(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
先ず、本発明に至った経緯について説明する。
ケーブルとケーブルトレイの双方を不燃材料の防炎シートで巻いた場合、防炎シートにずれが生じると、火災発生時に十分な防炎性能を得ることが難しくなるので防炎シートを固定する冶具が必要となる。従来は、特許文献1に記載のように、防炎シートを用いるものではなく、ケーブルトレイに耐火プレートのようなカバーを被せて、カバーをケーブルトレイに固定する構造である。本発明者等の検討によれば、防炎シートの場合、カバーの取り付けとは異なり、様々な配慮が必要である。
【0010】
先ず、例えば、地震発生時においては、ケーブルが暴れることが想定されるが、従来の耐火プレートカバーをケーブルトレイに固定する方法では、ケーブルが暴れても耐火プレートカバーが十分な強度を有していれば特に問題が生じない。しかし、防炎シートの場合、防炎シートは例えば0.4mm程度の薄さであるので、地震発生時にケーブルが暴れた場合には、防炎シートにずれを生じさせたり、防炎シートに損傷を与えたりすることが想定される。したがって、単に、防炎シートの外周を固定バンドなどで固定するだけでは足りず、ケーブルトレイ内のケーブルの動きを抑制することが重要である。また、これはケーブルトレイを防炎シートで巻いたケーブルトレイ防火装置に特有の課題とも言える。
【0011】
そして、従来の耐火プレートカバーの固定の際には耐火プレートカバーとケーブルトレイとを強く締め付けてもケーブルに対しては圧力が加わる訳ではないので特に問題は生じないが、防炎シートを固定する際には、ケーブルや防炎シートそのものに圧力を掛けることになるので、固定構造は、作業者の技量によらず容易に適切な圧力でケーブルや防炎シートを固定できる構造であることが望ましい。
【0012】
また、特に、発電所内のケーブルが収容されている既設のケーブルトレイに新たに防炎シートを施す場合には、固定冶具を設けるために、ケーブルトレイに孔を開けるなどの新たな加工をすることは望ましくない。ケーブルが既にケーブルトレイ内に収容されている場合には、ケーブルトレイに孔を開ける際に、ケーブルに損傷を与える恐れがあるからである。すなわち、固定冶具を設置する過程において、防炎シートは勿論のこと、ケーブルにも損傷を与えることがないような防炎シートの固定構造が必要である。
【0013】
さらに、ケーブルトレイにはその上面を超える程のケーブルが収容されていたり、収容するケーブルの数が少ない場合にはケーブルトレイ内の上方に大きなスペースが生じたりすることがあり得る。防炎シートの固定に際してこれらも考慮する必要がある。
【0014】
本発明はこれらを考慮してなされたものであり、望ましくは、これらの要求の全てを満足させることができるようにすることができないかということから、種々検討してなされたものである。そして、本発明者等は、ケーブルトレイ防火装置として、防炎シートが施されたケーブルトレイの周囲を覆うように防炎シートの上押え部材及び下押え部材を設け、防炎シートの上押え部材にはケーブルトレイに収納されたケーブルを押える上下位置調節可能なケーブル押え部材を設けるようにしたものである。また、ケーブルトレイ内の上方に大きなスペースが生じているケーブルトレイへ適用する場合には、防炎シートをケーブルトレイの内側側面にばね力を用いて押し付ける押付け手段を防炎シートの上押え部材に設ける。ケーブルトレイに上面を超えるケーブルが収容されているケーブルトレイへ適用する場合には、ケーブルトレイの下面両端部において防炎シートをケーブルトレイの下面にばね力を用いて押し付ける押付け手段を防炎シートの下押え部材に設ける。
【0015】
以下、図面を参照しながら実施例を説明する。
【実施例1】
【0016】
図1〜
図6A,
図6Bは、それぞれ実施例1におけるケーブルトレイ防火装置の正面図、断面図、平面図、側面図、部品構成図、防炎シートずれ抑制冶具の装着手順図である。
本実施例は、特に、ケーブルトレイ内に上方にスペースが生じているようなケーブル収容状況のケーブルトレイの防火装置に好適なものである。このような収容状況では、ケーブルトレイの外周に単に固定バンドのようなもので囲って固定する方法では、ケーブルトレイ内の上方に空間が生じるため、防炎シートとケーブルとの間に空気層が形成されることになる。ケーブルを押える上下位置調節可能なケーブル押え部材により防炎シートを押えたとしてもケーブルトレイの内側側面部に空間が形成され、防炎シートをしっかりと固定することができない可能性がある。特に、ケーブルトレイの側面部が内側に折り曲げられている場合には、ケーブルトレイの内側側面部において防炎シートとの間に大きな空間が形成され、防炎シートの固定が不十分となり、防炎シートのずれの原因になり得る。
