(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0007】
本出願の実施形態は、VPLMNネットワークに長時間にわたってキャンプオンすることを効果的に回避する、すなわち、端末機器がVPLMNネットワークから戻ってHPLMNネットワークにキャンプオンする速度を上げるために、ネットワーク探索方法および端末機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これを考慮して、本出願の第1の態様は、ネットワーク探索方法を提供し、
本ネットワーク探索方法は端末機器に適用され、端末機器にはSIMカードがインストールされており、本方法は、端末機器が在圏公衆陸上移動網VPLMNにキャンプオンすると、SIMカードに対応するモバイル国コードMCCホームエリアを決定するステップと、端末機器がMCCホームエリアに入ったかまたはMCCホームエリアに入ろうとしているかどうかを判断するステップと、端末機器がMCCホームエリアに入ったかまたはMCCホームエリアに入ろうとしている場合、ネットワーク探索をトリガするステップと、を含む。
【0009】
すなわち、端末機器が端末機器はMCCホームエリアに入ったと判断したことを条件として、ネットワーク探索がトリガされる。先行技術と比較して、本出願では、端末機器がVPLMNネットワークにキャンプオンすると、端末機器が端末機器はMCCホームエリア、すなわち、MCC所属エリアに入ったと判断したことを条件としてネットワーク探索がトリガされる。端末機器がHPLMNネットワークのカバレッジエリア内にある場合、端末機器は、探索をトリガした後、VPLMNネットワークから即座に戻ってHPLMNネットワークにキャンプオンしうる。これにより、端末機器がVPLMNネットワークに長時間にわたってキャンプオンするという問題を解決することができ、端末機器がVPLMNネットワークから戻ってHPLMNネットワークにキャンプオンする速度が上がる。
【0010】
1つの可能な設計では、端末機器がMCCホームエリアに入るかどうかを判断するステップは、
第1のセルの数を決定し、第1のセル内の第2のセルの割合を決定するステップであって、第1のセルが、端末機器が現在見つけることができるすべてのセルであり、第2のセルが、第1のセル内の、そのMCCがSIMカードに対応するMCCと同じであるセルである、ステップと、
第1のセル内の第2のセルの割合が事前設定割合より大きい場合、端末はMCCホームエリアに入ると判断するステップであって、事前設定割合が0ではない、ステップと
を特に含む。
【0011】
この解決策の実現可能性を高めるために端末機器がMCCホームエリアに入るかどうかを判断する方法が提供される。
【0012】
1つの可能な設計では、端末機器は、第1のセル内の第2のセルの割合に従って第1の時間測定持続時間を決定し、第1の時間測定持続時間をターゲットタイマの時間測定持続時間として設定し、端末機器がMCCホームエリアに入ると判断すると時間測定を開始し、ターゲットタイマの時間が第1の時間測定持続時間を超えると、ネットワーク探索をトリガしうる。
【0013】
好ましくは、1つの可能な設計では、端末機器が、第1のセル内の第2のセルの割合に従って第1の時間測定持続時間を決定するステップは、前述のように特に実施されうる。
次式に従って第1の時間測定持続時間T1を決定するステップであって、
【数1】
式中、
【数2】
であり、
Pは、第1のセル内の第2のセルの割合であり、P’は、事前設定割合である、ステップ。
【0014】
端末機器が、Pの値に従って、端末機器はMCCホームエリアに入ったと判断すると、端末機器がネットワーク探索をトリガする時間が、前述の計算式に従って調整されうる。これにより、端末機器がVPLMNネットワークに長時間にわたってキャンプオンするのを効果的に防ぎ、VPLMNネットワークから戻ってHPLMNネットワークにキャンプオンする速度を上げることができる。
【0015】
1つの可能な設計では、第1のセル内の第2のセルの割合が事前設定割合以下である場合、第1のセル内の第2のセルの割合に従って第2の時間測定持続時間が決定され、第2の時間測定持続時間がターゲットタイマの持続時間として設定され、ターゲットタイマの時間が第2の時間測定持続時間を超えると、ネットワーク探索がトリガされる。
【0016】
好ましくは、1つの可能な設計では、端末機器が、第1のセル内の第2のセルの割合に従って第2の時間測定持続時間を決定するステップは、以下のように特に実施されうる。
次式に従って第2の時間測定持続時間T2を決定するステップであって、
【数3】
式中、
Tは、SIMカードのより高い優先度のPLMN探索期間EF−HPPLMNフィールドの値に対応する持続時間である、ステップ。
【0017】
端末機器がPの値は事前設定値P’未満であると判断すると、端末機器は、Pの値に従って、ネットワーク探索をさらにトリガし、Pの値に従って、端末機器の頻繁な探索動作を効果的に低減させるように、ネットワーク探索をトリガする時間を、動的に調整しうる。これにより、端末機器がVPLMNネットワークに長時間にわたってキャンプオンするのを効果的に防ぎ、VPLMNネットワークから戻ってHPLMNネットワークにキャンプオンする速度を上げることができる。
【0018】
1つの可能な設計では、端末機器がMCCホームエリアに入るかまたはMCCホームエリアに入ろうとしているかどうかを判断するステップは、代替として、以下のように実施されてもよい。
全地球測位システム(英語正式名:Global Positioning System、略称GPS)測位に従って、端末機器がMCCホームエリアに入るかまたはMCCホームエリアに入ろうとしているかどうかを判断するステップ、または
接続されたワイヤレスフィデリティ(英語正式名:Wireless Fidelity、略称WIFI)測位に従って、端末機器がMCCホームエリアに入るかまたはMCCホームエリアに入ろうとしているかどうかを判断するステップ。
【0019】
すなわち、この解決策の多様性を高めるために端末機器がMCCホームエリアに入るかまたはMCCホームエリアに入ろうとしているかどうかを判断する方法が提供される。
【0020】
1つの可能な設計では、端末機器がMCCホームエリアに入ろうとしているかどうかを判断するステップの前に、本方法は、
第3のセルの識別情報および第3のセルの近隣のセルの識別情報を記録するステップであって、第3のセルが、端末機器がMCCホームエリアからVPLMNエリアに入るときにキャンプオンする最初のVPLMNセルである、ステップと、
識別情報に従って、現在キャンプオンされているセルが第3のセルまたは第3のセルの近隣のセルであると判断した場合、端末機器はMCCホームエリアに入ろうとしていると判断するステップと
をさらに含む。
【0021】
