特許第6707032号(P6707032)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6707032ウェブベースの広告インベントリを生成し、ウェブベースの広告をターゲティングする方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6707032
(24)【登録日】2020年5月21日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】ウェブベースの広告インベントリを生成し、ウェブベースの広告をターゲティングする方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20200601BHJP
【FI】
   G06Q30/02 398
【請求項の数】13
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-556715(P2016-556715)
(86)(22)【出願日】2015年3月5日
(65)【公表番号】特表2017-507434(P2017-507434A)
(43)【公表日】2017年3月16日
(86)【国際出願番号】EP2015054681
(87)【国際公開番号】WO2015135841
(87)【国際公開日】20150917
【審査請求日】2018年1月25日
(31)【優先権主張番号】1404234.5
(32)【優先日】2014年3月11日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】516045665
【氏名又は名称】リアルアイズ・オーウー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハジエフ,エルナー
(72)【発明者】
【氏名】サロ,マーティン
【審査官】 田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−027086(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0324494(US,A1)
【文献】 特開2012−155616(JP,A)
【文献】 特開2011−065658(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブベースの広告インベントリを生成する方法であって、
ネットワーク接続されたコンピューティングデバイスが、ネットワークに接続された前記コンピューティングデバイス上でウェブベースのメディアコンテンツの再生の間にユーザについて挙動データを収集することと、
ネットワーク接続された前記コンピューティングデバイスが、収集された前記挙動データが所定の条件を満足させる場合に、広告インベントリを生成することとを含み、前記広告インベントリはウェブベースの広告で充填され得る広告スペースを規定するデータ構造であり、前記広告インベントリは前記ウェブベースのメディアコンテンツの中の前記広告スペースまたは前記ウェブベースのメディアコンテンツに関連付けられた広告スペースを規定する、方法。
【請求項2】
前記広告インベントリは、前記広告インベントリに対して選択された広告前記ウェブベースのメディアコンテンツの再生に割り込ませる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記広告インベントリは、前記広告インベントリに対して選択された広告に、前記広告が終了するまで、前記ウェブベースのメディアコンテンツを一時停止または中断させる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記所定の条件が満足されるかどうか判定するよう、収集された前記挙動データを使用して挙動基準を評価することを含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
挙動基準を評価することは、前記ユーザの1つ以上の感情状態を示すデータを生成することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
挙動基準を評価することは、
前記ウェブベースのメディアコンテンツに対する前記ユーザのエンゲージメントを示すエンゲージメントメトリック値を生成することと、
抽出された前記エンゲージメントメトリック値を所定のしきい値と比較することとを含む、請求項4または請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記挙動基準を評価するステップは、前記ウェブベースのメディアコンテンツの再生の全体にわたって周期的に実行される、請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記挙動基準を評価するステップは、前記ウェブベースのメディアコンテンツの持続期間内のデータの所定期間にわたって挙動基準の時間進展を計算することを含む、請求項4〜請求項7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
挙動データを収集することは、前記ネットワーク接続されたコンピューティングデバイス上でデータ収集モジュールを実行することを含む、請求項4〜請求項8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記データ収集モジュールは、前記挙動基準を評価するステップと、前記広告インベントリを生成するステップとを実行する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
収集された前記挙動データに基づいて前記広告インベントリの特性を判定することを含む、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
判定された前記特性は、持続期間、タイプおよびサイズからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
収集された前記挙動データに基づいて広告インベントリプロファイルパラメータを生成することを含み、生成された前記広告インベントリは前記広告インベントリプロファイルパラメータを含む、請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、たとえば他のウェブコンテンツが設けられた広告スペースまたは他のウェブコンテンツに設けられた広告スペースといったウェブベースの広告インベントリ(advertising inventory)の生成と、利用可能なインベントリへの広告のアロケーションとに関する。特に、本発明の実施形態は、ウェブ広告の提供を向上させるための、ユーザについて検出されたユーザの挙動(たとえば感情)データの処理および分析に関する。そのような処理および分析の使用によって、広告製作者、ディストリビュータ、ネットワークオペレータおよび同様のエンティティによって利用されるシステムが、そのような処理および分析に応答して、ある広告コンテンツの送信を、そのような広告を受け取ることに対して挙動的な関心を示すユーザのみに限定することが可能になる。これにより、ネットワークリソースおよびコンピュータリソースが節約される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
