(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1コネクタ部材は、第1ハウジング本体部と、前記第1ハウジング本体部から突出されて形成され、前記突起部が対向する面にそれぞれ形成された筒状の嵌合部と、を有し、
前記第2コネクタ部材は、第2ハウジングと、前記第2ハウジングが覆われるように設けられたフード部材と、を有し、
前記第1コネクタ部材と前記第2コネクタ部材が接続された場合、前記第1ハウジング本体部と前記第2ハウジングの少なくとも一部が当接され、前記第1ハウジングの前記嵌合部が前記第2ハウジングと前記フード部材の間の隙間に嵌合されることを特徴とする請求項1又は2に記載のコネクタ。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのコネクタを例示するものであって、本発明をこれに特定することを意図するものではない。本発明は、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。
【0017】
[実施形態]
図1〜
図13を参照して、実施形態にかかるコネクタ10について説明する。実施形態のコネクタ10は、
図1に示すように、基板等に実装される第1コネクタ部材12と、第1コネクタ部材12に接続される第2コネクタ部材68とを有し、第1コネクタ部材12と第2コネクタ部材68が着脱自在なるように構成されている。また、第1コネクタ部材12と第2コネクタ部材68には、接続状態の固定及び解除が行われるレバー部材184が備えられている。なお、実施形態では、第1コネクタ部材12が雄側のコネクタとなり、第2コネクタ部材68が雌側のコネクタとなっている。
【0018】
まず、
図1〜
図3を参照して、実施形態の第1コネクタ部材12について説明する。第1コネクタ部材12は、複数の第1コンタクト14と、この複数の第1コンタクト14が装着された第1ハウジング22と、第1ハウジング22に取り付けられ、基板に接続される側の各第1コンタクト14を整列させる補整板62とを有している。なお、第1コンタクトは、信号用の第1コンタクト14aと電源用の第1コンタクト14bが複数の段と列に配列されて設けられており、第1ハウジング22と第1コンタクト14a及び第1コンタクト14bは、例えば、インサート成形により一体となるように形成されている。
【0019】
第1コネクタ部材12の信号用の第1コンタクト14aは、金属製の棒状体の一部が屈曲されて、略L字状に形成されており、第1コンタクト本体部16aと、第1コンタクト本体部16aの一方に第2コネクタ部材68に設けられた信号用の第2コンタクト70a(
図6A参照)と接触される第1接触部18aと、他方に基板とはんだ付け等により接続される接続部20aとを有している。なお、第1コネクタ部材12の第1コンタクト14aは、複数の段と列に配列されているため、配置された位置により長さが異なるように形成されているが、構成はそれぞれ共通する。
【0020】
また、第1コネクタ部材12の電源用の第1コンタクト14bは、信号用の第1コンタクト14aと大きさが異なるが、略共通の構成を有しており、金属製の棒状体の一部が屈曲されて、略L字状に形成されており、第1コンタクト本体部16bと、第1コンタクト本体部16bの一方に第2コネクタ部材68に設けられた電源用の第2コンタクト70b(
図6B参照)と接触される第1接触部18bと、他方に基板とはんだ付け等により接続される接続部20bとを有している。なお、以下、第1コネクタ部材12に設けられた信号用の第1コンタクト14a及び電源用の第1コンタクト14bはまとめて第1コンタクト14ともいう。
【0021】
第1ハウジング22は、複数の第1コンタクト14が一体となるように収容された第1コンタクト収容部42が設けられた第1ハウジング本体部24を有し、第1ハウジング本体部24の一方側には、第1コンタクト14の第1接触部18側が配置され、第2コネクタ部材68と接続される嵌合部46を有している。また、第1ハウジング本体部24の他方側からは、第1コンタクト14の接続部20側が配置され、補整板62が設けられている。
【0022】
第1ハウジング22の第1ハウジング本体部24は、第1コンタクト14の第1接触部18側が突出された第1前面26と、第1コンタクト14の接続部20側が突出された第1後面30と、第1上面34、第1底面36、一方の第1側面38及び他方の第1側面40で囲まれて所定の幅を有するブロック体で形成されている。また、第1コンタクト収容部42には、信号用の第1コンタクト14aと、信号用よりやや大きい電源用の第1コンタクト14bがそれぞれ一体となるように収容されている。
【0023】