1つの可能な設計では、ネットワーク探索をトリガするステップは、具体的には、より高い優先度のPLMN探索をトリガするというやり方でネットワーク探索を行うステップである。
【0022】
1つの可能な設計では、ネットワーク探索をトリガした後、端末機器は、いくつか規格のネットワーク上でのみ探索を行う。いくつかの規格のネットワークには、以下のネットワークのうちの少なくとも1つが含まれうる。
移動通信用グローバルシステム(英語正式名:Global System for Mobile Communication、略称GSM(登録商標、以下同じ))ネットワーク、
広帯域符号分割多元接続(英語正式名:Wideband Code Division Multiple Access、略称WCDMA(登録商標))ネットワーク、または
ロング・ターム・エボルーション(英語正式名:Long Term Evolution、略記LTE)ネットワーク。
【0023】
より高い優先度のPLMN探索をトリガした後、端末機器は、相対的に高いカバー率を有するGSMネットワークなど、いくつかのネットワーク規格のネットワークのみを探索しうる。これにより、端末機器がVPLMNネットワークから戻ってHPLMNネットワークにキャンプオンする速度を上げることができ、端末機器の電力消費をさらに削減することができる。
【0024】
第2の態様によれば、本出願の一実施形態は端末機器を提供し、本端末機器は、第1の態様の方法設計で端末機器の動作を実施する機能を有する。各機能は、ハードウェアで実装されてもよく、または対応するハードウェアで実行されるソフトウェアによって実装されてもよい。ハードウェアまたはソフトウェアは、前述の機能に対応する1つまたは複数のモジュールを含む。各モジュールはソフトウェアおよび/またはハードウェアでありうる。
【0025】
1つの可能な設計では、本端末機器は、
端末機器がVPLMNにキャンプオンすると、SIMカードに対応するMCCホームエリアを決定する、ように構成される、読取モジュールと、
端末機器がMCCホームエリアに入ったかまたはMCCホームエリアに入ろうとしているかどうかを判断し、処理モジュールが、端末機器がMCCホームエリアに入ったかまたはMCCホームエリアに入ろうとしていると判断した場合、探索モジュールをトリガしてネットワーク探索を行わせる、ように構成される、処理モジュールと、
処理モジュールによるトリガに従ってネットワーク探索を行うように構成される、探索モジュールと、
を含む。
【0026】
1つの可能な設計では、端末機器の構造は、無線周波数モジュールと、アンテナと、バスと、メモリと、プロセッサと、を含み、無線周波数モジュールと、プロセッサと、メモリとはバスを使用して接続されており、プロセッサは、第1の態様における方法の手順のために構成される。
【0027】
第3の態様によれば、本出願の一実施形態はコンピュータ記憶媒体を提供し、本コンピュータ記憶媒体は、プログラムコードを格納し、プログラムコードは、第1の態様または第2の態様の方法を実行するのに使用される。
【0028】
先行技術と比較して、前述の技術解決策から分かるように、端末機器がVPLMNにキャンプオンすると、SIMカードに対応するMCCホームエリアを決定し、次いで、端末機器がMCCホームエリアに入ったかまたはMCCホームエリアに入ろうとしているかどうかを判断することができ、端末機器がMCCホームエリアに入ったかまたはMCCホームエリアに入ろうとしている場合、ネットワーク探索がトリガされる。端末機器が端末機器はMCCホームエリアに入ったかまたはMCCホームエリアに入ろうとしていると判断すると、ネットワーク探索がトリガされることを理解されたい。先行技術と比較して、本出願では、端末機器がHPLMNのカバレッジエリア内にある場合、端末機器がVPLMNに長時間にわたってキャンプオンするのを効果的に防ぐことができ、端末機器がVPLMNネットワークから戻ってHPLMNネットワークにキャンプオンする速度が上がる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本出願の実施形態は、ネットワーク探索方法および端末機器を提供する。本方法は端末機器に適用される。端末機器には加入者識別モジュールSIMカードがインストールされている。端末機器がVPLMNネットワークにキャンプオンすると、SIMカードに対応するMCCホームエリアが決定される。端末機器はMCCホームエリアに入ったかまたはMCCホームエリアに入ろうとしていると判断されると、ネットワーク探索がトリガされる。先行技術と比較して、本出願では、端末機器がHPLMNネットワークのカバレッジエリア内にある場合、端末機器がVPLMNネットワークに長時間にわたってキャンプオンするのを効果的に防ぐことができ、端末機器がVPLMNネットワークから戻ってHPLMNネットワークにキャンプオンする速度が上がる。
【0031】
当業者に本出願の技術的解決策をよりよく理解させるために、以下で、本出願の実施形態における添付の図面を参照して、本出願の実施形態における技術的解決策を明確かつ十分に説明する。明らかに、説明される実施形態は本出願の実施形態の全部ではなく一部にすぎない。本出願の実施形態に基づいて当業者が難なく得ることができる他のすべての実施形態は、本出願の保護範囲内に含まれるものとする。
【0032】
本出願の実施形態における技術的解決策は、GSMシステム、符号分割多元接続(英語正式名:Code Division Multiple Access、略称CDMA)システム、広帯域符号分割多元接続システム、汎用パケット無線サービス(英語正式名:General Packet Radio Service、略称GPRS)システム、LTEシステム、ユニバーサル移動電話システム(英語正式名:Universal Mobile Telecommunications System、略称UMTS)、将来の5G通信システム、などの無線セルラネットワークの様々な通信システムに適用されうる。これについては本出願では限定されない。
【0033】
本出願の実施形態における端末機器は、ユーザに音声および/またはデータ接続を提供するデバイス、無線接続機能を備えるハンドヘルドデバイス、または無線モデムに接続された別の処理装置でありうることに留意されたい。端末機器は、無線アクセスネットワーク(英語正式名:Radio Access Network、略称RAN)を使用して1つまたは複数のコアネットワークと通信しうる。端末機器は、携帯電話(または「セルラ」電話とも呼ばれる)や移動端末を備えたコンピュータなどの移動端末であってよく、例えば、携帯型、ポケットサイズ、ハンドヘルド型、コンピュータ内蔵型、または車載のモバイル装置であってよく、無線アクセスネットワークと音声および/またはデータをやりとりする。例えば、端末機器は、パーソナル通信サービス(英語正式名:Personal Communication Service、略称PCS)電話機、コードレス電話機、セッション開始プロトコル電話セット、ワイヤレス・ローカル・ループ(英語正式名:Wireless Local Loop、略称WLL)局、または携帯情報端末(英語正式名:Personal Digital Assistant、略称PDA)などのデバイスである。端末機器は、ユーザ機器(英語正式名:User Equipment、略称UE)、移動局(英語正式名:Mobile Station、略称MS)、リモート局(英語正式名:Remote Station、略称RS)、リモート端末(英語正式名:Remote Terminal、略称RT)、アクセス端末(英語正式名:Access Terminal、略称AT)などとも呼ばれうる。これについては本出願では限定されない。