オンライン広告は、大部分のディスプレイおよびビデオ広告マーケットを含む。広告の影響を最大化し、したがって、広告主の投資効率を最大化するために、ウェブベース広告(本願明細書において広告(ad)と称される)が適切な消費者に対して表示されることが望ましい。
【0003】
オンライン広告ネットワーク、需要側プラットフォーム、供給側プラットフォーム、およびリアルタイム入札プラットフォーム(real-time bidding platform)は、潜在的な消費者に自身のコンテンツを供給しようとする広告主と、広告を表示することを望むウェブサイトホストとの間の相互接続を提供する。ウェブサイトホストは、広告主のコンテンツによって充填され得るウェブベースの広告インベントリを提供する。広告インベントリは、たとえばサイドバナー、ポップアップウィンドウ、ビデオメディアのためのスロットなど、ウェブサイト上のスペースを含む多くの形態をとり得る。
【0004】
広告主は、広告購入に対してプログラムによるアプローチを探究しており、当該プログラムによるアプローチは、コンピュータロジック(ルール、アルゴリズムなど)が広告の購入およびターゲティングを自動化するよう使用されるシステムを含む。プログラムによる購入は、多くのタイプのデジタル広告供給システムにわたって適用可能である。たとえば、ターゲット広告ネットワークは、ユーザに関する情報、および/または、所与のウェブベースの広告インベントリに関連付けられるコンテキストを使用することによって広告をより効果的に供給することを目標とするあるタイプのオンライン広告ネットワークである。たとえば、ユーザのブラウジング履歴(たとえばクリックストリームの形態にある)は、ユーザプロファイルを生成するために使用され得る。広告主は、プロファイルが当該広告または意図されるマーケットに関係するユーザに彼らの広告を表示することを望み得る。
【0005】
US2012/0130822は、インタラクティブなゲーミング環境において広告を提供する方法を開示しており、当該ゲーミング環境において、提示される初期の広告は、音響入力、ジェスチャまたは認識された感情を含むユーザ入力に基づく。
【0006】
同様に、US2012/0072936は、マルチメディアコンテンツに対するユーザの感情の応答に基づいて、ターゲティングされた広告をユーザに供給するためのシステムを開示する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
最も一般的には、本発明は、オンザフライ(on the fly)で広告インベントリまたは広告表示を生成またはそうでなければ制御するために、ユーザについて収集された挙動データ(特に、ユーザの顔画像から得られる感情応答データ)を使用することを提案する。本願明細書において、「広告インベントリ(ad inventory)」は、ウェブベースの広告を表示する機会の特性を識別するデータ構造を意味する。言いかえれば、広告インベントリは、たとえばウェブページまたはウェブページと関連して表示されるポップアップウィンドウのような広告コンテンツで充填可能であるデジタルアセットにおける(またはデジタルアセットに関連して提示される)広告スペースである。
【0008】
したがって、第1の局面において、本発明は、ウェブベースの広告インベントリを生成する方法であって、ネットワーク接続されたコンピューティングデバイス上でメディアコンテンツの再生の間にユーザについて挙動データを収集することと、収集された挙動データが所定の条件を満足させる場合に、広告インベントリを生成することとを含む方法を提供する。言いかえれば、収集された挙動データは、オンライン広告スペースを生成するためのトリガを提供し得、収集は、いくつかの実施形態において、当該収集されたデータをメトリックに処理することを含み得る。ネットワーク接続されたコンピューティングデバイスは、メディアコンテンツを再生可能であり、ネットワーク(有線または無線)を介してデータを送受信可能である任意のデバイスであり得る。たとえば、ネットワーク接続されたコンピューティングデバイスは、任意のタイプのコンピュータ(たとえばPC、ラップトップ、タブレット)、またはネットワーク有効化テレビジョンまたはスマートフォンであり得る。生成された広告インベントリは、ネットワーク(たとえばインターネット)を介した広告要求において使用されてもよい。広告要求に対する応答は、ネットワーク接続されたコンピュータデバイスに供給されてもよい。
【0009】
本願明細書において、「挙動データ」という用語は、ユーザのアクティビティまたはステータスに関する任意のデータを意味するように使用される。挙動データは、たとえば任意の所与の時間におけるユーザの感情を示す情報といった感情状態データを含み得る。感情状態データは、たとえばウェブカメラを介して得られた顔画像または他の生理学的インジケータから任意の態様で取得され得る。挙動データはさらに、たとえば表示の部分に対するユーザの関心を示す音声データ、クリックデータまたは他のデータといった、コンピュータとのユーザのインタラクションに関するデータを含み得る。挙動データに加えて、本発明の実施形態はさらに、性別、年齢、ロケーションなどといったユーザに関する他の詳細を示す他のユーザデータの収集および送信を提供し得る。
【0010】
本発明のさまざまな実施形態に従うと、ネットワーク接続されたコンピューティングデバイスは、収集された挙動データを処理するか、または、収集された挙動データを処理のためにリモート分析サーバに送信するように構成されるデータ収集モジュールを含む。当該データは、ビデオストリームとしてか、または、たとえばビデオストリームから周期的に抽出される静止画像フレームといった抽出画像の連なりとして、送信され得る。
【0011】
分析サーバまたはネットワーク接続されたコンピューティングデバイスは、1つ以上の感情状態を示すデータを抽出するために挙動データを処理するように構成され得る。たとえば、当該分析は、たとえば幸福、悲しみ、驚き、恐れ、不快および怒りといった6つの普遍的な感情の各々についてのメトリックを生成し得る。分析はさらに、感情から独立し得るかまたは顔の特徴の動きの他の組合せに基づき得る1つ以上のさらなるメトリックを生成し得る。さらに別のメトリックは、エンゲージメント、注意深さ、退屈、困惑、中立、および荒々しさを含み得るがこれらに限定されない。挙動データはさらに、皮膚色のわずかな変更によって視覚的に読み取られ得る心拍数のような尺度を含み得る。メトリックのいずれか1つまたはいずれかの組合せは、広告インベントリを生成するための基礎として使用され得る。
【0012】
そのようなメトリックは、各ローカルコンピュータからリモートサーバへの効率的なデータ転送のために、キャプチャされた生画像データの代わりにリモートサーバに送信され得、これにより、コンピュータリソースの使用が向上されるとともに、各個々のローカルコンピュータからのデータアップロードに対する影響がより最小化される。
【0013】
したがって、ある実施形態に従った方法は、所定の条件が満足されたかどうか判定するよう、収集された挙動データ(またはそこから導出された任意のメトリック)を使用して挙動基準を評価することを含み得る。したがって、挙動基準を評価することは、ユーザの1つ以上の感情状態を示すデータを生成することを含み得る。一実施形態に従うと、挙動基準を評価するステップは、メディアコンテンツに対するユーザのエンゲージメントを示すエンゲージメントメトリック値を生成することと、抽出されたエンゲージメントメトリック値を所定のしきい値と比較することとを含む。これらのステップは、ネットワーク接続されたコンピューティングデバイス自身上またはリモート分析サーバにおいて実行され得る。
