(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明による過電流保護装置及び車両用電子制御ユニットを、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明による過電流保護装置の一実施の形態を備える電子制御ユニットを搭載した車両を示す図である。車両1に搭載された電子制御ユニット(ECU)2に接続された負荷3には、ワイヤーハーネス(図示せず)によりECU2に接続された常時電源(図示せず)により電圧V
INが印加される。ECU2は、例えば、オーディオ装置、ナビゲーション装置等を制御するECUであり、負荷3は、例えば、オーディオ装置、ナビゲーション装置等のパワーアンプである。
【0016】
ECU2は、シャント抵抗11と、電流センスアンプ12と、過電流保護装置13と、PMOSトランジスタ14と、を有する。シャント抵抗11は、負荷3に流れる電流の値を監視するために常時電源と負荷3との間に配置されている。電流センスアンプ12は、負荷3に流れる電流の値に対応するシャント抵抗の両端の電圧を増幅し、増幅した電圧V
ocpを出力する。
【0017】
過電流保護装置13は、負荷3を過電流から保護するために設けられ、過電流検出部21と、過電流遮断部22と、マイクロコンピュータ23と、を備える。過電流検出部21は、第1の過電流検出部の一例であり、マイクロコンピュータ23は、第2の過電流検出部の一例である。
【0018】
過電流検出部21は、電流センスアンプ12の出力部及びマイクロコンピュータ23の端子23aに接続され、負荷3への過電流の検出を、電流センスアンプ12から出力された電圧V
ocp及び後に説明する負荷3の非作動時の過電流遮断特性に基づいて行う。過電流遮断部22は、過電流検出部21及びマイクロコンピュータ23の端子23bに接続され、過電流検出部21が負荷3への過電流を検出したときに負荷3への過電流を遮断する。すなわち、過電流遮断部22は、過電流検出部21が負荷3への過電流を検出したときにPMOSトランジスタ14をオフにする。
【0019】
マイクロコンピュータ23は、端子23cに接続されているアクセサリ電源(図示せず)によりアクセサリ電圧V
CCが印加される。マイクロコンピュータ23は、各種制御プログラムを実行するCPUと、負荷3の作動時に電流センスアンプ12から端子23dに入力された電圧V
ocpをアナログ/デジタル(A/D)変換するA/Dコンバータと、を備える。マイクロコンピュータ23は、所定の期間(サンプリング期間)ごとに取得(サンプリング)したA/D変換された電圧V
ocpのデータ等の制御用データを一時的に格納するRAMと、後に説明するマップ、制御プログラム等を格納したROMと、を更に備える。負荷3は、マイクロコンピュータ23が作動状態であるときに作動状態となり、マイクロコンピュータ23がスリープ状態又は非アクティブ状態であるときに非作動状態となる。
【0020】
本実施の形態では、マイクロコンピュータ23は、負荷3の作動時の負荷3への過電流の検出を、負荷3の作動時に電流センスアンプ12から出力された電圧V
ocp及び後に説明する負荷3の作動時の過電流遮断特性に基づいて行う。
【0021】
PMOSトランジスタ14は、過電流遮断部22によってオンオフ制御される素子である。過電流遮断部22によってオンオフ制御される素子として、PMOSトランジスタ以外の素子を用いてもよい。
【0022】
図2は、負荷の非作動時の遮断特性及び周囲温度が常温(例えば、20℃以上30℃以下)のときの負荷の作動時の遮断特性を示すグラフである。
図2において、負荷3に流れる電流の値を縦軸にとり、負荷3に電流が流れる時間を横軸にとる。
【0023】
図2において、負荷3の非作動時の過電流遮断特性a1は、負荷3の非作動時の負荷3への電流を許容する導通領域及び負荷の非作動時の負荷への電流を遮断する遮断領域を規定する。負荷3の非作動時の負荷3への電流を許容する導通領域は、縦軸、横軸及び過電流遮断特性a1によって包囲される領域である。負荷3の非作動時の負荷への電流を遮断する遮断領域は、
