(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の特徴を具現化したコンベヤベルトの一部分の斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のコンベヤベルトを使用するコンベヤシステムの等角図である。
【
図3】
図3は、部分的に切り取った、
図2のコンベヤシステムの一部分の平面図である。
【
図4】
図4は、線分4−4に沿った
図3のコンベヤシステムの断面図であり、容量性力検知要素を示している。
【
図5】
図5は、
図4のベルト部分の図であり、下向きの力が加えられてキャパシタが変形している状態を示している。
【
図6】
図6は、
図2のコンベヤシステムにおいて使用可能な分散型センサのブロック図である。
【
図7】
図7は、
図6のセンサの電気回路図/ブロック図である。
【
図9】
図9Aおよび
図9Bは、
図3のコンベヤシステムにおけるベルト部分の断面図であり、ベルトに作用する下向きの力が存在しない場合と存在する場合の容量性力感知要素の別のバージョンを示している。
【
図10】
図10Aおよび
図10Bは、
図3のコンベヤシステムにおけるベルト部分の断面図であり、ベルトに作用する下向きの力が存在しない場合と存在する場合の誘導性力感知コイルを示している。
【
図11】
図11は、
図10Bの断面図であり、同図においては、ベルトに下向きの力が作用したときに、コイルのコアがコイルのインダクタンスを変化させている。
【
図12】
図12は、
図6のセンサシステムにおいて使用可能な代替の誘導結合された微分増幅回路の電気回路図である。
【
図13】
図13は、
図4の断面図であり、容量結合を有する代替的なセンサ構成を示している。
【
図14】
図14は、
図13の構成とともに使用可能なセンサ回路の1つのバージョンの電気回路図である。
【
図16】
図16は、
図13の断面図であり、容量結合を有するセンサ構成の別のバージョンを示している。
【
図17】
図17Aおよび
図17Bは、温度によってプレートの距離間隔が変化する容量性温度検知要素の側面図である。
【
図18】
図18Aおよび
図18Bは、温度によってプレートの距離間隔が変化する容量性温度検知要素の側面図である。
【
図19】
図19Aおよび
図19Bは、温度によってプレートの距離間隔が変化する容量性温度検知要素の側面図である。
【
図20】
図20Aおよび
図20Bは、温度によってプレートの距離間隔が変化する容量性温度検知要素の側面図である。
【
図31】
図31Aおよび
図31Bは、圧力によってプレートの距離間隔が変化する容量性圧力検知要素の側面図である。
【
図32】
図32Aおよび
図32Bは、圧力によってプレートの距離間隔が変化する容量性圧力検知要素の側面図である。
【
図33】
図33Aおよび
図33Bは、圧力によってプレートの距離間隔が変化する容量性圧力検知要素の側面図である。
【
図34】
図34Aおよび
図34Bは、湿度または漏出によってプレートの距離間隔が変化する容量性検知要素の側面図である。
【
図35】
図35Aおよび
図35Bは、湿度または漏出によってプレートの距離間隔が変化する容量性検知要素の側面図である。
【
図36】
図36Aおよび
図36Bは、湿度または漏出によってコイルまたはコアの寸法が変化する誘導性検知要素の側面図である。
【
図37】
図37Aおよび
図37Bは、湿度または漏出によってコイルまたはコアの寸法が変化する誘導性検知要素の側面図である。
【
図38】
図38Aおよび
図38Bは、湿度または漏出によってコイルまたはコアの寸法が変化する誘導性検知要素の側面図である。
【
図40】
図40は、
図2のコンベヤシステムで使用可能な測定回路の別のバージョンの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の特徴を具現化するコンベヤベルトの1つのバージョンの一部分を示している。コンベヤベルト10は、ヒンジロッド16または連続する列間にヒンジ継手18を形成するインターリーブヒンジ要素17のピンによって、端部間がヒンジ連結された1またはそれ以上のプラスチックベルトモジュール14の一連の列12から構成されたモジュール式のプラスチックコンベヤベルトである。ベルトモジュール14は、通常、ポリプロピレン、ポリエチレン、アセタールまたは複合ポリマーのような熱可塑性ポリマーから射出成形されている。力検知要素20などの検知要素は、個々の位置でコンベヤベルト10に埋め込まれている。このバージョンでは、力検知要素が、各ベルト列12の幅方向にわたる横列Rと、搬送方向22のベルトの長さに沿う縦列Cとの2次元配列に配置されている。このようにして、個々の力検知要素20の位置はP
RCとして定義することができ、ここで、Rは横列(または各ベルト列が力検知要素の1つの横列しか有さない場合は、ベルト列)を示し、Cはベルトの一方の側から他方の側までの縦列を示している。所与のベルトについての力検知要素のアレイの密度または力検知要素の横列と縦列間の距離間隔は、搬送される物品のサイズおよび形状の先験的知識によって決定されるものであってもよい。このバージョンでは、各力検知要素20が、ベルト10の外側搬送面24に取り付けられている。力検知要素は、カバー26によって保護することができ、このカバーは、搬送される物品の全重量が一群のカバーによって支えられるように、ドーム形状として、ベルトの搬送面24の僅かに上方に突出した突出部を形成するようにしてもよい。力検知要素は、ベルト上の力検知要素の位置で搬送面に垂直に加えられる力を測定するために、搬送面24に対して垂直な検知軸28を有する。
【0010】