【0014】
挙動基準を評価するステップは、複数回実行され得、たとえば、メディアコンテンツの再生の全体にわたって周期的に実行され得る。評価ステップは、評価時の挙動データに基づいて、たとえば瞬時値のような、1つ以上のメトリックのスナップショットを取り得る。代替的には、挙動基準を評価するステップは、メディアコンテンツの持続期間内のデータの期間にわたって挙動基準の時間進展を計算することを含み得る。当該期間は、メディアコンテンツの全持続期間であるか、または、メディアコンテンツの終わりに広告を供給するべきかどうか判定することにより、その最終部分であり得る。代替的には、上記方法は、広告インベントリのためのトリガとして、メディアコンテンツの間、ユーザの感情状態の変化を検出および考慮するよう分析を実行し得る。
【0015】
広告インベントリを生成するステップは、挙動基準を評価するステップ(およびキャプチャされた画像からの感情状態を示すデータを生成するステップ)と同じ位置で発生し得る。したがって、一実施形態において、ネットワーク接続されたコンピューティングデバイスは、両方のステップを実行し、これにより、ユーザの挙動データの分析およびそのデータに基づいた広告インベントリの生成がローカルで実行される。
【0016】
代替的には、1つまたは両方のステップは、ネットワーク接続されたコンピューティングデバイスからリモートのデバイスにおいて実行され得る。たとえば、ネットワーク接続されたコンピューティングデバイスは、ユーザの挙動データを示す情報を、受け取られた挙動データに基づいて広告インベントリを生成するように構成されるリモートサーバに通信し得る。一実施形態では、広告インベントリを生成するステップは広告サーバにおいて行われ、当該広告サーバは、ネットワーク接続されたコンピューティングデバイスからリモートに位置し、かつ、ネットワークを介してネットワーク接続されたコンピューティングデバイスと通信する。したがって、分析サーバおよび広告サーバは同じデバイスであり得る。
【0017】
広告インベントリの1つ以上の特性は、収集された挙動データによって影響を受け得る。したがって、当該方法は、収集された挙動データに基づいて広告インベントリの特性を判定することを含み得る。判定された特性は、たとえば持続期間、広告タイプおよび広告サイズのうちの1つ以上といった、1つ以上の広告インベントリパラメータであり得る。
【0018】
また、上記方法はさらに、広告インベントリ自身内にユーザの感情状態に関する情報を含めることを含み得、これにより、広告インベントリを購入するべきかどうか決定する場合に考慮する別のパラメータとして当該情報が広告主に利用可能になる。したがって、上記方法は、収集された挙動データ(またはそこから導出される任意のメトリックまたは感情状態)に基づいて、広告インベントリプロファイルパラメータを生成することを含み得、生成された広告インベントリは広告インベントリプロファイルパラメータを含む。広告インベントリ購入プロセスは、たとえばリアルタイム入札プロセスなどとしてしばしば自動化される。その状況において、広告主は、望ましい挙動データ特性に基づくとともに、適合性を評価する広告インベントリプロファイルパラメータと同等である広告プロファイルパラメータを提供し得る。このアイデアは以下により詳細に論じられる。
【0019】
本発明の実施形態は、ウェブベースの広告表示を制御する方法として表わされ得、当該方法は、ネットワーク接続されたコンピューティングデバイス上での表示のために広告を供給することと、当該広告が表示されている間、ネットワーク接続されたコンピューティングデバイスのユーザについて挙動データを収集することと、収集された挙動データに基づいて、ネットワーク接続されたコンピューティングデバイス上で広告表示条件を適合することとを含む。言いかえれば、広告がネットワーク接続されたコンピュータデバイス上に表示される態様は、収集された挙動データ(たとえば検出された挙動もしくは感情状態、または、ユーザの複数の検出された挙動もしくは感情状態から導出された情報)に基づいて適合され得る。
【0020】
広告表示条件は、挙動データの収集の間に表示されている特定の広告に関し得る。したがって、広告表示条件を適合するステップは、たとえば収集された挙動データの1つ以上の特性に基づいて広告表示の1つ以上の特性を変更することによって、現在の広告表示を制御することを含み得る。たとえば、ユーザが現在の広告にエンゲージされていないことを挙動データが示す場合、広告表示が制限され得、たとえば、短縮、終了、またはあまり目立たなくされ得る。反対に、ユーザが現在の広告にエンゲージされていることを挙動データが示す場合、広告表示は延長され得る。広告表示の延長は、現在の広告と同時または現在の広告の後のいずれかにおいて、付加的な広告を提供し得る。したがって、現在の広告表示を制御するステップは、収集された挙動データが第1の所定の条件を満足させる場合、たとえば付加的な広告インベントリを生成することによって広告表示を延長することを含み得る。付加的な広告インベントリは、上で概説されたプロセスを使用して生成され得る。
【0021】
代替的または付加的には、広告表示条件は、ネットワーク接続されたコンピュータデバイス上での将来の広告表示に関係し得る。たとえば、収集された挙動データは、特定タイプの広告表示についてのユーザのプレファレンス(たとえば、特定タイプの広告表示に対する肯定的な感情の応答)を示し得る。代替的には、広告表示条件は、たとえばユーザがエンゲージしていないことに基づき、すべての将来の広告をキャンセルするようにセットされ得る。
【0022】
ユーザ挙動データに広告表示を関連させることによって、本発明の実施形態は、興味のないユーザに不必要に広告を送信する必要性を最小化し、これにより、ネットワーク使用負荷およびプロセッサ負荷が最小化される。たとえば、モバイル環境において動作する場合、そのような削減によって、バッテリ寿命が延長されることと、広告の不必要な受信および処理ならびにユーザ挙動データの収集および発生し得る処理によってデバイス性能が悪影響を受けないことといった明らかな利点が得られ得る。望まれないまたはそうでなければ効果がない広告の送信によって引き起こされる送信負荷を低減またはそうでなければ除去することによって、ネットワークオペレータも利益を得る。
【0023】
広告表示条件を適合するステップは、さらに別なアクションを決定するために、たとえばユーザについての現在の挙動データのような収集された挙動データ(またはそこから導出される任意のメトリックまたは感情状態)を比較データと比較することを含み得る。比較データは、たとえばユーザ挙動データプロファイルに格納されるデータといった当該ユーザについての過去の挙動データであり得るか、または、たとえば他のユーザからの挙動データを集合させることにより得られる一般的な挙動データであり得る。代替的には、比較データは、たとえば所定の最小レベルのエンゲージメントまたは他の挙動データ(たとえば1つ以上の感情)を示す単純なしきい値に対して作成され得る。比較の際、収集された挙動データがしきい値を下回ると判定されると、当該方法は、上で論じたように広告表示条件を適合し得る。複数のしきい値パラメータが存在し得、これにより、各しきい値は対応する広告表示条件適合物に関連付けられる。
【0024】