第1ハウジング本体部24の第1前面26には、第1コンタクト14の第1接触部18側が突出され、この突出された第1コンタクト14を囲うように第2コネクタ部材68が接続される少なくとも一つ、実施形態では、2つの嵌合部46が筒状に延設されて形成されている。この嵌合部46は、第1コネクタ部材12が第2コネクタ部材68と接続される際に、第2コネクタ部材68に挿入される部分となる。以下、1つの嵌合部46を代表して説明する。
【0024】
嵌合部46は、上面側48、底面側52及び両側面側50で囲まれた略矩形状の筒状体が第1ハウジング本体部24の第1前面26から延設されて一体に形成されており、各角部が曲面状に形成されている。
【0025】
また、嵌合部46の筒状体の片方の側面側50の外周側には、外側ガイド部56がそれぞれ形成されている。この外側ガイド部56は、第1コネクタ部材12と第2コネクタ部材が接続される際に、第2コネクタ部材68のフード部材122に形成された嵌合部ガイド溝168(
図8参照)がガイドされるようになる。また、外側ガイド部56が片方の側面側50のみに形成されていることで、第2コネクタ部材68が反対向きに接続されることを防止することができる。
【0026】
また、嵌合部46の上面側48及び底面側52には、複数の突起状の突部押圧突起59が形成されている。この突部押圧突起59は、挿抜方向に傾斜がそれぞれ形成されており、フード部材122が取り付けられる際に案内されると共に、後述するフード部材122に形成された突部164(
図8、
図9参照)が押圧されることで、フード部材122の外側に設けられたレバー部材184が係止されたレバー部材係止突起158を移動させ、レバー部材184の係止を解除する部分となる。
【0027】
また、嵌合部46の上面側48及び底面側52には、少なくとも一つ、実施形態では、上面側48に2つ、底面側52に2つの突起部58がそれぞれ形成されている。この突起部58は、後述する第2コネクタ部材68に設けられたレバー部材184と組み合わされて、コネクタ10の接続を固定及び固定の解除を行うようになる。
【0028】
また、嵌合部46の上面側48、底面側52及び両側面側50の各内周側には、複数の内側ガイド部54が突出されて形成されており、第1コネクタ部材12と第2コネクタ部材68が接続される際に、第2コネクタ部材68の第2ハウジング84に形成された各ガイド溝108にガイドされ、案内される部分となる。
【0029】
また、嵌合部46の内側には、第1ハウジング本体部24の第1前面26から突出されたガイド板部60が複数形成されている。このガイド板部60は第2コネクタ部材68の第2ハウジング84に形成されたガイド孔90に嵌入されるようになる。
【0030】
また、第1ハウジング本体部24の第1後面30からは、第1コンタクト14の接続部20側が突出されている。さらに、第1ハウジング本体部24の第1後面30の第1底面36側には、補整板62が取り付けられる補整板取付部44が形成されている。
【0031】
補整板62は、第1コンタクト14の接続部20が貫通される複数の貫通孔64が形成された板状体となっており、接続部20を整列させ、基板等に接続しやすくするものである。この補整板62の第1ハウジング22と取り付けられる側には、被取付部66が形成されている。
【0032】
なお、実施形態の第1コネクタ部材12では、第1ハウジング22と各第1コンタクト14をインサート成形により一体に形成した場合を説明したが、これに限らず、第1ハウジングと第1コンタクトを別々に形成し、組み立てるようにしてもよい。
【0033】
次に、
図1、
図4〜
図13を参照して、第2コネクタ部材68について説明する。なお、実施形態のコネクタ10では、第2コネクタ部材68は第1コネクタ部材12に2つ設けられるようになっているが、これらの第2コネクタ部材68は一部の構成が左右対称に形成されているだけで、他の構成は共通するので、一方のみを代表して説明する。
【0034】
第2コネクタ部材68は、
図4、
図5に示すように、ワイヤー78が接続された複数の第2コンタクト70と、複数の第2コンタクト70が収容される第2コンタクト収容部120が形成された第2ハウジング84と、第2ハウジング84に収容された第2コンタクト70を位置決め固定するリテーナ226と、第2ハウジング84の外周側に環状に設けられたシール部材240と、第2ハウジング84が覆われるように設けられたフード部材122と、フード部材122の内側であって、第2ハウジング84との間に設けられた弾性部材としてのワイヤーシール174と、フード部材122の第1コネクタ部材12と接続される側とは反対側に設けられたカバー部材204と、フード部材122に回転自在に設けられたレバー部材184と、を有している。なお、第2コンタクト70は、
図6Aに示すような、信号用の第2コンタクト70aと
