(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
センサアセンブリ(10)と、少なくとも1つの温度センサ(112)と、メータ電子機器(20)とを備え、前記センサアセンブリ(10)の調子を検証する振動要素計(5)であって、
前記センサアセンブリ(10)は、振動部材(12)、ピックオフ/検知センサ(17)、前記振動部材(12)を振動させるように構成されたドライバ(16)を含み、
前記メータ電子機器(20)は、前記ピックオフ/検知センサ(17)、ドライバ(16)及び少なくとも1つの温度センサ(112)に連結されており、
前記メータ電子機器(20)は、周囲空気で前記センサアセンブリ(10)を充填するか、前記センサアセンブリ(10)を真空下に置くか、前記センサアセンブリ(10)を正確に知られた密度を有する流体で充填し、又は前記センサアセンブリ(10)に正確に知られた密度を有する流体を挿入した状態で、前記少なくとも1つの温度センサ(112)を用いて複数の温度(206)を測定し、前記センサアセンブリ(10)を用いて連続したセンサ時間(207)を測定し、複数の温度(206)から平均温度(208)を決定し、連続したセンサ時間(207)から平均センサ時間(209)を決定し、平均温度(208)を用いて平均センサ時間(209)を補償して補償されたセンサ時間(210)を生成し、該補償されたセンサ時間(210)を基準センサ時間と比較し、該補償されたセンサ時間(210)が基準センサ時間のセンサ時間誤り限界値内か否かを示すように構成された、振動要素計(5)。
前記メータ電子機器(20)は更に、前記複数の温度(206)又は連続したセンサ時間(207)の標準偏差を演算し、該標準偏差を限界値と比較し、該標準偏差が前記限界値より大きいか否かを示すように構成された、請求項1に記載の振動要素計(5)。
前記メータ電子機器(20)は更に、センサアセンブリ(10)が設置された場所の標高である高さ(218)を受信し、該高さ(218)を用いて補償されたセンサ時間(210)を補償するように構成された、請求項1に記載の振動要素計(5)。
前記メータ電子機器(20)は更に、前記センサアセンブリ(10)を用いて周囲空気の密度を測定し、補償されたセンサ時間(210)を生成することは、周囲空気の基準密度(220)と測定された密度(219)間の密度の差について、補償されたセンサ時間(210)を更に補償することを含み、基準密度(220)と測定された密度(219)の少なくとも1つは、前記センサアセンブリ(10)が設置された場所の標高である高さ(218)と平均温度(208)を用いて、修正されるように構成された、請求項4に記載の振動要素計(5)。
センサアセンブリ(10)と、少なくとも1つの温度センサ(112)と、メータ電子機器(20)とを備えた振動要素計(5)の、前記センサアセンブリ(10)の調子を検証する方法であって、
前記センサアセンブリ(10)は、振動部材(12)、ピックオフ/検知センサ(17)、前記振動部材(12)を振動させるように構成されたドライバ(16)を含み、
周囲空気で前記センサアセンブリ(10)を充填するか、前記センサアセンブリ(10)を真空下に置くか、前記センサアセンブリ(10)を正確に知られた密度を有する流体で充填し、又は前記センサアセンブリ(10)に正確に知られた密度を有する流体を挿入する工程を備え、
少なくとも1つの温度センサ(112)を用いて複数の温度(206)を測定し、及びセンサアセンブリ(10)を用いて連続したセンサ時間(207)を測定する工程と、
複数の温度(206)から平均温度(208)を決定する工程と、
連続したセンサ時間(207)から平均センサ時間(209)を決定する工程と、
前記平均温度(208)を用いて平均センサ時間(209)を補償し、補償されたセンサ時間(210)を生成する工程であって、平均センサ時間(209)を補償することはセンサアセンブリ(10)が設置された場所の標高である高さ(218)を用いることを含む工程と、
前記補償されたセンサ時間(210)を基準センサ時間(211)と比較する工程と、
前記補償されたセンサ時間(210)が、前記基準センサ時間(211)のセンサ時間誤り限界値(212)内か否かを示す工程を備える方法。
前記複数の温度(206)を測定する工程、及び前記センサアセンブリ(10)を用いて連続したセンサ時間(207)を測定する工程は更に、前記センサアセンブリ(10)を洗浄する工程を備える、請求項6に記載の方法。
前記センサアセンブリ(10)は周囲空気で充填され、前記センサアセンブリ(10)が設置された場所の標高である高さ(218)を用いて補償されたセンサ時間(210)を補償する工程は、
前記センサアセンブリ(10)を用いて周囲空気の密度を測定する工程と、