さまざまな実施形態において、広告表示条件を適合するステップは、収集された挙動データが、上で論じられたのと同様の態様で所定の挙動基準を満たさない場合、現在の広告表示を終了または短縮することを含む。言いかえれば、当該方法は、広告表示条件を適合するステップが実行されるべきであるかどうか判定するよう、収集された挙動データ(またはそれから導出される任意のメトリックもしくは感情状態情報)を使用して挙動基準を評価することを含み得る。挙動基準は、現在進行中の広告表示に対するユーザのエンゲージメントに関係し得る。
【0025】
上述したように、本発明の実施形態はさらに、所与の広告インベントリに応答して供給される広告の潜在的な有効性を判定するためのパラメータとして、収集された挙動データを使用することを提案する。特に、本発明は、所与の広告について得られた複数の広告インプレッションから得られた挙動データを集合させることと、当該広告についての挙動データプロファイルまたはターゲットを確立するために、集合させた情報を使用することとを提案する。
【0026】
したがって、第2の局面によれば、本発明は、ウェブベースの広告をプロファイリングする方法を提供し、当該方法は、ネットワークに接続された複数のコンピューティングデバイスに広告を供給することと、ネットワークに接続された複数のコンピューティングデバイスの各々において、広告の表示の間に、ネットワークに接続された複数のコンピューティングデバイスの各々のそれぞれのユーザについて挙動データを収集することと、中央サーバにおいて、ネットワークに接続された複数のコンピューティングデバイスの各々から収集された挙動データを受け取ることと、受け取られた挙動データを集合させ、当該集合させた挙動データに基づいて、広告についての広告プロファイルパラメータを生成することとを含む。収集された挙動データは、ネットワークに接続された複数のコンピューティングデバイスの各々について生成される広告インプレッションに含まれ得る。より多くの広告インプレッションが受け取られると、広告プロファイルパラメータは、集合させた挙動データの変更を考慮して更新され得る。広告プロファイルパラメータは、集合させた挙動データ(またはそこから導出される任意のメトリックまたは感情状態)から生成される感情データに基づき得る。
【0027】
広告プロファイルパラメータは、本願明細書において記載される機能を実現するようコードを実行するプロセッサによる使用のために、広告と広告を閲覧しようとしているユーザとの間の比較の付加的な次元を提供することによって、広告をターゲティングする能力を向上させる。たとえば、所与のユーザは、ユーザのブラウジングプレファレンスを示す関連付けられるユーザプロファイルを有し得る。広告プロファイルパラメータは、ユーザが当該広告を受容するかどうか評価するために、ユーザプロファイルと比較され得る。ユーザプロファイルは、以前に表示された広告または主題に対するユーザの反応に関する1つ以上の挙動パラメータを含み得る。また、広告ターゲッティングのために挙動データを利用することによって、ネットワークに接続されたコンピューティングデバイスの動作に対する多くの利点が提供される。たとえば、ターゲティングは、デバイス性能に対して悪影響を有し得る、特に望まれない広告を送信する際に不必要に消費され得る有限の帯域幅といったそのようなコンピューティングリソースのより効率的な使用を可能にする。
【0028】
広告インベントリが上で論じたようにオンザフライで生成される場合、ユーザのプロファイルのすべてまたは部分が、広告インベントリ自身のパラメータ内に含まれ得る。たとえば、広告インベントリは、ユーザプロファイルからの1つ以上の挙動パラメータを表わす情報を含み得、当該挙動パラメータは、広告プロファイルパラメータと同等である。代替的または付加的には、上で論じられるように、この情報は、広告呼出を行う時間またはその時間の周辺で収集される当該ユーザについての挙動データに基づく広告インベントリプロファイルパラメータであり得る。
【0029】
上記方法の実施形態は、コンピュータデバイスのユーザの挙動データを示す広告インベントリプロファイルパラメータを有する広告インベントリを含む広告要求をコンピュータデバイスから受け取ることと、広告インベントリに対する広告の適合性を評価するよう、広告プロファイルパラメータを広告インベントリプロファイルパラメータと比較することとを含み得る。このプロセスは、たとえばリアルタイム入札などといった従来の広告購入プロセス内で行なわれ得る。
【0030】
これらの局面、特徴および実施形態ならびに他の局面、特徴および実施形態は、本発明のある実施形態の添付の詳細な説明からより完全に認識されるであろう。
【0031】
添付の図面を参照して、本発明の例が以下に詳細に論じられる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の実施形態である方法を実現するためのシステムの概略図である。
図2】本発明の実施形態である広告インベントリ生成方法を示すフローチャートである。
図3】本発明の実施形態である、広告インベントリを動的に更新する方法を示すフローチャートである。
図4】本発明のさまざまな実施形態と共に使用され得る広告インベントリの概略図である。
図5】本発明の実施形態である、集合させた挙動データに基づいて広告を供給するためのシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明のある実施形態の詳細な説明
図1は、本発明の実施形態が動作する例示的な環境100を示す。ユーザ102は、ネットワーク有効化コンピューティングデバイスに関連付けられるディスプレイ104上でメディアコンテンツを閲覧する。ディスプレイ104は、任意のネットワーク有効化コンピューティングデバイスに関連付けられる。たとえば、ディスプレイ104は、ネットワーク有効化テレビジョン、セットトップボックス、ゲームコンソール、PC、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータまたはスマートフォンによって提供されるか、または、これらに接続され得る。したがって、コンピューティングデバイスは、インターネットのようなネットワーク112を介してデータを送信および受信可能である。メディアは、たとえばウィンドウズメディアプレイヤー(Windows Media Player)(登録商標)、クイックタイムプレーヤー(QuickTime Player)、Audacious、Amarok、Banshee、MPlayer、Rhythmbox、SMPlayer、Totem、VLC、およびxine、または、JW Player、FlowplayerおよびBrightcoveといったオンラインビデオプレーヤーなどのビデオプレーヤ108を介して表示され得る。
【0034】
コンピューティングデバイスまたはディスプレイ104は、マイクロフォン、ウェブカメラ106などのような、挙動データを記録するためのビルトインモジュールもしくは回路に接続されるか、または、当該ビルトインモジュールもしくは回路を有する。
【0035】
コンピューティングデバイスは、自身に関連付けられる挙動データ収集アプリケーション110を有しており、当該挙動データ収集アプリケーション110は、たとえば、メモリに格納されるか、または、ネットワークを介してダウンロード可能もしくはアクセス可能である。実際には、ユーザ102は、たとえばメディアプレイヤー108のメディアコンテンツを閲覧している間に、コンピューティングデバイス上で挙動データ収集活動に参加する招待を受け取り得る。当該活動の際には、挙動データ収集アプリケーション110は、以下に論じられるように、挙動データ収集活動を実行および制御するよう、リモートの分析サーバ114と通信し得る。アプリケーション110は、1つ以上のカスタムASICにおいて実現されたロジックまたはFPGAにおいてプログラムされたロジックを含むハードウェアおよびソフトウェアのさまざまな組合せで実現されてもよい。