図2のグラフから負荷3の非作動時の負荷3への電流を許容する導通領域を除外した領域である。過電流遮断特性a1は、電流値Ia及び時間taによって規定される。電流値Iaは、過電流検出用の閾値であり、第1の閾値の一例である。時間taは、過電流検出用の閾値であり、第2の閾値の一例である。
【0024】
過電流遮断特性a1は、負荷3の非作動時に負荷3に入力されるノイズ、負荷3を常時電源に接続したときに一時的に流れる突入電流等を許容するととともに負荷3の非作動時の負荷3への過電流を遮断する特性である。すなわち、過電流遮断特性a1は、負荷3の非作動時に負荷3に入力されるノイズ、負荷3を常時電源に接続したときに一時的に流れる突入電流等を許容するために、負荷3の非作動時の負荷3への電流を許容する導通領域にある負荷3の非作動時の負荷特性a2に基づいて決定される。負荷特性a2は、例えば、常時電源の電圧、内部抵抗、ワイヤーハーネスのインピーダンス、コネクタ等の接触抵抗、ECU2内部のインピーダンス及びECU2に接続される機器の入力容量のうちの少なくとも一つによって決定される。
【0025】
本実施の形態では、過電流検出部21は、電圧V
ocpに対応する電流値I
ocpが電流値Iaより大きい時間が時間taより長いときに負荷3への過電流を検出する。過電流検出部21は、負荷3への過電流を検出するとPMOSトランジスタ14をオフにするよう過電流遮断部22に指示する。
【0026】
負荷3の作動時の過電流遮断特性b1は、負荷3の作動時の負荷3への電流を許容する導通領域及び負荷の作動時の負荷への電流を遮断する遮断領域をステップ状(疑似曲線形状)に規定する。負荷3の作動時の負荷3への電流を許容する導通領域は、縦軸、横軸及び過電流遮断特性b1によって包囲される領域である。負荷3の作動時の負荷への電流を遮断する遮断領域は、
図2のグラフから負荷3の作動時の負荷3への電流を許容する導通領域を除外した領域である。過電流遮断特性b1は、電流値Iaより小さい電流値Ib1,Ib2,Ib3,Ib4,Ib5,Ib6(Ib1>Ib2>Ib3>Ib4>Ib5>Ib6)及び時間taより
長い時間tb1,tb2,tb3,tb4,tb5(
tb1<tb2<tb3<tb4<tb5)によって規定される。電流値Ib1,Ib2,Ib3,Ib4,Ib5及び時間tb1,tb2,tb3,tb4,tb5は、過電流検出用の閾値である。電流値Ib1と時間tb1との組合せ、電流値Ib2と時間tb2との組合せ、電流値Ib3と時間tb3との組合せ、電流値Ib4と時間tb4との組合せ及び電流値Ib5と時間tb5との組合せは、第3の閾値及び第4の閾値の組合せの例である。
【0027】
過電流遮断特性b1は、負荷3の作動時の負荷3への過電流を遮断する特性である。すなわち、過電流遮断特性b1は、負荷3の作動時の負荷3への過電流を遮断するために、負荷3の作動時の負荷3への電流を許容する導通領域にある負荷3の作動時の負荷特性b2に基づいて決定される。また、過電流遮断特性b1は、負荷特性b2と、ECU2に接続されたワイヤーハーネスが発煙するときの電流の値及び当該電流がワイヤーハーネスに流れ続ける時間との関係を表す負荷3の作動時のワイヤーハーネス発煙特性cとの間にある。負荷特性b2は、例えば、ECU2に接続される機器の種類と当該機器のパラメータの少なくとも一方によって決定される。
【0028】
本実施の形態では、マイクロコンピュータ23は、過電流遮断特性b1によって表される電流値と時間のマップをROMに格納する。そして、マイクロコンピュータ23は、負荷3の作動時に当該マップを参照することによって負荷3への過電流が存在するか否かを判断する。例えば、マイクロコンピュータ23は、電流値I
ocpが電流値Ib1より大きい時間がtb1より長いときに負荷3への過電流を検出する。また、マイクロコンピュータ23は、電流値I
