(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の入隅材は、第1の壁面と第2の壁面で形成される入隅部に取り付けることができる。以下、本発明の入隅材の一例を示して詳しく説明する。
本実施形態の入隅材1は、
図1及び
図2に示すように、ベース部材10と、カバー部材12と、ベース部材10とカバー部材12とを連結する連結部材14と、突出片26とを備えている。
【0012】
(ベース部材)
ベース部材10は、長尺のベース板部16と、ベース板部16の第1のベース面16aにその長さ方向に延びるように設けられた第1の嵌合部18とを備えている。
【0013】
ベース板部16は、入隅部を形成する第1の壁面に固定される板状の部分である。ベース板部16が第1の壁面に固定される際には、第1のベース側端部16bが入隅部と反対側、第2のベース側端部16cが入隅部側となるように、第1のベース面16aと反対側の第2のベース面16dを第1の壁面に向けて、入隅部に沿って固定される。
ベース板部16の長さ方向に垂直な断面形状は、その幅方向において、第1の壁面に取り付けられたときに入隅部側に位置する第2のベース側端部16c寄りの部分が第1のベース面16a側に屈曲している。
【0014】
ベース板部16の第1のベース面16aにおける屈曲部分11よりも第1のベース側端部16b側には、ベース板部16の長さ方向に延びる溝24が形成されている。溝24の幅は、ベース板部16を第1の壁面に固定する際に用いる釘やビスの先端が嵌まり込むような幅に設定されている。溝24が形成されていることにより、釘やビスを打ち込んでベース板部16を第1の壁面に固定する際に釘やビスの先端の位置がずれることを抑制でき、ベース板部16を第1の壁面に固定することが容易になる。
この例の溝24の長さ方向に垂直な断面形状は、半円形状になっている。なお、溝24の長さ方向に垂直な断面形状は、半円形状には限定されず、例えば、V字状等であってもよい。
【0015】
ベース板部16の長さは、特に限定されず、適宜決定できる。ベース板部16の長さは、例えば、900〜3600mmとすることができる。
ベース板部16の幅は、特に限定されず、適宜決定できる。ベース板部16の幅は、例えば、10〜50mmとすることができる。
ベース板部16の厚みは、特に限定されず、適宜決定できる。ベース板部16の厚みは、例えば、0.3〜2.0mmとすることができる。
【0016】
第1の嵌合部18は、幹部18aと嵌合突起部18bとを備えている。
幹部18aは、ベース板部16の第1のベース面16aにおける、屈曲部分11よりも第2のベース側端部16c寄りから突出し、ベース板部16の長さ方向に延びるように突条に形成されている。
嵌合突起部18bは、幹部18aの先端部から第2のベース側端部16c側に突出するように設けられている。この例の嵌合突起部18bにおける長さ方向に垂直な断面形状は、ベース板部16側の面が幹部18aの側面に対して垂直となるような直角三角形になっている。これにより、嵌合突起部18bにおけるベース板部16側の面に、後述する第2の嵌合部22の嵌合突起部22bにおけるカバー板部20側の面が係止されることで、第1の嵌合部18と第2の嵌合部22とが嵌合するようになっている。
【0017】
ベース部材を形成する材料としては、特に限定されず、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ASA樹脂、PET樹脂が好ましい。
ベース部材を形成する材料としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0018】
(カバー部材)
カバー部材12は、長尺のカバー板部20と、カバー板部20の第1のベース面16aと対向する第1のカバー面20aにその長さ方向に設けられた第2の嵌合部22とを備えている。
【0019】
カバー板部20は、入隅材1が入隅部に取り付けられたときに入隅部を隠蔽する長尺の板状部分である。入隅材1が入隅部に取り付けられた状態では、カバー板部20の第1のカバー側端部20bが、入隅部に対してベース板部16が固定される第1の壁面側に配置され、第2のカバー側端部20cが入隅部に対して第1の壁面と反対側の第2の壁面側に配置される。
【0020】
カバー板部20における長さ方向に垂直に切断した断面形状は、第1のカバー面20aにおける幅方向の中央部分が突き出るように湾曲した弓状になっている。これにより、入隅材1を壁面に取り付けたときに、平面視でカバー板部20が入隅部に沿って配置されるため、入隅部の空間をより有効に活用できる。