【0017】
本実施例におけるケーブルトレイ防火装置は、このようなケーブルトレイに好適なものであり、次のように構成された防炎シートずれ抑制冶具を備える。すなわち、本実施例の防炎シートずれ抑制冶具は、ケーブルトレイの下側の外周を覆う下押え部材と、ケーブルトレイの上側に設けられ、下押え部材の両端部にそれぞれ連結された端部を備える上押え部材と、上押え部材に設けられ、防炎シートを介してケーブルトレイに収納されたケーブルを押える上下位置調節可能なケーブル押え板を備え、下押え部材と上押え部材とでケーブルトレイの周囲を押え、上押え部材は、防炎シートをケーブルトレイの内側側面にばね力を用いて押し付ける押付け手段を備える。
【0018】
図1などに示すように、ケーブルトレイ1は両側面における端部がケーブルトレイ内側に折り曲げられており、ケーブルトレイ折り曲げ端部1aを備える。このケーブルトレイ折り曲げ端部1aには後述の上押え部材の一部を構成する上フレーム6が載置される。ケーブルトレイ1には複数のケーブル2が収容されており、ケーブルトレイ1と複数のケーブル2の双方を覆うように防炎シート3が巻き付けられている。
【0019】
本実施例における防炎シートずれ抑制冶具の下押え部材は、取り付けた際にケーブルトレイ1の外形に沿うように形成されたバンドフレーム4で構成されている。バンドフレーム4の両端には後述の固定座8に連結するためのボルト5が溶接にて取り付けられている。バンドフレーム4の幅は例えば50mm程度である。
【0020】
本実施例における防炎シートずれ抑制冶具の上押え部材は、上フレーム6、下フレーム7、固定座8、押付け手段9を基本的な構成要素として構成されている。下フレーム7が上下位置調節可能なケーブル押え板となる。
【0021】
本実施例において、バンドフレーム4、上フレーム6、下フレーム7、固定座8、押付け手段9などは、防炎シートのずれを効果的に抑制するにはこれらの部材により構成された防炎シートずれ抑制冶具が変形しにくい構造であることが重要である。本実施例ではこれらの部材はSS400などの一般構造用圧延鋼材で形成されている。
【0022】
上フレーム6は、その両端部が固定座8を介してバンドフレーム4の両端部と連結される。上フレーム6の両端部にはボルト61を溶接などにより固着して取り付けている。本実施例では各端部に3つのボルト61を取り付けている。上フレーム6には防炎シートずれ抑制冶具を取り付ける際に下フレーム7を仮止めしておくために用いられる貫通穴62が形成されている。上フレーム6には、上フレーム6を基準として上下位置調整可能となるように下フレーム(ケーブル押え板)7を取り付けるためのボス部63が設けられている。ボス部63には貫通孔が形成されており、その上部には押付け力調整ボルト71aが螺合する雌ねじ部63aが形成され、下部には下フレーム7に設けられた挿し込み用突起71が挿入される孔部63bが形成されている。孔部63bの内径は、押付け力調整ボルト71aが挿入できるように、雌ねじ部63aの内径よりも大きく形成されている。上フレーム6の下面の端部近傍には、防炎シートをケーブルトレイ1の内側側面にばね力を用いて押し付ける押付け手段9が取り付けられる。上フレーム6には、その下面には、押付け力調整ボルト95などが取り付けられる押付け手段取付け部64が固着されている。上フレーム6と押付け手段取り付け部64は後述のばね92に発生するばね力を保持すのに十分な強度を有するように構成されている。押付け手段取付け部64には押付け力調整ボルト95が螺合する雌ねじ部64aとスペーサ93を収容するスペーサ収納部64bが形成されている。なお、押付け手段9は本実施例では上フレーム6に取り付けられているが、下フレーム7の上面の端部近傍に取り付けても良い。この場合、下フレーム7を介して上フレーム6に押付け手段9が取り付けられているとも言える。作業性を考慮すると、押付け手段9を上フレーム6の下面に取り付けるのが好ましい。また、上フレーム6の水平方向における撓み変形を抑制するために上フレーム6にはリブ6aが一体化されている。また、上フレーム6の水平部には上フレームの重量を軽量化するために窓部65が複数形成されている。これにより防炎シートずれ抑制冶具を軽量化することができ、冶具取り付けの際の操作性が向上する。
【0023】
下フレーム(ケーブル押え板)7は、その上面に挿し込み用突起71が固着されている。挿し込み用突起71は上フレーム6のボス部63の孔部63bに挿入される。挿し込み用突起71の外径は、ボス部63が挿し込み用突起71に対して相対移動可能となるように、孔部63bの内径よりも小さく形成されている。下フレーム7には、防炎シートずれ抑制冶具を取り付ける際に下フレーム7を仮止めしておくために用いられる仮固定用ボルト72が固着されている。上フレーム6と下フレーム7を固定する際に、仮固定用ボルト72は上フレーム6の貫通穴62を貫通し、上下フレーム固定用の蝶ナット72aが螺合される。また、下フレーム7の水平方向における撓み変形を抑制するために下フレーム7にはリブ7aが一体化されている。なお、本実施例では、ケーブル押え板を一つの下フレーム7で構成しているが、複数に分割して、それぞれに挿し込み用突起71、仮固定用ボルト72を設けるようにしても良い。
