特許第6707272号(P6707272)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6707272
(24)【登録日】2020年5月22日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】多層長屋
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/04 20060101AFI20200601BHJP
【FI】
   E04H1/04 C
   E04H1/04 B
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-103514(P2016-103514)
(22)【出願日】2016年5月24日
(65)【公開番号】特開2017-210764(P2017-210764A)
(43)【公開日】2017年11月30日
【審査請求日】2019年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】390028510
【氏名又は名称】株式会社レオパレス21
(74)【代理人】
【識別番号】100078949
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 勝美
(72)【発明者】
【氏名】和田 稔
(72)【発明者】
【氏名】松山 満
(72)【発明者】
【氏名】知久 哲昌
(72)【発明者】
【氏名】木原 生雄
(72)【発明者】
【氏名】片岡 史憲
【審査官】 佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−057808(JP,A)
【文献】 特開2000−145174(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3090050(JP,U)
【文献】 特開2009−041224(JP,A)
【文献】 特開平07−247705(JP,A)
【文献】 特開2002−054313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各階の住戸に居住空間を備えてなる3階建ての建築物からなる多層長屋において、
建築物全体を垂直方向に区画して動的空間部と静的居住空間部が形成され、
静的居住空間部は居室及びトイレを除く水回り部からなり、各階の静的居住空間部が同一の間取り及び同一の大きさに形成され、かつ、上層階の静的居住空間部の構造壁が下層階の静的居住空間部の構造壁の同一面上に設けられ、
動的空間部は階段及びトイレからなり、切欠部を設けて形成された上層階の動的空間部が下層階の動的空間部の上に段状に連続され、
上記切欠部が上記静的居住空間部の反対側に形成されることを特徴とする多層長屋。
【請求項2】
請求項1記載の多層長屋において、1階の静的居住空間部が1階の動的空間部を介して玄関に接続されることを特徴とする多層長屋。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の多層長屋において、1階に各階の玄関が隣接して形成されることを特徴とする多層長屋。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一記載の多層長屋において、上記動的空間部は、1階に1階用トイレ及び上層階用階段が形成され、2階に2階用トイレ並びに2階用階段及び上層階用階段が形成され、3階に3階用トイレ及び3階用階段が形成されることを特徴とする多層長屋。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一記載の多層長屋において、上記水回り部はキッチン及び浴室からなることを特徴とする多層長屋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、アパート、長屋等の集合住宅に関し、とくに垂直方向に3階建てに積層されてなる多層長屋に関する。
【背景技術】
【0002】
集合住宅は所定の敷地の中でいかに多くの居住空間を確保するかが収益性をあげるポイントとなる。しかしながら、建築基準法上の種々の規制があるなかで収益性をあげるため居住空間を最大化しようとすると、他の入居者の生活動線と抵触する確率が高まり、また強度やメンテナンス上不利となることもある。
【0003】
