(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6707027
(24)【登録日】2020年5月21日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】フォトダイオードリミッタ
(51)【国際特許分類】
H04N 5/3745 20110101AFI20200601BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20200601BHJP
H04N 5/353 20110101ALI20200601BHJP
【FI】
H04N5/3745
H01L27/146 A
H04N5/353
【請求項の数】20
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-536756(P2016-536756)
(86)(22)【出願日】2014年12月10日
(65)【公表番号】特表2017-500797(P2017-500797A)
(43)【公表日】2017年1月5日
(86)【国際出願番号】EP2014077292
(87)【国際公開番号】WO2015086714
(87)【国際公開日】20150618
【審査請求日】2017年12月8日
(31)【優先権主張番号】14/102,463
(32)【優先日】2013年12月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511006720
【氏名又は名称】ジーブイビービー ホールディングス エス.エイ.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】ロッテ ジェロエン
(72)【発明者】
【氏名】センテン ピーター
【審査官】
鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−060519(JP,A)
【文献】
特開平10−248035(JP,A)
【文献】
特開2001−345440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/30−5/378
H01L 27/14−27/148
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージセンサであって、
光に反応するフォトダイオードを有する画素と、
活性化時に、積分時間の間、前記フォトダイオードによって生成された電子を格納回路に転送するように構成された転送回路と、
前記電子に応じて、出力線に印加される出力電圧を生成する格納回路と、
前記フォトダイオードの前記積分時間を制御するように構成されるシャッタ回路と、
前記積分時間中に前記フォトダイオードの光への反応を限定するように構成されるシャッタ制御回路と、
を備え、
前記シャッタ制御回路は、前記出力電圧の過負荷及び前記転送回路の誤った活性化を防止すべく、前記フォトダイオードと前記シャッタ回路との間のノード電圧をしきい値以上に維持するために、前記フォトダイオードがそこに格納される電荷を生成している時の前記積分時間の間及び前記転送回路の活性化の前に、前記シャッタ回路に活性化パルスを適用することによって、前記フォトダイオードの反応を限定するように構成されるイメージセンサ。
【請求項2】
前記シャッタ制御回路は、前記積分時間中に光に反応して前記フォトダイオードにより生成される電圧を限定するように更に構成される請求項1記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記シャッタ制御回路は、閾値未満の減少からの前記積分時間中に光に反応して前記フォトダイオードにより生成される電圧を防ぐように更に構成される請求項1記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記シャッタ回路は、前記ノード電圧として画素電圧を前記フォトダイオードに提供するように更に構成される請求項1記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記フォトダイオードは、前記画素電圧と、前記積分時間中に光に反応して前記フォトダイオードにより生成される電圧との電位差を限定するように更に構成される請求項4記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記シャッタ回路は、トランジスタを更に含み、前記シャッタ回路は、前記トランジスタを通じて前記画素電圧を前記フォトダイオードに結合するように更に構成される請求項4記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記シャッタ制御回路は、前記トランジスタの動作を制御することにより前記積分時間中の前記フォトダイオードの光に反応して反応を限定するように更に構成される請求項6記載のイメージセンサ。
