(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6707005
(24)【登録日】2020年5月21日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】葉書付き印刷物
(51)【国際特許分類】
B42D 15/02 20060101AFI20200601BHJP
B42D 15/04 20060101ALI20200601BHJP
【FI】
B42D15/02 501B
B42D15/04 A
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-185893(P2016-185893)
(22)【出願日】2016年9月23日
(65)【公開番号】特開2018-47663(P2018-47663A)
(43)【公開日】2018年3月29日
【審査請求日】2019年5月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000162113
【氏名又は名称】共同印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100193404
【弁理士】
【氏名又は名称】倉田 佳貴
(72)【発明者】
【氏名】古川 純平
【審査官】
藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−276367(JP,A)
【文献】
特開2008−049618(JP,A)
【文献】
特開2005−169833(JP,A)
【文献】
特開2006−015491(JP,A)
【文献】
特開2010−167764(JP,A)
【文献】
特開2006−175722(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3135274(JP,U)
【文献】
米国特許第06053855(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 15/02−15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の紙片及び第2の紙片を有し、
前記第1の紙片が、葉書部及び隠蔽部を有しており、
前記葉書部及び前記隠蔽部が、前記第1の紙片の他の部分から切り離し可能であり、
前記葉書部が、被隠蔽領域を有しており、
前記隠蔽部が、隠蔽粘着層を有しており、それによって前記被隠蔽領域と前記隠蔽粘着層とを対向させて圧着させることにより、前記被隠蔽領域を隠蔽することができ、かつ
前記第1の紙片と前記第2の紙片とが前記隠蔽粘着層を介して剥離可能に粘着されており、かつ
前記第1の紙片と前記第2の紙片との間の一部に、接着層が存在しており、それによって、前記隠蔽粘着層を介して剥離可能に粘着されている前記第1の紙片と前記第2の紙片とを剥離して開封したときに、前記第1の紙片と前記第2の紙片とが冊子状になるようにして綴じられている、
葉書付き印刷物。
【請求項2】
第1の紙片及び第2の紙片を有し、
前記第1の紙片が、葉書部及び隠蔽部を有しており、
前記葉書部及び前記隠蔽部が、前記第1の紙片の他の部分から切り離し可能であり、
前記葉書部が、被隠蔽領域を有しており、
前記隠蔽部が、隠蔽粘着層を有しており、それによって前記被隠蔽領域と前記隠蔽粘着層とを対向させて圧着させることにより、前記被隠蔽領域を隠蔽することができ、かつ
前記第1の紙片と前記第2の紙片とが前記隠蔽粘着層を介して剥離可能に粘着されており、かつ
前記第1の紙片と前記第2の紙片とが互いに繋がっており、それによって、前記隠蔽粘着層を介して剥離可能に粘着されている前記第1の紙片と前記第2の紙片とを剥離して開封したときに、前記第1の紙片と前記第2の紙片とが冊子状になるようにして綴じられている、
葉書付き印刷物。
【請求項3】
前記第1の紙片又は前記第2の紙片が周縁粘着層を有しており、前記第1の紙片と前記第2の紙片とが更に前記周縁粘着層を介して剥離可能に粘着されている、請求項1又は2に記載の印刷物。
【請求項4】