建築物は、自重、積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧及び水圧並びに地震その他の震動及び衝撃に対して安全な構造のものでなければならず、建築物の区分に応じ、建築基準法第20条に定める構造耐力適合性の基準を満たす必要がある。例えば、軒の高さが9メートルを超える建築物に関しては、建築基準法第20条第1項第2号及び第3号の基準を満たすか否か判定を受ける必要がある。
上記規定の反対解釈として、軒の高さ、即ち、地上から屋根の最下部までの高さが9メートルまでの建築物については上記基準適合性の判定が不要となる。
【0004】
従来3階建て集合住宅に関しては種々の提案がなされているが、いずれも階段下のデッドスペースになり易い部分を納戸にするとか、間取りの配設に関するものが多かった。このため、居住空間が不整形になったり、生活動線が犠牲にされることもあった。
【0005】
集合住宅において複数人が夫々の生活をすると、他人の生活動線、例えば、起床や洗面、食事、トイレ、外出、入浴、就寝などが気になり、ストレスの一因になると言われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−88667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明は上記背景に鑑み、居住空間を他人の生活動線が気になり難い構造とすることであり、また居住空間を構成する各部材の共通化を図ることにより、強度上有利となる集合住宅を供することを目的とする。
【0008】
本願発明の他の目的は、居住空間を構成する各部材の共通化を図ることにより、施工容易化やメンテナンス上有利となる集合住宅を供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的達成のため、本願発明による多層長屋は、各階の住戸に居住空間を備えてなる3階建ての建築物からなる多層長屋において、建築物全体を垂直方向に区画して動的空間部と静的居住空間部が形成され、静的居住空間部は居室及びトイレを除く水回り部からなり、各階の静的居住空間部が同一の間取り及び同一の大きさに形成され、かつ、上層階の静的居住空間部の構造壁が下層階の静的居住空間部の構造壁の同一面上に設けられ、動的空間部は階段及びトイレからなり、切欠部を設けて形成された上層階の動的空間部が下層階の動的空間部の上に段状に連続され、上記切欠部が上記静的居住空間部の反対側に形成されることを特徴とする。
また、請求項1記載の多層長屋において、1階の静的居住空間部が1階の動的空間部を介して玄関に接続されることを特徴とする。
また、請求項1又は請求項2記載の多層長屋において、1階に各階の玄関が隣接して形成されることを特徴とする。
また、請求項1乃至請求項3のいずれか一記載の多層長屋において、上記動的空間部は、1階に1階用トイレ及び上層階用階段が形成され、2階に2階用トイレ並びに2階用階段及び上層階用階段が形成され、3階に3階用トイレ及び3階用階段が形成されることを特徴とする。
また、請求項1乃至請求項4のいずれか一記載の多層長屋において、上記水回り部はキッチン及び浴室からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本願発明においては、居住空間中、比較的大重量となる居室等の静的居住空間部が同一の間取り及び同一の大きさに形成されるため、構造壁が上下階でずれることがないので、建築物の強度維持が有利となる効果がある。また階段等からなる動的空間部が上層階に向かって小さくなる段状に形成されるため、建築物の軽量化を図ることができ、建築物の強度維持が有利となる効果がある。
【0011】
各階の静的居住空間部が同一の間取り及び同一の大きさに形成されるため、入居者の層を同一の層、例えば独身者用の住戸とすることができるので、低賃料化とすることにより空室率の低下を図ることができる。これにより賃料収入の安定化を図ることができる。
【0012】
さらに、排水設備を静的居住空間部からの雑排水の処理と動的空間部からの汚水の処理とに分離形成することにより、水に起因するトラブルの対応や排水設備のメンテナンスを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本願発明による多層長屋の一実施の形態を示し、(A)は1階の平面図、(B)は2階の平面図、(C)は3階の平面図である。
図2図1の縦断面図である。
図3】本願発明による多層長屋の他の実施例を示し、(A)は1階の平面図、(B)は同2階の平面図、(C)は同3階の平面図である。