コンベヤベルト10は、
図2の計量システム30に示されている。コンベヤベルトは、上部搬送路32に沿って搬送方向22に前進する。エンドレスベルトは、シャフト36に取り付けられた駆動およびアイドリングスプロケットセット34,35の周りに連なり、シャフトの端部は、軸受ブロック38に支持されている。駆動シャフトに連結された駆動モータ40は、駆動スプロケット34を回転させ、駆動スプロケットは、ベルトの下側に係合して、上側搬送路32に沿ってベルトを搬送方向22に駆動する。ベルトは下側戻り路42に沿って戻る。ローラ44は戻り路のベルトを支持し、最大ち度を減少させる。
【0011】
図3に示すように、コンベヤベルト10は、摩擦ストリップ50上の搬送路に沿って支持されている。力検知要素20のための起動回路52は、上面が摩擦ストリップ50の頂部の高さと同じかまたは僅かに低いハウジング54内に収容されている。起動回路52は、コンベヤベルト10内の力検知要素20の縦列Cと整列した縦列に配置されている。搬送体53は、埋め込み型センサの動作を説明するために使用されるコンベヤベルトの例における個々のベルトモジュールまたはベルト列を示しているが、
図3に示すコンベヤ本体は、駆動システムによって搬送方向に前進可能な任意の物品積載コンベヤモジュールも示している。その他の物品積載コンベヤモジュールの例には、スラットコンベヤのスラット、トレイコンベヤのトレイ、電磁レールコンベヤのトレイまたはパックが含まれるが、それらコンベヤ内にセンサを埋め込んで同様に使用することができる。
【0012】
図4には、1つのベルト列の断面が示されている。プラスチックベルトモジュール55内には、上部プレート58と下部プレート59とを有するキャパシタ56が埋め込まれている。2つのプレートは、ベルト上に物品が存在しないときは、互いに平行に、かつベルトの上部搬送面24と平行に示されている。それらプレートは、ベルトの底面25の近くのボビン62の周りに巻かれた誘導コイル60であるカプラまたは結合要素の両端に電気的に接続されている。キャパシタは、誘導コイル60に電気的に接続され、受動高Q共振回路61を形成する。外部起動回路52は、発振器と、通過するベルトコイル60と協働する起動または結合コイル64とを含む。最接近点の近傍では、起動コイルが物理的接触なしに無線でベルト内の受動共振回路に誘導結合するのに十分な近さで、2つのコイルがギャップを挟んで配置されている。起動コイル60は、ハウジング54内のサポート電子部品66に接続されている。
【0013】
図5に示すように、カバー26の上に載っている搬送物品の重量によって生じるような下向きの力Fは、キャパシタ56の上部プレート58を撓ませるか、または下方に移動させる。撓んだ上部プレート58と剛性の固定下部プレート59との間の間隔距離Sの減少は、キャパシタンスがプレート間の距離に反比例するため、キャパシタンスを比例的に増加させる。また、上部プレートの動きは加えられた力Fに比例するため、キャパシタンスは、支持する物品によってカバー26に加えられる力に比例する。このため、キャパシタ56は、
図5の例では、力感知要素または撓み感知要素である。任意のキャパシタンスの変化は、誘導コイル60およびキャパシタ56により形成される受動LC回路の共振周波数の変化を引き起こす。ベルトの共振回路61と外部回路66の発振器は協働して、ベルトの検知回路部分およびベルト外部の測定回路部分を有する(この場合、ロードセルまたは撓みセンサと同等である)分散型のセンサを形成する。
【0014】
図9Aおよび
図9Bには、力感知キャパシタの別のバージョンが示されている。このバージョンでは、キャパシタ112のプレート110,111、すなわちプレートによって規定される平面が、コンベヤベルトの上面24に対してほぼ垂直である。第1のプレート110は、垂直方向に移動可能であり、一方、第2のプレート111は、定位置にしっかりと固定されている。突出部26に下向きの力が作用しないときは、2つのプレート110,111は、
図9Aに示すように、垂直方向に互いにオフセットされる。搬送物品の重量によって下向きの力Fが加えられると、
図9Bに示すように、可動プレート110が、下方114に移動して、2つのプレート間の面積を増加させ、キャパシタンスを比例的に増加させて、LC回路の共振周波数を低下させる。当然のことながら、2つのプレートは、代替的に、力が存在しないときに垂直方向にオフセットしない状態で平行に配置することができる。そのような設計では、下向きの力が、一方のプレートを他方のプレートに対して相対的に下方向に押して、オフセットを増加させ、プレート間の面積を減少させ、キャパシタンスを減少させ、LC回路の共振周波数を増加させる。
図4のキャパシタ56と同様に、
図9Aおよび
図9Bのキャパシタ112は、誘導コイル60に接続されている。
【0015】
図10Aおよび
図10Bは、力感知共振回路の別のバージョンを示している。このバージョンでは、誘導コイルが力感知要素である。コイル120は、キャパシタンスが固定のキャパシタ122に電気的に接続され、受動共振LC回路を形成する。突出部26に下向きの力Fが加えられると、コイル120’は、
図10Bに示すように、バネのように圧縮される。コイルの長さが減少すると、コイル120’のインダクタンスが増加して、LC回路の共振周波数が低下する。コイルの断面を増加させる下向きの力は、コイル120のインダクタンスも増加させることとなる。実際のところ、その他の力によって引き起こされるコイルの幾何学的形状の変化が、受動LC回路のインダクタンスおよび共振周波数に影響を及ぼす可能性がある。
【0016】
