(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両のドアの端面を形成するドア端部パネルと内側面を形成するドア側部パネルとの角部内側に取り付けられ、車体側のストライカと噛合することで前記ドアを閉止位置に保持可能な車両用ドアラッチ装置において、
前記ストライカと噛合可能な噛合機構を操作するための操作機構を収容した操作機構用ハウジングと、
前記操作機構用ハウジングのうち前記ドア側部パネルの内面に対面する面に設けられるコネクタ部と、
前記操作機構用ハウジングの上部に固定されると共に、前記操作機構用ハウジングを上側から覆う覆い部、前記ドア側部パネルの内面に対面する第1貼着部、当該第1貼着部の前部に連続し、前記コネクタ部の上側に位置する第2貼着部及び前記ドア端部パネルの内面に対面する第3貼着部を有するウォータプルーフカバーと、
前記第1、2貼着部及び前記第3貼着部に貼着され、前記ドア端部パネル及び前記ドア側部パネルの内面に押し付けられて、前記ストライカが進入する進入溝及び前記コネクタ部よりも上位をシールする帯状シール部材と、を備えたことを特徴とする車両用ドアラッチ装置。
前記ウォータプルーフカバーは、前記ドア側部パネルの内面に対面する部位に前記ドア側部パネルに設けられた掛止孔に前記ドアの内側から係合する爪部を有することを特徴とする請求項1記載の車両用ドアラッチ装置。
前記爪部を、前記ウォータプルーフカバーのうち前記コネクタ部に近接する位置と、当該位置から離れた位置とに設けたことを特徴とする請求項2記載の車両用ドアラッチ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の車両用ドアラッチ装置においては、ウォータプルーフカバーにより操作機構用ハウジングの上部からの雨水浸入を防止できるが、帯状シール部材がコネクタ部の周囲に貼着される第1のシール部材と、ストライカ進入溝よりも上位に貼着される第2のシール部材とが分割された構成であるため、帯状シール部材に係るコスト上昇を招く問題点を有している。
【0007】
また、特許文献2に記載の車両用ドアラッチ装置においては、帯状シール部材が単一部品で構成されるため、コスト低減を図ることができるものの、車両用ドアラッチ装置を複数種類の車両に共用化した場合、全ての共用車種に亘って、操作機構用ハウジングとインナパネルとの間を確実にシールすることは困難である。
【0008】
その理由は、車両のドアは車種によって形状が異なり、かつインナパネルに形成されるビードの形状、位置も車種毎に異なるためである。これに対応するには、操作機構用ハウジングのうち、インナパネルの内面に対向する面をインナパネルの面形状と合わせる必要がある。しかし、このようにすると、車両用ドアラッチ装置を複数種類の車両に共用化する場合、車両用ドアラッチ装置の中でも極めて大きな専有面積を有する操作機構用ハウジングを車種毎に用意しなければならず、車両用ドアラッチ装置のコスト上昇を招くこととなる。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑み、コスト上昇を抑えて防水性の確保及び共用化を可能にする車両用ドアラッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によると、上記課題は、次のように解決される。
(1)車両のドアの端面を形成するドア端部パネルと内側面を形成するドア側部パネルとの角部内側に取り付けられ、車体側のストライカと噛合することで前記ドアを閉止位置に保持可能な車両用ドアラッチ装置において、前記ストライカと噛合可能な噛合機構を操作するための操作機構を収容した操作機構用ハウジングと、前記操作機構用ハウジングのうち前記ドア側部パネルの内面に対面する面に設けられるコネクタ部と、前記操作機構用ハウジングの上部
に固定されると共に、
前記操作機構用ハウジングを上側から覆う覆い部、前記ドア側部パネルの内面に対面する第1貼着部、当該第1貼着部の前部に連続し、前記コネクタ部の上側に位置する第2貼着部及び前記ドア端部パネルの内面に対面する第3貼着部を有するウォータプルーフカバーと、
前記第1、2貼着部及び前記第3貼着部に貼着され、前記ドア端部パネル及び前記ドア側部パネルの内面に押し付けられて、前記ストライカが進入する進入溝及び前記コネクタ部よりも上位をシールする帯状シール部材と、を備える。
【0011】
上記構成によれば、帯状シール部材をウォータプルーフカバーの
第1、2貼着部及び第3貼着部に貼着したことによって、ウォータプルーフカバーの
