【課題を解決するための手段】
【0004】
本発光モジュールの少なくとも一実施形態によれば、発光モジュールは、動作時に光を放出するように構成されている複数の発光領域を備えている。この場合、光とは、紫外放射と赤外放射との間のスペクトル領域における電磁放射(特に可視光)を意味するものと理解されたい。発光領域は、特に、半導体材料(特に、窒化物化合物半導体材料)をベースとすることができる。これに加えて、発光領域は、ルミネセンス変換材料を備えていることができる。
【0005】
複数の発光領域のそれぞれは、横方向に互いに隔てて配置することができる。横方向とは、モジュールの主延在面に平行に延びる方向であり、以下では「横平面」とも称する。発光領域は、例えば製造公差の範囲内で、規則的な格子(例えば長方形格子)の格子点に配置することができる。
【0006】
本発光モジュールの少なくとも一実施形態によれば、複数の発光領域は、第1の色度座標(colour locus)の光を放出する第1のタイプの少なくとも1つの第1の発光領域および少なくとも1つの第2の発光領域を備えている。第1のタイプの第1の発光領域と第2の発光領域は、横方向に互いに隔てて配置されており、この場合、第1のタイプの第1の発光領域と第2の発光領域は、横方向に互いに隣接して配置することができる。
【0007】
本発光モジュールの少なくとも一実施形態によれば、発光モジュールは、第2の色度座標の光を放出する第2のタイプの少なくとも1つの第1の発光領域および少なくとも1つの第2の発光領域を備えている。第2のタイプの第1の発光領域と第2の発光領域は、横方向に互いに隔てて配置されており、この場合、第2のタイプの第1の発光領域と第2の発光領域は、横方向に互いに隣接して配置することができる。第1のタイプおよび第2のタイプの発光領域は、同じ横平面内に横方向に互いに隔てて配置されている。
【0008】
本発光モジュールの少なくとも一実施形態によれば、発光モジュールは、発光領域に電流を供給する制御デバイスを備えている。制御デバイスは、発光領域に導電結合されている。制御デバイスは、動作時に発光領域を互いに別々に動作させるように構成されている。この目的のため、制御デバイスは、例えば、電流源または電圧源と、制御電子回路とを備えていることができる。
【0009】
本発光モジュールの少なくとも一実施形態によれば、第1の色度座標は、第2の色度座標と異なる。特に、複数の発光領域が、異なるスペクトル色の異なるタイプの光を放出することが可能である。
【0010】
本発光モジュールの少なくとも一実施形態によれば、第1のタイプの第1の発光領域と第2の発光領域とが、互いに隣接している。この文脈における「互いに隣接している」は、第1のタイプの第1の発光領域と第2の発光領域とが、横方向に互いに直接または間接的に隣に互いに隔てて配置されていることを意味する。第1の発光領域と第2の発光領域とが直接隣接して配置されている場合、第1の発光領域と、横方向において隣接する第2の発光領域との間に、さらなる発光領域が配置されていない。したがって、直接隣接する2つの発光領域の間には、横平面におけるまっすぐな結合線が存在し、この結合線はさらなる発光領域を横切らない。第1の発光領域と第2の発光領域とが互いに間接的に隣接して配置されている場合、第1の発光領域と、横方向において隣接する第2の発光領域との間に、さらなる発光領域が配置されている。さらなる発光領域は、第2のタイプまたは第3のタイプの発光領域とすることができる。
【0011】
本発光モジュールの少なくとも一実施形態によれば、第2のタイプの第1の発光領域と第2の発光領域とが、互いに隣接している。この文脈における「互いに隣接している」は、第2のタイプの第1の発光領域と第2の発光領域とが、横方向に互いに直接または間接的に隣に互いに隔てて配置されていることを意味する。第1の発光領域と第2の発光領域とが直接隣接して配置されている場合、第1の発光領域と、横方向において隣接する第2の発光領域との間に、さらなる発光領域が配置されていない。したがって、直接隣接する2つの発光領域の間には、横平面におけるまっすぐな結合線が存在し、この結合線はさらなる発光領域を横切らない。第1の発光領域と第2の発光領域とが互いに間接的に隣接して配置されている場合、第1の発光領域と、横方向において隣接する第2の発光領域との間に、さらなる発光領域が配置されている。さらなる発光領域は、第1のタイプまたは第3のタイプの発光領域とすることができる。
