特許第6707158号(P6707158)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6707158
(24)【登録日】2020年5月21日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】光源システム及び関連する投影システム
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20200601BHJP
   H04N 9/31 20060101ALI20200601BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20200601BHJP
   F21V 9/45 20180101ALI20200601BHJP
   F21V 9/20 20180101ALI20200601BHJP
   F21V 7/28 20180101ALI20200601BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20200601BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20200601BHJP
【FI】
   G03B21/14 A
   H04N9/31 500
   F21S2/00 340
   F21V9/45
   F21V9/20
   F21V7/28 240
   F21Y115:10
   F21Y115:30
【請求項の数】6
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2019-19544(P2019-19544)
(22)【出願日】2019年2月6日
(62)【分割の表示】特願2017-234374(P2017-234374)の分割
【原出願日】2013年9月23日
(65)【公開番号】特開2019-105850(P2019-105850A)
(43)【公開日】2019年6月27日
【審査請求日】2019年2月25日
(31)【優先権主張番号】201210370491.X
(32)【優先日】2012年9月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514090979
【氏名又は名称】深▲せん▼光峰科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】APPOTRONICS CORPORATION LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】胡 飛
(72)【発明者】
【氏名】李 屹
(72)【発明者】
【氏名】曹 亮亮
(72)【発明者】
【氏名】楊 毅
【審査官】 村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−352476(JP,A)
【文献】 特開平11−264953(JP,A)
【文献】 特開2009−069286(JP,A)
【文献】 特開2004−070017(JP,A)
【文献】 特開2010−169723(JP,A)
【文献】 特開2006−018067(JP,A)
【文献】 特開2005−321524(JP,A)
【文献】 特開2012−118220(JP,A)
【文献】 特開2012−032634(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0259225(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0001984(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0248733(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0158516(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第103019013(CN,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1169923(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B21/00−21/10;21/12−21/13;
21/134−21/30;33/00−33/16
H04N9/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光、第2光、第3光を出射し、第2光を出射する少なくとも一部の時間帯内で第4光を更に出射する発光装置と、
発光装置からの第1光を第1光通路及び第2光通路のそれぞれに沿って出射する第1波長範囲の光及び第2波長範囲の光に分けると共に、発光装置からの第2光の少なくとも一部の光を第1光通路に沿って出射する分光システムと、
前記分光システムが第1光通路に沿って出射する光を変調する第1空間光変調器と、
前記分光システムが第2光通路に沿って出射する少なくとも一部の光を変調する第2空間光変調器と、
を備え
記分光システムは、発光装置からの第3光を第1光通路及び第2光通路に沿って出射する第5波長範囲の光及び第6波長範囲の光に分け、第1光通路及び第2光通路に沿って第2光と第4光とをそれぞれ出射し、
第1空間光変調器は、前記分光システムが第1光通路に沿って出射する第1波長範囲の光、第2光、及び第5波長範囲の光を変調し、
第2空間光変調器は、前記分光システムが第2光通路に沿って出射する第2波長範囲の光、第4光、及び第6波長範囲の光を変調することを特徴とする、光源システム。
【請求項2】
第1光及び第3光は、同一種のカラー光であり、
前記分光システムは、第1光の第1波長範囲の光を透過し、第2波長範囲の光を反射する第1フィルターシートを備え、
第1光及び第3光は、それぞれ第1フィルターシートの両表面より入射することを特徴とする、請求項1に記載の光源システム。
【請求項3】
前記発光装置は、
第1光を生成する第1発光デバイスと、
第2光を生成する第2発光デバイスと、
第3光を生成する第3発光デバイスと、
第4光を生成する第4発光デバイスと、
少なくとも一部の時間帯において第1発光デバイスと第3発光デバイスとを交替的に点灯させ、少なくとも一部の時間帯において第2発光デバイスと第4発光デバイスとを同時に点灯させる第1制御装置と、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載の光源システム。
【請求項4】
一部の時間帯において、第1発光デバイスと、第2発光デバイスと、第3発光デバイスと、第4発光デバイスとが同時に点灯されることで、第1空間光変調器及び第2空間光変調器は、当該一部の時間帯において、第1光、第2光、第3光、及び第4光の合わせを変調することを特徴とする、請求項3に記載の光源システム。
【請求項5】
前記発光装置は、励起光を生成する二つの励起光源と、第1区画、第2区画、第3区画、及び第4区画を有する波長変換層と、第1駆動装置と、第1制御装置とを備え、
同一の時間帯内において、第1区画及び第3区画は前記二つの励起光源が生成した励起光の出射光路にそれぞれ位置し、別の時間帯内において、第2区画及び第4区画は前記二つの励起光源が生成した励起光の出射光路に位置し、
第1区画、第2区画、第3区画、及び第4区画には、第1光、第2光、第3光、及び第4光をそれぞれ出射するための、第1機能材料、第2機能材料、第3機能材料、及び第4機能材料がそれぞれに設置され、
前記第1駆動装置は、前記励起光が前記波長変換層に形成した白斑を所定の経路に従って前記波長変換層に作用させるように、前記波長変換層を駆動し、
前記第1制御装置は、前記二つの励起光源を制御して、第1区画及び第3区画が励起光の光路に位置している少なくとも一部の時間帯で交替的に点灯させると共に、第2区画及び第4区画が励起光の光路に位置している少なくとも一部の時間帯で同時に点灯させることを特徴とする、請求項1に記載の光源システム。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の光源システムを含む投影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明及びディスプレイの技術分野、特に光源システム及びそれに関連する投影システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のシングルチップ型DMD(Digital Micromirror Device、デジタル・マイクロミラー・デバイス)システムにおいては、複数の原色光が交替的にDMD(DMD)に入ることによって変調され、変調により得られた単色光の画像をスクリーンに迅速に交替的に切り替え、人の目の視覚残留の効果を利用して各時系列(time sequence)の単色光の画像を混合することによってカラーの画像を形成する。しかしながら、従来の技術では、一般的にR(red、赤色光)、G(green、緑色光)、B(blue、青色光)という三原色の光を用いて変調が行われている。最も常用の三原色の時系列の光を得るための方法として、励起光を用いて順にカラーホイールにおける異なるセクションを励起して、異なる色の光を順に出射する。該構造では、励起光源は青色LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)或いは青色レーザーを採用している。カラーホイールに三つの区画を有し、一つの区画には透光区が設置され、青色光の透過に使用される。他の二つの区画にはそれぞれ緑色蛍光体及び赤色蛍光体が設置され、それぞれ励起光を吸収し、緑色被励起光及び赤色被励起光の生成に使用される。
【0003】
しかしながら、この種の蛍光体光源において、赤色蛍光体は、光源の動作寿命及び発光効率を制限することがネックの一つである。赤色蛍光体の光変換効率が低く、損失したエネルギーはすべて熱量に変換され、蛍光体の温度の急激な上昇をもたらす一方、その発光効率及び使用寿命にも影響を与え、悪循環となってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が主に解決しようとする技術問題は、発光効率の高く且つコストの低い光源システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施の形態においては、第1光及び第2光を順に出射する発光装置と、発光装置からの第1光を第1光通路及び第2光通路のそれぞれに沿って出射する第1波長範囲の光及び第2波長範囲の光に分けると共に、発光装置からの第2光の少なくとも一部の光を第1光通路に沿って出射する分光システムと、前記分光システムが第1光通路に沿って出射する光を変調する第1空間光変調器と、前記分光システムが第2光通路に沿って出射する少なくとも一部の光を変調する第2空間光変調器とを備える光源システムを提供する。