ocpがIb1より小さいがIb2より大きい時間がtb2より長いとき又は電流値I
ocpがIb2より小さいがIb3より大きい時間がtb3より長いときに負荷3への過電流を検出する。さらに、マイクロコンピュータ23は、電流値I
ocpがIb3より小さいがIb4より大きい時間がtb4より長いとき又は電流値I
ocpがIb4より小さいがIb5より大きい時間がtb5より長いときに負荷3への過電流を検出する。マイクロコンピュータ23は、負荷3への過電流を検出するとPMOSトランジスタ14をオフにするよう過電流遮断部22に指示する。
【0029】
図3は、
図1の一部を詳細に示す図である。
図3において、電流センスアンプ12には、電圧V
INをレギュレータ(図示せず)によって生成される電圧V
regが供給される。
【0030】
過電流検出部21は、抵抗21a,21b,21c,21dと、コンパレータ21e,21fと、コンデンサ21gと、を有する。抵抗21aの一端は接地され、抵抗21aの他端は抵抗21bの一端に接続され、抵抗21bの他端はレギュレータに接続されている抵抗21aと抵抗21bとの接続部は、コンパレータ21e,21fの反転入力部にそれぞれ接続されている。したがって、抵抗21a,21bの抵抗値をそれぞれR1,R2とした場合、抵抗コンパレータ21e,21fの反転入力部にはそれぞれR1・V
reg/(R1+R2)の電圧が供給される。シャント抵抗の抵抗値をRsとし、電流センスアンプの増幅率をAとした場合、R1・V
reg/(R1+R2)がA・Rs・Iaに等しくなるようにR1,R2の値が適切に設定される。
【0031】
コンパレータ21eの非反転入力部は、電流センスアンプ12の出力部に接続されている。コンパレータ21eの出力部は、抵抗21c及びコンデンサ21gを介して接地され、電圧V
ocpが電圧R1・V
reg/(R1+R2)以下であるときに零電圧に相当するローの信号を出力し、電圧V
ocpが電圧R1・V
reg/(R1+R2)より高いときに電圧V
regに相当するハイの信号を出力する。
【0032】
抵抗21cの抵抗値及びコンデンサ21gの容量は、抵抗21及びコンデンサ21gから構成されるRC回路の時定数すなわち抵抗21cの抵抗値とコンデンサ21gの容量との積が時間taに等しくなるようにそれぞれ設定される。コンパレータ21fの非反転入力部は、抵抗21cとコンデンサ21gの接続部に接続されている。コンパレータ21fの出力部は、抵抗21dを介して過電流遮断部22に接続されている。また、コンパレータ21fの出力部には、ダイオード31のアノードが接続されており、ダイオード31のカソードは、コンパレータ21fの非反転入力部及び抵抗21cとコンデンサ21gの接続部に接続されている。
【0033】
コンパレータ21fの非反転入力部とダイオード31のカソードとの接続部は、抵抗32を介してnpnトランジスタ33のコレクタに接続され、npnトランジスタ33のエミッタは接地されている。npnトランジスタ33のベースは、一端が接地されている抵抗34と一端がマイクロコンピュータ23の端子23aに接続されている抵抗35との接続部に接続されている。
【0034】
過電流遮断部22は、npnトランジスタ22a,22bと、pnpトランジスタ22cと、抵抗22d,22e,22f,22g,22h,22iと、を有する。npnトランジスタ22aのベースは、一端がコンパレータ21fの出力部に接続されている抵抗21dと一端が接地されている抵抗22dとの接続部に接続されている。npnトランジスタ22aのエミッタは、npnトランジスタ22bのエミッタに接続されており、npnトランジスタ22aのエミッタとnpnトランジスタ22bのエミッタとの接続部は、接地されている。npnトランジスタ22aのコレクタは、npnトランジスタ22bのコレクタに接続されている。
【0035】
