【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
最も一般的には、本発明は、オンザフライ(on the fly)で広告インベントリまたは広告表示を生成またはそうでなければ制御するために、ユーザについて収集された挙動データ(特に、ユーザの顔画像から得られる感情応答データ)を使用することを提案する。本願明細書において、「広告インベントリ(ad inventory)」は、ウェブベースの広告を表示する機会の特性を識別するデータ構造を意味する。言いかえれば、広告インベントリは、たとえばウェブページまたはウェブページと関連して表示されるポップアップウィンドウのような広告コンテンツで充填可能であるデジタルアセットにおける(またはデジタルアセットに関連して提示される)広告スペースである。
【0008】
したがって、第1の局面において、本発明は、ウェブベースの広告インベントリを生成する方法であって、ネットワーク接続されたコンピューティングデバイス上でメディアコンテンツの再生の間にユーザについて挙動データを収集することと、収集された挙動データが所定の条件を満足させる場合に、広告インベントリを生成することとを含む方法を提供する。言いかえれば、収集された挙動データは、オンライン広告スペースを生成するためのトリガを提供し得、収集は、いくつかの実施形態において、当該収集されたデータをメトリックに処理することを含み得る。ネットワーク接続されたコンピューティングデバイスは、メディアコンテンツを再生可能であり、ネットワーク(有線または無線)を介してデータを送受信可能である任意のデバイスであり得る。たとえば、ネットワーク接続されたコンピューティングデバイスは、任意のタイプのコンピュータ(たとえばPC、ラップトップ、タブレット)、またはネットワーク有効化テレビジョンまたはスマートフォンであり得る。生成された広告インベントリは、ネットワーク(たとえばインターネット)を介した広告要求において使用されてもよい。広告要求に対する応答は、ネットワーク接続されたコンピュータデバイスに供給されてもよい。
【0009】
本願明細書において、「挙動データ」という用語は、ユーザのアクティビティまたはステータスに関する任意のデータを意味するように使用される。挙動データは、たとえば任意の所与の時間におけるユーザの感情を示す情報といった感情状態データを含み得る。感情状態データは、たとえばウェブカメラを介して得られた顔画像または他の生理学的インジケータから任意の態様で取得され得る。挙動データはさらに、たとえば表示の部分に対するユーザの関心を示す音声データ、クリックデータまたは他のデータといった、コンピュータとのユーザのインタラクションに関するデータを含み得る。挙動データに加えて、本発明の実施形態はさらに、性別、年齢、ロケーションなどといったユーザに関する他の詳細を示す他のユーザデータの収集および送信を提供し得る。
【0010】
本発明のさまざまな実施形態に従うと、ネットワーク接続されたコンピューティングデバイスは、収集された挙動データを処理するか、または、収集された挙動データを処理のためにリモート分析サーバに送信するように構成されるデータ収集モジュールを含む。当該データは、ビデオストリームとしてか、または、たとえばビデオストリームから周期的に抽出される静止画像フレームといった抽出画像の連なりとして、送信され得る。
【0011】
分析サーバまたはネットワーク接続されたコンピューティングデバイスは、1つ以上の感情状態を示すデータを抽出するために挙動データを処理するように構成され得る。たとえば、当該分析は、たとえば幸福、悲しみ、驚き、恐れ、不快および怒りといった6つの普遍的な感情の各々についてのメトリックを生成し得る。分析はさらに、感情から独立し得るかまたは顔の特徴の動きの他の組合せに基づき得る1つ以上のさらなるメトリックを生成し得る。さらに別のメトリックは、エンゲージメント、注意深さ、退屈、困惑、中立、および荒々しさを含み得るがこれらに限定されない。挙動データはさらに、皮膚色のわずかな変更によって視覚的に読み取られ得る心拍数のような尺度を含み得る。メトリックのいずれか1つまたはいずれかの組合せは、広告インベントリを生成するための基礎として使用され得る。
【0012】
