(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の貯湯式給湯機は、水道から供給した水を加熱手段で温め、温めた湯水を貯湯タンク等に蓄え、貯湯タンク内の湯水を風呂に給湯することで風呂湯張りを行っていた。
【0003】
また、冬の寒い時期では浴槽の湯を温めても浴室は寒く、暖房器具で暖められた部屋から浴室の寒い場所に移動することによるヒートショックが原因でおきる事故を防止または抑制する機能をもった貯湯式給湯機が知られていた。
【0004】
例えば、浴室に備えたリモコンと浴室外に備えたリモコンにそれぞれ設けた温度センサで検出した温度差が予め定められた温度差よりも大きい場合はユーザにヒートショックの危険があることを注意喚起するものがあった(特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のようなものでは、注意喚起を行ってユーザに注意を促すだけで、ヒートショックを回避する具体的な手段が示されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決するため、
ユーザが操作することで、給湯設定温度と風呂設定温度及び湯張りの設定量である風呂設定量を適宜変更できる操作部と、前記操作部で設定した内容を確認及びユーザに所定の動作を促す報知するための表示部と、湯張り完了報告やユーザに所定の動作を促すためのスピーカーとを有したリモコンと、浴槽へ湯張り
する湯張り運転の制御を行う
制御装置と、を設けた風呂給湯機において、前記制御装置には、通常湯張り運転開始時に外気温度あるいは浴室温度が低い場合は、
前記通常湯張り運転を暖房湯張り運転に切り替えると共に暖房湯張り運転の制御を行う暖房湯張り運転制御手段を設け、前記暖房湯張り運転制御手段は、前記暖房湯張り運転開始時に、浴槽の蓋を開けておくことを促す報知を前記表示部と前記スピーカーとで行い、湯張り温度を任意に定められた風呂設定温度よりも高温の所定暖房温度にして湯の供給を開始するようにした。
【0008】
また、
前記暖房湯張り運転制御手段は、前記暖房湯張り運転を開始し、第一の所定量の湯を供給したら、前記暖房湯張り運転制御手段は、任意に定められた風呂設定量もしくは風呂設定水位の時に浴槽内の湯が前記風呂設定温度になるように湯張り温度を調整して供給を続け、前記風呂設定量もしくは前記風呂設定水位に達すると、供給を停止して暖房湯張り運転を終了させるようにした。
【0009】
また、
前記暖房湯張り運転制御手段は、前記暖房湯張り運転を開始し、第二の所定量に達したら、前記暖房湯張り運転制御手段は、第三の所定量の時に浴槽内の湯が前記風呂設定温度になるように、湯張り温度を少なくとも任意に定められた風呂設定温度よりも低温の所定調整温度にして供給を続け、その後第三の所定量に達したら湯張り温度を風呂設定温度にして供給を続け、風呂設定量もしくは風呂設定水位に達すると、供給を停止して暖房湯張り運転を終了させるようにした。
【0010】
また、前記暖房湯張り運転制御手段は、暖房湯張り運転による浴室の温度上昇が所定上昇温度以上であるか確認し、前記暖房湯張り運転が終了すると、前記所定上昇温度未満の場合はヒートショックの危険がある旨の注意喚起の報知を行うようにした。
【発明の効果】
【0011】
このように請求項1の発明によれば、外気温あるいは浴室温度が所定温度より低い場合は、風呂の蓋を開けるように報知することで、湯が風呂内に供給された時に発生する蒸気で浴室内の温度を上昇させてヒートショックを防止し、外気温あるいは浴室温度が所定温度より低い場合は、ヒートショックの危険がないので報知を行わないので、使い勝手の良いヒートショック防止を行うことができる。
【0012】
また、請求項2の発明によれば、前記暖房湯張り運転は、先に風呂設定温度よりも高い温度の湯で湯張りするため、冷たい風呂底部に高温湯の湯が流入し、蒸気を大量に発生させることができ、浴室の温度及び湿度を上昇させ、第一の所定量の湯を供給したら、その後、風呂設定温度及び風呂設定量の湯張りが完了する時には風呂温度が風呂設定温度になるように前記湯張り混合弁の開度を調整し浴槽への供給を続けるので、ユーザが所望の湯張りを完了させることができると共に、浴室内の温度を上昇させて寒い時期の温度変動によるヒートショックを防止することができる。