npnトランジスタ22bのベースは、一端が接地されている抵抗22eと一端がnpnトランジスタ22bのベースは、一端が接地されている抵抗22eと一端がマイクロコンピュータ23の端子23bに接続されている抵抗22fとの接続部に接続されている。npnトランジスタ22aのコレクタとnpnトランジスタ22bのコレクタとの接続部は、抵抗22gの一端に接続されている。抵抗22gの他端は、pnpトランジスタ22cのベース及び抵抗22hの一端に接続されており、抵抗22hの他端は、pnpトランジスタ22cのエミッタ及びシャント抵抗11とPMOSトランジスタ14のゲートとの間に接続されている。pnpトランジスタ22cのコレクタは、一端が接地されている抵抗22iの他端とPMOSトランジスタ14のゲートとの接続部に接続されている。
【0036】
電圧R1・V
reg/(R1+R2)より高い電圧V
ocpがコンパレータ21eの非反転入力部に入力されると、コンパレータ21eの出力部は、電圧V
regに相当するハイの信号を出力する。コンパレータ21eの出力部から出力されたハイの信号は、時間taだけ遅延してコンパレータ21fの非反転入力部に入力され、コンパレータ21fの出力部は、電圧V
regに相当するハイの信号を出力する。コンパレータ21fの出力部が出力したハイの信号は、ダイオード31を介してコンパレータ21fの非反転入力部に入力され、コンパレータ21fの出力部が出力した信号は、コンデンサ21gが十分に充電されている間にはハイの状態に保持(ラッチ)される。コンパレータ21fの出力部が出力した信号がハイの状態に保持されると、npnトランジスタ22aはオン状態を維持し、電圧V
INを抵抗22h及び抵抗22gで抵抗分割した電圧に相当する信号がpnpトランジスタ22cのベースに入力されることによってpnpトランジスタ22cがオン状態となる。pnpトランジスタ22cがオン状態になると、PMOSトランジスタ14のゲート・ソース間電圧が零になり、PMOSトランジスタはオフになる。過電流検出部21が負荷3への過電流を検出するとコンパレータ21fの出力部が出力した信号がハイの状態に保持されるので、過電流検出部21は、PMOSトランジスタ14をオフにするよう過電流遮断部22に指示することができる。
【0037】
一方、マイクロコンピュータ23が負荷3の作動時に負荷3への過電流を検出すると、マイクロコンピュータ23は、npnトランジスタ22bをオン状態に維持するための信号を、端子23bを介してnpnトランジスタ22bのベースに供給する。npnトランジスタ22bがオン状態に維持されると、電圧V
INを抵抗22h及び抵抗22gで抵抗分割した電圧に相当する信号がpnpトランジスタ22cのベースに入力されることによってpnpトランジスタ22cがオン状態となる。pnpトランジスタ22cがオン状態になると、PMOSトランジスタ14のゲート・ソース間電圧が零になり、PMOSトランジスタはオフになる。マイクロコンピュータ23が負荷3の作動時に負荷3への過電流を検出するとnpnトランジスタ22bをオン状態に維持することによって、マイクロコンピュータ23は、PMOSトランジスタ14をオフにするよう過電流遮断部22に指示することができる。
【0038】
過電流検出部21は、負荷3への過電流の検出を負荷3の作動時に停止してもよい。この場合、マイクロコンピュータ23は、npnトランジスタ33をオン状態にするための信号を、端子23aを介してnpnトランジスタ33のベースに入力する。npnトランジスタ33がオン状態になると、抵抗21cを介したコンパレータ21eの出力部からの信号、ダイオード31を介したコンパレータの出力部からの信号及びコンデンサ21gに蓄積された電荷は、npnトランジスタ33のコレクタからエミッタに流れ、コンパレータ21fの出力部が出力した信号の保持(ラッチ)が解除される。また、過電流検出部21は、負荷3への過電流の検出を負荷3の非作動時と作動時の両方で行ってもよい。
【0039】
本実施の形態によれば、負荷3への過電流の検出を電流I
ocpの値、電流I