図4】(A)は図1の多層長屋を複数連設した実施の形態の正面図、(B)は(A)の背面図、(C)は(A)の左側面図、(D)は(A)の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1乃至図3は本願発明による3階建ての多層長屋1の第1の実施の形態を示す。なお、便宜上同一の機能を奏する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。1階乃至3階の住戸2A、2B、2Cには、各々垂直方向に区画形成された静的居住空間部3a、3b、3c及び動的空間部5a、5b、5cが形成される。
【0015】
まず1階から説明すると、通路30に面する側に玄関部7が設けられる。該玄関部7の中央部には、1階内玄関8aの1階玄関ドア9aが設けられ、該1階玄関ドア9aの図示左側には該1階玄関ドア9aに隣接して2階内玄関8bの2階玄関ドア9bが設けられ、また図示右側には1階玄関ドア9aに隣接して3階内玄関8cの3階玄関ドア9cが隣設される。1階内玄関8aの外側には1階外玄関10aが、2階内玄関8bの外側には2階外玄関10bが、3階内玄関8cの外側には3階10cが、各形成される。1階内玄関8aの側面には1階下足箱11aが設けられ、2階内玄関8bの側面には2階下足箱11bが設けられ、3階内玄関8cに連続する階段12cの側面には3階下足箱11cが設けられる。
【0016】
上記玄関部7の図示左側には1階−2階用の階段12bが設けられ、図示右側には2階−3階用の階段12cが設けられ、廊下14a及びトイレ24a等とともに、動的空間部5aが形成される。図中、6bは2階動的空間部の切欠部、6cは3階動的空間部の切欠部であり、夫々、静的居住空間部3b、3cの反対側に形成される。即ち、2階の切欠部6bは1階静的居住空間部3bの玄関部7の部分が切欠され、また3階の切欠部6cは2階の階段12bの一部が切欠される。
【0017】
1階の静的居住空間部3aは上記玄関部7の反対側に設けられる。該静的居住空間部3aは居室4a及び後述する水回り部からなり、1階内玄関8aに連続する廊下14aを通って、引戸13aを介して出入する。
【0018】
居室4aは洋室からなり、出入口の図示右側にはユニットバス15a及び脱衣スペース16aからなる浴室17aが設けられる。該浴室17aの付属設備として、該脱衣スペース16aの壁側に洗濯機置き用の防水パン18aが設置され、該防水パン18aに直交する面に洗面台19aが設けられる。20aは該洗面台19aに隣接して設けられるクローゼットである。
【0019】
居室4aの出入口の反対側の壁面(図示左側)にはカウンター付きキッチン21aが設けられる。22aは該カウンター付きキッチン21aに隣接された冷蔵庫置場である。上記階段12bの下方に階段下収納部23aが設けられ、該階段下収納部23aの対面に既に述べたトイレ24aが設けられる。25aは静的居住空間部3aの外側に設けられたベランダである。
【0020】
上記したキッチン21a及び浴室17aにより1階の水回り部27aが構成される。
【0021】
ここで1階住戸の間取りの実施例寸法をあげてみる。本実施例は間口Wが比較的狭い狭小地に最適の場合であり、1階の静的居住空間部3aは間口Wが3800mm、奥行D1が5460mm、専有面積20.748m2に形成される。ここに広さ11.86m2の居室4aが形成され、また上記した水回り部27aやクローゼット20a、冷蔵庫置場22aが設けられる。
【0022】
一方玄関部7は間口W3800mm×奥行1365mmに形成される。1階内玄関8aの端から上記静的居住空間部3aの出入口までの間は間口W3800mm×奥行2730mmである。玄関部7側には、1階玄関が間口1000mm×奥行765mmの内玄関8aと、間口W1000mm×奥行600mmの外玄関10aに形成される。2階玄関は間口910mm×765mmの内玄関8bと、間口910mm×奥行600mmの外玄関10bに形成され、3階玄関は間口1155mm×765mmの内玄関8cと、間口1155mm×奥行600mmの外玄関10cに形成される。また1階−2階昇降用の2階階段12bは、間口910mm×奥行2730mmに、2階−3階昇降用の3階階段12cは間口910mm×奥行2730mmに形成される。階段下収納部23aは間口910mm×奥行1380mmに形成され、またトイレ24aは910mm×1520mmに形成される。1階の動的空間部5aは間口W3800mm×奥行D24095mmに形成される。多層長屋1A全体の総奥行Dは9555mmである。上記寸法はいずれも壁芯法による。1階住戸はワンルームタイプに形成される。