【0034】
国際移動体加入者識別情報(英語正式名:international mobile subscriber identity、略称IMSI)は、移動体加入者を一意に識別するために国際的に割り当てられた番号であることを理解されたい。IMSIは全部で15桁あり、MCC、通信事業者コード(英語正式名:Mobile Network Code、略称MNC)、および移動体加入者識別番号(英語正式名:Mobile Subscriber Identification Number、略称MSIN)を続けて含む。MCCリソースは、国際電気通信連合(英語正式名:International Telecommunication Union、略称ITU)によって一元的に割り当てられ、管理され、移動体加入者が属する国を一意に識別するのに使用され、全部で3桁を含む。例えば、中国のMCCは460であり、米国のMCCは310であり、香港のMCCは454である。本出願の実施形態に記載されるMCCホームエリアは、端末機器にインストールされたSIMカードのMCCに対応する国または地域である。MCCホームエリアには複数のHPLMNセルが含まれている。
【0035】
端末機器が低優先度のPLMNにキャンプオンしているとき、端末機器は、ネットワーク探索、すなわち、SIMカードのEFHPPLMNによって指定された時間間隔、すなわち、より高い優先度のPLMN探索タイマの持続時間に従った、より高い優先度のPLMN探索を何度も行う必要があることを理解されたい。ネットワーク探索は一般に、特定の実装に従って決定された特定の優先順位に従って行われる。より高い優先度の探索は一般に、HPLMNネットワークについて行われる。例えば、この探索は、以下の優先順位に従って行われる。HPLMN>EHPLMN>ユーザ制御のPLMN(英語正式名:User Controlled PLMN、略称OPLMN)/事業者制御のPLMN (英語正式名:Operator Controlled PLMN、略称UPLMN)>VPLMN。すなわち、HPLMNネットワークの探索優先度がより高いネットワーク探索優先度である。
【0036】
端末機器が、端末機器にインストールされたSIMカードの国際移動体加入者識別情報に対応するHPLMNとは異なるネットワークにある場合、それは端末機器がVPLMNネットワークでローミングしていることを指示することを理解されたい。一般に、異なる事業者の同じMCCのPLMNについては、事業競争関係があるため、ローミング協定が結ばれていない。例えば、China Mobileの加入者はChina Unicomのネットワークサービスを使用することができず、China Mobileの加入者は、China UnicomのPLMNに登録しようとすると拒絶されることになる。異なるMCCのPLMNについては、HPLMNのカバレッジを超えて移動するユーザが基本通信サービスを使用できるようにするために、ローミング協定が結ばれている。例えば、China Mobileの加入者が米国およびカナダのローミングサービスに申し込んでいる場合、その加入者は米国事業者の移動通信サービスを使用することができる。本出願の実施形態におけるVPLMNは、端末機器のMCCとは異なるMCCのVPLMNである。
【0037】
図1を参照すると、
図1は、地理的境界の周囲のセル・カバレッジ・エリアの概略的シナリオ図である。
図1では、円内のエリアは、セルのカバレッジエリアを表している。円Aは、MCCホームエリア、すなわち、端末機器のSIMカードに対応するHPLMNセルによってカバーされるエリアを表している。円Bは、VPLMNエリアセルによってカバーされるエリアを表している。円Cは、別の事業者のセルのカバレッジエリアを表している。円Aで表されたセルのMCCは円Bで表されたセルのMCCと同じであるが、円Cで表されたセルのMCCとは異なる。
【0038】
異なるMCCの地域または国の境目、すなわち、
図1に示す地理的境界線上では、基地局の配備位置は地域境界によって制限されるが、基地局の信号は、物質的ではないので、境界によって制限されないこと理解されたい。したがって、地理的境界線付近に位置している端末機器は通常、異なるMCCの基地局からも信号を受信することができる。
【0039】
図1に示すように、端末機器1は地理的境界線上にあり、MCCホームエリア内のHPLMNセルのカバレッジエリアとVPLMNセルのカバレッジエリアの両方に含まれている。端末機器1は、両方のカバレッジエリアで、HPLMNセルまたはVPLMNエリアセルによって提供された移動通信サービスを取得することができる。あるいは、端末機器2で示されるように、端末機器2は、VPLMNエリア内にあり、HPLMNセルとVPLMNセルのカバレッジエリア内にあり、端末機器2は、HPLMNセルまたはVPLMNエリアセルによって提供された移動通信サービスを取得することができる。
【0040】
地理的境界線上のHPLMNネットワークのカバー率がVPLMNネットワークのカバー率より低い場合、例えば、
図1では、端末機器はMCCホームエリア内にあるが、端末機器はVPLMNネットワークにたびたびキャンプオンしうる。
【0041】
端末機器がVPLMNネットワークにキャンプオンしているとき、端末機器は、端末機器が端末機器はMCCホームエリアに入ったかまたはMCCホームエリアに入ろうとしていると判断したことを条件として、ネットワーク探索をトリガする。
図1に示すように、端末機器がMCCホームエリア内にある場合、ネットワーク配備特性から、端末機器はHPLMNネットワークのカバレッジエリア内にある可能性が最も高いことが分かる。この場合、端末機器がVPLMNネットワークにキャンプオンしているときに、端末機器は、ネットワーク探索をトリガしうる。これにより、VPLMNネットワークに長時間にわたってキャンプオンすることが効果的に回避され、すなわち、端末機器がVPLMNネットワークから戻ってHPLMNネットワークにキャンプオンする速度を上げることができる。
【0042】
図2を参照すると、
図2は、本出願の一実施形態によるネットワーク探索方法の一実施形態の概略流れ図である。以下のステップが含まれる。
【0043】