ocpが負荷3に流れる時間及び負荷3の非作動時の過電流遮断特性に基づいて行う過電流検出部21を用いることによって、過電流検出部21の構成を、負荷3に過電流が流れたか否かをヒューズ特性と同等の形状の過電流遮断特性に基づいて判断する場合に比べて簡単にすることができる。
【0040】
したがって、過電流保護装置13が複雑になることによって大型化して過電流保護装置13の消費電力が増大することがなくなるので、消費電力を増大させることなく負荷3を過電流から保護することができる。
【0041】
また、閾値として電流値Ia及び時間taを用いることによって、負荷3の非作動時に負荷3に入力されるノイズ、負荷3を常時電源に接続したときに一時的に流れる突入電流等を許容しながら負荷3を過電流から保護することができる。
【0042】
また、マイクロコンピュータ23が負荷3の作動時の負荷3への過電流の検出を電流I
ocpの値、電流I
ocpが負荷3に流れる時間及び負荷3の作動時の過電流遮断特性に基づいて行うので、すなわち、マイクロコンピュータ23が負荷3の非作動時の負荷3への過電流の検出を行わないので、負荷3の非作動時におけるマイクロコンピュータ23の暗電流を低減することができる。
【0043】
過電流検出部21が負荷3の作動時の負荷3への過電流の検出を行った場合、電流値Ib1,Ib2,Ib3,Ib4,Ib5,Ib6より大きい電流値Iaを閾値として用いることによって、瞬間的な大電流が流れたときに負荷3への過電流を遮断することができる。
【0044】
また、過電流検出部21が負荷3の作動時の負荷3への過電流の検出を行った場合、マイクロコンピュータ23が故障している場合でも負荷3の作動時の負荷3への過電流を検出することができる。
【0045】
過電流検出部21が負荷3の作動時の負荷3への過電流の検出を停止した場合、想定していない電流が流れたために過電流検出部21による負荷3への過電流の有無の判断及びマイクロコンピュータ23による負荷3への過電流の有無の判断が整合しない場合でも過電流保護装置13が誤作動を起こさなくなる。
【0046】
図4は、本発明による過電流保護装置の他の実施の形態を備える電子制御ユニットを搭載した車両を示す図である。車両1’に搭載されたECU2’は、シャント抵抗11と、電流センスアンプ12と、過電流保護装置13’と、PMOSトランジスタ14と、サーミスタ15と、抵抗16と、を有する。
【0047】
過電流保護装置13’は、過電流検出部21と、過電流遮断部22と、マイクロコンピュータ23’と、を備える。マイクロコンピュータ23’は、端子23cに接続されているアクセサリ電源(図示せず)によりアクセサリ電圧V
CCが印加される。マイクロコンピュータ23’は、各種制御プログラムを実行するCPUと、負荷3の作動時に電流センスアンプ12から端子23dに入力された電圧V
ocpをA/D変換するA/Dコンバータと、負荷3の作動時に端子23eに入力されるサーミスタ15の両端間の電圧をA/D変換するA/Dコンバータと、を備える。マイクロコンピュータ23’は、所定の期間ごとに取得したA/D変換された電圧V
ocpのデータ、電圧V
ocpのデータに対応して取得したサーミスタ15の両端間の電圧のデータ等の制御用データを一時的に格納するRAMと、後に説明する周囲温度ごとに設定されたマップ、制御プログラム等を格納したROMと、を更に備える。
【0048】
サーミスタ15及び抵抗16は分圧回路を構成する。サーミスタ15の抵抗値が周囲温度によって変化するので、サーミスタ15の両端間の電圧は、周囲温度に対応する電圧となる。したがって、マイクロコンピュータ23’は、サーミスタ15の両端間の電圧の値に基づいて周囲温度を検出することができる。
【0049】
図5は、負荷の非作動時の遮断特性及び周囲温度が高温(例えば、30℃より上の温度)のときの負荷の作動時の遮断特性を示すグラフである。負荷3の作動時の過電流遮断特性b1’の電流値は、同一時間における負荷3の作動時の過電流遮断特性b1(
