(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、単なる抜け止め爪(21or25A)によっては、強度的に十分な抜け止めを行うことが出来ない。また、ストラップ部(40)の両端をアウトソール(10)に設けられた突起状の係止部(20)に向かって下方へ移動し、挿入を行わなければならず、この移動挿入のために、アウトソール(10)には上下方向に大きなスペースを設ける必要があり、薄い履物には適用できなかった。
【0005】
この発明は、以上の問題点を解決するために、着脱可能に装着されるアッパー部抜けを十分に防止でき、しかも薄型化を図れる履物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、第一発明は、履物を構成し地面に接する部位を有するアウトソール部と、このアウトソール部に着脱可能で足の甲を跨ぐ部位を有するアッパー部と、前記着脱のために、前記アッパー部の周囲に複数形成され、弾性を有する材料から成る挿入片と、これら各挿入片に開けられた係止孔と、前記アッパー部の装着が行われた状態における前記各挿入片の位置で、前記アウトソール部に形成され、前記挿入片が挿入され貫通する挿入孔と、前記アウトソール部上面、または、裏面の中央に形成された凹みと、前記挿入片が前記挿入孔を貫通した状態における前記係止孔を係止できる位置で、前記アウトソール部に形成された係止突起と、を有し、前記挿入片が挿入される方向は、前記アウトソール部の周囲から内側へ向かい、前記凹みに貫通後、前記凹み底に配置された前記係止突起によって、前記係止孔が係止されることを特徴とする履物である。
【0007】
第二発明は、第一発明の履物において、さらに前記アウトソール部上面に装着されるインソール部、または、前記アウトソール部裏面に装着される裏蓋と、前記係止突起に代えて、アッパー部の装着が行われた状態における前記係止孔と重なる位置でアウトソール部に形成された嵌合孔と、前記係止孔を貫通し、前記嵌合孔に嵌合できる位置で前記インソール部、または、前記裏蓋に形成された嵌合突起と、を有し、前記挿入片が前記凹みに貫通後、前記嵌合突起により、前記係止孔と前記嵌合孔に上下方向に貫通と嵌合が同時に行われることを特徴とする履物である。
【0008】
第三発明は、第一発明の履物において、前記係止孔に代えて、前記挿入片先端部に形成された係止爪、または、係止くびれと、前記係止突起に代えて、前記挿入片が前記挿入孔を貫通した状態における前記係止爪、または前記係止くびれを係止できる位置で、前記アウトソール部に形成された係止受け部と、を有し、前記挿入片が前記凹みに貫通後、前記凹み底に形成された前記係止受け部によって、前記係止爪、または、前記係止くびれが係止されることを特徴とする履物である。
【0009】
第四発明は、第一発明の履物において、さらに前記インソール部、または、前記裏蓋と、前記係止孔に代えて、前記係止爪、または、前記係止くびれと、前記係止突起に代えて、前記挿入片が前記挿入孔を貫通した状態における前記係止爪、または、前記係止くびれを係止できる位置で、前記インソール部、または、前記裏蓋に形成された係止受け部と、を有し、前記挿入片が前記凹みに貫通後、前記インソール部、または、前記裏蓋に形成された前記係止受け部によって、前記係止爪、または、前記係止くびれが係止されることを特徴とする履物である。
【0010】
第五発明は、第一発明の履物において、さらに前記インソール部、または、前記裏蓋と、前記係止孔に代えて、前記係止爪、または、前記係止くびれと、前記係止突起に代えて、前記挿入片が前記挿入孔を貫通した状態における前記係止爪、または、係止くびれを係止できる位置で、前記インソール部、または、前記裏蓋が前記アウトソール部に装着されることで、形成される係止受け部と、を有し、前記挿入片が前記凹みに貫通後、前記インソール部、または、前記裏蓋が前記アウトソール部に装着されることで、形成される係止受け部によって、前記係止爪、または、前記係止くびれが係止されることを特徴とする履物である
【0011】
第六発明は、第一発明の履物において、前記係止孔に代えて、前記係止爪、または、前記係止くびれを有し、前記係止突起は設けず、前記挿入孔そのものが係止受け部となり、前記係止爪、または、前記係止くびれが、前記凹みに貫通すると同時に係止されることを特徴とする履物である。
【0012】
第七発明は、第一、第二発明の履物において、さらに、前記挿入孔の寸法が、前記挿入時に前記挿入片が前記挿入孔に接し左右から押されて前記係止孔が潰れることにより左右幅が小さくなることで、はじめて挿入可能になる寸法であることを特徴とする履物である。
【0013】
第八発明は、第一、第二、第七発明の履物において、さらに、前記挿入片が、舌状で、先が尖った形状を有し、前記係止孔は前記挿入方向に向かって前後に長く、或いは、先端または/および後端が、尖った形状を有することを特徴とする履物である。
【0014】
第九発明は、さらに、第一、第七、第八発明の履物においては、前記係止突起について、第三発明の履物においては係止受け部について、前記挿入方向手前側に向かってスロープ状に傾斜していることを特徴とする履物である。
【0015】
第十発明は、第二、第七、第八発明の履物において、さらに、前記嵌合突起と前記嵌合孔が、係止形状になっていることを特徴とする履物である。
そして請求項1の発明は、履物を構成し地面に接する部位を有するアウトソール部と、このアウトソール部に着脱可能で足の甲を跨ぐ部位を有するアッパー部と、前記着脱のために、前記アッパー部の周囲に弾性を有する材料から成る挿入片が複数形成され、前記アウトソール部上面の中央に形成された凹みと、前記アウトソール部の周囲から前記中央凹みに向かって前記アッパー部の装着が行われた状態における前記各挿入片の位置に前記各挿入片が挿入され貫通する挿入孔が形成され、前記各挿入孔同士の間に前記アウトソール部の周囲からから内側に向かって、アッパー部が装着された際に各挿入片をつなぐ部分が嵌る溝が形成され前記挿入片が前記中央凹みに向かって前記挿入孔に挿入されることにより前記アッパー部が前記アウトソール部に装着されることで着脱可能となることを特徴とする履物である。
そして請求項2の発明は、請求項1記載の履物において、さらに前
記各挿入片に係止孔が開けられ前記各挿入片が前記挿入孔を貫通した状態において、前記係止孔を係止できる位置で、前記アウトソール部上面の中央凹みの底に係止突起が形成されることを特徴とする履物。
そして請求項3の発明は、請求項1記載の履物において、