【0024】
ボス部63、押付け力調整ボルト71a、押付け力調整ボルト位置固定用ナット71b及び挿し込み用突起71が協働して下フレーム(ケーブル押え板)7の上下方向位置を調整及び規定する。すなわち、押付け力調整ボルト71aをボス部63の雌ねじ部63aに螺合し、そのねじ込み量を調節することにより、押付け力調整ボルト71aの先端位置が変化する。押付け力調整ボルト71aの先端が挿し込み用突起71の先端に当たり、その位置よりも押付け力調整ボルト71aをねじ込むと、上フレーム6と下フレーム7との間が広がる方向に作用する。上押え部材の上フレーム6が下押え部材のバンドフレーム4と連結されている場合、上フレーム6のケーブルトレイ1に対する位置が固定されるため、下フレーム7はケーブルトレイ1に収納されたケーブル2を押える上下位置調節可能なケーブル押え板として機能する。押付け力調整ボルト71aの先端が挿し込み用突起71の先端に当たった後の押付け力調整ボルト71aのねじ込み量を一定量とすることにより下フレーム(ケーブル押え板)7によるケーブル2の押付け圧力を所定の範囲に容易に調節することができる。なお、押付け力調整ボルト71aの先端と挿し込み用突起71の先端との間にばねを介在させても良い。
【0025】
固定座8は上押え部材の上フレーム6と下押え部材のバンドフレーム4とを連結するために用いられる。固定座8には、ボルト5が挿入されて貫通する孔部8aとボルト61が挿入されて貫通する孔部8bが形成されている。ボルト5にナット5aを、ボルト61にナット61aをそれぞれ螺合し、下押え部材のバンドフレーム4と上押え部材を構成する上フレーム6とをその両端で連結する。固定座8はL字形状に形成されており、一方の片に孔部8a、8bが形成され、他方の片がケーブルトレイ1の外側側面と接するようになっている。なお、固定座8と上フレーム6と一体化するために上フレーム6にボルト61を取り付けて、ボルト61を介して固定座8と上フレーム6とを一体化しているが、溶接などにより固定座8と上フレーム6とを一体化することも可能である。
【0026】
押付け手段9は、押付け手段取り付け部64、押し棒91、ばね92、スペーサ93、押付け力調整ボルト位置固定用ナット94、押付け力調整ボルト95から構成されている。また、本実施例では押付け手段9をケーブルトレイ1の両側の内側側面に対向するように二つ設けている。押し棒91は、押し棒ヘッド91aと押し棒軸91bから構成される。押し棒ヘッド91aのケーブルトレイ1の内側側面に対向する面91cは、防炎シート3に過剰な力が加わり防炎シート3を損傷しないように、防炎シート3を押圧する面が大きくなるように形成されている。スペーサ93には押し棒軸91bが挿入される貫通孔が形成されている。押し棒軸91bにはばね92及びスペーサ93が順に装着される。すなわち、押し棒ヘッド91aとスペーサ93との間にばね92を介在させる。また、スペーサ93は押付け手段取付け部64のスペーサ収納部64bに収容される。ばね92の一部がスペーサ収納部64bに収容されるように、ばね92の外径はスペーサ収納部64bの内径よりも小さくなっている。押付け力調整ボルト95を押付け手段取付け部64の雌ねじ部64aに螺合し、そのねじ込み量を調節することにより、押付け力調整ボルト95の先端位置を変化させる。押付け力調整ボルト95の先端がスペーサ93に接触し、スペーサ93がケーブルトレイ1の内側側面に向かって押し込まれて、ばね92によるばね力が発生しない状態の押し棒ヘッド91a及びスペーサ93の位置が定まる。押し棒ヘッド91aとスペーサ93の間隔を小さくすることによりばね92によるばね力が発生するので、その位置よりも押付け力調整ボルト95をねじ込むと、押し棒ヘッド91aとスペーサ93の間隔が小さくなり、ばね92によるばね力(ばね荷重)が発生する。そして、押付け力調整ボルト95のねじ込み量を調整することにより、防炎シート3に過大な力を与えることなく、ばね92によるばね力で適切に防炎シート3をケーブルトレイ1の内側側面に押し付けることができる。なお、二つの押付け手段9のばね力は独立して調整できるようになっているので、ばね力の左右バランスを容易に調整することができる。
【0027】
次に、
図6A,
図6Bを用いて防炎シートずれ抑制冶具の装着手順を説明する。