【0023】
2階住戸の静的居住空間部3bの間取り及び大きさは1階住戸と全く同一の構成である。よってその説明を省略し、居室4b、浴室17bの如く符号「b」を使って示す。2階住戸はワンルームタイプに形成され、その専有面積は20.748m2である。居室4bの広さも1階同様11.86m2である。2階静的居住空間部3bの居室4bには、動的空間たる階段12bに連続する2階踊り場兼廊下14bを通って、静的居住空間部3bに開閉自在に設けられる引戸13bから出入する。24bはトイレであり、2階階段12bと2階−3階昇降用の階段12cの間に配設される。2階の動的空間部5bは間口W3800mm×奥行D32730mmに形成される。2階住戸の総奥行D1+D3は8190mmである。2階の切欠部6bは、本実施例では、間口3800mm×奥行1365mmに形成される。
【0024】
3階住戸の静的居住空間部3cは、本実施例では間口W3800mm×奥行D15460mmであり、1階及び2階の静的居住空間部3a、3bと同一の間取り及び大きさに形成される。3階住戸はワンルームタイプに形成され、その専有面積は20.748m2である。居室4cの広さも1、2階同様11.86m2である。居室4cには、動的空間部5cを形成する階段12cに連続する3階廊下14cを通って、静的居住空間部3cに開閉自在に設けられる引戸13cから出入する。該階段12cの対面には動的空間部5cを構成するトイレ24cが設けられる。3階の動的空間部5cは間口W3800mm×奥行D41820mmに形成される。3階の切欠部6cは、本実施例では、間口3800mm×奥行910mmに形成される。
【0025】
このように動的空間部5a、5b、5cは、1階よりも2階が、また2階よりも3階が段状に小さくなるよう形成される。
【0026】
本実施例の軒の高さ、即ち、地上から屋根の最下部までの高さHは、9mの高さ制限ぎりぎりの8950mmである。なお、3階バルコニー25cの頂上部29(図2に示す)までの高さH’は地上から9270mmであるが、これは建築基準法上の軒の高さ制限には含まれない。
【0027】
本実施の形態によれば、居住空間中、比較的大重量となる居室4a、4b、4cや水回り部27a、27b、27c、即ち静的居住空間部3a、3b、3cが同一の間取り及び同一の大きさに形成されるため、構造壁が上下階でずれることがないので、建築物の強度維持が有利となる。構造壁が上下階でずれる場合、構造耐力を低減して構造計算する必要があるところ、本願発明では、上下階の構造壁が同一面上にあるため構造計算により低減する必要がないので補強の必要もない。また、各階の静的居住空間部3a、3b、3cが同一の間取り及び同一の大きさに形成されるため、居住空間を構造上単純化することができ、また外力による負荷が各部に均一に分散されるので、建築物の強度維持に有利となる効果がある。
【0028】
階段等からなる動的空間部5a、5b、5cが上層階に向かって小さくなる段状に形成されるため、建築物の軽量化を図ることができ、この面からも建築物の強度維持が有利となる効果がある。
【0029】
生活時間が長い静的居住空間部3a、3b、3cと、一時的な使用の動的空間部5a、5b、5cとが分離されるので、他人の生活動線が気になり難くなる。例えばトイレ24a、24b、24cの使用に関して言えば、使用者の動線が視界に入らず、また音や匂いが居室4a、4b、4c等の静的居住空間部3a、3b、3cに侵入し難いので、各人のプライバシーが保持され易くなり、各戸が暮らし易い空間となる効果がある。
【0030】
また、排水設備を静的居住空間部3a、3b、3cからの雑排水の処理と動的空間部5a、5b、5cからの汚水の処理とに分離形成することにより、排水経路上のトラブルが雑排水のトラブルか、汚水のトラブルかが明確となり、原因を特定し易くなるので、水に起因するトラブルの対応や排水設備のメンテナンスを容易にすることができる。
【0031】
各階の静的居住空間部3a、3b、3cが同一の間取り及び同一の大きさに形成されるため、入居者の層を同一の層、例えば独身者用の住戸とすることができ、低賃料化とすることにより空室率の低下を図ることができる。これにより賃料収入の安定化を図ることができる。
【0032】
さらに居住空間の単純化によりコスト低下に寄与して収益性を確保することができる。
【0033】
各部材は補強しなくても所定の強度を得られるので、建物の容積中における居住空間率が向上する。これにより賃料収入の安定化を図ることができる。
【0034】
