(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
レールが上面に載置されるレール載置部を有する本体部と、前記本体部の上面のレール載置部と隣接する位置に設けられ前記レール載置部に載置されるレールと直交する向きの開口部を有するバネ保持部と、を備えた床板と、
前記開口部内に配設され、その一端が前記レールの下部フランジの上面に接触した状態で前記本体部と前記バネ保持部との間に取り付けられた常態において逆「へ」の字状をなす板ばね部材と、
前記板ばね部材の他端の下面と前記本体部との間に前記レールと交差する方向に挿し込まれ、前記板ばね部材を変形させるクサビ部材と、
を備え、
前記クサビ部材の後端部には上方へ向けて突出した突出部が、また下面には下方へ向けて突出した被係止部が設けられ、前記本体部の上面の前記板ばね部材の他端に対応する部位には、前記被係止部を係止する係止部が設けられており、前記被係止部が前記係止部と噛み合う位置まで前記クサビ部材が挿し込まれることで係止状態になることを特徴とするレール締結装置。
前記レールは分岐器の基本レールであり、前記バネ保持部はその上面にトングレールを載置可能な摺動面を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のレール締結装置。
前記床板は、前記レール載置部を挟んで設けられた第1のバネ保持部と第2のバネ保持部を備え、前記第1のバネ保持部と第2のバネ保持部には、レール載置部に載置されるレールと直交する向きの開口部が形成され、
前記開口部内には、常態において逆「へ」の字状をなす板ばね部材がそれぞれ配設され、
前記第1のバネ保持部の上面にはトングレールを載置可能な摺動面が形成されている前記第1のバネ保持部の上面にはトングレールを載置可能な摺動面が形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のレール締結装置。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道軌道の分岐器においては、軌道に沿って所定の間隔で配設されている枕木上に敷設された基本レールに対して、可動レールとしてのトングレールの先端側が、転轍器によって接近・離反可能に構成されている。分岐器用レール締結装置は、枕木上に固定され、基本レールを固定するとともに、載置されたトングレールを横方向へ摺動可能に支持する床板を備えている。
そして、この床板に、トングレールの摺動面を有する載置台と、ばね取付台とを設け、ばね取付台にクサビを用いて固定した板ばねが基本レールの下部フランジを圧接することで、その基本レールを床板に締結するようにしたレール締結装置に関する発明が提案されれている(特許文献1参照。)。
【0003】
しかしながら、上記特許文献1のレール締結装置の場合、ばね取付台に板ばねを固定した後、クサビ抜け止め用のストッパーをばね取付台の側部にボルトで螺着するという面倒な作業を要するため、床板にレールを締結する際の作業性が悪いという課題があった。
そこで、板ばね部材の一端を基本レールの下部フランジに載せた状態で、その板ばね部材を床板における本体部と張出部との間に取り付けた後、板ばね部材の他端と本体部の間にクサビ部材を挿し込んで、そのクサビ部材を本体部に固定することによって、弾性変形させた板ばね部材の一端で基本レールの下部フランジを本体部に押さえ付けるように付勢して、基本レールを床板に締結するようにした分岐器用レール締結装置に関する発明が提案されている(特許文献2参照。)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献2の発明にあっては、板ばねの後端部の下面と床板の本体部の上面との間に、横方向すなわち板ばねと直交する方向からクサビ部材をハンマーで叩き込むように押し込んで、上方へ撓ませるように弾性変形させているため、クサビ部材をハンマーで叩く際に誤って板ばねを叩いてしまって、板ばねを損傷させるおそれがある。
また、特許文献2には、クサビ部材の下面に、床板の本体部の上面に設けた係止部と噛み合う被係止部を設けてクサビ部材の抜け止めを行うことや、板ばね部材を取り外す場合には、クサビ部材の先端部をバールなどで引き上げ、クサビ部材を挿し込んだ方向とは逆向きにクサビ部材の突縁部を例えばハンマーで叩くなどして取り外すことが記載されている。
【0006】
しかし、特許文献2におけるクサビ部材の先端と本体部上面との隙間は小さく、バールを引っ掛けるのが困難であるという課題がある。