(1)上フレーム6に押付け手段9を構成するスペーサ93を装着する。すなわち、上フレーム6の下面の端部近傍には押付け手段取付け部64が固着されており、押付け手段取付け部64のスペーサ収納部64bにスペーサ93を装着する。
(2)同様にスペーサ収納部64bにばね92を装着する。
(3)ばね92を介してスペーサ93の貫通孔に押し棒91の押し棒軸91bを挿入させて押し棒91を装着する。なお、押し棒軸91bにばね92及びスペーサ93を装着させ、押し棒91、ばね92、スペーサ93を一体化した後にこれらをスペーサ収納部64bに装着するようにしても良い。
(4)固定具(押付け力調整ボルト95、押付け力調整ボルト位置固定用ナット94)を装着する。押付け力調整ボルト95は押付け手段取付け部64に形成されたが雌ねじ部64aに螺合する。
(5)下フレーム7を装着する。下フレーム7の挿し込み用突起71及び仮固定用ボルト72を、それぞれ上フレーム6のボス部63の孔部63b及び上フレーム6の貫通穴62と位置合わせして挿入させる。
(6)貫通穴62を貫通した仮固定用ボルト72の先端に蝶ナット72aを螺合させて上下フレーム6,7を仮固定(仮止め)する。
(7)仮固定した上下フレーム6,7を、防炎シート3を巻いたケーブルトレイ1に装着する。装着は、仮固定した上下フレーム6,7を、ケーブルトレイ1に対して斜めになるように回転させて、下フレーム7をケーブルトレイ1内に挿入し、その後、仮固定した上下フレーム6,7を、ケーブルトレイ1に対して直交するように回転させることにより行う。これらにより、上フレーム6の端部がケーブルトレイ1のケーブルトレイ折り曲げ端部1aに載置され、下フレーム7及び押付け手段9がケーブルトレイ1内の上方空間に位置する。
(8)ボルト5が取り付けられたバンドフレーム4を下方からケーブルトレイ1に装着する。
(9)固定座8を上方からバンドフレーム4のボルト5及び上フレーム6のボルト61に装着し、ナット5a,61aで固定する。これらによりケーブルトレイ1の外周が上フレーム6とバンドフレーム4により固定される。
(10)固定具(押付け力調整ボルト71a、押付け力調整ボルト位置固定用ナット71b)を上フレーム6のボス部63に装着し、下フレーム7のケーブルトレイ1内の位置を固定する。すなわち、押付け力調整ボルト71aをボス部63の雌ねじ部63aに螺合し、そのねじ込み量を調節する。押付け力調整ボルト71aにより挿し込み用突起71を介して下フレーム7を押し込む。押付け力調整ボルト71aのねじ込み量を調整することにより、ケーブルトレイ1内のケーブル2の量に合わせて下フレーム7の位置を容易に調整することができる。また、下フレーム(ケーブル押え板)7によるケーブル2の押付け圧力を所定の範囲に容易に調節することができる。
また、(4)で装着した押付け力調整ボルト95のねじ込み量を調整し、ばね92を所定量圧縮することにより、ばね力を発生させ押付け手段9により防炎シート3をケーブルトレイ1の内側側面に押付け固定する。例えば、1箇所当たりのばね押し力65Kgとし、合計2箇所にてばね力により防炎シート3を押圧することにより、防炎シートのずれを十分に抑制することができる。ばね力を用いて押付けているので、防炎シート3を押す荷重を容易に管理することができ、防炎シート3の損傷を防ぎながら、防炎シート3のずれをより確実に防ぐことが可能となる。
【0028】
上述の防炎シートずれ抑制冶具の装着作業をケーブルトレイ1の長手方向において所定の間隔をおいて行い、複数の防炎シートずれ抑制冶具を、防炎シート3を巻いたケーブルトレイ1に装着する。また、防炎シートずれ抑制冶具の取り外しの際には、上記手順と逆の手順で行う。防炎シートずれ抑制冶具の装着、取り外しは、基本的にボルトの取り付け・取り外しなので、容易に行うことができる。
【0029】
本実施例によれば、発電所などに布設されている可燃ケーブルを防火するため、ケーブルとケーブルトレイを不燃材料の防炎シートで巻くようにしたケーブルトレイ防火装置において、地震発生時においても防炎シートのずれを抑制することが可能になる。本実施例の防炎シートずれ抑制冶具を装着したケーブルトレイ防火装置について、水平加速度1.2G、垂直加速度0.85Gの加振実験を行ったが、防炎シートのずれを十分に抑制可能であることを確認できた。また、防炎シート3や防炎シートずれ抑制冶具に損傷も発生しなかった。また、自己消火性の実証実験(UL垂直燃焼試験)にも合格することを確認できた。
【0030】
本実施例の防炎シートずれ抑制冶具では、ケーブルトレイに取り付けるに際して、ケーブルトレイ1の側面などに孔を開ける必要がない。このため、防炎シート3やケーブル2に損傷を与える心配が生じない。
【0031】
また、本実施例の防炎シートずれ抑制冶具では、下押え部材(バンドフレーム4)と、上押え部材及びケーブル押え板(上フレーム6と下フレーム7)と、押付け手段9を基本構成要素とし、これらをボルト締結する構造であるので、様々なケーブルトレイの形状に対応可能である。
