(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記連結部材の第2面上に配置され、ベースバンド信号の伝達を受けてIF信号を伝達するか、又はIF信号の伝達を受けてベースバンド信号を伝達するように、前記少なくとも一つの配線層に対応する配線と電気的に連結されるIF ICをさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のアンテナモジュール。
前記アンテナパッケージは、前記複数のフィーディングビアのそれぞれを囲むように配置され、前記少なくとも一つの絶縁層の厚さよりも厚い厚さを有する誘電層をさらに含む、請求項1から12のいずれか一項に記載のアンテナモジュール。
前記少なくとも1つの配線層は、前記ICと前記複数のフィーディングビアのそれぞれを電気的に接続する第1配線と、前記ICと前記フィルタとを電気的に接続する第2配線とを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載のアンテナモジュール。
前記支持部材は、一端が前記少なくとも一つの配線層に対応する配線と電気的に連結されるコアビアと、少なくとも一つのコア配線層と、少なくとも一つのコア絶縁層と、前記少なくとも一つのコア配線層の上端に配置される上端配線層と、前記少なくとも一つのコア配線層の下端に配置される下端配線層と、をさらに含む、請求項19に記載のアンテナモジュール。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0017】
図1は本発明の一実施形態によるアンテナモジュールを示すブロック図である。
【0018】
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュール1は、アンテナ10aならびにIC 20a及びフィルタ30aが統合された構造を有することができる。
【0019】
アンテナ10aは、RF(radio frequency)信号を遠隔受信又は送信することができ、受信したRF信号をIC 20aに伝達するか、又は送信のためのRF信号の伝達をIC 20aから受けることができる。上記アンテナ10aは、複数のアンテナ部材を含むことにより、アンテナ性能をさらに向上させることができる。
【0020】
IC 20aは、伝達されたRF信号をIF(intermediate frequency)信号又はベースバンド(base band)信号に変換することができ、変換されたIF信号又はベースバンド信号をアンテナモジュール1の外部に配置されたIF IC、ベースバンドIC、又は通信モデムに伝達することができる。また、IC 20aは、アンテナモジュール1の外部に配置されたIF IC、ベースバンドIC、又は通信モデムからの伝達を受けたIF信号又はベースバンド信号をRF信号に変換することができ、変換されたRF信号をアンテナ10aに伝達することができる。ここで、RF信号の周波数(例えば、24GHz、28GHz、36GHz、39GHz、60GHz)はIF信号(例えば、2GHz、5GHz、10GHzなど)の周波数よりも大きい。一方、IC 20aは、周波数変換、増幅、フィルタリング、位相制御、及び電源生成のうち少なくとも一部を行うことにより、変換された信号を生成することができる。
【0021】
フィルタ30aは、IC 20aによって変換されたIF信号又はベースバンド信号をフィルタリングすることができる。また、フィルタ30aは、IC 20aの外部に配置されることができる。尚、フィルタ30aは、一例として、所定の通過帯域(例えば、800MHz、2.4GHz)を有するバンドパスフィルタであってもよく、所定のカットオフ周波数(例えば、12GHz、15GHz)を有するハイパスフィルタ又はローパスフィルタであってもよい。
【0022】
フィルタ30aのフィルタリングにより、IF信号又はベースバンド信号に含まれたノイズは減少することができる。RF信号に含まれたノイズは、IF信号又はベースバンド信号に含まれているノイズに依存することから、RF信号に含まれたノイズは、IF信号又はベースバンド信号に含まれているノイズが減少するにつれてともに減少することができる。
【0023】
これにより、アンテナモジュール1は、RF信号をフィルタリングする追加のフィルタを用いることなく、ノイズ特性の要求仕様を容易に満たすことができる。その結果、アンテナモジュール1によると、RF信号をフィルタリングする追加のフィルタが占める空間だけのサイズを減らすことができる。
【0024】
また、アンテナ10aが、アンテナ性能(例えば、送受信率、利得(ゲイン)、直進性など)のために、複数のアンテナ部材を含む場合、RF信号をフィルタリングする追加のフィルタの数はさらに多くなる必要がある。これに対し、アンテナモジュール1は、フィルタ30aを用いることにより、複数のアンテナ部材のそれぞれに対応する追加のフィルタを省略することができる。これにより、アンテナモジュール1は、アンテナ性能を確保しながらも、複数のフィルタが占める空間だけのサイズを減らすことで小型化することができる。
【0025】
図2は本発明の一実施形態によるアンテナモジュールがIF ICをさらに含む構造を示すブロック図である。
【0026】
図2を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュール2は、アンテナ10b、IC 20b、IF IC 25b、及びフィルタ30bが統合された構造を有することができる。
【0027】
アンテナ10bは、RF信号を遠隔受信又は送信することができ、受信したRF信号をIC 20bに伝達するか、又は送信のためのRF信号の伝達をIC 20bから受けることができる。上記アンテナ10bは、複数のアンテナ部材を含むことにより、アンテナ性能をさらに向上させることができる。
【0028】
IC 20bは、伝達されたRF信号をIF信号に変換することができ、変換されたIF信号をIF IC 25bに伝達することができる。また、IC 20bは、IF IC 25bからの伝達を受けたIF信号をRF信号に変換することができ、変換されたRF信号をアンテナ10bに伝達することができる。ここで、RF信号の周波数(例えば、24GHz、28GHz、36GHz、39GHz、60GHz)は、IF信号(例えば、2GHz、5GHz、10GHzなど)の周波数よりも大きい。
【0029】