【0012】
本発光モジュールの少なくとも一実施形態によれば、制御デバイスは、すべての発光領域を互いに別々に動作させるように構成されている。各発光領域は、他の発光領域とは個別に制御デバイスに電気的に結合されている。制御デバイスによって、すべての発光領域を、所定の電流および/または所定の電圧で個々に動作させることができる。
【0013】
本発光モジュールの少なくとも一実施形態によれば、制御デバイスは、第1のタイプの発光領域を冗長的に動作させるように設計されている。この場合、および以下において、「冗長的に」とは、特定のタイプの第1の発光領域の欠陥の場合に、同じタイプの第2の発光領域がこの欠陥を補償し、欠陥のある第1の発光領域が制御デバイスによって動作されないことを意味する。したがって、ある発光領域の欠陥の場合、同じタイプの発光領域が、欠陥のある発光領域の機能を引き継ぐ。
【0014】
本発光モジュールの少なくとも一実施形態によれば、制御デバイスは、第2のタイプの発光領域を冗長的に動作させるように設計されている。
【0015】
少なくとも一実施形態によれば、発光モジュールであって、発光モジュールが、
− 動作時に光を放出するように構成されている複数の発光領域であって、第1の色度座標の光を放出する第1のタイプの少なくとも1つの第1の発光領域および少なくとも1つの第2の発光領域と、第2の色度座標の光を放出する第2のタイプの少なくとも1つの第1の発光領域および少なくとも1つの第2の発光領域とを備えている、複数の発光領域と、
− 発光領域に電流を供給する制御デバイスと、
を備えており、
− 複数の発光領域が、共通の半導体チップに配置されており、
− 第1の色度座標が第2の色度座標と異なり、
− 第1のタイプの第1の発光領域と第2の発光領域とが互いに隣接しており、
− 第2のタイプの第1の発光領域と第2の発光領域とが互いに隣接しており、
− 制御デバイスが、すべての発光領域を互いに別々に動作させるように構成されており、
− 制御デバイスが、第1のタイプの発光領域を冗長的に動作させるように設計されており、
− 制御デバイスが、第2のタイプの発光領域を冗長的に動作させるように設計されている、
発光モジュール、を提供する。
【0016】
本明細書に記載されている発光モジュールは、特に、以下の考察に基づいている。
【0017】
発光モジュールは、1つまたは複数の画像点(image point)を備えていることができる。各画像点またはピクセルは、横平面内に互いに隣接して配置されている各タイプの1つの発光領域を備えていることができる。発光領域の欠陥は、一般には、それぞれの画像点の障害につながり、すなわち、発光モジュールにおけるその画像点の機能はもはや果たされない。発光領域の欠陥が発生したときには、コストの理由から、その欠陥は通常では修正されず、なぜなら分析して処理するコストが高すぎるためである。
【0018】
特に、個々の画像点の間の距離が特に小さい表示装置(いわゆるビデオウォールなど)として、またはそのような表示装置において発光モジュールを使用する範囲内では、複数の画像点が、横平面内に互いに隣に配置される。1つの画像点の複数の発光領域は、共通の発光半導体チップ、または複数の異なる発光半導体チップの一部とすることができる。複数の異なる半導体チップは、横平面内に互いに隔てて配置され、例えば平面状の接続部によって接続される。欠陥のある発光領域を後から修正することは、多大な労力をかけることによって初めて可能である。発光モジュールの要件によっては、個々の画像点の障害は許容されないことがある。