周囲空気の基準密度(220)と測定された密度(219)間の密度の差について、補償されたセンサ時間(210)を更に補償する工程を備え、基準密度(220)と測定された密度(219)の少なくとも1つは、前記センサアセンブリ(10)が設置された場所の標高である高さ(218)と平均温度(208)を用いて、修正される、請求項9に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
問題の記述
例えば、液体密度計、ガス密度計、液体粘度計、ガス/液体比重計、ガス/密度相対密度系及びガス分子量計のような振動計は一般に知られており、流体の特性を測定するのに用いられる。一般に振動計はセンサアセンブリと電子部を備える。センサアセンブリ内の材料は、流れるか静止する。各タイプのセンサは独自の特性を有し、最適な性能の達成のために流量計は責任を負う。例えば、センサの中には特定の変位レベルで振動するチューブ装置を要するものがある。他のタイプのセンサアセンブリの中には、特別な補償アルゴリズムを要するものがある。
【0003】
他の機能を実行する中でも特に、メータ電子機器は用いられる特定のセンサ用に記憶されたセンサ較正値を含む。例えば、メータ電子機器は基準センサ時間(即ち、基準共振周
波数の逆数)を含む。基準センサ時間は、基準条件下で工場内で測定されるときの、特定
のセンサアセンブリのセンサの幾何学形状の基本的な測定性能を表す。振動要素計が顧客側に取り付けられた後に測定されたセンサ時間と、基準センサ時間との間の変化は、他の原因に加えて、振動要素センサへの被覆、腐食、損傷によるセンサアセンブリ内の物理的な変化を表す。
【0004】
振動計内のセンサ時間の変化を監視するために一般的に用いられる技術は、空気点の調子(health)チェック、真空点の調子チェック又は正確に知られた密度を有する任意の流体を用いる調子チェックである。3つの調子チェックの手順の何れでも、振動計はオフラインを要し、テスト条件下に置かれる。振動計は、テスト条件下に置かれる前に、機械的又は溶剤ベースの技術によってしばしば洗浄される。液体メータ又はガスメータの何れかが、真空下又は空気又は水のような正確に知られた密度を有する流体にて充填された下で置かれる。液体メータについては、テスト条件は一般に周囲の条件下に、メータを置くことを含む。ガスメータについては、テスト条件は一般に真空条件下に、メータを置くことを含む。センサ時間が決定され、基準センサ時間測定値と比較される。
【0005】
一般的に、テスト測定は調子チェックテストの基準条件とは異なる条件下を要する。従って、調子チェック中に測定されるセンサ時間は、センサアセンブリ内の変化のみならず、基準条件とテスト条件の差による振動応答の変化を反映している。現行の調子チェックの手順は、物理的センサアセンブリ内の変化及びテスト条件内の変化ゆえに、振動応答の変化を隔てることを欠いている。
【0006】
例えば、センサ時間の測定は温度によって影響される。温度がセンサ時間に影響する第1の理由は、温度はセンサアセンブリ自体の剛性に影響を与えるからである。第2の理由はセンサアセンブリ内で動く流体の密度は温度に依存するからである。第3の理由は、センサアセンブリが安定した温度になく、又は温度のドリフトがあるときは、温度は調子チェックの安定性(robustness)に影響を与えるからである。従来の振動センサの調子チェックの技術の下では、これらの温度の影響は捕えられず、センサアセンブリが故障か正常化の誤った表示に繋がる。誤りは顧客の不正確な決定及び不要なサービスコールに繋がる。
【0007】
必要なのは、温度、圧力及び密度による測定されたセンサ時間内の変動を修正するセンサ調子の評価である。尚も、必要であるのは、センサアセンブリが空気点の調子チェック、真空点の調子チェック又は他の流体を用いる調子チェックから正確な結果を付与するのに十分安定しているかを決定する方法である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の要約
メータの調子を検証する振動要素計が付与される。振動要素計は、センサアセンブリ、少なくとも1つの温度センサ及びメータ電子機器を含む。センサアセンブリは振動計、ピックオフ/検知センサ及び振動計を振動させるように構成されたドライバを含む。メータ
電子機器は、ピックオフ/検知センサ、ドライバ及び少なくとも1つの温度センサに連結
される。メータ電子機器は、少なくとも1つの温度センサを用いて複数の温度を測定するように構成されている。メータ電子機器は更に、センサアセンブリを用いて複数のセンサ時間を測定するように構成されている。メータ電子機器は更に、複数の温度から平均温度を決定するように構成されている。メータ電子機器は更に、複数のセンサ時間から平均センサ時間を決定するように構成されている。メータ電子機器は更に、平均温度を用いて平均センサ時間を補償して、補償されたセンサ時間を生成するように構成されている。メータ電子機器は更に、補償されたセンサ時間を基準センサ時間と比較するように構成されている。メータ電子機器は更に、補償されたセンサ時間が基準センサ時間のセンサ時間誤り限界内かを示すように構成されている。