IF IC 25bは、伝達されたIF信号をベースバンド(base band)信号に変換することができ、変換されたベースバンド信号をアンテナモジュール2の外部に配置されたベースバンドIC又は通信モデムに伝達することができる。また、IF IC 25bは、アンテナモジュール2の外部に配置されたベースバンドIC又は通信モデムからの伝達を受けたベースバンド信号をIF信号に変換することができ、変換されたIF信号をIC 20bに伝達することができる。
【0030】
フィルタ30bは、IC 20bによって変換されたIF信号をフィルタリングすることができる。また、フィルタ30bは、IC 20bの外部に配置されることができる。尚、フィルタ30bは、一例として、所定の通過帯域(例えば、800MHz、2.4GHz)を有するバンドパスフィルタであってもよく、所定のカットオフ周波数(例えば、12GHz、15GHz)を有するハイパスフィルタ又はローパスフィルタであってもよい。
【0031】
フィルタ30bのフィルタリングにより、IF信号に含まれたノイズは減少することができる。RF信号に含まれたノイズは、IF信号に含まれているノイズに依存することから、RF信号に含まれたノイズは、IF信号に含まれているノイズが減少するにつれてともに減少することができる。
【0032】
これにより、アンテナモジュール2は、RF信号をフィルタリングする追加のフィルタを用いることなく、ノイズ特性の要求仕様を容易に満たすことができる。その結果、アンテナモジュール2によると、RF信号をフィルタリングする追加のフィルタが占める空間だけのサイズを減らすことができる。
【0033】
また、アンテナ10bが、アンテナ性能(例えば、送受信率、利得(ゲイン)、直進性など)のために、複数のアンテナ部材を含む場合、RF信号をフィルタリングする追加のフィルタの数はさらに多くなる必要がある。これに対し、アンテナモジュール2は、フィルタ30bを用いることにより、複数のアンテナ部材のそれぞれに対応する追加のフィルタを省略することができる。これにより、アンテナモジュール2は、アンテナ性能を確保しながらも、複数のフィルタが占める空間だけのサイズを減らすことで小型化することができる。
【0034】
図3は本発明の一実施形態によるアンテナモジュールを示す側面図である。
【0035】
図3を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、アンテナ10c、第2方向アンテナ15c、IC 20c、フィルタ30c、受動部品40c、基板50c、及びサブ基板60cを含むことができる。
【0036】
基板50cは、少なくとも一つの配線層51cと、少なくとも一つの絶縁層52cと、を含むことができ、複数の配線層を電気的に連結するように、絶縁層を貫通する少なくとも一つのビアを含むことができる。例えば、基板50cは、プリント回路基板として実現されることができ、上端のアンテナパッケージと下端の連結部材が結合した構造を有することができる。例えば、アンテナパッケージはRF信号の送受信効率の観点から設計されることができ、連結部材は配線効率の観点から設計されることができる。
【0037】
アンテナ10cは、上面方向にRF信号を送受信するように、基板50cの上端に配置されることができ、複数のアンテナ部材で実現されることができる。例えば、上記アンテナ10cは、パッチ(patch)アンテナの構造を有し、基板50cの上面に隣接して配置されることができる。
【0038】
第2方向アンテナ15cは、側面方向にRF信号を送受信するように、基板50cの側面に隣接して配置されることができる。例えば、上記第2方向アンテナ15cは、ダイポール(dipole)アンテナ又はマイクロストリップ(microstrip)アンテナの構造を有することができる。
【0039】
本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、アンテナ10c及び第2方向アンテナ15cを両方とも含むことにより、全方向に(omni−directionally)放射パターンを形成することができる。
【0040】
IC 20c及び受動部品40cは、基板50cの下面に隣接して配置されることができる。受動部品40cは、IC 20cに必要なインピーダンスを提供するように、キャパシタ(例えば、多層セラミックキャパシタ(MLCC))、インダクタ、又はチップ抵抗器を含むことができる。
【0041】
サブ基板60cは、基板50cの下面上に配置されることができ、IF信号又はベースバンド信号の経路を提供することができる。上記サブ基板60cは、アンテナモジュールの外部に据え付けられて、アンテナモジュールを支持するように、支持部材として実現されることができる。
【0042】
フィルタ30cはサブ基板60cに配置されることができる。これにより、上記フィルタ30cは、IF信号又はベースバンド信号の経路に隣接してIF信号又はベースバンド信号をフィルタリングすることができるため、フィルタリング性能を向上させることができる。また、基板50cは、上記フィルタ30cに対応する余裕空間を確保することができるため、サイズを減少させるか、又は配線効率をさらに向上させることができる。
【0043】
図4は本発明の一実施形態によるアンテナモジュールがIF ICをさらに含む構造を示す側面図である。
【0044】
図4を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、アンテナ10d、第2方向アンテナ15d、IC 20d、IF IC 25d、フィルタ30d、基板50d、及びサブ基板60dを含むことができる。
【0045】
基板50dは、少なくとも一つの配線層51dと、少なくとも一つの絶縁層52dと、を含むことができ、複数の配線層を電気的に連結するように、絶縁層を貫通する少なくとも一つのビアを含むことができる。
【0046】
第2方向アンテナ15dは、側面方向及び/又は上面方向にRF信号を送受信するように基板50cの上面及び側面に隣接して配置されることができ、チップ(chip)アンテナのように立体構造を有することができる。
【0047】
IC 20d及びIF IC 25dならびにフィルタ30dは、基板50dの下面上に配置されることができる。例えば、フィルタ30dは、IF IC 25dに隣接して配置されるか、又はIC 20dとIF IC 25dの間に配置されることができる。これにより、フィルタ30dは、IF信号の経路に隣接してIF信号をフィルタリングすることができるため、フィルタリング性能を向上させることができる。
【0048】
図5は本発明の一実施形態によるアンテナモジュールにおいて、フィルタが連結部材に配置された構造を示す図である。
【0049】