201:端末機器が、在圏公衆陸上移動網VPLMNにキャンプオンすると、SIMカードに対応するMCCホームエリアを決定する。
【0044】
端末機器がVPLMNネットワークにキャンプオンすると、SIMカードに対応するMCCホームエリアが決定されうる。本出願の本実施形態に記載されているSIMカードは、端末機器にインストールされているカードである。
【0045】
SIMカードにはIMSIを含む加入者識別データが格納されている。IMSIは、カード発行事業者のMCC、MNC、および移動体加入者識別番号(英語正式名:Mobile Subscriber Identification Number、略称MSIN)を続けて含む。したがって、SIMカードが端末機器にインストールされ、有効になっている場合、SIMカードに記録されたIMSI情報に従ってSIMカードに対応するMCCを決定して、SIMカードに対応するMCCホームエリアを決定することができる。
【0046】
202:端末機器がMCCホームエリアに入るかまたはMCCホームエリアに入ろうとしているかどうかを判断する。
【0047】
203:端末機器がMCCホームエリアに入るかまたはMCCホームエリアに入ろうとしている場合、ネットワーク探索をトリガする。
【0048】
理解と説明を容易にするために、端末機器がMCCホームエリアに入るかどうかおよび端末機器がMCCホームエリアに入ろうとしているかどうかについて以下で別々に説明する。
【0049】
1.端末機器は端末機器がMCCホームエリアに入るかどうかを判断する。判断することは具体的には複数のやり方であってよく、これについて具体的な実施形態を使用して以下で別々に説明する。
【0050】
図3は、
図2のステップ202における端末機器がMCCホームエリアに入るかどうかを判断する方法の概略流れ図である。詳細について、
図3を参照する。
【0051】
301:端末機器は第1のセルの数を決定する。
【0052】
第1のセルは、端末機器が現在見つけることができるすべてのセルである。
【0053】
例えば、例1では、端末機器が3つのChina Mobileのセル、1つのChina Telecomのセル、および中国の外部の事業者の3つのセルを見つけた場合、第1のセルの数は7である。
【0054】
302:端末機器は、第1のセル内の第2のセルの割合を決定する。
【0055】
第2のセルは、現在のセル内の、そのMCCがSIMカードに対応するMCCと同じセルである。第2のセルの数xおよび第1のセルの数yを決定した後、端末機器は、第1のセルの数における第2のセルの数の割合Pを、式P=x/yに従って計算しうる。
【0056】
例1に示すように、第1のセルは、3つのChina Mobileセルと1つのChina Telecomセルの和であり、全部で4つである。
【0057】
当業者であれば分かるように、すべてのセルにおける、端末機器によるネットワークスキャンによって見つかる第2のセルの割合は、端末機器と地理的境界線との間の距離との関連性を有する。
【0058】
第1のセルの数および第2のセルの数は、ネットワーク探索プロセスにおいて端末機器によって記録される、すなわち、ネットワーク切断によりトリガされる再探索において、または端末機器によるより高い優先度のPLMN探索プロセスにおいて、ネットワーク探索をトリガする
図2のステップ202の前に、取得されることに留意されたい。これら2つの数の差は、端末機器が元のセルにキャンプオンしているかどうかによるものであることが理解できる。ネットワーク切断によりトリガされる再探索は、端末機器がどんなセルにもキャンプオンしていないときに行われる探索である。より高い優先度のPLMN探索が行われる場合、端末機器はまだ元のセルにキャンプオンしている。キャンプしていることは、端末機器がネットワーク側のページングを受信できるかどうかを指示する。
【0059】
303:端末機器は、第1のセル内の第2のセルの割合が事前設定割合より大きいかどうかを判断する。
【0060】
式P=x/yに従ってPの値を計算した後、端末機器は、Pの値が事前設定割合P’以上であるかどうかをさらに判断する。
【0061】
304:第1のセル内の第2のセルの割合が事前設定割合より大きい場合、端末は端末機器がMCCホームエリアに入ったと判断する。
【0062】
Pの値が事前設定割合P’より大きいと判断すると、端末機器は、端末機器がMCCホームエリアに入ると判断する。
【0063】
当業者であれば分かるように、端末機器が地理的境界線上に、すなわち、異なるMCCの地域または国の境目に、例えば、
図1に示す地理的境界線上に位置しているとき、境界の両側のネットワーク配備密度がほぼ同じである場合、P’の値は0.5に設定されるはずであり、ローミングネットワークのネットワーク分布密度がローカルネットワークのネットワーク分布密度より高い場合、P’の値は0.5未満に設定されうる。P’の具体的な値は、実際の適用シナリオに従って設定されうることに留意されたく、これについては本出願では特に限定されない。
【0064】
以上から分かるように、Pの値と地理的境界線との間の関連性に従い、第2のセルの数の割合を指示する計算されたPの値がP’より大きい場合、それは端末機器がMCCホームエリア内に位置していることを指示する。計算されたPの値がP’の値以下である場合、それは端末機器がローミングVPLMNエリア内、すなわち、MCCホームエリアの反対側にあることを指示する。端末機器がMCCホームエリア内にある場合、端末機器は一般に、現地国または現地事業者のセルのネットワーク・カバレッジ・エリア内にある。
【0065】
例1では、具体的には、P’が0.5であることが説明例として使用されている。例1では、x=4およびy=7が得られ、したがって、計算されたPの値は0.57にほぼ等しく、0.5より大きい。これは、端末機器がMCCホームエリアに入り、したがって、HPLMNカバレッジ内に位置している可能性が非常に高いことを指示する。
【0066】
本出願のいくつかの実施形態では、端末機器がMCCホームエリアに入ると判断した後、端末機器は、ネットワーク探索を即座にトリガし、または事前設定時間後に、例えば、5分のうちにHPLMNネットワークの探索をトリガしうることに留意されたい。事前設定時間は、実際の用途に従って設定されてよく、本出願では限定されない。
【0067】
好ましくは、いくつかの実施形態では、第1の時間測定持続時間がPの値に従って決定されてよく、第1の時間測定持続時間はターゲットタイマの時間測定持続時間として設定される。端末機器は、ターゲットタイマの時間が満了したときにのみネットワーク探索をトリガする。すなわち、端末機器がMCCホームネットワークに入ると判断したときに端末機器がネットワーク探索をトリガする時間がさらに制限される。具体的には、第1の時間測定持続時間はPの値に従って以下のように決定されうる。
【0068】
端末機器は、次式に従って第1の時間測定持続時間T1を計算しうる。
【数4】
式中、
【数5】