【請求項8】
前記トランジスタは、ゲートを含み、前記シャッタ制御回路は、前記ゲートに印加される電圧を制御することにより前記積分時間中の前記フォトダイオードの光への反応を限定するように更に構成される請求項6記載のイメージセンサ。
【請求項9】
光に反応するフォトダイオードを有する画素イメージセンサを動作するための方法であって、
前記フォトダイオードの積分時間を制御するステップと、
転送回路の活性化時に、積分時間の間、前記フォトダイオードによって生成された電子を格納回路に転送するステップと、
格納回路によって、前記電子に応じて出力線に印加される出力電圧を生成するステップと、
前記出力電圧の過負荷及び前記転送回路の誤った活性化を防止すべく、前記フォトダイオードとシャッタ回路との間のノード電圧をしきい値以上に維持するために、前記フォトダイオードがそこに格納される電荷を生成している時の前記積分時間の間及び前記転送回路の活性化の前に、前記シャッタ回路に活性化パルスを適用することによって、前記積分時間中に前記フォトダイオードの光への反応を限定するステップと、
を含む方法。
【請求項10】
前記フォトダイオードの光への反応を限定するステップは、前記フォトダイオードにより生成された電圧を限定することを含む請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記フォトダイオードの光への反応を限定するステップは、閾値未満の減少からの前記積分時間中に光に反応して前記フォトダイオードにより生成される電圧を防ぐことを含む請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記ノード電圧として画素電圧を前記フォトダイオードに提供するステップを更に含む請求項9記載の方法。
【請求項13】
前記フォトダイオードの光への反応を限定するステップは、前記画素電圧と、前記積分時間中に光に反応して前記フォトダイオードにより生成される電圧との電位差を限定することを含む請求項12記載の方法。
【請求項14】
トランジスタを通じて前記画素電圧を前記フォトダイオードに結合するステップを更に含む請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記積分時間中に前記フォトダイオードの光への反応を限定するステップは、前記トランジスタの動作を制御することを含む請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記積分時間中に前記フォトダイオードの光への反応を限定するステップは、前記トランジスタのゲートに印加される電圧を制御することを含む請求項14記載の方法。
【請求項17】
光に応じて電荷を生成するフォトダイオードと、画像に対する出力電圧を生成するために格納回路に前記電荷を転送する転送回路と、を含む少なくとも1つの画素と、
前記フォトダイオードがそこに格納される電荷を生成している間の前記出力電圧の過負荷及び前記転送回路の誤った活性化の少なくとも1つを防止すべく、しきい値以上にフォトダイオード電圧を維持するように構成されたフォトダイオードリミッタと、
を備えるイメージセンサ。
【請求項18】
前記少なくとも1つの画素を供給電圧に接続し、前記フォトダイオードの積分中に、前記供給電圧と前記フォトダイオード電圧との間の電圧差を制限するトランジスタを更に備える請求項17に記載のイメージセンサ。
【請求項19】
前記フォトダイオードリミッタは、ゲートに結合されるとともに、前記フォトダイオード電圧をリセットするために、前記ゲートに第1の電圧を印加するように構成される請求項18に記載のイメージセンサ。
【請求項20】
前記第1の電圧及び第2の電圧のそれぞれを受信する一対の入力を有する第1のマルチプレクサと、
前記第1のマルチプレクサの出力に結合される一対の入力と、前記トランジスタをオフにする前記第2の電圧よりも低い第3の電圧と、を有する第2のマルチプレクサと、
前記トランジスタのゲートに適用される第1の電圧、前記第2の電圧、及び前記第3の電圧の1つを選択するための前記第1のマルチプレクサ及び前記第2のマルチプレクサを制御するように構成された制御回路と、
を有する請求項19に記載のイメージセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してイメージセンサ、特に、電子シャッタ及びリミッタを有するイメージセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、CMOSイメージセンサ(CIS)技術が、電荷結合素子(CCD:charged coupled device)より普及してきている。モバイル機器をはじめとして、CISは、標準的なCMOSプロセスを用いて製造することができるため、低コストである。CCDは、特殊なプロセスを必要とする。その上、CISは、標準的なCMOSプロセスを使用することにより、一層の機能統合が可能である。例えば、各CIS画素は、バッファを含み、それによりCISの機能をCCDより向上させることができる。近年、CISは、放送システムに採用され始めている。