図5を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、アンテナパッケージ100aと連結部材200aが結合した構造を有する基板を含むことができる。
【0050】
アンテナパッケージ100aは、RF信号を送信又は受信するように構成された複数のアンテナ部材115aと、一端が複数のアンテナ部材115aとそれぞれ電気的に連結され、他端が連結部材200aの少なくとも一つの配線層210aに対応する配線とそれぞれ電気的に連結される複数のフィーディングビア120aと、連結部材200aの少なくとも一つの絶縁層220aの厚さよりも厚い厚さを有する誘電層140aと、を含むことができ、連結部材200aの上端に配置されることができる。これにより、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、上面方向に放射パターンを形成することで、RF信号を送受信することができる。
【0051】
フィーディングビア120aの長さ及び誘電層140aの厚さにより、複数のアンテナ部材115aのRF信号の送受信動作のための境界条件は自由に設計されることができ、不要な境界条件(例えば、層間間隔、層間挿入物など)は除去されることができる。つまり、フィーディングビア120a及び誘電層140aは、複数のアンテナ部材115aのRF信号の送受信動作に有利な境界条件(例えば、小さい製造公差、短い電気的長さ、滑らかな表面、大きい余裕空間、誘電定数の調節など)を提供することができるため、複数のアンテナ部材115aのアンテナ性能を向上させることができる。
【0052】
誘電層140aは、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこれら樹脂が無機フィラーとともにガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された樹脂、例えば、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)などで実現されることができ、設計に応じて、感光性絶縁(Photo Imageable Dielectric:PID)樹脂で実現されることもできる。例えば、上記誘電層140aは、要求される材料の特性に応じて、一般的な銅箔積層板(Copper Clad Laminate、CCL)、又はガラスやセラミック(ceramic)系の絶縁材で実現されることができる。設計に応じて、上記誘電層140aは、連結部材200aの少なくとも一つの絶縁層220aよりも高い誘電定数(Dk)を有する材料で実現されることができる。
【0053】
設計に応じて、上記アンテナパッケージ100aは、複数のアンテナ部材115a上に配置され、複数のアンテナ部材115aとともに第1RF信号を送信又は受信するように構成された複数のディレクター(director)部材110aをさらに含むことができる。上記複数のディレクター部材110aが形成された層の数は、アンテナモジュールの利得(gain)及び高さの設計条件に応じて決定されることができる。そのため、上記層の数は1個に限定されない。
【0054】
また、設計に応じて、上記アンテナパッケージ100aは、フィーディングビア120aのそれぞれの側面を囲むように配置されて、複数のキャビティ(cavity)をなすメッキ部材160aを含むことができる。上記複数のキャビティは、複数のアンテナ部材115aの放射パターンの形成に有利な境界条件(例えば、小さい製造公差、短い電気的長さ、滑らかな表面、大きい余裕空間、誘電定数の調節など)を提供することができ、複数のアンテナ部材115aとの隔離度を向上させることができる。
【0055】
尚、設計に応じて、上記アンテナパッケージ100aは、連結部材200aに隣接して配置されたキャビティグランド層165aをさらに含むことができる。上記キャビティグランド層165aは、アンテナパッケージ100aと連結部材200aの間の隔離度を向上させることができる。
【0056】
さらに、設計に応じて、上記アンテナパッケージ100aは、複数のアンテナ部材115a上に配置される仕上げ(encapsulation)部材150aをさらに含むことができる。上記仕上げ部材150aは、液体状態で下に一部染み込んだ状態で、液体状態から固体状態に変化することができる。これにより、アンテナパッケージ100aの構造的安定性が向上することができる。また、上記仕上げ部材150aは、形成過程で複数のディレクター部材110aとともに形成されることができる。上記仕上げ部材150aは、PIE(Photo Imageable Encapsulant)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、エポキシモールディングコンパウンド(Epoxy Molding Compound、EMC)などで実現されることができるが、これらに限定されない。
【0057】
一方、ディレクター部材110a、アンテナ部材115a、フィーディングビア120a、メッキ部材160a、及びキャビティグランド層165aは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質で実現されることができ、CVD(Chemical Vapor Deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)、スパッタリング(Sputtering)、サブトラクティブ(Subtractive)、アディティブ(Additive)、SAP(Semi−Additive Process)、MSAP(Modified Semi−Additive Process)などのメッキ方法によって形成されることができるが、これらに限定されない。
【0058】
図5を参照すると、連結部材200aは、少なくとも一つの配線層210a、少なくとも一つの絶縁層220a、配線ビア230a、接続パッド240a、パッシベーション層250a、及び電気連結構造体290aを含むことができ、銅再配線層(Redistribution Layer、RDL)と類似の構造を有することができる。
【0059】
例えば、上記連結部材200aに含まれる少なくとも一つの配線層210a、少なくとも一つの絶縁層220a、及び配線ビア230aのそれぞれの一部と残りは、独立して製造された後、接続パッド240a、パッシベーション層250a、及び電気連結構造体290aを介して互いに連結されることができる。設計に応じて、少なくとも一つの配線層210a、少なくとも一つの絶縁層220a、及び配線ビア230aが統合的に製造されることができるため、上記接続パッド240a、パッシベーション層250a、及び電気連結構造体290aは省略することができる。