【0032】
また、本実施例では、バンドフレーム4、下フレーム(ケーブル押え板)7及び押付け手段9によりケーブルトレイ1の略全周方向で防炎シート3を押えているので、防炎シート3のずれを確実に抑制することができ、さらに、ケーブルと防炎シート3との間に生じる空気層を少なくすることができる。また、ケーブルトレイ1内のケーブル2を下フレーム(ケーブル押え板)7で押えているので、ケーブルの暴れを押えることができ、防炎シート3のずれや防炎シート3の損傷を抑制することができる。
【実施例2】
【0033】
図7〜
図12A,
図12Bは、それぞれ実施例2におけるケーブルトレイ防火装置の正面図、断面図、平面図、側面図、部品構成図、防炎シートずれ抑制冶具の装着手順図である。
本実施例は、特に、ケーブルトレイに上面を超えるケーブルが収容されているケーブルトレイの防火装置に好適なものである。このような収容状況では、防炎シートをケーブルトレイの内側側面にばね力を用いて押し付ける押付け手段を設けることはできない。
【0034】
本実施例におけるケーブルトレイ防火装置は、このようなケーブルトレイに好適なものであり、次のように構成された防炎シートずれ抑制冶具を備える。すなわち、本実施例の防炎シートずれ抑制冶具は、ケーブルトレイの下側の外周を覆う下押え部材と、ケーブルトレイの上側に設けられ、下押え部材の両端部にそれぞれ連結された端部を備える上押え部材と、上押え部材に設けられ、防炎シートを介してケーブルトレイに収納されたケーブルを押える上下位置調節可能なケーブル押え板を備え、下押え部材と上押え部材とでケーブルトレイの周囲を押え、下押え部材は、ケーブルトレイの下面両端部において防炎シートをケーブルトレイの下面にばね力を用いて押し付ける押付け手段を備える。
【0035】
ケーブルトレイ1は実施例1と同様に両側面における端部がケーブルトレイ内側に折り曲げられており、ケーブルトレイ折り曲げ端部1aを備える。ただし、
図7などに示すように、ケーブルトレイ1にはその上面を超える量の複数のケーブル2が収納されているので、実施例1と異なり、ケーブルトレイ折り曲げ端部1aには上押え部材の一部を構成する実施例1に記載のような上フレームを載置することができない。また、ケーブルトレイ1と複数のケーブル2の双方を覆うように防炎シート3が巻き付けられている。さらに、ケーブルトレイ1の上面側にはセラミックウール10などが施されている。
【0036】
本実施例における防炎シートずれ抑制冶具の下押え部材は、下面フレーム140、後面フレーム(側面フレーム)150、前面フレーム(側面フレーム)160、押えフレーム170、押付け手段を基本構成要素として構成されている。本実施例では、
図7等の図面上の左側に壁面があるような箇所にケーブルトレイ1が設置されている場合を想定している。壁面側を後面とする。下面フレーム140と後面フレーム150とが予め溶接などにより一体化されており、冶具を装着する際に、前面フレーム160を下面フレーム140に対してボルト締めにて固定するようにしたものである。
【0037】
下面フレーム140には、押えフレーム170と保持するためのボルト180aが貫通する貫通孔141が複数設けられている。また、押付け手段の一部を構成するばね保持部192が下面フレーム140の両端部に設けられている。また、下面フレーム140の前面フレーム160側の連結部にはボルト142aが一体化されている。
【0038】
押えフレーム170は、ケーブルトレイ1の下面に防炎シート3を介して接する。押えフレーム170には、ボルト180aが螺合するナット180bが複数設けられている。また、押えフレーム170の両端部に、押付け手段の一部を構成するばね保持部191が設けられている。
【0039】
押付け手段の一部を構成するばね190は下面フレーム140のばね保持部192のばね収容部192aと押えフレーム170のばね保持部191のばね収容部191aとの間に設置される。押付け手段は、ばね190、押えフレーム170に設けられたばね保持部191、及び下面フレーム140に設けられたばね保持部192により構成される。下面フレーム140のばね保持部192には押えフレーム170のばね保持部191が挿入される挿入孔192bが形成されている。ばね保持部191の外径は挿入孔192bの内径よりも小さい。ばね保持部192のばね収容部192aは挿入孔192bの底面に形成されている。ばね190をばね収容部191a,192a内に設置し、ボルト180aを下面フレーム140の貫通孔141を介して挿入し、押えフレーム170のナット180bに螺合すれば、下面フレーム140と押えフレーム170とが仮止めされる。ボルト180aは下面フレーム140と押えフレーム170との位置関係(間隔)を規定するものではなく、仮止め的に用いられる。
