特許第6707355号(P6707355)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6707355
(24)【登録日】2020年5月22日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】ハウジングを備えた機能モジュール
(51)【国際特許分類】
   E05B 9/06 20060101AFI20200601BHJP
   E05B 1/00 20060101ALI20200601BHJP
   E05B 47/00 20060101ALI20200601BHJP
【FI】
   E05B9/06
   E05B1/00 311H
   E05B47/00 H
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-13315(P2016-13315)
(22)【出願日】2016年1月27日
(65)【公開番号】特開2016-138443(P2016-138443A)
(43)【公開日】2016年8月4日
【審査請求日】2018年10月31日
(31)【優先権主張番号】10 2015 101 132.8
(32)【優先日】2015年1月27日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516027731
【氏名又は名称】オイヒナー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング プルス コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】EUCHNER GmbH + Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ミーケ ゲーアケ
【審査官】 鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−207979(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2650993(EP,A2)
【文献】 特開平06−187877(JP,A)
【文献】 特開2002−161655(JP,A)
【文献】 特開2004−162395(JP,A)
【文献】 特開2006−318692(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0083480(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0244009(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00−85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サブモジュールのための少なくとも1つの収容部を形成するハウジングを備えた機能モジュールであって、
前記サブモジュールが、2つの異なる回転位置において前記収容部内に組付け可能であり、
前記機能モジュールが、防護ドアのロックモジュール(1)であり、
前記ロックモジュール(1)の前記ハウジングに、グリップモジュール(3、3’)のための側方に開口したロック式取付け部(7)が設けられ、
前記ロックモジュール(1)の第1の回転位置では、前記ロック式取付け部(7)に右側のグリップモジュール(3)が組付け可能であり、前記ロックモジュール(1)の前記第1の回転位置に対して180°だけ回転させられた第2の回転位置では、前記ロック式取付け部(7)に左側のグリップモジュール(3’)が位置固定可能であり、
前記機能モジュールは、前記グリップモジュール(3、3’)のドアハンドルをロック可能なことを特徴とする
能モジュール。
【請求項2】
前記サブモジュールが、互いに180°だけ回転させられた2つの回転位置において前記収容部内に組付け可能である、請求項1記載の機能モジュール。
【請求項3】
前記サブモジュールが、回転不変の電気的な接続手段を有しており、該電気的な接続手段が、前記サブモジュールの両回転位置において同じ形式で、前記機能モジュールの前記ハウジング内に設けられた電気的な接続手段に接触接続されるようになっている、請求項1または2記載の機能モジュール。
【請求項4】
前記ハウジング内の前記接続手段が、データバスに接続されている、請求項3記載の機能モジュール。
【請求項5】
前記データバスのバス線路(12)が、前記ハウジング内に配置されたプリント配線板(11)に延在している、請求項4記載の機能モジュール。
【請求項6】