【0060】
図5を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、IC 300a、受動部品350a、及びサブ部材400aをさらに含むことができる。
【0061】
IC 300aは、少なくとも一つの配線層210aと電気的に連結される活性面(例えば、上面)と、上記活性面の反対側に配置される非活性面(例えば、下面)と、を有し、RF信号をアンテナパッケージ100aに伝達し、アンテナパッケージ100aからRF信号の伝達を受けることができる。
【0062】
サブ部材400aは、IF信号又はベースバンド信号の伝達をアンテナモジュールの外部から受けるか、又はIF信号又はベースバンド信号を外部に伝達することができる。例えば、上記サブ部材400aは、支持部材として実現されることができるが、設計に応じて、同軸ケーブルのコネクタや収容口として実現されることができる。
【0063】
図5を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、連結部材200aに配置されたフィルタ280aを含むことができる。例えば、上記フィルタ280aは、少なくとも一つの配線層210aと同一の層に配置されることができ、少なくとも一つの配線層210aに対応する配線と電気的に連結されることができる。
【0064】
図6は本発明の一実施形態によるアンテナモジュールにおいて、フィルタが支持部材の上面に配置された構造を示す図である。
【0065】
図6を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、アンテナパッケージ100a、連結部材200a、IC 300b、封止材305b、上端配線層310b、下端配線層320b、電気連結構造体340b、支持部材355b、コア絶縁層356b、コアビア360b、及びコアメッキ部材365bを含むことができる。
【0066】
IC 300bは、少なくとも一つの配線層210aと電気的に連結される活性面(例えば、上面)と、上記活性面の反対側に配置される非活性面(例えば、下面)と、を有し、RF信号をアンテナパッケージ100aに伝達し、アンテナパッケージ100aからRF信号の伝達を受けることができる。
【0067】
封止材305bは、IC 300aの少なくとも一部を封止することができる。上記封止材305bは、外部の電気的/物理的/化学的衝撃から保護することができ、PIE(Photo Imageable Encapsulant)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、エポキシモールディングコンパウンド(Epoxy Molding Compound、EMC)などで実現されることができるが、これらに限定されない。
【0068】
上端配線層310bは、支持部材355bの上端に配置されるか、又は連結部材200aに隣接して配置されることができ、IC 300bの活性面とコアビア360bの間を電気的に連結することができる。これにより、IC 300bは、IF信号又はベースバンド信号の伝達経路を確保することができる。
【0069】
下端配線層320bは、支持部材355bの下端に配置されることができ、コアビア360bと電気的に連結されることができる。
【0070】
電気連結構造体340bは、支持部材355bの下端においてコアビア360bとアンテナモジュールの外部とを電気的に連結することができる。例えば、上記電気連結構造体340bは、半田ボール(solder ball)、ピン(pin)、ランド(land)のような構造を有することができる。
【0071】
支持部材355bは、少なくとも一つのコア配線層、少なくとも一つのコア絶縁層356b、及びコアビア360bを含むことができる。コアビア360bは、IF信号又はベースバンド信号の通過経路であればよい。
【0072】
すなわち、IF信号又はベースバンド信号は、電気連結構造体340b、コアビア360b、上端配線層310b、及びIC 300bの順に通過することができる。
【0073】
コアメッキ部材365bは、IC 300bに向かう方向において支持部材355bの側面に配置されることができる。上記コアメッキ部材365bは、IC 300bと支持部材355bの間の隔離度を向上させることができるため、IF信号又はベースバンド信号のノイズを低減させることができる。また、上記コアメッキ部材365bは、IC 300bで発生した熱をアンテナモジュールの外部に効率的に放出することができる。
【0074】
図6を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、支持部材355bの上端に配置されたフィルタ280bを含むことができる。上記フィルタ280bは、上端配線層310bを介してコアビア360b又はIC 300bと電気的に連結されることができる。
【0075】
図7は本発明の一実施形態によるアンテナモジュールにおいて、フィルタが支持部材の内層に配置された構造を示す図である。
【0076】
図7を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、支持部材355bの内部に配置されたフィルタ380bを含むことができる。すなわち、上記フィルタ380bは、支持部材355bのコア配線層に配置されることができる。例えば、上記フィルタ380bは、複数のコア配線層を用いて立体構造を有することができる。これにより、導波管(waveguide)構造又はウェハ(wafer)ベースの構造を有することができる。すなわち、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、様々な構造のフィルタを含むことができる。
【0077】
一方、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、上端配線層310bに配置され、上端においてフィルタ380bをオーバーラップする上端グランドパターン(不図示)と、下端配線層320bに配置され、下端においてフィルタ380bをオーバーラップする下端グランドパターンと、を含むことができる。これにより、アンテナモジュールの外部又はアンテナパッケージ100aからフィルタ380bに与えるノイズが減少することができる。
【0078】
