特許第6706907号(P6706907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6706907
(24)【登録日】2020年5月21日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】火災報知設備及び消防設備
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20200601BHJP
【FI】
   G08B17/00 B
   G08B17/00 E
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-241023(P2015-241023)
(22)【出願日】2015年12月10日
(65)【公開番号】特開2017-107421(P2017-107421A)
(43)【公開日】2017年6月15日
【審査請求日】2018年12月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(72)【発明者】
【氏名】宮下 直之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真一
【審査官】 吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−155291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B17/00−17/12
23/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
火災感知器の火災信号を受信すると、他設備へ連動信号及び/又は移報信号を出力する火災受信機を備えた火災報知設備と、前記連動信号及び/又は前記移報信号を受信し、非常時の動作をする前記他設備と、を有する消防設備において、
前記火災受信機は、非火災時に押下する非火災スイッチを備え、
該非火災スイッチが押下されると、前記火災受信機は連動信号及び/又は前記移報信号を遮断した後、前記火災感知器及び前記火災受信機を復旧する復旧信号を出力すると共に、前記他設備へ復帰信号及び/又は他設備復旧信号を出力し、
前記他設備は、前記復帰信号及び/又は前記他設備復旧信号を受信すると、当該他設備を復帰及び/又は復旧すると共に、復旧した後、前記火災受信機に復帰完了信号及び/又は他設備復旧完了信号を出力し、
前記火災受信機は、前記復帰完了信号及び/又は前記他設備復旧完了信号を受信すると、連動信号及び/又は前記移報信号の遮断を解除することを特徴とする消防設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非常放送設備や防排煙設備と連動する火災報知設備、及び火災報知設備と非常放送設備や防排煙設備等からなる消防設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
火災報知設備は、火災感知器と、火災感知器と接続される火災受信機と、を有する。火災が発生すると、火災感知器が火災受信機に火災信号を出力する。火災受信機は火災信号を受信すると、火災を報知するために自身が鳴動し、地区音響も鳴動させ、火災の状態を保持する。
【0003】
防災センター等に配置される防災センター要員は、火災受信機が火災を報知すると、火災を感知した区域を確認しに行き、非火災であった場合には、火災報知設備を復旧する作業を行う。一般的に、火災報知設備の復旧は、火災受信機に設けられる復旧スイッチを操作して行う。(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−274564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、火災報知設備の復旧は、火災受信機の復旧スイッチを押下する前に、操作しなければならない作業が多くある。
例えば、地区音響は、地区音響停止/解除スイッチを押して地区音響を停止した後、復旧スイッチを操作し、さらに地区音響停止/解除スイッチを押して、地区音響の停止状態を解除する必要がある。
【0006】
また、火災受信機は、火災であると判断すると、消防設備の一つである防排煙設備に連動信号を出力し、非常放送設備やエレベーター設備等の他設備に移報信号を出力する。火災報知設備を復旧するには、連動遮断スイッチや移報遮断スイッチ、又はそれら両方を遮断する一括遮断スイッチを押下し、連動信号や移報信号を遮断した後、防排煙設備の復帰操作や非常放送設備等の他設備の復旧操作を行う。そして、火災受信機で復旧スイッチを押し、火災報知設備を復旧した後に、連動遮断スイッチや移報遮断スイッチを再度押し、連動信号や移報信号の遮断を解除する必要がある。