カバー板部20における第1のカバー側端部20bの断面形状は、第1のカバー面20a側に反り返るように湾曲している。同様に、カバー板部20における第2のカバー側端部20cは、第1のカバー面20a側に反り返るように湾曲している。これにより、入隅材1が入隅部に取り付けられた状態では、カバー板部20における第1のカバー側端部20bと第2のカバー側端部20cが入隅部の両側の第1の壁面と第2の壁面にそれぞれ近づくようになっている。
【0021】
第2の嵌合部22は、幹部22aと嵌合突起部22bとを備えている。
幹部22aは、カバー板部20の第1のカバー面20aにおける、幅方向の中央部分からわずかに第2のカバー側端部20c寄りの位置から突出し、カバー板部20の長さ方向に延びるように突条に形成されている。
嵌合突起部22bは、幹部22aの先端部から第1のカバー側端部20b側に突出するように設けられている。この例の嵌合突起部22bにおける長さ方向に垂直な断面形状は、カバー板部20側の面が幹部22aの側面に対して垂直となるような直角三角形になっている。
【0022】
カバー板部20における第2の嵌合部22の幅方向の位置は、ベース板部16における第1の嵌合部18の幅方向の位置と対応するようになっている。
図3に示すように、カバー板部20をベース板部16に近づけた際に、嵌合突起部18bにおけるベース板部16側の面に、第2の嵌合部22の嵌合突起部22bにおけるカバー板部20側の面が係止されて、第1の嵌合部18と第2の嵌合部22とが嵌合するようになっている。
この例の第1の嵌合部18と第2の嵌合部22とは、着脱自在に嵌合するようになっている。なお、本発明においては、第1の嵌合部と第2の嵌合部とは、一旦嵌合させた後はその嵌合を外すことができないようになっていてもよい。
【0023】
カバー部材を形成する材料としては、特に限定されず、例えば、ベース部材で挙げたものと同じものが挙げられる。
カバー部材を形成する材料としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0024】
(連結部材)
連結部材14は、ベース部材10とカバー部材12の長さ方向に延び、ベース部材10とカバー部材12とを連結する長尺の可撓性の板状部材である。
連結部材14は、ベース板部16の第1のベース側端部16bからベース板部16の幅方向に延出するように設けられている。また、連結部材14におけるベース板部16の第1のベース側端部16b寄りに、カバー板部20の第1のカバー側端部20bが接続されている。このように、連結部材14は、ベース板部16における第1のベース側端部16bと、カバー板部20の第1のカバー側端部20bとに接続されている。
【0025】
連結部材14は、その先端部が第2のベース面16d側に位置するように傾斜して設けられている。これにより、ベース板部16が第1の壁面に固定された状態では、連結部材14が該第1の壁面に押し付けられ、該第1の壁面と入隅材1との間に隙間が生じることが抑制される。
【0026】
ベース板部16に対する連結部材14の傾斜角度θ(
図2)は、連結部材14が第1の壁面に充分に押し付けられて該第1の壁面との間に隙間ができることが抑制される範囲内で、できるだけ小さいことが好ましい。これにより、ベース板部16を第1の壁面に固定した状態でカバー板部20を開いたときに、連結部材14が第1の壁面に過度に強く押し付けられてベース板部16の第1のベース側端部16bが第1の壁面から浮き上がることが抑制されやすくなる。
傾斜角度θは、連結部材14と第1の壁面の間に隙間が生じることの抑制と、ベース板部16の第1のベース側端部16bが浮き上がることの抑制とを両立させやすい点から、110〜175°が好ましく、125〜160°がより好ましい。
【0027】
なお、本発明において、ベース板部に対する連結部材の傾斜角度θとは、ベース板部における第1の壁面側に配置される第2のベース面と、連結部材における該第2のベース面側の面とがなす角度を意味するものとする。この例の傾斜角度θは、ベース板部16における第2のベース面16dと連結部材14における第2のベース面16d側の面14aとのなす角度である。
【0028】
連結部材の形状は、この例の連結部材14のように、先端部に向かうにつれて厚みが薄くなっていることが好ましい。これにより、連結部材が第1の壁面に押し付けられたときに連結部材の先端部側が撓んで該第1の壁面に追従しやすくなる。そのため、連結部材が第1の壁面に過度に押し付けられてベース板部の第1のベース側端部が第1の壁面から浮き上がることを抑制しつつ、連結部材と第1の壁面との間に隙間が生じることを抑制することがさらに容易になる。