第1、2貼着部を、車両用ドアラッチ装置が採用される車両のドア側部パネルの形状に合わせるだけで、操作機構用ハウジングを変更しないで、車両用ドアラッチ装置の共用化を可能にすることができる。
【0012】
(2)上記(1)において、前記ウォータプルーフカバーは、前記ドア側部パネルの内面に対面する部位に前記ドア側部パネルに設けられた掛止孔に前記ドアの内側から係合する爪部を有する。
【0013】
上記構成によれば、ウォータプルーフカバーに設けた爪部がドア側部パネルの掛止孔に係合することによって、ドア側部パネルの内面と貼着部との位置関係の変化を抑えることができ、ドア側部パネルの内面と貼着部との間を長期に亘って確実にシールすることができる。
【0014】
(3)上記(2)において、前記爪部を、前記ウォータプルーフカバーのうち前記コネクタ部に近接する位置と、当該位置から離れた位置とに設ける。
【0015】
上記構成によれば、帯状シール部材をドア側部パネルの内面に確実に押し付けることができ、コネクタ部を含む部分を確実にシールすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、ウォータプルーフカバーに設けた貼着部に帯状シール部材を貼着したことによって、防水効果を高めることができると共に、コスト上昇を抑えて車両用ドアラッチ装置の共用化を可能にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1−3に示すように、車両用ドアラッチ装置1は、前部が車体に上下方向を向く軸廻りに枢支されたフロントドア(以下、ドアと略称する)D内の後端部に配置されると共に、車体側のストライカSと噛合することでドアDを閉止位置に保持する後述の噛合機構を収容する噛合機構用ハウジング4を有する噛合ユニット(符号無し)と、噛合ユニットに連結され噛合機構を操作するための後述の操作機構を収容する操作機構用ハウジング10を有する操作ユニット(符号無し)と、車両ドアラッチ装置1内及び車内への雨水浸入を防止するためのウォータプルーフカバー2及び帯状シール部材3を備えている。
【0019】
ドアDは、外側面を形成するアウタパネルD1と、内側面を形成するインナパネルD2とから構成される。アウタパネルD1には、車外からドアDを開ける場合に操作される図示略のアウトサイドハンドル、及び操作機構をロック/アンロックに切り替える際に操作される図示略のキーシリンダが設けられる。また、インナパネルD2には、車内からドアDを開ける場合に操作される図示略のインサイドハンドル、及び操作機構をロック/アンロックに切り替える際に操作される図示略のロックノブが設けられる。
【0020】
なお、本実施形態で使用するロックとは、操作機構の後述のロッキングレバー16及びサブレバー17がロック位置にあって、アウトサイドハンドル又はインサイドハンドルを操作してもドアDを開けることができない状態を意味し、また、アンロックとは、ロッキングレバー16及びサブレバー17がアンロック位置にあって、アウトサイドハンドル又はインサイドハンドルを操作することでドアDを開けることができる状態を意味するものである。
【0021】
インナパネルD2は、ドアDの内側面を形成するドア側部パネルD21と、ドア側部パネルD21の後端に連続し、ドア側部パネルD21に対して略直角であるドアDの後端面を形成するドア端部パネルD22を有する。ドア側部パネルD21とドア端部パネルD22との角部内側には、ドアDの閉止時、ストライカSが進入可能なストライカ進入孔D23が設けられる。
【0022】
ドア側部パネルD21には、ウォータプルーフカバー2に設けた後述の第1、2爪部2e、2fがドアDの内側から係合可能な第1、2掛止孔D24、D25が設けられる。ドア端部パネルD22には、噛合機構用ハウジング4をドア端部パネルD22の内面に固定するためのボルト6が外側から挿入されるボルト挿入孔D27が複数(本実施形態では3個)設けられる。
【0023】
噛合ユニットは、後面が金属製のカバープレート5により閉塞された前述の合成樹脂製の噛合機構用ハウジング4と、噛合機構用ハウジング4内(噛合機構用ハウジング4とカバープレート5との間に形成される空間)に配置されるラッチ8及びポール9を含む噛合機構とを備える。噛合機構用ハウジング4は、カバープレート5がインナパネルD2のドア端部パネルD22の内面に対面するように、ドア端部パネルD22の内面にボルト6により固定される。
【0024】