1つ又は複数の第3の紙片を更に有し、前記第3の紙片が、前記第1の紙片又は前記第2の紙片と接着層を介して接着されており、それによって、前記隠蔽粘着層を介して剥離可能に粘着されている前記第1の紙片と前記第2の紙片とを剥離して開封したときに、前記第1の紙片と、前記第2の紙片と、前記第3の紙片とが冊子状になるようにして綴じられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の印刷物。
【請求項5】
第1の紙片及び第2の紙片を有し、
前記第1の紙片が、葉書部及び隠蔽部を有しており、
前記葉書部及び前記隠蔽部が、前記第1の紙片の他の部分から切り離し可能であり、
前記葉書部が、被隠蔽領域を有しており、
前記隠蔽部が、隠蔽粘着層を有しており、それによって前記被隠蔽領域と前記隠蔽粘着層とを対向させて圧着させることにより、前記被隠蔽領域を隠蔽することができ、かつ
前記第1の紙片と前記第2の紙片とが前記隠蔽粘着層を介して剥離可能に粘着されており、かつ
前記第1の紙片又は前記第2の紙片が周縁粘着層を有しており、前記第1の紙片と前記第2の紙片とが更に前記周縁粘着層を介して剥離可能に粘着されている、
葉書付き印刷物。
【請求項6】
1つ又は複数の第3の紙片を更に有し、前記第3の紙片が、前記第1の紙片又は前記第2の紙片と接着層を介して接着されており、それによって、前記隠蔽粘着層を介して剥離可能に粘着されている前記第1の紙片と前記第2の紙片とを剥離して開封したときに、前記第1の紙片と、前記第2の紙片と、前記第3の紙片とが冊子状になるようにして綴じられている、請求項5に記載の印刷物。
【請求項7】
第1の紙片及び第2の紙片を有し、
前記第1の紙片が、葉書部及び隠蔽部を有しており、
前記葉書部及び前記隠蔽部が、前記第1の紙片の他の部分から切り離し可能であり、
前記葉書部が、被隠蔽領域を有しており、
前記隠蔽部が、隠蔽粘着層を有しており、それによって前記被隠蔽領域と前記隠蔽粘着層とを対向させて圧着させることにより、前記被隠蔽領域を隠蔽することができ、かつ
前記第1の紙片と前記第2の紙片とが前記隠蔽粘着層を介して剥離可能に粘着されており、かつ
1つ又は複数の第3の紙片を更に有し、前記第3の紙片が、前記第1の紙片又は前記第2の紙片と接着層を介して接着されており、それによって、前記隠蔽粘着層を介して剥離可能に粘着されている前記第1の紙片と前記第2の紙片とを剥離して開封したときに、前記第1の紙片と、前記第2の紙片と、前記第3の紙片とが冊子状になるようにして綴じられている、
葉書付き印刷物。
【請求項8】
前記隠蔽部が、前記葉書部の上辺側に位置している、請求項1〜7のいずれか一項に記載の印刷物。
【請求項9】
前記葉書部及び前記隠蔽部が、互いに繋がっている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の印刷物。
【請求項10】
前記隠蔽部が、地紋状印刷層を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の印刷物。
【請求項11】
前記葉書部及び前記隠蔽部の使用方法の表示が存在している、請求項1〜10のいずれか一項に記載の印刷物。
【請求項12】
前記第2の紙片のうちの、前記隠蔽粘着層と対向している領域に、剥離剤層が存在している、請求項1〜11のいずれか一項に記載の印刷物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、葉書付き印刷物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷物の一態様として、葉書付き印刷物が知られている。例えば、この印刷物は、流通時には折り畳まれているものであり、かつ開いて葉書を切り離すことにより、葉書を使用することができるものである。このような葉書付き印刷物の具体的態様は、特許文献1及び2に開示されている。
【0003】
特許文献1では、中央紙部と、側紙部とを有している、返信用葉書付き印刷物が開示されている。特許文献1では、中央紙部に繋がっていない側の側紙部の端辺が一部となるように、外周にカット線が形成された返信用葉書が設けられているとしている。また、側紙部が中央紙部側へ折り畳まれた状態で、側紙部及び返信用葉書が、中央紙部と剥離可能に接着されているとしている。
【0004】