【0040】
後面フレーム150は、下端部が下面フレーム140の一方の端部に固着されている。後面フレーム150には強度を向上するためにリブ150aが設けられている。後面フレーム150の上端側には上押え部材の上面フレーム210と連結するための連結部204が設けられている。連結部204には上面フレーム210側の連結ピン240が係合するフック204aが形成されている。また、後面フレーム150の上端部近傍の内側には、押付け手段と協働して下押え部材をケーブルトレイ1に固定するための固定部200が設けられている。固定部200は、後面フレーム150に固着され、雌ねじが形成されたベース部200aと、ベース部200aの雌ねじに螺合するボルト部200bと、ボルト部200bの先端に固着された固定ヘッド200cから構成される。ボルト部200bのねじ込み量を調整することにより固定ヘッド200cが上下動する。防炎シートずれ抑制冶をケーブルトレイ1に装着する際に、固定ヘッド200cはケーブルトレイ折り曲げ端部1aに対向する。ボルト部200bのねじ込み量を調整することにより固定ヘッド200cと押えフレーム170との間隔が変化する。押えフレーム170は押付け手段を介して下面フレーム140に支持されているので、固定ヘッド200cと押えフレーム170との間隔の変化に応じて押付け手段のばね190のばね力(ばね荷重)が変化する。すなわち、ボルト部200bのねじ込み量を調整することにより押えフレーム170を介して押付け手段のばね190に発生したばね力により防炎シート3をケーブルトレイ1に押付けることになる。
【0041】
前面フレーム160は、基本的には後面フレーム150と同様な構成を有する。ただし、前面フレーム160は、予め下面フレーム140に一体化された後面フレーム150と異なり、防災シートずれ抑制冶具をケーブルトレイ1へ装着する際に、下面フレーム140に取り付けるようにするものであり、ボルト締結されるようになっている。下面フレーム140にはボルト142aが固着されており、前面フレーム160の下方に形成された貫通孔161を介してボルト142aとナット142bを螺合させて、下面フレーム140と前面フレーム160を一体化する。また、防災シートずれ抑制冶具をケーブルトレイ1へ装着する際に、固定部200のボルト部200bのソケットレンチなどによる締め付け作業スペースを確保するために、後面フレーム150の連結部204と異なり、前面フレーム160の連結部204は前面フレーム160よりもケーブルトレイ1側に位置するように設けられる。このため、後面フレーム150では、後面フレーム150の先端に連結部204が設けられていたが、前面フレーム160では、固定部200のベース部200aに固着された連結部固定サポート204bに連結部204が設けられている。また、これらのため、前面フレーム160の長さは後面フレーム150の長さよりも短くなっており、そして、後面フレーム150の下端から連結部204のまでの長さと前面フレーム160の下端から連結部204までの長さが同一になっている。これにより、後述の上押え部材の上面フレーム210が水平となるように取り付けられる。なお、前面フレーム160には強度を向上するためにリブ160aが設けられている。
【0042】
また、本実施例では、実施例1と異なり、上押え部材と連結することなく、下押え部材(下面フレーム140、後面フレーム150、前面フレーム160、押えフレーム170、押付け手段)のみで防炎シートずれ抑制冶具のケーブルトレイ1への固定が行われる。このため、後述の上押え部材の主な機能は、下押え部材(後面フレーム150及び前面フレーム160の連結部204)を起点として、ケーブルトレイ1に収容されたケーブルを押えることにある。
【0043】
本実施例における防炎シートずれ抑制冶具の上押え部材は、上面フレーム210、ケーブル押え板220、ケーブル押え板の高さ調整及びケーブル加圧調整を行う手段を基本的な構成要素として構成されている。
【0044】
上面フレーム210は、その両端部が下押え部材の後面フレーム150及び前面フレーム160の連結部204に連結される。上面フレーム210の連結部は、後面フレーム150や前面フレーム160の連結部204のフック204aに係合する連結ピン240と、連結ピン240が固定され、かつ、雌ねじが形成された連結部ベース241と、連結部ベース241の雌ねじに螺合し、かつ、上面フレーム210の上面端部近傍に先端が回転可能に固定された上面フレーム高さ調整ボルト242と、上面フレーム高さ調整ボルト242に螺合し、かつ、上面フレーム高さ調整ボルト242に対する連結部ベース241の位置を固定する位置固定用ナット243から構成される。上面フレーム210には強度を向上するためにリブ210aが設けられている。連結部ベース241に対する上面フレーム高さ調整ボルト242のねじ込み量を調整することにより上面フレーム210の高さが上下動する。上面フレーム210には、内部に雌ねじ230aが形成されたボス部230が2つ設けられている。それぞれのボス部230にケーブル押え板220が取り付けられる。複数のケーブル押え板220を用いることにより、ケーブルトレイ1に収容されたケーブル2群の高さが不均一であっても個々のケーブル押え板220による加圧力を独立して調整することにより適切な加圧でケーブルを押えることができる。