また、本発明の実施例は、更に前述の光源システムを有する投影システムを提供する。
【発明の効果】
【0006】
従来の技術と比べて、本発明は以下の有益な効果を奏する。
本発明において、第1光を第1波長範囲の光及び第2波長範囲の光に分光し、これらの二つの波長範囲の光と第2光の少なくとも一部の光とを時系列で出射させる。これにより、ある時間帯において、二筋の光束のみが出射され、他の時間帯において一筋の光束のみが出射され、それにより、二つの空間光変調器により三つの光束を変調することができる。また、本発明においては、高い光変換効率を有する波長変換材料が生成した被励起光が、他の二つの低い光変換効率を有する波長変換材料のカラー光に分光され、光源の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は黄色蛍光体により生成された黄色光スペクトルである。
図2図2は本発明の光源システムの一実施例を示す模式図である。
図3A図3Aは波長変換層203の出射光の時系列図の一実施例である。
図3B図3CはDMD211とDMD213の異なるカラー光に対する変調のタイムチャートの一実施例である。
図3C図3CはDMD211とDMD213の異なるカラー光に対する変調のタイムチャートの一実施例である。
図4図4はDMD213の赤色光に対する変調のタイムチャートの他の一実施例である。
図5図5は本発明の光源システムの他の一実施例の模式図である。
図6図6は本発明の光源システムの他の一実施例の模式図である。
図7図7は本発明の光源システムの他の一実施例の模式図である。
図8図8図7におけるカラーホイール703の一実施例の正面図である。
図9図9図6における第1分光装置609の他の一実施例の正面図である。
図10図10は本発明の光源システムの他の一実施例の模式図である。
図11図11は波長変換層と第1分光装置とを固定的に接続する光源構造の模式図である。
図12図12は本発明の光源システムの他の一実施例の模式図である。
図13A図13Aは波長変換層1203が出射された青色光及び黄色光の時系列図である。
図13B図13BはDMD1211とDMD1213の異なるカラー光に対する変調のタイムチャートである。
図13C図13CはDMD1211とDMD1213の異なるカラー光に対する変調のタイムチャートである。
図14図14は本発明の光源システムの他の一実施例の発光光源の模式図である。
図15図15図14に示す実施例における発光光源群の構造模式図である。
図16図16は本発明の光源システムの他の一実施例の模式図である。
図17A図17A図16に示す光源システムの出射光のカラー時系列図である。
図17B図17CはDMD1209とDMD1211の異なるカラー光に対する変調のタイムチャートである。
図17C図17CはDMD1209とDMD1211の異なるカラー光に対する変調のタイムチャートである。
図18図18は本発明の光源システムの他の一実施例の模式図である。
図19図19図18に示す光源システムにおける光濾過装置の正面図の一実施例である。
図20図20図18に示す光源システムの二つの光源の発光の時系列図及び二つのDMDの変調の時系列図である。
図21図21図18に示す光源システムにおける光濾過装置の正面図の一実施例である。
図22図22は本発明の光源システムの他の一実施例の模式図である。
図23図23図22に示す光源システムにおける光濾過装置の正面図である。
図24図24は本発明の光源システムの他の一実施例の発光光源の模式図である。
図25図25図24に示す光源システムの三つの光源の発光の時系列図及び二つのDMDの変調の時系列図である。
図26図26は本発明の光源システムの他の一実施例の発光光源の模式図である。
図27図27図26に示す光源システムの四つの光源の発光の時系列図と二つのDMDの変調の時系列図である。
図28図28は本発明の光源システムの他の一実施例の発光光源の模式図である。
図29図29図28に示す光源システムにおける波長変換層の正面図の一実施例である。
図30図30図28に示す光源システムの一種の動作の時系列である。
図31図31は本発明の光源システムの他の一実施例の発光光源の模式図である。
図32図32は本発明の光源システムの他の一実施例の構造模式図である。
図33図33は本発明の光源システムの他の一実施例の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明においては、発光装置によって第1光及び第2光を順に出射し、分光システムにより、第1光を異なる経路に沿って伝播される二筋の異なる波長範囲の光に分ける。これにより、ある時間帯においてそれぞれ二つの異なる波長範囲の光を二つの空間光変調器に出射し、別の時間帯において第2光の少なくとも一部の光をこれらの二つの空間光変調器のうちの一つに出射することにより、二つの空間光変調器を用いて三筋の異なる光に変調することができる。また、高い光変換効率を有する黄色蛍光体が励起されることによって生成された黄色被励起光を赤色光及び緑色光に分光することにより、光変換効率の低い赤色蛍光体を用いて赤色光を生成することを回避し、光源システムの効率を高めることが考えられている。
【0009】
図1に示すように、図1は黄色蛍光体により生成された黄色光スペクトルの一具体例である。この図から分かるように、蛍光体により生成された黄色光スペクトルの幅が広く、緑色光のスペクトルと赤色光のスペクトルをカバーする。そのため、黄色光を緑色光及び赤色光に分光することができる。簡単に説明するため、以下に記述された全ての黄色光スペクトルは赤色光成分及び緑色光成分をカバーし、黄色光は光濾過装置によって異なる経路に沿って伝播される赤色光及び緑色光に分光されることができる。
【0010】
以下、図面及び実施態様を用いて本発明を詳細に説明する。
【0011】
実施例1
図2を参照すると、図2は本発明の光源システムの実施例の模式図である。該実施例の光源システム200は、発光装置1、分光システム2、第1空間光変調器211、及び第2空間光変調器213を含む。
【0012】
発光装置1は、励起光を生成するための励起光源201、波長変換層203、及び第1駆動装置205を含む。波長変換層203は第1区画及び第2区画を含む。第1区画には、励起光を吸収して第1光を出射するための第1波長変換材料が設置される。第2区画には、励起光を透過するための透光区が設置され、該励起光は第2光である。本実施例において、励起光源201は青色励起光の生成に使用される。励起光源201は、レーザー光源であることが好ましく、また、LED或いは他の固態の光源であってもよい。波長変換層203における第1区画には、励起光を吸収して黄色被励起光を生成することに使用される黄色蛍光体が設置され、これは第1光である。第2区画は透光区であり、青色光の透過に使用され、これは第2光である。波長変換層203は円板状であり、波長変換層における異なる区画は該円板に沿って円周方向に分布する。
【0013】
第1駆動装置205は、波長変換層203の駆動に使用され、励起光により波長変換層203で形成された白斑を所定の経路に従って波長変換層203に作用させ、該励起光を第1区及び第2区画の順に照射させ、第1光及び第2光を順に出射させる。本実施例において、第1駆動装置205はモーターであり、波長変換層203の周期的な回転の駆動に使用される。
【0014】
分光システム2は、発光装置1からの第1光を第1光通路及び第2光通路に沿って出射する第1波長範囲の光及び第2波長範囲の光に分光することに使用され、また、発光装置1からの第2光の少なくとも一部の光を第1光通路に沿って出射することにも使用される。第1空間光変調器211は、分光システム2が第1光通路に沿って出射した光を変調することに使用される。第2空間光変調器213は、分光システム2が第2光通路に沿って出射した少なくとも一部の光を変調することに使用される。第1空間光変調器211及び第2空間光変調器213によって変調された光は、共に進行し、投影領域に入る。
【0015】
本実施例において、分光システム2は、黄色光を、緑色光、即ち第1波長範囲の光、及び赤色光、即ち第2波長範囲の光に分光する。明確に説明するために、以下の例において、第1光の黄色光を緑色光及び赤色光に分光するとき、第1波長範囲の光及び第2波長範囲の光はそれぞれ緑色光及び赤色光である必要はなく、該二種類の範囲の光は相対的な概念であり、第1波長範囲の光及び第2波長範囲の光はそれぞれ赤色光及び緑色光であってもよい。
【0016】
第1空間光変調器211は、時系列の青色光及び緑色光を変調することに使用され、第2空間光変調器213は、赤色光を変調することに使用される。黄色蛍光体の変換効率が高く、且つ青色光が発光デバイスにより直接生成されるので、青色光により黄色蛍光体を励起して三原色を生成することで光源の効率が高くなる。
【0017】
具体的な例を挙げると、分光システム2は、TIR(Total Internal Reflection、全反射)プリズム207,209の組み合わせを含む。この二つのプリズムは三角柱体であり、第1プリズム207の側面は207a、207b,及び207cであり、第2プリズム209の側面は209a,209b,及び209cであり、第1プリズム207の側面207cは第2プリズム209の側面209cと繋がっている。
【0018】
波長変換層203から出射された被励起光23は、第1プリズム207の側面207bから該プリズムに入り、側面207aで全反射され、側面207cを透過した後、第2プリズム209の側面209cを透過して第2プリズム209に入り、側面209aに達する。側面209aはコーティング面であり、その上に光濾過膜がコーティングされ、該光濾過膜は赤色光を透過し、青色光及び緑色光を反射する。時系列で生成された青色光及び緑色光は、コーティング面209aを介して反射された後、側面209cで全反射され、側面209bを透過し、第1光通路から第1空間光変調器211に入る。変調後の青色光及び緑色光は、別の角度で側面209bに入射して透過し、側面209cで全反射され、その後、コーティング面209aを介して反射された後、側面209cを透過し、第1プリズム207を透過して出て行く。赤色光は、コーティング面209aを透過して、第2光通路から第2空間光変調器213に入る。変調後の赤色光は、第2プリズム209と第1プリズム207の順に透過され、変調後の緑色光と合わされて一筋の光束となる。