さらに、特許文献2に記載されている分岐器用レール締結装置においては、1つの締結器当たり2本の板ばねを設けているため、板ばねが1枚である特許文献1の分岐器用レール締結装置に比べてトータルの設置作業時間はそれほど差がないという課題がある。
【0007】
本発明は上記のような課題に着目してなされたもので、ハンマーでクサビを叩いて押し込む際に、誤って板ばねを叩いて板ばねを損傷させてしまうおそれのないレール締結装置を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、板ばねと本体部との間に押し込まれているクサビを簡単に取り外すことができ、これにより板ばねの交換作業を容易かつ短時間に行うことができるレール締結装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、この発明に係るレール締結装置は、
レールが上面に載置されるレール載置部を有する本体部と、前記本体部の上面のレール載置部と隣接する位置に設けられ前記レール載置部に載置されるレールと直交する向きの開口部を有するバネ保持部と、を備えた床板と、
前記開口部内に配設され、その一端が前記レールの下部フランジの上面に接触した状態で前記本体部と前記バネ保持部との間に取り付けられた常態において逆「へ」の字状をなす板ばね部材と、
前記板ばね部材の他端の下面と前記本体部との間に前記レールと交差する方向に挿し込まれ、前記板ばね部材を変形させるクサビ部材と、
を備え、
前記クサビ部材の後端部には上方へ向けて突出した突出部が、また下面には下方へ向けて突出した被係止部が設けられ、前記本体部の上面の前記板ばね部材の他端に対応する部位には、前記被係止部を係止する係止部が設けられており、前記被係止部が前記係止部と噛み合う位置まで前記クサビ部材が挿し込まれることで係止状態になるように構成した。
【0009】
上記のような構成されたレール締結装置によれば、板ばね部材が逆「へ」の字状に形成されていることで、板ばね部材を開口部内へ差し入れ易くなる。また、板ばね部材を弾性変形させて先端部にレールへ向かう付勢力を与えるため板ばね部材後端の下面と本体部の間に挿し込むクサビ部材を叩き入れる方向が、板ばね部材の長手方向(挿入方向)と一致しているとともに、クサビ部材の後端に上方へ向けて突出した突出部が形成されているため、クサビ部材をハンマーで叩いて押し込む際に、誤って板ばね部材を叩いて板ばね部材を損傷させてしまうおそれがない。
さらに、クサビ部材の下面に下方へ向けて突出した被係止部が設けられ、本体部の上面に係止部が設けられているため、クサビ部材を被係止部が係止部に達するまで挿し込むと、被係止部が本体部の係止部に噛み合って係止されストッパーとして機能するので、クサビ部材を抜けにくくすることができる。
【0010】
また、望ましくは、前記バネ保持部の前記レール載置部側の端部には、前記レール載置部に載置されるレールの下部フランジの上方へ延びる張出部が設けられ、
前記張出部の下面には前記開口部内に配設された板ばね部材の一端が当接可能な段差部が形成され、
前記バネ保持部の前記開口部を構成する上壁面には、下へ向かって凸状をなし当該開口部内に配設された板ばね部材の上面に当接する膨出部が形成されているようにする。
【0011】
かかる構成によれば、バネ保持部の前端部に設けられた張出部の下面に板ばね部材の一端が当接可能な段差部が形成されているため、開口部内へ差し入れた板ばね部材の位置決めを行なうことができ、それによって最適な状態で板ばね部材を弾性変形させて、好適な押圧力でレールを床板に確実に締結することができる。
また、バネ保持部の開口部を構成する上壁面には、下へ向かって凸状をなし板ばね部材の上面に当接する膨出部が形成されているため、板ばね部材後端の下面にクサビ部材を挿し込んだ際に、板ばね部材が張出部との接触部を支点として弾性変形して先端部に強い押圧力を生じさせて確実にレールを床板に締結することができる。
【0012】
また、望ましくは、前記クサビ部材の後端部の下面には、工具を挿入可能な凹部を設ける。
かかる構成によれば、クサビ部材に設けた凹部にバールを差し入れることができるため、汎用工具で容易にクサビ部材を取り外すことができ、それによって板ばね部材の交換作業を容易かつ短時間に実行することができるようになる。
【0013】
ここで、前記レールは分岐器の基本レールであり、前記バネ保持部はその上面にトングレールを載置可能な摺動面を有するように構成する。