図8は本発明の一実施形態によるアンテナモジュールにICとIF ICがともに配置された構造を示す図である。
【0079】
図8を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、連結部材200aの下面上に配置されるIC 301b及びIF IC 302bを含むことができる。
【0080】
IC 301bとIF IC 302bは、上端配線層310b、又は連結部材200aの少なくとも一つの配線層210aを介して電気的に連結されることができる。支持部材355bは、IC 301bとIF IC 302bをそれぞれ囲むように配置されることができる。支持部材355bの一部は、IC 301bとIF IC 302bの間に配置されることができる。コアメッキ部材365bが支持部材355bの側面に配置されることから、IC 301bとIF IC 302b同士が互いに与える否定的な影響(例えば、電磁波ノイズ、熱)を低減することができる。
【0081】
ここで、フィルタ380bは、支持部材355b内に配置されることができ、IF IC 302bと電気的に連結されてIF信号をフィルタリングすることができる。
【0082】
一方、フィルタ380bは、支持部材355bのコアビア360bを介して支持部材355bのコア配線層、上端配線層310b、又は下端配線層320bと電気的に連結されることができる。
【0083】
図9は本発明の一実施形態によるアンテナモジュールにおいて、フィルタと収容空間を示す図である。
【0084】
図9を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、連結部材200aの下面上に配置され、支持部材355bの収容空間307c内に配置されたフィルタ280cを含むことができる。
【0085】
すなわち、支持部材355bは、フィルタ280cの体積が大きい場合、収容空間307cを用いてフィルタ280cの配置スペースを提供することができる。これにより、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールでは、様々な種類/サイズのフィルタ280cを用いることができる。
【0086】
図10は本発明の一実施形態によるアンテナモジュールにおいて、フィルタが第2連結部材に配置された構造を示す図である。
【0087】
図10を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、連結部材200aの下面上に配置される第2連結部材390dと、第2連結部材390dの下面上に配置されるIC 300bと、を含むことができる。
【0088】
第2連結部材390dは、少なくとも一つの第2配線層391dと、少なくとも一つの第2絶縁層392dと、を含むことができ、連結部材200aの上面及び下面の面積よりも小さい面積の上面及び下面を有することができる。
【0089】
連結部材200aは、アンテナパッケージ100aの下面から層単位で順に形成されることができ、第2連結部材390dは、IC 300bの上面から層単位で順に形成されることができる。その後、連結部材200aの下面と第2連結部材390dの上面は互いに接合されることができる。これにより、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、多くの数の配線層と絶縁層を確保することができるため、IC 300bにさらに多くのグランドを提供することで、IC 300bの動作をより効率的に補助するか、又はIC 300bとアンテナパッケージ100aの間の配線効率を向上させることができる。
【0090】
また、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、第2連結部材390dの少なくとも一つの第2配線層391dに配置されたフィルタ380dを含むことができる。連結部材200a及び第2連結部材390dにより、多くの数の配線層と絶縁層を確保したアンテナモジュールは、フィルタ380dの配置スペースを安定的に提供することができる。
【0091】
一方、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、第2連結部材390dの下面上に配置される第2支持部材385d、第2コア絶縁層386d、及び第2コアメッキ部材387dを含むことができる。これにより、IC 300b、コアビア360b、又はフィルタ380dとの隔離度は向上することができる。
【0092】
図11は本発明の一実施形態によるアンテナモジュールに配置されるフィルタの様々な形態を例示する図である。
【0093】
図11を参照すると、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールに配置されるフィルタ280e、280f、280g、280hは、IF信号の周波数に対応するインピーダンスを有する様々な形態の導体パターンで実現されることができ、連結部材又は支持部材の絶縁層220e、220f、220g、220hに配置されることができる。
【0094】
一方、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、ICの外部に配置され、基準周波数の通過帯域を有し、且つIF信号又はベースバンド信号をフィルタリングする第1フィルタと、ICの外部に配置され、基準周波数よりも低い周波数の通過帯域を有し、且つIF信号又はベースバンド信号をフィルタリングする第2フィルタと、ICの外部に配置され、基準周波数よりも高い周波数の通過帯域を有し、且つIF信号又はベースバンド信号をフィルタリングする第3フィルタと、を含むことができる。すなわち、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、様々なIF信号をそれぞれフィルタリングすることができるため、様々な通信規格に最適化して動作することができる。
【0095】
図12は本発明の一実施形態によるアンテナモジュールの上面を例示する図である。
【0096】
図12を参照すると、複数のディレクター部材110−1、110−2、110−3、110−4、110−5、110−6、110−7、110−8、110−9はそれぞれ、対応するメッキ部材160−1、160−2、160−3、160−4、160−6、160−7、160−8、160−9、及び複数の遮蔽ビア190−1、190−2、190−3、190−4、190−5、190−6、190−7、190−8、190−9のうち少なくとも一つによって囲まれることができる。もし、アンテナモジュールが複数のディレクター部材を含んでいない場合には、上記複数のディレクター部材110−1、110−2、110−3、110−4、110−5、110−6、110−7、110−8、110−9は、複数のアンテナ部材で置き換えられることができる。