図6Bに示すような電源用の第2コンタクト70bが複数の段と列に配列されて設けられている。
【0035】
まず、信号用の第2コンタクト70aは、
図6Aに示すように、筒状の第2コンタクト本体部72aと、第2コンタクト本体部72aの一方側に信号用の第1コンタクト14aの第1接触部18aが挿入された状態で接触される第2接触部74aを有し、他方側にワイヤー78が装着されるワイヤー装着部76aを有している。また、第2コンタクト本体部72aの上側80aには、後述する第2ハウジング84の第2コンタクト収容部120内に設けられた爪状のランス(図示省略)が嵌め込まれる嵌入部82aが形成されており、また、第2コンタクト本体部72aのワイヤー装着部76a側にはリテーナ226の固定突起232が嵌め込まれることにより位置決め固定される固定部83aが形成されている。
【0036】
また、電源用の第2コンタクト70bは、
図6Bに示すように、信号用の第2コンタクト70aと略共通の構成を有しており、筒状の第2コンタクト本体部72bと、第2コンタクト本体部72bの一方側に電源用の第1コンタクト14bの第1接触部18bが挿入された状態で接触される第2接触部74bを有し、他方側にワイヤー78が装着されるワイヤー装着部76bを有している。また、第2コンタクト本体部72bの上側80bには、
後述する第2ハウジング84の第2コンタクト収容部120に設けられた爪状のランス(図示省略)が嵌め込まれる嵌入部82bが形成されており、また、第2コンタクト本体部72bのワイヤー装着部76b側にはリテーナ226の固定突起232が嵌め込まれることにより位置決め固定される固定部83bが形成されている。なお、以下、第2コネクタ部材68に設けられた信号用の第2コンタクト70a及び電源用の第1コンタクト70bはまとめて第1コンタクト70ともいう。
【0037】
次に、
図7を参照して、第2ハウジング84について説明する。第2ハウジング84は、一方に内部に収容される第2コンタクト70と接続される第1コネクタ部材12の第1コンタクト14が挿入される複数の第1コンタクト挿入部88がそれぞれ形成された第2前面86と、第2コンタクト70が挿入される複数の第2挿入孔94が形成された第2後面92と、リテーナ226が装着されるリテーナ装着溝110が形成された第2上面106と、第2上面106の反対側の第2底面112と、一方の第2側面114及び他方の第2側面116を有するブロック体であって、樹脂材料で形成されている。また、第2ハウジング84の内部には、複数の第2コンタクト70が収容される第2コンタクト収容部120が第2前面86に形成された第1コンタクト挿入部88と第2挿入孔とを繋ぐようにそれぞれ形成されている。
【0038】
第2ハウジング84の第2前面86には、第1コンタクト14の第1接触部18が挿入される複数の第1コンタクト挿入部88と、第1ハウジング22に形成されたガイド板部60が挿入される複数のガイド孔90が、それぞれ第2ハウジング84の内部に亘って形成されている。なお、第1コンタクト挿入部88は第2コンタクト収容部120と連通されている。
【0039】
また、第2ハウジング84の第2後面92には、第2コンタクト70が挿入され、第2コンタクト収容部120と連通される第2挿入孔94と、第2後面92側に配置されるワイヤーシール174に形成された嵌入突起178(
図12参照)が嵌入されるワイヤーシール嵌入溝96がそれぞれ形成されている。第2挿入孔94は、信号用の第2コンタクト70aと、信号用よりやや大きい電源用の第2コンタクト70bが挿入されるようにそれぞれ形成されている。
【0040】
また、第2後面92側の周辺側、すなわち、第2上面106側、第2底面112側、一方の第2側面114側及び他方の第2側面116側には、第2後面92より延設された筒状の囲い部98が形成されている。この囲い部98は、ワイヤーシール174が収容される部分となると共に、フード部材122に取り付けられる部分となる。なお、囲い部98の第2上面106側、第2底面112側、一方の第2側面114側及び他方の第2側面116側には、フード部材122の第2ハウジング取付部130(
図8A参照)に取り付けられる際に挿入が案内されるフード部材ガイド部100がそれぞれ形成されている。また、囲い部98の第2上面106側及び第2底面112側には、フード部材122の第2ハウジング取付部130と取り付けられるフード部材取付部102がそれぞれ形成されている。
【0041】
第2ハウジング84の第2上面106には、リテーナ226が装着されるリテーナ装着溝110が一方の第2側面114から他方の第2側面116に亘って形成されている。また、第2上面106の第2前面86側には、第1ハウジング22の内側ガイド部54が案内されるガイド溝108が形成されている。