図11は、代替的な力感知コイル124を示している。コイルの形状は固定されているが、突起26上の下向きの力Fは、高い透磁率を有する金属コア126をコイル124内のより深くに下方に押す。コアの進入深さが増大すると、コイル124の透磁率およびインダクタンスが増大し、コイルおよび固定キャパシタ130によって形成されるLC回路の共振周波数が低下する。代替的には、インダクタンスは、導電性リングをコイルの巻線のより近くに移動させるか、コイルのより多くの巻線を囲むこと、あるいは導電性プレートをコイルのより近くに移動させること、またはその両方によって、増加させることができる。当然のことながら、コアの進入を減少させるか又はコイルからプレートまたはリングまでの距離を増加させるコンベヤベルトに作用する力の影響下で、インダクタンスを減少させて共振周波数を増加させるように、コア、プレートまたはリングをコイルに対して配置することができる。
【0017】
図6には、計量システムの1つのセンサまたはロードセルのブロック図が示されている。ロードセルは、検知回路を形成するベルト内の受動共振回路61と、外部ハウジング内の起動コイルを含む発振器68とを含む。コンベヤベルト内の検知回路は、ベルトに埋め込まれた別個の電気部品で構成されるものであっても、あるいは微小電気機械システム(MEMS)技術を用いてより小型化されるものであってもよい。発振器は、ベルト内の共振回路61の共振周波数に近い周波数で発振するように設定されている。共振回路が起動コイルの近傍にあるとき、アンテナとして機能するコイルが、共振回路61を発振器68に誘導結合する。共振回路61と発振器68との相互作用は、共振回路のキャパシタンス変化に応じて発振器周波数を変化させる。発振器68の周波数は、周波数検出器70によって測定される。発振器および周波数検出器70は、分散型ロードセルの測定回路を形成し、電源72によって電力が供給される。発振器の周波数の変化は、キャパシタ56に作用する下向きの力に比例する。周波数検出器の出力は、重量に変換されて、データ記録装置74に局所的または遠隔的に記録される。
【0018】
図7は、より詳細な回路図を示している。受動共振回路61は、加えられる力によってキャパシタンスが変化するキャパシタ56と、コイル60とを含む。コイル60は、インダクタンスL
1を有するインダクタであり、キャパシタ56は、加えられる力の関数であるキャパシタンスC
1を有する。また、コイルは小さな直列抵抗も有する。ベルトには電源は必要ではない。共振周波数(ヘルツ単位)は、f
r=1/[2π(L
1C
1)
1/2]で与えられる。外部発振器68は起動コイル64を含み、この起動コイルは、インダクタンスL
2と、
図7には示されていない小さい抵抗を含む。起動コイル64の一端とグランドとの間には、手動可変キャパシタンスを有するトリムキャパシタ77と並列に、固定キャパシタンスを有するキャパシタ75が接続されている。固定キャパシタ75および可変キャパシタ77の合成キャパシタンスはC
2である。コイル64の他端は演算増幅器(オペアンプ)94の非反転入力(+)に接続されている。コイル64とキャパシタ76,78の接続点は、オペアンプ94の反転入力(−)に接続されている。オペアンプ94の出力96をその非反転入力(+)に接続して、f
n=1/[2π(L
2C
2)
1/2]で与えられる公称発振器周波数で発振を維持することにより、正のフィードバックが与えられる。トリムキャパシタ77は、公称発振器周波数、すなわち、ベルト内の共振回路61から切り離されたときの発振器の周波数を、共振回路61の共振周波数f
rに近い値に設定するように調整されている。
【0019】
オペアンプ94は、正の電圧V(例えば、+5Vdc)の上側電圧レールおよび接地された下側電圧レールにより、シングルエンドで動作する。発振器68により生成された正にバイアスされた正弦波形98は、発振回路に負荷をかけないように、高い入力インピーダンスを有する緩衝増幅器として機能するエミッタフォロア・オペアンプ100回路にバッファされる。バッファされた発振器信号は、周波数検出器に与えられる。周波数検出器は、アナログおよびデジタル論理回路またはマイクロコントローラで実現することができる。
【0020】
図7に示す実施例では、周波数検出器が、マイクロコントローラ71で実現されている。バッファされた発振器波形は、マイクロコントローラのアナログコンパレータの負の入力AIN1に印加される。正の入力AIN0は、電位差計102のワイパアームに接続され、供給電圧Vを有する調整可能な分圧器を形成する。負のコンパレータ入力AIN1における発振器波形の振幅が、電位差計により設定された正のコンパレータ入力AIN0における閾値電圧をクロスするときはいつでも、マイクロコントローラに割り込みが発生する。割り込みは、発振器波形のサイクル数をカウントするカウンタをインクリメントするファームウェアルーチンによって処理される。所定の時間間隔における総サイクル数は発振器周波数に比例する。サイクル数は、次の時間間隔の開始時にゼロにリセットされる。このため、周波数検出器は、この例では周波数カウンタとして実現される。しかしながら、周波数を検出するその他の方法を使用することもできる。例えば、マイクロコントローラは、周波数を抽出するために、発振器波形に対して高速フーリエ変換(FFT)または高速ハートレー変換(FHT)アルゴリズムを実行することができるデジタル信号処理(DSP)デバイスであってもよい。その場合、周波数検出器はスペクトルアナライザとして実現される。
【0021】
ベルト内の共振回路61が発振器68から遠い場合、発振器の公称周波数f
nは共振回路の影響を受けない。ベルトが前進して、共振回路61が発振器68に接近すると、2つの回路間の相互作用が増大する。発振器の周波数は、公称周波数f