このように、火災報知設備の復旧は、多くの作業が伴う。
【0007】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、復旧、復帰の操作の手間を低減させる火災報知設備及び消防設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、火災感知器の火災信号を受信すると、他設備へ連動信号及び/又は移報信号を出力する火災受信機を備えた火災報知設備において、火災受信機は、非火災時に押下する非火災スイッチを備え、該非火災スイッチが押下されると、連動信号及び/又は移報信号を遮断した後、火災感知器及び火災受信機を復旧する復旧信号を出力することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明は、火災感知器の火災信号を受信すると、他設備へ連動信号及び/又は移報信号を出力する火災受信機を備えた火災報知設備と、連動信号及び/又は移報信号を受信し、非常時の動作をする他設備と、を有する消防設備において、火災受信機は、非火災時に押下する非火災スイッチを備え、該非火災スイッチが押下されると、火災受信機は連動信号及び/又は移報信号を遮断した後、火災感知器及び火災受信機を復旧する復旧信号を出力すると共に、他設備へ復帰信号及び/又は他設備復旧信号を出力し、他設備は、復帰信号及び/又は他設備復旧信号を受信すると、当該他設備を復帰及び/又は復旧することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、押下すると、火災受信機が連動信号及び/又は移報信号を遮断した後、火災感知器及び火災受信機を復旧する復旧信号を出力する非火災スイッチを設けたので、火災報知設備の復旧の操作が容易になる。
【0011】
また、本発明は、押下すると、火災受信機が連動信号及び/又は移報信号を遮断した後、火災感知器及び火災受信機を復旧する復旧信号を出力すると共に、他設備へ復帰信号及び/又は他設備復旧信号を出力する非火災スイッチを設けたので、消防設備の復旧、復帰が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る実施の形態1乃至3に係る消防設備の概要を示す全体図である。
図2】本発明に係る実施の形態1の火災受信機の要部を示すブロック図である。
図3】本発明に係る実施の形態1の連動制御装置の要部を示すブロック図である。
図4】本発明に係る実施の形態1の非常放送制御装置の要部を示すブロック図である。
図5】本発明に係る実施の形態2の火災受信機の要部を示すブロック図である。
図6】本発明に係る実施の形態2の連動制御装置の要部を示すブロック図である。
図7】本発明に係る実施の形態2の非常放送制御装置の要部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照して、火災報知設備100、消防設備500の基本的な構成について説明した後、図2乃至図4を参照して、本発明に係る火災報知設備100及び消防設備500の構成及び動作について説明する。
なお、本発明に係る消防設備500は、ここでは、火災報知設備100に防排煙設備200及び非常放送設備300を加えたものとして説明するが、それだけに限らず、火災報知設備100に、火災報知設備100からの連動信号、移報信号により動作する他設備、例えば、エレベーター設備や避難誘導設備、空調設備等を加えたものであれば、何でも消防設備500に該当する。
【0014】
・実施の形態1
<消防設備500の構成>
図1を参照して、消防設備500の構成について説明する。
消防設備500は、火災報知設備100と、防排煙設備200と、非常放送設備300とからなる(防排煙設備200と非常放送設備300は他設備に相当)。火災報知設備100が火災と判断したときに、火災報知設備100と連動して防排煙設備200及び非常放送設備300が動作する。
【0015】
火災報知設備100は、火災を検出すると火災信号を出力する火災感知器40と、火災感知器40と有線又は無線で接続され、火災感知器40が出力する火災信号を受信し、火災の判断を行う火災受信機1と、を有する。
【0016】
火災受信機1は、後述する連動制御装置20、非常放送制御装置30と有線又は無線で接続され、火災と判断したときに、連動制御装置20に連動信号を出力し、非常放送制御装置30に移報信号を出力する。