【0029】
また、本発明では、連結部材におけるベース板部の第1のベース側端部との接続部分と、カバー板部の第1のカバー側端部との接続部分との間に、長さ方向に凹条が形成されていることが好ましい。
この例の連結部材14においては、ベース板部16の第1のベース側端部16bとの接続部分と、カバー板部20の第1のカバー側端部20bとの接続部分との間に、長さ方向に凹条28が形成されている。凹条28が形成されていることで、ベース板部16を第1の壁面に固定した状態でカバー板部20を開いたときに、連結部材14を第1の壁面に押し付けようとする力が、凹条28が潰れるように連結部材14が変形することで一部逃げる。そのため、カバー板部20が開かれても、連結部材14が第1の壁面に過度に強く押し付けられてベース板部16の第1のベース側端部16bが第1の壁面から浮き上がることが抑制されやすくなる。
【0030】
連結部材とカバー板部との接続部分の厚みを薄くすることも好ましい。例えば、入隅材1のように、カバー板部20における第1のカバー側端部20bの厚みを薄くし、連結部材14におけるカバー板部20との接続部分を薄くすることが好ましい。これにより、ベース板部16を第1の壁面に固定した状態でカバー板部20を開いたときに、それによる連結部材14の変形が小さくなり、連結部材14を第1の壁面に押し付ける力が小さくなる。そのため、カバー板部20が開かれても、連結部材14が第1の壁面に過度に強く押し付けられてベース板部16の第1のベース側端部16bが第1の壁面から浮き上がることが抑制されやすくなる。
【0031】
連結部材を形成する材料としては、特に限定されず、ベース部材及びカバー部材を形成する材料よりも柔軟な樹脂が好ましい。具体的には、連結部材を形成する材料としては、軟質ポリ塩化ビニル樹脂、熱可塑性エラストマー(オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等)が好ましい。
連結部材を形成する材料としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0032】
(突出片)
突出片26は、カバー板部20の第2のカバー側端部20cに設けられた可撓性の板状部材である。突出片26は、カバー板部20における第2のカバー側端部20cからカバー板部20の幅方向に突出し、かつ第2のカバー側端部20cの長さ方向に延びるように設けられている。
この例の突出片26は、入隅部を形成する第1の壁面にベース板部16を固定した状態で第1の嵌合部18と第2の嵌合部22とを嵌合させた状態で、第2の壁面に近づくように突出して設けられている。そのため、この状態では突出片26の先端部側が第2の壁面に押し付けられるようになっている。
本発明では、このように、カバー板部の第2のカバー側端部に可撓性の突出片が設けられていることが好ましい。これにより、突出片と、該突出片が押し付けられた第2の壁面との間に隙間が生じることが抑制されやすくなる。
【0033】
突出片の形状は、この例の突出片26のように、先端部に向かうにつれて厚みが薄くなっていることが好ましい。これにより、突出片が第2の壁面に押し付けられたときに突出片の先端部側が撓んで第2の壁面に追従しやすくなるため、突出片と第2の壁面との間に隙間が生じることを抑制することがより容易になる。
【0034】
突出片を形成する材料としては、ベース部材及びカバー部材を形成する材料よりも柔軟な樹脂が好ましく、例えば、連結部材を形成する材料として挙げたものと同じものが挙げられる。
突出片を形成する材料としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0035】
(取付方法及び作用機序)
図4及び
図5は、入隅材1を入隅部100に取り付ける各工程を示した図であって、入隅材1を取り付けた入隅部100を水平方向に切断したときの断面図である。以下、入隅材1を第1の壁面110aと第2の壁面112aで形成される入隅部100に取り付ける方法について説明する。
入隅部100においては、ボード材からなる第1の壁110と第2の壁112とのそれぞれの端部が直角に交差している。第1の壁110と第2の壁112の裏側には、下地として柱やボード受け材(不図示)が配置される。また、それら第1の壁110及び第2の壁112の内面には、第1の壁110から入隅部100に沿って第2の壁112までクロス114が貼られている。
【0036】
入隅材1を取り付ける際には、