【0036】
本願明細書において、「サーバ」および「ネットワーク有効化コンピューティングデバイス」(または「コンピューティングデバイス」)という用語は、本発明の1つ以上の実施形態に関連して有用である機能を実現するために、メモリストア(たとえばRAM)から受け取られる命令を実行する少なくとも1つのプロセッサを有するコンピュータを意味するよう使用される。これらのデバイスは、サーバと、コンピュータユーザの挙動データがキャプチャされている1つおよび複数のコンピューティングデバイスとの間のネットワークを介する通信を可能にするように構成されるハードウェアを含むネットワークインターフェイスコンポーネントをさらに含む。限定ではなく例示として、当該通信は、ユーザデータグラムプロトコル(UDP: user datagram protocol)またはインターネットプロトコル(IP:Internet protocol)に従って構築されたデータパケットを含み得る。これらのデバイスは、アクセス可能なメモリからのハードウェアまたはソフトウェアを有しており、本願明細書において記載される機能を実現するためにそれぞれのプロセッサにおいて実行を行う。したがって、1つ以上の方法、機能、および能力などに関連して得られるアプリケーションの構成、ステップに関する本願明細書において記載されるより一般的な記載はすべて、明らかに別の態様を示していなければ、プロセッサを実行するコードによって構成されるサーバおよび/またはコンピューティングデバイスに関してなされている。
【0037】
挙動データ収集アプリケーション110は、ユーザの感情状態を示す情報を収集するための感情トラッキングアプリケーションであり得る。データ収集アプリケーションはさらに、他のタイプの挙動データを収集するように構成され得る。収集された挙動データは、ビデオプレーヤ108上で再生されるメディアとのユーザのインタラクションの間に、ユーザの感情がトラッキングされることを可能にし得る。
【0038】
挙動データ収集アプリケーション110は、分析サーバ114と、挙動データを記録するよう動作するモジュールまたは回路(たとえばウェブカメラ106)との間の通信をセットアップする初期化プロセスを実行または制御し得、これにより、収集されたデータ116(たとえばウェブカメラ画像、挙動データ、メディア属性など)がそれらの間で転送されることが可能になる。たとえば、そのような通信をセットアップするために、(コンピューティングデバイスのプロセッサにおいて実行する命令を含む)ソフトウェアが使用され得る。たとえば、初期化プロセスは、ネットワーク112を介した通信をセットアップすること(たとえば、ネットワーク112を介した通信について認可を得ること)を含み得る。したがって、収集されたデータ116は、ネットワークを介して分析サーバ114に送信され得、分析サーバ114において、ユーザの感情に関する情報が抽出され、さらに別の処理および分析に使用され得る。
【0039】
たとえば、ユーザの感情は、上で言及された6つの普遍的な感情のようなコンピュータユーザの感情の判定を行うようにローカルコンピュータのプロセッサを構成するコードを使用してトラッキングされ得る。代替的には、ユーザの感情は、分析サーバ114において実行するコードを使用してトラッキングされ得る。当該コードは、任意のリモートサーバへの送信に先立って、キャプチャされた生(raw)の画像データを使用するか、または、より好ましくは、ローカルコンピュータにおいて挙動データ収集アプリケーション110によって処理された信号を使用して、上で言及された6つの普遍的な感情のようなコンピュータユーザの感情の判定を行うようそのサーバのプロセッサを構成する。
【0040】
収集された挙動データの処理は、いくつかのサブ処理ステップを含んでもよく、サブ処理ステップの少なくとも1つは、収集されたインタラクティブなデータを、リモートサーバへの送信に好適なデータパケットへ変換し、より好ましくは、ビデオ再生に関係する時間情報と、コンピュータユーザの挙動データの収集の間にクライアントコンピュータで再生されていたモーメントまたはセグメントとを含むように変換する。
【0041】
キャプチャされたコンピュータユーザの挙動データを、コンピューティングデバイスでのビデオ広告のメディア再生の間の少なくともモーメントまたはセグメントを含むメディア再生の間にコンピューティングデバイスに提供されるビデオのモーメントまたはセグメントと協調させるために、収集されたデータには、ネットワークを介する送信のためのパケットまたはファイルへの変換の前に、付加的な処理が行なわれ得る。そのような処理は、コンピューティングデバイスのプロセッサにおいて実行する命令を含む。当該命令は、たとえばビデオの時間コードまたは時間コードの範囲を、キャプチャされたコンピュータユーザ挙動データと関連付けることによって、キャプチャされた画像を、ユーザのコンピューティングデバイスにおいて再生されているメディア内の時間位置と同期する。同期は、コンピューティングデバイスにおけるストリーミングコンテンツの受信に関連付けられるレイテンシー問題、(コンピューティングデバイスへのストリーミングコンテンツの送信に対してメディア再生のタイミングを変更し得る処理といった)ローカルの処理に関連付けられるレイテンシー問題、および、メディア再生の時間窓にも影響を与え得るコンピューティングデバイスにおけるイベント(たとえば、1つの非限定的な例として、ユーザが再生を一時停止または巻き戻すこと)に関連付けられるレイテンシー問題を解決するために重要であり得る。
【0042】
本発明のこの局面に従った付加的な処理によって、分析サーバ114へのコンピュータユーザ挙動データ自身の送信に加えて、コンピュータユーザ挙動データに関する時間情報が、分析サーバ114に送信されるデータパケットの間に含まれることになる。
【0043】
さらにより特定された局面においては、その間にコンピュータユーザ挙動データがキャプチャされているモーメントまたはセグメントについての時間コードは、ビデオ広告に対する時間オフセットを含み得、随意には、メディア再生アプリケーションにおいて再生されている他のビデオコンテンツに対する時間オフセットを含み得る。
【0044】
本発明のさらに別の局面において、コンピューティングデバイスは、再生の間にメディアの中断を最小化するよう、より効率的にそれらのリソースを利用するように構成され得る。この点において、システムコンポーネントが監視され、また、それらの性能または値が、あるローカル処理がいつ実行されるべきであるかに関する判定に利用される。したがって、コンピュータユーザ挙動データの処理は、処理が実行されているユーザのコンピューティングデバイスの性能能力を考慮し、かつ、さらに、コンピューティングデバイスと、コンピューティングデバイスが接続されるネットワークとの間の接続性とを考慮して、動的に実行(開始および停止)され得る。
【0045】
本発明の実施形態は、オンライン広告を生成または供給するための情報を生成する分析サーバ114での処理に関する。分析サーバ114は、ユーザの感情を示す情報を広告ネットワーク118に通信するように構成される。分析サーバ114および広告ネットワーク118は本実施形態における別個のエンティティとして示されるが、これは必須ではない。挙動データ収集アプリケーション110によって収集される生データの分析は、システムにおいて任意の好適なポイントで行なわれ得る。たとえば、当該分析は、たとえばユーザのデバイスにおいてローカルで行なわれてもよく、挙動データ収集アプリケーション110の機能の一部であってもよい。代替的には、分析サーバ114によって行なわれる分析機能は、広告ネットワーク118に組み込まれてもよい。