【0009】
センサを検証する方法が提供される。方法は、少なくとも1つの温度センサを用いて複数の温度を測定する工程、及びセンサアセンブリを用いて複数のセンサ時間を測定する工程を含む。センサアセンブリは、振動部材、ピックオフ/検知センサ、振動部材を振動さ
せるように構成されたドライバを含む。方法は更に、複数の温度から平均温度を決定する工程を備える。方法は更に、複数のセンサ時間から平均センサ時間を決定する工程を備える。方法は更に、平均温度を用いて平均センサ時間を補償し、補償されたセンサ時間を生成する工程を備える。方法は更に、補償されたセンサ時間を基準センサ時間と比較する工程を備える。方法は更に、補償されたセンサ時間が基準センサ時間のセンサ時間誤り限界内かを示す工程を備えている。
【0010】
センサの調子を検証する方法が提供される。方法は、少なくとも1つの温度センサを用いて複数の温度を測定する工程、及びセンサアセンブリを用いて複数のセンサ時間を測定する工程を含む。センサアセンブリは、振動部材、ピックオフ/検知センサ、振動部材を
振動させるように構成されたドライバを含む。方法は更に、複数の温度又は複数のセンサ時間の1つを備える第1のデータセットを用いて第1の標準偏差を演算する工程を備える。方法は更に、第1の標準偏差を第1の限界値と比較する工程を備える。方法は更に、第1の標準偏差が第1の限界値より大きいかを示す工程を備える。
【0011】
センサの調子を検証する方法が提供される。方法は、少なくとも1つの温度センサを用いて複数の温度を測定する工程、及びセンサアセンブリを用いて複数のセンサ時間を測定する工程を含む。センサアセンブリは、1以上の振動要素、1以上のピックオフ/検知セ
ンサ、1以上の振動要素を振動させるように構成されたドライバを含む。方法は更に、複数の温度から平均温度を決定する工程を備える。方法は更に、複数のセンサ時間から平均センサ時間を決定する工程を備える。方法は更に、高さを受信する工程を有する。方法は更に、センサアセンブリを用いて流体の密度を測定する工程を含む。方法は更に、高さと平均温度を用いて、センサ時間に、基準密度と測定された密度の間の密度差を補償する工程を含む。
【0012】
出願の態様
温度センサを用いて複数の温度を測定する工程、及びセンサアセンブリを用いて複数のセンサ時間を測定する工程は更に、センサアセンブリを洗浄する工程を含むのが好ましい。
温度センサを用いて複数の温度を測定する工程、及びセンサアセンブリを用いて複数のセンサ時間を測定する工程は更に、センサアセンブリを周囲の空気で充填する工程を含むのが好ましい。
温度センサを用いて複数の温度を測定する工程、及びセンサアセンブリを用いて複数のセンサ時間を測定する工程は更に、センサアセンブリを真空下に置く工程を含むのが好ましい。
温度センサを用いて複数の温度を測定する工程、及びセンサアセンブリを用いて複数のセンサ時間を測定する工程は更に、センサアセンブリを正確に知られた密度を有する流体で充填し、又はセンサアセンブリを正確に知られた密度を有する流体に挿入する工程を含むのが好ましい。
【0013】
メータ電子機器は更に、複数の温度と複数のセンサ時間の1つを用いて標準偏差を演算し、該標準偏差を限界値と比較し、標準偏差が限定値よりも大きいかを示すように構成されているのが好ましい。
メータ電子機器は更に、高さを受信し、該高さを用いて補償されたセンサ時間を補償するように構成されているのが好ましい。
【0014】
メータ電子機器は更に、センサアセンブリを用いて流体の密度を測定し、高さと平均温度を用いて、補償されたセンサ時間に、基準密度と測定された密度の間の密度差を補償するように構成されているのが好ましい。
方法は更に、複数の温度又は複数のセンサ時間の1つを備える第2のデータセットを用いて、第2の標準偏差を演算する工程であって、第1のデータセットは第2のデータセットとは異なる工程と、第2の標準偏差を第2の限界値と比較する工程と、第2の標準偏差が第2の限界値よりも大きいかを示す工程を含むのが好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1−
図5及び以下の記述は特定の例を記載して、本発明の最良のモードを作り使用する方法を当業者に開示する。進歩性を有する原理を開示する目的で、いくつかの従来の態様は単純化されたか省略された。
当業者は、これらの例示から本発明の範囲内にある変形例を理解するだろう。当業者は、下記に述べられた特徴が種々の方法で組み合わされて、本発明の多数の変形例を形成することを理解するだろう。その結果、本発明は、下記に述べられた特定の例にではなく特許請求の範囲とそれらの等価物によってのみ限定される。
【0017】