特許文献2では、シートの一端部に接着部が形成され、接着部に対向する端部に葉書が形成され、葉書の一部が表出するようにシートが2つに折り畳まれ、接着されて使用される葉書付き封書用シートが開示されている。特許文献2では、葉書の表出部には、受取人の宛先情報が記載されており、葉書の宛先情報が記載された裏側には、差出人の宛先情報が記載されているとしている。
【0005】
なお、特許文献3では、隠蔽シート付き葉書が開示されている。特許文献3では、まず、隠蔽シート付き葉書を見開き状態とし、第1の片に設けられた記入欄に必要事項を記入し、次いで剥離紙を剥がして糊剤を表出させ、そしてミシン目を用いて隠蔽シート付き葉書を2つ折りにして、記入欄を隠蔽するとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015−085553号公報
【特許文献2】特開2006−015491号公報
【特許文献3】特開2011−183716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1及び2の返信用葉書付き印刷物においては、切り取った葉書に記載した情報を隠蔽する手段がない。したがって、電話番号、住所、氏名、暗証番号等の隠蔽を要する情報を記載する用途には不向きである。
【0008】
また、仮にこれらの返信用葉書付き印刷物が有する葉書を、単純に特許文献3に記載の隠蔽シート付き葉書に置き換えたとしても、返信用葉書付き印刷物を開く作業、剥離紙を剥がす作業、及び葉書を切り取る作業が必要となるため、利便性が十分でない。
【0009】
そこで、葉書に記載した情報を容易に隠蔽でき、かつ利便性に優れた葉書付き印刷物を提供する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、鋭意検討したところ、以下の手段により上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記のとおりである:
〈1〉 第1の紙片及び第2の紙片を有し、
上記第1の紙片が、葉書部及び隠蔽部を有しており、
上記葉書部及び上記隠蔽部が、上記第1の紙片の他の部分から切り離し可能であり、
上記葉書部が、被隠蔽領域を有しており、
上記隠蔽部が、隠蔽粘着層を有しており、それによって上記被隠蔽領域と上記隠蔽粘着層とを対向させて圧着させることにより、上記被隠蔽領域を隠蔽することができ、かつ
上記第1の紙片と上記第2の紙片とが上記隠蔽粘着層を介して剥離可能に粘着されている、
葉書付き印刷物。
〈2〉 上記隠蔽部が、上記葉書部の上辺側に位置している、上記〈1〉項に記載の印刷物。
〈3〉 上記葉書部及び上記隠蔽部が、互いに繋がっている、上記〈1〉又は〈2〉項に記載の印刷物。
〈4〉 上記第1の紙片又は上記第2の紙片が周縁粘着層を有しており、上記第1の紙片と上記第2の紙片とが更に上記周縁粘着層を介して剥離可能に粘着されている、上記〈1〉〜〈3〉項のいずれか一項に記載の印刷物。
〈5〉 上記隠蔽部が、地紋状印刷層を有する、上記〈1〉〜〈4〉項のいずれか一項に記載の印刷物。
〈6〉 上記葉書部及び上記隠蔽部の使用方法の表示が存在している、上記〈1〉〜〈5〉項のいずれか一項に記載の印刷物。
〈7〉 上記第2の紙片のうちの、上記隠蔽粘着層と対向している領域に、剥離剤層が存在している、上記〈1〉〜〈6〉項のいずれか一項に記載の印刷物。
〈8〉 上記第1の紙片と上記第2の紙片との間の一部に、接着層が存在しており、それによって上記第1の紙片と上記第2の紙片とが冊子状に綴じられている、上記〈1〉〜〈7〉項のいずれか一項に記載の印刷物。
〈9〉 上記第1の紙片と上記第2の紙片とが互いに繋がっており、それによって上記第1の紙片と上記第2の紙片とが冊子状に綴じられている、上記〈1〉〜〈7〉項のいずれか一項に記載の印刷物。
〈10〉 1つ又は複数の第3の紙片を更に有し、上記第3の紙片が、上記第1の紙片又は上記第2の紙片と接着層を介して接着されており、それによって上記第1の紙片と、上記第2の紙片と、上記第3の紙片とが冊子状に綴じられている、上記〈1〉〜〈9〉項のいずれか一項に記載の印刷物。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、葉書に記載した情報を容易に隠蔽でき、かつ利便性に優れた葉書付き印刷物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、第1の紙片の一態様の概略図である。