記サブモジュールは、接続サブモジュール(6)を含む、請求項記載の機能モジュール。
【請求項7】
記サブモジュールは、キーサブモジュール(5)を含む、請求項または記載の機能モジュール。
【請求項8】
接続手段が、差合せ可能な接続端子として形成されている、請求項2からまでのいずれか1項記載の機能モジュール。
【請求項9】
接続手段として、接点ばねが設けられている、請求項2からまでのいずれか1項記載の機能モジュール。
【請求項10】
前記機能モジュールが、別のモジュールを接続するための接続モジュールを有しており、該接続モジュールが、プラグ(16)またはソケット(17)として形成されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の機能モジュール。
【請求項11】
前記接続モジュールが、モジュールシステムを形成しており、前記接続モジュールが、前記機能モジュールまたは前記別のモジュールに交換可能に組付け可能である、請求項10記載の機能モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サブモジュールのための少なくとも1つの収容部を形成するハウジングを備えた機能モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
前述したような機能モジュールは、一般的に、設定された機能性を有する電子装置モジュールを成している。
【0003】
たとえば、前述したような機能モジュールは、セーフティシステム、たとえば特にセーフティ(インター)ロックシステムの構成要素であってよい。このようなシステムは、たとえば「Euchner」社のセーフティシステムMGBによって形成されている。このセーフティシステムは、可動分離式の防護装置、特に防護ドアの確実なロックひいては柵で取り囲まれた安全臨界的な危険範囲への安全確保された進入を保証している。
【0004】
セーフティロックシステムはロックモジュールを有している。このロックモジュールには、グリップモジュールが配置されている。これらのモジュールは、防護ドアを確実にロックするために働く。グリップモジュールのドアハンドルは、ばね力によってロック位置に保持することができ、磁力によってロック解除することができる。択一的には、ドアハンドルが、磁力によってロック位置に保持され、ばね力によってロック解除されてもよい。
【0005】
ロックモジュールの機能性は、このロックモジュールが付加的なサブモジュール、たとえば操作ユニットとしてのキーモジュールを有していることによって拡張することができる。
【0006】
このようなセーフティロックシステムの第1の欠点は、欠陥が生じた際に、修理目的のために、セーフティロックシステム全体が製造元に送り返されなければならないことにある。
【0007】
セーフティロックシステムの更なる欠点は、種々異なる構成に適合させるための構造的な手間が、望ましくないほど高いことにある。種々異なる構成は、特にセーフティロックシステムに対して相対的な防護ドアの種々異なる配置によって生じる。防護ドアの配置に応じて、ロックモジュールへの右側または左側でのグリップモジュールの配置が提案されていなければならない。こういった構成条件を満たすことができるようにするためには、右側または左側でのグリップモジュールの固定のための様々な構造を有する種々異なるバリエーションのロックモジュールが提案されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、冒頭で述べたような機能モジュールを改良して、機能モジュールが、構造的に簡単な構造で高い機能性を有しているようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するために、本発明に係る機能モジュールでは、サブモジュールが、2つの異なる回転位置において収容部内に組付け可能である。
【0010】
本発明に係る機能モジュールの好ましい態様では、サブモジュールが、互いに180°だけ回転させられた2つの回転位置において収容部内に組付け可能である。
【0011】
本発明に係る機能モジュールの好ましい態様では、サブモジュールが、回転不変の電気的な接続手段を有しており、該電気的な接続手段が、サブモジュールの両回転位置において同じ形式で、機能モジュールのハウジング内に設けられた電気的な接続手段に接触接続されるようになっている。
【0012】
本発明に係る機能モジュールの好ましい態様では、ハウジング内の接続手段が、データバスに接続されている。
【0013】
本発明に係る機能モジュールの好ましい態様では、データバスのバス線路が、ハウジング内に配置されたプリント配線板に延在している。