【0003】
CISは、アクティブマトリクスセンサの例である。CISの画素において、フォトダイオードは、電荷を生成する。フォトダイオードの例は、p−n接合ダイオードである。一実装形態では、フォトダイオードは、正孔電子対を生成する。電子は、フォトダイオードのp拡散領域に蓄積又は積分される。積分期間後、蓄積された電荷は、転送ゲートを介してフローティングディフュージョンに転送される。つまり、フローティングディフュージョン(C)は、電圧(dV)を、蓄積された電荷(dQ)又はdV=dQ/Cから生成し、出力線に結合される。一態様では、フローティングディフュージョンは、格納要素として機能する。フローティングディフュージョンの電圧は、バッファを介して出力線に結合される。
【0004】
別の態様では、CISは、上記画素の配列(列及び行)を含む。一実装形態では、出力線は、配列の
列線として機能できる。画素は、
行ごとに順に出力線に結合される。出力線に結合される出力回路は、更なる決定機能を実行する。例えば、出力回路は、出力線の電圧を積分する積分器、オペアンプ、又は積分電圧をデジタル値に変換するアナログ−デジタル変換器を含むことができる。
【0005】
別の態様では、CISは、電子シャッタ機能を含むことができる。一実施例では、シャッタは、画素群における電荷積分をリセットする。一例は、CISの全画素をリセットするグローバルシャッタである。提示した例は、所望する信号を生成するのに電子を使用することに基づいている。正孔は、この場合、引抜かれる(drained off)。このメカニズムは、電圧変化が逆になることを除いて、正孔に等しく良好に働く。よって、正孔は、所望される信号を生成し、電子は、引抜かれる。
【発明の概要】
【0006】
本開示の一態様では、イメージセンサ及び該イメージセンサのための方法が提供される。イメージセンサは、出力線に結合される画素を含む。画素は、光に反応して電荷を生成するように構成されるフォトダイオードを含む。供給回路は、電圧を、第1電荷保持容量及び第2電荷保持容量でフォトダイオードに選択的に供給するように構成される。
【0007】
別の態様では、イメージセンサは、出力線に結合される画素を含む。画素は、光に反応して電荷を生成するように構成されるフォトダイオードを含む。供給回路は、フォトダイオードに電圧を供給して、フォトダイオードの電圧を、積分時間中、閾値レベル以上に維持するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】電子シャッタを有する画素及びフォトダイオードリミッタの例を示す図である。
【
図5】画素の動作に関するタイミング図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図と関連して以下に記載される詳細な説明は、様々な構成の説明として意図され、本明細書で記載される概念が実施され得る構成のみを提示するよう意図されるものではない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解を提供することを目的とした特定の細部を含む。しかしながら、当業者には、これらの概念は、これら特定の細部なしでも実施され得ることが明らかであろう。実例によっては、周知の構造及び部品については、かかる概念が不明瞭になるのを避けるために、ブロック図で示される。
【0010】
次に、イメージセンサの幾つかの態様が、様々な装置及び方法を参照して、提示される。これらの装置及び方法は、以下の詳細な説明で記載され、様々なブロック、モジュール、部品、回路、ステップ、プロセス、アルゴリズム等(集合的に「要素」を呼ばれる)によって、添付図に示される。これら要素は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はそれらの任意の組合せを用いて実装されることができる。かかる要素がハードウェア又はソフトウェアとして実装されるかは、特定の用途、及びシステム全体に関係する設計上の制約によって決まる。
【0011】
図1は、電子シャッタを有する画素100について示す図である。一実装形態では、電荷生成回路102は、光に反応して電荷(例えば、電子)を生成できる。電荷は、積分期間に、蓄積又は積分されることができる。一例として、50Hzイメージセンサに対して、積分期間は、20ミリ秒とすることができる。積分期間後、蓄積された電荷は、転送回路104を介して格納回路106に転送されることができる。一態様では、電荷生成回路102で蓄積された電荷は、格納回路106に転送されることができる。電荷は、格納回路106で電圧に変換される。格納回路106の電圧は、バッファ回路108を介して出力線110に結合されることができる。リセット回路120は、格納回路106の電圧をリセットできる。