図1は、振動要素計5、密度計を示す。振動要素計5は、センサアセンブリ10及びメータ電子機器20を備える。しかし、密度計の実施形態は限定されることを意図しない。当業者は、ここに記載された出願の実施形態が液体密度計、ガス密度計、液体粘度計、ガス/液体比重計、ガス/液体相対密度計、ガス分子量計及び/又はあらゆるタイプの振動計
の検証に適用されることを、容易に理解するだろう。
【0018】
振動要素計5は、例えば液体又はガスのような流体の密度を測定するように構成されている。振動要素計5は、ハウジング11を含み、該ハウジング11内に振動部材12が少なくとも部分的に位置する。ハウジング11の一部は切断されて、振動部材12を示している。振動要素計5は例えば既存のパイプラインに直列に置かれる。或いは、ハウジング11は開口を有する閉塞端部を備えて、例えば流体のサンプルを受け入れる。従って、フランジは示されていないが、多くの例にて、ハウジング11又は振動部材12は流体が漏れないように振動要素計5をパイプライン又は同様の流体搬送デバイスに作動可能に連結する。示された例に従って、振動部材12はハウジング11に片持ち梁状に取り付けられる。示された振動部材12はハウジング11に入口端部13にて連結され、出口端部14は振動自在である。
【0019】
示された例に従って、振動部材12はまた、入口端部13の近くに複数の流体開口15を含む。流体開口15が付与されて、振動要素計5に入る流体の幾らかが入ることを許し、流体はハウジング11と振動部材12の間を流れる。従って、流体は振動部材12の外面と同様に内面に接する。これはテスト下の流体がガスである時に特に役立つ、何故なら大きな表面領域がガスに晒られるからである。他の例において、開口はハウジング11に付与されて、テスト下の流体を振動部材12の外面に晒し、従って開口15は振動部材12内には不要である。
【0020】
更に
図1には、ドライバ16及びシリンダ50内に位置するピックオフ/検知センサ1
7が示される。ドライバ16及びピックオフ/検知センサ17はコイルを備えるとして示
され、これは当該技術分野で周知である。コイルに電流が付与されると、振動部材12内に磁界が誘発され、振動部材12を振動させる。逆に振動部材12の振動はピックオフ/
検知センサ17に電圧を誘発する。ドライバ16はメータ電子機器20から駆動信号を受信して、例えば単純曲げ、捩り、半径方向又は結合タイプを含む複数の振動モードの1つにてその共振周波数にて振動部材12を振動させる。ピックオフ/検知センサ17は、振
動部材12が振動される周波数を含む振動部材12の振動を検知し、振動情報を処理のために、メータ電子機器20に送る。振動部材12が振動すると、振動部材の壁に接している流体は振動部材12に沿って振動する。流体が振動部材12に接する質量の増加は、共振周波数を低くする。当該技術分野で公知の如く、例えば以前に決定した相関関係に従って、振動部材12の新たな、低い共振周波数は流体の密度の決定に用いられる。
【0021】
振動要素計5は更に、温度センサ112を含む。実施形態にて、温度センサ112はハウジング11に連結される。しかし、他の実施形態にて、温度センサ112はドライバ16、ピックオフ/検知センサ17、入口端部13又はセンサアセンブリ10の他のあらゆ
る部分に連結される。実施形態にて、振動要素計5は1以上の温度センサを含み、各温度センサはセンサアセンブリ10の同じ又は別の要素に連結される。温度センサ112によって付与される1以上の信号は当該技術分野で一般的に知られた方法で結合されて、1以上の温度測定値を生成する。
【0022】
図2は、出願の実施形態に従った振動要素計5のメータ電子機器20を示す。メータ電子機器20は、インターフェイス201及び処理システム203を含む。処理システム203は記憶システム204を含む。以前に記載したように、メータ電子機器20は駆動信号を生成して、ドライバ16に供給し、ピックオフ/検知センサ17及び温度センサ11
2から信号を受信する。幾つかの実施形態にて、メータ電子機器20はドライバ16から信号を受信する。メータ電子機器20は密度計、粘度計として、又はコリオリ質量流量計のような流量計としてセンサアセンブリ10を作動させる。メータ電子機器20はまた他のタイプの振動計を作動させ、付与される特定例は本発明の範囲を限定すべきではない。
メータ電子機器20は振動センサ信号を処理して、ハウジング11内の材料の1以上の特性を得る。
【0023】
インターフェイス201は、リードを介して、ドライバ16、ピックオフ/検知センサ
17、又は温度センサ112からセンサ信号を受信する。インターフェイス201は、フォーマット、増幅、バッファリングの様な方法で必要な又は所望の信号調整を実行する。或いは、幾つか又は全ての信号調整は処理システム203内で実行される。更に、インターフェイス201はメータ電子機器20と外部デバイスとの間の通信を可能にする。インターフェイス201は、電子的、光学的又は無線の通信が可能である。更に、インターフェイス201は、例えばメータ電子機器20と外部デバイスとの間の通信を可能にする。インターフェイス201は、電子的、光学的又は無線の通信が可能である。