【0019】
空間光変調器は、DMDであってよいし、液晶等の他のタイプの空間光変調器であってもよい。簡単に説明するため、以下の実施例においては例としてすべてDMDを使用した。
【0020】
図3Aに示すように、図3Aは波長変換層203からの出射光の時系列図の一実施例である。本実施例において、波長変換層203における第1区画は270度を占め、第2区画は90度を占める。波長変換層203の第2区画より励起光の入射光路に入ってから、波長変換層203が回転する1サイクルT時間内での、光源システムの動作過程は以下の通りである。前の0.25T内では、波長変換層203が青色光を出射し、次の0.75T内では、波長変換層203が黄色光を出射する。相応的に、前の0.25T内においてDMD211は青色光を変調することに使用されるが、DMD213は光束を変調することには使用されない。次の0.75T内では、DMD211は緑色光を変調することに使用され、DMD213は赤色光を変調することに使用される。図3B及び図3Cに示すように、図3B及び図3CはそれぞれDMD211及びDMD213が異なるカラー光を変調するタイムチャートの一実施例である。この状況においては、サイクルT毎に、赤色光及び緑色光はすべて利用され、光源が最も高い効率で利用される。しかしながら、このことは、該三原色の光の混合により生成された白色光の色座標と所定の色座標とのバラツキが存在することがあるため、実際の状況ではない可能性がある。実際的な応用においては、これらの二つのDMDを利用して異なる色の光を変調する時間によって、白色光の色座標を制御し、所定の効果を果たすことができる。例えば、本実施例においては、赤色光が多すぎて白色光の色座標が赤色光に偏った場合には、DMD213の変調時間が短くなるように制御して、一定の時間帯における赤色光を無効な光にさせる。図4に示すように、図4はDMD213で赤色光を変調するタイムチャートの別の一実施例である。図4では、サイクルT毎に、赤色光の後半部分が除去される。実際的な応用においては、赤色光の前半を除去し、或いは中間の一部またはいくらかを除去することができ、これらはすべて容易に理解することである。
【0021】
また、以上の第1区画及び第2区画の割合はただの例示であり、実際的な割合に限定されるものではない。実際的な応用においては、実際のニーズに従って第1区画及び第2区画が占める割合を特定することができる。
【0022】
本実施例において、発光装置は、第1光及び第2光を順に出射し、分光システムによって第1光は異なる経路に沿って伝播される二筋の異なる波長範囲の光に分けられる。これにより、ある時間帯では、それぞれ二つの異なる波長範囲の光を二つの空間光変調器に出射し、他の時間帯においては、第2光の少なくとも一部の光をこれらの二つの空間光変調器のうちの一つに出射し、二つの空間光変調器を用いて三筋の異なる光に変調することができる。
【0023】
実際的な応用においては、分光システム2中のTIRプリズム209のコーティング面209aにおけるフィルタカーブにより、緑色光及び青色光を透過し且つ赤色光を反射することができる。この状況においては、DMD211は赤色光を変調することに使用され、DMD213は緑色光及び青色光を変調することに使用される。或いは、コーティング面209aにおけるフィルタカーブが、緑色光を透過し、赤色光及び青色光を反射できるように変えられた場合、DMD211は赤色光及び青色光を変調することに使用され、DMD213は緑色光を変調することに使用される。実際的な応用においては、実際のニーズに従ってコーティング面209aのフィルタカーブを設計することができる。
【0024】
前記被励起光の該二枚のTIRプリズムにおける光路は、簡単に説明するために挙げた例であり、TIRプリズムの他の方法を制限するものではない。
【0025】
上記実施例においては、二枚のプリズムを用いて、黄色光を緑色光成分と赤色光成分に分光することを実現すると共に、二つの空間光変調器を介して変調された後の光束の合わせ(合流光)を実現した。実際的な応用においては、分光フィルターシートを用いて黄色光に対して分光を行うこともでき、二つのDMDの光路の後半においてフィルターシートを用いて変調された後の光束に対して光り合わせを行う。
【0026】
実施例2
図5に示すように、図5は本発明の光源システムの他の実施例の模式図である。本実施例において、光源システム500は、発光装置1、分光システム2、第1空間光変調器511、及び第2空間光変調器513を含む。発光装置1は、励起光源501、波長変換層503、及び第1駆動装置505を含む。
【0027】
本実施例が図2に示す実施例と相違するのは以下のとおりである。
分光システム2はフィルターシート509及び反射鏡507を含む。フィルターシート509は、波長変換層503が順に出射した黄色光53と青色光55を受け取り、青色光55と黄色光53中の緑色光53aを透過し、第1光通路からDMD511に出射させると共に、黄色光53中の赤色光53bを反射鏡507に反射し、反射鏡507が赤色光53bを反射し、第2光通路からDMD513に出射させる。
【0028】
好ましくは、光源システム500は、DMD511とDMD513の出射光路にそれぞれ設置されたフィルターシート515及び反射鏡517を含む。反射鏡517はDMD511を介して変調された後の時系列の青色光及び緑色光をフィルターシート515に反射する。フィルターシート515は、反射鏡517からの青色光及び緑色光を反射し、DMD513からの赤色光を透過する。そこで、DMD511とDMD513により変調され出射された光束が合わされて一筋の光になる。なお、他の実施例においては、DMD511及びDMD513の出射角度を設定することによって、DMD511とDMD513とがそれぞれ出射した二筋の光を一筋の光に集合することができる。また、その応用においては、DMD511とDMD513とがそれぞれ出射した二筋の光を一筋の光に合わせる必要がなくてもよいため、反射鏡517及びフィルターシート515を省略できる。
【0029】
実施例3
図6を参照すると、図6は本発明の光源システムの他の実施例の模式図である。本実施例において、光源システム600は、発光装置1、分光システム2、第1空間光変調器611、及び第2空間光変調器613を含む。発光装置1は、励起光源601、波長変換層603、及び第1駆動装置605含む。
【0030】
本実施例が図5に示す実施例と相違するのは以下のとおりである。
分光システム2は、第1分光装置609、第2駆動装置607、及び第1制御装置(図示せず)を含む。発光装置1の出射光の利用率を高めるために、光源システム600は発光装置1と分光システム2との間に設置される光路に集光レンズ615を含み、当該集光レンズ615が発光装置から順に出射された黄色光63と青色光65を収集し、収集された光を第1分光装置609に中継する。第1分光装置609は、円板状であり、円周に沿って第1セクション及び第2セクションに分けられる。第2駆動装置607は、第1分光装置の回動を駆動し、第1セクション及び第2セクションを発光装置1の出射光路に順に位置させる。第1制御装置は、第1駆動装置605及び第2駆動装置607の回動を制御し、第1分光装置609と波長変換層603とを同期して回動させ、第1セクションを第1光、即ち黄色光63の出射光路に位置させ、第2セクションを第2光、即ち青色光65の出射光路に位置させる。
【0031】
第1分光装置609における第1セクションは、黄色光63中の緑色光を透過して第2光通路からDMD613に出射し、黄色光63中の赤色光を反射して第1光通路からDMD611に出射する。第2セクションは、青色光65を反射して第1光通路からDMD611に出射する。勿論、実際的な応用においては、第1セクションが赤色光を反射させて緑色光を透過させてもよい。或いは、第2セクションが一部の青色光を透過するとともに一部の青色光を反射し、そのうち、該透過/反射された該二筋の青色光が、それぞれDMD611及びDMD613により変調されてもよく、該二筋のうちの一筋のみが変調されてもよい。
【0032】
実施例4
図7を参照すると、図7は本発明の光源システムの他の実施例の模式図である。
本実施例において、光源システム700は、発光装置1、分光システム2、第1空間光変調器711、及び第2空間光変調器713を含む。発光装置1は、励起光源701、波長変換層703B、及び第1駆動装置705を含む。分光システム2は、第1分光装置703A及び光誘導装置3を含む。
【0033】
本実施例が図6に示す実施例と相違するのは以下のとおりである:
本実施例においては、波長変換層703Bと第1分光装置703Aとが固定的に接続され、共にカラーホイール703に設置されている。図8に示すように、図8図7におけるカラーホイール703の一実施例の正面図である。カラーホイール703には、同心に設置され且つ相互的に嵌められた二つのリング領域703A,703Bが設けられている。そのうちのリング703Aは、スペクトル領域、即ち第1分光装置である。リング703Bは、波長変換区、即ち波長変換層である。スペクトル領域703Aは、緑色光を第1光通路に透過して出射させ、赤色光を第2光通路に反射して出射させることに使用される第1セクションS1を含む。更に、スペクトル領域703Aは、青色光を第1光通路に透過して出射させることに使用される第2セクションS2を含む。波長変換区703Bには、黄色光波長変換材料が設置され、黄色被励起光の生成に使用される第1区画W1が含まれ、該区画とスペクトル領域703Aにおける第1セクションS1とは該環状の中心部に対して180度で設置される。また、波長変換区703Bには、透光区が設置され、青色光を透過する第2区画W2が含まれ、該区画とスペクトル領域703Aにおける第2セクションS2とは該環状の中心部に対して180度で設置される。第1駆動装置705はカラーホイール703の回動を駆動することに使用され、第1区画W1と第2区画W2とは発光装置1の出射光路に順に設置されている。
【0034】