【0012】
一実装形態では、シャッタ回路130は、例えば、画素100の積分時間を制御することによって、シャッタ機能を実行できる。一実施例では、シャッタ回路130が電荷生成回路102を所定のタイミングに従いリセットすることによって、積分時間を制御することができる。かかる所定のタイミングは、積分時間に対応できる。一実施例では、シャッタ回路130は、グローバルシャッタ機能の一部とすることができる。即ち、配列の全画素は、同じシャッタタイミングで制御されることができる。
【0013】
画素150は、電子シャッタを有する画素に関する別の図である。一実装形態では、フォトダイオード152は、光に反応して電荷(例えば、電子)を生成できる。一実施例では、フォトダイオード152は、電荷が生成される前に完全に空乏化され、電位(V
pinとして知られる)にピンニングされるピンドフォトダイオード(pinned photodiode)とすることができる。電荷は、積分期間にノードPD(例えば、フォトダイオード152のノードとすることができる)に、蓄積又は積分されることができる。積分期間後、ノードPDに蓄積された電荷は、転送ゲート154を介してフローティングディフュージョン156に転送されることができる。一態様では、ノードPDで蓄積された電荷は、電圧を生成するフローティングディフュージョン156に結合されることができる。蓄積された電荷が電子である一実施例では、フローティングディフュージョン156は、浮遊している(即ち、如何なる電位にも直接関係しない)N型ディフュージョンとすることができる。転送ゲート154は、TG制御信号によって制御される金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)装置とすることができる。例えば、TG制御信号は、転送ゲート154のゲートに接続されることができる。
【0014】
フローティングディフュージョン156の電圧は、MOSFET158及びMOSFET172を介して出力線160に結合されることができる。実施例では、MOSFET158は、電位VDDPIXに接続されることができ、フローティングディフュージョン156の電圧に関してバッファ機能を実行できる。MOSFET172は、MOSFET158の出力を出力線160に選択的に提供できる。一態様では、MOSFET172は、SEL信号によって制御されることができ、SEL信号は、画素配列の
行活性化に対応できる。リセット回路170は、例えばVDDPIXをフローティングディフュージョン156に供給することによって、フローティングディフュージョン156の電圧をリセットできる。
【0015】
一実装形態では、MOSFET180は、例えば、画素150の積分時間を制御することによって、シャッタ機能を実行できる。一実施例では、積分時間は、MOSFET180がノードPD(例えば、フォトダイオード152のノードとすることができる)の電圧を、所定のタイミングに従いリセットすることによって、制御される。かかる所定のタイミングは、積分時間に対応できる。一実施例では、MOSFET180は、グローバルシャッタ機能の一部とすることができる。即ち、配列の全画素は、同じシャッタタイミングで制御されることができる。一実施例では、リセットは、第1電荷保持容量で、リセット電圧をノードPDに供給する供給回路として機能するMOSFET180を含むことができる。MOSFET180及び/又は170のドレインへの供給電圧は、MOSFET158とは異なることができる。制御信号、シャッタ制御182は、MOSFET180のドレイン容量を制御するために、MOSFET180のゲートに供給されることができる。一態様では、制御信号(シャッタ制御182)は、MOSFET180が、第1容量で、フォトダイオード152から電子を引抜き可能にするために、高電圧レベル、GSG_highで動作できる。別の態様では、制御信号(シャッタ制御182)は、MOSFET180をオフにして、フォトダイオード152から電子を全く引抜かせないために、低電圧レベル、GSG_lowとすることができる。
【0016】
図2は、画素の電位図を示す図である。電位
図200は、転送ゲート154が活性化される前の電荷積分状態を示している。図示されたように、電子は、フォトダイオード152に蓄積されている。電位
図210は、フローティングディフュージョン156への電荷転送状態を示している。一態様では、転送ゲート154の制御信号(TG制御信号)は、転送ゲート154を活性化するために、highになることができる。フォトダイオード152に蓄積された電子は、転送ゲート154が活性化されると、フローティングディフュージョン156に流入できる。
