【実施例】
【0027】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0028】
《製造例1:多孔性球状炭素質物質の製造》
特許第3522708号(特開2002−308785号公報)の実施例1に記載の方法と同様にして多孔性球状炭素質物質を得た。具体的な操作は、以下の通りである。
石油系ピッチ(軟化点=210℃;キノリン不溶分=1重量%以下;H/C原子比=0.63)68kgと、ナフタレン32kgとを、攪拌翼のついた内容積300Lの耐圧容器に仕込み、180℃で溶融混合を行った後、80〜90℃に冷却して押し出し、紐状成形体を得た。次いで、この紐状成形体を直径と長さの比が約1〜2になるように破砕した。
0.23重量%のポリビニルアルコール(ケン化度=88%)を溶解して93℃に加熱した水溶液中に、前記の破砕物を投入し、攪拌分散により球状化した後、前記のポリビニルアルコール水溶液を水で置換することにより冷却し、20℃で3時間冷却し、ピッチの固化及びナフタレン結晶の析出を行い、球状ピッチ成形体スラリーを得た。
大部分の水をろ過により除いた後、球状ピッチ成形体の約6倍重量のn−ヘキサンでピッチ成形体中のナフタレンを抽出除去した。このようにして得た多孔性球状ピッチを、流動床を用いて、加熱空気を通じながら、235℃まで昇温した後、235℃にて1時間保持して酸化し、熱に対して不融性の多孔性球状酸化ピッチを得た。
続いて、多孔性球状酸化ピッチを、流動床を用い、50vol%の水蒸気を含む窒素ガス雰囲気中で、900℃で170分間賦活処理して多孔性球状活性炭を得、更にこれを流動床にて、酸素濃度18.5vol%の窒素と酸素との混合ガス雰囲気下で470℃で3時間15分間、酸化処理し、次に流動床にて窒素ガス雰囲気下で900℃で17分間還元処理を行い、多孔性球状炭素質物質を得た。こうして得られた多孔性球状炭素質物質を、以下の薬理試験例において、球状活性炭として使用した。
得られた炭素質材料の主な特性は以下の通りである。
比表面積=1300m
2/g(BET法);
細孔容積=0.08mL/g
(水銀圧入法により求めた細孔直径20〜15000nmの範囲の細孔容積);
平均粒子径=350μm;
全酸性基=0.67meq/g;
全塩基性基=0.54meq/g;
圧壊強度=31.2MPa;及び
2MPaの圧力をかけたときの歪率=0.7%。
【0029】
《製造例2:多孔性球状炭素質物質の製造》
特開2005−314416号公報の実施例1に記載の方法と同様にして多孔性球状炭素質物質(表面改質球状活性炭)を得た。具体的な操作は、以下の通りである。
脱イオン交換水220g、及びメチルセルロース58gを1Lのセパラブルフラスコに入れ、これにスチレン105g、純度57%ジビニルベンゼン(57%のジビニルベンゼンと43%のエチルビニルベンゼン)184g、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.68g、及びポロゲンとして1−ブタノール63gを適宜加えたのち、窒素ガスで系内を置換し、この二相系を200rpmで攪拌し、55℃に加熱してからそのまま20時間保持した。得られた樹脂を濾過し、ロータリーエバポレーターで乾燥させたのち、減圧乾燥機にて1−ブタノールを樹脂から蒸留により除去してから、90℃において12時間減圧乾燥させ、平均粒子径180μmの球状の多孔性合成樹脂を得た。多孔性合成樹脂の比表面積は約90m
2/gであった。
得られた球状の多孔性合成樹脂100gを目皿付き反応管に仕込み、縦型管状炉にて不融化処理を行った。不融化条件は、3L/minで乾燥空気を反応管下部より上部に向かって流し、5℃/hで260℃まで昇温したのち、260℃で4時間保持することにより球状の多孔性酸化樹脂を得た。球状の多孔性酸化樹脂を窒素雰囲気中600℃で1時間熱処理したのち、流動床を用い、64.5vol%の水蒸気を含む窒素ガス雰囲気中、820℃で10時間賦活処理を行い、球状活性炭を得た。得られた球状活性炭を、更に流動床にて、酸素濃度18.5vol%の窒素と酸素の混合ガス雰囲気下470℃で3時間15分間酸化処理し、次に流動床にて窒素ガス雰囲気下900℃で17分間還元処理を行い、表面改質球状活性炭を得た。
得られた表面改質球状活性炭の主な特性は以下の通りである。
比表面積=1763m
2/g(BET法);
細孔容積=0.05mL/g
(水銀圧入法により求めた細孔直径20〜15000nmの範囲の細孔容積);
平均粒子径=111μm(Dv50);
全酸性基=0.59meq/g;
全塩基性基=0.61meq/g;
嵩密度=0.50g/cm
3;
圧壊強度=436.5MPa;及び
2MPaの圧力をかけたときの歪率=0.2%。
なお、本明細書においては、製造例2において得られた球状活性炭を用いて、錠剤を作製した実施例を記載していないが、製造例1において得られた球状活性炭と同様に、本発明の錠剤を得ることができる。
【0030】
《
参考例1》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表1に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品535.5gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(6:4)を被覆品1gに対して1.2mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径15mmの錠剤を得た。
表2に被覆品の回収率を示す。被覆品の回収率(%)は、得られた被覆品量/被覆品の理論量×100で計算される。上記回収率が高いほど、経口投与用球状吸着炭の収率が向上する。
得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
《
参考例2》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表3に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品751.78gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(6:4)を被覆品1gに対して1.2mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表4に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
《
参考例3》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表5に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品512.5gを得た。得られた被覆品をテフロン(登録商標)製の成形型(直径12mm、深さ10.2mm、R16mm)に充填し、水を被覆品1gに対して0.9mLの割合で添加後、上部を撹拌機に取付けた成形棒で軽く圧縮して錠剤表面を整え、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表6に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】
《実施例4》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表7に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品500.0gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(4:6)を被覆品1gに対して1.9mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表8に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0040】