【0014】
本発明に係る機能モジュールの好ましい態様では、機能モジュールが、セーフティシステムのロックモジュールである。
【0015】
本発明に係る機能モジュールの好ましい態様では、機能モジュールが、サブモジュールとしての接続サブモジュールを有している。
【0016】
本発明に係る機能モジュールの好ましい態様では、機能モジュールが、サブモジュールとしてのキーサブモジュールを有している。
【0017】
本発明に係る機能モジュールの好ましい態様では、接続手段が、差合せ可能な接続端子として形成されている。
【0018】
本発明に係る機能モジュールの好ましい態様では、接続手段として、ばねコンタクトが設けられている。
【0019】
本発明に係る機能モジュールの好ましい態様では、ロックモジュールのハウジングに、グリップモジュールのための側方に開口したロック式取付け部が設けられている。
【0020】
本発明に係る機能モジュールの好ましい態様では、ロックモジュールの第1の回転位置では、ロック式取付け部に右側のグリップモジュールが組付け可能であり、ロックモジュールの第1の回転位置に対して180°だけ回転させられた第2の回転位置では、ロック式取付け部に左側のグリップモジュールが位置固定可能である。
【0021】
本発明に係る機能モジュールの好ましい態様では、機能モジュールが、別のモジュールを接続するための接続モジュールを有しており、該接続モジュールが、プラグまたはソケットとして形成されている。
【0022】
本発明に係る機能モジュールの好ましい態様では、接続モジュールが、モジュールシステムを形成しており、接続モジュールが、機能モジュールまたは別のモジュールに交換可能に組付け可能である。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、ハウジングを備えた機能モジュールに関する。ハウジングは、サブモジュールのための少なくとも1つの収容部を形成している。サブモジュールは、2つの異なる回転位置において収容部内に組付け可能である。
【0024】
本発明の第1の主要な利点は、機能モジュールのサブモジュールを独立した要素として機能モジュールに簡単に組み付けることができ、必要な場合にこの機能モジュールに対して交換することができるという点にある。これによって、修理の際の手間が大幅に減じられる。なぜならば、たとえばサブモジュールに欠陥があった場合に、このサブモジュールを交換しさえすればよいからである。
【0025】
本発明の更なる主要な利点は、1つ以上のサブモジュールを異なる回転位置において機能モジュールに僅かな手間で取り付けることができることによって、機能モジュールの種々異なる構成が実現されるという点にある。これによって、種々異なる用途への特に簡単な適合が可能となる。
【0026】
特に有利には、サブモジュールが、互いに180°だけ回転させられた2つの回転位置において収容部内に組付け可能である。
【0027】
複数のサブモジュールが機能モジュールに設けられている場合、有利には、全てのサブモジュールを、180°だけ回転させられた2つの回転位置において機能モジュールに組み付けることができる。
【0028】
1つのサブモジュールを互いに異なる回転位置において組み付けることは、特に有利には、サブモジュールが、回転不変の電気的な接続手段を有しており、この電気的な接続手段が、サブモジュールの両回転位置において同じ形式で、機能モジュールのハウジング内に設けられた電気的な接続手段に接触接続可能であることによって可能となる。
【0029】
特に有利には、1つ以上のサブモジュールの接続手段を工具なしにロックモジュールの接続手段に接続することができると共にこの接続手段から解離することができる。これによって、1つのサブモジュールまたは各サブモジュールを互いに異なる組込み位置において迅速にかつ簡単にロックモジュールに電気的に接続することができる。
【0030】
このためには、接続手段が、差合せ可能な接続端子として形成されていてよい。
【0031】
択一的には、接続手段として、ばねコンタクトが設けられていてよい。
【0032】
特に有利には、ハウジング内の接続手段が、データバスに接続されている。
【0033】
この態様では、データバスのバス線路が、ハウジング内に配置されたプリント配線板に延在している。
【0034】
データバスは内部のバスシステムを形成している。この内部のバスシステムによって、外部のバスシステムから独立して、機能モジュールの構成要素と全てのサブモジュールの構成要素との通信が可能となる。バス線路がモジュールのプリント配線板に案内されているようにデータバスを構造的に形成することによって、ロックモジュールの内部の手間のかかる配線を省略することができる。この利点は、サブモジュールの接続手段をプリント配線板に直接接触接続することができることによって一層強化される。