図2)の電流値より低くなっている。負荷3の作動時の過電流遮断特性b1’の時間は、同一電流値における負荷3の作動時の過電流遮断特性b1(
図2)の時間より短くなっている。
【0050】
また、電流値Ib1’は電流Ib1より低く、電流値Ib2’は電流Ib2より低く、電流値Ib3’は電流Ib3より低く、電流値Ib4’は電流Ib4より低く、電流値Ib5’は電流Ib5より低く、電流値Ib6’は電流Ib6より低い。
【0051】
また、時間tb1’は時間tb1より短く、時間tb2’は時間tb2より短く、時間tb3’は時間tb3より短く、時間tb4’は時間tb4より短く、時間tb5’は時間tb5より短い。
【0052】
また、負荷3の作動時の負荷特性b2’の電流値は、同一時間における負荷3の作動時の負荷特性b2(
図2)の電流値より低くなっている。さらに、負荷3の作動時のワイヤーハーネス発煙特性c’は、同一時間における負荷3の作動時のワイヤーハーネス発煙特性c(
図2)の電流値より低くなっている。
【0053】
図6は、負荷の非作動時の遮断特性及び周囲温度が低温(例えば、20℃より下の温度)のときの負荷の作動時の遮断特性を示すグラフである。負荷3の作動時の過電流遮断特性b1”の電流値は、同一時間における負荷3の作動時の過電流遮断特性b1(
図2)の電流値より高くなっている。負荷3の作動時の過電流遮断特性b1”の時間は、同一電流値における負荷3の作動時の過電流遮断特性b1(
図2)の時間より長くなっている。
【0054】
また、電流値Ib1”は電流Ib1より高く、電流値Ib2”は電流Ib2より高く、電流値Ib3”は電流Ib3より高く、電流値Ib4”は電流Ib4より高く、電流値Ib5”は電流Ib5より高く、電流値Ib6’は電流Ib6より高い。
【0055】
また、時間tb1”は時間tb1より長く、時間tb2”は時間tb2より長く、時間tb3”は時間tb3より長く、時間tb4”は時間tb4より長く、時間tb5”は時間tb5より長い。
【0056】
また、負荷3の作動時の負荷特性b2”の電流値は、同一時間における負荷3の作動時の負荷特性b2(
図2)の電流値より高くなっている。さらに、負荷3の作動時のワイヤーハーネス発煙特性c”は、同一時間における負荷3の作動時のワイヤーハーネス発煙特性c(
図2)の電流値より高くなっている。
【0057】
本実施の形態では、マイクロコンピュータ23は、過電流遮断特性b1によって表される電流値と時間のマップ、過電流遮断特性b1’によって表される電流値と時間のマップ及び過電流遮断特性b1”によって表される電流値と時間のマップをROMに格納する。
【0058】
マイクロコンピュータ23は、負荷3の作動時に周囲温度に応じてマップを選択する。例えば、マイクロコンピュータ23は、周囲温度が20℃以上30℃以下であるときには過電流遮断特性b1によって表される電流値と時間のマップを選択する。また、マイクロコンピュータ23は、周囲温度が20℃より下であるときには過電流遮断特性b1’によって表される電流値と時間のマップを選択する。さらに、マイクロコンピュータ23は、周囲温度が30℃より上であるときには過電流遮断特性b1”によって表される電流値と時間のマップを選択する。そして、マイクロコンピュータ23は、選択したマップを参照することによって負荷3への過電流が存在するか否かを判断する。
【0059】
本実施の形態によれば、マイクロコンピュータ23’が負荷3への過電流の検知を周囲温度に応じて決定した過電流遮断特性b1,b1’,b1に基づいて行うことによって、周囲温度に応じた適切な負荷3への過電流の検知を行うことができる。したがって、負荷3の作動時の負荷3への過電流の遮断をより正確に行うことができる。
【0060】
図4に示す実施の形態において、周囲温度に応じて決定した過電流遮断特性によって表される電流値と時間のマップを三つ用いる場合について説明したが、周囲温度に応じて決定した過電流遮断特性によって表される電流値と時間のマップを二つ又は四つ以上用いてもよい。