【表7】
【0041】
【表8】
【0042】
《
参考例5》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表9に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品506.8gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(5:5)を被覆品1gに対して1.4mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表10に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0043】
【表9】
【0044】
【表10】
【0045】
《
参考例6》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表11に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品564.4gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(6:4)を被覆品1gに対して1.1mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表12に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0046】
【表11】
【0047】
【表12】
【0048】
《
参考例7》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表13に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品530.8gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(2:8)を被覆品1gに対して1.2mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表14に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0049】
【表13】
【0050】
【表14】
【0051】
《
参考例8》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表15に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品497.8gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(5:5)を被覆品1gに対して1.1mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表16に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0052】
【表15】
【0053】
【表16】
【0054】
《
参考例9》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表17に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品518.1gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(4:6)を被覆品1gに対して1.0mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表18に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0055】
【表17】
【0056】
【表18】
【0057】
《
参考例10》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表19に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品537.3gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(1:9)を被覆品1gに対して1.4mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表20に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0058】
【表19】
【0059】
【表20】
【0060】
《
参考例11》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表21に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品525.2gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(1:9)を被覆品1gに対して1.3mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表22に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0061】
【表21】
【0062】
【表22】
【0063】
《
参考例12》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表23に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品622.6gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(1:9)を被覆品1gに対して0.6mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表24に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0064】
【表23】
【0065】
【表24】
【0066】
《
参考例13》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表25に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品548.3gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(1:9)を被覆品1gに対して1.2mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表26に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0067】
【表25】
【0068】
【表26】
【0069】
《
参考例14》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表27に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品524.0gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(1:9)を被覆品1gに対して1.1mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表28に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0070】
【表27】
【0071】