【0017】
上述したように、出力線160は、出力回路に入力されることができ、該出力回路は、出力線160の値を増幅するオペアンプ(OA:operational amplifier)を含むことができる。OAは、有限勾配の出力電圧を生成する。大きなステップ入力電圧がOA入力部に印加されると、又は入力電圧にOAのゲインを積算したものが、OAの出力範囲を超えると、出力電圧は、遅延されることができる。その場合、OAは、過負荷状態であり、遅延は、過負荷復帰時間として知られている。この復帰時間は、数マイクロ秒継続でき、その結果、映像システムでは、ハイライト領域(例えば、画像の明るい領域)後の尾引き(tail)となる。この作用は、ストリーキングとして知られている。イメージセンサでは、ハイライト領域及び暗領域が同じ場面で発生することがあるため、過負荷状態が、存在する可能性がある。一般的に、ストリーキングは、画像におけるハイライトによる映像黒レベルにおける障害である。ストリーキングの値は、ハイライトの大きさやレベルに左右される。一実施形態では、フォトダイオードリミッタを有する画素は、ストリーキング問題を解決できる。
【0018】
図3は、電子シャッタ及びフォトダイオードリミッタを有する画素の例を示す図である。
図2の画素(100、150)で記載された特徴に加えて、画素300は、シャッタ制御回路340を含む。シャッタ回路330は、第2電荷保持容量を有する電荷生成回路302に電圧を供給する更なるモードで、動作できる。一態様では、電荷生成回路302に第1電荷保持容量で電圧を供給すること(即ち、リセット電圧を供給すること)は、第2電荷保持容量で行うことと、例えば、供給される電圧又は電流に関して、異なることができる。
【0019】
画素350は、画素に関する別の図である。画素150の特徴に加えて、画素350は、シャッタ制御回路、例えば、第1マルチプレクサ392及び第2マルチプレクサ394を含む。一態様では、第1マルチプレクサ392は、画素350の一部とすることができ、第2マルチプレクサ394は、画素350の一部とすることができない。つまり、第2マルチプレクサ394は、複数の画素350に使用されることができる。別の態様では、第1マルチプレクサ392及び第2マルチプレクサ394は、画素の外側で、
行の初めに配置される。
【0020】
一態様では、シャッタ制御回路(例えば、第1マルチプレクサ392及び第2マルチプレクサ394)は、電圧を、第2電荷保持容量のフォトダイオード352に供給するように、MOSFET380を制御する。一態様では、MOSFET380は、フォトダイオード352の電荷を初めに第1電荷保持容量まで引抜き、次にフォトダイオード352を第2電荷保持容量まで放電する。第2電荷保持容量は、例えば、供給される電圧又は電流に関して、第1電荷保持容量(即ち、リセット電圧を供給すること)とは異なることができる。
【0021】
別の態様では、MOSFET380は、ノードPDでの電圧を閾値レベル以上に維持するように構成される。一態様では、ノードPDでの電圧を閾値に維持することで、ストリーキング問題を解決できる。例えば、かかるモードは、出力線での電圧振幅を抑制でき、出力回路におけるOAの過負荷を防止できる。別の態様では、ノードPDでの電圧を閾値に維持することで、転送ゲート354が誤ってオンしないようにできる。例えば、十分な電子がノードPDに蓄積されると、ノードPDでの電圧は、転送ゲート354のV
GS電圧(ゲートとノードPDとの間)が、転送ゲート354をオンするのに十分となるレベルにまで低下できる。蓄積された電荷は、フローティングディフュージョン356に転送される際に、損失して、画像におけるエラー及び/又はアーチファクトを発生する可能性がある。一態様では、画像におけるエラー及び/又はアーチファクトは、フォトダイオードリミッタによって防止されることができる。
【0022】
フォトダイオードリミッタの実施形態については、上述されている。一態様では、MOSFET380のゲート382は、GSG_highレベルで供給されることができる。この場合、MOSFET380は、リセット電圧を、第1電荷保持容量で動作するフォトダイオード352に供給できる。別の態様では、MOSFET380のゲートは、GSG_limitレベルで供給されることができる。GSG_limitレベルは、GSG_highレベルより下の中レベルとすることができる。この場合、MOSFET380は、限定された電圧又は電荷を、第2電荷保持容量で動作するフォトダイオード352に供給できる。一態様では、電圧又は電荷が第2電荷保持容量でフォトダイオード352に供給されると、フォトダイオードの電圧を、積分期間中、閾値レベルに限定できる。
【0023】