【0024】
一実施形態にて、インターフェイス201は、デジタイザ(図示せず)を含み、センサアセンブリ10の信号はアナログ信号を含む。デジタイザはアナログセンサ信号をサンプリング化し且つデジタル化して、デジタルセンサ信号を生成する。デジタイザはまたあらゆる必要な圧縮化(decimation)を実行して、デジタルセンサ信号は圧縮されて必要な信号処理の量を減じ、処理時間を減らす。
処理システム203は、メータ電子機器20の動作を行い、センサアセンブリ10からの密度/粘度/流れ測定を処理する。処理システム203はまた、センサ検証ルーチン205のような1以上の処理ルーチンを実施する。
【0025】
処理システム203は、一般的な目的のコンピュータ、マイクロ処理システム、論理回路又は、ここで記載した機能を実行することができるあらゆる他の一般的な目的又はカスタマイズ化された処理デバイスを備える。処理システム203は多数の処理デバイス間で分配される。処理システム203は、記憶システム204のようなあらゆる方法の一体化された又は独立の記憶媒体を含む。
【0026】
記憶システム204は、振動系のパラメータ及びデータ、ソフトウエアルーチン、一定値及び変数値を記憶する。記憶システム204は、ランダムアクセスメモリ(RAM)のような主要メモリ又はメインメモリを備える。実施形態にて、記憶システム204はハードディスクドライブ、リムーバブル記憶デバイス、メモリーカード、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、磁気テープドライブ、コンパクトディスクドライブ、デジタル・バーサタイル・ディスク、ブルーレイ・ディスク、光記憶デバイス、テープバックアップあるいは使用可能か読み出し可能な記憶媒体である他のコンピュータを含む。
メータ電子機器20が当該技術分野で一般に知られている様々な他の要素及び機能を含むことはが理解されるべきである。これらの追加の特徴は簡潔さの目的で記述と図から省略される。従って、本発明は示され記載された特定の実施形態に制限されるべきではない。
【0027】
図1はメータ電子機器20と通信可能な1つだけのセンサアセンブリ10を描いている
が、当業者は多数のセンサアセンブリがメータ電子機器20と通信可能であることを容易に認識するだろう。従って、メータ電子機器20と通信可能な特定のセンサアセンブリは有効なセンサであることを確認することは重要である。メータ電子機器20と通信可能なセンサアセンブリ10のような各センサアセンブリは、空気点、真空点又は流体の調子チェック専用の記憶システム204の各セクションを有する。例えば、センサアセンブリ10の例のように、センサアセンブリが密度計を含む場合、較正値は基準状態でセンサ時間の値を含む。他のセンサ較正値も考慮され、それは本発明の範囲に含まれる。
【0028】
記憶システム204は、センサ検証ルーチン205によって使用される変数を格納して、センサアセンブリ10の調子を検証する。例えば、記憶システム204は複数の温度2
06及び複数のセンサ時間207を格納する。複数の温度206は、少なくとも1つの温度センサ112から測定の時系列を得ることにより決定される。複数のセンサ時間207は、センサアセンブリの固有周波数でセンサアセンブリを駆動し、最も大きなレスポンスの周波数の逆数を決定することにより決定される。センサアセンブリ10の例では、ドライバ16は、振動部材12を振動させ、センサアセンブリ10の一連のセンサ時間を決定するのに使用されるピックオフ/検知センサ17にて信号を生成する。
実施形態では、複数の温度206の温度は夫々、複数のセンサ時間207の各センサ時間に相当する。例えば、複数の温度206の各温度及び複数のセンサ時間207の各センサ時間は夫々、20秒の期間について1秒間隔で測定される。
【0029】
記憶システム204はまた、平均温度208及び平均センサ時間209を格納する。平均温度208は複数の温度206の平均により決定される。平均センサ時間209は複数のセンサ時間207の平均により決定される。
記憶システム204はまた補償されたセンサ時間210を格納する。補償されたセンサ時間210は、温度、圧力、高さ及び密度の任意の組み合わせのようなセンサ時間測定に影響する1以上の物理的要因について修正された値である。
【0030】
センサアセンブリ10の補償されたセンサ時間210は、温度について補償される。例えば、少なくとも1つの温度センサ112は、センサアセンブリ10が基準較正温度とは異なっている温度であることを示す。実施形態では、基準較正温度は20°Cである。