である。
【0069】
この場合、T1は、前述の式加えて、別の計算式を使用してまたは別のやり方でPの値に従って取得されてもよいことにさらに留意されたい。これについては本出願では限定されない。
【0070】
例えば、端末機器は、T1の対応する値を、事前設定マッピングリストを使用して決定してもよい。事前設定マッピングリストは、端末機器によって事前に構成される。事前設定マッピングリストには、Pの値とT1との間のマッピング関係が格納されており、すなわち、Pの値はT1の所定の値に対応している。端末機器は、事前設定マッピングリストをルックアップすることによって計算されたPの値に従って対応するT1を決定し、見つかったT1に従ってターゲットタイマの時間測定持続時間を最終的に設定しうる。
【0071】
端末機器がVPLMNネットワークにキャンプオンしており、端末機器が端末機器はMCCホームエリアに入ると判断すると、端末機器は、VPLMNネットワークに長時間にわたってキャンプオンするのを効果的に回避するように、端末機器とMCCホームエリアとの間の位置関係に従って、ネットワーク探索をトリガする時間を動的に調整する。加えて、探索時間を調整することにより、端末機器が探索を頻繁にトリガする動作を効果的に低減させ、端末機器の電力消費を削減することができる。
【0072】
本出願のいくつかの実施形態では、端末機器がPの値はP’以下であると判断すると、端末機器は、Pの値に従って第2の時間測定持続時間を決定し、第2の時間測定持続時間をターゲットタイマの持続時間として設定しうることに留意されたい。
【0073】
すなわち、端末機器がPの値は事前設定値P’以下であると判断すると、端末機器は、Pの値に従ってターゲットタイマの持続時間を代替的に設定しうる。端末機器は、ターゲットタイマの時間が第2の時間測定持続時間を超えたときにのみネットワーク探索をトリガする。具体的には、第2の時間測定持続時間はPの値に従って以下のように決定されうる。
【0074】
端末機器は、次式に従って第2の時間測定持続時間T2を計算する。
【数6】
式中、Tは、SIMカードのより高い優先度のPLMN探索期間EF−HPPLMNフィールドの値に対応する持続時間である。
【0075】
本出願のいくつかの実施形態では、この場合、事前設定割合P’は0.5であると想定され、計算されたPの値が0.5未満であるとき、当業者には分かるようにこの場合、端末機器はVPLMNエリア内に位置していることに留意されたい。Pの値は、端末機器と地理的境界線との間の距離に関連する。Pの値がより小さいことは、端末機器が見つけられるMCCホームエリアのセルがより少ないことを指示する。したがって、端末機器によって計算されたPの値が0.5未満、すなわち、事前設定割合P’未満である場合、端末は、特定のPの値に従って探索時間をさらに決定しうる。
【0076】
例えば、0.2<P<0.5の場合、端末機器は、第2の時間測定持続時間T2に従ってターゲットタイマの持続時間を設定し、ターゲットタイマの時間が満了したときにのみネットワーク探索をトリガする。この範囲内では、端末機器はVPLMNエリア内に位置しているが、端末機器は地理的境界線により近いことを理解されたい。この場合、端末機器は、T2に従ってターゲットタイマの時間測定持続時間を設定する。これにより、探索トリガ時間が短縮され、端末機器がVPLMNネットワークから戻ってHPLMNネットワークにキャンプオンする速度が上がる。
【0077】
P≦0.2の別の場合には、端末機器は、既存のプロトコルに従ってネットワーク探索をトリガする、すなわち、SIMカードのEF−HPPLMNフィールドの値に対応する持続時間に従って設定された時間測定持続時間に従ってネットワーク探索をトリガする。この範囲内では、端末はVPLMNエリア内に位置しているが、0.2<P<0.5の場合と比較して、端末機器は地理的境界線からより遠く、見つけられるMCCホームエリアのセルがより少ないことを理解されたい。この場合には、VPLMNエリアセルによってカバーされる確率がより高く、端末機器は、探索トリガ時間を短縮も延長もせずに、既存のプロトコルに従ってネットワーク探索をトリガしる。これにより、端末機器が戻ってHPLMNネットワークに戻ることができ、また端末機器の電力消費を削減できることが保証される。
【0078】
同様に、端末機器がPの値はP’以下であると判断すると、T2が、前述の式と異なる別の計算方法でPの値に従ってさらに計算されてもよく、これについては本出願では特に限定されないことを理解されたい。
【0079】
端末機器は、Pの値に従う以外の以下の方法のいずれか1つまたは組み合わせで、端末機器がMCCホームエリア内に位置しているかどうかをさらに判断しうる。
【0080】
方法1:端末機器は、全地球測位システム(英語正式名:Global Positioning System、略称GPS)測位に従って、端末機器がMCCホームエリアに入るかどうかを判断しうる。
【0081】
端末機器がネットワークに接続されており、データサービスが利用できる場合、端末機器は、サーバから地理的境界線の緯度経度データをダウンロードして、端末機器がMCCホームエリア内に位置しているかどうかを判断しうる。例えば、端末機器の位置の緯度経度と地理的境界線の緯度経度との差が事前設定範囲内である場合、それは端末機器がMCCホームエリア内に位置していることを指示する。
【0082】
方法2:端末機器は、接続されたワイヤレスフィデリティ(英語正式名:Wireless−Fidelity、略称WIFI)測位に従って、端末機器がMCCホームエリアに入るかどうかを判断しうる。例えば、端末機器は、事前構成、サーバからの取得、または自動学習の要領で、WiFiホットスポットがMCCホームエリア内に位置しているかどうかを知ることができる。
【0083】
理解を容易にするために、自動学習を説明例に使用する。
【0084】
端末機器がWiFiホットスポットAに接続され、またはスキャンによってホットスポットAを見つけると、端末機器は同時にHPLMNネットワークにキャンプオンする。端末機器がWiFiホットスポットBに接続され、またはスキャンによってホットスポットBを見つけると、端末機器はVPLMNネットワークにキャンプオンする。この場合、端末機器はホットスポットAおよびホットスポットBに関する関連情報を保存し、ホットスポットAをMCCホームエリアにおけるWiFiホットスポットとして定義する。次いで、端末機器がVPLMNネットワークにキャンプオンしているが、WiFiホットスポットAに接続され、またはスキャンによってWi−FiホットスポットAを見つけると、端末機器は端末機器がMCCホームエリアに入ると判断する。
【0085】
