特許第6706704号(P6706704)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6706704検索システム、検索方法、検索プログラム、記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6706704
(24)【登録日】2020年5月20日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】検索システム、検索方法、検索プログラム、記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/9038 20190101AFI20200601BHJP
   G06F 16/904 20190101ALI20200601BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20200601BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20200601BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20200601BHJP
【FI】
   G06F16/9038
   G06F16/904
   G01C21/26 C
   G09B29/00 A
   G09B29/10 A
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-57020(P2019-57020)
(22)【出願日】2019年3月25日
(62)【分割の表示】特願2016-64087(P2016-64087)の分割
【原出願日】2016年3月28日
(65)【公開番号】特開2019-114292(P2019-114292A)
(43)【公開日】2019年7月11日
【審査請求日】2019年3月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】太田 洋介
【審査官】 鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−289109(JP,A)
【文献】 特開2008−046987(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/9038
G01C 21/26
G06F 16/904
G09B 29/00
G09B 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設情報を記憶した記憶部と、
ユーザによる施設検索のためのキーワードの入力を受け付ける入力部と、
前記記憶部に記憶した施設情報を参照しつつ前記入力部で受け付けたキーワードから複数施設候補を検索するとともに、検索した複数施設候補を所定の条件に基づいて優先順位付けしたうえで表示部に表示させる検索部と、を備え、
前記検索部は、
前記入力部で受け付けたキーワードにオプション機能に関する機能キーワードが付与されている場合には、当該オプション機能に基づいて前記所定の条件を変更し、
前記機能キーワードに制限情報が含まれている場合には、前記制限情報に対応する制限内容を報知させる、検索システム。
【請求項2】
前記検索部は、
前記入力部で受け付けたキーワードにオプション機能に関する機能キーワードが付与されている場合には、当該オプション機能に対して優先順位付けしたうえで、前記表示部にリスト形式で検索した複数施設候補と機能キーワードとを表示させる、請求項1に記載の検索システム。
【請求項3】
前記検索部は、
前記入力部で受け付けた前記キーワードが特定施設名であり、かつ、前記機能キーワードが汎用施設名であった場合、前記特定施設近い順に前記汎用施設を検索するよう前記優先順位を決定する、請求項2に記載の検索システム。
【請求項4】
コンピュータが、
施設情報を記憶する記憶ステップと、
ユーザによる施設検索のためのキーワードの入力を受け付ける入力ステップと、
前記記憶ステップで記憶した施設情報を参照しつつ前記入力ステップで受け付けたキーワードから複数施設候補を検索するとともに、検索した複数施設候補を所定の条件に基づいて優先順位付けしたうえで表示部に表示させる検索ステップと、
を実行するとともに、
前記検索ステップは、
前記入力ステップで受け付けたキーワードにオプション機能に関する機能キーワードが付与されている場合には、当該オプション機能に基づいて前記所定の条件を変更し、
前記機能キーワードに制限情報が含まれている場合には、前記制限情報に対応する制限内容を報知させる、検索方法。
【請求項5】
前記検索ステップは、
前記入力ステップで受け付けたキーワードにオプション機能に関する機能キーワードが付与されている場合には、当該オプション機能に対して優先順位付けしたうえで、前記表示部にリスト形式で検索した複数施設候補と機能キーワードとを表示させる、請求項4に記載の検索方法。