nから変化する。周波数検出器は、その周波数の変化を検出する。前述したように、周波数検出器がマイクロコントローラ内の周波数カウンタとして実現される場合、所定の間隔におけるサイクル数は、ベルト内のキャパシタ56に作用する力の尺度となる。周波数の変化は、ベルトコイル60と発振器コイル64の近接度の関数でもあるため、マイクロコントローラルーチンは、公称値からの最大周波数変化をベルトキャパシタ56に加えられる力の最良の尺度として伝える。マイクロコントローラは、サイクル数を重量値に変換する。マイクロコントローラ71は、出力ディスプレイ104およびキーボード106などの手動入力デバイスを含むユーザインタフェースに接続することができる。マイクロコントローラ71は、その他の起動ユニットのマイクロコントローラとともに、直接的にまたは無線でメインコントローラ108に接続される。
【0022】
図1のビジョンシステムは、搬送面の一部のビジョンを提供するために搬送路32の上方に支持されたカメラ76またはその他の光学検出器を含む。カメラからの光信号107は、メインコントローラ108に送られる。メインコントローラは、ベルト上で搬送される個々の物品のフットプリントを光信号から判定するパターン認識プロセスを実行する。ベルトモジュールのコーナ78のようなベルト上の点に対するロードセルアレイの幾何学的形状の先験的知識により、ビジョンシステムは、個々の物品のフットプリントの下のロードセルのグループを相対的に判定することができる。例えば、
図8に示すような搬送面24の部分では、物品Bが、2つの縦列Cと5つの横列Rをカバーする10個のロードセルの上にある。何れの10個の検知要素が物品Bにより覆われているのかを完全に識別するために、例えば、幾つかのまたはすべてのベルト列上の光学的に検出可能なマーカ80を、ビジョンシステムによって使用することができる。この例では、ビジョンシステムはマーカを読み取り、それが、符号化されるか、または、ベルトの列10上にあることを示す単なる数字10であってもよい。列10に関する物品Bのフットプリントおよびアレイの形状の先験的知識により、ビジョンシステムは物品の下にある10個の検知要素を識別することができる。その後、ビジョンシステムは、絶対位置P
RC={(R,C)}={(11,2);(11,3);(12,2);(12,3);(13,2);(13,3);(14,2);(14,3);(15,2);(15,3)}における力検知要素の測定値を組み合わせる計量プロセスを実行して、物品Bの重量を計算することができる。横たわる物品の重量に等しいかまたは比例する値を計算するために、例えば、個々のロードセル測定値を合計することによって、ロードセル測定値を組み合わせることができる。物品の各々には、ビジョンシステムのリーダが読み取ることができるバーコードなどの識別印82が付されている。このようにして、計算された重量を特定の個々の物品に関連付けることができる。また、ビジョンシステムはベルトの幅全体のビジョンを提供するため、搬送路の固定計量ステーション上に物品を一列で配置する必要がない。さらに、ベルト内の共振回路アレイは、ベルトを停止することなく重量を測定することを可能にする。ビジョンシステムのビデオディスプレイを使用して、システム動作状態および設定または個々の物品の重量を監視することができる。コントローラ108は、上述したプロセスを実行することができる、プログラマブルロジックコントローラ、ラップトップ、デスクトップまたは任意の適切なコンピュータデバイスであってもよい。
【0023】
ビジョンシステムは、その他の手段を使用して個々の物品に重量を与えることができる。例えば、検知要素またはロードセルの各々の位置は、搬送面24またはロードセルカバー26上にマークすることができる。マークは、各ロードセルを明示的に特定することができ、あるいは単に、検知回路の各々または所定のサブセット上のドット88(
図1)のような一般的な位置マークであってもよい。すべての検知要素の位置がマークされている場合、ビジョンシステムはアレイのレイアウトの先験的知識を必要としない。別の実施例として、ビジョンシステムは、代替的に、物品のフットプリントの周囲の拡大領域90(
図8)内の全ての検知要素を選択し、それらの測定値を合計することができる。物品Dの下にないロードセルは、ゼロの測定値を与え、それは重量には加えられない。これにより、物品全体が正確に計量される。当然のことながら、別の物品が近くにある場合、近くの物品を包含しないように拡大された領域を注意深く選択する必要がある。
【0024】
2つの物品が同じまたは隣接するロードセルの上にないように物品が十分に分離されている場合、各物品の重量は、連続する非ゼロ読み値のロードセルのロードセル測定値を合計することによって測定することができる。
【0025】
また、ロードセルセンサは、連続する非ゼロ読み値のロードセルの各々の力測定値と、通常のCOG式による各ロードセルの相対位置の先験的知識とから、搬送物品の重心(COG)を判定するために使用することもできる。また、より簡単には、ロードセルを位置センサとして使用して、逸れた物品の追跡を向上させるために、ベルト上の物品の位置を判定することができ、あるいは、搬送物品の下方の連続する非ゼロ読み値のロードセルのパターンからベルト上の物品の傾斜を検知することができる。
【0026】