この場合、本出願のいくつかの実施形態では、端末機器によって接続されたWiFiホットスポット、例えば、端末機器によって接続されたWiFiホットスポットCが、MCCホームエリア内に位置しておらず、VPLMNエリアに位置している場合、それは端末機器がVPLMNエリア内にある可能性が最も高いことを指示することに留意されたい。この場合、端末機器は、ある期間においてVPLMNエリアを離れない可能性が最も高くなる。したがって、端末機器がまだホットスポットCのカバレッジエリア内にある場合、端末機器はネットワーク探索をトリガしない。
【0086】
端末機器は、前述のGPS測位の方法またはWi−Fi測位の方法で、端末機器がMCCホームエリアに入るかどうかを判断してもよく、別の方法で、端末機器がMCCホームエリア内に位置しているかどうかを判断してもよく、例えば、端末機器は、基地局測位の方法で、端末機器がMCCホームエリア内に位置しているかどうかを判断してもよく、これについては本出願では特に限定されないことに留意されたい。
【0087】
本出願のいくつかの実施形態では、端末機器がPの値は0であると判断すると、端末機器は、既存のプロトコルによる実行を行い、すなわち、SIMカードのEF−HPPLMNフィールドの値に対応する持続時間に従って設定された時間測定持続時間に従ってネットワーク探索をトリガすることに留意されたい。
【0088】
前述の実施形態におけるターゲットタイマは、個別タイマであってもよく、より高い優先度のPLMN探索タイマであってもよく、これについては本出願では特に限定されない。ターゲットタイマがより高い優先度のPLMN探索タイマである場合、それに対応して、ネットワーク探索をトリガすることは、より高い優先度のPLMN探索をトリガするというやり方でネットワーク探索を行うことであることを理解されたい。
【0089】
本出願のいくつかの実施形態では、ネットワーク探索をトリガすることは、以下の方法でさらに実施されうる。
【0090】
図4に示すように、
図4の円は、VPLMN境界エリアにおけるセルカバレッジである。配備されたネットワークセルの理想的なカバレッジエリアは連続していなければならず、セルのカバレッジエリア間にカバレッジホールがないことを理解されたい。建物、郊外、またはネットワーク側に基地局を配備するのが容易ではない場所には、カバレッジホールが存在しうる。図の楕円領域に示すように、楕円領域は、端末機器がネットワーク信号を受信できない場所である。端末機器がVPLMNセルのカバレッジ内に位置している場合、ネットワーク側は端末機器に、一般には、そのカバレッジエリアがVPLMNセルのカバレッジエリアとオーバーラップするセル、すなわち近隣のセルである、近くにある別のセルを知らせる。次いで、端末機器は、端末機器がセル間でシームレスにハンドオーバされるように、対応するセルにキャンプオンしうる。しかし、携帯電話が地理的境界線をまたいで移動するかカバレッジホールに入った場合、その信号が現在のセルより強い近隣のセルがない。この場合、端末機器はネットワーク探索をトリガする。この方法は、この特徴を使用して探索を開始するものである。というのは、前述の事例が当てはまる場合、端末機器は地理的境界に位置している可能性が最も高いからである。
【0091】
図4に示す適用シナリオでは、端末機器によって計算されたPの値は0でありうることが理解できる。
【0092】
本出願のいくつかの実施形態では、端末機器によって計算されたPの値が0である場合、それは端末機器がカバレッジホールに位置していることを指示することに留意されたい。この場合、端末機器は、探索がトリガされた後で見つかったセルを記録することができ、端末機器が次回そのセルに再度入るときに、端末機器はネットワーク探索をトリガしない。
【0093】
本出願のいくつかの実施形態では、端末機器がVPLMNにキャンプオンしており、キャンプ持続時間が事前設定持続時間に達した場合、たとえPの値が0ではないと判断した場合であっても、端末機器は、Pの値に従って計算されたトリガ時間に従ってネットワーク探索をトリガせず、より高い優先度のPLMN探索タイマの事前設定時間測定持続時間に従ってネットワーク探索をトリガすることに留意されたい。
【0094】
実際の適用に際しては、具体的な事前設定持続時間が実際の適用に従って選択されてよく、これについては本出願では特に限定されないことに留意されたい。
【0095】
前述の技術解決策から分かるように、先行技術と比較して、本出願では、端末機器は、端末機器にインストールされたSIMカードに対応するMCCを決定し、端末機器がMCCホームエリアに入るかどうかをさらに判断しうる。すなわち、端末機器が端末機器はMCCホームエリア内に位置していると判断すると、HPLMNネットワークが探索される。すなわち、端末機器がVPLMNネットワークにキャンプオンしているとき、端末機器が端末機器はMCCホームエリア内に位置していると判断したことを条件として、ネットワーク探索がトリガされる。端末機器がHPLMNカバレッジエリア内にあるときに、端末機器がVPLMNネットワークに長時間にわたってキャンプオンするのを効果的に防ぐことができる。
【0096】
2.端末機器は端末機器がMCCホームエリアに入ろうとしているかどうかを判断する。判断することは具体的には複数のやり方であってよく、これについて以下で別々に説明する。
【0097】
図5は、
図2のステップ202における端末機器がMCCホームエリアに入ろうとしているかどうかを判断する方法の概略流れ図である。
図5に示すように、本方法は以下のステップを含む。
【0098】
501:第3のセルの識別情報および第3のセルの近隣のセルの識別情報を記録する。
【0099】
第3のセルの識別情報および第3のセルの近隣のセルの識別情報は、端末機器において記録されうる。各セルは独自の特定のセル識別情報、すなわち、セルIDを有することを理解されたい。第3のセルは、端末機器がMCCホームエリアからVPLMNエリアに入るときにキャンプオンする最初のVPLMNセルである。
【0100】
502:記録された識別情報に従って、現在キャンプオンされているセルが第3のセルまたは第3のセルの近隣のセルであるかどうかを判断する。
【0101】
503:現在キャンプオンされているセルが第3のセルまたは第3のセルの近隣のセルであると判断した場合、端末機器はMCCホームエリアに入ろうとしていると判断する。
【0102】
理解と説明を容易にするために、以下では添付の図面を参照して説明する。
【0103】
図6を参照すると、
図6は、地理的境界の周囲のセル・カバレッジ・エリアの別の概略的シナリオ図である。境界エリアのネットワーク配備特性によれば、第3のセルおよび第3のセルの近隣のセルはMCCホームエリアのセルとのオーバーラップ領域を有する可能性が最も高いことが理解できる。円B内のエリアはVPLMNエリアセルのカバレッジエリアを表す。円A内のエリアはMCCホームエリア内のセルのカバレッジエリアを表す。MCCホームエリア内のセルのカバレッジエリアを離れ、VPLMNエリアセルのカバレッジエリアに入り、VPLMNネットワークにキャンプオンした後、端末機器は、最初のキャンプオンセルの識別情報および最初のキャンプオンセルの近隣のセルの識別情報を記録し、すなわち、第3のセルの識別情報および第3のセルの近隣のセルの識別情報を記録しうる。