【0046】
広告ネットワーク118は、利用可能な広告インベントリを複数の広告主120a,120b,120cに通知し、所与のインベントリを満たすよう、供給されるべき広告を選択するように構成されるサーバを含み得る。典型的に、広告主120a,120b,120cは、広告インベントリの売買をオーガナイズするために入札プラットフォームなどを運営し得るRight ExchangeまたはDoubleclick Ad Exchangeといったアドエクスチェンジ(ad exchange)(図示せず)を介して広告ネットワークと通信する。ひとたび広告がインベントリを満たすように選択されると、ネットワーク112を介してコンピューティングデバイスにその広告が供給される。
【0047】
本発明の実施形態に従うと、収集された挙動データ(たとえば、ユーザの感情データまたはそこから導出された任意のメトリックまたは感情状態)が、広告インベントリを生成するために使用される。言いかえれば、広告を表示する機会の作成およびその特性は、収集された挙動データに少なくとも部分的に基づく。これは、広告のコンテンツが他の情報に基づいて変動可能であっても広告スロットの性質が予め決められている公知の広告提供とは異なる。
【0048】
図2は、本発明の一実施形態に従った広告インベントリ生成方法のフローチャートである。本実施形態に従った方法は、広告ネットワークへの挙動データを受け取るステップ202から開始する。本願明細書において使用されるような挙動データは、ユーザの収集された表情から検出された感情状態情報を含み得る。データが収集される感情は、怒り、不快、中立的、悲しみ、恐怖、幸福、驚きのうちのいずれか1つ以上と、それらの派生物および組合せとを含み得る。他の挙動情報(たとえば頭部の向きまたは上体部の姿勢のような身体データ)も収集され得る。この情報は、たとえばエンゲージメントなどのコンピュータユーザの反応のさらなるインジケータを導出するよう、感情状態情報と組み合わされ得る。
【0049】
付加的または代替的には、挙動データは、たとえば、ジェスチャ、血圧または心拍数(皮膚色に基づいてもよい)、まばたきなどのいずれかといった、メディアコンテンツと相互作用するユーザから収集される他の情報を含み得る。挙動データは、検出された感情情報の組合せから発生し得る、ユーザの挙動の特定の局面を示す情報を抽出するためにさらに処理され得る。たとえば、挙動データは、表示に対するユーザのエンゲージメントを示す情報を抽出するように処理され得る。
【0050】
上記方法は、受け取られた挙動データに基づいて、広告インベントリ生成条件が存在するかどうか判定するステップ204へと続く。ユーザの挙動の1つ以上の局面を示す情報(たとえば表示に対する感情またはエンゲージメントの程度)と所定のしきい値との間で比較が行われ得る。これにより、ユーザのエンゲージメントが高いことを収集された情報が示す場合、判定ステップ204は、広告インベントリ生成条件が満たされていることを示す。
【0051】
ある実施形態に従うと、判定処理は、たとえば、所定のターゲットに対して1つ以上の挙動データパラメータの時間進展(time evolution)を比較することによって、ユーザの挙動における所定パターンを識別することを含み得る。当該時間進展は、閲覧されているメディアコンテンツの持続期間内のデータの所定期間または窓にわたって計算され得る。たとえば、当該メディアは、異なるメタデータを有する複数の部分へ分割され得る。メタデータにおける情報は、判定処理をトリガするか、または、特定の広告インベントリ生成ターゲットを設定するために使用され得る。
【0052】
代替的には、時間進展は、メディアコンテンツの全体の持続期間にわたって、得られ得る。窓は、たとえば最後の5秒または10秒といったメディアコンテンツ内の特定のポイントに固定され得るか、または、移動窓であり得、これにより、直前の期間にわたる適切なパラメータの時間進展が評価される。したがって、たとえば、ユーザが5秒以上あるレベルを上回る幸福を示す場合、または、所与の感情における大きな変動が所与の時間期間内に発生する場合に、広告インベントリ生成条件がトリガされ得る。
【0053】
広告インベントリ生成条件が存在するかどうかを判定するステップ204は、メディアコンテンツの再生の全体にわたって周期的に実行され得る。代替的または付加的には、ステップ204は、たとえばシーンの終わりまたは変化などといった、閲覧されているメディアコンテンツの再生の間のある所定の時間において実行され得る。そのようなトリガポイントは、メディアの1つ以上の部分におけるメタデータに従って決定され得る。
【0054】
広告インベントリ生成条件が存在するかどうか判定する際に、たとえば最後の広告からの時間または次の広告休止まで時間といった他のファクタも考慮されてもよい。広告インベントリ生成条件が存在するかどうか判定するために使用される複数の挙動基準が存在し得る。たとえば、広告インベントリ生成条件は、複数の基準のうちの1以上または複数の基準のうちの2以上の任意の組合せが満たされる場合に、存在し得る。広告インベントリ生成条件が存在しないとステップ204が判定すると、当該方法はステップ202に戻るようループし、挙動データが収集され続ける。
【0055】
広告インベントリ生成条件が存在するとステップ204が判定すると、当該方法は広告インベントリを生成するステップ206へと続く。広告インベントリは、広告インベントリを購入または入札するべきかどうかに関する決定が、それぞれの広告インプレッションから得られる利用可能な広告および広告プロファイル情報に基づいてなされることを可能にするために、アドエクスチェンジまたは広告主への通信に好適なフォーマットであり得る。したがって、広告インベントリは、広告インベントリについての識別情報を含む特性のセットを含み得る。たとえば、特性のセットは、広告のサイズ、ディスプレイ上の広告の位置、および広告の持続期間のうちいずれか1つ以上を示し得る。さらに別の例として、特性のセットは、広告インベントリがウェブページ上のサイドバナーまたはポップアップウィンドウであるか、または、メディアプレイヤー上のオーバーレイされたフレームかどうかを示し得る。広告インベントリは、メディアコンテンツの再生に割り込むように、たとえば、広告が完了するまでメディアコンテンツを一時停止またはそうでなければ中断させるように構成され得る。
【0056】
広告インベントリの特性のセットは、広告インベントリ生成条件をトリガするために満たされる挙動基準に基づいて選択される1つ以上の特性を含み得る。言いかえれば、広告インベントリの性質は、ユーザの検出された挙動データに依存し得る。たとえば、ユーザがディスプレイ上のメディアコンテンツにエンゲージされていないことを挙動データが示す場合、オーバーレイタイプの広告が使用され得る。代替的に、挙動データがハイレベルのエンゲージメントを示す場合、たとえば複数の個々の広告を含む完全な広告休止が提供され得る。
【0057】