【請求項6】
前記検索ステップは、
前記入力ステップで受け付けた前記キーワードが特定施設名であり、かつ、前記機能キーワードが汎用施設名であった場合、前記特定施設近い順に前記汎用施設を検索するよう前記優先順位を決定する、請求項5に記載の検索方法。
【請求項7】
コンピュータが、
施設情報を記憶する記憶機能と、
ユーザによる施設検索のためのキーワードの入力を受け付ける入力機能と、
前記記憶機能で記憶した施設情報を参照しつつ前記入力機能で受け付けたキーワードから複数施設候補を検索するとともに、検索した複数施設候補を所定の条件に基づいて優先順位付けしたうえで表示部に表示させる検索機能と、
を実行するとともに、
前記検索機能は、
前記入力機能で受け付けたキーワードにオプション機能に関する機能キーワードが付与されている場合には、当該オプション機能に基づいて前記所定の条件を変更し、
前記機能キーワードに制限情報が含まれている場合には、前記制限情報に対応する制限内容を報知させる、ための検索プログラム。
【請求項8】
前記検索機能は、
前記入力機能で受け付けたキーワードにオプション機能に関する機能キーワードが付与されている場合には、当該オプション機能に対して優先順位付けしたうえで、前記表示部にリスト形式で検索した複数施設候補と機能キーワードとを表示させる、請求項7に記載の検索プログラム。
【請求項9】
前記検索機能は、
前記入力機能で受け付けた前記キーワードが特定施設名であり、かつ、前記機能キーワードが汎用施設名であった場合、前記特定施設近い順に前記汎用施設を検索するよう前記優先順位を決定する、請求項8に記載の検索プログラム。
【請求項10】
請求項7〜請求項9のいずれか1の請求項に記載の検索プログラムを記憶した記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索システム、検索方法、検索プログラム、記憶媒体に関し、特に、ユーザによる施設検索のためのキーワードの入力を受け付けるようにした検索システム、検索方法、検索プログラム、記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インターネット等の検索サイトにて所望のキーワードを入力すると、その入力した文字数に応じて検索数の多い順から検索候補を一覧表示する検索システムが知られている。
【0003】
また、車両用ナビゲーションシステムのように、予め記憶部に記憶した施設情報から、ユーザが入力したキーワードの文字数に応じて対応する地点情報を目的地である施設候補として一覧表示する検索システム(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【0004】
また、車両用ナビゲーションシステムの利用形態を考慮して、例えば、施設候補を基準とする周辺の駐車場を同時に検索する検索システム(例えば、特許文献2参照)、時刻(時期)や天気等の外部情報を取得して施設候補の優先順位を変更する検索システム(例えば、特許文献3参照)、ユーザにより施設候補の優先順位を設定・変更可能とする検索システム(例えば、特許文献4参照)、などが既に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−014704号公報
【特許文献2】特開2009−014536号公報
【特許文献3】特開2009−042019号公報
【特許文献4】特開2012−146068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような検索システムにあっては、駐車場といった特定の施設にしか対応できない、外部情報を取得するための専用のセンサ等が必要となる、過去の履歴情報に基づくバランスに応じた項目のみが変更対象となる、といったように施設候補の優先順位が特定のユーザにしか対応することができず、汎用性に乏しいといった問題が生じていた。
【0007】
一方、施設情報に基づいて施設候補を検索する場合、施設の種類(例えば、駅やレストラン)或はユーザの状況(例えば、家族構成や嗜好)によって施設候補の優先順位は一意に決定されるものではない。したがって、キーワードに応じてオプション機能が付与されていれば、そのオプション機能に応じて優先順位を容易に変更することができ、ユーザにとって検索の利便性を向上することができる。
【0008】