温度は、測定されたセンサ時間にオフセットを導入して、センサアセンブリ10のスティフネスに影響する。実施形態では、補償されたセンサ時間210は、平均温度208に基づいた平均センサ時間209のオフセットを演算することにより決定される。
【0031】
実施形態では、周囲空気の密度は空気点の調子をチェックする間に測定される。測定されたセンサ時間は更に、工場における基準状態及び顧客側間の気圧差によって影響される。基準状態と顧客側の間の気圧差はテスト側間の高さの差による。実施形態では、基準気圧は101.325 kPaである。天候変化による圧力変動も更に存在するが、高さによる圧力変
化ほど重要ではない。調子チェックが、基準ガス圧とは異なる圧力であるガスで行なわれる場合、圧力差は測定されたセンサ時間にオフセットを作成する。
【0032】
記憶システム204はさらに高さ218、、測定された密度219、基準密度220、密度感度221、密度差222、補償された基準密度223及び密度時間オフセット224を含む。高さ218は、センサが設置される高さを表わす。実施形態では、高さ218はユーザーによって入力され、記憶システム204に保存される。例えば、高さ218は、調子チェックの開始時、顧客側でのセンサの設置時、或いは他の時に入力される。他の実施形態では、高さ218はメータ電子機器20で電子通信によって受信される。
【0033】
測定された密度219は、上記のようなセンサアセンブリ10を使用して、調子チェック中に測定される。基準密度220は、周囲の大気ガスに関する基準状態の下、振動要素計5によって測定された密度である。基準密度220は、高さ、温度及び圧力故の密度の変化について補償され、補償された基準密度223を生成する。
【数1】
上記の式において、ρ
0、T
0、P
0は夫々基準密度、基準温度、基準圧力を表す。補償された基準密度223はρ
1で表される。T
1は調子チェック側における周囲空気の温度である。例えば、T
1は複数の温度206の温度、又は平均温度208を表す。P
1は
調子チェック側における周囲空気の圧力である。P
1は次の式を用いて評価される。
【数2】
ここで、hは振動計のユニットにおけるテスト側の高さを表す。
【0034】
更なる実施形態において、測定された密度219は、基準高さ、基準温度及び基準圧力に補償される。密度感度221及び密度差222は密度時間オフセット224を計算するのに使用される。密度差222は補償された基準密度223と測定された密度219の差を表す。しかし、これは限定されることを意図しない。他の実施形態では、密度差222は、基準密度と
基準高さ、圧力及び温度が補償された測定された密度の間の差を表わす。
【0035】
密度感度221は、振動計内で材料によって影響される振動計の精度のものさしで、フォークタイプの密度計用に下記の如く定義される。
密度感度=K
1+2×K
2×(温度が補償されたセンサ時間)
密度感度221はガス密度計用に下記の如く定義される。:
密度感度=2×K
2×(温度が補償されたセンサ時間)
上記の両密度感度の式では、K
1及びK
2は、振動計の較正中に決定される較正定数を表す。例えば、K
1及びK
2は、高精度に知られた密度を有する2つの異なる流体を使用して、較正工程によって決定される。
【0036】
密度時間のオフセット224は、調子点チェックと基準状態における流体密度の流体密度の差に起因するオフセットである。密度時間のオフセット224は次の方程式で決定される。
密度時間のオフセット=密度差/密度感度
実施形態にて、密度時間のオフセット224は、補償されたセンサ時間210を更に補償するのに用いられる。他の実施形態では、密度時間のオフセット224は平均センサ時間209、或いは複数のセンサ時間207のいずれかを補償するのに使用される。
【0037】
記憶システム204は更に、基準センサ時間211及びセンサ時間の誤り限界値212を格納する。実施形態では、センサアセンブリが顧客に送られる前に、基準センサ時間211は基準状態の下の工場で測定される。他の実施形態では、基準センサ時間211は、振動計が顧客側で設置されるか構成される時に決定される基準値を表わす。
基準センサ時間211は、基準圧力、温度、高さ及び/又は流体密度に特有である。実
施形態では、基準センサ時間211は、海抜ゼロメートル地点で周囲のガスで満たされたセンサの振動要素で決定される。
他の実施形態では、基準センサ時間211は真空下のセンサの振動要素で決定される。更なる実施形態では、基準センサ時間211は温度と圧力の任意の組み合わせの下で決定され、あらゆる基準流体をも含む。例えば、水は基準流体として使用されてもよい。
【0038】
センサ時間の誤り限界値212は、基準センサ時間211と補償されたセンサ時間210の間の最大の許容可能な差を表し、流量計のセンサが有効性を見出すことを可能にする。記憶システム204は更に、センサの有効性のインジケータ225を含む。センサの有効性のインジケータ225は、補償されたセンサ時間210と基準センサ時間211の間の差が、センサ時間の誤り限界値212未満かどうかの決定で使用される。