【0019】
驚くべきことに、個々の画像点を特定の方法で分割することによって、上述した問題点を解決できることが判明した。発光モジュールにおける分割された画像点は、互いに隣接して配置されている各タイプの少なくとも2つの発光領域を備えている。同じタイプの2つの隣接する発光領域を、制御デバイスによって互いに対して冗長的に動作させることができる。発光領域は、1つの発光領域の明るさが発光モジュールの用途において十分であるように寸法設定される。これに加えて、それぞれの用途において要求される画像点の解像度よりも発光領域の解像度が高いように、個々の発光領域の横方向範囲が十分に小さい。個々の発光領域は、制御デバイスによって互いに別々に動作させることができ、したがって、第1の発光領域の欠陥の場合、その発光領域はもはや動作されず、同じタイプの隣接する第2の発光領域が追加的に動作される、またはより高い電流で動作される。
【0020】
このような発光モジュールによって、個々の発光領域の欠陥を補償することができ、これは有利である。結果として、発光モジュールは、個々の発光領域の欠陥にもかかわらず依然として完全に正常に機能し、これにより、製造時における、正常に機能する発光モジュールの歩留りが高まり、さらに、発光モジュールの信頼性が向上する。これに加えて、発光モジュールを形成する発光半導体チップの検査および選別を回避することができ、これにより発光モジュールの製造コストが下がる。さらには、従来の発光モジュールでは、冗長な発光領域のために表面の最大50%が必要である。発光領域を、それぞれの用途において要求される解像度の範囲を下回る、より小さい複数の発光領域に分割することによって、共通の冗長的な発光領域を複数の発光領域用に使用することが可能になる。したがって、冗長な発光領域のために必要な発光モジュールの表面の割合がより小さく、これは有利である。
【0021】
本発光モジュールの少なくとも一実施形態によれば、制御デバイスは、欠陥のある発光領域を検出するように構成されている。欠陥のある発光領域は、例えば正しくない電気接点を有し、したがって所与の電圧において所望の電流が流れない。例えば、発光領域の欠陥の場合、小さい電流での意図した動作が不可能である。あるいは、シャントの形で欠陥が発生することがあり、その結果として、寄生並列電流の理由でその発光領域の効率が低下する。
【0022】
制御デバイスによる欠陥のある発光領域の検出は、例えば、発光領域の動作時に行うことができる。例えば、各発光領域の電流−電圧特性を、意図した状態において達成されるべき所定の目標値と比較する。発光領域の欠陥は、動作させる直前、または動作中に検出することができ、その結果として、製造工程において発光領域の検査を回避することができ、これは有利である。これにより、モジュールを特に高い費用効率で製造することが可能である。
【0023】
本発光モジュールの少なくとも一実施形態によれば、制御デバイスは、欠陥のある発光領域を動作させないように構成されている。制御デバイスは、すべての発光領域を互いに別々に動作させるように構成されている。発光領域が欠陥である場合、その発光領域は制御デバイスによって動作されず、すなわちしたがって、発光領域に電圧が印加されない、または欠陥のある発光領域に電流が供給されない。欠陥のある発光領域が通電されなければ、発光モジュールの効率が高まり、これは有利である。
【0024】
本発光モジュールの少なくとも一実施形態によれば、制御デバイスは、あるタイプの第1の発光領域の欠陥を、同じタイプの第2の発光領域を動作させることによって補償するように構成されている。この場合、第2の発光領域は、第1の発光領域の欠陥が視聴者に知覚され得ないように動作される。例えば、第1の発光領域の欠陥の場合、欠陥がなければこの第1の発光領域を動作させたであろう電流で、第2の発光領域を動作させることができる。この場合、第2の発光領域は、例えば、欠陥がない第1の発光領域と同じ色度座標および同じ明るさの光を放出する。欠陥のある発光領域を補償することによって、発光領域が欠陥であるにもかかわらず発光モジュールを意図した動作において使用することができるため、正常に機能する発光モジュールの歩留りが高まり、これは有利である。さらに、欠陥のある発光領域を補償することによって、発光モジュールの耐用年数が延び堅牢性も高まる。