なお、火災受信機1から出力される信号は、火災報知設備100と共に設けられる他設備の種類によって異なり、連動信号だけ出力する場合もあれば、移報信号だけ出力する場合もあり得る。
【0017】
防排煙設備200は、火災報知設備100から連動信号を受信すると起動するもので、排煙口を開口し、火災による煙を外部に放出したり、防火戸21を閉鎖したりする設備である。防排煙設備200は、火災受信機1から出力される連動信号を受信し、起動信号を出力する連動制御装置20と、連動制御装置20からの起動信号で起動する防火戸21と、を有する。
なお、ここでは、連動制御装置20から出力される起動信号により防火戸21が動作するものとして説明するが、防火戸21だけに限らず、排煙口の開口、シャッターの降下等の動作も行われる。
【0018】
非常放送設備300は、火災報知設備100から移報信号を出力すると起動するもので、館内へ非常放送を行う設備である。非常放送設備300は、火災受信機1から出力される移報信号を受信し、放送信号を出力する非常放送制御装置30と、非常放送制御装置30から出力される放送信号を受信して館内放送を行うスピーカー31と、を有する。
【0019】
<火災受信機1の構成>
図2を参照して、火災受信機1の構成について説明する。
2は火災受信機1の制御部で、各種信号を送受信し、火災受信機1の動作を制御している。
【0020】
3は火災信号受信部で、火災感知器40からの出力される火災信号を受信し、火災信号を受信したことを示す信号を制御部2に出力するものである。
【0021】
4は鳴動部で、制御部2が火災であると判断したときに主音響であるスピーカー5を鳴動させるものである。また、制御部2は、図示しない地区音響を鳴動させる。
【0022】
6は主音響停止部で、主音響停止スイッチSW1を押下することで動作し、スピーカー5の鳴動を停止させるものである。
【0023】
7は地区音響停止/解除部で、地区音響停止/解除スイッチSW2を押下することで動作し、地区音響の鳴動を停止させるものである。また、地区音響の鳴動を再開したいときには、再度、地区音響停止/解除スイッチSW2を押下することで、地区音響停止/解除部7が地区音響の鳴動停止状態を解除し、地区音響が再鳴動する。
【0024】
8は連動部で、制御部2が火災と判断したときに、連動信号を防排煙設備200に出力するものである。
【0025】
9は連動遮断部で、連動遮断スイッチSW3を押下することで動作し、防排煙設備200への連動信号の出力を遮断するものである。
【0026】
10は復帰信号出力部で、火災報知設備100の復旧時に、防排煙設備200の防火戸21等を復帰させる復帰信号を出力するものである。
【0027】
11は移報部で、制御部2が火災と判断したときに、非常放送設備300等の他設備に移報信号を出力するものである。
【0028】
12は移報遮断部で、移報遮断スイッチSW4を押下することで動作し、非常放送設備300への移報信号の出力を遮断するものである。
【0029】
13は復旧部で、復旧スイッチSW5を押下することで制御部2に復旧信号を出力するものである。それにより、制御部2が火災感知器40と火災受信機1を火災監視時の状態に戻す。
【0030】
14は非火災断定部で、非火災スイッチSW6を押下することで制御部2に非火災断定信号を出力し、それにより制御部2が火災報知設備100を火災監視状態に戻すものである。
【0031】
15は他設備復旧信号出力部で、他設備(ここでは防排煙設備200及び非常放送設備300)に他設備復旧信号、復帰信号を出力するものである。
【0032】
<非火災スイッチSW6について>
非火災スイッチSW6は火災受信機1の盤面上に設けられ、火災報知設備1が動作して、防災センター要員が現場を確認し、非火災であることを確認したときに押下するスイッチである。
【0033】
非火災スイッチSW6が操作されると、火災報知設備100が火災監視状態に戻るが、復旧スイッチSW5を操作したときの復旧動作との違いを説明する。
【0034】
非火災スイッチSW6を押下しても、復旧スイッチSW5を押下しても、火災感知器40から出力される火災信号はクリアされ、また、火災受信機1が防排煙設備200に出力している連動信号もクリアされる点では同じである。しかし、非火災スイッチSW6を押下した場合、防排煙装置200を復帰させる復帰信号も併せて出力するので、復旧スイッチSW5を押下したときのように、別途、防排煙設備200の復帰信号を出力する操作をしなくて良い。
【0035】