さらに前記各挿入片先端部に係止爪または、係止くびれが形成され、前記各挿入片が前記挿入孔を貫通した状態において、前記係止爪または、係止くびれを係止できる位置で、前記アウトソール部上面の中央凹みの底に係止受け部が形成されることを特徴とする履物。
そして請求項4の発明は、請求項1記載の履物おいて、さらに前
記アウトソール部上面に装着されるインソール部を有し、前記各挿入片に係止孔が開けられ、前記挿入片が前記挿入孔を貫通した状態において、前記係止孔と重なる位置で、前記アウトソール上面の中央凹みの底に嵌合孔が形成され、前記アウトソール部に前記アッパー部および前記インソール部が装着された状態において、前記係止孔を貫通し前記嵌合孔に嵌合できる位置で前記インソール部に嵌合突起が形成されることを特徴とする履物。
そして請求項5の発明は、請求項1記載の履物おいて
、さらに前記アウトソール部上面に装着されるインソール部を有し、前記各挿入片先端部に係止爪または、係止くびれが形成され、前記アウトソール部に前記アッパー部および前記インソール部が装着された状態において、前記係止爪または、係止くびれを係止できる位置で前記インソール部に係止受け部が形成されることを特徴とする履物。
そして請求項6の発明は、請求項1に記載の履物において、さらに各挿入片先端部に係止爪が形成され、前記挿入片が前記挿入孔に挿入される際に狭まり、貫通する際に広がる形状状を有し、前記各挿入孔そのものが係止受け部となることを特徴とする履物である。
そして請求項7の発明は、請求項1記載の履物において前記アウトソール部上面の中央に代えて前記アウトソール部裏面の中央に凹みが形成されされることで着脱可能となることを特徴とする履物である。
そして請求項8の発明は、請求項7に記載の履物において、さらに前記各挿入片に係止孔が開けられ、前記各挿入片が前記挿入孔を貫通した状態において、前記係止孔を係止できる位置で、前記アウトソール部裏面の中央凹みの底に係止突起が形成されること特徴とする履物である。
そして請求項9の発明は、請求項7記載の履物において、さらに前記各挿入片先端部に係止爪、または、係止くびれが形成され、前記各挿入片が前記挿入孔を貫通した状態において、前記係止爪、または、係止くびれを係止できる位置で、前記アウトソール部裏面の中央凹みの底に係止受け部が形成されることを特徴とする履物である。
そして請求項10の発明は、請求項7記載の履物において、さらに各挿入片先端部に係止爪が形成され、前記挿入片が前記挿入孔に挿入される際に狭まり、貫通する際に広がる形状を有し、前記各挿入孔そのものが係止受け部となることを特徴とする履物である。
【発明の効果】
【0016】
第一発明によれば、アウトソール部にアッパー部を装着する際には、アッパー部の各挿入片を、アウトソール部の各挿入孔に挿入する。挿入片が挿入孔へ挿入される方向は、従来のように上下方向ではなく、アウトソール部の周囲から内側へ向かい、アウトソール部上面または裏面の中央に形成された凹みに貫通後、挿入片を挿入方向へさらに伸長させ、各挿入片の係止孔を凹み底に配置された係止突起に嵌めることによって、係止孔が係止される。この係止によって挿入片は、挿入孔から抜けにくくなる。さらに、挿入片は、挿入孔によって自由な動きが規制される。これらのことから、アッパー部の抜けが十分に防止できる。
すなわち、挿入片の挿入のためのスペースは大きい程、アッパー部とアウトソール部の接続部分を広く取れるため、アッパー部のアウトソール部への装着を強固にできることから、挿入片を下方ではなく内側に向かわせることにより、大きく必要なスペースを略水平にとることで、アッパー部の抜けが十分に防止できる上、アウトソールの上下方向のスペースを小さくでき、よって、履物の薄型化を図ることができる。
【0017】
また、係止孔それぞれが係止突起によって係止され、挿入孔によって挿入片の自由な動きが規制されることで、各挿入片一つ一つの抜け止めを図っているが、仮にその一つについて、係止が外れたとしても、隣り合った挿入片が、纏まって外れない以上、挿入片が挿入孔から抜けることはなく、すなわちアッパー部とアウトソール部の装着が外れない構造になっている為、全体重が掛かる履物の安全を十分配慮したものとなっている。
そして、アウトソール部からアッパー部を外す際には、各係止突起から各係止孔を外す。その後に、挿入片を引っ張ると、挿入片が挿入孔から抜け、アッパー部を外すことができる。
これらの構造により、着脱可能に装着される履物のアッパー部の抜けを十分に防止できる上、薄型化を図ることができる。
【0018】
第二発明によれば、第一発明の係止にかえて、インソール部、または、裏蓋に形成された嵌合突起によって、アッパー部の各挿入片に開けられた係止孔とアウトソール部に形成された嵌合孔に同時に貫通と嵌合を行うことにより、挿入片の挿入孔からの抜け止めを図ることが出来る。
すなわち、挿入片が挿入孔へ挿入され、中央凹みに貫通後、インソール部、または、裏蓋に形成された嵌合突起によって、アッパー部の各挿入片に開けられた係止孔とアウトソール部に形成された嵌合孔に同時に貫通と嵌合が行われる。この貫通と嵌合により、第一発明同様、挿入片は挿入孔から抜けにくくなり、着脱可能に装着される履物のアッパー部の抜けを十分に防止できる上、薄型化を図ることができる。
【0019】
第三発明によれば、第一発明の係止の方法にかえて、各挿入片に形成された係止爪、または、係止くびれが、中央の凹み底に配置された係止受け部によって、係止されることにより、挿入片の挿入孔からの抜け止めを図ることができる。
すなわち、挿入片が挿入孔へ挿入され、中央の凹みに貫通後、凹み底に配置された係止受け部によって、挿入片に形成された係止爪、または、係止くびれが係止される。この係止により、第一発明同様、挿入片は挿入孔から抜けにくくなり、着脱可能に装着される履物のアッパー部の抜けを十分に防止できる上、薄型化を図ることができる。
【0020】
第四発明によれば、第一発明の係止の方法に代えて、各挿入片に形成された係止爪、または、係止くびれが、インソール部または裏蓋に形成された係止受け部によって、係止されることにより、挿入片の挿入孔からの抜け止めを図ることができる。
すなわち、挿入片が挿入孔へ挿入され、中央の凹みに貫通後、インソール部または裏蓋が装着されることで、インソール部または裏蓋に形成された係止受け部によって、挿入片に形成された係止爪または係止くびれが係止される。この係止により、第一発明同様、挿入片は挿入孔から抜けにくくなり、着脱可能に装着される履物のアッパー部の抜けを十分に防止できる上、薄型化を図ることができる。
【0021】
第五発明によれば、第一発明の係止の方法にかえて、各挿入片に形成された係止爪、または、係止くびれが、インソール部または裏蓋がアウトソール部に装着されることで形成される係止受け部によって、係止されることにより、挿入片の挿入孔からの抜け止めを図ることができる。