【0025】
本発光モジュールの少なくとも一実施形態によれば、制御デバイスは、複数の動作状態を有する。制御デバイスの動作状態は、例えば、欠陥のある発光領域が検出されているかと、欠陥のある発光領域が制御デバイスによってどのように補償されるかとに、直接関連させることができる。制御デバイスは、互いに対して冗長的に動作される発光領域に対して共通の動作状態を有する。制御装置は、互いに対して冗長的に動作される発光領域の複数のグループに対して、同時に異なる動作状態において動作させることができる。例えば、互いに対して冗長的に動作される第1のタイプの発光領域に対して、1つの動作状態において制御デバイスを動作させることができ、互いに対して冗長的に動作される第2のタイプの発光領域に対しては、異なる動作状態において制御デバイスを動作させることができる。
【0026】
さらに、制御デバイスは、個々の発光領域の特性(例えば低電流挙動)が測定される動作状態を有することができる。これらの特性は、特に、制御デバイス自身によって測定することができる。
【0027】
本発光モジュールの少なくとも一実施形態によれば、制御デバイスは、第1の動作状態においては、同じタイプの第1の発光領域および第2の発光領域を動作させ、この場合、いずれの発光領域にも欠陥がない。第1の動作状態においては、第1の発光領域および第2の発光領域に所定の方法で電流が供給され、したがってこれらの発光領域が、意図したように光を放出する。例えば、第1の発光領域および第2の発光領域を、これらの最大発光出力(radiation power)の最大で50%において動作させることができる。第1の動作状態においては、第1の発光領域および第2の発光領域のいずれもその発光出力の最大値では動作されず、その結果として、個々の発光領域の耐用年数が延び、これは有利である。
【0028】
本発光モジュールの少なくとも一実施形態によれば、制御デバイスは、第2の動作状態においては、第1の発光領域を動作させず、この場合、第1の発光領域が欠陥であり、かつ制御デバイスは、同じタイプの第2の発光領域を、同じタイプの第2の発光領域を第1の動作状態において動作させる電流よりも大きい電流で動作させる。第2の動作状態においては、第2の発光領域に所定の方法で電流が供給され、したがって第2の発光領域が、意図したように光を放出する。第2の動作状態においては、第1の発光領域の欠陥は、より大きい電流を第2の発光領域に供給することによって補償される。例えば、第2の発光領域は、第1の動作状態においてはその最大発光出力で動作されず、したがって第1の発光領域における欠陥の場合に、第2の発光領域の発光出力を増大させることができる。第2の動作状態においては、発光モジュールによって放出される発光出力が、第1の動作状態の場合と公差の範囲内でまったく同じ大きさであるように、第1の発光領域の欠陥が有利に補償される。したがって第1の発光領域の欠陥は、視聴者に知覚され得ない。
【0029】
本発光モジュールの少なくとも一実施形態によれば、制御デバイスは、第3の動作状態においては、第1の発光領域を動作させ、同じタイプの第2の発光領域を動作させず、この場合、第1の発光領域および第2の発光領域が欠陥ではない。第3の動作状態においては、第2の発光領域に電流が供給されず、したがって第2の発光領域は光を放出しない。第1の発光領域には所定の方法で電流が供給され、したがって第1の発光領域は、意図したように光を放出する。第3の動作状態においては、第1の発光領域および第2の発光領域のいずれも欠陥を有さない。発光モジュールは、所望の発光出力を達成する目的で発光領域の一部のみを動作させれば十分であるように、十分に高い密度の発光領域を有する。
【0030】