【0013】
また、請求項3の発明によれば、前記暖房湯張り運転は、先に風呂設定温度よりも高い温度の湯で湯張りするため、冷たい風呂底部に高温湯の湯が流入し、蒸気を大量に発生させることができ、浴室の温度及び湿度を上昇させると共に、第三の所定量に達した時には風呂設定量もしくは風呂設定水位には達してしなくとも風呂設定温度の湯にすることができるので、浴室内の温度を上昇させて寒い時期の温度変動によるヒートショックを防止することができると共に、湯張り途中に入浴を希望するユーザがいても、早期に設定温度の湯を供給することができるので高温による火傷などの危険を抑制することができる。
【0014】
また、請求項4の発明によれば、暖房湯張り運転の開始から終了までの浴室の上昇温度が所定上昇温度以上かを確認し、暖房湯張り運転が終了した時、前記所定上昇温度未満の場合はヒートショックの危険がある旨の注意喚起の報知を行うようにしたことで、風呂の蓋を開け忘れた等の理由で、浴室の温度が上昇しきらなかった場合でも、ユーザにヒートショックの危険があることを知らせることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の貯湯式給湯機の第一実施形態を
図1に基づいて説明する。
1は湯水を貯湯する貯湯タンク、2は貯湯タンク1に給水する給水管、3は貯湯タンク1下部からくみ上げた水を加熱するヒートポンプ式加熱手段、4は貯湯タンク1上部に接続された出湯管である。
【0017】
5は給水管2の途中で分岐する給湯用給水バイパス管、6は貯湯タンク1から取り出した高温水と給湯用給水バイパス管5の給水を適宜の比率で混合して給湯設定温度に調整する給湯混合弁、7は給湯混合弁6で混合された湯水が流れる給湯管、8は給湯管7を流れる流量を検出する給湯フローセンサ、9は給湯管6を流れる湯水の温度を検出する給湯温度センサ、10はユーザが開閉を行うシャワー等の給湯栓である。
【0018】
11は給水管2の途中で分岐する湯張り用給水バイパス管、12は取り出した貯湯タンク1の高温水と風呂用給水バイパス管11の給水を適宜の比率で混合して風呂設定温度に調整する湯張り混合弁、13は湯張り混合弁12で混合された湯水が流れる湯張り管、14は湯張り管13を流れる流量を検出する湯張りフローセンサ、15は湯張り管13の開閉を行う電磁弁、16は湯張り管13を流れる湯水の温度を検出する湯張り温度センサ、17は浴槽である。
【0019】
18は風呂の追い焚き経路である風呂配管、19は風呂往き温度を検出する風呂往き温度センサ、20は貯湯タンク1上部の湯水と熱交換するために設けられた風呂熱交換器、21は風呂配管18の途中で風呂熱交換器20を迂回するように流路の切り替えを行う風呂三方弁である。
【0020】
22はマイコン等からなる、各センサの出力に基づいて所定の演算を行い機器の運転を制御する制御装置、23は温度変更手段、24はユーザが操作することで、給湯及び風呂の設定温度である給湯設定温度と風呂設定温度及び湯張りの設定量である風呂設定量を適宜変更できる操作部を有し、操作した内容を制御装置22に通信可能に接続されたリモコン、25は風呂湯張りスイッチ、26はリモコン24で設定した内容を確認及び報知するための表示部、27は制御装置22で演算した結果に基づき、湯張り完了報告やユーザに所定の動作を促すことを報知するスピーカー、28はリモコン24内部に設けられた浴室内の温度を検出する浴室温度センサである。また、ユーザに所定の動作を促す表示部26とスピーカー27は総称して報知部とする。
【0021】
29は、浴室の温度が低いと制御装置22が判断したときに通常湯張り運転を、浴室の温度を上昇させる暖房湯張り運転に切り替えると共に、暖房湯張り運転の制御を行う暖房湯張り運転制御手段である。
【0022】
次に、沸き上げ運転について説明する。
沸き上げ要求があると貯湯タンク1とヒートポンプ式加熱手段3を繋ぐ配管の途中にある図示しない循環ポンプが駆動して、貯湯タンク1内下部から水をくみ上げ、ヒートポンプ式加熱手段3で温めて貯湯タンク1上部に戻す動作を続ける事により徐々に貯湯タンク1内の水が高温水へと沸き上げられる。