そのようなメトリックは、各ローカルコンピュータからリモートサーバへの効率的なデータ転送のために、キャプチャされた生画像データの代わりにリモートサーバに送信され得、これにより、コンピュータリソースの使用が向上されるとともに、各個々のローカルコンピュータからのデータアップロードに対する影響がより最小化される。
【0013】
したがって、ある実施形態に従った方法は、所定の条件が満足されたかどうか判定するよう、収集された挙動データ(またはそこから導出された任意のメトリック)を使用して挙動基準を評価することを含み得る。したがって、挙動基準を評価することは、ユーザの1つ以上の感情状態を示すデータを生成することを含み得る。一実施形態に従うと、挙動基準を評価するステップは、メディアコンテンツに対するユーザのエンゲージメントを示すエンゲージメントメトリック値を生成することと、抽出されたエンゲージメントメトリック値を所定のしきい値と比較することとを含む。これらのステップは、ネットワーク接続されたコンピューティングデバイス自身上またはリモート分析サーバにおいて実行され得る。
【0014】
挙動基準を評価するステップは、複数回実行され得、たとえば、メディアコンテンツの再生の全体にわたって周期的に実行され得る。評価ステップは、評価時の挙動データに基づいて、たとえば瞬時値のような、1つ以上のメトリックのスナップショットを取り得る。代替的には、挙動基準を評価するステップは、メディアコンテンツの持続期間内のデータの期間にわたって挙動基準の時間進展を計算することを含み得る。当該期間は、メディアコンテンツの全持続期間であるか、または、メディアコンテンツの終わりに広告を供給するべきかどうか判定することにより、その最終部分であり得る。代替的には、上記方法は、広告インベントリのためのトリガとして、メディアコンテンツの間、ユーザの感情状態の変化を検出および考慮するよう分析を実行し得る。
【0015】
広告インベントリを生成するステップは、挙動基準を評価するステップ(およびキャプチャされた画像からの感情状態を示すデータを生成するステップ)と同じ位置で発生し得る。したがって、一実施形態において、ネットワーク接続されたコンピューティングデバイスは、両方のステップを実行し、これにより、ユーザの挙動データの分析およびそのデータに基づいた広告インベントリの生成がローカルで実行される。
【0016】
代替的には、1つまたは両方のステップは、ネットワーク接続されたコンピューティングデバイスからリモートのデバイスにおいて実行され得る。たとえば、ネットワーク接続されたコンピューティングデバイスは、ユーザの挙動データを示す情報を、受け取られた挙動データに基づいて広告インベントリを生成するように構成されるリモートサーバに通信し得る。一実施形態では、広告インベントリを生成するステップは広告サーバにおいて行われ、当該広告サーバは、ネットワーク接続されたコンピューティングデバイスからリモートに位置し、かつ、ネットワークを介してネットワーク接続されたコンピューティングデバイスと通信する。したがって、分析サーバおよび広告サーバは同じデバイスであり得る。
【0017】
広告インベントリの1つ以上の特性は、収集された挙動データによって影響を受け得る。したがって、当該方法は、収集された挙動データに基づいて広告インベントリの特性を判定することを含み得る。判定された特性は、たとえば持続期間、広告タイプおよび広告サイズのうちの1つ以上といった、1つ以上の広告インベントリパラメータであり得る。
【0018】
また、上記方法はさらに、広告インベントリ自身内にユーザの感情状態に関する情報を含めることを含み得、これにより、広告インベントリを購入するべきかどうか決定する場合に考慮する別のパラメータとして当該情報が広告主に利用可能になる。したがって、上記方法は、収集された挙動データ(またはそこから導出される任意のメトリックまたは感情状態)に基づいて、広告インベントリプロファイルパラメータを生成することを含み得、生成された広告インベントリは広告インベントリプロファイルパラメータを含む。広告インベントリ購入プロセスは、たとえばリアルタイム入札プロセスなどとしてしばしば自動化される。その状況において、広告主は、望ましい挙動データ特性に基づくとともに、適合性を評価する広告インベントリプロファイルパラメータと同等である広告プロファイルパラメータを提供し得る。このアイデアは以下により詳細に論じられる。
【0019】