光誘導装置3は、波長変換層703Bにおける第1区画W1と第2区画W2から出射された時系列の光を、第1分光装置703Aにおける第1セクションS1と第2セクションS2とにそれぞれガイドする。具体的な説明は以下のとおりである。
【0035】
本実施例において、光誘導装置3は、レンズ707、反射鏡709,715を含む。カラーホイール703が回転している1サイクルT内において、前のt1時間内では、励起光源701で生成された励起光71が波長変換区703Bにおける第1区画W1に入射して、黄色光が出射され、出射光73が波長変換区703Bの励起光に対して反対側から出射され、レンズ707を介して収集された後、反射鏡709,715によって順に反射され、45度でスペクトル領域703Aにおける第1セクションS1に入射し、黄色光中の緑色光成分及び赤色光成分がそれぞれ、第1セクションS2を介して透過/反射され、第1光通路に沿ってDMD711、第2光通路に沿ってDMD713に出射される。
【0036】
次のt2時間内においては、励起光71が第2区画W2に入射して、青色光が出射され、光誘導装置3により誘導されて45度の角度で第2セクションS2に入射して透過した後、第2光通路からDMD711に入射される。スペクトル領域705Aにおいて励起光71が形成した白斑Aと波長変換区703Bにおいて励起光71が形成した白斑Bとの連結線は、リングの中心部を通る。なお、実際的な応用においては、出射光73がスペクトル領域703Aに入る際の入射角は45度でなくてもよく、他の0より大きい角度であってもよく、実際のニーズに応じて設計してもよい。
【0037】
これにより、図6に示す光源システムと比べて、波長変換層及び第1分光装置は同期して回転することができ、該両者の同期性が良い。また、制御装置により同期性を制御することが不要であるため、コスト及び光源の体積を低減することができる。
【0038】
実施例5
図9を参照すると、図9図6における第1分光装置609の他の実施例の正面図である。図6に示す光源システムと異なることは、本実施例における第1分光装置609が三つのセクションを含むことである。第1セクションR1は、赤色光を第1光通路に透過して出射させ、緑色光を第2光通路に反射して出射させる。第2セクションR2は、緑色光を第1光通路に透過して出射させ、赤色光を第2光通路に反射して出射させる。第3セクションは、青色光の一部を第1光通路に透過して出射させ、青色光の一部を第2光通路出射に反射して出射させる。
【0039】
相応的に、第1制御装置は、第1分光装置609を制御することに使用され、第1セクションR1と第2セクションR2とを第1光の出射光路に位置させ、第3セクションR3を第2光の出射光路に位置させる。具体的には、出射される黄色光のTにおいて、前半部分の時間t1内は第1セクションR1が黄色光の出射光路に置かれ、後半部分の時間t2内は第2セクションR2が黄色光の出射光路に置かれ、青色光が出射された際、第3セクションR3が青色光の出射光路に位置する。
【0040】
本実施例において、波長変換層603の回転により生成されたY(yellow、黄)、B(blue、青)の順の光の1サイクル内において、DMD611はG(green、緑)、R(red、赤)、Bの光を順に受け取り、DMD613はR、G、Bの光を順に受け取る。そのため、前述の各実施例と比べて、本実施例においては、二つのDMDが各自で三原色の光を順に受け取ることができるため、各DMDが各自で一つの画像を変調することができ、また任意の時間帯において、二つのDMDが動作状態にあり、前述の実施例よりもDMDを十分に利用することができる。
【0041】
容易に理解するように、本実施例においては、波長変換層を第1分光装置と固定的に接続することもできる。相応的に、図7に示す光源システム中のカラーホイール703におけるスペクトル領域の第1セクションS1を第1サブエリア及び第2サブエリアに分ける必要がある。第1サブエリアは、赤色光を第1光通路に透過してDMD611に出射させ、緑色光を第2光通路に反射してDMD613に出射させる。第2サブエリアは、緑色光を第1光通路に透過してDMD613に出射させ、赤色光を第2光通路に反射してDMD611に出射させる。
【0042】
実施例6
図7に示す光源システムは波長変換層が第1分光装置と固定的に接続される構造であり、実際的な応用においては他の光路構造が沢山ある。図10を参照すると、図10は本発明の光源システムの他の実施例の模式図である。本実施例において、光源システム1000は、発光装置1、分光システム2、第1空間光変調器1011、及び第2空間光変調器1013を含む。発光装置1は、励起光源1001、波長変換層1003B、及び第1駆動装置1005を含む。分光システム2は、第1分光装置1003A及び光誘導装置3を含む。波長変換層1003Bは、第1分光装置1003Aと固定的に接続され、共にカラーホイール1003に設置される。
【0043】
本実施例が図7に示す実施例と相違するのは以下のとおりである。
波長変換区1003Bが反射式に設置され、波長変換区1003Bの入射光の光路が出射光の光路と同一側に位置する。そして、波長変換区1003Bにおける第1セクションS1及びスペクトル領域1003Aにおける第1区画W1が0度に設置され、第2セクションS2とスペクトル領域1003Aにおける第2区画W2が0度に設置され、スペクトル領域と対応する波長変換領域が隣接して設置される。
【0044】
光誘導装置3は、貫通孔付きの反射鏡1007、集光レンズ1009,1015を含む。
【0045】
本実施例において、励起光源1001は、レーザー光源であり、青色レーザー101の生成に使用される。反射鏡1007は青光レーザー101の出射光路に設置される。レーザーの光学エタンデュ(Etendue)が小さい一方で被励起光の光学エタンデュが大きいため、青色レーザー101は、該貫通孔から通され、集光レンズ1009を介して波長変換区1003Bに入るが、波長変換区1003Bから出射された順序光は集光レンズ1009を介して収集された後、その大部分が反射鏡1007よりスペクトル領域1003Aに反射される。スペクトル領域1005Aに形成される白斑と波長変換区1005Bに形成される白斑とは、カラーホイール1005における同一の半径線上に位置する。図8に示す光源システムと比べて、本実施例における光源システムの光路は、よりコンパクトになる。
【0046】
実施例7
図11を参照すると、図11は別の波長変換層を第1分光装置と固定的に接続する光源構造の模式図である。本実施例において、光源システム1100は、発光装置、分光システム2、第1空間光変調器1111、及び第2空間光変調器1113を含む。発光装置は、励起光源1101、波長変換層1103B、及び第1駆動装置1105を含む。分光システム2は、第1分光装置1103A及び光誘導装置3を含む。波長変換層1103B及び第1分光装置1103Aは、固定的に接続され、カラーホイール1003に共に設置される。
【0047】
本実施例が図10に示す実施例と相違するのは以下である。
波長変換区1103Aとスペクトル領域1103Bとは、相互的に嵌められる二つのリング領域ではない。カラーホイール1103の中心領域に一つのラウンドテーブル1103Cが設置され、波長変換層区1103Bは該ラウンドテーブル1103Cの側面に設置され、スペクトル領域1103Aはカラーホイール1103の一つのリング領域に設置される。青色レーザー111は、反射鏡1107の貫通孔及び集光レンズ1109を順に通過した後、波長変換区1103Bの一つのセクションに入射する。波長変換区1103Bから出射される順序光113は、集光レンズ1109を介して収集された後、その大部分が反射鏡1107により、スペクトル領域1103Aにおける、波長変換区1103Bの白斑が位置するセクションと対応する区画に反射される。
【0048】
図10に示す光源システムと比べて、本実施例の波長変換区1103Bはスペクトル領域1103Aと遠く離れており、反射鏡1107を介して反射される前と反射された後の順序光113の角度が大きく、光路が容易に分けられる。
【0049】
前述の実施例において、波長変換層における第2区画には、励起光を吸収して第2光を出射する第2波長変換材料が設置されてもよい。具体的な例を挙げると、励起光源はUV光の生成に使用される。波長変換層の第1区画には、UV光を吸収して黄色光を生成する黄色蛍光体が設置される。第2区画にはUV光を吸収して青色光の生成に使用される青色蛍光体が設置され、該青色光は第2光である。
【0050】
実施例8
本実施例の光源システムの模式図は前述の実施例における光源システムの模式図と基本的に同じであり、相違は、本実施例において、分光システムがさらに第2光をそれぞれ第1光通路及び第2光通路に沿って出射した第3波長範囲の光と第4波長範囲の光に分けられ、第1空間光変調器が、第1光通路に沿って出射される第1光の第1波長範囲の光及び第2光の第3波長範囲の光を変調することである。また、第2空間光変調器は、第2光通路に沿って出射される第1光の第2波長範囲の光を変調するか、或いは、さらに第2光通路に沿って出射される第2光の第4波長範囲の光を変調する。
【0051】
図5を例として説明すると、励起光源501はUV光を生成する。波長変換層503の第1区画には、UV光を吸収して黄色光の生成に使用される黄色蛍光体が設置される。第2区画には、UV光を吸収して青色光の生成に使用される青色蛍光体が設置され、該青色光は第2光である。青色蛍光体が生成した青色光のスペクトルの幅が大きいため、緑色光のスペクトルの一部の範囲をカバーする。分光システム中のフィルターシート505は、第2区画で生成された第2光、即ち、青色光を、第3波長範囲の光と第4波長範囲の光に分光し、第2青色光及び第2緑色光とする。これにより、生成された第2青色光及び第2緑色光のスペクトルは、幅が小さくなり、色純度が高くなる。
【0052】
相応的に、第2区画で生成された青色被励起光を第2青色光及び第2緑色光に分光する際、図2に示す光源システムにおける分光システムでは、第2プリズム209中のコーティング面209aが、青色被励起光中の青色光成分を反射すると共に緑色光成分を透過すること、或いは青色光成分を透過すると共に緑色光成分を反射することができるように設けられている。図5に示す光源システムにおける分光システムでは、フィルターシート505が、青色被励起光中の第2青色光を反射すると共に第2緑色光を透過することができるように設置、或いは、第2青色光を透過して第2緑色光を反射することができるように設置されている。前述の説明では、第1光及び第2光に対して分光されるものはすべて分光システムにおける同一の分光装置である。