すなわち、挿入片が挿入孔へ挿入され、中央の凹みに貫通後、インソール部または裏蓋がアウトソール部に装着されることで、形成される係止受け部によって、挿入片に形成された係止爪、または、係止くびれが係止される。この係止により、第一発明同様、挿入片は挿入孔から抜けにくくなり、着脱可能に装着される履物のアッパー部の抜けを十分に防止できる上、薄型化を図ることができる。
【0022】
第六発明によれば、第一発明における係止突起のような挿入片をアウトソール部に装着させる機構を設けることなく、挿入孔そのものが係止受け部となり、挿入片に形成された係止爪、または、係止くびれが、中央の凹みに貫通すると同時に係止されることにより、挿入片の挿入孔からの抜け止めを図ることが出来る。
すなわち、挿入片が挿入孔へ挿入され、中央の凹みに貫通することで挿入片に形成された係止爪、または、係止くびれによって挿入片が係止される。この係止により、第一発明同様、挿入片は挿入孔から抜けにくくなり、着脱可能に装着される履物のアッパー部の抜けを十分に防止できる上、薄型化を図ることができる。
【0023】
第七発明によれば、第一発明、第二発明において、さらに、挿入孔の寸法は、係止孔が潰れることにより、挿入が可能になるぎりぎりの大きさにすることで、挿入片の抜けを十分に防止すると共に、アッパー部に係る力に耐えうる構造になっている。
すなわち、挿入片が挿入時に挿入孔に接し左右から押され、よって係止孔が潰れることにより、左右幅が小さくなることで、はじめて挿入可能になる挿入孔の大きさにする。このことから、次に挿入され貫通し、弾性により元の大きさに拡径するか、次に、挿入片の係止孔に、それぞれアウトソール部の係止突起を嵌め込み、または、インナー部、もしくは、裏蓋の嵌合突起を貫通させることにより、この係止孔はふくらみ、よって挿入片の左右幅は元のように大きくなる。そして、挿入片を挿入孔から抜く方向へ力が加わっても、係止突起、または、嵌合突起がじゃまになり、挿入片の左右幅は小さくならないので、挿入片の抜けを防止できる。
しかも、挿入片を購入孔から引き抜く方向へ力が加わると、挿入片は再び、挿入孔に接し左右から押され、よって係止孔が潰れる方向に力が働くので、係止孔は係止突起、または、嵌合突起を強くつかむことになって、摩擦が大きくなり、係止はより強固になり、挿入片の抜けをより強く防止できる。
【0024】
また、アッパー部は直接的には、係止孔がアウトソール部の係止突起よって係止され、または、インナー部、もしくは、裏蓋の嵌合突起が、係止孔を貫通し、アウトソール部の嵌合孔に嵌合することにより、アウトソール部の中央の凹み底に装着されるが、アッパー部の挿入片がアウトソール部の挿入孔に挿入され、貫通することによって、間接的にアウトソール周辺部に装着される形となり、アッパー部に加わる力はアウトソール部の挿入孔入口に集中する。その為、挿入孔を出来るだけ小さく取ることで、アッパー部を通してアウトソールの挿入孔入口周辺部に係る力に耐えうる構造になっている。
そして、アウトソール部からアッパー部を外す際には、それぞれ各係止突起から各係止孔を外す、または、各嵌合孔及び各係止孔から各嵌合突起を外す。その後に挿入片を引っ張ると、挿入片が挿入孔によって左右から押され、係止孔または嵌合孔が潰れることにより、左右幅が小さくなり、挿入片が挿入孔から抜け、アッパー部を外すことが出来る。
【0025】
第八発明によれば、第一、第二、第七発明において、さらに挿入片は舌状で、先端が尖った形状を有することから、挿入孔への先端からの挿入が容易に行え、よってアッパー部の装着が容易になる。
また、係止孔は、挿入方向に向かって前後に長く、或いは、先端または/および後端が、尖った形状を有するので、挿入片を挿入する際、または抜く際に、係止孔は潰れやすいので、アッパー部の着脱が容易になる。
【0026】
第九発明によれば、第一、第七、第八発明の履物においては、係止突起について、第三発明の履物においては係止受け部について、挿入方向手前側がスロープ状に傾斜していることから、挿入片の挿入孔への挿入が容易になる。
すなわち、挿入片が挿入孔へ挿入され貫通する際に、係止突起、または、係止受け部にぶつかることなく、挿入片が係止突起、または、係止受け部手前側の傾斜に沿って係止突起先端、または、係止受け部先端へ自然に滑り上がるため、 挿入片の挿入孔への挿入が容易になる。
【0027】
第十発明によれば、第二、第七、第八発明の履物において、さらにインソール部または裏蓋に形成された嵌合突起とアウトソール部に形成された嵌合孔が、係止形状になっていることから、嵌合突起が嵌合孔からより外れにくく、すなわち、インソール部または裏蓋がアウトソール部から外れるのを防止することで、さらに挿入片の挿入孔からに抜け止めを図っている。
請求項1及び請求項2、3、或いは、請求項7及び請求項8、9の発明によれば、アウトソール部にアッパー部を装着する際には、アッパー部の各挿入片を、アウトソール部の各挿入孔に挿入する。挿入片が挿入孔へ挿入される方向は、従来のように上下方向ではなく、アウトソール部の周囲から内側へ向かい、アウトソール部上面、或いは、裏面の中央に形成された凹みに貫通後、挿入片を挿入方向へさらに伸長させ、各挿入片に形成された係止孔が凹み底に配置された係止突起に、或いは、係止爪または係止くびれが、凹み底に配置された係止受け部、すなわち係止爪または係止くびれが引っ掛かる突起または各挿入片と逆の凹凸によって係止される。この係止によって挿入片は、挿入孔から抜けにくくなる。さらに、挿入片は、挿入孔によって自由な動きが規制される。これらのことから、アッパー部の抜けが十分に防止できる。
すなわち、挿入片の挿入のためのスペースは大きい程、アッパー部とアウトソール部の接続部分を広く取れるため、アッパー部のアウトソール部への装着を強固にできることから、挿入片を下方ではなく内側に向かわせることにより、大きく必要なスペースを略水平にとることで、アッパー部の抜けが十分に防止できる上、アウトソールの上下方向のスペースを小さくでき、よって、履物の薄型化を図ることができる。
また、係止孔それぞれが係止突起によって、或いは係止爪、係止くびれがそれぞれ係止受け部によって係止され、挿入孔によって挿入片の自由な動きが規制されることで、各挿入片一つ一つの抜け止めを図っているが、仮にその一つについて、係止が外れたとしても、隣り合った挿入片が、纏まって外れない以上、挿入片が挿入孔から抜けることはなく、すなわちアッパー部とアウトソール部の装着が外れない構造になっている為、全体重が掛かる履物の安全を十分配慮したものとなっている。