本発明の実施形態は、ウェブベースの広告表示を制御する方法として表わされ得、当該方法は、ネットワーク接続されたコンピューティングデバイス上での表示のために広告を供給することと、当該広告が表示されている間、ネットワーク接続されたコンピューティングデバイスのユーザについて挙動データを収集することと、収集された挙動データに基づいて、ネットワーク接続されたコンピューティングデバイス上で広告表示条件を適合することとを含む。言いかえれば、広告がネットワーク接続されたコンピュータデバイス上に表示される態様は、収集された挙動データ(たとえば検出された挙動もしくは感情状態、または、ユーザの複数の検出された挙動もしくは感情状態から導出された情報)に基づいて適合され得る。
【0020】
広告表示条件は、挙動データの収集の間に表示されている特定の広告に関し得る。したがって、広告表示条件を適合するステップは、たとえば収集された挙動データの1つ以上の特性に基づいて広告表示の1つ以上の特性を変更することによって、現在の広告表示を制御することを含み得る。たとえば、ユーザが現在の広告にエンゲージされていないことを挙動データが示す場合、広告表示が制限され得、たとえば、短縮、終了、またはあまり目立たなくされ得る。反対に、ユーザが現在の広告にエンゲージされていることを挙動データが示す場合、広告表示は延長され得る。広告表示の延長は、現在の広告と同時または現在の広告の後のいずれかにおいて、付加的な広告を提供し得る。したがって、現在の広告表示を制御するステップは、収集された挙動データが第1の所定の条件を満足させる場合、たとえば付加的な広告インベントリを生成することによって広告表示を延長することを含み得る。付加的な広告インベントリは、上で概説されたプロセスを使用して生成され得る。
【0021】
代替的または付加的には、広告表示条件は、ネットワーク接続されたコンピュータデバイス上での将来の広告表示に関係し得る。たとえば、収集された挙動データは、特定タイプの広告表示についてのユーザのプレファレンス(たとえば、特定タイプの広告表示に対する肯定的な感情の応答)を示し得る。代替的には、広告表示条件は、たとえばユーザがエンゲージしていないことに基づき、すべての将来の広告をキャンセルするようにセットされ得る。
【0022】
ユーザ挙動データに広告表示を関連させることによって、本発明の実施形態は、興味のないユーザに不必要に広告を送信する必要性を最小化し、これにより、ネットワーク使用負荷およびプロセッサ負荷が最小化される。たとえば、モバイル環境において動作する場合、そのような削減によって、バッテリ寿命が延長されることと、広告の不必要な受信および処理ならびにユーザ挙動データの収集および発生し得る処理によってデバイス性能が悪影響を受けないことといった明らかな利点が得られ得る。望まれないまたはそうでなければ効果がない広告の送信によって引き起こされる送信負荷を低減またはそうでなければ除去することによって、ネットワークオペレータも利益を得る。
【0023】
広告表示条件を適合するステップは、さらに別なアクションを決定するために、たとえばユーザについての現在の挙動データのような収集された挙動データ(またはそこから導出される任意のメトリックまたは感情状態)を比較データと比較することを含み得る。比較データは、たとえばユーザ挙動データプロファイルに格納されるデータといった当該ユーザについての過去の挙動データであり得るか、または、たとえば他のユーザからの挙動データを集合させることにより得られる一般的な挙動データであり得る。代替的には、比較データは、たとえば所定の最小レベルのエンゲージメントまたは他の挙動データ(たとえば1つ以上の感情)を示す単純なしきい値に対して作成され得る。比較の際、収集された挙動データがしきい値を下回ると判定されると、当該方法は、上で論じたように広告表示条件を適合し得る。複数のしきい値パラメータが存在し得、これにより、各しきい値は対応する広告表示条件適合物に関連付けられる。
【0024】
さまざまな実施形態において、広告表示条件を適合するステップは、収集された挙動データが、上で論じられたのと同様の態様で所定の挙動基準を満たさない場合、現在の広告表示を終了または短縮することを含む。言いかえれば、当該方法は、広告表示条件を適合するステップが実行されるべきであるかどうか判定するよう、収集された挙動データ(またはそれから導出される任意のメトリックもしくは感情状態情報)を使用して挙動基準を評価することを含み得る。挙動基準は、現在進行中の広告表示に対するユーザのエンゲージメントに関係し得る。