噛合機構用ハウジング4には、ドアDの閉止時、ストライカSが進入可能なストライカ進入溝4aが設けられる。ストライカ進入溝4aは、噛合機構用ハウジング4をインナパネルD2に固定した状態で、インナパネルD2のストライカ進入孔D23と重なり合う。
【0025】
本実施形態においては、車両用ドアラッチ装置1のドアDへの取り付け強度を向上させるため、車両ドアラッチ装置1とインナパネルD2との間には、平面視でL字状の補強板7が介在する。補強板7には、インナパネルD2のストライカ進入孔D23と同一形状のストライカ進入孔7a、ボルト6が貫通する通し孔7b及びウォータプルーフカバー2の第1爪部2eが貫通する通し孔7cが設けられる。
が設けられる。
【0026】
図4に示すように、噛合機構を構成するラッチ8及びポール9は、噛合機構用ハウジング4内(噛合機構用ハウジング4とカバープレート5との間に形成される空間)に前後方向を向く軸81、91によりそれぞれ回動可能に枢支される。ドアDの閉止時には、ラッチ8がストライカ進入孔D23、7a及びストライカ進入溝4aに進入するストライカSと噛合すると共に、ポール9が図示略のバネの付勢力によりラッチ8に係合することによって、ラッチ8の開き方向(
図4において時計方向)への回動を阻止してドアDを閉止位置に保持する。
【0027】
噛合機構用ハウジング4の前面には、アウトサイドハンドルに第1ボーデンケーブル19を介して連結されるアウトサイドレバー20と、ポール9と一体的に回動可能な図示略のオープンレバーがそれぞれ枢支される。
【0028】
アウトサイドレバー20は、アウトサイドハンドルの操作に伴って回動し、当該回動をもって、後述のロッキングレバー16及びサブレバー17がアンロック位置にある場合には、オープンレバーを回動させてポール9とラッチ8との係合関係を解除してドアDを開けることができ、ロッキングレバー16及びサブレバー17がロック位置にある場合には、オープンレバーを回動させることができず、ドアDを開けることはできない。
【0029】
図5、6に示すように、操作ユニットは、噛合機構用ハウジング4に固定されると共に、車内側を向く面が合成樹脂製のカバー11により閉塞された合成樹脂製の操作機構用ハウジング10と、操作機構用ハウジング10内(操作機構用ハウジング10とカバー11との間に形成される空間)に配置される操作機構を備える。
図6は、操作機構を明示するため、カバー11を省略して示している。
【0030】
操作機構は、キーシリンダに連結されるキーレバー12と、インサイドハンドルに連結されるインサイドレバー13と、電動モータ14と、電動モータ14の駆動により回動するウォームホイール15と、ロック位置及びアンロック位置に移動可能なロッキングレバー16及びサブレバー17と、キーレバー12の作動をロッキングレバー16に伝達するリンク18とを有して構成される。
【0031】
図6、7に示すように、操作機構用ハウジング10は、噛合機構用ハウジング4の前部を覆う第1ケース部10aと、第1ケース部10aに対して平面視でほぼ直角に形成され、車内側を向く面がカバー11により閉塞された第2ケース部10bとを有する。
【0032】
図5、8に示すように、操作機構用ハウジング10においてドア側部パネルD21の内面に対面する面を形成するカバー11は、第2ケース部10bに配置される操作機構を車内側から覆うようにして第2ケース部10bに固定される。
【0033】
カバー11の下部には、車内側へ向けて突出する庇部11aが設けられる。庇部11aは、カバー11の前後幅全域に亘って後下がり傾斜に設けられる。
【0034】
図8に示すように、連結領域部11bには、インサイドハンドルの操作をインサイドレバー13に伝達するための第2ボーデンケーブル21及びロックノブの操作をロッキングレバー16に伝達するための第3ボーデンケーブル22の導管がそれぞれ固定されると共に、第2ボーデンケーブル21のインナケーブルをインサイドレバー13に連結可能とするための第1長孔11c、及び第3ボーデンケーブル22のインナケーブルをロッキングレバー16に連結可能とするための第2長孔11dが設けられる。なお、連結領域部11bは、必要に応じてカバー11の下部に設けられる図示略のサブカバーにより閉塞される。
【0035】
さらに、カバー11の前部にあって、庇部11a及び連結領域部11bよりも上位には、操作機構用ハウジング10内に配置される電動モータ14及び図示略のスイッチに電気的に接続された端子を内側に配置した車内側が開口する筒状のコネクタ部11eが一体的に形成される。
【0036】