【0042】
また、第2ハウジング84の第2底面112にも、第1ハウジング22の内側ガイド部54が案内されるガイド溝108が形成されている。
【0043】
一方の第2側面114と他方の第2側面116には、第2上面106側から装着されたリテーナ226が係止されるリテーナ係止突起118がそれぞれ形成されている。
【0044】
また、第2ハウジング84の囲い部98の外周側の各角部には、それぞれ突出された耐震突起104が形成されている。この耐震突起104は、板状突起が2列に形成されており、第2後面92に向かうほど、2列の板状突起の幅が離れるような、ハの字状に形成されている。この耐震突起104は、第2コネクタ部材68の組み立ての際に、後述するフード部材122に形成された耐震突起嵌入溝131に嵌入されるようになる。
【0045】
次に、
図8、
図9を参照して、フード部材122について説明する。フード部材122は、第2ハウジング84が挿入されると共に、接続された第1コネクタ部材12の第1ハウジング22の嵌合部46が嵌合される開口部126が形成された前面部124と、複数のワイヤー78が挿通されるワイヤー挿通孔132がそれぞれ形成された後面部128と、レバー部材184が回転自在に配置される軸受部150がそれぞれ形成された上面部142及び底面部144と、一方の側面部166及び他方の側面部170とを有する箱状体であって、樹脂材料により形成されている。
【0046】
また、フード部材122の内側の後面部128側には、第2ハウジング84が取り付けられる第2ハウジング取付部130が形成されている。第2ハウジング取付部130には、第2ハウジング84の囲い部98の外周側に形成されたフード部材ガイド部100が案内される溝部133がそれぞれ形成されており、第2ハウジング84が取り付けられる際に案内されるようになる。また、第2ハウジング取付部130には、第2ハウジング84の囲い部98の外周側に形成された、フード部材取付部102が取り付けられる係合部135がそれぞれ形成されており、第2ハウジング84が取り付けられる際に、フード部材取付部102と係合されて取り付けられるようになる。さらに、第2ハウジング取付部130には、第2ハウジング84の囲い部98の外周側に形成された耐震突起104が嵌入されるくさび状の耐震突起嵌入溝131が各角部に形成されている。この耐震突起嵌入溝131は、第2ハウジング84がフード部材122に取り付けられる際に、第2ハウジング84の囲い部98にハの字状に形成され形成された耐震突起104が嵌入されると、こと耐震突起104の幅が狭くなるように変形されることで、耐震突起104と耐震突起嵌入溝131が隙間なく嵌め合わされるようになり、第2ハウジング84とフード部材122とが固定され、振動等に対して高い耐久性を得ることができるようになる。
【0047】
なお、フード部材122に第2ハウジング84取り付けられた場合には、第2ハウジング84の外周側とフード部材122の内側との間に隙間173が形成されるようになり、この隙間は、第1コネクタ部材12と第2コネクタ部材68が接続される際に、第1コネクタ部材12の嵌合部46が嵌まり込む部分となる(
図4C参照)。
【0048】
さらに、フード部材122の上面部142及び底面部144の内側には、第1ハウジング22に形成された突起部58が通過される通過溝146がそれぞれ形成されており、また、通過溝146の外側、すなわち、一方の側面部166側及び他方の側面部170側には、第1ハウジング22に形成された突部押圧突起59が案内される案内レール部148が両側の壁に挟まれるように形成されている。この案内レール部148の開口部126側には、突部押圧突起59により押圧される突部164が設けられている。
【0049】
さらに、フード部材122の上面部142及び底面部144の内側の略中央部分には、上面部142及び底面部144から貫通された軸受部150がそれぞれ形成されている。この軸受部150には、後述するレバー部材184の軸部194が回転自在に配置されるようになる。
【0050】
なお、フード部材122の上面部142及び底面部144の内側には、レバー部材184の爪部196が配置されるようになる。
【0051】
また、フード部材122の一方の側面部166の内側には、第1ハウジング22に形成された外側ガイド部56がガイドされる嵌合部ガイド溝168が形成されている。
【0052】
フード部材122の前面部124には、第2コネクタ部材68を組み立てる際に第2ハウジング84が挿入される開口部126が形成されている。この開口部126は、第1コネクタ部材12と接続される際に、第1ハウジング22の嵌合部46が嵌合される部分ともなる。なお、前面部124の上面部142側、底面部144側及び一方の側面部166側には、フード部材122の内側に形成された通過溝146や案内レール部148、嵌合部ガイド溝168に繋がる溝が形成されている。