また、アッパー部の各挿入片の間を繋ぐ部分が、アウトソール部の各挿入孔の間に
形成された溝に嵌ることで、挿入片が設けられていない部分もアウトソール部の中央方向に固定され、歩行時に挿入片間の端が障害物に引っ掛かったりしてアッパー部が外れることもなく、加えてアッパー装着後の外観も、一般の靴との見分けのつかない構造になっている。
そして、アウトソール部からアッパー部を外す際には、各係止突起から各係止孔を或いは係止受け部から係止爪、係止くびれを外す。その後に、挿入片を引っ張ると、挿入片が挿入孔から抜け、アッパー部を外すことができる。
これらの構造により、着脱可能に装着される履物のアッパー部の抜けを十分に防止できる上、履物の薄型化を図ることができる。
請求項1及び請求項4、5によればインソール部の装着によりインソール部に形成された嵌合突起がアッパー部の各挿入片に開けられた係止孔を、或いは、インソール部に形成された係止受け部がアッパー部の各挿入片に形成された係止爪、係止くびれを係止することで挿入片の挿入孔からの抜け止めを図ることが出来る。
すなわち、請求項4では挿入片が挿入孔へ挿入され、中央凹みに貫通後、インソール部に形成された嵌合突起が挿入片の係止孔を貫通しアウトソール中央凹みの嵌合孔に嵌合されることで、一方請求項5では挿入片が挿入孔へ挿入され、中央凹みに貫通後、インソール部に形成された係止爪または係止くびれが引っ掛かる突起または各挿入片と逆の凹凸の係止受け部によって係止されることで請求項1及び請求項2、3同様挿入片は挿入孔から抜けにくくなり、着脱可能に装着される履物のアッパー部の抜けを十分に防止できる上、履物の薄型化を図ることができる。
請求項1及び6、或いは、請求項7及び10によれば請求項1及び2、3、4、5或いは請求項7及び8、9における係止受け部または係止突起のような挿入片をアウトソール部に装着させる機構を設けることなく、挿入片に形成された係止爪が、前記挿入孔に挿入される際に狭まり、貫通する際に広がる形状を有することで、挿入孔そのものが係止受け部となり、挿入片が中央の凹みに貫通すると同時に係止されることにより、挿入片の挿入孔からの抜け止めを図ることが出来る。
すなわち、挿入片が挿入孔へ挿入され、中央の凹みに貫通することで挿入片に形成された係止爪によって挿入片が係止される。この係止により、挿入片は挿入孔から抜けにくくなり、着脱可能に装着される履物のアッパー部の抜けを十分に防止できる上、請求項1及び2、3、4、5或いは請求項7及び8、9同様履物の薄型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】第一、第七、第八、第九発明の第一実施形態に係わる履物の分解図で、(A)は履物へ足が接する部分のインソール部の斜視図、(B)は足の甲を跨ぐ部位を有するアッパー部の斜視図、(B‘)は(B)のアッパー部の装着する直前の状態を示す斜視図、(C)は(B‘)のアッパー部が着脱可能なアウトソール部の斜視図、(D)は(B‘)のアッパー部を(C)のアウトソール部へ装着した状態の斜視図、(E)は(D)に(A)のインソール部を取り付けた斜視図である。
【
図2】(A)は
図1(A)の平面図、(B)は
図1(B)の平面図、(C)は
図1(C)の平面図、(D)は
図1(D)の平面図、(D‘)は(D)の一部を透視した平面図、(E)は
図1(E)の平面図である。
【
図3】第一、第二、第七、第八、第九発明に係わる履物の、アウトソール部へアッパー部を装着する機構を説明するもので、(F1)〜(F4)は
図1(B)のアッパー部挿入片を
図1(C)のアウトソール部挿入孔へ装着する動作を説明する平面図、(D1)〜(D4)は同じく
図1(B)のアッパー部挿入片を
図1(C)のアウトソール部挿入孔へ装着する動作を説明する断面図で、(F1)(D1)は挿入前の図、(F2)(D2)及び(F3)(D3)は挿入途中の図、(F4)(D4)は挿入完了の図である。
【
図4】第一、第七、第八、第九発明の第一実施形態から第四実施形態に係わる履物の断面図であり、(A)〜(C),(E)は第一実施形態における各部の断面図で、(A)はインソール部(B)はアッパー部(C)はアウトソール部の装着前の各断面図で、(E)は装着を完了した断面図、(1a)〜(1c),(1e)は第二実施形態における各部の断面図で、(1a)はインソール部(1b)はアッパー部(1c)はアウトソール部の装着前の各断面図で、(1e)は装着を完了した断面図、(2a)〜(2c),(2e)は第三実施形態における各部の断面図で、(2a)はインソール部(2b)はアッパー部(2c)はアウトソール部の装着前の各断面図で、(2e)は装着を完了した断面図、(3a)〜(3c),(3e)は第四実施形態における各部の断面図で、(3a)は裏蓋(3b)はアッパー部(3c)はアウトソール部の装着前の各断面図で、(3e)は装着を完了した断面図である。
【
図5】第二、第七、第八、第十発明の第一実施形態に係わる履物の分解図で、(A)は履物へ足が接する部分のインソール部の斜視図、(B)は足の甲を跨ぐ部位を有するアッパー部の斜視図、(C)は(B)のアッパー部が着脱可能なアウトソール部の斜視図、(D)は(B)のアッパー部を(C)のアウトソール部へ装着した状態の斜視図、(E)は(D)に(A)のインソール部を取り付けた斜視図で、(A‘)は(A)の断面図、(B‘)は(B)の断面図、(C‘)は(C)の断面図、(E‘)は(E)の断面図で、(D‘)は(D)の一部を透視した平面図である。
【
図6】第三、第九発明の第一実施形態に係わる履物の分解図で、(A)は履物へ足が接する部分のインソール部の斜視図、(B)は足の甲を跨ぐ部位を有するアッパー部の斜視図、(C)は(B)のアッパー部が着脱可能なアウトソール部の斜視図、(D)は(B)のアッパー部を(C)のアウトソール部へ装着した状態の斜視図、(E)は(D)に(A)のインソール部を取り付けた斜視図で、(A‘)は(A)の断面図、(B‘)は(B)の断面図、(C‘)は(C)の断面図、(E‘)は(E)の挿入片部分の断面図、(E“)は(E)の挿入片と挿入片の間の部分の断面図で、(D‘)は係止突起47を除いて(D)の一部を透視した平面図である。
【
図7】第三、第九発明の第二実施形態に係わる履物の分解図で、(A)は履物へ足が接する部分のインソール部の斜視図、(B)は足の甲を跨ぐ部位を有するアッパー部の斜視図、(C)は(B)のアッパー部が着脱可能なアウトソール部の斜視図、(D)は(B)のアッパー部を(C)のアウトソール部へ装着した状態の斜視図、(E)は(D)に(A)のインソール部を取り付けた斜視図で、(A‘)は(A)の断面図、(B‘)は(B)の断面図、(C‘)は(C)の断面図、(E‘)は(E)の挿入片部分の断面図、(E“)は(E)の挿入片と挿入片の間の部分の断面図で、(D‘)は係止突起47を除いて(D)の一部を透視した平面図である。