【0045】
ケーブル押え板220には、ケーブル押え板220を上面フレーム210へ取り付けるための取り付け用突起231が設けられている。取り付け用突起231には、後述の係合ピン236が挿入される貫通孔231aと、後述のケーブル加圧ばね235を収容するばね収容部231bが形成されている。取り付け用突起231は、ケーブル押え板220に対して回転可能に固定されている。また、係合ピン236は貫通孔231a内で相対的に上下動可能である。
【0046】
ケーブル押え板高さ調整ボルト232は、上面フレーム210のボス部230内の雌ねじ230aと螺合する。ケーブル押え板高さ調整ボルト232は、筒状形成されており、その内側上部にケーブル加圧調整ボルト233が螺合する雌ねじ232aが形成され、内側下部にケーブル加圧ばね235などが挿入される収容部232bが形成されている。さらに、ケーブル押え板高さ調整ボルト232の下部に、係合ピン236が水平方向に横切るように貫通するピン挿入孔232cが形成されている。収容部232b内には、ケーブル加圧ばね235を保持するスペーサ234と、ケーブル加圧ばね235と、取り付け用突起231が挿入される。ケーブル加圧ばね235は、スペーサ234とばね収容部231bとの間に取り付けられる。ケーブル押え板高さ調整ボルト232をボス部230の雌ねじ230aに螺合させてねじ込むことによりケーブル押え板高さ調整ボルト232のピン挿入孔232cが上面フレーム210の下方に位置するようにする。取り付け用突起231をケーブル押え板高さ調整ボルト232の収容部232bに挿入した後に係合ピン236をケーブル押え板高さ調整ボルト232のピン挿入孔232c及び取り付け用突起231の貫通孔231aに挿入することにより、上面フレーム210とケーブル押え板220が連結される。ケーブル押え板高さ調整ボルト232のねじ込み量を調整することにより、上面フレーム210の位置を起点としてケーブル押え板220の高さが調整される。係合ピン236を取り付け後は、ケーブル押え板高さ調整ボルト232のピン挿入孔232cが上面フレーム210の下方に位置する必要はない。
【0047】
ケーブル加圧調整ボルト233をケーブル押え板高さ調整ボルト232の上部に形成された雌ねじ232aに螺合させて、その先端がスペーサ234を押すようにする。ケーブル加圧調整ボルト233のねじ込み量を調整することにより、スペーサ234の位置を調整し、ケーブル加圧ばね235に生じるばね力を調整する。
【0048】
本実施例では、ケーブル押え板220の高さ調整及びケーブル加圧調整の手段を一体化しているが別々に構成しても良い。また、本実施例では、複数のケーブル押え板220を設けているが、ケーブルトレイ1に収容されているケーブル2群の上面が平坦になっていれば、単一のケーブル押え板でも良い。
【0049】
次に、
図12A,
図12Bを用いて本実施例の防炎シートずれ抑制冶具の装着手順を説明する。本実施例は、ケーブルトレイ1が上下方向に複数設置されたケーブルラックに適用したものである。なお、図面上、左側に壁面(図示省略)が近くにある。
(1)下押え部材を用意する。下押え部材は、下面フレーム140、後面フレーム150、押えフレーム170、押付け手段が予め一体化されたもの(以下、下押え部材アッセンブリと称する)と、前面フレーム160とに分離されている。既設のケーブルトレイ間に下押え部材アッセンブリを挿入する。図面上、下押え部材アッセンブリを立てた状態で挿入している。隣接するケーブルトレイ1には既に防炎シートずれ抑制冶具が装着されている。(2)下押え部材アッセンブリを90度回転させる(図面上、横に倒した状態となる。)。壁面とケーブルトレイ1との間には後面フレーム150が回転するスペースが確保されている。
(3)下押え部材アッセンブリを手前側(図面上、右側)に引き寄せて、ケーブルトレイ1に装着する。
(4)壁面側(図面上、左側)の固定部200のボルト部200bを軽く締め付け、下押え部材アッセンブリをケーブルトレイ1に仮止めする。
(5)前面フレーム160を下押え部材アッセンブリに対してナット142b(六角ナットとロックナット)を用いて固定する。