【0053】
実際的な応用においては、分光システムに二つの分光装置を用い、第1光及び第2光をそれぞれ分光してもよい。図12に示すように、図12は本発明の光源システムの他の実施例の模式図である。本実施例において、光源システム1200は、発光装置1、分光システム2、第1空間光変調器1211、及び第2空間光変調器1213を含む。発光装置1は、励起光源1201、波長変換層1203、及び第1駆動装置1205を含む。
【0054】
本実施例が図5に示す実施例と相違するのは以下のとおりである。
分光システム2は、フィルターシート1221,1209,1207を含み、さらに反射鏡1219を備える。フィルターシート1221は、発光装置1から出射される時系列の光の光路に設置され、青色被励起光中の第2青色光65bを反射し、青色被励起光中の第2緑色光65a及び黄色被励起光63を透過する。
【0055】
フィルターシート1209は、フィルターシート1221が透過した光束の出射光路に設置され、青色被励起光中の第2緑色光65a及び黄色被励起光63中の第1緑色光63aを透過し、且つ黄色被励起光63中の赤色光63bを反射する。そのため、フィルターシート1209を介して透過された第2緑色光65a及び第1緑色光63aは、第1光通路に沿ってDMD1211に出射される。フィルターシート1209で反射された赤色光63bは、さらにフィルターシート1207で反射された後、第2光通路に沿ってDMD1213に出射されるが、フィルターシート1221で反射された第2青色光65bは、それぞれ反射鏡1219により反射され、フィルターシート1207を透過した後、第2光通路に沿ってDMD1213に出射される。
【0056】
青色光65が分光された後に得られた第2青色光65b及び第2緑色光65aのすべてが変調に使用されると、二つのDMDが変調に使用する色が多くなるため、二つのDMDが変調できる色域は広くする。相応的に、波長変換層1203とDMD1211,1213の動作の時系列図は図13に示すようである。図13Aは波長変換層1203が青色光及び黄色光を出射する時系列図である。波長変換層1203が回転する1サイクルT時間内において、前の0.25T内では、波長変換層1203が青色光を出射し、次の0.75T内では、波長変換層1203が黄色光を出射する。図13B及び図13Cに示すように、図13B及び図13CはそれぞれDMD1211とDMD1213が異なるカラー光を変調するタイムチャートである。相応的に、前の0.25T内では、DMD1211が第2緑色光を変調することに使用され、DMD1213が第2青色光を変調することに使用される。次の0.75T内では、DMD1211が第1緑色光を変調することに使用され、DMD1213が赤色光を変調することに使用される。
【0057】
なお、第2緑色光は変調に使用されなくてもよく、DMD1211に入る際にDMD1211が動作しなければ、この部分の光を変調しなくてもよい。
【0058】
前述の実施例では、すべて光の波長の違いを利用するものであり、フィルターシート或いはフミンコーティングを用い、光束を透過及び反射させることによって、分光を行うか、或いは光を合わせる。ある光路における光が一つの分光フィルターシートにより透過または反射されることについては、任意に設計することができる。そのため、本発明の全ての実施例において、各々光路における異なる波長範囲の光が通過するフィルターシート或いはフミンコーティングの具体的な光学構造は、簡単に説明するように使用された例のみであり、分光フィルターシート或いはフミンコーティングを利用して光路の合併又は光束の分光を行う他の光学構造を用いてもよい。
【0059】
本実施例において、波長変換層1203には、区画を複数設置することができ、そのうちの異なる区画において、異なる波長変換材料或いは透光区が設置されている。また、少なくとも一つの区画から出射された光束は、二種類の異なる波長範囲の光に分光され、該二種類の異なる波長範囲の光はそれぞれ二つの空間光変調器に入って変調される。
【0060】
本実施例において、第1区画及び第2区画には、他のカラー光を生成する波長変換材料が設置されてもよく、前述の黄色蛍光体及び青色蛍光体に限られない。波長変換材料は、量子ドット、蛍光染料等の波長変換性能を有する材料であってもよく、蛍光体に限定されるものではない。
【0061】
実施例9
図14を参照すると、図14は本発明の光源システムの他の実施例の発光光源の模式図である。前述の実施例と異なることは、前述の実施例における発光装置1がカラーホイールにより時系列の光を生成する一方で、本実施例における発光装置1は、回転している反射鏡によってLEDランプから発された異なる色の出射光を順に反射させることで、時系列の光を生成することができ、実施例1と比べて本実施例では反射鏡を用いることで、コストを削除することができる。
【0062】
具体的には、発光装置1は、発光光源群1401、第1反射装置1405、第2反射装置1403、及び第2駆動装置(図示せず)を含む。
【0063】
発光光源群1401は、第1発光デバイス(本実施例においては黄色蛍光体LED1401a)及び第2発光デバイス(本実施例においては青色光LED1401b)を含む。蛍光体LEDとは、蛍光体をLEDチップの表面に塗り、LEDが発した光を利用して蛍光体を励起して蛍光を発生させるものである。通常使われる黄色蛍光体LEDとは、黄色蛍光体を青色LEDチップの表面に塗り、青色LEDが発した青色光より励起されて黄色光を発生させるものである。黄色LED1401aと青色LED1401bとは環状に分布し、黄色LED1401aと青色LED1401bの出射光の方向は、すべて該環状の円心を通る中心軸に対して平行となる。
【0064】
本実施例において、第2反射装置は、回転鏡1403であり、反射面1403aを含み、発光光源群1401の出射光の一側に設置され、第1発光デバイス1401aと第2発光デバイス1401bとの間に位置する。
【0065】
第1反射装置1405は、二つの反射素子を備え、本実施例においては全て反射鏡であり、それぞれ第1発光デバイス1401aと第2発光デバイス1401bの出射光路に位置し、異なる発光デバイスの出射光を第2反射装置1403に反射させる。
【0066】
第2駆動装置1403は、第2反射装置1403を駆動して運動させ、反射面1403aを順に第1反射装置1405の二つの反射素子の出射光路に位置させ、第1、第2発光デバイスが発した光を順に反射して出射させる。
【0067】
実際的な応用においては、発光光源群1401が複数の発光デバイス配列を含んでもよく、本実施例においてはLED配列である。相応的に、反射装置群1405は、複数の反射鏡を含み、それぞれ光源1401における複数の発光デバイス配列の出射光路に位置する。
【0068】
図15に示すように、図15は本実施例における発光光源群1401の構造模式図である。発光光源群1401中の各LEDは、回転鏡1403を円心とする円板に設置され、回転鏡1403の周りに、円周方向に沿って配置され、回転鏡1403を中心として径方向に沿った配列で分布している。径方向に沿う分布においては、LED配列が同一種類のカラー光を発したLEDからなり、円周に沿う分布においては、黄色蛍光体LED1401aと青色LED14101bとが交替的に分布されている。
【0069】
実施例10
図16を参照すると、図16は本発明の光源システムの他の実施例の模式図である。光源システム1600は、発光装置1、分光システム2、第1空間光変調器1611、及び第2空間光変調器1613を備える。
【0070】
本実施例が図5に示す実施例と異なるのは以下のとおりである。
発光装置1は、第1発光デバイス、第2発光デバイス、及び第1制御装置(図示せず)を含む。第1発光デバイスは第1光の生成に使用され、第2発光デバイスは第2光の生成に使用される。第1制御装置は、少なくとも一部の時間帯において、第1発光デバイス及び第2発光デバイスを交替的に点灯し、時系列の第1光及び第2光を出射させる。
【0071】
具体的には、第1発光デバイスは黄色LED11aであり、第2発光デバイスは青色LED11bであり、それぞれが黄色光及び青色光の生成に使用される。第1制御装置は、それぞれ異なる色の発光デバイスのオンとオフを制御し、青色LED11b及び黄色LED11aを交替的に点灯させ、時系列の黄色光及び青色光を生成する。
【0072】
本実施例においては、ある時間帯で、第1制御装置は、黄色LED11aと青色LED11bとを同時に点灯させることを制御できる。青色光及び黄色光を分光して得られた緑色光はすべてDMD1611にて変調され、黄色LED11aと青色LED11bとが同時に点灯している時間帯において、DMD1611は、青色光及び緑色光の合わせ(合流光/combination light)、即ちシアン光を変調し、DMD1613に対して影響を与えない。この時間帯においては二種類の光が混合されるため、DMD1611は一種類多い色を変調でき、該DMD1611が変調できる色域はもっと大きくなる。
【0073】
図17Aに示すように、図17Aは光源システム1600による出射光の色の時系列図である。1サイクルT内において、t1時間内では、青色LEDを点灯し、発光装置1が青色光を出射する。t2時間内では、黄色LEDが点灯し、発光装置1が黄色光を出射する。t3時間内では、青色LED及び黄色LEDを同時に点灯し、発光装置1が該二種類の光の合わせ、即ち白光を出射する。図17B及び図17Cに示すように、図17B及び図17CはそれぞれDMD1209とDMD1211が異なるカラー光に変調するタイムチャートである。相応的に、t1時間内において、DMD1611は青色光を変調することに使用され、DMD1613は動作しない。t2時間内において、DMD1611は緑色光を変調することに使用され、DMD1613は赤色光を変調することに使用される。t3時間内において、DMD1611は青色光を変調することに使用され、DMD1613は赤色光を変調することに使用される。
【0074】
しかしながら、該二種類のカラー光を同時に点灯し続けることができず、本光源システム中に二つのDMDしかないため、そのうちの一つのDMDは異なる時間帯においてそれぞれ青色光及び緑色光を変調することに使用され、黄色LED11aと青色LED11bが同時に点灯し続ければ、青色光及び緑色光の二種類の単色光の画像がなくなることを引き起こし、青色光の画像しかない。