図1(a)は、第1の紙片の内面側を示す図であり、
図1(b)は、第1の紙片の外面側を示す図である。
【
図2】
図2は、第2の紙片の一態様の概略図である。
図2(a)は、第2の紙片の内面側を示す図であり、
図2(b)は、第2の紙片の外面側を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の葉書付き印刷物の平面図及び断面図である。
図3(a)は、本発明の葉書付き印刷物の平面図であり、
図3(b)は、
図3(a)の線IIIb−IIIbにおける断面図であり、
図3(c)は、
図3(a)の線IIIc−IIIcにおける断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の葉書付き印刷物の使用方法の説明図である。
図4(a)は、第1の紙片から葉書部及び隠蔽部を切り離した段階を示す図であり、
図4(b)は、被隠蔽領域に隠蔽対象情報を筆記した段階を示す図であり、
図4(c)は、隠蔽対象情報を隠蔽部により隠蔽した段階を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
《葉書付き印刷物》
本発明の葉書付き印刷物は、第1の紙片及び第2の紙片を有し、第1の紙片が、葉書部及び隠蔽部を有しており、葉書部及び隠蔽部が、第1の紙片の他の部分から切り離し可能であり、葉書部が、被隠蔽領域を有しており、隠蔽部が、隠蔽粘着層を有しており、それによって被隠蔽領域と隠蔽粘着層とを対向させて圧着させることにより、被隠蔽領域を隠蔽することができ、かつ第1の紙片と第2の紙片とが隠蔽粘着層を介して剥離可能に粘着されている、葉書付き印刷物である。
【0014】
本発明の葉書付き印刷物によれば、隠蔽部を葉書部の被隠蔽領域に貼り付けることによって、葉書に記載した情報を容易に隠蔽できる。また、この本発明の葉書付き印刷物によれば、第1の紙片と第2の紙片とが隠蔽粘着層を介して剥離可能に粘着されていることによって、第1の紙片及び第2の紙片に記載された情報を見るために第1の紙片と第2の紙片とを剥離して開封することによって、同時に隠蔽粘着層を露出させて利用可能にすることができる。その結果、使用時まで隠蔽粘着層を保護するための剥離紙を用いる必要がなくなるため、剥離紙の使用に伴う追加のコストが生じない。
【0015】
まず、第1の紙片及び第2の紙片の構造の一態様について、
図1及び
図2を参照して説明する。
【0016】
図1(a)及び(b)に示すように、第1の紙片(100)は、葉書部(120)及び隠蔽部(110)を有している。この葉書部(120)及び隠蔽部(110)を、例えば切り離し予定線(106)に沿って、第1の紙片(100)の他の部分から切り離すことができる。また、第1の紙片(100)は、周縁粘着層(102)を有していてもよい。更に、第1の紙片(100)は、剥離きっかけ部(108)を有していることが、第2の紙片から容易に剥離しやすくする観点から好ましい。
【0017】
葉書部(120)は、被隠蔽領域(122)を有している。また、隠蔽部(110)は、隠蔽粘着層(112)を有している。これによれば、被隠蔽領域(122)と隠蔽粘着層(112)とを対向させて圧着させることにより、被隠蔽領域(122)を隠蔽することができる。なお、
図1(a)において、被隠蔽領域(122)に付されている模様は、被隠蔽領域(122)の範囲を明示するために付したものであって、被隠蔽領域(122)を画定する模様等の存在を必須の構成とすることを意図しているものではない。
【0018】
この隠蔽部(110)は、葉書部(120)の上辺側に位置していることが、被隠蔽領域(122)内に隠蔽対象情報を筆記する際に、利き腕にかかわらず手が隠蔽粘着層(112)に接しないようにする観点から好ましい。なお、ここで言及する「上辺」は、葉書部に存在している可視情報及び/又は筆記する隠蔽対象情報が正しい向きで視認できるように葉書部を配置したときの上辺を言うものである。
【0019】