【0035】
本発明の有利な態様によれば、機能モジュールが、セーフティシステム、特にセーフティロックシステムのロックモジュールとして形成されている。この態様では、このロックモジュールのハウジングに、グリップモジュールのための側方に開口したロック式取付け部が設けられている。
【0036】
有利には、ロックモジュールが、サブモジュールとして、接続サブモジュールとキーサブモジュールとを有している。接続サブモジュールは、外部のユニットへの接続のために用いられ、キーサブモジュールは、セーフティシステムの種々異なる機能を作動または停止させることができる複数のキーの形の操作要素を有している。
【0037】
ロックモジュールのサブモジュールは、180°だけ回転させられた2つの回転位置においてロックモジュールに組み付けることができるので、このロックモジュール自体は、互いに180°だけ回転させられた2つの回転位置において使用することができる。このとき、両回転位置では、サブモジュールが同じ配置形態を有している。したがって、左側のグリップモジュールおよび右側のグリップモジュールを取り付けるために、同じベースモジュール、つまり、ただ1つのベースモジュールを用いることができる。これによって、少ない構造的な手間で2つのバリエーションのセーフティシステムを実現することができる。
【0038】
本発明の有利な改良態様によれば、機能モジュールが、別のモジュールを接続するための接続モジュールを有しており、この接続モジュールが、プラグまたはソケットとして形成されている。
【0039】
これによって、ロックモジュールを、モジュール式に構成されたモジュールアッセンブリに拡張することができる。有利には、接続モジュールが、モジュールシステムを形成しており、接続モジュールが、機能モジュールまたは別のモジュールに交換可能に組付け可能である。
【0040】
これによって、モジュールアッセンブリを特に臨機応変に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】ロックモジュールと、それぞれ対応配置されたグリップモジュールとを備えたセーフティシステムの2つのバリエーションを示す図である。
図2図1に示したロックモジュールを第1の回転位置で示す図である。
図3図1に示したロックモジュールを第2の回転位置で示す図である。
図4図1図3のロックモジュールに用いられるプリント配線板を示す図である。
図5図1図3のロックモジュールに用いられる接続モジュールとしてのプラグの実施の形態を示す図である。
図6図1図3のロックモジュールに用いられる接続モジュールとしてのソケットの第1のバリエーションを示す図である。
図7図1図3のロックモジュールに用いられる接続モジュールとしてのソケットの第2のバリエーションを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下に、本発明を実施するための形態を図面につき詳しく説明する。
【0043】
図1には、ロックモジュール1の形の本発明に係る機能モジュールの実施の形態が示してある。ロックモジュール1は、セーフティシステム、特にセーフティロックシステムの構成要素である。ロックモジュール1は、図1に示したように、互いに180°だけ回転させられた2つの回転位置で使用することができ、これら両回転位置で異形材レール2に取り付けることができる。ロックモジュール1の第1の回転位置では、ロックモジュール1に右側のグリップモジュール3が配置されている。ロックモジュール1の第2の回転位置では、ロックモジュール1に左側のグリップモジュール3’が配置されている。各グリップモジュール3,3’はドアハンドル4を有している。
【0044】
ロックモジュール1とグリップモジュール3,3’とは、防護ドアまたはこれに類するものの確実なロックを保証する機能ユニットを形成している。ドアハンドル4は、原理的に、ばね力によってロック位置に保持することができ、磁力によってロック解除することができる。図示の形態では、ドアハンドル4が、ロックモジュール1内に配置された磁石により発生させられる磁力によってロック位置に保持され、ばね力によってロック解除される。
【0045】
ロックモジュール1は、キーサブモジュール5の形の第1の機能モジュールと、接続サブモジュール6の形の第2の機能モジュールとを有している。図1には、両サブモジュールが、ロックモジュール1にそれぞれ組み付けられた状態で示してある。図2および図3には、ロックモジュール1が、両サブモジュールをそれぞれ取り外した状態で詳細図で示してある。
【0046】