一実装形態では、GSG_limitレベルは、第1マルチプレクサ392及び第2マルチプレクサ394によって供給されることができる。一態様では、第2マルチプレクサ394は、画素配列の一部とすることができない。第2マルチプレクサ394は、GSG_highレベルとGSG_limitレベルのどちらかを選択でき、選択されたレベルを第1マルチプレクサ392に、その入力電圧GSG_high’として供給できる。別の態様では、第2マルチプレクサ394は、GSG_highレベル及び複数のGSG_limitレベルの中の1つを選択できる。イメージセンサは、第1マルチプレクサ392に供給されるGSG_highレベル及び複数のGSG_limitレベルの中の1つを選択する制御回路を含むことができる。
【0024】
一態様では、第1マルチプレクサ392は、GSG_high’(例えば、GSG_highレベル及び複数のGSG_limitレベルの中の1つ)及びGSG_lowレベルの中から選択でき、選択されたレベルをMOSFET380のゲート382に供給できる。一態様では、GSG_lowレベルは、MOSFET380をオフでき、MOSFET380は、電荷又は電圧をフォトダイオード352に供給できない。
【0025】
一実装形態では、第1マルチプレクサ392の入力は、制御信号GSG selectによって、選択されることができる。一事例では、制御信号GSG selectは、GSG_high’レベル(例えば、GSG_highレベル及び複数のGSG_limitレベルの中の1つ)を選択するように活性化できる。従って、GSG selectは、第2マルチプレクサ394がGSG_highレベルを選択する場合、及び第2マルチプレクサ394が複数のGSG_limitレベルの中の1つを選択する場合に、活性化できる。
【0026】
MOSFET380、370及び358について、この実施例では、供給電圧VDDPIXに接続されて、示されているが、そうである必要はない。MOSFET380、370及び350の其々は、設計要件によって決定される通りに、異なる供給電圧に接続されることができる。
【0027】
図4は、画素402の3列×3行の配列を示す図である。一態様では、各
行は、フォトダイオード352の電圧を、(例えば、上述されたように、転送ゲート354、フローティングディフュージョン356、及びMOSFET358(バッファ)を介して)出力線又は
列線410に結合するように、順番に活性化されることができる。例えば、画素402の
行(0、0)、402(0、1)、及び402(0、2)は、最初に活性化されることができる。画素402(0、0)は、フォトダイオード352の電圧を出力線410_0に結合できる。画素402(0、1)は、フォトダイオード352の電圧を出力線410_1に結合できる。画素402(0、2)は、フォトダイオード352の電圧を出力線410_2に結合できる。一実装形態では、出力線410_0、410_1及び410_2に関する値は、順に、出力回路420によって読出されることができる。例えば、出力回路420は、出力線410_0、410_1及び410_2の値を増幅するOAを含むことができる。次のサイクルでは、画素402(1、0)、402(1、1)及び402(1、2)の
行が、次に活性化されることができ、また以下も同様である。
【0028】
図5は、画素の動作に関するタイミング図を示す図である。時間0−Aでは、フォトダイオードは、リセットされる。例えば、MOSFET380(シャッタ又は電圧供給回路)は、第1電荷保持容量で動作されることができ、電圧をフォトダイオード352に供給でき、それによりフォトダイオード352の電圧を、リセット電圧V
pinにピンニングする。時間A−C、積分時間では、電子は、ノードPDに蓄積又は積分できる。時間B−Cでは、転送ゲート354は、ノードPDでの電圧を、フローティングディフュージョン356に結合するように活性化できる。時間C後の時間は、データ読出時間とすることができる。
行が順番に読出される場合、読出時間は、図示されたように、
行毎に異なることができる。一態様では、積分動作及び読出動作は、パイプライン化されることができる。例えば、次の
行積分時間は、前の積分のデータが読出されている時間Cに開始できる。
【0029】
図6は、画素の動作に関する電圧を示す図である。
図6では、GSG_high’は、GSG_high又はGSG_limitレベルとすることができることを示している。GSG_high’レベルは、第2マルチプレクサ394によって選択されることができる。P1で、第1マルチプレクサ392の制御信号GSG selectは、MOSFET380のゲート382電圧として、GSG_highレベルを選択するよう活性化する。従って、フォトダイオード352電圧をリセット電圧V
pinに設定する際に、MOSFET380は、シャッタ回路として機能する。このモードでは、MOSFET380は、第1電荷保持容量で、リセット電圧をフォトダイオード352の電圧に供給する供給回路として機能することもできる。
【0030】