また、葉書部(120)及び隠蔽部(110)は、互いに繋がっていることが、隠蔽部(110)を折り返して被隠蔽領域(122)に圧着させることにより、被隠蔽領域(122)を容易に隠蔽できるようにする観点から好ましい。ここで、「葉書部及び隠蔽部が互いに繋がっている」とは、葉書部及び隠蔽部が一枚の紙により構成されていて、互いに切り離されていないことを意味する。特に、葉書部(120)と隠蔽部(110)との間の境界は、ミシン目により画定されていることが、隠蔽部(110)をより容易に折り返す観点から好ましい。
【0020】
図2に示すように、第2の紙片(200)のうちの、隠蔽部と対向している領域に、剥離剤層(212)が存在していることが、隠蔽部を第2の紙片(200)から容易に剥離する観点から好ましい。また、第2の紙片(200)の周縁の領域にも、剥離剤層(202)が存在していてもよい。
【0021】
次に、本発明の葉書付き印刷物の構造を、
図3を参照して説明する。
【0022】
図3に示すように、本発明の葉書付き印刷物(300)においては、第1の紙片(100)と第2の紙片(200)とは、隠蔽粘着層(112)を介して剥離可能に貼着されている。
【0023】
また、第1の紙片(100)が周縁粘着層(102)を有する場合には、更に周縁粘着層(102)を介して剥離可能に粘着されていてよい。なお、図示しないが、周縁粘着層及び周縁の剥離剤層は、それぞれ第2の紙片及び第1の紙片に存在していてもよい。
【0024】
第1の紙片と第2の紙片とは、互いに繋がっているか、又は
図3に示すように、第1の紙片(100)と第2の紙片(200)との間の一部に、接着層(104)が存在しており、それによって第1の紙片と第2の紙片とが冊子状に綴じられていることが、第1の紙片と第2の紙片とを容易に分離し、それによって第1の紙片から隠蔽部及び葉書を容易に切り離すことができるようにする観点から好ましい。
【0025】
また、図示しないが、本発明の葉書付き印刷物は、1つ又は複数の第3の紙片を更に有していてもよい。この第3の紙片は、第1の紙片又は第2の紙片と接着層を介して接着されており、それによって第1の紙片と、第2の紙片と、第3の紙片とが冊子状に綴じられていてもよい。
【0026】
次に、本発明の葉書付き印刷物の使用方法を、
図4を参照して説明する。
【0027】
まず、粘着層を介して粘着されている第1の紙片と第2の紙片とを剥離して開封する。
【0028】
その後、
図4(a)に示すように、葉書部(120)及び隠蔽部(110)を、第1の紙片(100)の他の部分から切り離し、そして
図4(b)に示すように、葉書部(120)上の被隠蔽領域内に隠蔽対象情報(122a)を筆記する。これらの作業は、逆の順番で行ってもよい。
【0029】
次いで、隠蔽部(110)上の隠蔽粘着層側を、葉書部(120)上の被隠蔽領域に対向させて圧着させることにより、隠蔽部によって隠蔽対象情報(122a)を隠蔽することができる。特に、
図4(a)及び(b)に示すように、葉書部(120)及び隠蔽部(110)が、互いに繋がっている場合には、
図4(c)に示すように、隠蔽部(110)を折り返して葉書部(120)上の被隠蔽領域に圧着させることにより、隠蔽対象情報(122a)を隠蔽することができる。特に、
図4(c)に示すように、隠蔽部(110)が地紋状印刷層を有する場合には、隠蔽対象情報(122a)をより良好に隠蔽できる。
【0030】
また、本発明の葉書付き印刷物の余白部分には、葉書部及び隠蔽部の使用方法の表示が存在していてもよい。この表示としては、筆記すべき隠蔽対象情報及びその位置、隠蔽部による隠蔽方法、記入後にポストに投函すべきこと等を示す表示が挙げられる。
【0031】
この表示は、例えば以下の文言であってよい:
1.上記太枠内の所定事項をボールペンでご記入ください。
2.糊部分をミシン目から折り曲げてください。
3.手で貼り合わせてください。
4.ポストにご投函ください。
【0032】
以下では、本発明の葉書付き印刷物の各構成について説明する。
【0033】
〈第1の紙片〉
第1の紙片は、葉書部、隠蔽部及び随意の周縁粘着層を有している。この葉書部及び隠蔽部は、例えば切り離し予定線に沿って、第1の紙片から切り離し可能である。第1の紙片は、剥離きっかけ部を有していることが、第2の紙片から容易に剥離しやすくする観点から好ましい。