(6)壁面側(図面上、左側)の固定部200のボルト部200b及び手前側(図面上、右側)の固定部200のボルト部200bをソケットレンチなどで締め切り、下押え部材をケーブルトレイ1にしっかりと固定する。この状態で押付け手段のばね190に所定のばね力が発生し、押えフレーム170を介して防炎シート3をケーブルトレイ1に押す荷重が適切な大きさに管理される。
(7)上押え部材を用意する。上押え部材は、上面フレーム210、ケーブル押え板220、ケーブル押え板の高さ調整及びケーブル加圧調整を行う手段が予め一体化されている。下押え部材の両端(後面フレーム150及び前面フレーム160の上端)の連結部204のフック204aに、上押え部材(上面フレーム210)の連結部の連結ピン240を挿入し、下押え部材と上押え部材とを連結する。なお、この状態では、ケーブル押え板高さ調整ボルト232、ケーブル加圧調整ボルト233及び上面フレーム高さ調整ボルト242はそれぞれ上限位置まで引き上げた状態である。
(8)壁面側(図面上、左側)及び手前側(図面上、右側)の上面フレーム高さ調整ボルト242をねじ込み、上面フレーム210及びケーブル押え板220を下方に移動させ、ケーブル押え板220をセラミックウール10に接触させる。
(9)壁面側(図面上、左側)及び手前側(図面上、右側)のケーブル押え板高さ調整ボルト232をねじ込み、ケーブル押え板220をさらに下方に移動させ、ケーブル押え板220によりセラミックウール10を圧縮する。本実施例では二つのケーブル押え板220を設けている。ケーブルトレイ1へのケーブル2の収容状況に応じて、独立してケーブル押え板高さ調整ボルト232のねじ込み量を調整する。
(10)壁面側(図面上、左側)及び手前側(図面上、右側)のケーブル加圧調整ボルト233をねじ込み、ケーブル押え板220に圧力を加えて、セラミックウール10をさらに圧縮すると共に、ケーブルトレイ1に収容されているケーブル2をケーブル加圧ばね235に発生したばね力により加圧固定する。ケーブルに必要以上の加圧力が加わらないように、ケーブル加圧ばね235を構成する。例えば、1箇所あたりの最大加圧力が25Kgとなるように、ばね常数や変位量を設定する。本実施例では、このケーブル加圧力は、押付け手段のばね190による下押え部材のケーブルトレイ1へ押し付ける圧力とは、独立して行われるので、それぞれ適切な圧力とすることができる。押付け手段のばね190による下押え部材のケーブルトレイ1へ押し付ける圧力は、ケーブル加圧力よりも大きくしている(例えば、1箇所当たりのばね押し力を60Kg程度)。
【0050】
上述の防炎シートずれ抑制冶具の装着作業をケーブルトレイ1の長手方向において所定の間隔をおいて行い、複数の防炎シートずれ抑制冶具を、防炎シート3を巻いたケーブルトレイ1に装着する。また、防炎シートずれ抑制冶具の取り外しの際には、上記手順と逆の手順で行う。防炎シートずれ抑制冶具の装着、取り外しは、基本的にボルトの取り付け・取り外しなので、容易に行うことができる。
【0051】
本実施例においても、実施例1で述べた効果を基本的に奏することができる。本実施例では、複数のケーブル押え板220を用い、それぞれ独立してケーブル押え板220の高さ調整及びケーブル加圧調整を行うようにしているので、実施例1の効果に加えて、ケーブルトレイ1に収容されているケーブル2の量に合わせて、適切な圧力によりケーブルを加圧固定することができる。
【0052】
ケーブルトレイ1へのケーブル2の収容状況は発電プラントや場所などにより様々である。そこで、ケーブルトレイ1へのケーブル2の収納量に応じて実施例1の防炎シートずれ抑制冶具、実施例2の防炎シートずれ抑制冶具を使い分けることにより、適切に防炎シート3のずれ抑制とケーブル2の加圧固定を行うことはできる。
【0053】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加,削除,置換をすることが可能である。
発電所等に布設されている可燃ケーブルを防火するため、ケーブルとケーブルトレイを不燃材料の防炎シートで巻くようにしたケーブルトレイ防火装置において、地震発生時においても防炎シートのずれを抑制することが可能なケーブルトレイ防火装置を提供する。
ケーブル2を収容したケーブルトレイ1を防炎シート3で巻いたケーブルトレイ防火装置であって、防炎シートのずれを抑制する防炎シートずれ抑制冶具を備え、防炎シートずれ抑制冶具は、ケーブルトレイ1の下側の外周を覆う下押え部材(バンドフレーム4)と、ケーブルトレイ1の上側に位置し、下押え部材の両端部にそれぞれ連結された端部を備える上押え部材(上フレーム6,下フレーム7)とを有し、下押え部材と上押え部材とでケーブルトレイ1の周囲を押え、上押え部材はケーブルトレイ1に収納されたケーブル2を押える上下位置調節可能なケーブル押え部材(下フレーム7)を備える。