【0104】
端末機器がVPLMNネットワークからHPLMNネットワークに戻るプロセスにおいて、端末機器がいずれか1つのこれまで記録されたセルにキャンプオンした場合、すなわち、端末機器が記録された第3のセルまたは第3のセルの記録された近隣のセルにキャンプオンした場合、より高い優先度のPLMN探索がトリガされうる。
図7に示すように、
図7は、地理的境界の周囲のセル・カバレッジ・エリアの別の概略的シナリオ図である。端末機器が第3のセルにキャンプオンすると、端末機器はネットワーク探索を即座にトリガし、または事前設定時間が経過するまで待機し、次いでネットワーク探索をトリガしうる。
【0105】
MCCホームエリアからVPLMNエリアに入ると、端末機器は最初のキャンプオンVPLMNセルおよび最初のキャンプオンVPLMNセルの近隣のセルを記録しうる。端末機器が事前設定時間にわたってVPLMNセルに留まる場合、例えば、端末機器が6時間にわたってローミングした後、端末機器がいずれか1つのこれまで記録されたセルにキャンプオンした場合、端末機器は端末機器がMCCホームエリアに入ろうとしていると判断し、ネットワークデバイスをトリガする。これにより、VPLMNネットワークに長時間にわたってキャンプオンすることが回避され、すなわち、端末機器がVPLMNネットワークから戻ってHPLMNネットワークにキャンプオンする速度が上がる。
【0106】
前述のいくつかの実施形態では、端末機器がネットワーク探索をトリガした後、端末機器は、いくつかの規格のネットワーク上でのみネットワーク探索を行いうることに留意されたい。いくつかの規格のネットワークには、例えば、GSMネットワーク、WCDMA(登録商標)ネットワーク、LTEネットワークのうちの少なくとも1つが含まれうる。LTEネットワークは具体的には、時分割ロング・ターム・エボリューション(英語正式名:Time Division Long Term Evolution、略称TD−LTE)ネットワークまたは周波数分割複信ロング・ターム・エボリューション(英語正式名Frequency Division Duplex Long Term Evolution、略称FDD−LTE)ネットワークでありうる。
【0107】
いくつかの規格のネットワークには、UMTSネットワーク、CDMAネットワークなどがさらに含まれていてよく、これについては本出願では特に限定されないことに留意されたい。
【0108】
ネットワーク探索をトリガした後、端末機器は、相対的に高いカバー率を有するGSMネットワークなど、いくつかのネットワーク規格のネットワークのみを探索しうる。これにより、端末機器がVPLMNネットワークから戻ってHPLMNネットワークにキャンプオンする速度が上がり、端末機器の電力消費をさらに削減することができる。
【0109】
加えて、本出願のいくつかの実施形態では、本出願の本実施形態で端末機器によって行われる2回ごとのネットワーク探索トリガ間の時間間隔は、T3以上であり、すなわち、SIMカードのEF−HPPLMNフィールドの値に対応する持続時間以上であることに留意されたい。端末が前述の実施形態の方法でVPLMNネットワークにキャンプオンし、戻ってHPLMNネットワークにキャンプオンする場合と、端末機器がVPLMNネットワークに再度キャンプオンし、端末が前述の実施形態で提供される方法でネットワーク探索をトリガする場合とでは、2回のネットワーク探索トリガ間の間隔はT3以上になるはずであることを理解されたい。実際の適用に際しては、これにより、探索を頻繁にトリガする動作を効果的に低減させることができ、端末機器の電力消費を削減することができる。
【0110】
以上では本出願の実施形態におけるネットワーク探索方法について説明した。以下では本出願の実施形態における端末機器について説明する。
【0111】
詳細について、
図8を参照する。
図8は、本出願の一実施形態による端末機器の概略構造図である。本端末機器は、読取モジュール801と、処理モジュール802と、探索モジュール803とを含む。
【0112】
読取モジュール801は、端末機器がVPLMNにキャンプオンすると、SIMカードに対応するMCCホームエリアを決定する、ように構成される。
【0113】
処理モジュール802は、端末機器がMCCホームエリアに入ったかまたはMCCホームエリアに入ろうとしているかどうかを判断し、処理モジュール802が、端末機器がMCCホームエリアに入ったかまたはMCCホームエリアに入ろうとしていると判断した場合、探索モジュール803をトリガしてネットワーク探索を行わせる、ように構成される。
【0114】
探索モジュール803は、処理モジュール802によるトリガに従ってネットワーク探索を行うように構成される。
【0115】
1つの可能な設計では、端末モジュールは、
第1のセルの数を決定し、第1のセルが、端末機器が現在見つけることができるすべてのセルである、
ようにさらに構成される、探索モジュール803をさらに含み、
処理モジュール802は、
第1のセル内の第2のセルの割合を決定し、第2のセルは、第1のセル内の、そのMCCがSIMカードに対応するMCCと同じであるセルであり、
処理モジュール802が、第1のセル内の第2のセルの割合が事前設定割合より大きいと判断した場合、端末がMCCホームエリアに入ると判断し、事前設定割合は0ではない、
ようにさらに構成される。
【0116】
1つの可能な設計では、探索モジュール803は、ターゲットタイマ8031と、探索部8032とを含み、
処理モジュール802は、
第1のセル内の第2のセルの割合に従って第1の時間測定持続時間を決定し、第1の時間測定持続時間をターゲットタイマの時間測定持続時間として設定する、
ようにさらに構成され、
ターゲットタイマ8031は、端末機器がMCCホームエリアに入ると判断されると時間測定を開始し、
ターゲットタイマ8031の時間が第1の時間測定持続時間を超えると、探索部8032にネットワーク探索を行うよう命令する、
ように構成される。
【0117】
前述のモジュールによって行われる他の機能またはステップについては、前述の方法実施形態における端末機器の対応するステップまたは機能を参照されたく、ここでは詳細を繰り返さないことに留意されたい。
【0118】
以上では本出願の本実施形態における端末機器をモジュール機能の観点から説明した。以下では本出願の本実施形態における端末機器をハードウェア処理の観点から説明する。
図9を参照すると、
図9は、本出願の一実施形態による端末機器の別の概略構造図である。
【0119】