【0053】
また、フード部材122の後面部128には、ワイヤー78が挿通される複数のワイヤー挿通孔132が前面部124側から貫通されて形成されている。このワイヤー挿通孔132は、信号用のものと、電源用のものが挿通されるようになっている。
【0054】
また、フード部材122の後面部128の上面部142側及び底面部144側には、後述するカバー部材204が取り付けられるカバー部材取付部134がそれぞれ形成されている。このカバー部材取付部134は、フード部材122の後面部128から板状のリブ136がそれぞれ突出されて形成されており、このリブ136の上面部142側及び底面部144側に突起状の一対の凸状部138が形成されている。
【0055】
また、フード部材122の後面部128から一方の側面部166及び他方の側面部170にかけて、一部が切り欠かれて段状に形成された段部172がそれぞれ設けられている。
【0056】
また、フード部材122の上面部142及び底面部144には、フード部材122の内部まで貫通された軸受部150がそれぞれ形成されている。また、上面部142及び後面部128に形成された軸受部150から後面部128にかけては挿通溝部152が形成されており、レバー部材184を組み立てる際に、レバー部材184の軸部194が挿通される部分となる。なお、挿通溝部152の後面側は傾斜部154がそれぞれ斜めに切り込まれて形成されている。この傾斜部154が形成されることで、レバー部材184の軸部194を挿通しやすくなっている。
【0057】
また、フード部材122の後面部128のカバー部材取付部134と上面部142との間には、板状部材140が軸受部150の略近接する位置に形成されている。この板状部材140はフード部材122にカバー部材204が取り付けられる際に、カバー部材204が沿うように移動される部分となる。さらに、フード部材122内側の板状部材140は、第1コネクタ部材12と第2コネクタ部材68が接続される際に、第1コネクタ部材12の第1嵌合部46と当接される部分となる(
図16、
図17参照)。
【0058】
また、フード部材122の上面部142及び底面部144には、前面部124側に突出して形成されたレバー部材規制部156と、後面部128側に形成されたレバー部材係止突起158がそれぞれ設けられている。このレバー部材規制部156とレバー部材係止突起158は、第2コネクタ部材68が組み立てられた際にレバー部材184の回転を規制するためにもうけられており、これらは、上面部142及び底面部144にそれぞれ一対ずつ設けられている。
【0059】
なお、レバー部材係止突起158は、反復移動可能な構成となっている。すなわち、上面部142及び底面部144の一方の側面部166側及び他方の側面部170側に、支点部160を軸に反復移動可能な棒状体162がそれぞれ設けられ、この棒状体162の前面部124側にフード部材122の内側に形成された突部164が形成され、前面部124側にレバー部材係止突起158が形成されている。そして、第1コネクタ部材12が接続される際に、第1ハウジング22の嵌合部46に形成された突部押圧突起59により、突部164が押圧されると、棒状体162が支点部160を軸に回転し、レバー部材係止突起158が突部164の押圧方向と反対方向に移動し、レバー部材184の係止が解除されるようになっている。
【0060】
次に、
図5、
図10を参照して、ワイヤーシール174について説明する。ワイヤーシール174は、所定の厚みを有し、複数のワイヤー78が挿通される複数のワイヤー挿通部176が形成された板状体であって、ゴム等の弾性力を有する弾性部材で形成されている。
【0061】
ワイヤーシール174は、第2ハウジング84と接して設けられる側には、複数の嵌入突起178が形成されており、第2ハウジング84に形成されたワイヤーシール嵌入溝96に嵌入されるようになる。
【0062】
また、ワイヤーシール174の外周部180には、環状に凹凸182が形成されている。
そして、ワイヤーシール174は、第2ハウジング84の第2後面92側の囲い部98の内部に取り付けられた状態で、第2ハウジング84と共にフード部材122に取り付けられるようになる。そのため、ワイヤーシール174は、フード部材122の内側に第2ハウジング84と挟まれるように配置されるようになる。
【0063】
次に、
図11を参照して、レバー部材184について説明する。レバー部材184は、所定長さの操作部186と、操作部186の両端側であって、対向するように延設された一対の腕部192と、一対の腕部192の端部側の内側に、向き合う方向にそれぞれ突出された軸部194と、軸部194の端部にそれぞれ形成された爪部196と、を有し、樹脂材料で形成されている。