これにより、分岐器における基本レールの締結を容易に行うことができるとともに、設置作業中に誤ってハンマー等で板ばね部材を損傷させてしまうおそれのない分岐器用レール締結装置を実現することができる。
【0014】
さらに、前記床板は、前記レール載置部を挟んで設けられた第1のバネ保持部と第2のバネ保持部を備え、前記第1のバネ保持部と第2のバネ保持部には、レール載置部に載置されるレールと直交する向きの開口部が形成され、
前記開口部内には、常態において逆「へ」の字状をなす板ばね部材がそれぞれ配設され、
前記第1のバネ保持部の上面にはトングレールを載置可能な摺動面が形成されているように構成してもよい。
このような構成によれば、分岐器において基本レールのトングレール側の締結器と反対側の締結器を、単純な形状である板ばね部材を有する締結器で構成することができるので、従来の複雑な形状のクリップを用いた締結器に比べて安価な締結器を実現することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るレール締結装置によれば、ハンマーでクサビを叩いて押し込む際に、誤って板ばねを叩いて板ばねを損傷させてしまうおそれがない。また、板ばねと本体部との間に押し込まれているクサビを簡単に取り外すことができ、これにより板ばねの交換作業を容易かつ短時間に行うことができるという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明に係るレール締結装置を分岐器用レール締結装置に適用した場合の実施形態について詳細に説明する。
図1は本実施形態の分岐器用レール締結装置100を示す側面図、
図2はその平面図である。
図1、
図2に示すように、本実施形態の分岐器用レール締結装置100の床板10は、基本レール1が載置されるレール載置部を有するプレート状の本体部11を備え、該本体部11の両端がボルト9によって枕木3上に固定される。
【0018】
上記床板10は、例えばSS400などの剛性の高い金属を加工して形成され、上部に平坦な摺動面を有しトングレール2を横方向へ摺動可能に支持する摺動部12が設けられている。
基本レール1は、軌道パッド7を介して床板10のほぼ中央に設けられているレール載置部上に載置され、基本レール1の一方(図では右側)の下部フランジ1aには、摺動部12の下方の空間にレールと直交する方向に挿入された板ばね部材21の先端が当接される。そして、クサビ部材23を板ばね部材21の後端下面に差し込むことによって、板ばね部材21を変形させて復元力を増大させ、この板ばね部材21の付勢力によって下部フランジ1aが床板10構成する本体部11に向かって押圧される。
【0019】
また、基本レール1の他方(図では左側)の下部フランジ1bには、床板10の上面に一体的に設けられた保持ブロック13の下方に挿入された板ばね部材31の先端が当接され、クサビ部材33を板ばね部材31の後端下面に差し込むことによって、この板ばね部材31の付勢力によって下部フランジ1bが押圧される。その結果、板ばね部材21と板ばね部材31とによって基本レール1が床板10に弾性締結される。
【0020】
図3(A),(B)には、床板10を構成する本体部11の平面図および側面図が示されている。
図3(A)に示すように、本体部11の4隅には、ボルト挿通孔11cが形成されている。一方、枕木3(
図2参照)の所定箇所には予めインサートアンカーが埋設されており、そのインサートアンカーに位置を合わせて床板10に形成されているボルト挿通孔11cにボルト9(
図2参照)を挿入して、上記インサートアンカーに螺合させることで、床板10が枕木3に固定される。
【0021】
以下に、分岐器用レール締結装置100における板ばね部材を備えた右側の締結器20について詳細に説明する。
右側の締結器20を構成するため、基本レール1が載置される床板10のプレート状の本体部11には、本体部11のレール載置面よりも高い位置にトングレール2が載置される摺動面12aを有する上記摺動部12が一体に設けられている。そして、摺動部12には、摺動面12aの下方に相当する部位に板ばね部材21を挿入可能なバネ挿通用開口部12bが設けられているとともに、先端(基本レール側端部)から基本レール1の下部フランジ1aの上方へ向かって張り出す張出部12cが形成されている。
【0022】
また、摺動部12には、上記張出部12cの下面に板ばね部材21の先端が係合可能な係合段差部12dが形成されているとともに、バネ挿通用開口部12bの上壁面に板ばね部材21の上面に当接してこれを下方へ向かって押圧する膨出部12eが設けられている。