【0034】
第1の紙片は、葉書部及び隠蔽部の重量の合計が、郵便法で規定される2〜6gとなるようにする観点から、四六判(788mm×1091mm)での連量が110kg以上、120kg以上、又は130kg以上であり、かつ330kg以下、320kg以下、又は310kg以下であることが好ましい。
【0035】
{葉書部}
葉書部は、被隠蔽領域を有している。
【0036】
(被隠蔽領域)
被隠蔽領域は、隠蔽対象情報が記載されている、かつ/又は隠蔽対象情報を筆記することができる領域であることができる。
【0037】
{隠蔽部}
隠蔽部は、隠蔽粘着層を有している。これによって、被隠蔽領域と隠蔽粘着層とを対向させて圧着させることにより、被隠蔽領域を隠蔽することができる。また、隠蔽部は、地紋状印刷層を有していることが、隠蔽対象情報を良好に隠蔽する観点から好ましい。
【0038】
(隠蔽粘着層)
隠蔽粘着層としては、第2の紙片剥離可能でかつ再貼付可能な粘着剤を用いることができ、例えば、2EHA(2エチルヘキシルアクリレート)等のガラス転移温度が低いアクリル樹脂をエマルジョン化した粘着剤、微球タイプ粘着剤、硬化剤を添加した粘着剤等の公知の粘着剤を用いることができる。
【0039】
(地紋状印刷層)
地紋状印刷層は、隠蔽部が有することができる印刷層であり、これによれば、隠蔽対象情報を良好に隠蔽することができる。地紋状印刷層は、隠蔽部の片側に存在していてもよく、又は両側に存在していてもよい。
【0040】
{周縁粘着層}
周縁粘着層としては、隠蔽粘着層に関して挙げた粘着剤を用いることができる。
【0041】
{切り離し予定線}
切り離し予定線は、例えばミシン目であることができる。
【0042】
{剥離きっかけ部}
剥離きっかけ部は、第1の紙片と第2の紙片との間に段差を設け、それによって第1の紙片から第2の紙片を容易に剥離できるようにする形態であってよく、例えばタブ、切欠き等の形態であってよい。
【0043】
〈第2の紙片〉
第2の紙片は、隠蔽粘着層及び随意の周縁粘着層を介して第1の紙片と剥離可能に粘着されている紙片である。第2の紙片は、第1の紙片と互いに繋がっていてもよく、又は互いに繋がっていなくてもよい。
【0044】
第1の紙片と第2の紙片とが互いに繋がっていない場合には、第2の紙片は、第1の紙片から容易に剥離しやすくする観点から、四六判での連量が、100kg以下、95kg以下、又は90kg以下であることが好ましく、また第2の紙片の隠蔽性を確保する観点から、50kg以上、60kg以上、又は70kg以上であることが好ましい。
【0045】
また、この連量は、第1の紙片から容易に剥離しやすくする観点から、第1の紙片の四六判での連量の90%以下、85%以下、又は80%以下であることが好ましく、また第2の紙片の隠蔽性を確保する観点から、60%以上、65%以上、又は70%以上であることが好ましい。
【0046】
{剥離剤層}
剥離剤層としては、ニトロセルロース樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、若しくはこれらの混合物、又は水性ニス、油性ニス、紫外線硬化型ニス等を用いることができる。
【0047】
〈接着層〉
接着層は、第1の紙片と第2の紙片との間の一部に存在することができる層である。これによれば、第1の紙片と第2の紙片とを冊子状に綴じることができる。また、接着層は、第2の紙片と1つ又は複数の他の紙片との間に存在し、それによって第2の紙片と1つ又は複数の他の紙片とを冊子状に綴じることもできる。
【0048】
接着層としては、例えばホットメルト接着剤等を用いることができる。
【0049】
〈第3の紙片〉
第3の紙片は、第1の紙片又は第2の紙片と接着層を介して接着されている、1つ又は複数の随意の紙片である。第3の紙片は、剥離きっかけ部を有していることが、第1の紙片又は第2の紙片から容易に剥離しやすくする観点から好ましい。
【符号の説明】
【0050】
100 第1の紙片
102 周縁粘着層
104 接着層
106 切り離し予定線
108 剥離きっかけ部
110 隠蔽部
112 隠蔽粘着層
120 葉書部
122 被隠蔽領域
122a 隠蔽対象情報
200 第2の紙片
202、212 剥離剤層
300 葉書付き印刷物