0051】
各ブリッジ増幅器では、第1のフルブリッジ回路と第2のフルブリッジ回路は並列接続され、それらの第1のスイッチアセンブリの第1端部及び第3のスイッチアセンブリの第1端部はいずれも前段電源の第1の出力端子に電気的に接続され、第2のスイッチアセンブリの第2端部及び第4のスイッチアセンブリの第2端部はいずれも前段電源の第2の出力端子に電気的に接続される。
【0052】
複数の勾配ドライバーモジュールのブリッジ増幅器の第1のフルブリッジ回路は直列接続であり、第2のフルブリッジ回路は直列接続であり、各ブリッジ増幅器の第1のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点は次のブリッジ増幅器の第1のフルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点に電気的に接続され、各ブリッジ増幅器の第2のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点は次のブリッジ増幅器の第2のフルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点に電気的に接続され、最初のブリッジ増幅器の第1のフルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点は第1の結合インダクタンスの第1の巻線及び第2の巻線を介して最初のブリッジ増幅器の第2のフルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点に電気的に接続され、最初のブリッジ増幅器の第1のフルブリッジ回路の第1のブリッジアーム中点は第1の結合インダクタンスの第1の巻線を介して勾配コイルの第1端部に電気的に接続され、最後のブリッジ増幅器の第1のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点は第2の結合インダクタンスの第1の巻線及び第2の巻線を介して最後のブリッジ増幅器の第2のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点に電気的に接続され、最後のブリッジ増幅器の第1のフルブリッジ回路の第2のブリッジアーム中点は第2の結合インダクタンスの第1の巻線を介して勾配コイルの第2端部に接続される。
【0053】
上記実施例では、複数の勾配ドライバーモジュールの前段電源は絶縁型又は非絶縁型回路であってもよく、複数の勾配ドライバーモジュールの前段電源はDC/DC又はAC/DC回路であってもよいことが理解されるべきである。例えば、複数の勾配ドライバーモジュールの前段電源は絶縁型DC/DC回路であってもよい。
【0054】
上記実施例では、各ブリッジ増幅器は、少なくとも1つのフルブリッジ回路を備え、フルブリッジ回路は、少なくとも1つのスイッチアセンブリを備え、スイッチアセンブリは複数のスイッチチューブが並列して形成され、勾配ドライバーモジュールの最低スイッチング周波数が第1の閾値より小さい場合、勾配電源ドライバー段回路はフィルタをさらに備える。
【0055】
通常、勾配電源ドライバー段回路はいずれもフィルタを備えるが、スイッチング周波数が第1の閾値より高い場合、本発明の一実施例ではフィルタを省略できる。
【0056】
この実施例では、勾配ドライバーモジュールのスイッチング周波数が第1の閾値より小さい場合、即ち、Rsystem*(UIN−I*Rsystem)/(UIN*k*n*Lcoil)場合に、勾配電源ドライバー段回路はフィルタをさらに備える。
【0057】
ただし、UINは単段ドライバー入力電圧であり、nは作動するフルブリッジ回路数であり、Rsystemはシステムオン抵抗であり、Iは勾配コイルに流す出力電流であり、kはリップル係数であり、Lcoilは勾配コイルのインダクタンス値である。
【0058】
本発明で提案されるドライバー段回路は、新しいスイッチ素子を使用して、作動周波数が、従来の素子に比べて大幅に上昇し、本発明で提案された制御方式と組み合わせると、出力電流リップル周波数が大幅に向上でき、一実施例では、勾配増幅器は入力電圧が400Vである直列交差作動の6つのモノブリッジ構造ドライバーから構成され、そのシステム内部抵抗が42.4mΩであり、出力電流が900Aで、勾配コイルのインダクタンス量が998uHである条件下で、スイッチング周波数が65KHz以上まで上昇した場合に、リップル電流は出力電流の0.01%より小さくなることができ、この場合は出力フィルタを省略でき、さらにシステム空間を節約できる。