【0023】
次に、給湯動作ついて説明する。
給湯栓10が開かれると給水管2から給水され、貯湯タンク1下部に流入すると共に、給湯用給水バイパス管5を通り、貯湯タンク1上部から押し出された高温水と給湯用給水バイパス管5の給水が給湯混合弁7で混ぜ合わされ、給湯設定温度と給湯温度センサ9で検出された温度が同じなるように調整された湯水が給湯栓10から給湯される。
【0024】
また、通常湯張り運転について説明する。
リモコン24の風呂湯張りスイッチ25が押されると制御装置22が電磁弁15を開状態にして、給水管2から給水を供給し、貯湯タンク1下部に流入すると共に、湯張り用給水バイパス管11を通り、貯湯タンク1上部から押し出された高温水と湯張り用給水バイパス管11の給水が湯張り混合弁12で混ぜ合わされ、風呂設定温度と湯張り温度センサ16で検出された温度が同じになるように調整された湯水が風呂三方弁21で風呂熱交換器20を迂回して浴槽17に流入されることで湯張りが開始される。そして、湯張りフローセンサ14で流れた流量を検出して、流れた流量の合計積算値が風呂設定量分流れたら制御装置22が電磁弁15を閉状態にすることで湯張り運転を終了する。
【0025】
次に、浴室の暖房と湯張りを同時に行う暖房湯張りの第1の実施例について
図2のフローチャート図に基づいて詳しく説明する。
【0026】
風呂湯張りスイッチ26が押されると(S1)、制御装置22はリモコン24に設けた浴室温度センサ28で検出した浴室温度あるいは外気温度センサで検出した外気温等の検出温度が所定温度以下(ここでは15℃以下)であるかを確認する(S2)。
【0027】
もし、所定温度以下である場合(S2がYes)、暖房湯張り運転制御手段29は、浴室内が寒く、ヒートショックの危険があると判断し、通常湯張り運転を暖房湯張り運転に切り替える。まず、暖房湯張り運転制御手段29は、リモコン24の表示部26及びスピーカー27でユーザに風呂の蓋を開くように報知して(S3)、湯張り混合弁12を風呂設定温度(ここでは42℃)よりも高く、浴室に蒸気を大量に発生させることができる予め定められた所定暖房温度(ここでは50℃)になるように開度を開き(S4)、電磁弁を開弁し、暖房湯張りを開始する(S5)。その後、暖房湯張り運転開始から第一の所定量(ここでは100L)なったら(S6)、湯張り温度を少なくとも風呂設定温度よりも低い所定調整温度(ここでは38℃)にし、風呂設定温度及び風呂設定量に湯張りが完了するように湯張り混合弁12の開度を調整する(S7)。
【0028】
ここで、所定調整温度の計算方法について説明します。予め任意に決められた風呂設定温度を42℃で風呂設定量を300L、少なくとも浴室内に蒸気を発生させるための予め定められた所定暖房温度を50℃、湯張り温度の切り替えタイミングである第一の所定量を100Lとしたとき、以下の計算式で第一の所定量後から給湯設定温度にするために行う所定調整温度であるx℃を算出する。100L×(50℃―42℃)=200L×(42℃−x℃)の式により、x℃=38℃と所定調整温度を求めることができる。
【0029】
そして、制御装置22は風呂設定温度(ここでは42℃)及び風呂設定量(ここでは300L)に達したことを確認し(S8)、風呂設定温度及び風呂設定量に達していたら(S8がYes)、電磁弁15を閉状態にして、浴槽17への供給を停止する(S9)。
【0030】
このように、暖房湯張り運転は、先に風呂設定温度よりも高い温度の湯で湯張りするため、冷たい風呂底部に高温湯の湯が流入し、蒸気を大量に発生させることができ、浴室の温度及び湿度を上昇させ、その後風呂設定温度及び風呂設定量の湯張りが完了するように湯張り混合弁12の開度を調整し浴槽17への供給を続けるので、ユーザが所望の湯張りを完了させることができると共に、浴室内の温度を上昇させて寒い時期の温度変動によるヒートショックを抑制することができる。
【0031】