【0064】
操作部186は、使用者がレバー部材184を操作するために用いる部分であり、腕部192が延設された側の反対の面には、例えば、滑り止めとしての複数の凹凸溝188が形成されている。
【0065】
また、操作部186の凹凸溝188が形成された面とは反対側の面の端辺には、ロック部190が形成されている。このロック部190は、第1コネクタ部材12と第2コネクタ部材68が接続された際に、後述するカバー部材204に形成されたロック突起216(
図12参照)に係止されて固定される部分である。
【0066】
また、腕部192は、所定長さの板体であって、レバー部材184が回転移動する際に、フード部材122の上面部142及び底面部144に沿って移動するようになる。
【0067】
また、軸部194は、腕部192と爪部196を繋ぐ部分であり、その長さは、フード部材122の上面部142及び底面部144に形成された軸受部150を通過できる程度、すなわち、フード部材122の上面部142及び底面部144の厚さと略同じ長さとなっている。なお、実施形態では、軸部194は、フード部材122に形成された挿通溝部152を挿通できるように板状に形成されている。
【0068】
また、爪部196は、第1コネクタ部材12の第1ハウジング22の嵌合部46に形成された突起部58を引っかけて、レバー部材184の回転に応じて、突起部58を引き込むように移動するようになる。なお、実施形態では、爪部196は、二又に分かれた略U字状の一対の爪片198で形成され、各爪片の間に突起部58を引き込むような空間としての引き込み部200が形成されるようになっている。
【0069】
また、爪部196の腕部192側には壁部202が形成されており、レバー部材184の回転により、他の部材に引っかかることを抑制している。
【0070】
次に、
図12を参照して、カバー部材204について説明する。カバー部材204は、フード部材122の後面部128側に取り付けられ、挿通された複数のワイヤー78を案内するような通路を形成するものである。
【0071】
カバー部材204のフード部材122に取り付けられる取付面206は、開放された開口となっている。また、カバー部材204は、取付面206から導かれたワイヤー78を案内するような通路が、第1コネクタ部材12と第2コネクタ部材68の嵌合方向に対して略直角方向に向かいように形成されており、取付面206の反対側の案内壁面214は傾斜して形成されている。また、取付面206と案内壁面214とを繋ぐように、カバー上面218、カバー底面220及びカバー側面222で囲まれており、カバー側面222と対向する側は、ワイヤー78が出されるために開放されている。
【0072】
また、カバー部材204の取付面206には、カバー上面218側及びカバー底面220側には、フード部材122の後面部128に形成されたカバー部材取付部134に取り付けられる被取付部208が形成されている。この被取付部208は、取付面206からフード部材122側に延設された板状のスライド部210と、このスライド部210の一部がスライド部210に対して直交する方向に突出された突状部212とで構成されている。
【0073】
また、スライド部210のカバー側面222側には、カバー部材取付部134に固定される固定突起232がそれぞれ形成されている。
【0074】
また、カバー部材204のカバー側面222側には、フード部材122側に延設された側壁部224が形成されている。
【0075】
さらに、カバー部材204の案内壁面214の外側には、レバー部材184のロック部190が固定されるロック突起216が形成されている。
【0076】
なお、フード部材122とカバー部材204の取り付けは、フード部材122のカバー部材取付部134に対して、カバー部材204の取付面206をフード部材122の他方の側面部170側からスライドさせて取り付ける。このとき、フード部材122のカバー部材取付部134のリブ136とカバー部材204のスライド部210が摺動されて移動され、フード部材122のカバー部材取付部134のリブ136に形成された凸状部138とカバー部材204のスライド部210に形成された突状部212が係止され、また、スライド部210に形成されたロック突起部223がフード部材122にロックされるようになる(
図8、
図9、
図12参照)。
【0077】
次に、
図13を参照して、リテーナ226について説明する。リテーナ226は、所定の厚さを有する板状体であって、複数の第2コンタクト70が挿通されるコンタクト挿通孔228と、第1コネクタ部材12の第1ハウジング22に形成されたガイド板部60が挿通される複数のガイド板部挿通溝230が形成されている。