図2には、ロックモジュール1が、第1の回転位置で示してある。この第1の回転位置では、右側のグリップモジュール3を取り付けるために、右側の面にロック式取付け部7が位置している。図3には、ロックモジュール1が、第1の回転位置に対して180°だけ回転させられた第2の回転位置で示してある。この第2の回転位置では、左側のグリップモジュール3’を取り付けるために、左側の面にロック式取付け部7が位置している。
【0047】
ロックモジュール1の構成要素は、ハウジング1a内に組み込まれている。図2および図3に示したように、このハウジング1aは、キーサブモジュール5および接続サブモジュール6のための収容部を成す切欠きを有している。キーサブモジュール5と接続サブモジュール6とは、それぞれ1つのハウジング部分を有している。これらのハウジング部分を切欠き内に挿入した後には、ロックモジュール1のハウジング1aは完全に閉鎖されている。キーサブモジュール5のハウジング部分は、キーサブモジュールカバー5aの形で形成されている。接続サブモジュール6のハウジング部分は、接続サブモジュールハウジング6aの形で形成されている。この接続サブモジュールハウジング6aもキーサブモジュールカバー5aも複数の孔8を有している。これらの孔8を通して、固定ねじ(図示せず)を案内することができ、これによって、接続サブモジュールハウジング6aとキーサブモジュールカバー5aとが、ハウジング1aに固定されるようになっている。
【0048】
キーサブモジュール5は、ロックモジュール1のための操作要素として複数のキー9a,9bを有していて、特に非常停止キー9cをも有している。キー9a,9bは、キーサブモジュールカバー5aの前面に設けられている。接続サブモジュール6は、外部のユニット、たとえば外部のバスシステムに接続するために用いられ、このために、接続サブモジュールハウジング6aの側方から突出したケーブル進出部10を有している。
【0049】
ロックモジュール1の内室には、図4に詳細図で示したプリント配線板11が配置されている。このプリント配線板11には、図示の形態ではCANバスとして形成されたデータバスのバス線路12が延在している。データバスは、外部のバスシステムから独立して働く内部のバスシステムを形成している。データバスを介して、ロックモジュール1と、このロックモジュール1のサブモジュールとの全ての構成要素の内部通信が行われる。プリント配線板11は、グリップモジュール3をロックするための磁石を挿入することができる切抜き部13を有している。
【0050】
本発明によれば、サブモジュール、すなわち、キーサブモジュール5と接続サブモジュール6とが、それぞれ互いに180°だけ回転させられた2つの回転位置においてロックモジュール1に組付け可能となるように形成されている。このために、1つには、サブモジュールのキーサブモジュールカバー5aと接続サブモジュールハウジング6aとが、180°の回転に関して回転対称的に形成されている。さらに、両サブモジュールは、ロックモジュール1の接続手段に接続するための電気的な接続手段をも有している。この接続手段も同じく180°の回転に関して回転対称的である。
【0051】
キーサブモジュール5では、接続手段が、たとえばばねコンタクト(図示せず)の形で形成されていてよい。このばねコンタクトは、キーサブモジュールカバー5aの下面に配置されていて、プリント配線板11のコンタクト要素(同じく図示せず)に接触接続することができる。
【0052】
接続サブモジュール6は、接続端子14の形の電気的な接続手段を有している。この接続手段は、簡単な差被せによって、プリント配線板11に設けられた接続部分15に接触接続することができる。この接続部分15は、接続端子14に対する対応片の形で形成されている。
【0053】
サブモジュールの回転対称性によって、これら両サブモジュールが、ロックモジュール1の両回転位置において、異形材レール2のような基礎に対して正確に同一の状態を有しているように、サブモジュールをロックモジュール1の両回転位置においてロックモジュール1に組み付けることができる。
【0054】
本発明によるロックモジュール1は、複数のモジュールを備えたモジュールアッセンブリに拡張することができる。このためには、ロックモジュール1のハウジング1aの、互いに反対の側に位置する面に、プラグ16またはソケット17の形で形成された接続モジュールが一体化されてよい。
【0055】
モジュールアッセンブリは複数のロックモジュール1から成っていてよい。一般的に、モジュールとして別個の接続モジュールまたはキーモジュールが接続されてもよい。有利には、全てのモジュール同士の通信はデータバスを介して行われる。このとき、個々のモジュールは、接続モジュールを介してデータバスに接続されている。