また、風呂湯張りスイッチ25が押されると、浴室が寒く、ヒートショックが起きる危険性があるかを暖房湯張り運転制御手段29が判断し、ヒートショックの危険がある場合は自動で通常湯張り運転を暖房湯張り運転に切り替えるためユーザが毎日のように設定する手間が省けると共に、もし、蓋を開けるのを忘れてしまったとしても完了時にはユーザが所望した風呂設定温度及び風呂設定量で湯張りを行うことができる。
【0032】
また、所定温度以下ではない場合(S2がNo)、制御装置22は湯張り混合弁12の開度を風呂設定温度に対応する開度に開き(S10)、電磁弁15を開弁し、通常湯張り運転を開始する(S11)。その後、風呂設定温度及び風呂設定量に達したことを確認し(S12)、電磁弁15を閉状態にして、浴槽17への供給を停止する(S13)。
【0033】
このように、浴室温度が高く、ヒートショックの危険がないと制御装置22が判断したときは必要の無い暖房湯張り運転を行わずに通常湯張り運転を開始させることができるので、ユーザがわざわざ浴室の温度を確認しに行くなどで運転を切り替える必要がなく、使い勝手の良い湯張り運転を行うことができる。
【0034】
そして、暖房湯張り運転及び通常湯張り運転が完了すると、表示部26及びスピーカー27で湯張り運転が終了したことをユーザに報知する(S14)。
【0035】
次に、前記暖房湯張りの第2実施例について
図3のフローチャート図に基づいて説明する。
【0036】
風呂湯張りスイッチ25が押されると(S15)、制御装置22はリモコン24に設けた浴室温度センサ28で検出した浴室温度が所定温度以下(ここでは15℃以下)であるかを確認する(S16)。
【0037】
もし、所定温度以下である場合(S16がYes)、暖房湯張り運転制御手段29は、浴室内が寒く、ヒートショックの危険があると判断し、通常湯張り運転を暖房湯張り運転に切り替える。まず、暖房湯張り運転制御手段29は、リモコン24の表示部26及びスピーカー27でユーザに風呂の蓋を開くように報知して(S17)、湯張り混合弁12を設定温度(ここでは42℃)よりも高く、浴室に蒸気を大量に発生させることができる予め定められた所定暖房温度(ここでは50℃)になるように開度を開き(S18)、電磁弁15を開弁し、暖房湯張りを開始する(S19)。その後、暖房湯張り開始から第二の所定量(ここでは75L)に達したら(S20)、第二の所定量湯張り後から第三の所定量(ここでは75L、積算湯張り量は150L)に達するまでの間に風呂設定温度となるように、湯張り温度を少なくとも風呂設定温度よりも低い所定調整温度(ここでは34℃)になるように開度を開き、前記所定調整温度で供給を続ける(S21)。
【0038】
ここで、所定調整温度の算出方法について説明します。予め任意に決められた風呂設定温度を42℃で風呂設定量を300L、少なくとも浴室内に蒸気を発生させる予め定められた所定暖房温度を50℃、湯張り温度の切り替えタイミングである第二の所定量と、第二の所定量湯張り後から第三の所定量までをそれぞれ75Lとしたときは、以下の計算式で第二の所定量湯張り後から第三の所定量までの間に給湯設定温度にするために行う所定調整温度であるx℃を算出する。75L×(50℃―42℃)=75L×(42℃−x℃)の式により、x℃=34℃と所定調整温度を求めることができる。
【0039】
そして、第三の所定量に達したら(S22)、湯張り混合弁12の開度を任意に設定された風呂設定温度に対応する開度にして供給を続ける(S23)。
【0040】
そして、制御装置22は風呂設定温度(ここでは42℃)及び風呂設定量(ここでは300L)に達したことを確認し(S24)、風呂設定温度及び風呂設定量に達していたら(S24がYes)、電磁弁15を閉状態にして、浴槽17への供給を停止する(S25)。
【0041】
このように、暖房湯張り運転は、先に風呂設定温度よりも高い温度の湯で湯張りするため、冷たい風呂底部に高温湯の湯が流入し、蒸気を大量に発生させることができ、浴室の温度及び湿度を上昇させ、その後風呂設定温度及び風呂設定量の湯張りが完了するように湯張り混合弁12の開度を調整し浴槽17への供給を続けるので、ユーザが所望の湯張りを完了させることができると共に、浴室内の温度を上昇させて寒い時期の温度変動によるヒートショックを防止することができると共に、湯張り途中に入浴を希望するユーザがいても、早期に設定温度の湯を供給することができるので高温による火傷などの危険を抑制することができる。