【
図8】第三発明の第三実施形態に係わる履物のアウトソール部へアッパー部を装着する機能を説明するもので、(F1)〜(F4)はアッパー部挿入片を、アウトソール部挿入孔へ貫通させ、係止受け部へ挿入する動作を説明する平面図、(D1)〜(D4)は同じく、アッパー部挿入片を、アウトソール部挿入孔へ貫通させ、係止受け部へ挿入する動作を説明する断面図で、(F1)(D1)は挿入前の図、(F2)(D2)及び(F3)(D3)は挿入途中の図、(F4)(D4)は挿入完了の図である。
【
図9】第三、第四、第五発明の第一実施形態に係わる履物の断面図で、(G)、(G‘)、(E)は第三発明、(H)、(H’),(E’)は第四発明、(I)、(I‘)、(E”)は第五発明に係わる断面図であり、(G)、(H)、(I)はそれぞれの挿入片係止爪手前部分を挿入方向に対して垂直に切断した断面図、(G‘)、(H’)、(I‘)はそれぞれの挿入片係止爪部分を挿入方向に対して垂直に切断した断面図、(E)、(E’)、(E”)はそれぞれの挿入片部分を挿入方向に切断した断面図である。
【
図10】第六発明の第一実施形態に係わる履物の分解図及びアッパー部のアウトソール部への装着過程を説明した図で、(A)は履物へ足が接する部分のインソール部の斜視図、(B)は足の甲を跨ぐ部位を有するアッパー部の斜視図、(C)は(B)のアッパー部が着脱可能なアウトソール部の斜視図、(D)は(B)のアッパー部を(C)のアウトソール部へ装着した状態の斜視図、(E)は(D)に(A)のインソール部を取り付けた斜視図で、(F1)〜(F3)は挿入片の挿入孔への挿入過程を説明した図であり、(E‘)は(E)の断面図で、(D‘)は係止突起47を除いて(D)の一部を透視した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
第一、第七、第八、第九発明の第一実施形態に係わる履物を、
図1〜
図4に示す。
図1及び
図2に示すように、この第一実施形態に係わる履物1はサンダルであり、アウトソール部3にアッパー部5を着脱可能に装着し、着脱機構7をインソール部9で覆うことで、アッパー部5の交換が可能になっている。
図1(C)に示すように、アウトソール部3は、履物1の下部を構成し、地面に接する部位11を有する。
【0030】
図1(B)
図2(B)に示すように、アッパー部5は、このアウトソール部3に着脱可能で、足の甲を跨ぐ部位13を有する。この着脱のために、アッパー部5の全周囲には、挿入片15が複数形成される。
これらの挿入片15はアッパー部5と同一素材で、一体的に成形されシリコン樹脂などの強度が有り、尚且つ弾性を有する材料から成る。また、各挿入片15の先端部、ほぼ中央に係止孔19が開けられ、アッパー部5の周囲、枠部17に沿って揃えられ、内側に向かってほぼ水平に配置される。もっとも、挿入の際には、
図1(B’)に示すように、各挿入片15は、弾性により、一時的に下外側へ向けられる。
【0031】
そして、
図1(C)に示すように、アッパー部5の装着が行われた状態における各挿入片15の位置で、アウトソール部3の周囲側面の上部縁部に、全周囲にわたって、挿入片15が挿入され貫通する挿入孔21が複数形成され、入口23が開口する
。また、各入口23の間はアッパー部5の各挿入片15を繋ぐ部分の曲線部33が嵌る溝になっている。
【0032】
そして、アッパー部5の挿入片15を通してアウトソール部3の挿入孔周辺部に係る力に耐えうる為には、挿入孔21は出来るだけ小さい方が望ましい為、
図3(F1)〜(F4)などに示すように、挿入孔21の左右方向(図中上下方向)の寸法は、挿入時に挿入片15が挿入孔21に接し左右から押されて、係止孔19が潰れることにより、左右幅が小さるなることで、はじめて挿入可能になる寸法である。
【0033】
さらに、
図1(C)、
図2(C)などに示すように、アウトソール部3上面の中央に形成された凹み25の内周壁27に各挿入片15の出口29が開口する。また、この出口29付近、アウトソール部3の凹み25の底に、係止突起31が形成される。この係止突起31は凹み25の底の周囲、アッパー部5を装着した状態における、各挿入片15の係止孔19を係止できる位置に、それぞれ配置され、略短円筒上で、挿入片15の挿入を妨げない様、挿入方向手前側がスロープ状になっている一方で、挿入片15が容易に外れない様、先端は挿入方向に向かって張り出している。(
図3(D1)〜(D4))
【0034】
これらにより、挿入片15が挿入孔21へ挿入される方向は、従来のように上下方向ではなく、アウトソール部3の周囲から内側へ向かわせる。また、各挿入片15を、狭い挿入孔21に容易に挿入できる様、挿入片15の形状は舌状で先端が尖った形状を有する(
図1(B)(B‘)、
図2(B)、
図3(F1)〜(F4))。また、挿入片を挿入孔から容易に引き抜くことが出来るよう、各嵌合孔19は、挿入片15の挿入方向に向かって前後に長く、後端が尖った形状を有し、いわば涙型をなす。(
図1(B)(B‘)、
図2(B))
【0035】
そして挿入片15が凹み25の出口29に貫通後、挿入孔21内で一旦狭められた係止孔19は弾性により、または作業者の指によって、拡径する。そして挿入片15を挿入方向に更に伸長させ、挿入方向に向かって張り出した係止突起31の先端から、拡径した係止孔19を嵌めることによって、挿入片15に開けられた係止孔19が係止される。しかも、挿入片15を購入孔21から引き抜く方向へ力が加わると、挿入片15は再び、挿入孔21に接し左右から押され、よって係止孔19が潰れる方向に力が働くので、係止孔19は係止突起31を強くつかむことになって、摩擦が大きくなり、係止はより強固になり、挿入片15は、挿入孔21から抜けにくくなる。さらに、挿入片15は、挿入孔21によって自由な動きが規制される。これらのことから、アッパー部5の抜けが十分に防止できる。
すなわち、挿入片15の挿入のためのスペースは大きい程、アッパー部5とアウトソール部3の接続部分を広く取れるため、アッパー部5のアウトソール部3への装着を強固にできることから、挿入片15を下方ではなく内側に向かわせることにより、大きく必要なスペースを略水平にとることで、アウトソールの上下方向のスペースを小さくでき、よって、履物の薄型化を図ることができる。
【0036】
また、
図1(B)(B’)や
図2(B)(D’)などに示すように、アッパー部5の挿入片15が設けられているそれぞれの箇所の間を繋ぐ部分は滑らかな曲線33になってい