【0097】
一方、
図12に示された複数のディレクター部材又は複数のアンテナ部材の数、配置及び形状は、特に限定されない。例えば、
図12に示された複数のアンテナ部材の数は4個であってもよく、又は16個であってもよい。
【0098】
また、
図12に示された複数の遮蔽ビアはメッキ部材で置き換えられることができ、
図12に示されたメッキ部材は、複数の遮蔽ビアで置き換えられることができる。
【0099】
図13a〜
図13cは、本発明のアンテナパッケージのうちキャビティ(cavity)の一例をそれぞれ示した斜視図である。
【0100】
図13aを参照すると、キャビティは、ディレクター部材110e、アンテナ部材115e、フィーディングビア、電気連結構造体、誘電層130e、及びメッキ部材160eのうち少なくとも一部を含むことができる。ここで、メッキ部材160eは、キャビティの側面を包囲するように配置されることができる。すなわち、キャビティの下面は、連結部材の上面に配置されたグランドパターンによってカバーされることができる。
【0101】
図13bを参照すると、キャビティは、ディレクター部材110f、アンテナ部材115f、フィーディングビア120f、電気連結構造体125f、誘電層130f、及びメッキ部材160fのうち少なくとも一部を含むことができる。ここで、メッキ部材160fは、キャビティの下面の一部をカバーするように配置されることができる。すなわち、キャビティの側面は、連結部材上の絶縁部材の側面に配置されたメッキ部材によって包囲されることができる。これにより、アンテナパッケージの連結部材及びICとの隔離度は向上することができる。
【0102】
図13cを参照すると、キャビティは、アンテナ部材110g、フィーディングビア120g、電気連結構造体125g、及び誘電層130gのうち少なくとも一部を含むことができる。
【0103】
一方、上記電気連結構造体125f、125gは、アンテナパッケージと連結部材が結合する際に、連結部材の少なくとも一つの配線層に対応する配線と連結されることができる。例えば、上記電気連結構造体125f、125gは、電極、ピン(pin)、半田ボール(solder ball)、ランド(land)などで実現されることができる。
【0104】
図14は本発明の一実施形態によるアンテナパッケージの一例を示す斜視図である。
【0105】
図14を参照すると、アンテナパッケージは、複数のディレクター部材110d、キャビティ130d、誘電層140d、メッキ部材160d、複数の第2方向アンテナ部材170c、170d、及び複数のダイポールアンテナ175c、175dを含むことができるため、本発明の一実施形態によるアンテナモジュールは、全方向に(omni−directionally)放射パターンを形成することができる。
【0106】
複数のディレクター部材110dは、対応するアンテナ部材とともに、z軸方向にRF信号を送受信することができる。
【0107】
複数の第2方向アンテナ部材170c、170dは、アンテナパッケージの端に隣接して、z軸方向に立てられて配置されることができる。複数の第2方向アンテナ部材170c、170dのうち、一方はx軸方向に第2RF信号を送受信することができ、他方はy軸方向に第2RF信号を送受信することができる。
【0108】
複数のダイポールアンテナ175c、175dは、アンテナパッケージの端に隣接して誘電層140dと仕上げ部材の間に配置されることができる。複数のダイポールアンテナ175c、175dのうち、一方はx軸方向に第3RF信号を送受信することができ、他方はy軸方向に第3RF信号を送受信することができる。設計に応じて、上記複数のダイポールアンテナ175c、175dのうち少なくとも一部は、モノポール(monopole)アンテナで置き換えられることができる。
【0109】
一方、本明細書に記載の連結部材、支持部材、コアビア、IC、IF ICは、後述するファン−アウト半導体パッケージに基づいて実現されることができる。以下、
図15〜
図22を参照して、上記ファン−アウト半導体パッケージの理解を助けるために付け加えて説明する。
【0110】
図15は電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0111】
図15を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/又は電気的に連結される。これらは、後述する他の部品とも結合して様々な信号ライン1090を形成する。
【0112】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップ;セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップ;アナログ−デジタルコンバータ、ASIC(application−specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の形態のチップ関連部品が含まれ得ることは言うまでもない。また、これら部品1020が互いに組み合わされてもよいことは言うまでもない。
【0113】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi−Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev−DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM(登録商標)、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の多数の無線又は有線標準やプロトコルのうち任意のものが含まれ得る。また、ネットワーク関連部品1030が、チップ関連部品1020とともに互いに組み合わされてもよいことは言うまでもない。
【0114】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(Low Temperature Co−Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルタ、MLCC(Multi−Layer Ceramic Condenser)などが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の様々な用途のために用いられる受動部品などが含まれ得る。また、その他の部品1040が、チップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030とともに互いに組み合わされてもよいことは言うまでもない。