図4に示す状態に先立って、ベース部材10のベース板部16を、第2のベース面16dが第1の壁面110aに向くように、かつベース部材10の長さ方向が入隅部100の上下方向となるように、第1の壁面110aの入隅部100寄りに入隅部100に沿って配置する。このとき、ベース板部16の第2のベース側端部16cを第2の壁面112aに当接させることで、第1の壁面110aにおけるベース板部16の横方向の位置を容易に決めることができる。また、ベース板部16の第2のベース側端部16c側の部分は第1のベース面16a側に向かって屈曲している。そのため、ベース板部16は第1のベース側端部16bから屈曲部分11までが第1の壁面110aに接しており、入隅部100には接しない。そのため、入隅部100でクロス114が浮いていたとしても、ベース板部16がクロス114の浮いた部分に当たってクロス114が破れることが抑制される。
【0037】
このようにベース部材10が第1の壁面110aに配置され、カバー部材12は開いた状態で、
図4に示すように、ベース板部16の溝24の位置においてベース板部16と第1の壁110に釘200が打ち込まれることで、ベース部材10が第1の壁面110aに固定される。このとき、釘200が第1の壁110の裏側に位置するボード受け材(不図示)まで打ち込まれることで、ベース部材10が第1の壁面110aにしっかりと固定される。
また、ベース部材10が第1の壁面110aに固定された状態では、連結部材14は、その先端部側が撓んだ状態で第1の壁面110aに押し付けられる。これにより、入隅材1と第1の壁面110aとの間に隙間が生じることが抑制される。
【0038】
次いで、カバー部材12を、第1の壁面110aに固定されたベース部材10側に閉じるように動かし、
図5に示すように、第1の嵌合部18と第2の嵌合部22とを嵌合させる。このとき、突出片26はその先端部側が撓んだ状態で第2の壁面112aに押し付けられる。これにより、入隅材1と第2の壁面112aの間に隙間が生じることが抑制されやすくなる。また、突出片26が押し付けられて撓んだ状態から元の形状に戻ろうとする反発力により、カバー部材12にはベース部材10から遠ざかる方向に力が加わる。そのため、嵌合突起部18bにおけるベース板部16側の面に、第2の嵌合部22の嵌合突起部22bにおけるカバー板部20側の面が強く係止されることで、第1の嵌合部18と第2の嵌合部22とがしっかりと嵌合される。このように、入隅材1は接着剤等を用いなくても簡単に施工できる。
【0039】
ベース部材10が第1の壁面110aに固定され、第1の嵌合部18と第2の嵌合部22とが嵌合された状態では、カバー部材12のカバー板部20によって入隅部100が隠蔽される。そのため、第1の壁110や第2の壁112が地震等により振動して、入隅部100でクロス114が裂けても、その避けた部分を入隅材1で隠蔽することができ、入隅部100の意匠性を安定して維持できる。
【0040】
また、入隅材1では、ベース部材10は第1の壁面110aに固定されているが、カバー部材12は第2の嵌合部22が第1の嵌合部18と嵌合されているだけで、第1の壁面110aにも第2の壁面112aにも固定されていない。すなわち、入隅材1は第1の壁面110aのみに固定されている。そのため、第1の壁110が地震等でその平面方向に横揺れし、第1の壁110が第2の壁面112aから離れるように動いても、第1の壁面110aのみに固定されている入隅材1には負荷がかからず、入隅材1が破損することが抑制される。第2の壁112が振動する場合も同様に、第2の壁112が動いても第1の壁面110aのみに固定されている入隅材1には負荷がかからず、入隅材1が破損することが抑制される。
また、入隅材1は、ボード受け材が第1の壁110の裏側のみに存在し、第2の壁112の裏側には存在しない場合でも釘200を用いて入隅部100にしっかりと取り付けることができる。
【0041】
また、入隅材1は第1の壁面110aのみに固定されており、また第1の嵌合部18と第2の嵌合部22との嵌合は着脱自在になっている。そのため、例えば第1の壁面110aや第2の壁面112aのクロス114を貼り代える場合にも、第1の壁面110aと第2の壁面112aの両方に固定されている入隅材に比べて、容易に取り外すことができる。特に、第2の壁面112aのみでクロス114を貼り代える場合には、第1の嵌合部18と第2の嵌合部22との嵌合を外すのみで対応できるため、メンテナンス性が良好である。第1の壁面110a又は第2の壁面112aのいずれか一方のクロス114を貼り代えた場合には、貼り代えたクロスの側端部をカバー部材12で隠蔽できるため、意匠性に優れる。
【0042】
(製造方法)