コネクタ部11eは、インナパネルD2のドア側部パネルD21に設けた第2掛止孔D25からドア側部パネルD21外に突出し、図示略のコントローラに接続された外部の電線に設けた図示略のコネクタが接続される。また、コネクタ部11eの周囲のうち、前斜め下方には、帯状シール部材3の後述の第2シール部3bが貼着される貼着部11fが設けられる。なお、ドア側部パネルD21に設けた第2掛止孔D25は、本来の機能はコネクタ部11eを突出させるためのものであるが、本実施形態においてはウォータプルーフカバー2の第2係止爪2fを係合させるための機能をも兼ね備えている。
【0037】
次に、
図6を参照しつつ操作機構について説明する。なお、操作機構は、公知の技術であるので説明は簡単にする。
キーレバー12は、ケース10の第2ケース部10bの最上部に枢支されると共に、第2ケース部10bから車外側へ突出する連結部12aがキーシリンダに図示略のロッド等の操作力伝達部材を介して連結されることによって、キーシリンダの操作に連動して所定角度回動し、当該回動をリンク18を介してロッキングレバー15に伝達する。
【0038】
ロッキングレバー16は、第2ケース部10bに軸23により枢支されると共に、リンク18を介してキーレバー12に連結され、ウォームホイール15を介して電動モータ14に連結され、第3ボーデンケーブル22を介してロックノブに連結されることによって、キーシリンダ、電動モータ14を駆動させるための図示略の操作スイッチ又はロックノブの操作によって、アンロック位置(
図6に示す位置)及びアンロック位置から
図6において反時計方向へ所定角度回動したロック位置に移動する。
【0039】
図8に示すように、ロッキングレバー16の下部に設けた連結部16aは、カバー11の連結領域部11bに設けた第2長孔11dを通して外部に露出することで、第3ボーデンケーブル22のインナケーブルに連結される。
【0040】
サブレバー17は、下端部がアウトサイドレバー20の端部に揺動可能に枢支されると共に、ロッキングレバー16に連結されることによって、ロッキングレバー16と共にアンロック位置(
図6に示す位置)及びアンロック位置から
図6において反時計方向へ所定角度回動したロック位置に回動する。
【0041】
インサイドレバー13は、第2ケース部10bの下部に軸24により枢支されると共に、下端部に設けた連結部13aが第2ボーデンケーブル21のインナケーブルに連結されることによって、インサイドハンドルのドア開操作に連動して、オープン方向(
図6において時計方向)へ所定角度回動する。インサイドレバー13がオープン方向へ回動すると、ロッキングレバー16及びサブレバー17がアンロック位置にある場合には、オープンレバーを介してポール9をラッチ8から外れる解除方向へ回動させてドアDの開きを可能にし、また、ロッキングレバー16及びサブレバー17がロック位置にある場合には、オープンレバーを回動させることができなくなり、ドアDを開くことができない。
【0042】
図8に示すように、インサイドレバー13の連結部13aは、カバー11の連結領域部11bに設けた第1長孔11cを通って外部に露出することで、第2ボーデンケーブル21のインナケーブルに連結される。
【0043】
なお、操作機構用ハウジング10内に配置される操作機構は、本実施形態においては前述の通りであるが、車両ドアラッチ装置1が適用される車種に応じて種々変更されるものであって、本実施形態に限定されるものでなく、車種の仕様に応じて適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0044】
次に、雨水浸入を防止するためのウォータプルーフカバー2及び帯状シール部材3について説明する。
【0045】
図5、8、11に示すように、ウォータプルーフカバー2は、操作機構用ハウジング10と別体で形成されると共に、操作機構用ハウジング10の第2ケース部10bの縁とカバー11の縁とが互いに接合する接合部のうち、上側の上部接合部a(
図11参照)を上側から完全に覆う覆い部2hと、覆い部2hの下端に連続し車内側へ延伸する庇部2gと、庇部2gの先端から垂下しドア側部パネルD21の内面に対面する第1貼着部2aと、第1貼着部2aの前部に連続し、カバー11のコネクタ部11eの周囲のうち上半分を包囲するドア側部パネルD21の内面に対面する第2貼着部2bと、第1貼着部2aの後端に連続しインナパネルD2のドア端部パネルD22の内面に対面する第3貼着部2cを有する。第1、2貼着部2a、2b及び第3貼着部2cには、ウォータプルーフカバー2とインナパネルD2の内面との間をシールする帯状シール部材3が後述のようにして貼着される。