【0075】
なお、分光システム2中のフィルターシート1609が赤色光を透過して緑色光を反射したとき、青色光及び黄色光が分光されて得られた赤色光はすべてDMD1611中で変調され、緑色光はDMD1613中で変調される。黄色LED11aと青色LED11bとが同時に点灯する該時間帯中には、該DMD1611は、青色光及び赤色光の合わせ、即ち、紫色光を変調することに使用され、DMD1613に対して影響を与えない。
【0076】
前述の実施例と比べて、本実施例は、同時に異なる色の発光デバイスを点灯することができ、変調用のカラー光がもっと多くなり、変調可能な色域がもっと大きくなる。
【0077】
実施例11
図18を参照すると、図18は本発明の光源システムの他の一実施例の模式図である。本実施例において、光源システム1800は、発光装置1、分光システム2、第1空間光変調器1811、及び第2空間光変調器1813を含む。
【0078】
本実施例が図16に示す実施例と相違するのは以下のとおりである。
分光システム2は、光濾過装置1805、光濾過装置を駆動し運動させる第2駆動装置1806、及び第1制御装置(図示せず)を備える。光濾過装置1805は、第1セクション、第2セクション、及び第3セクションを含み、そのうちの第1セクションは、第1光の第1波長範囲の光を第1光通路に透過し、第2波長範囲の光を第2光通路に反射させることに使用される。第2セクションは、第1光の第1波長範囲の光を第2光通路に反射し出射させ、第2波長範囲の光を第1光通路に透過することに使用される。第3セクションは、第2光の一部を第1光通路に透過し、第2光の一部を第2光通路に反射し出射させることに使用される。第1制御装置は、第2駆動装置1806を制御することに使用され、第1セクションの少なくとも一部及び第2セクションの少なくとも一部を順に第1光の出射光路に位置させ、第3セクションの少なくとも一部を第2光の出射光路に位置させる。
【0079】
具体的な例を挙げると、図19に示すように、図19図18に示す光源システム中の光濾過装置の正面図の実施例である。光濾過装置1805は円板状であり、その中の各々のセクションは該円板において円周に沿って分布している。該光濾過装置1805中の第1セクション1805Aは青色光の一部を透過して青色光の一部を反射させることに使用され、第2セクション1805Bは緑色光を透過して赤色光を反射させることに使用され、第3セクション1805Cは緑色光を反射して赤色光を透過させることに使用される。第2駆動装置1806はモーターであり、光濾過装置1805のサイクル性の回転を駆動することに使用され、各々のセクションは順に発光装置1の出射光路に位置する。
【0080】
図20に示すように、図20図18に示す光源システムの二つの光源の発光の時系列図及び二つのDMDの変調の時系列図である。一つの変調サイクルT内において、前のt1時間内では、光濾過装置1805の第1セクション1805Aが時系列の光の出射光路に位置する。青色光源1801が点灯し、黄色光源1802が動作しないとき、二つのDMDは青色光を変調する。次のt2時間内では、光濾過装置1805の第2セクション1805Bが時系列の光の出射光路に位置する。黄色光源1802が点灯し、青色光源1801が動作しないとき、DMD1811は緑色光を変調することに使用され、DMD1813は赤色光を変調することに使用される。次のt3時間内では、光濾過装置1805の第3セクション1805Cが時系列の光の出射光路に位置する。黄色光源1802が点灯し、青色光源1801が動作しないとき、DMD1811は赤色光を変調することに使用され、DMD1813は緑色光を変調することに使用される。これにより、二つのDMDがそれぞれ時系列の三原色の光を変調することができる。
【0081】
実施例12
図21を参照すると、図21図18に示す光源システム中の光濾過装置の正面図の他の実施例である。
【0082】
本実施例においては、光濾過装置1805が、さらに第4セクションを含み、青色光を反射して黄色光を透過することに使用され、図18に示す光源システムと異なるのは、第1セクション1805Aが青色光を透過して黄色光を反射させることに使用されることである。第1セクション1805Aと第4セクション1805Dとが時系列の光の出射光路に位置するとき、青色光源1801と黄色光源1802は同時に点灯する。相応的に、一つの変調サイクルT内において、光濾過装置1805の第1セクション、第2セクション、第3セクション、第4セクションが順に時系列の光の出射光路に位置するとき、DMD1811は青色光、緑色光、赤色光、及び黄色光を順に変調し、DMD1813は黄色光、赤色光、緑色光、及び青色光を順に変調する。本実施例においては、変調される色に黄色光が加わるため、光源システムの明るさが高められる。
【0083】
図18に示す光源システムにおいて、一つの青色光源及び一つの黄色光源を採用し、光濾過装置における異なるスペクトル領域の時系列に対応して点灯することにより、二つのDMDにそれぞれ少なくとも三つの時系列の光を提供し、該青色光源で生成された光を二つのDMDに向けて二筋の青色光に分光した。実際的な応用においては、二つの青色光源が提供した二筋の青色光をそれぞれ二つのDMDによる変調に使用することもできる。具体的な説明は以下のとおりである。
【0084】
実施例13
図22を参照すると、図22は本発明の光源システムの他の一実施例の模式図である。本実施例において、光源システム2200は、発光装置、分光システム、第1空間光変調器2211、及び第2空間光変調器2213を含む。発光装置は、第1発光デバイス2201A、第2発光デバイス2202、第3発光デバイス2201B、及び第1制御装置(図示せず)を含む。分光システムは、光濾過装置2205、第2駆動装置2206、フィルターシート2203,2204を含む。
【0085】
本実施例が図18に示す実施例と相違するのは以下のとおりである:
発光装置がさらに第3発光デバイスを含み、第2光を出射する少なくとも一部の時間帯において、第4光を生成することに使用される。本実施例において、該第3発光デバイスは青色光源2201Bである。分光システム中の光濾過装置2205は、二つのセクション、即ち、図18に示す光源システム中の光濾過装置1805における第2セクション及び第3セクションを含む。図23に示すように、図23図22に示す光源システム中の光濾過装置2205の正面図である。光濾過装置2205は、第1セクション2205A(即ち、光濾過装置1805における第2セクション)を含み、緑色光を透過して赤色光を反射させることに使用される。光濾過装置2205は、さらに第2セクション2205B(即ち、光濾過装置1805における第3セクション)を含み、赤色光を透過して緑色光を反射させることに使用される。
【0086】
黄色光源2202が発した黄色光(即ち、第1光)は一定の角度で光濾過装置2205に入射し、光濾過装置2205で反射された光束はフィルターシート2204を透過した後、第1光通路に沿ってDMD2211に出射される。光濾過装置2205を透過した光束は、フィルターシート2203を透過した後、第2光通路に沿ってDMD2213に出射される。青色光源2201Aが発した光束(即ち、第2光)は、フィルターシート2204で反射された後、第1光通路に沿ってDMD2211に出射される。青色光源2201Bが発した光束(即ち、第4光)は、フィルターシート2203で反射された後、第2光通路に沿ってDMD2213に出射される。
【0087】
一つの変調サイクルT内において、前のt1時間内では、第1制御装置が黄色光源2202を閉めると同時に青色光源2201A,2201Bを点灯し、DMD2211,2213はすべて青色光を変調することに使用される。次のt2時間内では、第1制御装置が黄色光源2202を点灯して青色光源2201A,2201Bを閉め、第1セクション2203Aと第2セクション2203Bの少なくとも一部のセクションが黄色光の出射光路に順に位置する。DMD2211は第1光通路に沿って順に出射された赤色光及び緑色光を変調することに使用され、DMD2213は第2光通路に沿って順に出射された緑色光及び赤色光を変調することに使用される。
【0088】
本実施例においては、実際的なニーズによりよく適応するために、二つのDMDによって変調された青色光の光強度をそれぞれ制御してもよい。更に、二つの青色光が出射される時間の長さは一致しなくてもよく、そのうちの一つの青色光源は、別の青色光源が点灯している一部の時間帯内で点灯してもよく、具体的な点灯時間の長さは、それと対応するDMDに対して必要とされる青色光の量に従って決定されてもよい。同様に、変調に使用される緑色光及び赤色光の量を調節するために、第1セクション2203Aと第2セクション2203Bのそれぞれが黄色光(即ち、第1光)の出射光路に位置するときの、黄色光の点灯時間を相応的に制御してもよい。なお、そのうちの一つの青色光源は、他の色の発光素子、例えば、シアン色の発光素子に変えてもよい。相応的に、一つのDMDは、時系列のシアン光、赤色光、及び緑色光を変調することに使用される。
【0089】
本実施例においては、分光システム中のフィルターシート2203,2204が必須ではなく、光源システムの光路構造を変更することにより、これらの二つのフィルターシートを省略することができることが理解できる。例えば、光濾過装置2205における各々のセクションを、第2光と第4光(本実施例においては全て青色光)をさらに透過させるように設置し、光源2201A,2201Bをそれぞれ光濾過装置2205の両側に位置させることで、光源2201Aが出射した光は、光濾過装置2205を透過した後、DMD2211に直接入射し、光源2201Bが出射した光は、光濾過装置2205を透過した後、DMD2213に直接入射する。
【0090】
実施例14
図24を参照すると、図24は本発明の光源システムの他の実施例の発光光源の模式図である。本実施例において、光源システム2200は、発光装置、分光システム、第1空間光変調器2211、及び第2空間光変調器2213を含む。
【0091】
発光装置は、第1光、第2光、及び第3光を順に出射する。具体的な例を挙げると、発光装置は、黄色光源2402A、青色光源2401、黄色光源2402Bを含み、それぞれ黄色光22A、青色光11及び黄色光22B、即ち、第1光、第2光、及び第3光の生成に使用される。発光装置は、さらに第1制御装置2403を含み、該三つの光源を制御することに使用され、黄色光22A、青色光11、及び黄色光22Bを順に出射する。