て、アウトソール部3の各入口23の間の溝48に嵌るようになっている。このため、各係止孔19が係止突起31に係止されることで、曲線33の両側が挿入片15によって引っ張られ、挿入片15が設けられていない曲線33部分も、アウトソール部3の中央方向に力が働きアッパー部5のアウトソール部3への装着がより強固なものとなる。
【0037】
挿入片15や係止突起31などで構成される着脱機構7が設けられた凹み25は、
図1(E)、
図2(E)、
図4(E)に示すようにインソール部9で覆われるが、このインソール部9の下面は係止突起31群で支えられている。よって、このインソール部9装着によって、さらに係止孔19が係止突起31から外れにくくなっている。
【0038】
以上の様な機構により、アッパー部5の交換を自在に行うことが出来る。また、交換するアッパー部の種類を豊富に揃えることで、アウトソール部3を有効に再利用し、種々のお洒落を楽しむことが出来、トレンドや陳腐化にも対応できる。さらに、アウトソール部3資源を経済的に利用できる。
【0039】
第二、第七、第八、第十発明の第一実施形態に係わる履物を、
図5に示す。
【0040】
この第一実施形態に係わる履物1はサンダルであり、アウトソール部3にアッパー部5を着脱可能に装着し、インソール部9で覆うことで、アッパー部5の交換が可能になっている。
また、(C)、(C’)に示すように、アウトソール部3は、履物1の下部を構成し、地面に接する部位11を有する。
さらに、(B)、(B’)に示すように、アッパー部5は、このアウトソール部3に着脱可能で、足の甲を跨ぐ部位13を有する。この着脱のために、アッパー部5の全周囲には、挿入片15が複数形成される。
これらの挿入片15はアッパー部5と同一素材で、一体的に成形されシリコン樹脂などの強度が有り尚且つ弾性を有する材料から成る。各挿入片15はアッパー部5の周囲、枠部17に沿って揃えられ、内側に向かってほぼ水平に配置される。
アッパー部5の装着が行われた状態における各挿入片15の位置で、アウトソール部3には、挿入片15が挿入され貫通する挿入孔21が形成される。なお、この挿入孔21はアウトソール部3の周囲側面の上部縁部に、全周囲にわたって複数設けられ、入口23が開口する。
アウトソール部3の上面中央には浅い凹み25が形成される。この凹み25はインソール部9が嵌合されて、完全に覆われる形状と広さを有する。(C)、(C’)などに示すように、挿入孔21は 凹み25の内周壁27に出口29が開口する。これにより、挿入片15が挿入孔21へ挿入される方向は、アッパー部5の周囲から内側へ向かう。
【0041】
そして、各挿入片15の先端部、ほぼ中央に挿入片15の挿入方向に向かって前後に長く、後端が尖った形状を有し、いわば涙型をなす係止孔19が開けられ、挿入孔21の左右方向(図中上下方向)の寸法は、挿入時に挿入片15が挿入孔21に接し左右から押されて、係止孔19が潰れることにより、左右幅が小さるなることで、はじめて挿入可能になる寸法である。(
図3(F1)〜(F4))
【0042】
ここまでは、第一発明の第一実施形態と同じであるが、第二、第七、第八、第十発明の場合は、他にアッパー部5がアウトソール部3に装着された状態における係止孔19と重なる位置で、凹み25の底に嵌合孔37が形成され、さらに、その係止孔19を貫通し嵌合孔37に嵌合にできる位置でインソール部9には嵌合突起39が形成される。
すなわち挿入片15を挿入孔21に貫通させたのち、インソール部9に形成された嵌合突起39を係止孔19に貫通させ、嵌合孔37に嵌めることによって、係止孔19が嵌合突起39を介してアウトソール部3に装着される。また、この嵌合突起35の先端は係止形状を備えることでアウトソール部3によりしっかりと装着され、係止孔19から嵌合突起35が外れにくくなり、すなわち、挿入片15は挿入孔21から抜けにくくなり、アッパー部5の抜けが十分に防止できる。
そして、挿入片の装着方法以外の機能及び効果に付いては、第一、第七、第八、第九発明の第一実施形態と同様である。
【0043】
第三、第九発明の第一実施形態に係わる履物を、
図6に示す。(以下0040と同じ)
この第一実施形態に係わる履物1はサンダルであり、アウトソール部3にアッパー部5を着脱可能に装着し、インソール部9で覆うことで、アッパー部5の交換が可能になっている。
また、(C)、(C’)に示すように、アウトソール部3は、履物1の下部を構成し、地面に接する部位11を有する。
さらに、(B)、(B’)に示すように、アッパー部5は、このアウトソール部3に着脱可能で、足の甲を跨ぐ部位13を有する。この着脱のために、アッパー部5の全周囲には、挿入片15が複数形成される。
これらの挿入片15はアッパー部5と同一素材で、一体的に成形されシリコン樹脂などの強度が有り尚且つ弾性を有する材料から成る。各挿入片15はアッパー部5の周囲、枠部17に沿って揃えられ、内側に向かってほぼ水平に配置される。
アッパー部5の装着が行われた状態における各挿入片15の位置で、アウトソール部3には、挿入片15が挿入され貫通する挿入孔21が形成される。なお、この挿入孔21はアウトソール部3の周囲側面の上部縁部に、全周囲にわたって複数設けられ、入口23が開口する。
アウトソール部3の上面中央には浅い凹み25が形成される。この凹み25はインソール部9が嵌合されて、完全に覆われる形状と広さを有する。(C)、(C’)などに示すように、挿入孔21は 凹み25の内周壁27に出口29が開口する。これにより、挿入片15が挿入孔21へ挿入される方向は、アッパー部5の周囲から内側へ向かう。
【0044】
ここまでは、第一、第七、第八、第九発明の第一実施形態と同じであるが、第三、第九発明の第一実施形態の場合は、挿入片15が挿入孔21へ挿入され、中央に形成された凹み25に貫通後、凹み25底に配置された係止受け部45によって、係止爪41が係止される。そして、この係止受け部45の形状は挿入方向手前側がスロープ状に傾斜していることによって、挿入片挿入の妨げにならず、スムーズな着脱が可能になっている。また、係止保持部45の嵌めこみ口が係止爪41の対応箇所の寸法より狭くなっている上、先端が挿入方向に向かって張り出して(E“)いることで、係止爪41が係止受け部45から外れることを防止している。
よって、この係止により、第一発明同様、挿入片は挿入孔から抜けにくくなり、アッパー部の抜けが十分に防止できる上、履物の薄型化を図ることができる。すなわち、挿入片の装着方法以外の機能及び効果に付いては、第一、第七、第八、第九発明の第一実施形態と同様である。
【0045】
第三、第九発明の第二実施形態に係わる履物を、