センサの有効性のインジケータ225は、センサアセンブリ10が質量流量、密度、粘度或いは他の測定の正確な測定を提供するかを示す。実施形態では、メータ電子機器20は、振動要素計5のライト又はディスプレイを切り換えることにより、センサの有効性のインジケータ225の状態を示す。他の実施形態では、メータ電子機器20は、電子レポ
ートを他のコンピュータデバイスに送信することにより、センサアセンブリ10が有効であることを示す。
【0039】
既存の調子チェック方法論を用いてセンサアセンブリの有効性を決定する際に、正確な結果を受信するには、センサの安定性には更なる制限がある。安定又は定常状態にない振動計は、値の広範囲に亘って彷徨うセンサ時間の測定を付与し、誤った結果を付与する。記憶システム204は更に、標準偏差温度213、標準偏差センサ時間214、標準偏差センサ時間限界値215、標準偏差温度限界値216及び状態安定インジケータ217を含み、この予定される制限に取り組む。標準偏差温度213は、複数の温度206の標準偏差を表わす。標準偏差センサ時間214は、複数のセンサ時間207の標準偏差を表わす。
【0040】
標準偏差温度限界値216は、安定したセンサが示す最大の標準偏差温度213を表わす。センサアセンブリ10の温度が急速に変わっている場合は、標準偏差温度213が上げられる。標準偏差温度213が標準偏差温度限界値216より大きい場合、振動計は信頼できる測定を提供できず、調子チェックは正確な結果を生成しない。
標準偏差センサ時間214は、環境上かテスト条件が急速に変わるときを含む幾つかの理由のために上げられる。標準偏差センサ時間限界値215は、安定したセンサが示す最大のセンサ時間の標準偏差を表わす。
標準偏差センサ時間214が標準偏差センサ時間限界値215より大きい場合、振動計は信頼できる測定を提供することができず、調子(ヘルス)チェックは正確な結果を生成しない
【0041】
状態安定インジケータ217は、センサが安定していると決定されるかを示すように設定されている。実施形態にて、状態安定インジケータ217は、ユーザへのライト又は他のディスプレイ上に示される。他の実施形態にて、状態安定インジケータ217は電子レポートを介して他のコンピュータデバイスに送信される。
一実施形態にて、記憶システム204は処理システム203によって実行されるルーチンを含む。例えば、記憶システム204はセンサ検証ルーチン205を格納する。メータ電子機器20はセンサ検証ルーチン205を起動して操作し、センサアセンブリ10を有効にする。実施形態では、センサ検証ルーチン205は調子チェックを実行して、センサアセンブリの有効性を決定し、かつ上記の方法を用いてセンサの有効性のインジケータ225を介して結果を示す。
他の実施形態では、上記の如く、センサ検証ルーチン205はセンサアセンブリ10が安定した測定を提供し、状態安定インジケータ217によって結果を示すかを決定する。
【0042】
図3-
図5は、夫々センサ検証方法300、400及び500を示す。センサ検証方法
300、400及び500は、センサ検証ルーチン205の実施形態を表わします。
処理システム203はセンサ検証ルーチン205を実行するのに必要な信号及びデータ処理を行なうように構成され、それはセンサ検証方法300、400及び500のあらゆる組み合わせも行なうことを含む。
図3のセンサ検証方法300はステップ302から始まる。ステップ302で、少なくとも1つの温度センサを使用して複数の温度が測定され、センサアセンブリ10を使用して複数のセンサ時間が測定される。例えば、複数の温度206は温度センサ112を使用して測定される。
実施形態では、複数の温度206は、センサアセンブリ10の任意の部分に連結された1以上の温度センサを用いて測定される。複数のセンサ時間207は、ドライバ16を振動させてメータ電子機器20でピックオフ/検知センサ17を用いて振動応答を受信する
ことにより決定される。
【0043】
実施形態では、ステップ302はセンサアセンブリ10を洗浄にすることをさらに含む。
例えば、ハウジング11の内側及び外側、振動部材12、入口端部13、流体開口15、ドライバ16、ピックオフ/検知センサ17又はシリンダ50が溶剤或いは当業者に一般
に知られている他の方法にて洗浄される。
実施形態では、ステップ302は更に周囲空気でセンサアセンブリ10を充填することを含む。
実施形態では、ステップ302は更にセンサアセンブリ10を真空下に置くことを含む。
実施形態では、ステップ302は更に正確に知られた密度を有する流体でセンサアセンブリ10を充填することを含む。例えば、センサアセンブリは水で充填される。
【0044】
方法300はステップ304を続ける。ステップ304で、平均温度は複数の温度から決定される。例えば、上記の如く、平均温度208は複数の温度206の平均により決定される。