【0092】
分光システムは、発光装置からの第2光を第1光通路及び第2光通路に沿って出射する第1サブ光及び第2サブ光に分けると共に、発光装置からの第3光を第1光通路及び第2光通路に沿って出射する第5波長範囲の光及び第6波長範囲の光に分ける。具体的な例を挙げると、分光システムはフィルターシート2404,2405を含む。フィルターシート2405のフィルタカーブは、黄色光の緑色光成分、即ち第1光の第1波長範囲の光及び第3光の第5波長範囲の光を透過し、赤色光成分、即ち第1光の第2波長範囲の光及び第3光の第6波長範囲の光を反射し、青色光の一部を透過し、青色光の一部、即ち第1サブ光及び第2サブ光を反射させることができるように設置されている。フィルターシート2404は、青色光を透過して黄色光を反射することに使用される。青色光源2401と黄色光2402Aが生成した光は、それぞれフィルターシート2404の両側から入射し、フィルターシート2404で透過及び反射された後、同一の光通路からフィルターシート2405の同一側に入射する。黄色光源2402Bが生成した光は、フィルターシート2405のもう一側に入射する。フィルターシート2405で反射された光は、第1光通路に沿ってDMD2411に出射され、フィルターシート2405を透過した光は、第2光通路に沿ってDMD2413に出射される。
【0093】
第1空間光変調器(即ち、DMD2411)は、分光システムが第1光通路に沿って順に出射した第1波長範囲の光、第1サブ光、及び第5波長範囲の光を変調する。第2空間光変調器(即ち、DMD2413)は、前記分光システムが第2光通路に沿って順に出射した第2波長範囲の光、第2サブ光、及び第6波長範囲の光を変調する。
【0094】
図25に示すように、図25図24に示す光源システムの三つの光源の発光の時系列図と二つのDMDの変調の時系列図である。一つの変調サイクルT内における、前のt1時間内において、青色光源2401が点灯し、二つの黄色光源が動作しないとき、二つのDMDはすべて青色光を変調する。次のt2時間内において、黄色光源2402Bが点灯し、その他の二つの光源が動作しないとき、DMD2411は緑色光を変調し、DMD2413は赤色光を変調する。次のt3時間内において、黄色光源2502Aが点灯し、その他の二つの光源が動作しないとき、DMD2411は赤色光を変調し、DMD2413は緑色光を変調する。これにより、二つのDMDはそれぞれ時系列の三原色の光を変調することができるようになる。
【0095】
本実施例においては、一つの変調サイクルT内に時間帯t4を加えてもよい。該時間内において、三つの光源が同時に点灯するとき、二つのDMDは青色光と黄色光の合わせ、即ち、白光を変調する。これにより、光源システムの明るさを向上させることができる。本実施例において、t1、t2、t3、t4の割合は、異なる色の実際的な割合に従い、必要に応じて調整すればよい。
【0096】
前述の実施例と比べて、本実施例においては、二つの黄色光源の明るさをそれぞれ制御することにより、二つのDMDが受け取った赤色光及び緑色光の明るさを調整することができ、光濾過装置を駆動する第2駆動装置の使用を減少させると共に、光源の点灯は光濾過装置の回転と同期していなくてもよいため、異なる光源の時系列の点灯を制御することがより容易になり、DMDが異なる色の光に対する変調の量を調整することがより便利になる。
【0097】
なお、本実施例の一つの黄色光源は、第3色の発光素子に変えてもよい。相応的に、分光に使用するフィルターシート2405のフィルタカーブは、第3色の一つの波長範囲の光を透過し、第3色の別の波長範囲の光を反射させるように設置される。
【0098】
本実施例において、発光装置は、回転するカラーホイールを励起光により励起することにより、三筋の時系列の光を生成することができる。また、分光システムは、カラーホイールと同時に回転する光線濾過ホイールにより当該三筋の時系列の光に対して分光を行うことによっても実現できる。前述の実施例において、これらの装置に対して既に説明したため、異なる実施例の発光装置及び分光システムを簡単に組み合わせればよく、ここでは省略する。
【0099】
実施例15
図26を参照すると、図26は本発明の光源システムの他の実施例の発光光源の模式図である。本実施例において、光源システム2600は、発光装置、分光システム、第1空間光変調器2211、及び第2空間光変調器2213を含む。発光装置は、青色光源2601A,2601B、黄色光源2602A,2602B、第1制御装置2603を含む。分光システムは、フィルターシート2404,2405を含む。
【0100】
本実施例が図24に示す実施例と相違するのは以下のとおりである:
本実施例における発光装置は、さらに青色光源2601Bを含み、青色光源2601Aは二つのDMDに対して青色光をそれぞれに提供する。
【0101】
図24に示す光源システムにおける、二つの黄色光源が生成した光束を分光するフィルターシート2405と比べて、本実施例における、二つの黄色光源が生成した光束を分光するフィルターシート2605は、緑色光及び青色光を透過して赤色光を反射させ、青色光源2601Aが生成した青色光がフィルターシート2605を透過した後、第2光通路に沿ってDMD2613に出射されるように設置されている。また、フィルターシート2606は、フィルターシート2605が光束を反射させる出射光路に位置し、青色光を透過して他の光を反射させる。フィルターシート2605で反射された時系列の赤色光及び緑色光は、フィルターシート2606で反射された後、第1光通路に沿ってDMD2611に出射され、青色光源2501Bはフィルターシート2606から透過した後、第1光通路に沿ってDMD2611に出射される。
【0102】
図27に示すように、図27図26に示す光源システムの四つの光源の発光の時系列図と二つのDMDの変調の時系列図である。一つの変調サイクルT内における、前のt1時間内において、第1制御装置が二つの青色光源の点灯を制御し、二つの黄色光源が動作しないとき、二つのDMDは青色光を変調する。次のt2時間内において、黄色光源2602Bが点灯し、その他の三つの光源が動作しないとき、DMD2611は緑色光を変調し、DMD2613は赤色光を変調する。次のt3時間内において、黄色光源2602Aが点灯し、その他の三つの光源が動作しないとき、DMD2611は赤色光を変調し、DMD2613は緑色光を変調する。これにより、二つのDMDは時系列の三原色の光をそれぞれに変調することができる。
【0103】
なお、一つの青色光源は、時間帯t1の一部の時間帯において点灯すればよい。具体的な点灯時間の長さは、実際に必要な青色光の量に応じて制御してもよい。
【0104】
好ましくは、一つの変調サイクルT内には、時間帯t4が入ってもよい。当該時間内では、四つの光源が同時に点灯され、二つのDMDが、すべて青色光及び黄色光の合わせ、即ち白光を変調する。これにより、光源の明るさを高めることができる。本実施例において、t1、t2、t3、t4の割合は、異なる色に対して必要とする実際的な割合に従って調整すればよい。
【0105】
図24に示す光源システムと比べて、本実施例においては実際的なニーズによりよく対応するように、二つの青色光源を採用し、二つのDMDに変調された青色光の光強度及び変調時間の長さをそれぞれ制御することができる。
【0106】
前述の実施例において、各フィルターシートのフィルタカーブ、各光源の時系列の制御、DMDの変調の時系列及び具体的な光路構造等については、前述に挙げた例に限定されず、当業者は本発明に基づいて具体的に設計してもよい。
【0107】
実施例16
図28を参照すると、図28は本発明の光源システムの他の実施例の発光光源の模式図である。本実施例において、光源システム2800は、発光装置、分光システム、第1空間光変調器2811、及び第2空間光変調器2813を備える。発光装置は、励起光源2801,2802、波長変換層2805、第1駆動装置2806、及び第1制御装置(図示せず)を含む。分光システムは、フィルターシート2814及び反射鏡2812を備える。
【0108】
本実施例が図24に示す実施例と相違するのは以下のとおりである。
図24に示す光源システム中の発光装置は、四つの光源を時系列で点灯させることによって時系列の光を生成するが、本実施例の発光装置は、カラーホイールと時系列で光源を点灯させる二種類の方式で時系列の光を生成する。具体的な説明は以下のとおりである。
【0109】
波長変換層2805には、第1区画2805A、第2区画2805B、第3区画2805C、及び第4区画2805Cが含まれ、第1、第2、第3、第4機能材料がそれぞれ設置され、励起光を吸収し、第1、第2、第3、第4光をそれぞれ生成する。本実施例において、二つの励起光源は全てUV光であり、第1及び第3区画には黄色光波長変換材料が設置され、第2及び第4区画には青色光波長変換材料が設置される。同一の時間帯において、第1区画及び第3区画は二つの励起光源が生成した励起光の出射光路にそれぞれ位置し、別の時間帯では、第2区画及び第4区画が二つの励起光源が生成した励起光の出射光路に位置する。
【0110】
第1駆動装置2806は、波長変換層2805を駆動することで、励起光が波長変換層2805に形成する白斑を所定の経路に従って該波長変換層2806に作用させる。また、第1制御装置は、二つの励起光源を制御して、第1区画2805Aと第3区画2805Cとが二筋の励起光の光路に位置する少なくとも一部の時間帯で交替的に点灯させ、第2区画2805Bと第4区画2805Dとが二筋の励起光の光路に位置する少なくとも一部の時間帯で同時に点灯させる。
【0111】
以下、例を示して本発明を具体的に説明する。図29に示すように、図29図28に示す光源システムの波長変換層の実施例の正面図である。本実施例において、波長変換層2805は円板状であり、第1区画2805Aと第3区画2805Cとは180度で設置され、第2区画2805Bと第4区画2805Dとは180度で設置される。第1駆動装置280はモーターであり、波長変換層を駆動して周期的に回転させる。二筋の励起光が波長変換層2805にそれぞれ形成した白斑の連結線は円板の円心を通り、同一の時間内において、180度で設置される区画は、これらの二つの励起光源が生成した励起光の出射光路にそれぞれに位置する。
【0112】
本実施例においては、波長変換層2805が反射式に設置され、励起光及び被励起光の光路は該波長変換層2805の同じ側に位置する。これは、波長変換層2805の励起光源と反対になる一側に反射鏡を設置する或いは反射膜をめっきすることにより実現できるが、このことは公知の技術であるので、ここでは省略する。