【0115】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されているか連結されていない他の部品を含むことができる。他の部品としては、例えば、カメラ1050、アンテナ1060、ディスプレイ1070、電池1080、オーディオコーデック(不図示)、ビデオコーデック(不図示)、電力増幅器(不図示)、羅針盤(不図示)、加速度計(不図示)、ジャイロスコープ(不図示)、スピーカー(不図示)、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)(不図示)、CD(compact disk)(不図示)、及びDVD(digital versatile disk)(不図示)などが挙げられる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために用いられるその他の部品などが含まれ得ることは言うまでもない。
【0116】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、携帯情報端末(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであることができる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0117】
図16は電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【0118】
図16を参照すると、電子機器は、例えば、スマートフォン1100であってもよい。スマートフォン1100には、無線周波数集積回路(RFIC:Radio Frequency Integrated Circuit)が半導体パッケージの形で適用されることができ、アンテナ(Antenna)が基板又はモジュールの形で適用されることができる。スマートフォン1100内において無線周波数集積回路とアンテナが電気的に連結されることで、様々な方向へのアンテナ信号の放射Rが可能となる。無線周波数集積回路を含む半導体パッケージとアンテナを含む基板又はモジュールは、様々な形でスマートフォンなどの電子機器に適用されることができる。
【0119】
一般に、半導体チップには、数多くの微細電気回路が集積されているが、それ自体が半導体完成品としての役割を果たすことはできず、外部からの物理的又は化学的衝撃により損傷する可能性がある。したがって、半導体チップ自体をそのまま用いるのではなく、半導体チップをパッケージングして、パッケージ状態で電子機器などに用いている。
【0120】
半導体パッケージングが必要な理由は、電気的連結という観点から、半導体チップと電子機器のメインボードの回路幅が異なるためである。具体的に、半導体チップは、接続パッドのサイズ及び接続パッド間の間隔が非常に微細であるのに対し、電子機器に用いられるメインボードは、電子部品実装パッドのサイズ及び電子部品実装パッド間の間隔が半導体チップのスケールより著しく大きい。したがって、半導体チップをこのようなメインボード上にそのまま取り付けることは困難であり、相互間の回路幅の差を緩和することができるパッケージング技術が要求される。
【0121】
かかるパッケージング技術によって製造される半導体パッケージは、構造及び用途に応じてファン−イン半導体パッケージ(Fan−in semiconductor package)とファン−アウト半導体パッケージ(Fan−out semiconductor package)に区分されることができる。
【0122】
以下では、図面を参照して、ファン−イン半導体パッケージとファン−アウト半導体パッケージについてより詳細に説明する。
【0123】
図17a及び
図17bはファン−イン半導体パッケージのパッケージング前後を概略的に示す断面図であり、
図18はファン−イン半導体パッケージのパッケージング工程を概略的に示す断面図である。
【0124】
図17a、
図17b及び
図18を参照すると、半導体チップ2220は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウム砒素(GaAs)などを含む本体2221と、本体2221の一面上に形成された、アルミニウム(Al)などの導電性物質を含む接続パッド2222と、本体2221の一面上に形成され、接続パッド2222の少なくとも一部を覆う酸化膜又は窒化膜などのパッシベーション膜2223と、を含む、例えば、ベア(Bare)状態の集積回路(IC)であることができる。この際、接続パッド2222が非常に小さいため、集積回路(IC)は、回路幅の差が大きい電子機器のメインボードなどはもちろん、回路幅の差がメインボードよりは小さい中間レベルのプリント回路基板(PCB)にも実装されにくい。
【0125】
そのため、接続パッド2222を再配線するために、半導体チップ2220上に半導体チップ2220のサイズに応じて連結部材2240を形成する。連結部材2240は、半導体チップ2220上に感光性絶縁樹脂(PID)などの絶縁物質で絶縁層2241を形成し、接続パッド2222をオープンさせるビアホール2243hを形成した後、再配線層2242及びビア2243を形成することで形成することができる。その後、連結部材2240を保護するパッシベーション層2250を形成し、開口部2251を形成した後、アンダーバンプ金属層2260などを形成する。すなわち、一連の過程を経て、例えば、半導体チップ2220、連結部材2240、パッシベーション層2250、及びアンダーバンプ金属層2260を含むファン−イン半導体パッケージ2200が製造される。
【0126】
このように、ファン−イン半導体パッケージは、半導体チップの接続パッド、例えば、I/O(Input/Output)端子の全てを素子の内側に配置したパッケージ形態である。ファン−イン半導体パッケージは、電気的特性に優れており、安価で生産することができる。したがって、スマートフォンに内蔵される多くの素子がファン−イン半導体パッケージの形態で製作されており、具体的には、小型で、且つ速い信号伝達を実現するように開発が行われている。
【0127】