【0059】
本発明の勾配電源ドライバー段回路では、選択的に、勾配ドライバーモジュールは、複数の作動勾配ドライバーモジュール及び少なくとも1つの冗長勾配ドライバーモジュールを備えてもよい。正常な作動状態で、複数の作動勾配ドライバーモジュールは運転するが、少なくとも1つの冗長勾配ドライバーモジュールは運転しない。作動勾配ドライバーモジュール内の1つが破損された場合、少なくとも1つの冗長勾配ドライバーモジュール内の1つが、破損された作動勾配ドライバーモジュールの代わりに運転する。
【0060】
上述の勾配電源ドライバー段回路では、スイッチアセンブリはワイドバンドギャップ素子である。本発明は、ワイドバンドギャップスイッチ素子の特性を利用して、新しい勾配電源ドライバー段構造及びその制御方式を提案し、従来の勾配電源に存在している発熱が均一せず、素子利用率が低く、信頼度が悪く、システムが複雑で拡張しにくいなどの多くの難題を効果的に解決できる。
【0061】
近来、SiC、GaNなどの新しいワイドバンドギャップスイッチ素子は、半導体シリコンなどの第1世代材料に対して、新たな材料はバンドギャップが広く、熱伝導率が高く、電子の飽和ドリフト速度が大きく、化学的安定性がよく、高耐圧であり、逆回復が無く、オン抵抗が低く、及びスイッチング速度が速いなどの利点を有する。このような新たな材料を使用して制作されたパワースイッチ素子は、従来のシリコン系IGBTなどの素子に比べて、高耐圧であり、逆回復が無く、オン抵抗が低く、及びスイッチング速度が速いなどの多くの利点がある。ワイドバンドギャップスイッチ素子のこのような特性を利用して、本発明では、勾配電源ドライバー段回路を設計し、そのうちの複数の勾配ドライバーモジュールのフルブリッジ増幅器トポロジは同じであり、フルブリッジ増幅器は勾配ドライバーモジュール内で作動するとき、高低圧ブリッジを区分する必要が無くなって、高低圧端が時間分割で作動する必要が無くなる。ドライバーモジュール内の各フルブリッジ増幅器は構造が同じであるので、例えば、前段電源の出力電圧及び構造が同じで、フルブリッジ増幅器の制御信号インターフェースが同じである様々な便利を提供し、コントローラはそれを柔軟に制御し、フルブリッジ増幅器又は複数のフルブリッジ増幅器から構成される勾配ドライバーモジュールグループの作動状態及びグループ化方式を柔軟に変更でき、これにより、損失と性能の間で効果的にバランスを取って、従来の勾配電源における発熱が均一せず、素子利用率が低く、信頼度が悪く、システムが複雑で拡張しにくいなどの欠点を効果的に解決できる。
【0062】
本発明の一実施形態によれば、勾配電源ドライバー段回路の制御方法をさらに提供する。図9は、本発明の一実施例に係る勾配ドライバーモジュールの制御方法の模式図である。
【0063】
図9に示すように、勾配電源ドライバー段回路は、勾配コイル及び複数の勾配ドライバーモジュールを備え、複数の勾配ドライバーモジュールが電気的に接続されて出力端子を形成し、出力端子と勾配コイルは電気的に接続され、ここで、各勾配ドライバーモジュールは、並列接続される前段電源及びブリッジ増幅器を備え、複数の勾配ドライバーモジュールの前段電源の出力電圧は同じであり、各勾配ドライバーモジュールは、勾配コイル上で誘導性電圧降下及び抵抗性電圧降下を提供するために使用され、勾配電源ドライバー段回路は勾配電源システム内に備えられ、勾配電源システムは、制御モジュール(図示せず)をさらに備える。制御モジュールは勾配電源ドライバー段回路を制御するために使用される。ここで、勾配コイルは、一つのインダクタと一つの抵抗との直列的構成に等価することができ、誘導性電圧降下は、勾配コイルのインダクタ部分に作用していると見なすことができ、コイル内の勾配電流を励起して、外部の電流基準コマンドを素早く追跡するために使用され、抵抗性電圧降下は、勾配コイルの抵抗部分にわたる電圧降下を補償するために使用され、抵抗部分がコイルの内部エネルギーを消費することを防ぎ、コイル内の電流が安定的に電流基準コマンドを追跡することを保証する。
【0064】
