特許第6707385号(P6707385)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6707385
(24)【登録日】2020年5月22日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】穿孔装置及び穿孔方法
(51)【国際特許分類】
   B28D 1/14 20060101AFI20200601BHJP
   B28D 7/02 20060101ALI20200601BHJP
【FI】
   B28D1/14
   B28D7/02
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-72461(P2016-72461)
(22)【出願日】2016年3月31日
(65)【公開番号】特開2017-177740(P2017-177740A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2019年2月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(73)【特許権者】
【識別番号】502263905
【氏名又は名称】ダイヤモンド機工株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000165424
【氏名又は名称】株式会社コンセック
(73)【特許権者】
【識別番号】596105208
【氏名又は名称】第一カッター興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 立
(72)【発明者】
【氏名】上條 宏明
(72)【発明者】
【氏名】澤田 晃成
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 貞夫
(72)【発明者】
【氏名】神田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】綿川 文治
(72)【発明者】
【氏名】大下 貴史
(72)【発明者】
【氏名】眞野 敬英
【審査官】 石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−025985(JP,A)
【文献】 特開平10−166351(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3018982(JP,U)
【文献】 特開平09−076227(JP,A)
【文献】 特開2012−111165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28D 1/14
B28D 7/02
B23B 51/04
B23Q 11/00
E21B 10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の円筒形状のシャンクの先端にチップを固着したコアビットと、
前記シャンクの内部空間に穿孔対象物の表面と隙間をおいて配置され、吸引口を有した吸引部と、
前記シャンク内で前記吸引部に接続され、集塵装置に接続される吸引管とを備え
前記吸引管は、前記コアビットの軸方向に延在して前記コアビットの後方端を貫通しており、前記コアビットの外部において固定されていることを特徴とする穿孔装置。
【請求項2】
前記吸引部は、中空の円柱形状を有しており、
前記吸引口は、前記吸引部の外周部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の穿孔装置。
【請求項3】
前記コアビットを回転させる回転機構部と、前記コアビットを直進移動させる直進機構部と、前記回転機構部及び前記直進機構部を保持する保持部とを更に備え、
前記保持部は、前記コアビットの振動を抑制する制振部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の穿孔装置。
【請求項4】
前記制振部は、前記コアビットを回転可能に挟持する複数のローラを備えていることを特徴とする請求項3に記載の穿孔装置。
【請求項5】
長尺の円筒形状のシャンクの先端にチップを固着したコアビットと、
前記シャンクの内部空間に配置され、吸引口を有した吸引部と、
前記シャンク内で前記吸引部に接続され、集塵装置に接続される吸引管とを備えた穿孔装置を用いて、穿孔対象物に対して穿孔を形成する穿孔方法であって、
前記吸引管は、前記コアビットの軸方向に延在して前記コアビットの後方端を貫通し、前記コアビットの外部において固定されたものであり、
前記吸引部を、穿孔対象物の表面と隙間をおいて配置し、
前記コアビットを、回転させながら、前記吸引部とは個別に前記穿孔対象物に対して直進移動させることにより、前記穿孔対象物に穿孔を形成することを特徴とする穿孔方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穿孔対象物に対して長孔を形成する穿孔装置及び穿孔方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート等の構造物を穿孔するために、円筒形状のコアビットを備えた穿孔装置を用いることがある。この穿孔装置においては、コアビット内に吸引される気体を用いて、コアビット刃先部の空冷と切り粉の排出を行なう装置が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。この文献に記載された穿孔装置では、穿孔速度が低下したときに、ボトル状の容器のノズルから、研磨材を、コアビット外部から穿孔溝に向けて供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−111165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この文献に記載の穿孔装置においては、穿孔中に発生した切粉を、コアビット内で吸引して排出している。この場合、コアビット内の吸引は、穿孔対象物側とは反対側から行なわれる。