広告インベントリは、挙動情報の収集の間に表示されるメディアコンテンツの特徴を識別するコンテキスト固有情報を含み得る。コンテキスト固有情報は、適切な聴衆に広告をターゲティングすることを望む広告主によって使用され得る。収集された挙動情報は、メディアコンテンツに対するユーザの応答に対してフィードバックを提供することによってコンテキスト固有情報の潜在的な有効性を特定するために使用され得る。たとえば、メディアコンテンツの終わりにおいて、挙動データが幸福の増加のような好適に肯定的な応答を示す場合、広告インベントリにおける特性のセットは、コンテキスト固有広告が有効である可能性があることを示すよう、フラグまたはパラメータを含み得る。その逆も同様である。すなわち、メディアコンテンツの終わりに、たとえば怒りの増加といった挙動データが否定的な応答を示す場合、広告インベントリにおける特性のセットは、そのコンテキスト固有広告に効果がない可能性があることを示すパラメータを含み得る。
【0058】
広告インベントリが生成された後、上記方法は、利用可能な広告インベントリをアドエクスチェンジまたは広告サーバに通知するステップ208へと続く。利用可能な広告インベントリを満たす広告は、たとえば入札ルールまたは他の手順に従った従来の態様で選択され得る。たとえば、広告インベントリは、処理のためにリアルタイム入札APIに供給され得る。広告インベントリの特性のセットはこの目的に使用され得る。
【0059】
ある広告が広告インベントリについて選ばれることが成功した後、上記方法は、ユーザコンピュータに当該広告を供給するステップ210で終了する。
【0060】
図3は、広告の間に収集される挙動情報に基づいて広告表示を動的に制御する方法の一実施形態を示すフローチャートを示す。この方法において、現在の広告表示または広告休止の特性は、ユーザの反応に基づいてリアルタイムで適合され得る。代替的には、上記方法は、将来の広告表示の存在または特性を制御するために使用され得る。たとえば、ユーザが広告にエンゲージされていることを収集された挙動データが示す場合、当該広告表示は、たとえば付加的な広告インベントリを作成することによって延長され得る。ユーザがエンゲージされていないことを収集された挙動データが示す場合、当該広告表示は制限され得る。たとえば、終了または短縮され得る。ユーザのエンゲージメントがこの例において使用されているが、上記方法は、任意の検出された感情または感情の組合せを用いて機能し得る。
【0061】
図3に示される方法は、広告ネットワークへの挙動データを受け取るステップ302から開始する。図2の方法と同様に、挙動データが広告ネットワークに到着する前に、ユーザの1つ以上の適切な感情状態を判定するよう、既に挙動データが分析されている。たとえば広告を表示しユーザの画像を収集するデバイスのようなユーザのコンピューティングデバイスは、挙動データの分析を実行し得る。代替的には、そのような分析は、分析サーバのような、システムを構成する他のコンポーネントによって実行され得る。上記方法は、ユーザエンゲージメント条件が存在するかどうか判定するステップ304へと続く。この判定は、受け取られた挙動データから、ユーザのエンゲージメントを示すメトリックを取得すること、たとえば、当該メトリックを計算またはそうでなければ決定することと、当該メトリックの値を所定のしきい値と比較することとを含んでもよい。メトリックは、プロセッサが当該機能を実現するようにコードを実行することによって決定されると、広告表示の間にユーザのエンゲージメントの如何なる変更も示すように構成され得る。ユーザエンゲージメント条件は、広告表示の間にユーザのエンゲージメントの増加がある場合、存在し得る。このステップはさらに、所望の場合、ユーザのコンピューティングデバイスにおいて実行され得るか、または、システムを構成する他のコンポーネントにおいて実行され得る。
【0062】
ユーザエンゲージメント状態が存在しないとステップ304が決定する場合、上記方法は、広告表示を終了させるまたはそうでなければ制限するステップ312で終了する。別の態様では、広告表示を制限することは、たとえばより短いエンディングを選択することによって表示されている現在の広告の短縮につながり得るか、または、広告のサイズの低減につながり得る。代替的には、ユーザエンゲージメントの欠如は、永久にまたは所定の時間期間の間、現在の広告が繰り返されるのを防止するように使用され得る。さらに、ユーザエンゲージメントの欠如は将来の広告の表示を制限するように使用され得る。
【0063】
ユーザエンゲージメント条件が存在するとステップ304が判定すると、上記方法は、広告表示を延長するために付加的な広告インベントリを生成するステップ306に続く。付加的な広告インベントリは、生成され得るとともに、閲覧されている広告表示と同様の特性のセットを有し得る。
【0064】
広告インベントリが生成された後、上記方法は、付加的な広告インベントリをアドエクスチェンジまたは広告サーバに通知するステップ308へと続く。ひとたびある広告が広告インベントリについて選ばれることが成功されると、上記方法は、ユーザコンピュータに付加的な広告を供給するステップ310で終了する。
【0065】
図4は、本発明の実施形態と共に使用され得る広告インベントリ400の概略図である。広告インベントリ400は、広告インベントリの特性についてのセットを示す情報を維持し得る複数のデータフィールドを含む。例示的な1つのデータフィールドは表示タイプフィールド406であり、表示タイプフィールド406は、広告のタイプ(たとえばフラットまたはインタラクティブ画像、ビデオなど)と、その位置(たとえばサイドバナー、ポップアップ、オーバーレイなど)とを示し得る。別の例示的なデータフィールドは、広告について利用可能な長さを示す持続期間フィールド408である。さらに別の例示的なデータフィールドはコンテキストデータフィールド410であり、コンテキストデータフィールド410は、広告インベントリが位置する環境に関する情報、たとえば、広告インベントリを満たすよう供給された広告がユーザに表示されるコンテキスト、を維持し得る。コンテキストデータは、たとえばキーワードとしてエンコードされた当該環境の主題に関係し得、および/または、たとえばウェブサイト、ビデオ、音楽などのメディアのタイプに関係し得る。
【0066】
広告インベントリは、広告の選択に影響を与えるように使用され得る、ユーザに関する情報を提供するためにユーザプロファイルデータ402を含み得る。ユーザプロファイルデータ402は、ユーザのブラウジング履歴に関係するクリックストリーム403および/またはユーザ自身に関する人口学的情報405を参照し得る。
【0067】
随意に、広告インベントリ400は、ユーザに関係する感情プロファイルデータ404をさらに含む。図2または図3の方法を使用して広告インベントリがオンザフライで作成される場合、感情プロファイルデータ404は、広告インベントリ生成プロセスの間にユーザについて収集される挙動データを含み得る。しかしながら、ユーザについての感情プロファイルデータ404はさらに、従来の広告のための広告インベントリにおいて使用され得る。このシナリオにおいて、感情プロファイルデータ404は、応答してどの広告を供給するか決定するためのパラメータとして使用されるべき広告を呼び出すポイントで、ユーザについて収集された挙動データから導出された情報を含み得る。
【0068】
広告インベントリにおいて感情プロファイルデータを利用するために、利用可能な広告について広告プロファイルにおける対応する挙動データターゲットを提供することが望ましい。図5は、広告プロファイルについての挙動データターゲットを決定するためのシステム500の一実施形態を示す概略図である。システム500において、広告サーバ502(または広告ネットワークもしくはアドエクスチェンジ)は、1つ以上の広告主および広告インベントリ508、たとえば広告をホスティングすることを望むウェブサイトのような広告要求者、または、メディアコンテンツを再生しているメディアプレイヤーから複数の広告プロファイル506を受け取るように構成される。広告サーバ502は、広告プロファイル506を広告インベントリ508と比較することによって、広告要求に応答してどの広告510を供給するべきであるか決定するように構成される。このプロセスは、当業者に公知の技術を使用して自動化され得る。