この勾配電源ドライバー段回路の制御方法は、複数の勾配ドライバーモジュールを複数のモジュールグループ、即ち、モジュール1、モジュール2……モジュールmに分け、ここで、モジュール1は、勾配ドライバーモジュール1〜勾配ドライバーモジュールp−1を含み、モジュール2は、勾配ドライバーモジュールp〜勾配ドライバーモジュールkを含み、モジュールmは、勾配ドライバーモジュールm〜勾配ドライバーモジュールnを含み、各モジュールグループ内の勾配ドライバーモジュールの作動方式は同じであるステップと、各モジュールグループの外部制御命令又は作動状態の変更に応じて、グループ化方式又は各モジュールグループ内の勾配ドライバーモジュールの作動方式を変更するステップと、を含む。このグループ化制御方式は、コントローラがシステム内の各ドライバーモジュールの作動状態に従ってリアルタイムでグループ化作動状況を調整することを可能にし、システム内の温度および電流などのパラメータの動的制御を実現し、速い応答速度および高い柔軟性の利点を有する。
【0065】
この実施例では、制御モジュールは、電流基準信号に基づいて勾配電源ドライバー段回路を制御し、外部制御命令の変更は、電流基準信号変化率の変更又は電流基準信号振幅の変更を含み、作動状態の変更は、勾配電源ドライバー段回路の温度変更を含み、作動方式の変更は、スイッチング周波数、変調方式の変更及び交差作動方式の変更を含み、グループ化方式は、グループ内のモジュール数又はモジュールの組み合せ方式を含む。図9では、制御モジュールに対して、各勾配ドライバーモジュールはレベルが同じであるので、実際の応用では、すべての勾配ドライバーモジュールを任意の勾配ドライバーモジュールグループに分けることができ、各グループ間において、その内部モジュール数は同じであっても異なっていてもよく、モジュールグループ内部において、各モジュールの変調方式、スイッチング周波数、交差モードはいずれも同じであり、異なるモジュールグループ間において、各モジュールの変調方式、スイッチング周波数、交差モードは同じであっても異なっていてもよい。
【0066】
勾配電源ドライバー段回路では、各モジュールグループの作動状態の変更に応じて、グループ化方式又は各モジュールグループ内の勾配ドライバーモジュールの作動方式を変更できる。一実施例では、電源システム温度が第1の閾値以下である場合に、すべてのモジュールグループは、電流基準制御信号の振幅及び電流基準信号変化率に応じて周波数倍増変調方式又はユニポーラ変調方式を選択して使用でき、システム温度が第1の閾値より高い場合に、すべてのモジュールグループはユニポーラ変調方式を使用する。別の実施例では、電源システム温度が第1の閾値以下である場合に、すべてのモジュールグループ内のスイッチアセンブリは、電流基準制御信号の振幅及び電流基準信号変化率に応じて第1のスイッチング周波数又は第2のスイッチング周波数で作動することを選択でき、システム温度が第1の閾値より高い場合に、すべてのモジュールグループ内のスイッチアセンブリは、第2のスイッチング周波数で作動する。さらに別の実施例では、電源システム温度が第1の閾値以下である場合に、すべてのモジュールは、電流基準制御信号の振幅及び電流基準信号変化率に応じて周波数倍増変調方式を選択して使用でき、すべてのモジュールグループ内のスイッチアセンブリが第1のスイッチング周波数で作動し、電源システム温度が第1の閾値より高い場合に、すべてのモジュールを2つのグループに分けて、そのうちの2つの温度が比較的低いモジュールを第1のモジュールグループとして選択し、他のモジュールを第2のモジュールグループとして選択し、ここで、第1のモジュールグループは周波数倍増変調方式を使用し、且つ、そのスイッチアセンブリは第1のスイッチング周波数で作動し、第2のモジュールグループはユニポーラ変調方式を使用して作動し、且つ、そのスイッチアセンブリは第2のスイッチング周波数で作動する。勾配電源ドライバー段回路では、また、各モジュールグループの外部制御命令の変更に応じてグループ化方式又は各モジュールグループ内の勾配ドライバーモジュールの作動方式を変更できる。一実施例では、勾配電源システムの温度が第1の閾値以下である状態で、電流基準制御信号の振幅が第3の閾値以下である状態が継続して第1の時間を超え、又は電流基準信号変化率が第2の閾値より大きい場合に、すべてのモジュールグループは周波数倍増変調方式を使用し、電流基準制御信号の振幅がこの第3の閾値より小さい状態が継続してこの第1の時間を超えず、且つ、電流基準信号変化率がこの第2の閾値以下で、又は電流基準信号変化率がこの第2の閾値以下で、且つ、電流基準制御信号の振幅がこの第3の閾値より大きい場合に、すべてのモジュールグループはユニポーラ変調方式を使用する。