【0005】
ところで、長い孔(深い孔)を形成する場合には、連続式のコアビットを用いている。このコアビットは、チップが付いた先端部と、回転機構に接続する接続部とを分離し、これらの間にチューブを人手で追加しながら、コアビットを徐々に延長する。
【0006】
この作業負荷の軽減のため、長尺のシャンクを有する一体式のコアビットを用いることもある。しかしながら、この長尺のコアビットを用いた場合、穿孔対象物側とは反対側からの吸引では、穿孔初期段階で、穿孔面と吸引口とが遠くなる。このため、切粉を十分に排出することが難しかった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、長尺のコアビットにおいて、切粉を効率的に排出することができる穿孔装置及び穿孔方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための穿孔装置は、長尺の円筒形状のシャンクの先端にチップを固着したコアビットと、前記シャンクの内部空間に配置され、穿孔対象物の表面と隙間をおいて配置可能な吸引口を有した吸引部と、前記シャンク内で前記吸引部に接続され、集塵装置に接続される吸引管とを備えた。これにより、穿孔対象物の表面の近傍に、吸引口を配置し、効率的に切粉を吸引することができる。
【0009】
・上記穿孔装置において、前記吸引部は、中空の円柱形状を有しており、前記吸引口は、前記吸引部の外周部に形成されていることが好ましい。これにより、コアビットが切削する円環形状の近傍に吸引口を配置することができるので、効率よく切粉を排出することができる。
【0010】
・上記穿孔装置において、前記コアビットを回転させる回転機構部と、前記コアビットを直進移動させる直進機構部と、前記回転機構部及び前記直進機構部を保持する保持部とを更に備え、前記保持部は、前記コアビットの振動を抑制する制振部を備えていることが好ましい。これにより、穿孔中にコアビットに生じる振動を抑制して、効率よく穿孔することができる。
【0011】
・上記穿孔装置において、前記制振部は、前記コアビットを回転可能に挟持する複数のローラを備えていることが好ましい。これにより、コアビットの動きを妨げないようにローラが回転しながら振動を抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、穿孔時に切粉を効率的に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態の穿孔装置を説明する説明図であって、(a)は穿孔対象物の当接面に向かう側から見た斜視図、(b)は当接面側から見た斜視図。
図2】本実施形態の穿孔装置を説明する説明図であって、(a)は上面図、(b)は側面図。
図3】本実施形態の穿孔装置の要部の拡大上面図。
図4】本実施形態の穿孔装置の要部を説明する説明図であって、穿孔対象物側の当接面から穿孔装置を見た側面図。
図5】本実施形態の穿孔装置の吸引部を説明する説明図。
図6】本実施形態の穿孔装置の動作を説明する説明図であって、(a)は穿孔装置を配置した状態、(b)は穿孔装置によって円環形状に切削を行なった状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1図6を用いて、穿孔装置及び穿孔方法を具体化した一実施形態を説明する。本実施形態では、鉄筋コンクリートブロック(穿孔対象物)に対して、長孔を形成する穿孔装置について説明する。
【0015】
図1(a)及び図1(b)は、穿孔装置10の斜視図である。図1(a)は、穿孔対象物の当接面に向かう側から見た図であり、図1(b)は、図1(a)の当接面側から見た図である。
【0016】
図1(a)に示すように、本実施形態の穿孔装置10は、略直方体形状の支持枠11を有している。この支持枠11は、支持部として機能し、後述する穿孔部20及び集塵機構部30を支持する。具体的には、支持枠11は、四角枠を構成するフレーム12と、各フレーム12のそれぞれと平行に配置されて四角枠を構成するフレーム14とを備えている。更に、支持枠11は、対向する各フレーム12,14同士を連結する4つのフレーム13と、基板15とを備えている。基板15は、支持枠11のフレーム12側に、フレーム13に掛け渡すように取り付けられている。基板15には、貫通孔15aが形成されている。この貫通孔15aは、後述する穿孔部20のコアビット21が遊嵌可能な大きさの円形状を有している。
【0017】
穿孔装置10には、フレーム13と平行に延在する一対(2つ)の差込ブラケット17が設けられている。差込ブラケット17は、フレーム14側が開口した中空の四角柱形状からなる。この差込ブラケット17は、穿孔装置10を移動させる場合に、フォークリフトのフォークを差し込むために用いられる。なお、フォークリフトにより穿孔装置10を持ち上げた場合にも、穿孔装置10の重心がフォーク間に位置になるように、差込ブラケット17は離間して配置されている。