センサの出力の変動を最小限にし、その精度を向上させるために、センサを較正することができる。較正は手動または自動で行うことができる。手動較正では、既知の条件に対する各センサの応答を使用して、較正値(例えば、ゲインおよびオフセット)を決定することができ、この較正値を、メインコントローラまたは各センサのマイクロコントローラがアクセス可能なメモリに記憶することができる。較正値は、測定値を訂正するために使用される。自動較正では、コンベヤベルトの作動中にセンサを定期的に較正することができる。センサの各々は既知の条件に曝される。すべてのセンサが較正されるように、既知のベルト長さを使用して、ベルト内の既知の点で較正を開始することができる。較正を開始および停止するために、センサに対するベルト内の既知の位置における基準が、検知および使用される。幾つかのベルト外周上のセンサの応答を測定することによって、センサのシグネチャマップを作成することができる。シグネチャマップは、較正値を対応するセンサに割り当てるために使用される。
【0027】
図12は、検知キャパシタ130のキャパシタンスの変化によって引き起こされるLC回路の共振周波数の変化を測定するための代替的な誘導結合共振回路を示している。ベルト内の検知キャパシタ130および誘導結合コイル132は、共振LC回路133を形成する。コンベヤフレーム内の外部固定起動および測定電子回路は、LC回路のコイル132に誘導結合されるコイル134を有する。第1のオペアンプ136は、誘導コイル134とオペアンプの反転(−)入力および非反転(+)入力との間のキャパシタ138,139および帰還抵抗140を有する微分増幅器として構成されている。抵抗144,145を有する第2オペアンプ142は、反転増幅器を形成し、その出力が起動ライン146によってコイル134に戻され、ベルト内のLC回路133を作動させる。第2オペアンプ142の出力148は、出力信号の最大および最小電圧レベルを周波数カウンタの入力に適した範囲に制限するために必要な信号調整が行われた後、
図7に示す周波数カウンタ71のような周波数検出器に接続されている。
図7の測定システムとは異なり、この測定システムは、近傍を通過する受動LC回路との相互作用によって周波数がその公称共振周波数から変化する別個の発振器の周波数ではなく、LC回路の共振周波数を直接測定する。
【0028】
図13には、容量結合された共振回路が示されている。容量性センサ150は、コンベヤベルト152に取り付けられている。センサ150のキャパシタンスは、ベルトが受ける幾つかの条件の関数として変化する。容量性検知要素150のプレート154,155は、誘導コイル156の両端子に接続されて、共振LC回路を形成する。また、プレート154,155は、ベルト152の底部近傍のプレート158,159の形態の結合要素にも接続されている。ベルトの結合プレート158,159は、ベルト152の外部のコンベヤフレーム164に取り付けられた対応する固定プレート162,163とともに、結合キャパシタ160,161を形成する。固定プレート162,163は、
図14にも概略的に示されているように、固定共振器起動・測定回路166に接続されている。第1のオペアンプ168は、入力キャパシタ170および負帰還抵抗172により微分増幅器として構成されている。第2のオペアンプ174は、抵抗176,177を有する反転増幅器として構成されている。インバータの出力178は、周波数検出器(図示省略)に接続されている。インバータは、微分増幅器からの信号を反転させてその出力178がLC回路の発振と同相となるようにする。出力178は、帰還経路180により固定プレート163を介してLC回路にフィードバックされる。他方の固定プレート162に接続された接地抵抗182は、微分キャパシタ170のドレインおよびチャージを可能にし、測定可能信号がオペアンプ168に提供されるようにする。測定回路のストレーキャパシタンスの影響を低減するために、結合キャパシタ160,161のキャパシタンスは、ストレーキャパシタンスよりも遥かに大きくなければならない。しかしながら、結果として物理的に大きく非実用的なキャパシタがもたらされる場合、結合キャパシタ160,161のキャパシタンスの変化によって生じる測定ノイズを最小にするために、補償キャパシタ184を帰還経路180に挿入することができる。補償キャパシタ184は、好ましくは、小さいキャパシタンスを有し、かつプレート163の近傍に配置され、それにより、測定に及ぼすストレーキャパシタンスの影響が低減される。
【0029】
図15には、別の容量結合回路166’が示されている。この回路では、第1のオペアンプ186が、入力結合キャパシタ160,161および帰還抵抗188,189を有する差動コンパレータとして構成されている。第2のオペアンプ190は、その抵抗192,193が利得を設定する反転増幅器として構成されている。インバータは、出力194の位相をLC発振に整合させる。出力は、帰還抵抗188を介してコンパレータにフィードバックされ、周波数検知器(図示省略)に送られる。第1のオペアンプ186の反転(−)入力と非反転(+)入力との間に接続された抵抗196は、入力のフローティングを防止する。
【0030】
図16は、コンベヤベルト200がベルトの底部204に金属プレート202を有する容量結合されたセンサ構成を示している。この実施例では、プレート202には、ビーム205により連結された板ばね203,203’の間にバネ荷重がかけられており、プレートに加えられた重量がバネを撓ませ、プレートを垂直下方に移動させるようになっている。コンベヤフレーム208内の固定プレート206,207は、金属プレート202とともに、2つの可変キャパシタンスのハーフキャパシタを形成する。プレート206,207は、コンベヤフレーム内の起動測定回路210のインダクタに接続されている。直列に接続された2つのキャパシタとインダクタはLC共振器を形成する。共振周波数は、キャパシタのプレートの間隔距離に影響を与える細長いプレート202の垂直方向の位置によって変化する。実用的なサイズの結合キャパシタの場合、キャパシタの結合範囲は実用サイズの結合インダクタの結合範囲よりも小さいため、容量結合によって、通過する検知要素の位置をより正確に推定することができる。このため、この実施例では、バネ荷重プレート202により形成される検知要素が、固定プレート206,207を介してプレート202を外部測定回路210に結合する結合要素としても機能する。そして、LC共振回路は、コンベヤベルト200内の検知要素202と外部固定測定回路210との間に設けられている。