しかしながら、ファン−イン半導体パッケージは、I/O端子の全てを半導体チップの内側に配置しなければならないため、空間的な制約が多い。したがって、このような構造は、多数のI/O端子を有する半導体チップや、サイズが小さい半導体チップに適用するには困難な点がある。また、このような欠点により、電子機器のメインボードにファン−イン半導体パッケージを直接実装して用いることができない。これは、再配線工程により半導体チップのI/O端子のサイズ及び間隔を拡大したとしても、電子機器のメインボードに直接実装可能な程度のサイズ及び間隔まで拡大することができるわけではないためである。
【0128】
図19は、ファン−イン半導体パッケージがインターポーザ基板上に実装されて、最終的に電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示す断面図であり、
図20は、ファン−イン半導体パッケージがインターポーザ基板内に内蔵されて、最終的に電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示す断面図である。
【0129】
図19及び
図20を参照すると、ファン−イン半導体パッケージ2200においては、半導体チップ2220の接続パッド2222、すなわち、I/O端子がインターポーザ基板2301によりさらに再配線されて、最終的には、インターポーザ基板2301上にファン−イン半導体パッケージ2200が実装された状態で電子機器のメインボード2500に実装可能となる。この際、電気連結構造体2270などはアンダーフィル樹脂2280などにより固定されることができ、外側はモールディング材2290などで覆われることができる。又は、ファン−イン半導体パッケージ2200は、別のインターポーザ基板2302内に内蔵(Embedded)されてもよい。その場合、インターポーザ基板2302内に内蔵された状態の半導体チップ2220の接続パッド2222、すなわち、I/O端子が、インターポーザ基板2302によりさらに再配線されるため、最終的に電子機器のメインボード2500に実装可能となる。
【0130】
このように、ファン−イン半導体パッケージは電子機器のメインボードに直接実装されて用いられることが困難であるため、別のインターポーザ基板上に実装された後、さらにパッケージング工程を経て電子機器のメインボードに実装されるか、又はインターポーザ基板内に内蔵された状態で電子機器のメインボードに実装されて用いられている。
【0131】
図21はファン−アウト半導体パッケージの概略的な形状を示す断面図である。
【0132】
図21を参照すると、ファン−アウト半導体パッケージ2100は、例えば、半導体チップ2120の外側が封止材2130により保護されており、半導体チップ2120の接続パッド2122が連結部材2140により半導体チップ2120の外側まで再配線される。この際、連結部材2140上にはパッシベーション層2150をさらに形成することができ、パッシベーション層2150の開口部にはアンダーバンプ金属層2160をさらに形成することができる。アンダーバンプ金属層2160上には電気連結構造体2170をさらに形成することができる。半導体チップ2120は、本体2121、接続パッド2122、パッシベーション膜(不図示)などを含む集積回路(IC)であることができる。連結部材2140は、絶縁層2141と、絶縁層2141上に形成された再配線層2142と、接続パッド2122と再配線層2142などを電気的に連結するビア2143と、を含むことができる。
【0133】
このように、ファン−アウト半導体パッケージは、半導体チップ上に形成された連結部材により、半導体チップの外側までI/O端子を再配線して配置させた形態である。上述のように、ファン−イン半導体パッケージは、半導体チップのI/O端子の全てを半導体チップの内側に配置させなければならず、そのため、素子のサイズが小さくなると、ボールのサイズ及びピッチを減少させなければならないため、標準化されたボールレイアウトを用いることができない。これに対し、ファン−アウト半導体パッケージは、このように半導体チップ上に形成された連結部材により、半導体チップの外側までI/O端子を再配線して配置させた形態であるため、半導体チップのサイズが小さくなっても標準化されたボールレイアウトをそのまま用いることができる。したがって、後述のように、上記のような別のインターポーザ基板を用いることなく、電子機器のメインボード上に半導体チップ2120を実装することができる。
【0134】
図22はファン−アウト半導体パッケージが電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示す断面図である。
【0135】
図22を参照すると、ファン−アウト半導体パッケージ2100は電気連結構造体2170などを介して電子機器のメインボード2500に実装することができる。すなわち、上述のように、ファン−アウト半導体パッケージ2100は、半導体チップ2120上に半導体チップ2120のサイズを超えるファン−アウト領域まで接続パッド2122を再配線できる連結部材2140を形成するため、標準化されたボールレイアウトをそのまま用いることができる。その結果、別のインターポーザ基板などがなくても、半導体チップ2120を電子機器のメインボード2500に実装することができる。
【0136】
このように、ファン−アウト半導体パッケージは、別のインターポーザ基板がなくても電子機器のメインボードに実装することができるため、インターポーザ基板を用いるファン−イン半導体パッケージに比べて厚さがより薄いパッケージ寸法を実現することができ、小型化及び薄型化が可能である。また、熱特性及び電気的特性に優れるため、モバイル製品に特に好適である。また、プリント回路基板(PCB)を用いる一般的なPOP(Package on Package)タイプに比べて、よりコンパクトに実現することができ、反り現象の発生による問題を解決することができる。
【0137】
一方、ファン−アウト半導体パッケージは、このように半導体チップを電子機器のメインボードなどに実装するための、そして外部からの衝撃から半導体チップを保護するためのパッケージ技術を意味するものである。他方、ファン−イン半導体パッケージが内蔵されるインターポーザ基板などのプリント回路基板(PCB)を用いる実装方式は、ファン−アウト半導体パッケージに基づく実装方式とはスケール、用途などが異なる実装方式である。
【0138】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。