図7に示す。(以下0040と同じ)
図7に示すように、この第一実施形態に係わる履物1はサンダルであり、アウトソール部3にアッパー部5を着脱可能に装着し、インソール部9で覆うことで、アッパー部5の交換が可能になっている。
また、(C)、(C’)に示すように、アウトソール部3は、履物1の下部を構成し、地面に接する部位11を有する。
さらに、(B)、(B’)に示すように、アッパー部5は、このアウトソール部3に着脱可能で、足の甲を跨ぐ部位13を有する。この着脱のために、アッパー部5の全周囲には、挿入片15が複数形成される。
これらの挿入片15はアッパー部5と同一素材で、一体的に成形されシリコン樹脂などの強度が有り尚且つ弾性を有する材料から成る。各挿入片15はアッパー部5の周囲、枠部17に沿って揃えられ、内側に向かってほぼ水平に配置される。
アッパー部5の装着が行われた状態における各挿入片15の位置で、アウトソール部3には、挿入片15が挿入され貫通する挿入孔21が形成される。なお、この挿入孔21はアウトソール部3の周囲側面の上部縁部に、全周囲にわたって複数設けられ、入口23が開口する。
アウトソール部3の上面中央には浅い凹み25が形成される。この凹み25はインソール部9が嵌合されて、完全に覆われる形状と広さを有する。(C)、(C’)などに示すように、挿入孔21は 凹み25の内周壁27に出口29が開口する。これにより、挿入片15が挿入孔21へ挿入される方向は、アッパー部5の周囲から内側へ向かう。
【0046】
ここまでは、第一、第七、第八、第九発明の第一実施形態と同じであるが、第三、第九発明の第二実施形態の場合は、挿入片15が挿入孔21へ挿入され、中央に形成された凹み25に貫通後、凹み25底に配置された挿入片15の先端部と凹凸が対になっている係止受け部45によって、係止くびれ43が係止される。そして、この係止受け部45の形状は挿入方向手前側がスロープ状に傾斜している(E“)ことによって、挿入片15の挿入の妨げにならず、スムーズな着脱が可能になると同時に、係止保持部45の嵌めこみ口が係止爪41の対応箇所の寸法より狭くなっていることで、係止くびれ43が係止受け部45から外れることを防止している。
よって、この係止により、第一発明同様、挿入片15は21から抜けにくくなり、アッパー部5の抜けが十分に防止できる上、履物の薄型化を図ることができる。
すなわち、挿入片の装着方法以外の機能及び効果に付いては、第一、第七、第八、第九発明の第一実施形態と同様である。
【0047】
第四発明の第一実施形態に係わる履物の挿入片部分断面図を、
図9(H)、(H‘)、(E’)に示す。
この第一実施形態に係わる履物は、その機能、効果、及び構成部分に付いて、挿入片15のアウトソール部3への係止方法が異なる以外は、第一、第七、第八、第九発明と同じである為、異なる部分以外は説明を省略する。
この実施形態の場合は、インソール部9に、挿入片15先端部と凹凸が対になっている係止受け部45が形成されている。そして、このインソール部9が、アウトソール部3に装着されることで、挿入片15に形成された係止爪41が係止受け部45に係止される。そしてこの場合は、インソール部9の装着によって、挿入片15が係止されることから、インソール部9がアウトソール部3に強固に装着される必要があるため、アウトソール部3とインソール部9の、それぞれの隣り合った各挿入片15の間に係止形状47の凹凸を設けることで、インソール部9の装着を強固にさせている。
以上によって、第一発明同様、挿入片は挿入孔から抜けにくくなり、アッパー部5の抜けが十分に防止できる上、履物の薄型化を図ることができる。
【0048】
第五発明の第一実施形態に係わる履物の挿入片部分断面図を、
図9(I)、(I‘),(E“)に示す。
この第一実施形態に係わる履物は、その機能、効果、及び構成部分に付いて、挿入片15のアウトソール部3への係止方法が異なる以外は、第一、第七、第八、第九発明と同じである為、異なる部分以外は説明を省略する。
この実施形態の場合は、インソール部9がアウトソール部3に装着されることで、挿入片15先端部と凹凸が対になっている係止受け部45が形成される。そして、このインソール部9が、アウトソール部3に装着されることで、挿入片15に形成された係止爪41がインソール部9とアウトソール部3の双方によって形成された、係止受け部45によって係止される。そしてこの場合は、インソールの装着によって、挿入片15が係止されることから、インソール部9がアウトソール部3に強固に装着される必要があるため、アウトソール部3とインソール部9の、それぞれの隣り合った各挿入片15の間に係止形状の凹凸を設けることで、インソール9の装着を強固にさせている。
以上によって、第一発明同様、挿入片は挿入孔から抜けにくくなり、アッパー部の抜けが十分に防止できる上、履物の薄型化を図ることができる。
【0049】
第六発明の第一実施形態に係わる履物を、
図10に示す。
この第一実施形態に係わる履物1はサンダルであり、アウトソール部3にアッパー部5を着脱可能に装着し、インソール部9で覆うことで、アッパー部5の交換が可能になっている。
また、(C)に示すように、アウトソール部3は、履物1の下部を構成し、地面に接する部位11を有する。
さらに、(B)に示すように、アッパー部5は、このアウトソール部3に着脱可能で、足の甲を跨ぐ部位13を有する。この着脱のために、アッパー部5の全周囲には、挿入片15が複数形成される。
これらの挿入片15はアッパー部5と同一素材で、一体的に成形されシリコン樹脂などの強度が有り尚且つ弾性を有する材料から成る。各挿入片15はアッパー部5周囲、枠部17に沿って揃えられ、内側に向かってほぼ水平に配置される。
アッパー部5の装着が行われた状態における各挿入片15の位置で、アウトソール部3には、挿入片15が挿入され貫通する挿入孔21が形成される。なお、この挿入孔21はアウトソール部3の周囲側面の上部縁部に、全周囲にわたって複数設けられ、入口23が開口する。
アウトソール部3の上面中央には浅い凹み25が形成される。この凹み25はインソール部9が嵌合されて、完全に覆われる形状と広さを有する。(C)などに示すように、挿入孔21は 凹み25の内周壁27に出口29が開口する。これにより、挿入片15が挿入孔21へ挿入される方向は、アッパー部5の周囲から内側へ向かう。
【0050】