入隅材1の製造方法としては、特に限定されず、例えば、ベース部材及びカバー部材を形成する樹脂と、連結部材及び突出片を形成する樹脂を用いた共押出成形等が挙げられる。
【0043】
以上説明したように、本発明の入隅材を入隅部に取り付けることで、カバー部材によって入隅部が隠蔽される。そのため、第1の壁面から入隅部に沿って第2の壁面まで貼り付けられたクロスが地震等による壁の振動で裂けても、その裂け目が隠れるために入隅部の意匠性を安定して維持することができる。また、第1の壁面と第2の壁面にそれぞれ貼り付けたクロスの側端部を入隅部で突き合わせて、本発明の入隅材を入隅部に取り付けた場合も、クロスの側端部を隠蔽できるため、意匠性が向上する。
また、本発明の入隅材においては、入隅部を形成する第1の壁面にベース部材が固定され、該ベース部材の第1の嵌合部に第2の嵌合部が嵌合されてカバー部材が装着される。このように、本発明の入隅材は、第1の壁面のみに固定され、第2の壁面には固定されないため、第1の壁面と第2の壁面が入隅部において互いに離れる方向に振動しても入隅材に負荷がかからず、破損しにくい。
また、本発明の入隅材は、入隅部を形成するボード材からなる2つの壁のうち一方の裏側にだけボード受け材が存在する場合でも、該ボード受け材が存在する側の壁面に釘等でしっかりと固定することができる。
【0044】
なお、本発明の入隅材は、前記した入隅材1には限定されない。
例えば、本発明の入隅材は、
図6に例示した入隅材2であってもよい。
図6における
図3と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。
入隅材2は、ベース板部16の代わりにベース板部16Aを備える以外は入隅材1と同じである。ベース板部16Aは、長さ方向に垂直な断面において、第1のベース側端部16bと屈曲部分11の間の部分が、第2のベース面16d側に断面台形状の凹部30が形成されるように部分的に突き出ており、さらに凹部30内に4つの凸条32が長さ方向に並行して形成されている以外は、ベース板部16と同じである。
【0045】
入隅材2においては、凹部30は接着剤溜まりとして機能する。ビスや釘等による固定に加えて、凹部30に接着剤を塗布してベース板部16Aを壁面に固定することで、ベース板部16Aをより強固に第1の壁面に固定することができる。
入隅材2においても、入隅材1と同様に、入隅部におけるクロスの裂け目や側端部を隠蔽できるうえ、一方の壁面のみに固定されるため地震等で壁面が振動しても破損しにくい。
【0046】
また、本発明の入隅材は、
図7に例示した入隅材3であってもよい。
図7における
図3と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。
入隅材3は、ベース部材10の代わりにベース部材10Bを備え、カバー部材12の代わりにカバー部材12Bを備えている。
ベース部材10Bは、長さ方向に垂直な断面において、第1のベース側端部16bから第2のベース側端部16cまで屈曲部分がないベース板部16Bと、ベース板部16Bの第1のベース面16a側に設けられた第1の嵌合部18Bとを備えている。
【0047】
第1の嵌合部18Bは、ベース板部16Bの第1のベース面16aから立ち上がる突条の第1のアーム部18c及び第2のアーム部18dにより形成されている。第1のアーム部18cには、先端部に第2のアーム部18dに向かって突き出る突起部18eが設けられている。同様に、第2のアーム部18dには、先端部に第1のアーム部18cに向かって突き出る突起部18fが設けられている。
【0048】
カバー部材12Bは、カバー板部20Bと第2の嵌合部22Bとを備えている。
カバー板部20Bは、長さ方向に垂直な断面において、第1のカバー側端部20bと第2のカバー側端部20cの間の部分が、平板状でその幅方向の中央部分が垂直に屈曲した形状になっている。また、第1のカバー側端部20bと第2のカバー側端部20cは、それぞれ第1のカバー面20a側に立ち上がっている。
第2の嵌合部22Bは、カバー板部20Bの第1のカバー面20aにおける、第1のカバー側端部20bと屈曲部分21の間の屈曲部分21寄りから突出し、カバー板部20Bの長さ方向に延びるように突条の幹部22cと、幹部22cの先端部に形成された球状の頭部22dとを備えている。
【0049】
入隅材3では、入隅部を形成する第1の壁面に、ベース部材10Bのベース板部16Bをビスや釘等で固定する。そして、第2の嵌合部22Bの頭部22dを第1の嵌合部18の第1のアーム部18cと第2のアーム部18dの間に嵌め込んで、カバー部材12Bをベース部材10Bに装着することで、入隅材3を入隅部に取り付けることができる。