【0046】
覆い部2hは、操作機構用ハウジング10の上部接合部aを覆うことによって、ドアDの上部の隙間(ドアガラスの昇降口)から浸入した雨水が上部接合部aを通って操作機構用ハウジング10内に浸入しないようにする。
【0047】
第1、2貼着部2a、2bは、ストライカ進入溝4a及びコネクタ部11eよりも上位にあって、かつインナパネルD2のドア側部パネルD21のうち、車両用ドアラッチ装置1が配置される領域の横断面形状に合うように形成される。本実施形態においては、
図2、9に示すように、ドア側部パネルD21のうち、車両用ドアラッチ装置1の側面、すなわち操作機構用ハウジング10のカバー11の表面に対面する部分には、車内側へ隆起するビードD26が絞り加工により上下方向に向けて形成されているため、第1貼着部2aのうち、ビードD26の内面に対面する部分は、ビードD26の横断面形状に合わせて他の部分より車内側へ向けて隆起する隆起部2dが形成される。
【0048】
但し、車両用ドアラッチ装置1をドア側部パネルD21に本実施形態のようなビードD26が形成されないドアDに採用する場合には、第1貼着部2aには隆起部2dは形成されない。
【0049】
第3貼着部2cは、噛合機構用ハウジング4のストライカ進入溝4aよりも上位にあって、かつ噛合機構用ハウジング4の後面(カバープレート5の表面)との間に段差が生じないように形成される。
【0050】
ウォータプルーフカバー2の第1貼着部2aのうち、隆起部2dよりも後側の部位の下側には、車内側へ向けて突出し、ドア側部パネルD21の第1掛止孔D24及び補強板7の通し孔7cにドアD内から挿入されることで、
図10に示すように、第1掛止孔D24の縁に抜け方向へ係合可能な第1爪部2eが設けられる。第2貼着部2bのうち、帯状シール部材3の後述の第2シール部3bが貼着されない領域の後部には、車内側へ向けて突出し、ドア側部パネルD21の第2掛止孔D25にドアD内から挿入されることで抜け方向へ係合可能な第2爪部2fが設けられる。
【0051】
第1、2爪部2e、2fは、ドア側部パネルD21の第1、2掛止孔D24、D25にドアD内からそれぞれ係合することによって、車両用ドアラッチ装置1をドアD内に取り付ける作業を行う際、車両用ドアラッチ装置1をドアD内に仮止めする機能と、車両用ドアラッチ装置1をドアD内に取り付けた状態にあって、ドア側部パネルD21の内面と当該内面に対面する操作機構用ハウジング10のカバー11の表面との間の隙間が変化しないようにする保持機能を有している。
【0052】
帯状シール部材3は、柔軟性を有するエラストマーにより形成され、ウォータプルーフカバー2の隆起部2dを含む第1貼着部2aに貼着される前後方向へ延伸する第1シール部3a(隆起部2dに貼着される隆起シール部3dを含む)と、第1シール部3aの前端に連続し第2貼着部2bに貼着される側面視く字状の第2シール部3bと、第1シール部3aの後端に連続し第3貼着部2cに貼着される後面視く字状の第3シール部3cとが連続形成される。なお、帯状シール部材3の各貼着部2a、2b、2cへの貼着は、帯状シール部材3の裏面に貼着された両面テープや塗布された接着剤によって行われる。
【0053】
第1シール部3aは、ウォータプルーフカバー2の隆起部2dを含む第1貼着部2aに貼着されることによって、車両用ドアラッチ装置1をドアD内に取り付けた状態では、第1貼着部2aとビードD26を含むドア側部パネルD21の内面との間に押し潰されて介在することによって、第1貼着部2aとビードD26を含むドア側部パネルD21の内面との間をシールする。これにより、ウォータプルーフカバー2の表面を伝わって落ちてきた雨水がストライカ進入溝4aを通って車内に浸入したり、カバー11の下部に設けた連結領域部11bから操作機構用ハウジング10内に浸入したりすることを防止する。
【0054】
第2シール部3bは、第2貼着部2bに貼着されることに加えて、カバー11の貼着部11fにも貼着されるように後斜め下方に向けて延長される。このようにすると、
図8に示すように、第2シール部3bは、コネクタ部11eの周囲のうち、上及び前半分を包囲すると共に、ウォータプルーフカバー2の第2貼着部2bの下端とカバー11の貼着部11fの上端との合わせ部bを塞いだ形態で、第2貼着部2b及び貼着部11fとドア側部パネルD21の内面との間に押し潰されて介在するため、コネクタ部11eの周囲をシールし、雨水がコネクタ部11e内に浸入することを確実に防止する。