板ばね部材21は、常態すなわち外力を加えない状態でほぼ逆「へ」の字状をなすように形成され、腹を上に向けるようにしてバネ挿通用開口部12b内に挿入され、折曲部の近傍に上記膨出部12eが当接するように形状が設定されている。また、板ばね部材21の後端部下面には、クサビ部材23のヘッド部が当接する段差もしくは凹みからなる掛止部21aが設けられている。
【0023】
さらに、摺動部12の外方、本体部11の端部上面には、クサビ部材23の抜け止めを行うストッパー部14Aが設けられている。ストッパー部14Aは、上面にレールの長手方向から見たときに鋸歯状をなす爪14aを有するように形成されている。
一方、クサビ部材23は、
図4(A)に示すように、その下面に、上記ストッパー部14Aの爪14aと噛み合い可能な係合部23aが形成されている。また、クサビ部材23は、その上面に、上記板ばね部材21の後端下面の掛止部21aに係合するヘッド部23bが形成されている。さらに、クサビ部材23は、その上面の後端部に上方へ向かって突出した突出部23cが形成されているとともに、
図4(B)に示すように、その下面に、後端から中央にかけてバール等の工具を差し込むことができる凹部23dが形成されている。
【0024】
左側の締結器30は、
図1に示すように、本体部11の上面にレール載置部を挟んで摺動部12と対向するように一体に設けられた保持ブロック13と、該保持ブロック13のバネ挿通用開口部13bに挿入された板ばね部材31と、該板ばね部材31の後端部下面と本体部11の上面との間に差し込まれて、左側の板ばね部材31を変形させるクサビ部材33とを備える。
そして、このクサビ部材33に対応して本体部11の上面には、鋸歯状をなす爪14bを有するストッパー部14Bが形成されている。クサビ部材33は、締結器20のクサビ部材23と同一形状をなすように形成されている。
【0025】
なお、保持ブロック13には張出部がなく、代わりに保持ブロック13のレール側に、板ばね部材31の先端部を誘導する傾斜部13cが設けられている。
上記のように、締結器30は、保持ブロック13の長さが摺動部12の長さよりも短い点と、張出部の代わりに傾斜部13cが設けられている点を除いて、他の構成は右側の締結器20とほぼ同じであるので、詳しい説明は省略する。
【0026】
次に、上記のような構成を有する締結器20により基本レールを床板に締結して固定する作業手順および外し方について説明する。
締結器20によってレールを締結する際には、先ず板ばね部材21を、バネ挿通用開口部12bのレールと反対側の開口から挿入して、
図5(A)に示すように、先端が張出部12cの下面の係合段差部12dに達するまで押し込む。このとき、板ばね部材21は、摺動部12の側壁に案内されて移動する。また、
図1から分かるように、バネ挿通用開口部12bの上壁に下方へ向かって膨らんだ膨出部12eが設けられているため、板ばね部材21が逆「へ」の字状に形成されていることで、板ばね部材21を差し入れ易くなる。
【0027】
続いて、
図5(B)に示すように、板ばね部材21の後端の下面(掛止部21a)と本体部11のストッパー部14Aとの間に、クサビ部材23の先端を差し入れる。
その後、クサビ部材23の後端面を、ハンマー等で、
図5(B)に示す矢印Cの向き(レールと直交する方向)へ叩いてクサビ部材23を押し込む。すると、板ばね部材21は、その後端が上方へ押し上げられて変形する。そして、クサビ部材23が所定の位置まで押し込まれると、下面の係合部23aが本体部11のストッパー部14Aの爪14aと噛み合うことで、後端が下がるように回動して
図1の状態となる。
【0028】
このとき、板ばね部材21は、摺動部12のバネ挿通用開口部12bの上壁面に設けられている膨出部12eとの接触点を支点として変形するため、板ばね部材21の先端には、てこの原理で下向きに大きな付勢力が作用し、レールの下部フランジを強い力で押圧して弾性締結することができる。
また、クサビ部材23が所定の位置まで押し込まれると、上面のヘッド部23bが、板ばね部材21の後端下面の掛止部21aに係合することで、板ばね部材21がバネ挿通用開口部12bから抜ける方向へ移動するのを防止することができる。そのため、特許文献1に記載されている締結装置のように、クサビが抜けないようにするストッパーをボルトで固定するやり方に比べて作業時間を短縮することができる。