【0018】
図1(b)に示すように、基板15の穿孔対象物側には、1対(2つの)の吸着部18が取り付けられている。1対の吸着部18は、穿孔部20のコアビット21が間に挿通可能な距離をおいて配置されている。各吸着部18は、断面が長方形の板形状をしている。各吸着部18は、長手方向の軸を中心として基板15に揺動可能に取り付けられている。各吸着部18は、穿孔対象物の当接面(加工面)に当接した場合に、この当接面の形状に沿うように回動し、取付角度が変更される。本実施形態の吸着部18は、真空吸着パッドで構成されている。具体的には、各吸着部18には、環状のシールリング18aが当接面に取り付けられている。このシールリング18aによって囲まれた空間には、吸引装置が接続されている。そして、シールリング18aによって囲まれた空間の空気が吸引されて、穿孔装置10は穿孔対象物の当接面に吸着保持される。
【0019】
更に、吸着部18と基板15との間には、制振部としてのローラ19が、複数、基板15に回転可能に取り付けられている。本実施形態では、3つのローラ19が、同一円周上に等間隔で配置されている。
【0020】
図4は、穿孔対象物の当接面側から、吸着部18よりも後方側(フレーム14側)を見た側面図である。この図のように、各ローラ19の外周面が、後述するコアビット21の外周面に当接するように、複数のローラ19が配置されている。
【0021】
図1(a)に示した穿孔部20は、コアビット21、回転機構部25及び直進機構部27を備えている。回転機構部25は、コアビット21を回転させ、直進機構部27は、コアビット21を直進させる。
図2(a)及び図2(b)に示すように、コアビット21は、略円筒形状を有しており、チップ22とシャンク23とを備えている。
【0022】
図3は、図2(a)の穿孔対象物側(図の下側)の拡大図である。
図3及び図4に示すように、コアビット21(シャンク23)の穿孔側(開口側)の先端には、複数の円弧形状のチップ22が、間隔をおいて固着されている。本実施形態のチップ22は、外周側が内周側よりも突出した形状をしている。シャンク23は、例えば1m程度の長尺の円筒形状を有している。
【0023】
図2(a)、図2(b)に示すように、コアビット21の後方端の接続部24が、回転機構部25の回転軸に連結されている。回転機構部25は、回転軸、ギア(図示せず)及びモータ25aを備えている。モータ25aは、その回転軸の回転力を、ギアを介して接続部24に伝達して、コアビット21を回転させる。
【0024】
直進機構部27は、ガイド軸27a及び可動部27bを備えている。ガイド軸27aは、支持枠11内でフレーム13と平行に延在しており、その端部がフレーム12,14に取り付けられている。可動部27bは、ガイド軸27aに摺動可能に取り付けられている。可動部27bには、回転機構部25が取り付けられている。可動部27bは、ガイド軸27a上を直進移動する。
なお、ガイド軸27aの穿孔対象物と反対側の端部には、管支持部材29が取り付けられている。
【0025】
図5は、集塵機構部30の吸引部31を示すために、コアビット21の先端を破断した部分拡大斜視図である。この図に示すように、集塵機構部30は、中空の円柱形状を有した吸引部31と、吸引部31の中央に取り付けられた円筒管形状の吸引管35とを備えている。吸引部31は、コアビット21の直径よりも小さい外径を有しており、コアビット21内でコアビット21と同軸に配置されている。吸引部31の外周面には、複数の吸引口31aが形成されている。吸引口31aは、吸引部31の内部空間を介して、吸引管35の内部に連通している。
【0026】
図1(a)に示すように、吸引管35は、コアビット21のシャンク23の中心軸上に延在されており、コアビット21の接続部24を貫通している。そして、接続部24を貫通して、コアビット21の外部に露出した吸引管35は、管支持部材29に支持されている。吸引管35は、ホース36を介して、集塵装置(図示せず)に接続されている。集塵機構部30は、コアビット21の回転や直進に追従せずに、その位置を保持する。
【0027】
次に、図6を用いて、以上の構成を有する穿孔装置10を用いた穿孔方法について説明する。本実施形態では、穿孔対象物70の円弧形状の当接面71から孔を形成する。
まず、図示しないフォークリフトの一対のフォークを、穿孔装置10の差込ブラケット17に挿入して、穿孔装置10を持ち上げる。
【0028】
そして、フォークを移動させて、穿孔装置10の吸着部18を、穿孔対象物70の当接面71に当接させる。次に、吸引装置を稼働させ、吸着部18のシールリング18aに囲まれた空間から空気を排出して、穿孔装置10の吸着部18を、円弧形状の当接面71に吸着させる。
【0029】
この場合、図6(a)に示すように、集塵機構部30の吸引部31は、隙間をおいて当接面71の近傍に配置された状態になる。更に、コアビット21のチップ22が設けられた開口部は、当接面71と隙間をおいて対向する。
【0030】
そして、吸引管35に接続された集塵装置を駆動させる。これにより、吸引口31aを介して、コアビット21内に収容された空気が、吸引管35を介して排出される。
【0031】
次に、穿孔部20の回転機構部25のモータ25a及び直進機構部27の可動部27bのモータを駆動させる。