【0113】
波長変換層2805の出射光路には、励起光源2801及び励起光源2802が波長変換層を励起して生成した被励起光(それぞれ第1被励起光、第2被励起光という)を収集する二つの反射カバー2803,2804が設置される。これらの二つの反射カバーには一つの貫通孔がそれぞれ設置され、当該貫通孔はそれと対応する励起光源より生成された励起光を透過する。これらの二つの反射カバーは励起光及び被励起光の光学エタンデュの差を利用し、励起光及び被励起光の光路を区別する。なお、波長変換層は透過式であってもよく、即ち、励起光の光路及び被励起光の光路がそれぞれ波長変換層の両側に位置する場合には反射カバーを使用しなくてもよい。しかしながら、本実施例においては、反射式の波長変換層及び反射カバーを利用しているので、光束の損失を減少し、光束の利用率を高めることができる。
【0114】
分光システムは、第1光及び第3光をそれぞれ第1光通路及び第2光通路に沿って出射させる二筋の異なる波長範囲の光に分け、第1光通路及び第2光通路に沿って第2光と第4光をそれぞれ出射させる。本実施例において、反射鏡2812は第2被励起光の出射光路に位置し、第1被励起光、及び反射鏡2812で反射される第2被励起光は、それぞれフィルターシート2811の両側に入射する。フィルターシート2814は黄色光(即ち、第1光及び第3光)中の緑色光成分を反射して赤色光成分を透過すると共に、さらに青色光(即ち、第2光と第4光)を反射して第1光通路及び第2光通路に沿って出射させる。DMD2811は、フィルターシート2814を介して第1光通路に沿って出射された光束を変調する。DMD2813は、フィルターシート2814を介して第2光通路に沿って出射された光束を変調する。
【0115】
好ましくは、第1被励起光は、反射カバー2803に収集された後、順に均光装置(light-uniforming device)2807及び集光レンズ2810に入り、更にフィルターシート2811に出射する。同様に、第2被励起光は、反射カバー2804に収集された後、順に均光装置2808及び集光レンズ2809に入り、更にフィルターシート2811に出射する。これにより、第1被励起光及び第2被励起光の利用率を高め、光の損失を減少させることができる。
【0116】
図30に示すように、図30図28に示す光源システムの一種の動作の時系列図である。具体的な説明は以下のとおりである。波長変換層2805が回転する1サイクルT内において、第2区画2805Bと第4区画2805Dとが二筋の励起光の光路にそれぞれに位置しているときに、第1制御装置が二つの励起光源を制御して点灯させると、二つのDMDがフィルターシート2811より反射された青色光を同時に受け取る。前のt1時間内において、第1区画2805Aと第3区画2508Cとが二筋の励起光の光路にそれぞれに位置しているときに、第1制御装置が励起光源2802の点灯、励起光源2801の閉めを制御すると、DMD2813が緑色光を受け取り、DMD2811が赤色光を受け取る。次のt2時間内において、第1制御装置が励起光源2801の点灯、励起光源2802の閉めを制御すると、DMD2813が赤色光を受け取り、DMD2811が緑色光を受け取る。
【0117】
好ましくは、時間帯t3の一部内において、第1区画2805Aと第2区画2805Cとが二筋の励起光の光路に位置しているときに、第1制御装置が励起光源2801,2802を制御して同時に点灯させると、二つのDMDが赤色光及び緑色光の合わせ、即ち黄色光を同時に受け取る。これにより、光源システムの明るさを高めることができる。
【0118】
本実施例においては、第2区画2805Bと第4区画2805Dとが二筋の励起光の光路にそれぞれに位置しているときに、二筋の励起光の動作時間の長さを調整することによって、二つのDMDがそれぞれ受け取った青色光の量を調整し、最終的に光源システムに出射された画像の色を調整することができる。同様の理由で、第1区画2805Aと第3区画2805Cとが二筋の励起光の光路にそれぞれ位置しているときにおいても、二筋の励起光の動作時間の長さをそれぞれ調整することによって、二つのDMDがそれぞれ受け取る時系列の赤、緑色光の量を調整することができる。
【0119】
本実施例において、二つの励起光源は青色光源であってもよく、第2区画2805Bと第4区画2805Dのいずれにも、青色光を反射する反射区が設置される。励起光源がレーザー光源である場合、好ましくは、第2区画2805Bと第4区画2805Dには青色光に対してコヒーレンスを無くす乱反射材料がさらに設置される。
【0120】
本実施例において、第1、第2、第3、第4光は異なる色の光であってもよい。二つのDMDがそれぞれ変調する必要がある光によって、これらの四筋の光のスペクトル、及び第1光と第3光とを分光するフィルターシートのフィルタカーブを決定することができる。
【0121】
実施例17
図31を参照すると、図31は本発明の光源システムの他の実施例の発光光源の模式図である。本実施例において、光源システム3100は、発光装置、分光システム、第1空間光変調器3111、及び第2空間光変調器3113を備える。発光装置は、励起光源3101,3102、波長変換層3105、第1駆動装置3106、及び第1制御装置(図示せず)を含む。分光システムは、フィルターシート3109、貫通孔付き反射鏡3103,3104を備える。
【0122】
本実施例が図28に示す実施例と相違するのは以下のとおりである。
図28に示す光源システムにおいては、波長変換層2805の出射光路に反射カバーが設置され、発光装置が発した時系列の光は、反射カバーにより収集された後、分光システムに入る。本実施例において、反射カバーは、波長変換層3105の出射光路には設置せず、分光システムに直接に設置した。
【0123】
分光システムのフィルターシート3109は、黄色光中の緑色光成分を透過して黄色光の中の赤色光成分を反射させると共に、第2光と第4光(本実施例において全ては青色光)とを透過する。第1励起光源3101が生成した励起光は、反射鏡3103における貫通孔及びコリメーティングレンズ3108の順に通って、波長変換層3105に入射する。波長変換層3105より出射された第1被励起光は、コリメーティングレンズ3108によるコリメーションの後、反射鏡3103によりフィルターシート3109に反射される。第2励起光源3102が生成した励起光は、反射鏡3104における貫通孔、フィルターシート3109、及びコリメートレンズ3107を順に通って、波長変換層3105に入射する。波長変換層3105が出射した第2被励起光は、コリメーティングレンズ3107によりコリメートされた後、フィルターシート3109に入る。
【0124】
図31に示す光源システムの動作の時系列の具体的な例は以下である。波長変換層3108が回転する1サイクルT内において、第2区画2805Bと第4区画2805Dとが二筋の励起光の光路に位置しているときに、第1制御装置が二つの励起光源を制御して点灯させると、DMD3113がフィルターシート3109を透過した青色光を受け取り、DMD3111がフィルターシート3109を透過して反射鏡3104より反射された青色光を受け取る。前のt1時間内において、第1区画2805Aと第3区画2805Cとがそれぞれ二筋の励起光の光路に位置しているときに、第1制御装置が励起光源3101の点灯、励起光源3102の閉めを制御すると、DMD3113が赤色光を受け取り、DMD3111が緑色光を受け取る。次のt2時間内において、第1制御装置が励起光源3102の点灯、励起光源3101の閉めを制御すると、DMD3113が緑色光を受け取り、DMD3111が赤色光を受け取る。
【0125】
簡単に説明するように、前述の各実施例においては、第1光及び第3光はすべて黄色光であり、第2光及び第4光はすべて青色光であることを例として説明した。実際的な応用においては、該四筋の光は他のカラー光であってもよく、以上に述べたものに限定されない。相応的に、分光システムにおけるフィルターシート或いは光濾過装置のフィルタカーブは、該四筋の光の具体的な色に従って、具体的に設計してもよい。
【0126】
前述の各実施例中の、異なる区画の有する波長変換層及び異なるセクションの有する光濾過装置において、波長変換層或いは光濾過装置における異なる領域は、同一の円心に対して円周方向に分布しなくてもよく、平行に設置する帯状領域または他の適宜な設置方式を採用してもよい。相応的に、該波長変換層或いは光濾過装置を運動的に駆動する駆動装置は、線形移動装置であってもよく、または他の適宜な設置方式を採用してもよく、それにより、光束が当該波長変換層或いは光濾過装置で形成された白斑を、それぞれ直線の経路或いは他の所定の経路に沿って該波長変換層或いは光濾過装置に作用させることができる。
【0127】
前述の各実施例においては、二つのDMDが出射する光を同一の表示領域内に投射して、一枚の画像を形成することができる。図32に示すように、図32は本発明の光源システムの実施例の構造模式図である。図33に示すように、二つのDMDが出射する光をそれぞれに二つの表示領域に投射して、二枚の画像を形成することができる。図33は本発明の光源システムの他の実施例の構造模式図である。
【0128】
本明細書において、各々実施例について徐々に進むという形で説明を行い、各実施例において、重要に説明したのは他の実施例との相違点であり、各実施例の間に同様又は類似する部分については、各実施例を相互的に参照すればよい。
【0129】
本発明の実施例は光源システムを有する投影システムを提供する。該光源システムは前述の各実施例における構造及び機能を有することができる。該投影システムは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)投影技術、デジタルライトプロセッシング(DLP、Digital Light Processor)投影技術の各種の投影技術に採用することができる。また、前述の発光装置は、照明システム、例えば舞台照明に使用することもできる。
【0130】
以上に記述されたのは、本発明の実施形態に過ぎず、当業者にとっては、本発明の設計趣旨を超えない限り、さらに変更することができるが、これらの変更は本発明の保護範囲に含まれると理解されるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33