また、他設備へ移報される移報信号は、復旧スイッチSW5ではクリアされないので、事前に移報遮断SW4を操作する必要がある。一方、非火災スイッチSW6は、操作すると移報を遮断すると共に、他設備復旧信号出力部15から他設備復旧信号が出力され、その後、移報信号をクリアされ、移報遮断が解除される。即ち、非火災スイッチSW6を押下するだけで、移報信号がクリアされる。
【0036】
また、地区音響は、復旧スイッチSW5又は、非火災スイッチSW6を押下されるとクリアになる。復旧スイッチSW5を押下する前に、地区音響停止/解除スイッチSW2を押下した場合、復旧スイッチSW5の操作後、地区音響の停止状態を解除するために、再度、地区音響停止/解除スイッチSW2を押下する必要がある。一方、非火災スイッチSW6では、事前に地区音響停止/解除スイッチSW2を押下した場合であっても、非火災スイッチSW6が押下されれば、地区音響の停止状態も解除される。
【0037】
<連動制御装置20の構成>
図3に基づいて、連動制御装置20の構成について説明する。
22は連動制御装置20の制御部で、各種信号を送受信し、連動制御装置20の動作を制御している。
【0038】
24は連動信号受信部で、火災受信機1から出力された連動信号を受信し、連動信号を受信したことを示す信号を制御部22に出力するものである。
【0039】
26は起動部で、連動制御装置20に接続される防火戸21や図示しない排煙口、シャッター等に接続されている。連動信号受信部24が連動信号を受信すると制御部22から起動部26に信号が出力され、その後、起動部26は防火戸21等に起動信号を出力し、防火戸21等を動作させる。
【0040】
28は復帰信号受信部で、火災受信機1から出力された復帰信号を受信し、復帰信号を受信したことを示す信号を制御部22に出力する。なお、火災受信機1から出力される復帰信号は、非火災スイッチSW6が操作されることで他設備復旧信号出力部15から出力されるものである。
【0041】
29は復帰部で、連動制御装置20に接続される防火戸21や図示しない排煙口、シャッター等に接続されている。復帰信号受信部28が復帰信号を受信すると制御部22から復帰部29に信号が出力され、その後、復帰部29は防火戸21等に復帰信号を出力し、防火戸21等を復帰させる。また、復帰スイッチSW7を押下することでも、復帰部29から防火戸21等に復帰信号を出力させることができる。
【0042】
<非常放送制御装置30の構成>
図4に基づいて、非常放送制御装置30の構成について説明する。
32は非常放送制御装置30の制御部で、各種信号を送受信し、非常放送制御装置30の動作を制御している。
【0043】
33は移報信号受信部で、火災受信機1から出力された移報信号を受信し、移報信号を受信したことを示す信号を制御部32に出力するものである。
【0044】
34は非常放送部で、非常放送制御装置30に接続されるスピーカー31に接続されている。移報信号受信部33が移報信号を受信すると制御部32から非常放送部34に信号が出力され、その後、非常放送部34はスピーカー31に非常放送信号を出力し、スピーカー31から非常放送が流れる。
【0045】
37は復旧部で、復旧スイッチSW8を押下することで復旧信号を制御部32に出力するものである。復旧部32が復旧信号を出力すると、制御部32は非常放送制御装置30を復旧させる。
【0046】
39は他設備復旧信号受信部で、火災受信機1から出力された他設備復旧信号を受信し、他設備復旧信号を受信したことを示す信号を制御部32に出力する。なお、火災受信機1から出力される他設備復旧信号は、非火災スイッチSW6が操作されることで他設備復旧信号出力部15から出力されるものである。
【0047】
<動作説明>
図1乃至4を参照して、火災報知設備100及び消防設備500の動作について説明する。
火災感知器40が火災信号を出力し、火災受信機1の火災信号受信部3で火災信号を受信する。そして、制御部2で火災か非火災かを判断する。制御部2が火災と判断すると、スピーカー5から主音響を鳴動させると共に、図示しない地区音響を鳴動させ、火災を報知する。また、制御部2は、連動部8から他設備の一例である防排煙設備200に連動信号を出力すると共に、移報部11から他設備の一例である非常放送設備300に移報信号を出力する。これにより、防排煙設備200の防火戸21等が非常時の動作をすると共に、非常放送設備300のスピーカー31から非常放送が流れる。
【0048】
上記のように、火災報知設備100が火災を報知し、また消防設備500が非常時の動作をしたときに、防災センター要員は火災の確認をしに現場へ向かう。防災センター要員が、火災が発生していないことを確認した場合、即ち、火災報知設備100の誤報だった場合の火災報知設備100及び消防設備500の復旧操作、並びに火災報知設備100及び消防設備500の動作について、以下に説明する。