本発明は、上述のような課題を解決するために、オプション機能に応じて施設候補の優先順位を容易に変更することができ、ユーザにとって検索のための利便性を向上することができる検索システム、検索方法、検索プログラム、記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る検索システムは、上記目的を達成するため、施設情報を記憶した記憶部と、ユーザによる施設検索のためのキーワードの入力を受け付ける入力部と、記憶部に記憶した施設情報を参照しつつ入力部で受け付けたキーワードから複数施設候補を検索するとともに、検索した複数施設候補を所定の条件に基づいて優先順位付けしたうえで表示部に表示させる検索部と、を備え、検索部は、入力部で受け付けたキーワードにオプション機能に関する機能キーワードが付与されている場合には、当該オプション機能に基づいて所定の条件を変更する、ものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、入力したキーワードにオプション機能に関する機能キーワードが付与されている場合には、当該オプション機能に基づいて検索優先順位付けのための所定の条件を変更することにより、オプション機能に応じて優先順位を容易に変更することができ、ユーザにとって施設検索のための利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施の形態に係る検索システムのブロック図である。
図2】本発明の一実施の形態に係る検索システムを示し、(A)は機能キーワード有りの場合の施設候補表示例の説明図、(B)は機能キーワードなしの場合の施設候補表示例の説明図である。
図3】本発明の一実施の形態に係る検索システムにおける制御部による検索ルーチンのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係る一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0013】
本実施の形態として示す検索システムは、記憶部に記憶した施設情報をユーザが入力したキーワードに基づいて優先順位付けして一覧表示する検索システムであって、車両用ナビゲーションシステムにおける施設情報に基づく検索システムに適用したものである。なお、以下に示す実施の形態では、車両用ナビゲーションシステムそのものは公知の技術を用いることができるため、一部のシステム構成を除き、その他の構成の図示及び説明は省略する。
【0014】
図1に示すように、検索システム1は、ユーザによる各種入力操作を含めキーワードの入力をするための入力部2からの入力情報のほか、乗車・走行に関する情報を取得するために車両本体(図示せず)に搭載した各種センサ等の外部情報取得部3、並びに、ナビゲーション機能のために車両に搭載したGPS受信部4、ジャイロセンサ部5、加速度センサ部6と、からの情報を利用することができる。検索システム1は、施設情報を含むこれらナビゲーション機能を実行するためのプログラムを格納した記憶部7と、記憶部7に記憶したプログラムに基づいて各部3〜6からの情報を参照しつつ検索機能及びナビゲーション機能を実行するCPU8と、を備える。検索システム1は、ナビゲーション機能の一つとして現在位置に応じた地図情報(MAP)等を表示する表示部9と、ナビゲーション機能の一つとしての音声ガイドを報知する報知部としてのスピーカ10と、を備える。
【0015】
入力部2は、具体的には図示していないが、例えば、表示部9にタッチパネル方式の液晶モニタを用いた場合の画面入力、車両ナビゲーション装置本体に設けたボタンスイッチやジョイステックスイッチ等である。また、入力部2は、例えば、テンキーに文字入力キーや変換キーを割り当てたナビゲーション装置専用のリモートコントロール装置でもよい。さらに、リモートコントロール装置には、所定のアプリケーションをインストールしたスマートフォン等の携帯端末を利用することも可能である。したがって、入力部2は、キーワードを直接入力する各種スイッチのほか、近距離無線方式で相互通信可能なリモートコントロール装置の受信部としてもよい。
【0016】
外部情報取得部3は、例えば、ワイパ駆動のための降雨センサ(水滴検出センサ)、座席に乗員が着座しているかを検出するシートセンサ、シートベルトを装着しているかを検出するシートベルトセンサ、時刻・カレンダなどの計時センサ、のなど既存で車両に装備している各種センサ類を利用することができ、専用のセンサ類を別途設けたものではない。
【0017】
これにより、CPU8は、例えば、現在の天気、乗車人数或は過去の履歴から一人乗車か家族乗車かの判定、昼夜等の現在時刻、などを優先順位の変更情報として利用することも可能である。この際、CPU8は、検索する施設情報のジャンルに応じてオプション機能を動作させたうえでユーザに施設候補を選択する可否等を行わせるよう、優先順位を変更する。例えば、運転することを前提としているナビゲーション機能における検索システム1では、現在の時刻が夜間である場合、或は、一人乗車である場合には、アルコールを含む飲食店への施設情報の優先順位を下げるよう変更する。
【0018】
CPU8は、例えば、入力部2を操作してユーザが入力した文字を解析し、図2(A)に示すように、表示部9の表示画面9aにポップアップ形式等で表示したキーワード入力枠9bにキーワードを表示させる。CPU8は、入力部2から所定文字数以上の文字入力があった場合に、記憶部7に記憶した施設情報に関する文字データを参照して施設候補を検索し、所定の条件に従って施設候補名等を候補一覧表示枠9cに一覧表示させる。したがって、CPU8は、特許請求の範囲の検索部を兼用している。
【0019】