【0056】
図5図7には、図1図3のロックモジュール1に用いられる接続モジュールの構成が詳細図で示してある。図5には、プラグ16の実施の形態が示してある。このプラグ16はプラグベースボディ16aを有している。このプラグベースボディ16aの下面には、コンタクトインタフェース18が突出している。このコンタクトインタフェース18はばねコンタクト18aを有している。このばねコンタクト18aによって、ロックモジュール1内のプリント配線板11のコンタクトパッドへの接触接続を行うことができる。上面には、図示の形態では規格化されたM12インタフェースを形成する接続要素19が突出している。この接続要素19は中空円筒状に形成されていて、その外面に雄ねじ山20、図示の形態ではM12ねじ山を有している。接続要素19の内部には、複数のコンタクトピン21が延在している。プラグベースボディ16aは側方に2つの固定孔22を有している。両固定孔22を通して、ねじ22aを案内することができ、これによって、プラグ16がロックモジュール1に位置固定される。
【0057】
図5に示したプラグ16には、図6および図7に示したソケット17の2つのバリエーションが対応している。このソケット17は、両バリエーションに対して同一のベースボディ23を有している。このベースボディ23の下面には、プラグ16の構成に相応して、ばねコンタクト18aを備えたコンタクトインタフェース18が設けられている。ベースボディ23の上面には、プラグ16のコンタクトピン21が内部に差し込まれるコンタクト孔の形のコンタクト要素25を備えた円筒状の接続部分24が位置している。
【0058】
2つの異なるバリエーションのソケット17を形成するために、ベースボディ23には、図6および図7に示した二種類の載着体26a,26bが割り当てられている。両載着体26a,26bは同一の外側輪郭を有しており、これによって、選択的に両載着体26a,26bのうちの一方の載着体をベースボディ23に載着することができる。両部材を位置決めするために、ベースボディ23は複数の突出部27を有している。これらの突出部27は、載着体26a,26bに設けられた、突出部27に対して相補的に形成された切欠き28に載着させることができる。さらに、載着体26a,26bは、プラグ16に類似して、側方に複数の固定孔22を有している。これらの固定孔22内には、ねじ22aを導入することができ、これによって、ソケット17をロックモジュール1または別のモジュールに位置固定することができる。
【0059】
載着体26a,26bは、中心の孔29a,29bの構成に関して互いに異なっている。両孔29a,29bは、ベースボディ23への載着体26a,26bの載着の際に、ベースボディ23の接続部分24を遊びを伴って取り囲んでいる。載着体26aの孔29aが雌ねじ山30aによって画定されるのに対して、載着体26bの孔29bは載着体26bの平滑な壁要素によって画定されている。
【0060】
相応の載着体26a,26bは、Oリングの形のシール部材31を用いてベースボディ23に載着されて、ソケット17が形成される。
【0061】
互いに異なる形態で形成された孔29a,29bに相応して、互いに異なる機能性を有するソケット17が得られる。図6に示した載着体26aを備えたソケット17内には、ケーブルプラグおよびこれに類するものをねじ込むことができる。これに対して、図7に示した載着体26bを備えたソケット17は、図5に示したプラグ16に差し被せられる。その際には、孔29bを取り囲む壁要素30bが、プラグ16の接続要素19を僅かな遊びを伴って取り囲んでいる。
【符号の説明】
【0062】
1 ロックモジュール
1a ハウジング
2 異形材レール
3,3’ グリップモジュール
4 ドアハンドル
5 キーサブモジュール
5a キーサブモジュールカバー
6 接続サブモジュール
6a 接続サブモジュールハウジング
7 ロック式取付け部
8 孔
9a,9b キー
9c 非常停止キー
10 ケーブル進出部
11 プリント配線板
12 バス線路
13 切抜き部
14 接続端子
15 接続部分
16 プラグ
16a プラグベースボディ
17 ソケット
18 コンタクトインタフェース
18a ばねコンタクト
19 接続要素
20 雄ねじ山
21 コンタクトピン
22 固定孔
22a ねじ
23 ベースボディ
24 接続部分
25 コンタクト要素
26a,26b 載着体
27 突出部
28 切欠き
29a,29b 孔
30a 雌ねじ山
30b 壁エレメント
31 シール部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7