方法300はステップ306を続ける。ステップ306で、平均センサ時間は複数のセンサ時間から決定される。
例えば、上記の如く、平均センサ時間209は複数のセンサ時間207の平均により決定される。
【0045】
方法300はステップ308を続ける。ステップ308で、平均センサ時間は平均温度を使用して補償され、補償されたセンサ時間を生成する。例えば、上記の如く、平均センサ時間209は、平均温度208を使用して補償され、補償されたセンサ時間210を生成する。
方法300はステップ310を続ける。ステップ310で、補償されたセンサ時間は、基準センサ時間と比較される。例えば、上記の如く、補償されたセンサ時間210は基準センサ時間211と比較される。
【0046】
方法300はステップ312を続ける。ステップ312で、補償されたセンサ時間が基準センサ時間のセンサ時間誤り範囲内であるかどうかが示される。例えば、上記の如く、補償されたセンサ時間210が基準センサ時間211のセンサ時間誤り限界値212内であるかどうかが示される。
実施形態では、センサ検証方法400が方法300に加えて実行される。
図4の方法400はステップ402から開始する。ステップ402で、高さが受信される。
高さはセンサの位置の海抜高さである。例えば、上記の如く、高さ218が受信される。
【0047】
方法400はステップ404を続ける。ステップ404で、補償されたセンサ時間は高さを用いて補償される。例えば、上記の如く、補償されたセンサ時間210は高さ218を用いて補償される。
実施形態では、ステップ404はセンサアセンブリを用いて、流体密度を測定する工程、及び基準密度と測定された密度の間の密度差について、補償されたセンサ時間を高さを用いて補償する工程を含む。例えば、測定された密度219はセンサアセンブリ10を使用して測定される。高さ218は、上記の如く、複数のセンサ時間207、平均センサ時間209又は補償されたセンサ時間210の何れかを補償するのに用いられる。
【0048】
実施形態にて、センサ検証方法500は方法300及び/又は400に加えて行なわれ
る。
図5に示すように、方法500はステップ502から開始する。ステップ502で、標準偏差は複数の温度及び複数のセンサ時間のうちの1つを使用して演算される。
例えば、標準偏差温度213は複数の温度206を使用して計算され、或いは上記の如く、標準偏差センサ時間214は複数のセンサ時間207を使用して計算される。
方法500はステップ504を続ける。ステップ504にて、標準偏差が限界値より大きいかどうかが決定される。例えば、標準偏差温度213が標準偏差温度限界値216より大きいかどうかが決定される。あるいは、上記の如く、標準偏差センサ時間214が標準偏差センサ時間限界値215より大きいかどうかが決定される。実施形態では、方法500は、各標準偏差温度213及び標準偏差センサ時間214を評価して、2度行なわれる。
【0049】
ステップ504で、標準偏差が限界値より大きいことが決定されると、方法500はステップ506を続ける。ステップ504で、標準偏差が限界値よりも大きくないことが決定されると、方法500はステップ508を続ける。ステップ506で、状態が不安定であることが示される。ステップ508で、状態が安定していることが示される。例えば、状態安定インジケータ217はセンサアセンブリ10の状態が安定しているかどうか示すために使用される。
実施形態では、メータ電子機器20は、インジケータライトを切り換え、さもなくばユーザにディスプレイを提供することにより状態が安定しているかを示す。別の実施形態では、メータ電子機器20は、電子レポートを送信することにより状態が安定しているかどうか示す。当業者によって理解されるように、センサアセンブリ10の安定性を示す他の方法も、この出願によって考えられる。
【0050】
上記の実施形態の詳細な記述は、本発明の範囲内にある発明者によって熟考された全ての実施形態の完全な記述ではない。実際に当業者は、さらに実施形態を作成するために上記実施形態のある要素が種々に組み合わせられるかもしれないし除去されるかもしれないことを認識している、そしてそのような、さらなる実施形態は現在の記述の範囲及び開示の範囲内にある。現在の記述の範囲及び開示の範囲内にある追加の実施形態を作成するために、上記実施形態の全部或いは一部が組み合わせられるかもしれないことも当業者には明白である。
このように、出願の特定の実施形態と例がここに説明の目的から記載されているが、関連技術の当業者が理解するように、出願の範囲内で種々の均等な修正が可能である。ここに付与された開示は他の振動計に適用され、上記及び添付の図面に示された実施形態のみではない。従って、上記の実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲から決定されるべきである。