【0031】
これまで述べたすべての例においては、LC回路の共振周波数が、キャパシタまたはインダクタに作用する力により変化するものとなっていた。特に、それらの例は、ベルト上で搬送される物品の重量によって引き起こされるコンベヤベルトの撓みにより電気的特性、キャパシタンスまたはインダクタンスが変化する力感知要素または撓み感知要素として記載してきた。しかしながら、同様の共振回路を使用して、製品重量以外の量を測定することも可能である。以下の例では、検知要素として使用される可変キャパシタが固定値インダクタ(図示省略)に接続されて共振LC回路を提供し、検知要素として使用される可変インダクタが固定値キャパシタ(図示省略)に接続されて共振LC回路を提供する。
【0032】
図17A−
図23Bは、温度を検知するコンベヤベルト内の検知要素として使用される様々な可変キャパシタを示している。
図17Aは、高い熱膨張係数を有する材料で作られたスペーサ216によりギャップ214を挟んで間隔を空けて配置された2つの平行なプレート212,213から構成される容量性センサを示している。温度が上昇すると、
図17Bに示すように、スペーサ216が膨張してギャップ214’を増加させる。キャパシタンスが減少し、それにより、プレート212,213が接続されているLC回路の共振周波数が変化する。
【0033】
図18Aおよび
図18Bには、別の容量性温度センサが示されている。センサは、ガスで満たされたギャップ222を挟んでスペーサ220により分離された2つのプレート218,219を備える。上部プレート218は可撓性があり、温度が上昇または下降したときに、ガス圧力の増加または減少とともに、上部プレートが外側に膨張するか内側に落ち込むことができるようになっている。温度上昇による可撓性上部プレート218の外向きの膨張が、
図18Bに示されている。ギャップ222’の増加は、キャパシタンスを減少させて、共振周波数を増加させる。
【0034】
図19Aは、ギャップ226により分離された2つのプレート224,225から構成される別の温度感知容量性センサを示している。上部プレート224は、その縁部がバイメタルストリップ228の一端に接続され、バイメタルストリップの反対の端部がベルト内の構造体に固定されている。温度が上昇すると、
図19Bに示すように、バイメタルストリップ228が曲がって、上部プレート224を下部プレート225から離すように移動させ、ギャップ226’を増加させる。ギャップが大きくなると、キャパシタンスが減少して共振周波数が高くなる。
図20Aのセンサは、上部プレート224の一方の縁部がアーム228の一端に接続されて、このアームの他端がピボット230に取り付けられている点を除いて、同様に動作する。プッシャ232は、ピボット230とプレート224との間のアームの長さに沿った位置でアーム228に接触する。プッシャ232は、高い熱膨張係数を有する材料で作られている。温度が上昇すると、
図20Bに示すように、プッシャが伸長してアーム230と上部プレート224を傾斜させ、その結果、プレート224,225間のギャップが増加して、キャパシタンスを低下させる。
【0035】
図21A−
図23Bは、キャパシタの実効誘電率の変化によってキャパシタンスが変化する容量性センサのその他のバージョンを示している。
図21Aにおいて、一端がコンベヤベルト内の構造体に固定された誘電体スラブ234は、上部固定プレート238と下部固定プレート239の間のギャップ236内に部分的に延びている。スラブ234の誘電率は空気の誘電率とは異なる。また、スラブ234は、高い熱膨張係数を有する材料で作られる。温度が上昇すると、
図21Bに示すように、スラブ234は、ギャップ236内へとさらに延びる。誘電体スラブ234によって占有されるギャップ236内の領域は、温度とともに増加する。このため、温度が上昇すると、キャパシタンスが増加し、共振周波数が低下する。同様の効果が、
図22A−
図23Bに示すバージョンでも達成される。高い熱膨張係数を有する誘電材料の代わりに、固定サイズの誘電体スラブ240がバイメタルストリップ242の一端に取り付けられている。ストリップ242の他端はベルト構造体に取り付けられている。温度が上昇すると、
図22Bに示すように、バイメタルストリップ242が曲がり、それにより、誘電スラブ240がギャップ236内に深く押し込まれる。
図23Aおよび
図23Bの容量性センサは、同様の固定サイズの誘電体スラブ240を使用している。バイメタルストリップの代わりに、
図20Aに示すように、プッシャ244、ピボット230およびアーム228を使用して、スラブ240をギャップ236内にさらに押し込み、誘電体材料がより多くのギャップを満たして実効透磁率を増加させるようにする。
【0036】
図24A−
図26Bは、コアを囲む巻線数に起因するLC回路におけるインダクタの実効透磁率の温度による変化により、インダクタンスが変化する誘導性温度センサを示している。
図24Aは、第1の距離だけコイルの中心を通って延びるフェライトコア248または別の材料で作られたコアを有するインダクタコイル246を示している。また、コア248は、高い熱膨張係数を有する材料で作られている。温度が上昇すると、