本発光モジュールの少なくとも一実施形態によれば、制御デバイスは、第4の動作状態においては、第1の発光領域を動作させず、同じタイプの第2の発光領域を動作させ、この場合、第1の発光領域が欠陥である。第4の動作状態においては、第1の発光領域に制御デバイスによって電流が印加されず、したがって第1の発光領域は光を放出しない。第4の動作状態においては、第2の発光領域には電流が印加され、したがって第2の発光領域は所定の様式で光を放出する。第4の動作状態においては、第1の発光領域が欠陥である。第1の発光領域のこの欠陥は、第2の発光領域を動作させることによって補償される。したがって、発光出力および色度座標は、第1の動作状態および第2の動作状態の場合と公差の範囲内で同じであり、これは有利である。第2の発光領域は、同じタイプの関連付けられる第1の発光領域が欠陥である場合にのみ動作される。結果として、発光モジュール全体の耐用年数が延びる。
【0031】
本発光モジュールの少なくとも一実施形態によれば、発光モジュールは、第3の色度座標の光を放出する第3のタイプの少なくとも1つの第1の発光領域および少なくとも1つの第2の発光領域を備えており、この場合、第3の色度座標は、第1の色度座標および第2の色度座標と異なり、第3のタイプの第1の発光領域および第2の発光領域は互いに隣接しており、制御デバイスは、第3のタイプの発光領域を冗長的に動作させるように設計されている。第3のタイプの発光領域は、第1のタイプおよび/または第2のタイプの発光領域の前述した特徴のすべてまたは一部を備えていることができる。第3のタイプの発光領域は、その色度座標のみが、第1のタイプの発光領域および第2のタイプの発光領域と異なる。第1のタイプの発光領域と、第2のタイプの発光領域と、第3のタイプの発光領域とによって、人の目に知覚され得る色空間の大部分を表示することができ、これは有利である。例えば、第1の色度座標が赤の波長範囲にあり、第2の色度座標が緑の波長範囲にあり、第3の色度座標が青の波長範囲にある。したがって、本発光モジュールは、表示装置における使用に特に適している。
【0032】
本発光モジュールの少なくとも一実施形態によれば、モジュールは、複数の発光半導体チップを備えている。これらの半導体チップは、特に、発光ダイオードチップとすることができる。この場合、異なるタイプの2つ以上の発光領域が、半導体チップの1つに一緒に配置されている。半導体チップは、横平面内に互いに隔てて配置されており、したがって、複数の異なる半導体チップに配置されている発光領域が、同じ横平面内に配置されている。
【0033】
半導体チップそれぞれは、エピタキシャルに成長した積層体を備えている。積層体は、例えば、p型ドープ半導体層と、n型ドープ半導体層と、活性層とを備えており、活性層においては、動作時に可視領域における電磁放射が生成される。発光領域は、特に、電磁放射を放出するように構成されているただ1層の活性層を備えている。活性層は、例えば1層、2層、またはそれ以上の量子井戸層を備えていることができ、複数の量子井戸層は障壁層によって互いに隔てることができる。
【0034】
1個の半導体チップに一緒に配置されている異なるタイプの複数の発光領域は、互いに直接接触した状態には配置されていない。特に、半導体チップの少なくとも活性層および一方のドープ層が、横平面を横切るように、または横平面に垂直に切断されており、したがって、発光領域それぞれが備えている活性層の部分は、その半導体チップの別の発光領域に関連付けられている活性層の部分から隔てられており、例えば電気絶縁材料によって電気的に分離されている。
【0035】
これらの発光領域が、活性層において生成される電磁放射を放出するように、動作時に活性層において生成される電磁放射は、例えば、第1の色度座標、第2の色度座標、または第3の色度座標の放射とすることができる。活性層において生成される放射の色度座標に対応しない色度座標の放射を放出する発光領域は、ルミネセンス変換材料を含む変換層、またはルミネセンス変換材料からなる変換層を備えている。変換層は、半導体チップの放出面に配置されている。放出面とは、動作時に電磁放射の大部分が放出される、半導体チップの面である。