【0055】
第3シール部3cは、ストライカ進入溝4aの上方及び車外側を覆うようにして第3貼着部2cに貼着されることによって、車両用ドアラッチ装置1の後面にあって、ストライカ進入溝4aの上位及び車外側の部位をシールする。
【0056】
次に、上述のように構成された車両用ドアラッチ装置1のドアDへの取り付け方法について説明する。
先ず、車両用ドアラッチ装置1をドアDのドア側部パネルD21に設けた作業孔D28からドアD内に入れて、ウォータプルーフカバー2の第1、2の爪部2e、2fをドア側部パネルD21の第1、2掛止孔D24、D25にそれぞれ抜止め係合することで、ドアラッチ装置1をドアD内に仮止めする。この場合、第1爪部2eと第2爪部2fとが互いに前後方向に離れているため、車両用ドアラッチ装置1をドア側部パネルD21に安定した状態で仮保持することが可能となる。
【0057】
次いで、ドアD内に仮止めした車両用ドアラッチ装置1の噛合機構用ハウジング4をボルト6によりインナパネルD2のドア端部パネルD22に固定することで、車両用ドアラッチ装置1のドアDに対する取り付けは完了する。このように、車両用ドアラッチ装置1をドアD内に固定する際、車両用ドアラッチ装置1をドア側部パネルD21に仮止めした状態で行うことができるため、車両用ドアラッチ装置1のドアDに対する取り付け作業を効率的に行うことができる。
【0058】
車両用ドアラッチ装置1をインナパネルD2に取り付けた状態においては、ウォータプルーフカバー2の第1、2爪部2e、2fがドア側部パネルD21の第1、2掛止孔D24、D25にそれぞれ抜止め係合した状態で、帯状シール部材3の第1、2シール部3a、3bがウォータプルーフカバー2の第1、2貼着部2a、2bとドア側部パネルD21との間で押し潰されて、第1、2貼着部2a、2bとドア側部パネルD21の内面との間をシールする。また、第3シール部3cがウォータプルーフカバー2の第3貼着部2cとドア端部パネルD22との間で押し潰されて、第3貼着部2cとドア端部パネルD22の内面との間をシールする。これにより、ストライカ進入溝4a、コネクタ部11e及び連結領域部11bの上位を帯状シール部材3によりシールして、ドアDの上部から浸入した雨水が車内に浸入することを確実に防止することができる。
【0059】
このように、ウォータプルーフカバー2に設けた第1、2爪部2e、2fがドア側部パネルD21に設けた第1、2掛止孔D24、D25にそれぞれ係合することによって、ドア側部パネルD21の内面とウォータプルーフカバー2の1、2貼着部2a、2bとの位置関係が変化しないため、ドア側部パネルD21の内面と第1貼着部2a、2bとの間を長期に亘って確実にシールすることができる。また、第2爪部2fがコネクタ部11eの近接した位置でドア側部パネルD21の第2掛止孔D25に係合し、第1爪部2eが第1貼着部2aの隆起部2dの前側で第1掛止孔D24に係合するため、帯状シール部材3の第1シール部3a及び第2シール部3bをドア側部パネルD21の内面に確実に押し付けることができるため、ドア側部パネルD21の内面とコネクタ部11e及び隆起部2dとの間を確実にシールすることができる。
【0060】
また、帯状シール部材3をウォータプルーフカバー2の各貼着部2a、2b、2cに貼着したことによって、ウォータプルーフカバー2の各貼着部2a、2b、2cのみ、車両用ドアラッチ装置1が採用される車両のドアDのドア側部パネルD21、ドア端部パネルD22の内面の形状に合わせた形状に変更するだけで、車両用ドアラッチ装置1とドア側部パネルD21及びドア端部パネルD22の内面との間を確実にシールすることができる。これによって、ウォータプルーフカバー2のみを変更するだけで、車両用ドアラッチ装置1を多種の車両に対して共用化することができる。
【0061】
また、帯状シール部材3を第1、2シール部3a、3b及び第3シール部3cを連続形成したことによって、帯状シール部材3のコストを下げ、かつ貼着作業時間を短縮することができる。
【0062】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、本実施形態に対して、次のような種々の変形や変更を施すことが可能である。
(a)ウォータプルーフカバー2の第1、2爪部2e、2fを本実施形態で説明した位置以外の位置に設けたり、第1、2爪部2e、2fに加えてさらに他の爪部を設けたりする。
(b)噛合機構及び操作機構を車種に合わせて適宜変更する。