図24Bに示すように、コア248は膨張して、コイル246の中にさらに延び、より多くのコイルの巻線とリンクする。実効透磁率およびインダクタンスが増大し、コイル246および固定キャパシタを含むLC回路の共振周波数が低下する。
図25Aおよび
図25Bのバージョンは、
図25Bに示すように、バイメタルストリップ250を使用して、固定長コア252をコイル246内にさらに押し込む。
図26Aおよび
図26Bにおいて、固定長コア252は、熱膨張係数の高い材料からなるプッシャ244によって押圧される回動可能なアーム228によって、誘導コイル246内にさらに押し込まれて、温度の関数としてそのインダクタンスが変化する。
【0037】
図27A−
図28Bは、誘導コイルの形状を変化させるために熱膨張係数の高い材料を使用する誘導性温度センサを示している。
図27Aにおいては、誘導コイル254が、コア256の周囲に巻かれている。コアは、熱膨張係数が高い材料で作られており、その結果、
図27Bに示すように、温度が上昇すると、コア256が半径方向に膨張してコイル254の直径を増大させ、それにより、コイルのインダクタンスを増加させるとともに、共振周波数を低下させる。
図28Aおよび
図28Bにおいては、誘導コイル258が、アーム260,261により2点で、熱膨張係数の高い材料からなるスラブ262に取り付けられている。
図28Bに示すように、スラブ262は、温度が上昇するに連れて伸長する。伸長するスラブ262は、アーム260,261を引き離してコイル258を伸ばし、それにより、コイルのインダクタンスを減少させるとともに、共振周波数を増加させる。
【0038】
図29A−
図30Bに示す誘導性圧力センサは、
図27A−
図29Bの温度センサと同様に動作する。
図29Aおよび
図29Bにおいては、コイル264が、ガスで満たされた閉じた可撓性の圧力チャンバ266の周りに巻かれている。外部雰囲気圧力が低下すると、
図29Bに示すように、可撓性チャンバが半径方向に膨張して、コイル264の直径および断面積を増加させ、それによりコイルのインダクタンスを増加させる。
図30Aにおいては、
図28Aのスラブ262が、ガスで満たされた膨張可能な圧力チャンバ268に置き換えられている。外部圧力の低下を伴うチャンバ268の膨張は、
図30Bに示すように、コイル270を伸長させて、そのインダクタンスを減少させる。
【0039】
図31A−
図33Bには、種々の容量性圧力センサが示されている。固定された下部プレート272は、プレートとともに密閉チャンバ276を形成する壁274によって、可撓性上部プレート273から分離されている。
図31Bに示すように、外部圧力が減少すると、チャンバ276内のガスが可撓性上部プレート273を固定下部プレート272から離れるように外向きに押し出し、それによりキャパシタンスを低下させるとともに、共振周波数を増加させる。
図32Aおよび
図32Bにおいては、外部圧力が減少したときに、閉じたチャンバ278内のガスの膨張により、ピボット282を中心にアーム280が回動し、キャパシタのプレート284,285を引き離す。プレートの分離はキャパシタンスを減少させる。
図33Aおよび
図33Bは、リンケージ288に取り付けられた2つの膨張可能な圧力チャンバ286,287を使用する別のバージョンを示している。リンケージ288は、容量性センサの上部プレート290に取り付けられている。外部圧力の低下は、
図33Bに示すように、圧力チャンバ286,287を膨張させて、リンケージ288を回動させ、上部プレート290を固定下部プレート291から引き離す。プレートの分離幅を増加させることにより、キャパシタンスが減少する。
【0040】
図34A−
図37Bに示すセンサは、周囲湿度の変化を検知する。
図34Aおよび
図34Bの容量性センサは、吸湿性材料からなるセパレータ294により分離された2つの平行なプレート292,293を含む。吸湿性セパレータ294は、
図34Bに示すように、湿度の増加とともに膨張する。この膨張は、プレート間の分離を増加させ、それによりキャパシタンスを減少させるとともに、共振周波数を増加させる。このセンサは、濡れた材料の漏出を検知するために使用することもできる。
図35Aおよび
図35Bの容量性湿度センサは、プッシャ296が熱膨張係数の高い材料ではなく、吸湿性材料で作られている点を除いて、
図20Aおよび
図20Bの容量性温度センサと同様に動作する。湿度の増加は、プッシャ296を伸長させるとともに、プレート298,299を分離させて、キャパシタンスを減少させる。
図36A−
図37Bに示す誘導性湿度センサは、熱膨張係数の高い材料が、湿度の増加とともに膨張する吸湿性材料に置き換えられている点を除いて、
図27A−
図28Bの温度センサと同様に動作する。この膨張は、コイルの長さ(
図37B)または直径(
図36B)を変えることによってコイルのインダクタンスを変化させる。
【0041】
図38Aおよび
図38Bは、湿度の変化または漏出を検知する誘導性センサを示している。コイル300は、吸湿性材料からなるコア302を有する。漏出の存在下における湿度の上昇は、
図38Bに示すように、コア302を伸長させ、それによりコイルのインダクタンスを増加させる。
【0042】
図39Aおよび
図39Bは、プレート間のギャップ308の一部に誘電体スラブ306を有する2つのプレート304,305を備える容量性漏出センサを示している。ギャップ308の残りの部分は、