【0036】
例えば、第2のタイプの発光領域は、第2のタイプの変換層を備えていることができ、動作時に活性層において生成される電磁放射が、この第2のタイプの変換層によって、より長い波長の放射に変換される。したがって、第2のタイプの変換層が配置されている領域においては、第2の色度座標の光が放出される。同様に、第3のタイプの発光領域は、第3のタイプの変換層を備えていることができ、動作時に活性層において生成される電磁放射が、この第3のタイプの変換層によって、より長い波長の放射に変換される。したがって、第3のタイプの変換層が配置されている領域においては、第3の色度座標の光が放出される。第1のタイプの発光領域は、第1のタイプの変換層を備えていることができ、活性層において生成される電磁放射が、この第1のタイプの変換層によって、より長い波長範囲の放射に変換される。これに代えて、第1のタイプの発光領域に変換層を存在させないことができ、第1のタイプの発光領域は、例えば活性層において直接生成される青色光を放出する。
【0037】
1個の半導体チップに一緒に配置されている複数の異なるタイプの複数の発光領域は、同じ半導体積層体を備えている。すなわち、複数の異なるタイプの複数の発光領域が同じエピタキシャル工程ステップにおいて作製され、積層体の個々の層が同じ材料組成を有し、異なるタイプの複数の発光領域の積層体の個々の層の厚さが同じである。複数の発光領域が共通の半導体チップに配置される場合、これらの発光領域は、横方向において互いに特に小さい距離に有利に配置することができる。例えば、共通の半導体ボディにおける2つの発光領域の間の横方向における距離を、15μmより小さくすることができる。これに加えて、共通の半導体チップに配置されている同じタイプの複数の発光領域は、色度座標が互いに特に近くに位置する放射、または色度座標が同じである放射を放出し、なぜなら個々の発光領域の間の製造公差が特に小さいためである。
【0038】
特に、1個の半導体チップの複数の発光領域が、共通の連続的な活性領域を備えていることができる。この場合、個々の発光領域は、p型ドープ半導体層の上の個別の接点によって互いに別々に制御される。p型ドープ半導体層の横方向導電率が低いため、横方向における発光領域の範囲は、p型ドープ半導体層の上の電気接点の輪郭によって定義される。
【0039】
異なるタイプの複数の発光領域を有し、その下流に異なる変換層を配置することのできる発光半導体チップは、特許文献1(特許文献2も参照)の別の文脈に記載されており、この文書の開示内容は参照により本明細書に組み込まれている。
【0040】
複数の半導体チップを有する本発光モジュールの少なくとも一実施形態によれば、半導体チップの1つに、1つのタイプの発光領域のみが配置されている。半導体チップは、特に、発光ダイオードチップとすることができる。半導体チップの1つに、同じタイプの2つ以上の発光領域が一緒に配置されている。半導体チップは、横平面内に互いに隔てて配置されており、したがって、異なる半導体チップに配置されている発光領域が、同じ横平面内に位置する。
【0041】
半導体チップそれぞれは、エピタキシャルに成長した積層体を備えている。積層体は、例えば、p型ドープ半導体層と、n型ドープ半導体層と、活性層とを備えており、活性層においては、動作時に可視領域における電磁放射が生成される。
【0042】
1個の半導体チップに一緒に配置されている同じタイプの複数の発光領域が、同じ半導体積層体を備えている。すなわち、同じタイプの複数の発光領域が同じエピタキシャル工程ステップにおいて作製され、積層体の個々の層が、公差の範囲内で同じ材料組成を有する。さらに、同じタイプの複数の発光領域の積層体の個々の層の厚さが、公差の範囲内で同じである。
【0043】