端末機器は、例えば、前述の実施形態のうちの1つまたは複数による読取モジュール801と、処理モジュール802と、探索モジュール803とにそれぞれ対応するエンティティ・デバイス・プロセッサ901(例えば、少なくとも1つのプロセッサ)と、無線周波数モジュール902と、メモリ903と、プログラムコード904を格納する少なくとも1つの記憶媒体905(例えば、少なくとも1つの大容量記憶モジュール)とをさらに含みうることに留意されたい。メモリ903および記憶媒体905は、一時記憶装置であっても永久記憶装置であってもよい。記憶媒体905に格納されたプログラムは、少なくとも1つのモジュール(図示されていない)を含んでいてよく、各モジュールは、端末機器における一連の命令動作を含みうる。さらに、中央処理装置901は、記憶媒体905と通信し、端末機器上で、記憶媒体905内の一連の命令動作を行うように構成されうる。
【0120】
端末機器は、少なくとも1つの電源906と、少なくとも1つのオペレーティングシステム907と、WiFiモジュール908とをさらに含みうる。
図9に示す端末機器構造は本端末機器に関する限定を構成するものではなく、本端末機器は、図示される構成要素よりも多い、または少ない構成要素や、いくつかの構成要素の組み合わせや、異なる配置の構成要素を含みうることを、当業者は理解できよう。本出願ではこれに関して限定されない。
【0121】
本出願の本実施形態における端末機器によって行われるステップまたは端末機器の機能は、
図8に示す端末機器の概略構造図に基づくものであってよい。詳細については、前述の実施形態の対応するプロセスを参照されたく、ここでは詳細を繰り返さない。
【0122】
本出願の明細書、特許請求の範囲、および添付の図面において、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」などの用語は(存在する場合には)類似した対象を区別するためのものであるが、必ずしも特定の順序や連続を示しているとは限らない。そのように呼ばれるデータは、本出願で記載される本発明の実施形態が本出願で図示または説明される順序以外の順序でも実施できるように、しかるべき状況において相互に交換可能であることを理解されたい。さらに、「include」という用語およびこの用語の任意の他の変形は非排他的包含を意味するものであり、例えば、ステップもしくはユニットのリストを含むプロセス、方法、システム、製品、もしくは装置は、必ずしもそれら明記されたステップもしくはユニットだけに限定されず、明記されていない、またはそのようなプロセス、方法、システム、製品、もしくは装置に固有の他のステップもしくはユニットを含みうる。
【0123】
前述の装置実施形態におけるプロセッサは、中央処理装置(central processing unit、略称CPU)、ネットワークプロセッサ(network processor、略称NP)、またはCPUとNPの組み合わせであってよいことに留意されたい。プロセッサはハードウェアチップをさらに含んでいてよく、ハードウェアチップは具体的には、特定用途向け集積回路(application−specific integrated circuit、略称ASIC)、プログラマブル・ロジック・デバイス(programmable logic device、略称PLD)、またはそれらの組み合わせであってよい。加えて、PLDは、複合プログラマブル・ロジック・デバイス(complex programmable logic device、略称CPLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(field−programmable gate array、略称FPGA)、ジェネリック・アレイ・ロジック(generic array logic、略称GAL)、またはそれらの組み合わせであってもよい。本出願ではこれに関して限定されない。
【0124】
本出願で提供するいくつかの実施形態においては、開示のシステム、モジュール、および方法が他のやり方で実現されうることを理解されたい。例えば、前述の装置実施形態は単なる例にすぎない。例えば、モジュール分割は単なる論理的機能分割にすぎず、実際の実装に際しては他の分割も可能である。例えば、複数のユニットまたはコンポーネントが組み合わされ、または統合されて別のシステムになる場合もあり、いくつかの特徴が無視され、または実行されない場合もある。加えて、図示され、または記述された相互結合または直接結合または通信接続は、いくつかのインターフェースを使用して実現されてもよい。装置間またはユニット間の間接結合または通信接続は、電子的形態、機械的形態、または他の形態として実現されてもよい。
【0125】
別々の部品として記述されたユニットは物理的に分離している場合もそうでない場合もあり、ユニットとして図示された部品が、物理的ユニットである場合もそうでない場合もあり、一箇所に位置する場合もあり、複数のネットワークユニット上に分散される場合もある。ユニットの一部または全部が、各実施形態の解決策の目的を達成するための実際の要件に従って選択されてもよい。
【0126】
加えて、本出願の各実施形態における機能モジュールが1つの処理ユニットへ統合されていてもよく、各ユニットが物理的に独立して存在していてもよく、または2つ以上のユニットが1つのユニットへ統合される。統合ユニットはハードウェアの形態で実現されてもよく、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現されてもよい。
【0127】
統合モジュールがソフトウェア機能ユニットの形態で実現され、独立した製品として販売または使用される場合、その統合モジュールはコンピュータ可読記憶媒体に格納されていてよい。そうした理解に基づき、本出願の技術解決策を本質的に、または先行技術に寄与する部分を、または技術解決策の全部もしくは一部を、ソフトウェア製品の形態で実現することができる。ソフトウェア製品は記憶媒体に格納されており、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワークデバイスとすることができる)に、本出願の各実施形態に記載されている方法のステップの全部または一部を実行するよう命令するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブル・ハード・ディスク、読取り専用メモリ(ROM、Read−Only Memory)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク、光ディスクといった、プログラムコードを格納できる任意の媒体を含む。
【0128】
前述の実施形態は、本出願を限定するためのものではく、単に本出願の技術的解決策を説明するためのものにすぎない。本出願は前述の実施形態に関連して詳細に説明されているが、当業者であれば、本出願の実施形態の技術的解決策
の範囲を逸脱することなく、前述の実施形態に記載されている技術的解決策にさらに改変を加え、または前述の実施形態の一部の技術的特徴に対する等価の置換を行いうることを理解するはずである。