【0049】
まず、防災センター要員は、火災受信機1の非火災スイッチSW6を押す。
すると、火災受信機1の制御部2は、連動遮断部9及び移報遮断部12を動作させ、連動遮断及び移報遮断を行う(連動遮断スイッチSW3及び移報遮断スイッチSW4を押した状態と同じ)。そして、他設備復旧信号出力部15から、非常放送設備300に対して他設備復旧信号を出力し、防排煙設備200に対して復帰信号を出力する。防排煙設備200は、復帰信号受信部28で復帰信号を受信し、防火戸21等を復帰させる。一方、非常放送設備300は、他設備復旧信号受信部39で他設備復旧信号を受信し、非常放送設備300を復旧させる。
【0050】
また、火災受信機1の制御部2は、火災感知器40を復旧させて火災信号の出力をクリアにすると共に、主音響停止部6を動作させて主音響を停止し(主音響停止スイッチSW1を押した状態と同じ)、地区音響停止/解除部7を動作させて地区音響を停止させる。このとき、地区音響停止/解除部7は、地区音響停止/解除スイッチSW2が2回押された状態と同じになり、地区音響は火災があれば鳴動する設定の状態になる。
【0051】
次に、防災センター要員は、他設備である防排煙設備200及び非常放送設備300が復帰、復旧しているかを確認しに行く。
【0052】
最後に、防排煙設備200及び非常放送設備300の復帰、復旧を確認したら、火災受信機1の連動遮断及び移報遮断を解除するために、連動遮断スイッチSW3及び移報遮断スイッチSW4(又は両方を一括で遮断、解除する一括遮断スイッチ)を押す。これにより、連動遮断、移報遮断状態が解除される。以上により、消防設備500の復旧が完了となる。
【0053】
・実施の形態2
図5乃至7を参照して、実施の形態2の消防設備500aについて説明する。なお、実施の形態2では、上述の実施の形態1の消防設備500との相違点について主に説明するものとし、実施の形態1に対応している構成については同じ符号をつけて説明を省略する。
【0054】
<火災受信機1aの構成>
図5に基づいて、実施の形態2の火災受信機1aの構成について説明する。
火災受信機1aは、実施の形態1の火災受信機1の構成に加えて、他設備復旧完了信号受信部17を有している。他設備復旧完了信号受信部17は、防排煙設備200aや非常放送設備300a等の他設備から出力される復帰完了信号、復旧完了信号を受信するものである。
【0055】
<連動制御装置20aの構成>
図6に基づいて、実施の形態2の連動制御装置20aの構成について説明する。
連動制御装置20aは、実施の形態1の連動制御装置20の構成に加えて、復帰完了信号出力部27を有している。復帰完了信号出力部27は、連動制御装置20aに接続される防火戸21等の復帰が完了したときに、火災受信機1aに復帰完了信号を出力するものである。
【0056】
<非常放送制御装置30aの構成>
図7に基づいて、実施の形態2の非常放送制御装置30aの構成について説明する。
非常放送制御装置30aは、実施の形態1の非常放送制御装置30の構成に加えて、他設備復旧完了信号出力部38を有している。他設備復旧完了信号出力部38は、非常放送制御装置30aの復旧が完了したときに、火災受信機1aに他設備復旧完了信号を出力するものである。
【0057】
<動作説明>
図1図5乃至7を参照して、火災報知設備100a及び消防設備500aの動作について説明する。なお、ここでは実施の形態1と同様に、防災センター要員が、火災が発生していないことを確認し、消防設備500aを復旧させる操作について説明する。
【0058】
防災センター要員は、火災受信機1aの非火災スイッチSW6を押す。
すると、まず、火災受信機1aの制御部2は、連動遮断部9及び移報遮断部12を動作させ、連動遮断及び移報遮断を行う(連動遮断スイッチSW3及び移報遮断スイッチSW4を押した状態と同じ)。そして、他設備復旧信号出力部15から、非常放送設備300aに対して他設備復旧信号を出力し、防排煙設備200aに対して復帰信号を出力する。防排煙設備200aは、復帰信号受信部28で復帰信号を受信し、防火戸21等を復帰させる。一方、非常放送設備300aは、他設備復旧信号受信部39で他設備復旧信号を受信し、非常放送設備300aを復旧させる。
【0059】
また、火災受信機1aの制御部2は、火災感知器40を復旧させて火災信号の出力をクリアにすると共に、主音響停止部6を動作させて主音響を停止し(主音響停止スイッチSW1を押した状態と同じ)、地区音響停止/解除部7を動作させて地区音響を停止させる。このとき、地区音響停止/解除部7は、地区音響停止/解除スイッチSW2が2回押された状態と同じになり、地区音響は火災があれば鳴動する設定の状態になる。