【0078】
このコンタクト挿通孔228の上部229には、第2コンタクト70に形成された固定部83に嵌め込まれる固定突起232がそれぞれ形成されている。
【0079】
また、リテーナ226の両側部側234、234には、一対の取付片236が形成されており、取付片236の内側には、第2ハウジング84の一方の第2側面114及び他方の第2側面116に形成されたリテーナ係止突起118(
図7参照)に係止される係止用リブ238がそれぞれ形成されている。
【0080】
リテーナ226は、第2ハウジング84に第2コンタクト70が装着される前にリテーナ装着溝110に挿入しておき、第2ハウジング84の第2コンタクト収容部120に第2コンタクト70が収容された後、リテーナ226を押し込むことで、第2コンタクト70に形成された固定部83にリテーナ226の固定突起232が嵌まり込み、第2コンタクト70が位置決め固定されるようになる。
【0081】
シール部材240は、
図5に示すように、ゴム等の弾性力を有する弾性部材により環状に形成されており、第2ハウジング84の外周のシール部材装着部121に取り付けられる(
図4C参照)。そして、シール部材240は、第1コネクタ部材12と第2コネクタ部材68が接続された場合、第1ハウジング22の嵌合部46の内側と密着されることで、防水機能を有するものである。
【0082】
次に、
図1、
図14〜
図18を参照して、第1コネクタ部材12と第2コネクタ部材68の接続について説明する。
【0083】
第1コネクタ部材12と第2コネクタ部材68の接続は、まず、
図1、
図14に示すように、接続させる第1コネクタ部材12と第2コネクタ部材68を対応させて配置させる。このとき、第1コネクタ部材12の第1ハウジング22の嵌合部46の片方の側面側50に形成された外側ガイド部56と、第2コネクタ部材68のフード部材122の一方の側面部166に形成された嵌合部ガイド溝168とが対応するように配置させる。このようにすることで、第2コネクタ部材68が反対向きで接続されることを防止することができる。
【0084】
次に、
図15に示すように、第1コネクタ部材12の嵌合部46に第2コネクタ部材68を挿入させる。このとき、第1コネクタ部材12の嵌合部46が第2コネクタ部材68の第2ハウジング84とフード部材122の間の隙間173に挿入すると共に、この挿入の際に、嵌合部46の上面側48、底面側52、一方の側面側50及び他方の側面側50の内側にそれぞれ形成された複数の内側ガイド部54が、第2ハウジング84の第2上面106、第2底面112、一方の第2側面114及び他方の第2側面116にそれぞれ形成されたガイド溝108に案内され、また、嵌合部46の内側の第1ハウジング本体部24の第1前面26から突出された第1コンタクト14及び、第1前面26に形成されたガイド板部60が、第2ハウジング84の第2前面86に形成された第1コンタクト挿入部88及びガイド孔90にそれぞれ挿入される。なお、第1コンタクト14は、第2ハウジング84の第1コンタクト挿入部88から挿入された後、第2ハウジング84の第2コンタクト収容部120に収容された第2コンタクト70とそれぞれ接触されるようになる。
【0085】
さらに、この挿入の際に、嵌合部46の片方の側面側50の外周側に形成された外側ガイド部56が、第2コネクタ部材68のフード部材122の一方の側面部166の内側に形成された嵌合部ガイド溝168に案内され、また、嵌合部46の上面側48及び底面側52に形成された各突起部58が、フード部材122の上面部142及び底面部144の内側に形成された各通過溝146を通過されると共に、嵌合部46の上面側48及び底面側52の外周側に形成された各突部押圧突起59が、フード部材122の上面部142及び底面部144の内側に形成された案内レール部148に沿って移動されるようになる。
【0086】
このとき、突部押圧突起59が案内レール部148内に配置された突部164を押圧することで、突部164が形成された棒状体162が支点部160を軸に回転され、棒状体162の突部164と反対側に形成され、フード部材122の上面部142及び底面部144にそれぞれ配置されたレバー部材係止突起158が押し下げられ、レバー部材184の係止が解除されるようになる。
【0087】
さらにまた、このとき、第1コネクタ部材12の嵌合部46の上面側48及び底面側52に形成された各突起部58の片方に第2コネクタ部材68のレバー部材184の爪部196がそれぞれ当接するようになる。
【0088】
次に、