【0069】
上で説明したように、広告インベントリは、ユーザについて収集された挙動データに基づく当該ユーザのための感情プロファイルデータ503を含み得る。この実施形態において、各広告プロファイル506は、集合させた挙動データのデータベース504からの情報に基づく1つ以上の挙動データパラメータを有する。データベース504のコンテンツは、広告プロファイルが必要とされる各広告のインプレッション(たとえば閲覧可能インプレッション)の間に収集された挙動データに対応し得る。言いかえれば、広告が供給されるとともに広告インプレッションが生成されると、広告インプレッションを作成するユーザについての挙動データが収集され、データベース504に通信される(図5に点線で表わされる)。
【0070】
収集された挙動データに加えて、広告インプレッションは、ユーザに関する他の情報と、広告インプレッションが発生するコンテキストとを含み得る。より多くの広告インプレッションが当該広告について作成されると、データベースは、収集されたユーザ挙動データを集合させ、当該広告プロファイルについて挙動データ「フィンガープリント(fingerprint)」を確立することが可能であり、当該挙動データフィンガープリントは、利用可能な広告インベントリに広告をより良好にマッチングするように使用され得る。したがって、各広告プロファイルは、その広告に関連付けられる広告インプレッションについて収集され集合させた挙動データの共通の特徴に基づくグループ挙動データを効果的に含む。
【0071】
したがって、本発明の本実施形態は、ユーザについて収集された挙動データに基づいて動的に広告インベントリを生成する方法を提供する。この方法は、従来の広告で満され得る別の態様の従来の広告インベントリを生成するために使用されてもよい。しかしながら、本発明は、生成された広告インベントリまたは利用可能な広告のいずれかまたは両方において、収集された挙動データをプロファイルパラメータとして使用することにより向上され得る。これらのプロファイルパラメータは、修正されておりアクション可能な情報を提供するプロファイル、たとえば、ある広告が管理および/またはユーザに送信される態様に影響を与えるプロファイルへ挿入される。広告インベントリの場合には、プロファイルパラメータが個々のユーザについて収集された挙動データを示し得る、すなわち、従来の広告インベントリに含まれるユーザデータの別の部分を形成する。広告自身の場合には、プロファイルパラメータは、広告を閲覧した複数のユーザからの集合させた挙動データを示し得る。
【0072】
図1図5は、本発明の実施形態の説明を可能にする概念図である。本発明の実施形態のさまざまな局面がハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアまたはその組合せで実現され得るということが理解されるべきである。そのような実施形態において、本発明の機能を実行するよう、さまざまなコンポーネントおよび/またはステップがハードウェア、ファームウェアおよび/またはソフトウェアで実現され得る。すなわち、同じハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアのモジュールは、示されるブロック(たとえばコンポーネントまたはステップ)のうち1つ以上を実行し得る。
【0073】
ソフトウェア実現例において、コンピュータソフトウェア(たとえばプログラムもしくは他の命令)および/またはデータは、コンピュータプログラムプロダクトの一部としてマシン読取可能媒体上に格納され、リムーバブルストレージドライブ、ハードドライブまたは通信インターフェイスを介してコンピュータシステムまたは他のデバイスまたはマシンにロードされる。コンピュータプログラム(コンピュータ制御ロジックまたはコンピュータ読取可能プログラムコードとも称される)は、メインメモリおよび/またはセカンダリメモリに格納され、かつ、1つ以上のプロセッサに本願明細書に記載されるように本発明の機能を実行させるよう1つ以上のハードウェアプロセッサ(コントローラなど)によって実行される。この明細書において、「マシン読取可能媒体」、「コンピュータプログラム媒体」および「コンピュータ使用可能媒体」という用語は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、リムーバブルストレージユニット(たとえば磁気または光学ディスクまたはフラッシュメモリ素子など)、またはハードディスクなどといった媒体を指すよう用いられる。
【0074】
なお、記載または例示された要素のうちのいくつかまたはすべては交換により他の実施形態が可能なので、上記の図および例は、本発明の範囲を単一の実施形態に限定するのを意図していない。さらに、公知のコンポーネントを使用して本発明のある要素が部分的または完全に実現され得る場合、本発明の理解に必要であるこのような公知のコンポーネントのそれらの部分のみが記載されており、そのような公知のコンポーネントの他の部分の詳細な説明は本発明を不明瞭にしないように省略されている。本願明細書において、単一のコンポーネントを示す実施形態は、明示的にそうでないことが本願明細書において述べられていなければ、同一のコンポーネントを複数含む他の実施形態に必ずしも限定されるべきでなく、その逆も同様である。さらに、出願人は、明示的にそのように述べられていなければ、明細書または請求の範囲における任意の用語が一般的ではないまたは特別の意味に帰着することを意図しない。さらに、本発明は、例示として本願明細書において言及された公知のコンポーネントについての現在および将来の公知の等価物を包含する。
【0075】
したがって、上記の特定の実施形態の記載は、本発明の一般的な性質は、不適当な実験なく、本発明の一般的な概念から逸脱することなしで、関連する技術の技能内の知見(本願明細書において参照により引用および援用される文書の中身を含む)を適用することによって、さまざまな用途のために他人がそのような特定の実施形態を容易に修正および/または適合し得るものであることを完全に明らかにする。したがって、そのような適応例および修正例は、本願明細書において提示される教示およびガイダンスに基づいて、開示された実施形態の等価物の意味および範囲内にあるように意図される。本願明細書における専門語または用語は、限定ではなく説明目的のためのものであり、本願明細書の用語または専門語は、本願明細書において提示された教示およびガイダンスを考慮して、関連技術の当業者の知見と組み合わせて当業者によって解釈されるべきであるということが理解されるべきである。
【0076】
本発明のさまざまな実施形態が上述されたが、それらは限定ではなく例示として提示されたことが理解されるべきである。本発明の精神および範囲から逸脱することがなければ、形態および詳細のさまざまな変更が行われ得るということが関連技術の当業者には明白であろう。したがって、本発明は、上記の例示的な実施形態のうちのいずれによっても限定されるべきでなく、以下の請求の範囲およびそれらの等価物に従ってのみ規定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5