この場合、図6(b)に示すように、コアビット21が回転しながら、穿孔対象物70の当接面71から内部へと直進して、円環形状に切削を行なう。ここで、コアビット21がローラ19間を通過すると、各ローラ19は、コアビット21に当接して、このコアビット21の回転に従って回転する。
【0032】
そして、コアビット21の切削によって発生した粉塵(切断粉)は、当接面71近傍のコアビット21内から、吸引部31の吸引口31aを介して吸引管35内に取集される。更に、この粉塵は、吸引管35からホース36を介して集塵装置に排出される。
【0033】
その後、コアビット21による切削が完了した場合、差込ブラケット17にフォークリフトを挿入して、穿孔装置10を穿孔対象物70から遠ざける。これにより、穿孔対象物70におけるコアビット21の内部領域がコアビット21とともに引き抜かれ、穿孔対象物70に孔が形成される。
【0034】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の穿孔装置10は、長尺の円筒形状のシャンク23を有したコアビット21と、シャンク23の内部空間に配置された吸引部31と、吸引管35とを備えている。コアビット21は、回転しながら直進して、穿孔対象物70に円環形状に切削を行なう。この場合、吸引口31aを有した吸引部31は、コアビット21の動きとは関係なく、その位置を保持する。これにより、穿孔対象物70の当接面71の近傍に吸引口31aが常に配置されるので、長尺のコアビット21で穿孔する場合であっても、効率的に切粉を吸引することができる。更に、吸引される切粉は、コアビット21内に配置された吸引管35を用いて、効率的に切粉を排出することができる。
【0035】
(2)本実施形態の吸引部31の外周部には、吸引口31aが形成されている。この吸引口31aは、集塵装置に接続された吸引管35の内部に連通している。これにより、コアビット21による円環形状の切削領域の近傍で、効率的に切粉を吸引して排出することができる。
【0036】
(3)本実施形態の穿孔装置10の支持枠11の基板15には、コアビット21の外周面に当接する複数のローラ19が回転可能に取り付けられている。これにより、コアビット21の回転時に、コアビット21に生じる振動を抑制することができる。
【0037】
(4)本実施形態の穿孔装置10は、真空吸着パッドで構成された1対の吸着部18が取り付けられている。これにより、当接面71への吸着によって、穿孔装置10を確実に固定できる。更に、吸着部18は、揺動可能に取り付けられている。これにより、穿孔対象物70の当接面71が円弧形状であっても、この当接面71の形状に沿って穿孔装置10を、強固に固定することができる。
【0038】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の穿孔装置10では、コアビット21の振動を制止するためのローラ19を3つ取り付けた。ローラの数は、これに限定されない。複数のローラで挟持して振動を抑制できれば、2つや4つ等であってもよい。
【0039】
また、基板15のフレーム12側にローラ19を設けたが、制振部の位置は、これに限らない。例えば、基板15よりもコアビット21の接続部24側においてフレーム13に取り付けてもよい。
【0040】
更に、基板15のコアビット21の接続部24側に追加で、コアビット21を挟むようにローラ19を取り付けてもよい。また、穿孔装置10において、穿孔中のコアビット21の振動を抑制するための制振部の構成は、ローラ19に限定されるものではない。
【0041】
・上記実施形態の穿孔装置10の吸着部18を、真空吸着パッドで構成した。吸着部18は、穿孔装置10を、曲面等の穿孔対象物の当接面に着脱可能に固定できる機構であれば、真空吸着パッドに限られない。
【0042】
・上記実施形態の穿孔装置10は、コアビット21の内部を吸引することにより、切粉を排出した。これに加えて、コアビット21の外周を覆って、この外周に空気を供給してもよい。更に、吸引部31の吸引口31aは、円筒形状の外周部に設けたが、コアビット21の切削部分の近傍であればよく、吸引口31aの配置はこれに限定されるものではない。例えば、穿孔対象物に対向する面における外周縁部に設けるようにしてもよい。更に、上記実施形態では、吸引部31を、隙間をおいて穿孔対象物70の当接面71に配置した。吸引部31の配置は、これに限らず、吸引部31の吸引口31aが当接面71と隙間をおいて配置できれば、吸引部31の先端を当接面71に当接してもよい。
【0043】
・上記実施形態の穿孔装置10は、長尺のシャンク23を有する一体式のコアビット21を備えた。穿孔装置に用いられるコアビットは、長尺のシャンクを有する一体式の構成に限定されるものではない。例えば、連続式に用いられている構成に適用することも可能である。この場合には、形成する孔の長さに相当する分の複数のチューブを連結しておく。
【符号の説明】
【0044】
10…穿孔装置、11…支持枠、12,13,14…フレーム、15…基板、15a…貫通孔、17…差込ブラケット、18…吸着部、18a…シールリング、19…ローラ、20…穿孔部、21…コアビット、22…チップ、23…シャンク、24…接続部、25…回転機構部、25a…モータ、27…直進機構部、27a…ガイド軸、27b…可動部、29…管支持部材、30…集塵機構部、31…吸引部、31a…吸引口、35…吸引管、36…ホース、70…穿孔対象物、71…当接面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6