図16に示すように、第2コネクタ部材68のレバー部材184を回転させる。このレバー部材184を回転させることにより、レバー部材184の爪部196と嵌合部46の突起部58が係止された後、爪部196が突起部58を第2コネクタ部材68側に引き込むように移動されることで、第1コネクタ部材12と第2コネクタ部材68が互いに接近する方向、すなわち接続される方向に移動されるようになる。
【0089】
このレバー部材184の爪部196による突起部58の引き込みは、爪部196の一方の爪片198により突起部58が引っ掛けられ、レバー部材184の軸部194を中心に回転されることで爪片198が突起部58を回転方向に沿って押圧することで行われる。このとき、レバー部材184の爪部196の引き込み部200に突起部58が配置されるようになる。
【0090】
その後、
図17に示すように、さらにレバー部材184を回転させることで、嵌合部46の突起部58が第2コネクタ部材68のレバー部材184の爪部196により引き込まれるようになり、第1コネクタ部材12と第2コネクタ部材68がさらに近づくようになり、第1ハウジング22と第2ハウジング84が当接されるようになる。
【0091】
すなわち、第1コネクタ部材12の第1ハウジング22と、第2コネクタ部材68の第2ハウジング84は、
図19A、
図19Bに示すように、第1前面26と第2前面86が接近され、その後、
図19C、
図19Dに示すように、第1コネクタ部材12の第1ハウジング本体部24の第1前面26と、第2コネクタ部材68の第2ハウジング84の第2前面86が当接され、移動が規制されるようになる。
【0092】
このとき、第2コネクタ部材68のレバー部材184は、固定されておらず、レバー部材184のロック部190とカバー部材204のロック突起216がロックされるまで、まだ移動距離がある状態となっている。
【0093】
その後、
図18、
図19C、
図19Dに示すように、第1コネクタ部材12の第1ハウジング22と第2コネクタ部材68の第2ハウジング84が当接され、移動が規制された状態で、さらにレバー部材184を回転させ、レバー部材184の操作部186に形成されたロック部190を、カバー部材204に形成されたロック突起216にロックさせ、レバー部材184を固定させる。
【0094】
このとき、レバー部材184を回転させても第1コネクタ部材12と第2コネクタ部材68が移動ができないため、レバー部材184自体、実施形態では、レバー部材184の軸部194がねじれて弾性変形することでレバー部材184が移動されるようになり、レバー部材184の軸部194がねじれて弾性変形された状態で、カバー部材204とロックされ、固定されるようになる(
図18C参照)。
【0095】
そのため、第1コネクタ部材12と第2コネクタ部材68は、レバー部材184の軸部194がねじれて弾性変形された弾性力を有した状態で固定されているため、常に、第1コネクタ部材12と第2コネクタ部材68が接続される方向に押す力、すなわち、第1コネクタ部材12と第2コネクタ部材68を近づけるような力が働いている状態となり、がたつき等の不具合を抑制することができるようになる。
【0096】
なお、実施形態の第1コネクタ部材12に設けられた第1コンタクト14と第2コネクタ部材68の設けられた第2コンタクト70は、上述した第1コネクタ部材12と第2コネクタ部材68との接続に応じて、第2コンタクト70の第2接触部74(74a、74b)内に第1コンタクト14の第1接触部18(18a、18b)が徐々に挿入されることで行われるようになる。
【0097】
以上で第1コネクタ部材12と第2コネクタ部材68の接続が完了する。なお、第1コネクタ部材12と第2コネクタ部材68の接続を解除する場合は、レバー部材184のロック部190をカバー部材204のロック突起216から外すことで容易に行うことができる。
【0098】
なお、実施形態では、レバー部材184の軸部194は、板状に形成された場合を説明したが、これに限らず、棒状、例えば、円柱状や角柱状等の形状にすることができる。その際、フード部材に形成された挿通溝部の形状が軸部に応じて変形されるようになる。
【0099】
また、実施形態では、レバー部材の軸部がねじれることで、弾性力を得るようにされているが、これに限らず、腕部や爪部が変形されることで、弾性力を得るようにしてもよい。
【0100】
また、実施形態では、第1コネクタ部材12の第1ハウジング本体部24の第1前面26と、第2コネクタ部材68のフード部材122の前面部124とは、フード部材122の前面部124の面で当接することに限らず、例えば、フード部材122の前面部124に突起物を形成し、この突起物を第1ハウジング本体部24と当接させる点接触としてもよい。
【0101】
また、実施形態では、レバー部材184は、樹脂材料で形成された場合を説明したが、これに限らず、弾性変形し弾性力を発生する材料、例えば、金属材料で形成してもよい。