また居住空間を構成する各部材は工場での規格生産をすることにより、各部材の品質のバラつきが生じ難いので、建築物の品質つまり構造強度が安定化する。また各部材が共通化されるので、現場作業が軽減され、工期短縮、コストダウンを図ることができ、施工容易化やメンテナンス上有利となる効果がある。
【0035】
各戸のトイレ24a、24b、24cは動的空間部たる各階の階段に設置されるため、使用音が聞こえ難くなる効果がある。これにより、入居者の生活リズムの差異による影響を受け難くなる。またトイレ24a、24b、24cからの排水経路が外部に近くなるため、メンテナンスが容易となる。
【0036】
さらに本実施例のように間口Wを3800mmとするときは、間口の狭い狭小地に集合住宅を建築する場合に大変有利となる。
【0037】
図3は、上記構成の多層長屋1の各階の住戸の間取りを同一とし、各部の寸法を変更した他の実施例を示す。即ち、各住戸2A、2B、2Cは間口W’4095mm、総奥行D’9100mmに形成され、D1’=5005mm、D2’=4095mm、D3’=2730mm、D4’=1820mmに形成される。各階の静的居住空間部3a、3b、3c、は間口W’4095mm×奥行D55005mm≒広さ20.5m2に形成される。これは敷地面積の間口が上記実施例の場合より若干大きく、総奥行D’が前記実施の形態の総奥行Dより若干小さいときに好適となる。この場合の居室4a、4b、4cの広さは11.17m2に形成される。また切欠部6bは間口4095mm×奥行1365mmに、切欠部6cは間口4095mm×奥行910mmに形成される。この実施例の各部の寸法は前記実施例と若干異なるが、間取りは前記実施例の場合と同一に形成されるので、便宜上図面に同一の符号を付して表わすことにより、説明を省略する。
【0038】
図4は上記構成の多層長屋1Aと他の多層長屋1B、1Cとを水平方向に複数連設した第2の実施の形態を示す。この実施の形態もまた上記第1の実施の形態と同一の間取り構成を有するので、第1の実施の形態の奏する上記効果を奏することができ、かつ、上記効果を損なうことなく、より多くの入居者を収容することができる。
【0039】
なお、上記した各実施例では、各階の居室4a、4b、4cにテーブル等の家具(図示省略)が、また冷蔵庫置場22a、22b、22cには冷蔵庫が、防水パン18a、18b、18cには洗濯機が、各標準装備されている。
【0040】
本願発明による多層長屋1は上記した実施の形態に限定されない。例えば、各階の各部の寸法は、敷地の面積や形状に応じて適宜に変更可能である。
【0041】
本願発明において、「集合住宅」とは、アパート等の共同住宅だけでなく、長屋も含まれる。また「通路」とは、通行用の道を意味し、道路だけでなく、避難通路も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本願発明は、アパート等の集合住宅に活用することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 多層長屋
1A 多層長屋
1B 多層長屋
1C 多層長屋
2A 住戸
2B 住戸
2C 住戸
3a 静的居住空間部
3b 静的居住空間部
3c 静的居住空間部
4a 居室
4b 居室
4c 居室
5a 動的空間部
5b 動的空間部
5c 動的空間部
6b 切欠部
6c 切欠部
7 玄関部
8a 1階内玄関
8b 2階内玄関
8c 3階内玄関
9a 1階玄関ドア
9b 2階玄関ドア
9c 3階玄関ドア
10a 1階外玄関
10b 2階外玄関
10c 3階外玄関
11a 1階下足箱
11b 2階下足箱
11c 3階下足箱
12b 階段
12c 階段
13a 引戸
13b 引戸
13c 引戸
14a 廊下
14b 2階踊り場
14c 3階廊下
15a ユニットバス
15b ユニットバス
15c ユニットバス
16a 脱衣スペース
16b 脱衣スペース
16c 脱衣スペース
17a 浴室
17b 浴室
17c 浴室
18a 防水パン
18b 防水パン
18c 防水パン
19a 洗面台
19b 洗面台
19c 洗面台
20a クローゼット
20b クローゼット
20c クローゼット
21a カウンター付きキッチン
21b カウンター付きキッチン
21c カウンター付きキッチン
22a 冷蔵庫置場
22b 冷蔵庫置場
22c 冷蔵庫置場
23a 階段下収納部
24a トイレ
24b トイレ
24c トイレ
25a バルコニー
25b バルコニー
25c バルコニー
27a 水回り部
27b 水回り部
27c 水回り部
29 頂上部
30 道路
図1
図2
図3
図4