CPU8は、入力部2で受け付けたキーワードにオプション機能に関する機能キーワードが付与されている場合には、当該オプション機能に対して優先順位付けしたうえで、表示部9の候補一覧表示枠9cにリスト形式で検索した複数施設候補と機能キーワードとを表示させる。
【0020】
この際、表示部9に表示するまでのCPU8を含むアプリケーションプログラムインターフーイス(API)側では「コンビニ 近い順」のように”近い順”という機能キーワードで、施設候補の周辺を検索して近い順に返すオプション検索を提供しているが、それをユーザに知らせる方法が無い。このため、機能キーワードにはユーザが「コンビニ」とキーワードを入れたタイミングで、「コンビニ 近い順」や「コンビニ ○○駅」等の、オプション機能として認識し易い語彙等を用いるのが望ましい。この際、ユーザが表示部9の候補一覧表示枠9cに一覧表示させた複数の施設候補を入力部2の操作によってリストボックス形式で選択している過程において、選択対象(図面上で白黒反転)に機能キーワードが含まれている場合には、その機能の内容をスピーカ10からユーザに報知することも可能である。
【0021】
CPU8は、入力部2で受け付けたキーワードが汎用施設名(例えば、「レストラン」「飲食店」)であった場合、過去のオプション機能に対する検索履歴に基づく選別(例えば、「子連れ」「車椅子」)を含む優先順位付けで、表示部9の候補一覧表示枠9cにリスト形式で検索した複数施設候補と機能キーワードとを表示させる、
【0022】
CPU8は、入力部2で受け付けたキーワードが特定施設名(例えば、「○○駅」)であり、かつ、機能キーワードが汎用施設名(例えば、「コンビニ」)であった場合、特定施設から近い順に汎用施設を検索するよう優先順位を決定することも可能である。
【0023】
CPU8は、機能キーワードに制限情報が含まれている(例えば、「居酒屋」又は「アルコール提供店舗」或は「定休日」)場合には、制限情報に対応する制限内容をスピーカ10(又は表示部9)から報知させることも可能である。なお、これらのCPU8による検索システムとしての具体的な制御機能は後述する。
【0024】
なお、CPU8は、機能キーワードが含まれていないとした場合には、例えば、図2(B)に示すように、通常の所定の条件として、例えば、自車位置から近い順、人気の高い順、などを優先順位として施設候補を表示部9の候補一覧表示枠9cにリスト形式で表示する。この際、図2(B)に示すように、施設候補は機能キーワードではなく、単なる店舗種類と店舗名等が表示される。
【0025】
以下の説明において、ナビゲーション機能における検索とは、記憶部7に格納した住所・電話番号・名称等の施設情報に関するデータの中から、必要な事項を検索エンジンを用いて所定の条件に基づく優先順位を踏まえて施設候補をリストアップする、目的地検索を意味するものとする。また、ナビゲーション機能における探索とは、出発地から決定した目的地まで、記憶部7に格納した道路情報に関する膨大な数の経路の可能性を、ノードとリンクとを用いてどのようなたどり方をすれば能率よく目的地に到達しうるかを探し求める、経路探索を意味するものとする。そして、CPU8は、記憶部7に記憶したプログラムのうちの検索エンジンを用い、検索した文字列に関連の深い語句を逐次予測して表示部9に一覧表示するサジェスト機能を有する。
【0026】
表示部9は、例えば、タッチパネル方式のカラー液晶画面であり、図示しない表示制御ドライバ等によってCPU8を介して表示制御される。表示部9は、通常時にはCPU8がGPS受信部4、ジャイロセンサ部5、加速度センサ部6から取得した情報に基づいて現在位置を特定し、記憶部7から現在位置周辺のMAP情報を取得しつつ、車両の自車マークMとMAP情報とを重畳して表示する。また、表示部9は、経路案内時には、探索した経路を認識させるガイドライン(図示せず)をさらに重畳して表示する。この際、例えば右左折の所定距離手前等でスピーカ10から音声情報を出力する。
【0027】
このような基本構成において、本実施の形態に係る検索システム1は、施設情報を記憶した記憶部7と、ユーザによる施設検索のためのキーワードの入力を受け付ける入力部2と、記憶部7に記憶した施設情報を参照しつつ入力部2で受け付けたキーワードから複数施設候補を検索するとともに、検索した複数施設候補を所定の条件に基づいて優先順位付けしたうえで表示部9に表示させる検索部としてのCPU8と、を備え、CPU8は、入力部2で受け付けたキーワードにオプション機能に関する機能キーワードが付与されている場合には、そのオプション機能に基づいて所定の条件を変更することにより、オプション機能に応じて施設候補の優先順位を容易に変更することができ、ユーザにとって検索のための利便性を向上させることにある。
【0028】
具体的に、検索用のキーワードとオプション機能を動作させるための機能キーワードとを用い、検索用のキーワードに対して有効な機能キーワードがあるときには、サジェスト機能を有効化する。
【0029】