図39Aでは、空気で満たされている。液体がセンサ内に漏れると、液体310はギャップ308の一部の空気を移動させる。漏出物の誘電率は空気の誘電率とは異なるため、2つのプレートによって形成されるキャパシタの実効誘電率が変化する。漏出による誘電率の変化は、キャパシタンスと共振周波数を変化させる。2つのプレート304,305は、互いに対して傾斜して、プレートの第1の端部から第2の端部へと放射状に広がるように示されており、プレートの第1の端部間のギャップ308の最も狭い部分に誘電体スラブ306が存在する。漏出した液体は、毛管作用によって誘電体スラブ306に集まる傾向がある。このようにして、漏出は、ギャップ間隔がより小さい位置に集まるため、より大きな効果を有する。しかしながら、プレートを平行に配置することができ、そのようにしても、漏出を効果的に検知することができる。
【0043】
図39Aおよび
図39Bによって示される例を除く、検知要素すべての例においては、力が、共振LC回路内の受動要素、すなわちインダクタまたはキャパシタの向き、寸法(すなわち、サイズまたは形状)、透磁率または誘電率を変化させる。これらの変化はいずれも、インダクタンスまたはキャパシタンス、ひいては共振回路の共振周波数を変化させる。したがって、これらの検知要素はすべて、力感知要素であると考えることができる。共振周波数の変化は、関数的に力の変化に関連している。そして、この力は、ベルト上の物品の重量、温度の変化、周囲圧力の変化、湿度の変化またはベルト上への漏出によって引き起こされている。当業者であれば、回路要素のインダクタンスまたはキャパシタンスを変更する同様の技術を使用して、コンベヤベルトに影響を及ぼすその他の変化する条件を検知することができることを理解するであろう。
【0044】
図40には、キャパシタのキャパシタンスを変化させるコンベヤベルトの条件を測定する測定システムの別のバージョンが示されている。可変キャパシタ400は、コンベヤベルト402に埋め込まれている。可変キャパシタ400のキャパシタンスは、ベルトに影響を与える条件によって変化する。可変キャパシタは、第1のプレート404と第2のプレート405とに直列に接続されている。2つのプレート404,405は、コンベヤベルト402の底部に近接して配置されている。ベルト402が、固定された外部測定回路406の近傍を通過すると、第1のプレート404および第2のプレート405が、外部測定回路406内の第1の固定プレート410および第2の固定プレート411とともに、第1の結合キャパシタ408および第2の結合キャパシタ409を形成する。第2の結合キャパシタ409の第2の固定プレート411は接地されている。抵抗412は、発振器414、2つの結合キャパシタ408,409および可変キャパシタ400と直列に接続されている。発振器414は、抵抗412および3つのキャパシタ400,408,409からなる分散型の直列RC回路に、基本周波数で交流駆動波形を供給する。交流駆動波形は、例えば、正弦波、三角波または方形波とすることができる。抵抗412と第1の固定プレートとの接合点における交流電圧Vの振幅は、回路のキャパシタンスに反比例する。可変キャパシタ400のキャパシタンスは2つの結合キャパシタ408,409のキャパシタンスよりも遥かに小さいため、交流電圧Vの振幅は可変キャパシタのキャパシタンスに反比例する。交流電圧Vは、半波整流器を形成する単一のダイオードまたは全波整流器を形成するダイオードブリッジなどの整流器416において整流される。整流された電圧の直流成分は、RC回路内の抵抗−結合キャパシタの接合点またはノードにおける交流電圧Vの大きさに比例する。ローパスフィルタ418は、発振器の基本周波数および高調波および整流器によって生じる任意の高周波リップルを除去して、その出力において、可変キャパシタ400のキャパシタンスに反比例する直流電圧を生成する。アナログ直流電圧は、AD変換器420においてデジタル値に変換される。デジタル値422は、メインコントローラ(
図7の108)に送られる。ローパスフィルタ418は、受動要素のみで実現されるようにしても、あるいは受動要素および演算増幅器を有する能動フィルタとして実現されるようにしてもよい。ローパスフィルタ418の前後に緩衝増幅器を挿入することにより、回路負荷を最小限に抑え、ノイズを低減することができる。このため、この測定システムは、周波数ではなく電圧振幅を測定し、共振回路を使用しないという点で、その他のものとは異なる。発振器の基本駆動周波数は、キャパシタンス値およびベルト速度に応じて、広範囲の周波数(キロヘルツからギガヘルツ)にわたり設定することができる。ローパスフィルタのカットオフ周波数は、良好な結果を得るために、基本駆動周波数の約0.1%−1%に設定される。
【0045】
計量システムについて、幾つかのバージョンを参照して詳細に説明したが、その他のバージョンも可能である。例えば、コンベヤベルトは、モジュラー式のプラスチックコンベヤベルトである必要はない。例えば、平ベルトまたはスラットコンベヤであってもよい。別の例として、上述したもの以外のベルト上の視覚化アルゴリズムおよび検知可能なマーカを、個々の物品およびそれらの下にあるロードセルを識別するためにビジョンシステムで使用することができる。さらに、ベルトの外部にあるのものとして記載した起動および測定回路を構成する能動部品の幾つかは、代わりに、ベルトに埋め込んで、カプラが、ベルトからの出力を結合するものであってもよい。そのような構成では、能動部品は、電池、蓄電キャパシタまたはエナジーハーベスタなどのベルト埋め込み電源、またはベルト外部の電源からの誘導結合によって電力供給される。また、共振技術以外の技術を使用して、ベルトの撓みに起因するインダクタンスまたはキャパシタンスの変化を測定することができる。このため、これらの幾つかの例が示唆するように、特許請求の範囲は、例示的なバージョンの細部構成に限定されるものではない。