第1マルチプレクサ392の制御信号GSG selectが、非活性化すると、GSG_lowレベルが、MOSFET380のゲート382に対してセットされる。このモードでは、MOSFET380は、フォトダイオード352から電子を引抜かない。一態様では、積分時間は、第1マルチプレクサ392の制御信号GSG selectの活性化間の期間である。積分時間に、電子は、ノードPDに蓄積できる。従って、ノードPDでの電圧は、V
pinからPD閾値に低下する。フォトダイオードリミッタを用いなければ、PDノードの電圧は、継続してPD閾値を超えて低下できる。閾値を超えたPDレベルは、OAの過負荷又は転送ゲート354を誤ってオンする(フォトダイオードからフローティングディフュージョンに電子を流出させる)原因となる可能性がある。
【0031】
フォトダイオードリミッタを用いると、P2で、第1マルチプレクサ392の制御信号GSG selectは、GSG_limitレベルを、MOSFET380のゲート382電圧として選択するように活性化する。このモードでは、MOSFET380は、第2電荷保持容量で、電圧又は電荷をフォトダイオード352の電圧に供給できる供給回路として機能できる。第2電荷保持容量は、例えば、MOSFET380に印加されるゲート電圧又はMOSFET380によって供給される電荷又は電圧に関して、第1電荷保持容量とは異なることができる。MOSFET380は、第2電荷保持容量で電荷又は電圧を供給し、ノードPDでの電圧を、PD閾値レベルに維持する。ノードPDでの電圧が十分に低くない場合、MOSFET380は、オンできない。この場合、MOSFET380のゲート382とノードPDでの電圧との電圧差は、MOSFET380をオンするほど大きくできない。
【0032】
P2に続いて、転送ゲート354がオンし、電子をフォトダイオード352から(転送ゲート354、フローティングディフュージョン356、及びMOSFET358(バッファ)を介して、)出力線に転送できる。フォトダイオードPDの電荷は、閾値レベルに限定されるため、過負荷状態が防止される。
【0033】
開示されたプロセス/フローチャートにおけるステップの特定の順番又は階層は、例示的なアプローチを説明したものと解釈される。設計上の選好に基づいて、プロセス/フローチャートにおけるステップの特定の順番又は階層は、再編成されることができるものと解釈される。更に、幾つかのステップは、組み合わされる又は省略されることができる。付記する方法クレームは、見本的な順番で様々なステップの要素を示しており、示された特定の順番又は階層に限定されることを意味するものではない。
【0034】
以上の記載は、当業者が本明細書で記載された様々な態様を実行可能にするために提供されたものである。これらの態様に対する様々な変更は、当業者には直ちに明白であり、本明細書で定義された一般的原理は、他の態様にも適用されることができる。従って、クレームは、本明細書で示された態様に限定されることを意図されていないが、クレーム文言(language claim)に一致する全範囲であると認められ、該文言では、要素に対する単数形の表現は、「1つ及び1つだけ」を、特にそのように記述していない限り、意味せず、むしろ「1つ又は複数」を意味するものとする。用語「例示的(examplary)」は、本明細書では、「例、実例、又は例証(illustration)としての役割を果たすこと」を意味するために、使用される。「例示的」として本明細書に記載された如何なる態様も、必ずしも他の態様より好適又は有利であるとは解釈されない。」特に明記されない限り、用語「幾つか(some)」は、1つ又は複数のことを言う。「A、B又はCの中の少なくとも1つ」及び「A、B、及びCの中の少なくとも1つ」及び「A、B、C、又はそれらの任意の組合せ」等の組合せは、A、B、及び/又はCの任意の組合せを含み、複数のA、複数のB、又は複数のCを含むことができる。特に、「A、B又はCの中の少なくとも1つ」及び「A、B、及びCの中の少なくとも1つ」及び「A、B、C、又はそれらの任意の組合せ」等の組合せは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びB、A及びC、B及びC、又はA及びB及びCとすることができ、その場合、如何なるかかる組合せも、A、B、又はCの中の1つ又は複数の部材を含むことができる。当業者に既知又は後に知られる本開示を通して記載された様々な態様の要素に対する全ての構造的及び機能的均等物は、参照により本明細書に明示的に組込まれ、クレームに包含されるものとする。また、かかる開示がクレーム中に明確に引用されているか否かに関わらず、本明細書に開示された何物をも公にされないものとする。どのクレーム要素も、該要素が明示的に句「〜する手段(means for)」を使用して引用されない限り、ミーンズプラスファンクションとして解釈されない。