【0025】
上述したように、本発明の実施形態はさらに、所与の広告インベントリに応答して供給される広告の潜在的な有効性を判定するためのパラメータとして、収集された挙動データを使用することを提案する。特に、本発明は、所与の広告について得られた複数の広告インプレッションから得られた挙動データを集合させることと、当該広告についての挙動データプロファイルまたはターゲットを確立するために、集合させた情報を使用することとを提案する。
【0026】
したがって、第2の局面によれば、本発明は、ウェブベースの広告をプロファイリングする方法を提供し、当該方法は、ネットワークに接続された複数のコンピューティングデバイスに広告を供給することと、ネットワークに接続された複数のコンピューティングデバイスの各々において、広告の表示の間に、ネットワークに接続された複数のコンピューティングデバイスの各々のそれぞれのユーザについて挙動データを収集することと、中央サーバにおいて、ネットワークに接続された複数のコンピューティングデバイスの各々から収集された挙動データを受け取ることと、受け取られた挙動データを集合させ、当該集合させた挙動データに基づいて、広告についての広告プロファイルパラメータを生成することとを含む。収集された挙動データは、ネットワークに接続された複数のコンピューティングデバイスの各々について生成される広告インプレッションに含まれ得る。より多くの広告インプレッションが受け取られると、広告プロファイルパラメータは、集合させた挙動データの変更を考慮して更新され得る。広告プロファイルパラメータは、集合させた挙動データ(またはそこから導出される任意のメトリックまたは感情状態)から生成される感情データに基づき得る。
【0027】
広告プロファイルパラメータは、本願明細書において記載される機能を実現するようコードを実行するプロセッサによる使用のために、広告と広告を閲覧しようとしているユーザとの間の比較の付加的な次元を提供することによって、広告をターゲティングする能力を向上させる。たとえば、所与のユーザは、ユーザのブラウジングプレファレンスを示す関連付けられるユーザプロファイルを有し得る。広告プロファイルパラメータは、ユーザが当該広告を受容するかどうか評価するために、ユーザプロファイルと比較され得る。ユーザプロファイルは、以前に表示された広告または主題に対するユーザの反応に関する1つ以上の挙動パラメータを含み得る。また、広告ターゲッティングのために挙動データを利用することによって、ネットワークに接続されたコンピューティングデバイスの動作に対する多くの利点が提供される。たとえば、ターゲティングは、デバイス性能に対して悪影響を有し得る、特に望まれない広告を送信する際に不必要に消費され得る有限の帯域幅といったそのようなコンピューティングリソースのより効率的な使用を可能にする。
【0028】
広告インベントリが上で論じたようにオンザフライで生成される場合、ユーザのプロファイルのすべてまたは部分が、広告インベントリ自身のパラメータ内に含まれ得る。たとえば、広告インベントリは、ユーザプロファイルからの1つ以上の挙動パラメータを表わす情報を含み得、当該挙動パラメータは、広告プロファイルパラメータと同等である。代替的または付加的には、上で論じられるように、この情報は、広告呼出を行う時間またはその時間の周辺で収集される当該ユーザについての挙動データに基づく広告インベントリプロファイルパラメータであり得る。
【0029】
上記方法の実施形態は、コンピュータデバイスのユーザの挙動データを示す広告インベントリプロファイルパラメータを有する広告インベントリを含む広告要求をコンピュータデバイスから受け取ることと、広告インベントリに対する広告の適合性を評価するよう、広告プロファイルパラメータを広告インベントリプロファイルパラメータと比較することとを含み得る。このプロセスは、たとえばリアルタイム入札などといった従来の広告購入プロセス内で行なわれ得る。
【0030】
これらの局面、特徴および実施形態ならびに他の局面、特徴および実施形態は、本発明のある実施形態の添付の詳細な説明からより完全に認識されるであろう。
【0031】
添付の図面を参照して、本発明の例が以下に詳細に論じられる。