ここまでは、第一発明の第一実施形態と同じであるが、第六発明の第一実施形態の場合は、第一発明における係止突起39のような挿入片15をアウトソール部3に装着させる機構を設けることなく、(F1)、(F2)、(F3)にその挿入過程を示したように、挿入孔21そのものが係止受け部となり、挿入片15に形成された係止爪41が凹み25に貫通すると同時に係止される。この係止により、第一発明同様、挿入片は挿入孔から抜けにくくなり、アッパー部の抜けが十分に防止できる上、履物の薄型化を図ることができる。すなわち、挿入片の装着方法以外の機能及び効果に付いては、第一、第七、第八、第九発明の第一実施形態と同様である。
【0051】
「他の実施形態」
(1)以上の実施形態では挿入孔21は、アウトソール部3の周囲側面に入口23が開口し、全路にわたってほぼ水平であったが、
図4に示す第二実施形態に示すように、アウトソール部3の周囲上面に入口23を開口し(
図4(1a)(1b)(1c)(1e))、略L字状に屈曲した後ほぼ水平になるものでもよい。(第一発明に限らず、第二〜第十発明においても可能である。)
(2)また、(
図4(2a)(2b)(2c)(2e))に示すようにアウトソール部3の周囲の側面と上面の合わさる角部に入口23を開口し、略L字状に屈曲した後ほぼ水平にとなるものでもよい。(第一発明に限らず、第二〜第十発明においても可能である。)
【0052】
(3)以上の実施形態では、アッパー部5を着脱する際にはインソール部9を外し、着脱機構7を露出させる必要があった。しかし、他の実施形態では、アウトソール部3の底面裏から常時、着脱機構7を露出させ、係止突起31の向きを逆に下向きにすれば、アウトソール部3の底面裏側から、挿入や係止などの操作ができるので、インソール部9を外さなくても、アッパー部5の着脱が可能になる。(第一発明に限らず、第三、第六、第七、第八、第九においても可能である。)
【0053】
(4)また上記(3)のように係止突起31の向きを下向きにするだけだはなく、アウトソール部3の底面裏側に露出する着脱機構7を裏蓋35により覆うことも可能である。アッパー部5を着脱する際には、この裏蓋35を外し、着脱機構7を露出させる。また、裏蓋35の下方への脱落を防止するために、裏蓋35とアウトソールの底面裏蓋35とを凹凸の係止形状47で係止する。(第一発明に限らず、第二〜第十発明においても可能である。)
(5)この場合に、(
図4(3a)(3b)(3c)(3e))に示すように、アッパー部5はインソール部9を一体的に有する形状にすることも可能である。インソール部9を一体にし、取り外しできない構造にすることで、防水がより可能になる。また、この場合も、裏蓋35の下方への脱落を防止するために、裏蓋35とアウトソールの底面裏蓋35とを凹凸の係止形状47で係止する。(第一発明に限らず、第二〜第十発明においても可能である。)
【0054】
(6)以上の実施形態では係止孔19は後端が尖った形状を有するものであったが、他の実施形態では、先端が尖った形状を有するものであってもよい。また、先端および後端がともに尖った形状を有するものであっても良い。これにより15の挿入容易性はさらに向上する。
(7)さらに、裏蓋35の脱落防止の為だけでなく、インソール部9に付いても、外れを防止するため、(図)6(D‘)、
図7(D‘)、
図9(G)、(G’)、(G“)、
図10(D‘))にあるように隙間箇所に係止形状の突起を設けることもできるほか、インソール部9、または、裏蓋35全体をアウトソール部の凹み25と凹凸の係止形状47にすることで、係止させることも出来る。
【0055】
(8)以上の実施形態では、各係止受け部45は係止爪41あるいは、くびれ部43の左右を隣り合った係止受け部が繋がれた一体型に形成されているが、2つの突起によって係止することも可能である。この場合も、その突起については、挿入方向手前側をスロープ状に傾斜させることによって、挿入片15の挿入の妨げにならず、スムーズな着脱が可能になると同時に、係止受け部45の嵌めこみ口を係止爪41、または、係止くびれ43の対応箇所の寸法より狭くすることや、係止受け部45の先端部が挿入方向に張り出た形状にすることで、係止爪41、または、係止くびれ43が係止受け部45から外れることを防止できる。
(9)また、以上の実施形態では、挿入片先端がそれぞれ係止爪に付いては↑状、係止くびれについては○形状のものを図示しているが、係止受け部45によって係止できる形状で、爪等の張出し、または、くびれを備えていれば、星形、もしくは、ハート形などの特定の形状でも、または、左右非対称のものでも係止は可能である。
【0056】
(10)さらに以上の実施形態では、係止爪41またはくびれ部43について、爪、または、くびれが挿入片の左右方向に形成されたものであったが、左右の内片方のみ、または上下方向の両方、または何れかに形成された物でも、或いは全方向に形成されたものでもよい。
また、この場合も、その突起については、挿入方向手前側がスロープ状に傾斜させることによって、挿入片挿入の妨げにならず、スムーズな着脱が可能になると同時に、係止受け部45の嵌めこみ口を係止爪41、または係止くびれ43の対応箇所の寸法より狭くすることや、係止受け部45の先端部が挿入方向に張り出た形状にすることで、係止爪41または係止くびれ43が係止受け部から外れることを防止できる。
【0057】
(11)さらに、係止爪41、または係止くびれ43に付き、以上のように、係止受け部45から外れないような機構を設ける一方で、外すときにも、容易にできる様、挿入片15に指が引っ掛かる突起を設けたり、
図7(C)にあるように凹み形状の係止受け部45にさらに、指を入れる凹みを設けることも出来る。
(12)
また、第三発明の係止保持部45に付いて、
図8の上面図(F1)〜(F4),断面図(D1)〜(D4)にあるように、挿入片15が凹み25に貫通し、のちにループ状に形成された係止受け部45にさらに、挿入し貫通することで、第六発明の係止爪41同様、係止される形状のものでもよい。
【0058】
(13)
以上の実施形態では、アッパー部5、アウトソール部3について、全周にわたり、挿入片15及び挿入孔21が形成されたものになっているが、アッパーの取り換えに付き、サンダル等の特定の箇所のみ足を跨ぐ形状のもので、形状を限定して取り替える使い方をする場合は、その箇所に限定して挿入片15及び挿入孔21を形成したものでもよい。
【0059】
(14)この実施形態に係わる履物1はサンダルであったが、他の実施形態では、アウトソール部3とアッパー部5とを有して成る他の履物1、例えば靴やブーツなどに、本発明を実施することは可能である。
(15)以上の実施形態では、挿入片15はアッパー部5と同一素材で、一体的に成形するものであったが、他の実施形態では、別素材とすることも、もちろん可能である。例えば、挿入片15はシリコンゴム製とし、アッパー部5は革製とし、両者をつなぎ合わせて一体化することも可能である。