例えば、CPU8は、ユーザが入力したキーワードが「○○駅 コンビニ」の場合、「○○」を特定施設名の検索用のキーワード、「コンビニ」を汎用施設名の検索用のキーワード、「駅」を機能キーワードと判定して、○○駅周辺のコンビニを近い順に検索するオプション検索のサジェストを行う。この際、サジェスト機能をユーザに知らせる方法は、候補一覧を表示する領域の一項目として表示、及び検索結果に候補一覧と併せてオプションの効果を表示することでも良い。また、候補となるオプション機能が複数ある場合は、各々を表示部9の候補一覧表示枠9cに一覧表示する。
【0030】
逆に、ユーザが「○○駅」だけを入力した場合、CPU8は、「○○駅」を検索用のキーワードと判定し、図2(B)に示すように、○○駅を優先順位の筆頭として関連施設等を含めて施設候補を検索し、表示部9の候補一覧表示枠9cに一覧表示する。
【0031】
同様に、ユーザが「○○駅」+「具体的店舗名称」と入力した場合、CPU8は、双方とも検索キーワードと判定して、その店舗の○○駅前店を優先順位の筆頭として関連施設等を含めて施設候補を検索し、表示部9の候補一覧表示枠9cに一覧表示する。
【0032】
そして、ユーザが「○○駅」+「汎用施設名(例えば、“コンビニ”)」と入力した場合、「駅」をオプション用の機能キーワードと判定して、「○○駅周辺のコンビニ」を近い順にリストアップするサジェストを行う。
【0033】
なお、機能キーワードは、施設候補と1対1で対応する必要はなく、独立したキーワードとして用いることができる。したがって、ユーザはキーワードによる施設候補の検索において、施設名称を指す検索用のキーワードに加えて、オプション機能を動作せるための機能キーワードを直接入力部2から入力することも可能である。逆に、検索用のキーワードと機能キーワードとの組み合わせは設定することも可能である。具体的には、Webサイトに対する閲覧記録の分析や過去の検索結果に基づく施設選択結果等のログ解析で、特定の検索キーワードに対し、よく組み合わされる機能オプションを抽出する。或は、施設情報をデータ分析し、データの性質からマッチするオプションを判定する。
【0034】
具体的には、キーワードとして抽象的な店舗種類である「レストラン」と入力されたら「レストラン 子連れ可」「レストラン 車椅子駐車」「レストラン 喫煙可」などのようにユーザフレンドリーになるオプションを抽出する。同様に、キーワードとして具体的な商品種類である「担担麺」と入力されたら「担担麺 OR 中華料理」などのようにユーザフレンドリーになるオプションを抽出する。ここで、オプション検索のそのものをサジェストすることに主眼を置いているが、オプション検索した結果を示すところまで一気に進めてしまう、というサジェストの仕方もある。
【0035】
次に、図3のフロー図に基づいて、本実施の形態に係る検索システム1の優先順位付けのためのCPU8が実行する制御ルーチンを説明する。
【0036】
(ステップS1)
ステップS1において、CPU8は、GPS受信部4、ジャイロセンサ部5、加速度センサ部6から取得した現在位置情報を取得してステップS2に移行する。
【0037】
(ステップS2)
ステップS2において、CPU8は、入力部2から所定の文字数(例えば、2文字)の文字入力があったか否かを判定する。CPU8は、入力部2から所定の文字数の文字入力があったと判定した場合(Yes)にはステップS3へと移行する。CPU8は、入力部2から所定の文字数の文字入力があったと判定しなかった場合(No)には、引き続き所定文字数の文字入力が行われるまで、このルーチンを監視する。
【0038】
(ステップS3)
ステップS3において、CPU8は、記憶部7に記憶した施設情報から、検索エンジンを用いてキーワード検索を行い、ステップS4に移行する。
【0039】
(ステップS4)
ステップS4において、CPU8は、予め設定した所定の条件に基づいて、表示部9の候補一覧表示枠9cに一覧表示する施設候補の優先順位を決定し、ステップS5に移行する。なお、ステップS3のルーチンとステップS4のルーチンとは逆でもよい。
【0040】
(ステップS5)
ステップS5において、CPU8は、決定した優先順位により施設候補を表示部9の候補一覧表示枠9cに一覧表示し、ステップS6へと移行する。
【0041】
(ステップS6)
ステップS6において、CPU8は、ユーザが入力部2で入力したキーワードに対応して機能キーワードが存在するか否か、或は、ユーザが入力部2で入力したキーワードが機能キーワードであるか否か、を機能キーワードが含まれているか否かで判定する。CPU8は、入力文字に機能キーワードが含まれていると判定した場合(Yes)には、ステップS7へと移行する。CPU8は、入力文字に機能キーワードが含まれていると判定しなかった場合(No)には、ステップS8へと移行する。
【0042】
(ステップS7)