【表28】
【0072】
《
参考例15》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表29に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品543.5gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(4:6)を被覆品1gに対して1.1mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表30に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0073】
【表29】
【0074】
【表30】
【0075】
《実施例16》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表31に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品531.9gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(5:5)を被覆品1gに対して1.2mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表32に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0076】
【表31】
【0077】
【表32】
【0078】
《
参考例17》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表33に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品543.3gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(4:6)を被覆品1gに対して1.2mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表34に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0079】
【表33】
【0080】
【表34】
【0081】
《
参考例18》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表35に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品502.9gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(6:4)を被覆品1gに対して1.4mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表36に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0082】
【表35】
【0083】
【表36】
【0084】
《
参考例19》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表37に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品515.4gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(6:4)を被覆品1gに対して1.2mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表38に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0085】
【表37】
【0086】
【表38】
【0087】
《
参考例20》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表39に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品530.8gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(6:4)を被覆品1gに対して1.4mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表40に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0088】
【表39】
【0089】
【表40】
【0090】
《
参考例21》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表41に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品552.0gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(1:9)を被覆品1gに対して1.1mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表42に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0091】
【表41】
【0092】
【表42】
【0093】
《実施例22》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表43に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品490.6gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(6:4)を被覆品1gに対して1.1mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表44に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0094】
【表43】
【0095】
【表44】
【0096】
《
参考例23》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表45に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品545.5gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(6:4)を被覆品1gに対して1.1mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表46に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0097】
【表45】
【0098】
【表46】
【0099】
《
参考例24》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表47に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品516.4gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(1:9)を被覆品1gに対して1.0mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表48に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0100】
【表47】
【0101】
【表48】
【0102】
《