1個の半導体チップに一緒に配置されている同じタイプの複数の発光領域は、互いに直接接触してはいない。特に、発光領域の活性層は互いに隔てられており、例えば電気絶縁材料によって互いに分離されている。
【0044】
複数の発光領域が1個の半導体チップに配置されるとき、これらの発光領域を互いに特に近くに有利に配置することができる。これに加えて、同じタイプの複数の発光領域が、特に差異の小さい色度座標の光を放出し、なぜなら同じタイプの個々の発光領域の間の製造公差が特に小さいためである。
【0045】
この実施形態においては、異なるタイプの発光領域が異なる半導体チップに有利に配置されている。すなわち、異なるタイプの発光領域を互いに個別に作製することができる。したがって、各タイプの発光領域用に、それぞれのタイプの発光領域に最適である特性(例えばサイズおよび色度座標など)を有する半導体チップを使用することができる。
【0046】
少なくとも一実施形態によれば、本発光モジュールは、第1の発光領域と、この第1の発光領域に隣接している同じタイプの2つの第2の発光領域とを備えている。第1の発光領域の欠陥を、2つの第2の発光領域によって補償することができる。第1の発光領域および2つの第2の発光領域は、公差の範囲内で同じ色度座標の光を放出する。例えば、第1の発光領域を2つの第2の発光領域に隣接して配置することができる。
【0047】
欠陥のある第1の発光領域を、同じタイプの2つ以上の第2の発光領域によって補償する目的で、制御デバイスは第5の動作状態において動作する。第5の動作状態においては、第2の発光領域が第1の発光領域の欠陥を補償するように、第2の発光領域が動作される。補償時、第1の発光領域の欠陥が知覚され得ないように、対応する第2の発光領域が、高められた発光出力で動作される。
【0048】
欠陥のある第1の発光領域を補償するために使用される2つの第2の発光領域は、欠陥のある第1の発光領域が1つの第2の発光領域のみによって補償される場合よりも低い電流で動作させることができ、これは有利である。結果として、補償に使用される発光領域の耐用年数が延びる。
【0049】
これに代えて、1つのタイプの3つ以上の発光領域(同じタイプの欠陥のある第1の発光領域に隣接して配置されている)を、欠陥を補償するために使用することができる。
【0050】
少なくとも一実施形態によれば、1つのタイプの共通の冗長な第2の発光領域が、同じタイプの複数の第1の発光領域に割り当てられており、この場合、共通の冗長な第2の発光領域は、複数の第1の発光領域と同じタイプである。例えば、冗長な第2の発光領域の合計数が、第1の発光領域の合計数よりも小さい。したがって、欠陥の場合に利用可能に維持される冗長な発光領域の必要な数が少なく維持され、これは有利である。
【0051】
さらには、表示装置を提供する。本表示装置は、特に、本明細書に記載されている発光モジュールを備えている。すなわち、本発光モジュールに関して記載されているすべての特徴は、本表示装置に関しても開示され、逆も同様である。
【0052】
少なくとも一実施形態によれば、本表示装置は、本明細書に記載されている発光モジュールを備えており、この場合、表示装置の画像点が、各タイプの第1の発光領域および第2の発光領域を備えている。本表示装置は、横平面内に互いに隣に配置されている複数の発光領域を備えている。本表示装置の画像点は、各タイプの第1の発光領域および第2の発光領域を備えており、したがって各画像点を冗長的に動作させることができ、第1の発光領域の欠陥を、同じタイプの関連付けられる第2の発光領域によって補償することができる。
【0053】
画像点あたり各タイプの少なくとも2つの発光領域を備えている表示装置は、特に堅牢かつ長寿命であり、なぜなら表示装置の各画像点が、発光領域が欠陥であるにもかかわらず、意図したように放射を放出することができるためであり、これは有利である。
【0054】
以下では、ここまでに記載した発光モジュールと、ここまでに記載した表示装置について、例示的な実施形態および関連する図面に基づいてさらに詳しく説明する。