ステップS7において、CPU8は、施設候補を表示部9の候補一覧表示枠9cに一覧表示するための優先順位の所定条件を、機能キーワードに応じて変更し、ステップS5にループする。これにより、CPU8は、変更した新たな所定条件で優先順位付けした施設候補を機能キーワードと共に表示部9の候補一覧表示枠9cに一覧表示する。なお、この優先順位の所定条件を変更した場合、ステップS6はスキップする。
【0043】
(ステップS8)
ステップS8において、CPU8は、ユーザにより入力部2から新たな文字入力があったか否かを判定する。CPU8は、新たな文字入力があったと判定した場合(Yes)には、ステップS3へとループし、新たな文字数による検索ルーチンを行い、以降、文字入力が追加されるたびにこのルーチンを繰り返す。
【0044】
(ステップS9)
ステップS9において、CPU8は、ユーザによる入力部2の入力操作(例えば、リストボックス操作)により機能選択がなされたか否かを判定する。CPU8は、機能選択がなされたと判定した場合(Yes)には、ステップS3へとループし、機能キーワードに応じたキーワード検索を行う。CPU8は、機能選択がなされたと判定しなかった場合(No)には、ステップS10へと移行する。
【0045】
CPU8は、ステップS3にループした場合、具体的には、図2(A)に示すように、キーワード「レストラン」、機能キーワード「子連れ」をユーザが選択した場合、子連れ可(又は不可)のレストラン(店舗名等)を優先とする施設候補の一覧を表示部9の候補一覧表示枠9cに一覧表示する。この際、CPU8は、例えば、キーワード「レストラン」、機能キーワード「喫煙可」をユーザが選択した場合、施設情報に常時喫煙可のレストランと、禁煙時間帯を有するレストランとが存在していた場合、計時センサから取得した現在時刻(及び到着予想時刻)と比較して、禁煙時間帯に該当しているか否かで優先順位を変更することも可能である。同様に、CPU8は、ワイパ駆動のための降雨センサが降雨を検出しているか否かで「屋根付駐車場」の機能キーワードを表示する優先順位を変更することも可能である。
【0046】
(ステップS10)
ステップS10にいて、CPU8は、機能キーワードに制限情報が含まれているか否かを判定する。CPU8は、制限情報が含まれていると判定した場合(Yes)には、ステップS11へと移行する。CPU8は、制限情報が含まれていると判定しなかった場合(No)には、ステップS12へと移行する。
【0047】
(ステップS11)
ステップS11において、CPU8は、制限情報に応じて、その内容をスピーカ10や表示部9を報知部としてユーザに報知し、ステップS12へと移行する。これにより、例えば、飲酒専門店を優先順位の下位とした旨を報知したり、ルート探索を行わない旨を報知したり、飲酒運転撲滅のメッセージを音声出力するなど、適宜対応をすることができる。この際、例えば、アルコール類の提供を行っているレストランであっても、乗車が家族連れの場合には優先順位を上げるなどの変更も可能である。
【0048】
(ステップS12)
ステップS12において、CPU8は、ユーザにより入力部2の入力操作で表示部9の候補一覧表示枠9cに一覧表示した施設候補から行先を決定したか否かを判定する。CPU8は、行先を決定したと判定した場合(Yes)にはステップS13へと移行する。CPU8は、行き先を決定したと判定しなかった場合(No)にはステップS3へとループする。なお、このループは、ステップS3ではなく、行き先が決定されるまでステップS12を継続して監視してもよいし、例えば、ステップS8にループしてもよい。すなわち、この行先の決定がなされるまで、ステップS8の追加入力は、キャンセル又はタイムオーバーを含めて割り込み処理と同様の扱いとすることができる。
【0049】
(ステップS13)
ステップS13において、CPU8は、記憶部7に記憶した施設情報から、現在位置から行き先の施設までのルートを探索し、ナビゲーション機能としての案内を開始し、このルーチンを終了する。
【0050】
ところで、本発明の検索システム1は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載した技術的範囲には、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々、設計変更した形態が含まれる。
【0051】
例えば、機能キーワードは、CPU8により、表示部9の候補一覧表示枠9cに一覧表示する施設候補を一覧表示するための優先順位の変更を階層的に複数回行うように定義付けし、機能の種類によってユーザが認識し易いか否かで階層設定することができる。
【0052】
以上説明したように、本発明に係る検索システム、検索方法、検索プログラム、記憶媒体は、オプション機能に応じて施設候補の優先順位を容易に変更することができ、ユーザにとって検索のための利便性を向上することができるという効果を有し、ユーザによる施設検索のためのキーワードの入力を受け付けるようにした検索システム、検索方法、検索プログラム、記憶媒体全般に有用である。
【符号の説明】
【0053】
1 検索システム
2 入力部
7 記憶部
8 CPU(検索部)
9 表示部
10 スピーカ(報知部)
図1
図2
図3