【0060】
次に、復帰信号を受信して防排煙設備200aが復帰した連動制御装置20aは、復帰が完了したことを示す復帰完了信号を、復帰完了信号出力部27から出力する。
また、他設備復旧信号を受信して非常放送設備300aが復旧した非常放送制御装置30aは、復旧が完了したことを示す他設備復旧完了信号を、他設備復旧完了信号出力部38から出力する。
【0061】
最後に、火災受信機1aは、復帰完了信号、他設備復旧完了信号を他設備復旧完了信号受信部17で受信すると、連動遮断部9と移報遮断部12に信号を出力し、連動遮断及び移報遮断の状態を解除する。以上により、消防設備500aの復旧が完了となる。
【0062】
即ち、防災センター要員は、非火災を確認後、非火災スイッチSW6を1回押すだけで、消防設備500aを復旧させることができる。
【0063】
以上、本発明の実施の形態1及び2によれば、本発明は、以下の構成を備えたものである。
(1)本発明は、火災感知器40の火災信号を受信すると、他設備200、200a、300、300aへ連動信号及び/又は移報信号を出力する火災受信機1、1aを備えた火災報知設備100、100aにおいて、火災受信機1、1aは、非火災時に押下する非火災スイッチSW6を備え、該非火災スイッチSW6が押下されると、連動信号及び/又は移報信号を遮断した後、火災感知器40及び火災受信機1、1aを復旧する復旧信号を出力することを特徴とするものである。
(2)また、本発明は(1)において、火災受信機1、1aは、非火災スイッチSW6が押下され、連動信号及び/又は移報信号を遮断した後、他設備200、200a、300、300aへ復帰信号及び/又は他設備復旧信号を出力することを特徴とするものである。
(3)本発明は、火災感知器40の火災信号を受信すると、他設備200、200a、300、300aへ連動信号及び/又は移報信号を出力する火災受信機1、1aを備えた火災報知設備100、100aと、連動信号及び/又は移報信号を受信し、非常時の動作をする他設備200、200a、300、300aと、を有する消防設備500、500aにおいて、火災受信機1、1aは、非火災時に押下する非火災スイッチSW6を備え、該非火災スイッチSW6が押下されると、火災受信機1、1aは連動信号及び/又は移報信号を遮断した後、火災感知器40及び火災受信機1、1aを復旧する復旧信号を出力すると共に、他設備200、200a、300、300aへ復帰信号及び/又は他設備復旧信号を出力し、他設備200、200a、300、300aは、復帰信号及び/又は他設備復旧信号を受信すると、当該他設備200、200a、300、300aを復帰及び/又は復旧することを特徴とするものである。
(4)また、本発明は(3)において、他設備200a、300aは、復帰信号及び/又は他設備復旧信号を受信して、復帰及び/又は復旧した後、火災受信機1aに復帰完了信号及び/又は他設備復旧完了信号を出力することを特徴とするものである。
(5)また、本発明は(4)において、火災受信機1aは、復帰完了信号及び/又は他設備復旧完了信号を受信すると、連動信号及び/又は移報信号の遮断を解除することを特徴とするものである。
【符号の説明】
【0064】
1、1a 火災受信機、2 制御部、3 火災信号受信部、4 鳴動部、5 スピーカー、6 主音響停止部、7 地区音響停止/解除部、8 連動部、9 連動遮断部、10 復帰信号出力部、11 移報部、12 移報遮断部、13 復旧部、14 非火災断定部、15 他設備復旧信号出力部、17 他設備復旧完了信号受信部、20、20a 連動制御装置、21 防火戸、22 制御部、24 連動信号受信部、26 起動部、27 復帰完了信号出力部、28 復帰信号受信部、29 復帰部、30、30a 非常放送制御装置、31 スピーカー、32 制御部、33 移報信号受信部、34 非常放送部、37 復旧部、38 他設備復旧完了信号出力部、39 他設備復旧信号受信部、40 火災感知器、100、100a 火災報知設備、200、200a 防排煙設備、300、300a 非常放送設備、SW1 主音響停止スイッチ、SW2 地区音響停止/解除スイッチ、SW3 連動遮断スイッチ、SW4 移報遮断スイッチ、SW5 復旧スイッチ、SW6 非火災スイッチ、SW7 復帰スイッチ、SW8 復旧スイッチ。
図1
図2
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図5
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図7