別の実施例では、勾配電源システムの温度が第1の閾値以下である状態で、電流基準制御信号の振幅が第3の閾値以下である状態が継続して第1の時間を超え、又は電流基準信号変化率が第2の閾値より大きい場合に、すべてのモジュールグループ内のスイッチアセンブリは第1のスイッチング周波数で作動し、電流基準制御信号の振幅がこの第3の閾値より小さい状態が継続してこの第1の時間超えず、且つ、電流基準信号変化率がこの第2の閾値以下で、又は電流基準信号変化率がこの第2の閾値以下で、且つ、電流基準制御信号の振幅がこの第3の閾値より大きい場合に、すべてのモジュールグループ内のスイッチアセンブリは第2のスイッチング周波数で作動する。さらに別の実施例では、勾配電源システムの温度が第1の閾値以下である状態で、電流基準制御信号の振幅が第3の閾値以下である状態が継続して第1の時間を超え、又は電流基準信号変化率が第2の閾値より大きい場合に、すべてのモジュールを2つのグループに分け、そのうちのいずれか3つのモジュールを第1のモジュールグループとして選択し、他のモジュールを第2のモジュールグループとして選択し、ここで、第1のモジュールグループは作動を停止し、第2のモジュールグループは周波数倍増変調方式を使用し、且つ、そのスイッチアセンブリが第1のスイッチング周波数で第2の時間作動した後、第2のモジュールグループが作動を停止し、第1のモジュールグループが周波数倍増変調方式を使用して第1のスイッチング周波数で作動し、電流基準制御信号の振幅がこの第3の閾値より小さい状態が継続してこの第1の時間を超えず、且つ、電流基準信号変化率がこの第2の閾値以下であり、又は電流基準信号変化率がこの第2の閾値以下で、且つ、電流基準制御信号の振幅がこの第3の閾値より大きい場合に、すべてのモジュールは同一のモジュールグループ内に存在し、いずれもユニポーラ変調方式を使用し、第2のスイッチング周波数で作動する。上記の実施例では、コントローラがシステム内の各ドライバーモジュールの温度状況、外部の電流指令などの制御条件に従って、グループ化制御方式を通じて各モジュールの作動周波数、変調方式などの作動状態を柔軟に設定し、モジュール間の熱の不均衡およびシステム電流コマンドに対する迅速な応答を実現している。従来の制御方式と比較して、このグループ化制御方法は各モジュールの作動状態を独立して制御することができ、柔軟性とシステム動的性能がともに向上する。
【0067】
勾配電源ドライバー段回路では、また、同時に各モジュールグループの作動状態及び外部制御命令の変更に応じてグループ化方式又は各モジュールグループ内の勾配ドライバーモジュールの作動方式を変更でき、且つ、作動状態が変更された場合に、コントローラは優先的に処理すべきである。
【0068】
選択可能な作動方式は様々であり、勾配電源システムの温度、電流基準制御信号の振幅及び電流基準信号変化率から任意選択された外部制御命令又は作動状態に応じて、各モジュールグループ内の勾配ドライバーモジュールの作動方式を制御でき、ここでは、一々列挙せず、したがって、本発明で提案された制御方式は従来の制御方式に比べてより柔軟性が高く、利点が顕著である。
【0069】
当業者は、明細書に対する理解、及び明細書に記載された発明に対する実施を介して、本発明の他の実施形態を容易に取得することができる。本発明は、本発明に対する任意の変形、用途、又は適応的な変化を含み、このような変形、用途、又は適応的な変化は、本発明の一般的な原理に従い、本発明では開示していない本技術分野の公知知識、又は通常の技術手段を含む。明細書及び実施例は、単に例示的なものであって、本発明の本当の範囲と主旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【0070】
本発明は、上記で記述され、図面で図示した特定の構成に限定されず、その範囲を離脱しない状況で、様々な修正や変更を実施してもよい。本発明の範囲は、添付される特許請求の範囲のみにより限定される。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9