【0042】
また、風呂湯張りスイッチ25が押されると、浴室が寒く、ヒートショックが起きる危険性があるかを暖房湯張り運転制御手段29が判断し、ヒートショックの危険がある場合は自動で通常湯張り運転を暖房湯張り運転に切り替えるためユーザが毎日のように設定する手間が省けると共に、もし、蓋を開けるのを忘れてしまったとしても完了時にはユーザが所望した風呂設定温度及び風呂設定量で湯張りを行うことができる。
【0043】
また、所定温度以下ではない場合(S16がNo)、制御装置22は湯張り混合弁12の開度を風呂設定温度に対応する開度に開き(S26)、電磁弁15を開弁し、通常湯張り運転を開始する(S27)。その後、風呂設定温度及び風呂設定量に達したことを確認し(S28)、電磁弁15を閉状態にして、浴槽17への供給を停止する(S29)。
【0044】
このように、浴室温度が高く、ヒートショックの危険がないと制御装置22が判断したときは必要の無い暖房湯張り運転を行わずに通常湯張り運転を開始させることができるので、ユーザがわざわざ浴室の温度を確認しに行くなどで運転を切り替える必要がなく、使い勝手の良い湯張り運転を行うことができる。
【0045】
暖房湯張り運転及び通常湯張り運転が完了すると、表示部26及びスピーカー27で湯張り運転が終了したことをユーザに報知する(S30)。
【0046】
また、暖房湯張り運転終了時の注意喚起について
図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0047】
暖房湯張り運転が終了すると(S31)、暖房湯張り運転制御手段29は暖房湯張り開始時と湯張り運転終了時の浴室の温度変化が所定上昇温度未満(ここでは5℃)であるかを確認し(S32)、所定上昇温度未満であった場合は(S32がYes)、ユーザが湯張り開始時に浴槽の蓋を開け忘れた等で、充分に浴室の昇温ができていないと考えられるので、ユーザにヒートショックの危険があると判断し、ユーザに注意喚起を行うと共に湯張りが完了したことを報知する(S33)。
【0048】
また、所定上昇温度以上であった場合は(S32がNo)、浴室の温度が上昇し、安全に入浴ができると判断して、湯張りの完了のみを報知する(S34)。
【0049】
このように、もし暖房湯張り運転を行ったにも関わらず、浴槽17の蓋を開けなかった等で、浴室温度が上昇しなかった場合でも、ユーザに注意喚起を行うと共に湯張り完了を報知することで、確実にヒートショックを防止することができる。
【0050】
なお、本発明は第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で改変する事を妨げるものではなく、例えば、今回はヒートポンプ式貯湯給湯機を用いて説明したが、貯湯タンク1内にヒーターを設けたものでもよいものとする。また、本発明ではリモコン24に設けた浴室温度センサ28で浴室の状況を確認していたが、ヒートポンプ式加熱手段3を備えた室外機で外気温を検出し、検出温度が低くヒートショックの危険がある場合には通常湯張りか暖房湯張りを切り替えるようにしても良いものである。
【0051】
また、第1実施例の第一の所定量は、風呂設定量300Lを参照して、風呂設定量の1/3湯張り量を第一の所定量としており、第2実施例の第二の所定量、第三の所定量は、風呂設定量300Lを参照して、風呂設定量の1/4湯張り量を第二の所定量、風呂設定量の1/2湯張り量を第三の所定量としているが、この所定量の値は要旨を変更しない範囲で適宜値を変えても良いものである。
【0052】
また、本実施例は第一の所定量、第二の所定量、第三の所定量のように湯張りフローセンサ14で算出した湯張り量で、暖房湯張り運転の湯張り温度の切り替えを行う前記所定量をカウントしていたが、湯張り開始して湯張りフローセンサ14がONになっている経過時間で、前記所定量をカウントしても同様の効果が得られる。また、任意でユーザが変更した風呂設定量や風呂設定温度に応じて、所定量や所定温度、所定暖房温度、所定調整温度は要旨を変更しない範囲で適宜値を変えても良いものである。