入隅材3においても、入隅材1と同様に、入隅部におけるクロスの裂け目や側端部を隠蔽できるうえ、一方の壁面のみに固定されるため地震等で壁面が振動しても破損しにくい。
【0050】
また、本発明の入隅材は、連結部材を備えず、ベース部材とカバー部材とが別々になっていてもよい。例えば、本発明の入隅材は、
図8に例示した入隅材4であってもよい。
入隅材4は、ベース部材10Cと、カバー部材12Cと、突出片26と、突出片34とを備えている。
ベース部材10Cは、長さ方向に垂直な断面において、第1のベース側端部16bから第2のベース側端部16cまで屈曲部分がないベース板部16Cと、ベース板部16Cの第1のベース面16a側に設けられた第1の嵌合部18Cとを備えている。
【0051】
第1の嵌合部18Cは、ベース板部16Cにおける第2のベース側端部16cの第1のベース面16a側から立ち上がる突条の第1板部18gと、第1板部18gの先端部から第1のベース側端部16b側に垂直に延びる第2板部18hと、第2板部18hの先端部からベース板部16C側に突き出る嵌合突起部18iとを備えている。
【0052】
カバー部材12Cは、カバー板部20Cと第2の嵌合部22Cとを備えている。
カバー板部20Cは、長さ方向に垂直な断面において、第1のカバー側端部20bと第2のカバー側端部20cの間の部分が、平板状でその幅方向の中央部分が垂直に屈曲した形状になっている。また、第1のカバー側端部20bと第2のカバー側端部20cは、それぞれ第1のカバー面20a側に立ち上がっている。また、カバー板部20Cにおける屈曲部分21には、第1のカバー側端部20bと反対側に突出し、長さ方向に延びる突出部23が形成されている。
第2の嵌合部22Cは、カバー板部20Cにおける第1のカバー側端部20bと屈曲部分21との間の第1のカバー面20a側から立ち上がる突条の第1板部22eと、第1板部22eの先端部から突出部23側に垂直に延びる第2板部22fと、第2板部22fの先端部からカバー板部20C側に突き出る嵌合突起部22gとを備えている。
【0053】
突出片34は、カバー板部20の第1のカバー側端部20bに設けられた可撓性の板状部材である。突出片34は、カバー板部20における第1のカバー側端部20bからカバー板部20の幅方向に突出し、かつ第1のカバー側端部20bの長さ方向に延びるように設けられている。突出片34は、入隅部を形成する第1の壁面にベース板部16Cを固定し、第1の嵌合部18Cと第2の嵌合部22Cとを嵌合させた状態で、第1の壁面に近づくように突出して設けられている。これにより、この状態では突出片34の先端部側が第1の壁面に押し付けられるようになっている。そのため、突出片34と、突出片34が押し付けられた第1の壁面との間に隙間が生じることが抑制されやすくなる。
【0054】
入隅材4では、入隅部を形成する第1の壁面に、ベース部材10Cのベース板部16Cをビスや釘等で固定する。そして、ベース部材10の第1の嵌合部18Cに第2の嵌合部22Cを嵌合させ、カバー部材12Cをベース部材10Cに装着することで、入隅材4を入隅部に取り付けることができる。
第1の嵌合部18Cと第2の嵌合部22Cとを嵌合させた状態では、カバー板部20の第1のカバー側端部20bに設けられた突出片34が第1の壁面に押し付けられ、第2のカバー側端部20cに設けられた突出片26が第2の壁面に押し付けられる。そのため、突出片26と突出片34の反発力によってカバー部材12Cにはベース部材10Cから離れようとする方向に力がかかるため、第1の嵌合部18Cと第2の嵌合部22Cとがしっかりと嵌合し、カバー部材12Cがベース部材10Cに安定して装着される。
【0055】
入隅材4においても、入隅材1と同様に、入隅部におけるクロスの裂け目や側端部を隠蔽できるうえ、一方の壁面のみに固定されるため地震等で壁面が振動しても破損しにくい。
【0056】
本発明の入隅材は、取り扱い性に優れ、また1つの金型で容易に成形できる点では、入隅材1〜3のようなベース部材とカバー部材とが連結部材で連結された態様が好ましい。
また、本発明の入隅材は、第1の嵌合部と第2の嵌合部が、一旦嵌め込んだら外れない態様になっているものであってもよい。このような第1の嵌合部と第2の嵌合部を備える入隅材であっても、入隅部におけるクロスの裂け目や側端部を隠蔽できるうえ、一方の壁面のみに固定されるため地震等で壁面が振動しても破損しにくくなるという効果は得られる。ただし、メンテナンス性を考慮する場合、第1の嵌合部と第2の嵌合部は、着脱自在に嵌合できるものであることが好ましい。