【0029】
また、この実施形態では、クサビ部材23の後端部に上方へ向かって突出した突出部23cが形成されているため、クサビを打ち込む際に、狙いを定め易いとともに、外側から見たときに、板ばね部材21の後端がクサビ部材23の突出部23cの背後に位置することとなる。特許文献2に記載されている締結装置には、クサビが抜けないようにするストッパーの下面にクサビ自身の抜けを防止する係合部が設けられているため、取付けは容易であるが、板ばね部材の横方向からクサビをハンマーで叩く方式であるため、誤って板ばね部材21の側面を叩いて損傷を与えてしまうおそれがあるが、本実施形態の締結器では、誤って板ばね部材21の後端を叩いて損傷を与えてしまうおそれがない。
【0030】
次に、板ばね部材21を締結器から外したい場合には、
図1の状態でクサビ部材23の後部下面に設けられている凹部23d内に、バールの先端を差し込んでクサビ部材23の後端を持ち上げて下面の係合部23aとストッパー部14Aの爪14aと噛み合いを外してそのまま後方へ移動させればよい。また、バールだけでは抜けない場合には、バールによってクサビ部材23の後端を持ち上げた状態で、突出部23cをハンマーで外側方向へ叩いて移動させてやれば、クサビ部材23を簡単に外すことができ、板ばね部材21を引き抜くことが可能になる。
【0031】
このように、本実施形態のレール締結装置は、クサビ部材23の後部下面に凹部23dが設けられているため、バール等の汎用の工具の先端を係合させ易く、作業性が向上するとともに、専用の工具を必要とせずに取り外し作業を行なえるという利点がある。
従って、本実施形態のレール締結装置は、バールとハンマーを用いることで、容易にクサビ部材を取り外したり差し込んだりすることができ、汎用の工具だけで板ばね部材の交換等の作業を行うことができる。
【0032】
また、摺動部12の張出部12cの下面に板ばね部材21の先端が係合可能な係合段差部12dが形成されているため、板ばね部材21を差し込む際に、容易に板ばね部材21を適正な位置に設置することができる。しかも、板ばね部材が逆「へ」の字をなしているため、真っ直ぐなものよりも開口部内へ挿入し易いという利点がある。
さらに、本実施形態のレール締結装置は、板ばね部材の長さや形状(への字の角度)、支点となる膨出部の位置、材料(弾性係数)、クサビの高さ等を変えることで、締結力を自由に設計することができるという利点がある。
【0033】
次に、
図6を用いて、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、摺動部12の張出部12cの下面に板ばね部材21の先端が係合可能な係合段差部12dを設けているが、
図6に示す変形例では、この係合段差部12dは設けられていない。この変形例では、板ばね部材21の後端をクサビ部材23の突出部23cの前面に当接させた状態でハンマー等によりクサビ部材23の後端面を叩いて移動させることで、板ばね部材21を差し込むように板ばね部材21の長さが設定されている。そして、クサビ部材23の下面の係合部23aとストッパー部14Aの爪14aと噛み合うと、クサビ部材23さらには板ばね部材21の抜け止めがなされるように構成されている。
【0034】
従って、この変形例では、クサビ部材23の下面の係合部23aとストッパー部14Aの爪14aと噛み合った際に、ちょうど板ばね部材21の先端が適切な位置にくるように各部の寸法を設計しておくと良い。
この変形例においても、クサビ部材23は板ばね部材21の長手方向すなわちレールと直交す方向に挿入されるため、クサビ部材23をハンマー等で叩くことにより板ばね部材21を変形させつつ押し込むことができ、その際に誤って板ばね部材21をハンマーで叩いて損傷を与えてしまうおそれもないという利点がある。
【0035】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、床板10は、本体部11と摺動部12と保持ブロック13とが一体に形成されていると説明したが、各部が溶接にて接合されたものでもよい。
また、上記実施形態では、基本レール1の左右のフランジとも板ばね部材で押圧して締結するようにした構成について説明したが、
図1の基本レール1の左側(トングレールと反対側)の下部フランジ1bは、従来から用いられているクリップとばね抑えを備えた公知の締結器で締結するようにしても良い。
さらに、上記実施形態のレール締結器は、分岐器以外のレールの締結にも利用することができる。