参考例25》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表49に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品533.3gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(6:4)を被覆品1gに対して1.4mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表50に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0103】
【表49】
【0104】
【表50】
【0105】
《
参考例26》
製造例1で得られた球状活性炭500gを転動流動コーティング装置(MP−01)に投入し、表51に示す処方のスプレー液を噴霧した。その後、乾燥し被覆品520.7gを得た。得られた被覆品を低圧成形機を用いて、エタノール/水混液(2:8)を被覆品1gに対して0.9mLの割合で添加後成形し、乾燥することにより、直径12mmの錠剤を得た。
表52に被覆品の回収率を示す。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0106】
【表51】
【0107】
【表52】
【0108】
《比較例1》
製造例1で得られた球状活性炭500gを撹拌造粒機(VG−01)に入れ、撹拌させながらプルラン25gを精製水600mLに溶解させた溶液を5分で加え、その後10分間練合し、練合物を回収した。表53に練合物の回収率を示す。
【0109】
《比較例2》
製造例1で得られた球状活性炭20g、プルラン1.2g及びラウリル硫酸ナトリウム0.18gを、ビーカー内で均一に分散させ、更に精製水24mLを加えた。得られた混合物を、添加剤の継粉ができないように、スパーテルを用いて練合した。調製した練合物(スラリー)を成形型(直径12mm、深さ10.2mm)に充填し、スパーテルで擦り切り、上部を撹拌機に取り付けた成形棒で軽く圧縮して、錠剤表面を整えた。成形型ごと乾燥を行うことにより、錠剤を得た。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表54に示す錠剤の体積率及び表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0110】
≪比較例3≫
製造例1で得られた球状活性炭20g、プルラン9.36g及びラウリル硫酸ナトリウム1.40gを、ビーカー内で均一に分散させ、更に精製水28mLを加えた。得られた混合物を、添加剤の継粉ができないように、スパーテルを用いて練合した。調製した練合物(スラリー)を成形型(直径12mm、深さ10.2mm)に充填し、スパーテルで擦り切り、上部を撹拌機に取り付けた成形棒で軽く圧縮して、錠剤表面を整えた。成形型ごと乾燥を行うことにより、錠剤を得た。得られた錠剤をX線CT顕微鏡により解析したところ、表55に示す錠剤内添加剤体積率の結果を得た。
【0111】
【表53】
【0112】
比較例1の練合法では、
図5に示すように球状活性炭が、混合機に残存したり、成形型へ付着するため、87.8%の収率であったが、
参考例1
の製造方法においては、球状活性炭の収率が100.2%と飛躍的に改善された。
【0113】
《X線CT顕微鏡での錠剤の体積率の解析》
参考例1で得られた2ロットの錠剤、及び比較例2で得られた3ロットの錠剤について、X線CT顕微鏡nano3DX(株式会社リガク)を用いて、以下の条件で錠剤内部を解析した。
線源:Mo
電圧:50kV
電流:24mA
画素サイズ:8.64μm/voxel
撮影枚数:1200枚
撮影時間:約3時間
付属の解析ソフトを用い、3分割した錠剤の上部、中部、及び下部における1辺2mmの立方体の体積率を求めた。比較例2で得られた3ロットの錠剤の3つの立方体の体積率の相対標準偏差(RSD)は、5.5%、7.1%、及び5.3%と高かった。一方、
参考例1で得られた2ロットの錠剤の3つの立方体の体積率のRSDは、1.0%及び2.4%であり、本発明の錠剤は、高い均一性を有していた(表54)。
【0114】
実施例
4、16、及び22並びに参考例2
、3、5〜15、17〜21、及び23〜26で得られた各1ロットの錠剤について、X線CT顕微鏡TDM1000H−II(2K)(ヤマト科学株式会社)を用いて、以下の条件で錠剤内部を解析した。
線源:W
電圧:50kV(実施例
4、16、及び22並びに参考例2
、3、5〜15、17〜21、及び23〜26)
電流:0.080mA(
参考例2)、0.085mA(実施例
4、16、及び22並びに参考例3
、5〜15、17〜21、及び23〜26)
画素サイズ:17.5μm/voxel(
参考例2)、12.7μm/voxel(実施例
4、16、及び22並びに参考例3
、5〜15、17〜21、及び23〜26)
撮影枚数:700〜1500枚(錠剤の厚さに合わせて任意に設定)
撮影時間:20分(
参考例2)、10分(実施例
4、16、及び22並びに参考例3
、5〜15、17〜21、及び23〜26)
解析ソフトImageJを用い、3分割した錠剤の上部、中部、及び下部における1辺2mmの立方体の体積率を求めた。得られた画像における256段階の明度の情報を基に、大津の方法による自動閾値計算によって球状活性炭及び添加剤と空隙を分け、この画像を2mmの厚さに相当する数だけ積算した時の球状活性炭及び添加剤のピクセル数の割合を体積率とした(表54)。
【0115】
【表54】
【0116】
《X線CT顕微鏡での錠剤の添加剤体積率の解析》
実施例
4、16、及び22並びに参考例1
〜3、5〜15、17〜21、及び23〜26で得られた錠剤、及び比較例2、3で得られた錠剤について、X線CT顕微鏡TDM1000H−II(2K)(ヤマト科学株式会社)を用いて、以下の条件で錠剤内部を解析した。
線源:W
電圧:40kV(
参考例1、比較例2)、50kV(実施例
4、16、及び22並びに参考例2
、3、5〜15、17〜21、及び23〜26、比較例3)
電流:0.095mA(
参考例1、比較例2)、0.080mA(
参考例2、比較例3)、0.085mA(実施例
4、16、及び22並びに参考例3
、5〜15、17〜21、及び23〜26)
画素サイズ:15.9μm/voxel(
参考例1)、14.4μm/voxel(比較例2)、17.5μm/voxel(
参考例2、比較例3)、12.7μm/voxel(実施例
4、16、及び22並びに参考例3
、5〜15、17〜21、及び23〜26)
撮影枚数:700〜1500枚(錠剤の厚さに合わせて任意に設定)
撮影時間:30分(
参考例1、比較例2)、20分(
参考例2、比較例3)、10分(実施例
4、16、及び22並びに参考例3
、5〜15、17〜21、及び23〜26)
参考例1の錠剤、実施例
4、16、及び22並びに参考例3
、5〜15、17〜21、及び23〜26の錠剤及び比較例2の錠剤に対してはそれぞれ1個、
参考例2及び比較例3の錠剤に対してはそれぞれ3個に対し、
図3のC、N、E、S、及びWの5つの角柱の添加剤の体積率を解析ソフトImageJによって計算した。得られた画像における256段階の明度の情報を基に、球状活性炭に相当する明度のピクセル数の分布が正規分布を取ることから、その明度の平均値に標準偏差の2.5倍を加えた値以上の明度のものを添加剤と定義し、そのピクセル数の割合を添加剤面積率、この画像を所定の厚さに相当する数だけ積算した時の添加剤のピクセル数の割合を添加剤体積率とした(
図6)。各角柱における添加剤体積率の最大値と最小値の値、及び5つの角柱における最大値と最小値の比を表55に示す。また、比較例2の位置Cにおける添加剤面積率及び体積率の上面から下面にかけての変動を
図4に示す。
図4に示すように、従来の練合法で得られた錠剤の添加剤体積率は、錠剤の上面から下面の間で大きく変動していた。
【0117】
【表55】